【モバマスSS】市原仁奈物語 (79)
※注意事項です
P視点の地の文多いです
Pとアイドル以外のキャラが出てきます。
主役は仁奈ちゃん
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517712602
♯1 出会い
【114514プロダクション 第2資料室】
P「・・・暇だなあ」
114514プロダクションという会社の一室でひとりごちた。
半年程前のことだ。自分の担当しているアイドルがスキャンダルを起こした。熱愛報道である。まあ珍しくもない。
しかし、お忍びデート中に交通事故、しかも両名死亡というのは話が重すぎた。
事故を起こしたのが、そこそこ人気のアイドルと大手会社の売り出し中の若手俳優
ある意味ドラマチックといえばいいのか。この事故は一時期紙面を賑わせた。
本当にただの交通事故だったのだが、やれ無理心中の失敗だの、麻薬疑惑だの色々書かれていたものだ。
当然、会社は自分に説明を求め、会議という名の吊し上げが行われた。
残念なことに、自分がその関係を黙認していたことがまずかった。「バレないように」といい含めていただけだった。
【アイドル】はイメージ商売だ。当然原則として恋愛は禁止である。しかし、人の気持ちなんて抑えられるわけがない。自分はそう思っていた。
だから彼女の思いを知ったとき、止めることをしなかった。・・・まさかこんなことになるとは思わないじゃないか。
会社の諸々の調査・男性側の会社との相談が終わってからの会社から自分への通達は
【第2資料室にて資料整理を期限無しで行う】という業務命令だった。資料なんかないのだが。ビジネス机一つと空の本棚があるだけだ。
まあ要するに、自主退社するように追い出し部屋に追いやられている状態である。そんなわけで一人には広いこの部屋で、暇を持て余しているのだ。
まあ、自主退社は面倒だし、次の職も今のところ探す気はない。面倒だし
もし仮に会社から解雇を通達されてしまっても、その方が都合がいい。むしろそれを望んでいるまである。失業保険やらの手続きが楽だし。
そんなわけでここ最近は、この部屋でのんびりと過ごしている。
P「そろそろ昼にするかなー。寒くなってきたし、うどんでも食いに行くか」
戸締まりは・・・いいか。どうせ誰も来ないし
~1時間後~
P「ただいまーっと」
さて午後は何をしようか。持ってきた携帯ゲームでもやろうかな。久しぶりに封印ハードでも・・・
P「・・・・ん?」
部屋の真ん中になんかある。
???「・・・」
P「なんだこれ?でっかいぬいぐるみ?」
うさぎのぬいぐるみかな?なんでこんなところに昼前にはなかったはずだ。
物置に置けない衣装をとりあえずここにおいたのだろうか?邪魔なので隅にでもおいておこう。
???「・・・う・・・ん」
・・・ちょっと待ておい。今 声を出さなかったか。
???「・・・」
気のせいかはわからない。とりあえず触ってみることにする。
P「いいさわり心地だなあおい」
なんていうかモッフモフである。
???「うーん・・・・・・・・ふわぁ」
やっぱり動いてるじゃないかこれ。距離取ったほうがいいかな?
???「あれ・・・?仁奈、寝てやがりましたか・・・?」
・・・子供だ。
???「おはようごぜーます。どちら様でやがりますか?」
【114514プロダクション~第2芸能課オフィス】
第2芸能課はアイドル部門担当であり、自分の元職場?というか元いた部屋である
ちなみに第一はモデルだ。アイドル引退した人でこっちに行く人もいたりする
来たのはいいけど正直すっげえ気まずいなあこれ。退職の挨拶だと思われそうだ。
・・・とりあえず自分の元上司に声をかけてぶん投げよう。そうしよう。
仁奈「・・・どうかしたですか?」
入りづらそうにしているのがバレたのか僕の服の裾を握ったまま仁奈さんが心配そうに聞いてきた
P「・・・いや、なんでもないよ。行こう。」
P「失礼します。課長はいらっしゃいますか?」
・・・・・・・・・・・・・
課長「よう。どうかしたか。ついに転職先決めてきたのか?」
よかった。いた。最後が気にかかるが聞こえなかったフリだ。後はなんとかしてもらおう。
P「いえ、オーディションを受ける子が迷子になっていたようでして、とりあえずここに連れてきました。」
課長「あーそうか。この子か?」
P「市原仁奈さんというらしいです。」
仁奈「・・・」
握っている手に力が入ったような気がした。
課長「・・・・・うーん。しかし困ったな。うちにジュニアアイドルの担当ができるようなやついないんだよなあ。」
P「・・・」
課長「あ、いいこと考えた。お前暇だろ?」
・・・嫌な予感しかしない
P「いえ、資料整理がありますので。」
課長「嘘つけ。あそこに資料なんかないだろ。転職の宛もないんだろ?」
・・・反論できない。
課長「お前あの部屋でこの子のプロデュースしろ。俺からの業務命令だ。いいな?」
【114514プロダクション~第2資料室】
P「まずは親御さんに連絡して手続きしないとね」
仁奈「・・・」
さて、アイドルを充てがわれたわけだけども。どうしようかな。
仁奈さんは椅子の上で所在なさげに座っている。外の自販機で買ってきたジュースにも手を付けない。
しかしどこから手を付けていいものか。業務に必要だろうと。自分が前使っていたサブノートPCを渡されるし。
仁奈「・・・あの」
P「ん?どうかしたかな?なんでも聞いてね」
出来る限り優しい口調で話しかけるように努める。
仁奈「アイドルって何をするんでごぜーますか?」
P「・・・簡単に説明するからジュースでも飲みながら聞いてよ。」
・・・・説明中・・・・・
仁奈「歌ったり踊ったりするお仕事でごぜーますか!楽しそうです!」
P「うん。まあそんな感じ。他にも色々あるけど仁奈ちゃんならそういう方向になると思うよ」
仁奈「キグルミは着れますか!?仁奈キグルミのお仕事がしてーです!」
・・・いま着てるのも動物の毛皮っぽいパーカーだもんなあ。モフモフがすきなのかな?
P「キグルミ好きなんだね」
仁奈「はい!キグルミをきてるとみんな笑顔になるです!」
P「じゃあそっち方向でも仕事できるよう進めていこうか。」
色物感すっごいけど面白そうだし、仮に失敗してもいいだろう。そのときは素直に退職しよう。そうしよう。
・・・そうして僕と市原仁奈というアイドルの生活がスタートしていくのであった。
♯2 初レッスンの日
市原仁奈がこの会社に採用されて2日たった。仁奈ちゃんの家はプロダクションから歩いて20分くらいだった。
ちょうど家と会社の間にある小学校に通っているらしい。正直近いのは助かる。送迎が楽ってのはいいことだ。
親御さんには挨拶をと思ったが本当に忙しいらしく、電話連絡だけになった。
正直思ったより丁寧な方だった。初日の感じから見てわりとヤバイ人だというのを覚悟していたんだが。
ついでに事情をそれとなく聞いてみたが、父親は海外で働いており母親も本当に忙しいらしくあまり構えないらしい。
そういうことらしいので、必要書類を仁奈ちゃんに持たせて、親御さんに記入してもらい、仁奈ちゃんが出勤時にもってきてもらう
というかたちを取らせていただいた。まるで連絡帳だ。
・・・最低条件はクリアしたのでこれから仁奈ちゃんと仕事をしていくことになった
アイドルとして基本的な仕事はロケとライブである。そんでそれをサポートするべきプロデューサーの仕事は営業にて仕事を取ってくること。
レッスンの手配、会場の準備、ロケやらの営業などである。
会場はまあいい、今までやってきたこととそうかわらない。レッスンはトレーナーさんに任せるとしてだ。
P「問題は営業だよなあ・・・」
前の主だった取引先は件のアイドルの一件を当然知っているわけで。
ウチみたいな一介の中小企業。事件の当事者?な自分である。イメージが果てしなく悪くなってたらどうしよう。仕事取れるのかな。
・・・まあ、デビュー前に考えても仕方ないか。
仁奈「元気ねーですね?どうかしたですか?」
P「うん。大丈夫だからレッスン行こうか」
仁奈「了解です!行くですよー!」
【114514プロダクション~トレーナールーム】
トレーナー「その子が新しいアイドル候補ですか?」
総合トレーナーさんはダンス・ボイス・ビジュアルを担当しておりダンスはモデルさん体型維持のためやっている事が多い
P「はい。市原仁奈といいます。よろしくお願いします。」
仁奈「よろしくおねげーします!」
トレーナー「とりあえず歌唱力レッスンから始めましょうか」
仁奈「キグルミはどこにありやがりますか!?」
トレーナー「えっ・・・?」
・・・もう一度説明をしなきゃいけないことになった。
~5分後~
仁奈「キグルミ着るまでには中々大変でごぜーますね!がんばるでごぜーます!」
多少のトラブルはあったけど、とりあえずレッスンは始められそうだ。
嬉しい誤算だったのが仁奈ちゃんはリズム感がよく、歌も下手ではないということ。
独特な口調に関してはむしろ個性だと思うので、この方向を伸ばして行きたいと思う。
~2時間後~
トレーナー「はい!今日はここまで。お疲れ様でした!」
P「ありがとうございました。またよろしくお願いします」
仁奈「ありがとうごぜーました!!!」
元気よくお礼を言う仁奈ちゃんを見てるとなんかこう癒やされるなあ。
トレーナー「いやー仁奈ちゃんは筋がいいですね。これだったらデビューもすぐですよ」
P「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
【第2資料室】
仁奈「・・・うー・・・疲れたでごぜーます・・・」
P「お疲れ様。頑張ったね。」
仁奈ちゃんは椅子でへばっていた。まあ初日だしなあ。
仁奈「キグルミマスターへの道は険しいでごぜーます・・・」
・・・キグルミマスターとはなんだろう。
仁奈「これから何をすればいいでごぜーますか?」
P「今日はもう何もないから帰っても大丈夫かな?送っていこうか。」
プロダクションと家が近いというのはいいことだ。
仁奈「・・・・まだ家に帰りたくねーです」
P「どうして?」
仁奈「ママがまだ帰ってこねーでごぜーますから。・・・一人は寂しいでごぜーます。」
・・・親御さんに連絡して送ってあげれば大丈夫か
P「・・・えっと、ここにいる?暇つぶしの道具とかなんもないけど」
携帯ゲームはあるけどソフトが仁奈ちゃんには向いてなさすぎる。マリオとか持ってきたほうがいいのかな?持ってないけど
仁奈「いいんでごぜーますか!?」グー
・・・仁奈ちゃんのおなかの虫の音がした。
仁奈「・・・お腹すいたです」
P「・・・とりあえずご飯食べに行こうか」
【ファミリーレストラン~緑のオスカー】
仁奈ちゃんのお母さんに今日はこっちで食べさせると連絡をいれて、
会社から一番近いファミレスに来てみた。こういうとこ来るの久しぶりだなあ。
仁奈「どれにしようかな~」
P「なんでも頼んでいいから。決まったら教えてね」
目を輝かせてメニューとにらめっこしている仁奈ちゃんを見ると癒やされる
仁奈「このハンバーグプレートににするでごぜーますよ」
P「デザートは大丈夫?」
仁奈「・・・いちごパフェがいーです!」
P「了解。じゃあ注文するね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
仁奈「おいしかったです!」
P「そらよかった。」
仁奈ちゃんの家までの帰り道、仁奈ちゃんはとてもうれしそうである。
仁奈「・・・誰かとご飯食べたの久しぶりでやがりました!楽しかったでごぜーます」
P「・・・僕で良ければこれからも付き合うよ。」
仁奈「ほんとでごぜーますか!」
P「まあ、忙しくなければ」
仁奈「じゃあいつでも大丈夫でごぜーますね!」
・・・子供は正直だなあ
♯3 まずは環境づくりから
レッスンをにいく仁奈ちゃんを見送る。
仁奈「いってくるでごぜーます!」
P「いってらっしゃーい。さて・・・と」
仕事を始めるにあたっての環境を整えていきたいので、この資料室を模様替えすることにした
P「とりあえず掃除だな。後は小学生がいてもおかしくない部屋にするか」
2時間じゃ無理なのでちょこちょこやっていこう。課長に許可もとってくるか。
【114514プロダクション~第2芸能課オフィス】
課長「別にいいぞ。どうせ使ってない部屋だし好きにしろ。」
案外すぐに許可が降りた。
P「ありがとうございます」
課長「子供がいるからな、ある程度ちゃんとした部屋にしてやれよ。」
P「わかってます」
よし、じゃあこんなとこにいてもしょうがない。早速始めなければ。
課長「一応言っとくけど羽目をはずしすぎるなよー」
~~~2時間後~~~
仁奈「戻ってきましたでごぜーます!」
レッスンが終わって仁奈ちゃんが戻ってきた
P「おかえり」
仁奈「・・・部屋がなんかきれーになってやがるです?」
P「とりあえず今日は掃除だけね。模様替えの許可は取ったから。仁奈ちゃんも私物おいていいよ。」
仁奈「キグルミもいいでごぜーますか!?」
P「もちろん。いっぱい持ってくるんだったら連絡してね。車出すから」
仁奈「わーい!」
~~3週間後~~
【114514プロダクション~第2資料室】
課長「・・・俺さ。やりすぎるなって言ったよな?」
P「そうでしたっけ?」
覚えてるけどすっとぼける
課長「なんで本棚の中にぬいぐるみが詰まってんの?」
P「あれはぬいぐるみじゃなくてキグルミですよ。仁奈の私物です。」
課長「あそこの小上がりとこたつは何?」
P「仁奈スペースです」
課長「仁奈スペース・・・?」
P「高床式ユニット畳とコタツがメインです。掘りごたつにもできるやつですね。もっと寒くなってきたらこたつにします」
P「あとは小型冷蔵庫とみかんですね。いやー水道があってよかったですわ。あ、使ってない給湯室にも調理器具揃えたんで自炊もできますよ」
課長「・・・ユニット畳なんてあるのか。いくらくらいするんだ?」
P「通販だと4畳半で5万くらいですかね?今回は友人に頼んだんで2万5千くらいですね」
持つべきものは木工所生まれの友人である。事情を聞いて畳が届いたら3日でやってくれた
課長「・・・オフィスなんだからもうちょっと自重しろよ」
P「あそこでこたつで宿題している仁奈の前で同じこといってきてください。僕はできません。」
正直悪ノリしすぎたとは思っている。反省はしていない。
仁奈「浪人生の気持ちになるですよ~♪」
鼻歌を歌いながらご機嫌で宿題をしているけど浪人生の気持ちってなんだろうか。どこで覚えたそんな言葉
課長「・・・許可」
P「ありがとうございます」
・・・子供を泣かせる趣味は課長にはないらしい
♯4 あいどるでびゅーを目指して
仁奈がここに来て部屋を改造し、2ヶ月ほどたったころだった。トレーナーさんから一回見に来てほしいと連絡があった。
ちょこちょこ顔を出していたが、改まって言われたのは初めてである
・・・・・・・・・・・・
【114514プロダクション~トレーナールーム】
トレーナー「まずはボーカルレッスンから」
仁奈「あ~~~~~♪」
トレーナー「次はダンス」
仁奈「~~~~~~~」
トレーナー「はい!OK!ちょっと休憩!」
仁奈「ありがとうごぜーました!」
トレーナー「どうでしたか?Pさん」
P「ええ。すごいと思います。」
仁奈「仁奈すげーですか!Pもうれしーですか!?」
P「うん。よくがんばったね。」
・・・頭を撫でる
仁奈「えへへー///」
仁奈「・・・・」
P「ん?どうしたの?」
仁奈「Pが笑ってるのはじめてみたでごぜーます!」
・・・いつもニコニコしてたつもりなんだけどなあ
仁奈「やっとPを笑顔にできたでごぜーます!」
・・・デビューライブの手配をしよう。すぐしよう。
♯5 あいどるでびゅー!
【ファミレス~緑のオスカー】
P「今日はお疲れ様。よくがんばったね」
仁奈「一人で写真に撮られるのはさびしーでごぜーますよ・・・」
宣材写真を撮りに行った帰り道、お仕事のご褒美という名目でのいつものファミレスである。
仁奈が一人で写真を撮るのを嫌がった。ここまで一人が駄目だとは、むしろ自分は一人のほうがいいんだけどなあ。
とりあえずカメラマンの後ろええ僕がスタジオにあった猫耳をかぶり、
あとで食事に連れて行くこと、ファミレスまで肩車で運ぶことを約束し事なきを得た。
宣材写真を撮ったということはアイドルとして動ける、ここで発表することにした
仁奈「仁奈のデビューライブでごぜーますか?」
P「うん。小さい会場だけどね。3週間後の日曜にやろう。」
実は宣伝ももう打ってある。会社最寄りのモール屋上スペースで、このプロダクションのデビューでは割りとおなじみの場所である。
P「ここからアイドルとしての市原仁奈が始まるよ。レッスン増えるけど頑張ってね。」
仁奈「がんばるですよー!で、どのキグルミにすればいいですか!?」
・・・・衣装さんと相談しよう
~~三週間後~~
【モール松坂~控室】
仁奈「どらごんだー!」
衣装を見てはしゃいでいる仁奈をみて癒される
P「気に入ってくれて良かった」
仁奈「ドラゴンの気持ちになるでごぜーますよ!がおー!」
緊張もないみたいだし大丈夫かな。初舞台だけど成功してほしいなあ。
~~ライブ前~~~
\ワイワイガヤガヤ/
・・・思ったより人が入っているなあ。緊張しないといいんだけど。
仁奈「・・・・・・P」
P「どうかしたかい?」
仁奈「・・・始まるまで手を繋いでほしーでごぜーます。」
P「もちろん。」
やっぱ緊張するよね。初舞台だし。
仁奈「・・・ドラゴンの気持ちになるまでお願いするです」
P「いくらでも付き合うさ。頑張ってきたんだからきっと平気だよ」
スタッフ「すいませーん。そろそろ時間でーす」
仁奈「スゥーハァー」
大きく深呼吸
仁奈「いってくるでごぜーます!」
~~~ライブ中~~~
MC「今日のアイドルは~市原仁奈ちゃんです!」
仁奈「よろしくおねげーします!ドラゴンアイドル市原仁奈です!」
MC「元気いいねー!じゃとりあえず歌ってもらおう!曲は「お願い!シンデレラ!」
仁奈「おーねがい♪シーンデレラ~♪」
【舞台袖】
P「うん。問題なさそうだ。・・・ん?」
課長「よう。精が出るな。」
P「課長、来てくれたんですか?」
課長「そりゃうちのアイドルのデビューだからな」
P「すごいですよ仁奈、初めてでこれだけできるなんて」
これなら他の仕事もガンガン入れていける。
課長「・・・やっと前の感じに戻ったな」
P「はい?」
課長「事件以来ヤケになってたろ?後追いするんじゃないかとみんなに思われてたんだぞ?お前」
P「・・・えっと」
初耳である
課長「事件に関してはしょうがなかった。熱愛報道と交通事故なんて一社員がどうこうできる問題でもない」
課長「社長もそのへんはわかってる。でもお前はかなり気にしてたろ。担当だし当たり前だな。だから他の所属アイドルの担当に回せなかった。」
P「そうですね。多分他のアイドルの担当になっても、まともに仕事はできなかったと思います。」
課長「でもまあ処分は下さないといけない。だから使ってない部屋に配属ってことにしてもらった」
課長「自主退社するならそれもよし、治ったらもとに戻ってやってもらえばいいってな。」
P「気を使っていただいてありがとうございます。仁奈のことは?」
課長「あれは偶然に決まってんだろ。そもそもうちに15才以下のアイドルなんていねえし募集もしてないんだよ。」
・・・そういえばそうだった。そもそもうちにジュニアアイドルなんていなかった。最年少の及川さんでさえ16歳だ
課長「お前ホントに顔と頭やばかったんだぞ。自分ではわかんなかったか?」
P「・・・」
そんな基本的なことさえ見えなくなっていたんだなあ。
課長「なんで来たのかは最初わからなかったけど来ちまったもんはしょうがない。お前への暇つぶしも兼ねたつもりだったんだぞ?」
P「えぇ・・・」
適当すぎないかおい。
課長「一番近いプロダクションに来ただけってのはちょっとどうかと思ったけどな?」
課長「嬉しい誤算だったのがあの子が思った以上にアイドル向きなこと、お前が子煩悩だったことだな」
・・・子煩悩なのか僕は、そんな年じゃないのに
課長「俺も娘がいるからな。気持ちはわかる。」
P「初耳です」
課長「言ってないからな。お、もう終わるぞ」
MC「市原仁奈ちゃんでしたー!ありがとうございましたー!」
仁奈「みんなーありがとうごぜーましたー!」
\ワアアアアアアアアアアアアアアア/
・・・歓声が聞こえる。仁奈はうまくやってくれたみたいだ
【モール松坂~控室】
仁奈「どーでしたかP!がんばったでごぜーますよ!」
P「うん。よくがんばったね。本当にいいライブだったよ」
仁奈「Pもうれしーですか!?」
P「ああ、本当に嬉しいよ。お疲れ様。仁奈」
仁奈「やったー!」
ドラゴンのキグルミで飛び跳ねている かわいい
P「じゃあ着替えて帰ろうか。」
仁奈「はーい!あ、おんぶ!おんぶ!」
P「あー・・・車まででいい?後着替えてからね」
課長「(大丈夫かこいつ?ロリコンになってないか?」
途中から声に出てんぞそこのおっさん
~~おんぶで移動中~~
【駐車場】
P「ほら、車についたよ。降りて」
仁奈「・・・・・Zzzzz」
あちゃ 寝てしまってるわ。
P「そら疲れるわなあ」
起こさないように後部座席に寝かせて、と
仁奈「うー・・・zz」
P「今日は頑張ったな。お疲れ様。仁奈」
P「それと・・・どうもありがとう。これからもよろしくお願いします」
仁奈「zzzzzzz」ニヘー
♯8 エピローグ
結論から言うとライブは成功だった。うちのプロダクション初のジュニアアイドルとしてアイドルファンが結構注目していたらしい
独特な口調のキグルミアイドル。市原仁奈は結構インパクトを与えたようだ。
そのせいか営業をしなくても、いろんなイベントやらなんやらの問い合わせがわりと来るようになった。
P「お電話ありがとうございます。114514プロダクションのPと申します。・・・イベントロケに市原を使いたいということでよろしいでしょうか?」
P「ありがとうございます。 スケジュールは問題ありませんのでよろしくお願いします。・・・キグルミの種類はどうなさいますか?」
P「クマで、承知いたしました。こちらに在庫がございますので写真をお送りいたします。では、失礼いいたします」
P「この日はイベントっと・・・」カキカキ
新しく増やしたホワイトボードに仁奈のスケジュールを埋めていく。順調に仕事が増えていると思う。
まあ肝心の仁奈といえば今は
仁奈「カメの気持ちになるですよーzzzz」
亀のキグルミ着てこたつむりになってねているわけだが。
P「仁奈ー次のお仕事決まったぞー」
仁奈「・・・zzzzz」
P「仁奈おきて。次はクマだよ~」
仁奈「・・・はっ、おはようごぜーます!クマですね!ちょっとまってくだせー」
キグルミを着替えだす仁奈を見守率つこっちも準備する
仁奈「できやがりました!クマの気持ちになるですよ!」
・・・・まあ色々あったけどやっと自分として動き出せたようなきがする。仁奈のおかげだ。一人だと絶対燻ったままだった。
P「・・・絶対トップアイドルにしてやるからな。一緒に頑張っていこう」
仁奈「もちろんでごぜーます!これからもよろしくですよ!」
次回予告
他の所属アイドルと絡みも増えてきた仁奈。順調に仕事をしていたP。
そんな折に課長に呼び出される。現状最年少が16歳、10代が2人だけという状況の危うさをとかれた。
つまり仁奈と仕事に行ったついでにスカウトしたりオーディションに参加するだけでいいそうだ。簡単な話だった
まあ早い話が年の若いアイドルを増やせとのこと。ロリコンに向いているそうだ、失礼な。
とりあえず仕事しながらついででいいや。・・・なんて思っていた時一人の子共に出会う
次回 「市原仁奈物語~第2話~元気印の女の子」
次回に続きます
このスレこのまま使います よろしくお願いします。ありがとうございました
乙
綺麗な話にくっそ汚いプロ名をなぜ合わせたのか
ハートフルなストーリーでほっこりした
なもんでプロ名が謎すぎる
22時半くらいから第2話の投下をさせていただきます
プロダクション名は一応考えてこれにしました。けしてわるふざけじゃないよ?ほんとだよ?
そろそろ投下を始めさせていただきます
よろしくお願いします
第2話
「元気印の女の子」
♯1 うちの事務所のアイドル達
【事務所~第2資料室】
P「・・・・」
仁奈のデビューライブから、少したってコタツの中で仕事をしていたところだった。
P「・・・そろそろ仁奈がレッスンから帰ってくるかな・・・ん?」
・・・走ってくる足音が聞こえてくる 帰ってきたかな?
???「失礼しまーす!!Pさんいるー!?」
違う。仁奈はこんなに大きくはない。
P「・・・姫川さんじゃないですか。お疲れ様です。」
うちの所属アイドルである姫川友紀さん。野球好きのアイドルで、割りと売れている。
友紀「いやーひさしぶりだね!」
P「半年ぶりくらいですかね」
友紀「もうキャンプインだよー!今年のキャッツはやってくれるよ!」
P「いえ、今年はコモドドラゴンズが優勝ですから。」
友紀「・・・・正直厳しいと思うよ?あたしがいうのもなんだけどさ」
P「マツザカが10勝10本打ちますから余裕です」
友紀「ゲレーロいないのに?」
P「・・・まあ正直厳しいとは思います。で、何のようですかね?」
・・・厳しいのはわかってるけど応援するよ。ファンだからね。・・・2回位先発してほしいなあ
友紀「やっと課長から許しが出たからね!」
・・・・なんの?
~~~説明中~~~
・・・要するに、だ
P「課長から下手に刺激すんなってお達しがアイドルの皆さんにあったと。」
友紀「そーそー!だからみんな会いにもこなかったでしょ?」
相手にされてないわけじゃなかったのか 気ぃ使われてんなあ僕
友紀「で、この前の仁奈ちゃんのライブで課長からお許しが出たんだー」
P「なるほど、で。御用というのは」
友紀「そーれーはー・・・おこたにはいりにきました!」
突然足を入れてきた。ちょっと緊張する
P「・・・お帰りはあちらになっております」
友紀「残念ながらそれは却下!いやーおこたがあるんだって聞いてさー入りたかったんだよねー。あ、ビールある?」
ねえよそんなもん。間違っても持ってくるなよここに
P「みかんと冷蔵庫にジュースとお茶しかないですよ・・・ん?」
さっきより控えめな足音だ。今度こそ仁奈だろう
仁奈「ただいまでごぜーます!」
P「おかえり。お疲れ様。仁奈」
友紀「やっほー仁奈ちゃん!遊びに来たよー!」
仁奈「あ!友紀おねーさん!」
P「知ってたんですか?」
友紀「レッスン場で何回かねー全員じゃなくても当然会えば話くらいするよー」
P「それはそうなんですけども、そんなんきいてないんですが。」
仁奈「友紀おねーさんは教育に悪いからPさんに内緒にしてって言われてました!」
P「誰に?」
仁奈「早苗おねーさんです!」
友紀「ひどっ!」
・・・・片桐さんも人のこといえないんだよなあ。
P「ちなみに仁奈。他に誰と会ったりした?」
仁奈「えーっとですね・・・もう言っていいんでごぜーますか?」
P「え、何?秘密なの?」
仁奈「早苗おねーさんが女の子同士の秘密だから男のPさんには内緒にって・・・」
あー・・・そうやって黙らせてたのか。片桐さんすごいなー。油ものきついだろうからさっぱりしたなにかを奢ろうか。それかポン酒
友紀「もういいんじゃない?あたし来ちゃったし」
仁奈「そーですね・・・えっと・・・早苗おねーさんと、楓おねーさん・・・芽衣子おねーさんに・・・夕美おねーさん」
指を折りながら仁奈が確認している。・・・多いなー
友紀「他にも~若葉ちゃんと雫ちゃんに亜里沙さん!」
・・・アイドル全員じゃないか。
友紀「あとー鈴帆ちゃんと笑美ちゃんも会いたいって言ってた!」
・・・よその事務所まで来てるのか すごいなー仁奈
仁奈「今日は友紀さんあそんでくれるでごぜーますか!?」
友紀「どんとこいだよ仁奈ちゃん!あ、忘れてた。Pさん」
P「どうかしましたか?」
友紀「課長が呼んでるって伝えに来たんだった」
・・・・早く言ってください
【事務所~第2芸能課】
P「失礼します」
課長「よう」
課長はなんかだらだらしていた。
課長「友紀に呼びに行かせたんだけど遅かったな?」
P「聞いたのがさっきだったもので」
課長「ま。友紀だしそうなるな」
P「・・・で、何のようですかね?」
課長「・・・ちょっと場所変えるぞ」
~~移動中~~
【ファミレス~緑のオスカー】
課長「ほら。好きなものたのめ。よく来るんだろ?」
P「仁奈がいますからね。ドリンクバーだけでいいですわ」
課長「そうか?遠慮しなくていいんだぞ」
連れてこられたのは仁奈とたまに来るファミレスだった。おっさんと二人でファミレスとかちょっとつらい
課長「・・・・で、用件なんだがな」
P「はい」
課長「お前今のウチの状態把握してるか?」
P「・・・」
うちのアイドルは基本的にアイドルとしては年齢が高い人が多い。元々役者中心の芸能事務所だったこともあり、アイドルとして入る人は少ない
年季を踏んだアイドルにはモデル部署への移動という転向のしやすさもあってアイドル部門にはあまり人材がいないのだ。
なのでオーディションも少なく、サポートできる人員も少ない。モデル部門からアイドルに逆に移った高垣さんという方もいるがあれは例外だ。
課長「ウチは現在アイドルは10人もいない状態だ。十代は2人だけ。20代が中心になっている、みんな優秀ではある。」
課長「今すぐどうこうってわけじゃない。だが数年後どうなるかわからない。まあ、何が言いたいかっっていうとな。」
P「なんとなくわかりました。アイドルのオーディションやるんですね?」
課長「おう、事件のほとぼりも冷めてきたし、市原仁奈という存在のおかげで、社長もも若いアイドルを入れることに前向きな姿勢を見せてくれた」
課長「そこでお前ジュニアアイドル部門のプロデューサーとして、スカウトとオーディションに参加してほしい。」
P「・・・仁奈だけで手一杯なんですけど」
課長「そういうな。だから第2資料室は今日からジュニアアイドルルームになるから、頼んだぞ」
P「・・・わかりました。一応頑張ってみます。」
【事務所~第2資料室改めジュニアアイドルルーム、略してJルーム】
スカウトとオーディションかあ、まあやるだけやってみよう。
P「ただいまー」
仁奈「おかえりでごぜーます!」
「おかえりー」「おかえりー」「おかえりなさいです~」
・・・増えてる
P「何やってんですか。及川さん、片桐さん」
早苗「いやーコタツっていいわよねー」
雫「すいませ~ん。お邪魔してますね~」
片桐早苗さんと及川雫さん。所属アイドルの二人である
P「まあいいんですけど。お茶しかありませんよ?」
早苗「大丈夫!もうこれでやってるから!」
・・・・一升瓶だった。教育に悪いからやめてほしいなあ。よくみたら姫川さんも缶ビール持ってやがる。どっからもってきた。
雫「私もこれがありますので~」
牛乳を持っている。あ、仁奈が及川さんの膝の上でくぴくぴのんでいる。ああかわいい
P「あ、牛乳ありがとうございます。及川さんはいていいので」
友紀「ちょっとー!私と早苗さんはー?」
P「子供の前で真っ昼間から酒飲んでる大人たちは教育に悪いのでね」
友紀「真面目だねー!」
早苗「ほんとにね~」
早苗「とりあえずコタツ入れば?課長なんだって?」
P「あー実はですね・・・」
~~説明中~~
早苗「へーオーディション再開するんだ」
P「そうみたいです。暇な時に僕にも参加してほしいとのことでした」
仁奈「おーでぃしょん?」
友紀「新しいアイドルが増えるんだよー」
仁奈「ほんとでごぜーますか!」
早苗「スカウトもするの?」
P「まあ平行していけとのことです。とりあえず、仁奈のイベントのついでって感じですかね。」
早苗「しっかしオーディションかあ。ここオーディションとかやるのね」
雫「私はオーディションでしたよ~楽しくお仕事してます~」
P「ま。急ぎってほどでもないしいいでしょ」
・・・時計を見る。そろそろでかけなければ
P「仁奈。そろそろ行くよ。今日は羊ね」
仁奈「準備万端でごぜーますよ!」
すでに仁奈が羊に着替えていた、さすがだな仁奈
友紀「・・・すっごい早着替えだね?」
P「キグルミマスター目指してますから」
・・・未だによくわかってないけど
♯2 公園での出会い~決して事案ではない
~~イベント後~~
仁奈「ありがとーごぜーましたです!」
P「よし。帰ろうか、なんかしたいことある?」
関係者各位に挨拶を終えて、帰り支度を始める。最近は身バレが困るので仕事帰りはキグルミ禁止令を出している
仁奈「ちょっと動きたりねーです・・・」
P「じっとしてたもんね今日は」
睡眠グッズのCMのため羊のキグルミだった。つまり全く動かない。と言うか寝たふりだったのだ
仁奈「ダンスでもしたほうがいいですかね?」
P「うーん、流石にトレーナーさん無しでやるのはよくないかな。あ、そうだ」
仁奈「?」
P「そこにアスレチック公園あったからさ。夕方まで遊んでいこうか」
仁奈「・・・わーい!」
仕事は後でやればいい。仁奈が帰ったあとでも全然出来るだろう。そんなこんなで移動しよう
【アスレチック公園~グローメル公園】
仁奈「わーい!わーい!」
龍に乗って妙な斧持ったオジサンの肖像がシンボルのこの公園で遊ぶ仁奈に付き合っていた。
しかし子供の体力は底なしだった。僕はすぐバテてしまった
仁奈「P・・・かっこわりーです」
P「ごめん。ホント体力なくて・・・」
・・・激しい運動なんて久しくしてないからなあ、元々運動苦手だし
仁奈「しょうがねーですねー!じゃあ仁奈をみててくだせー」
P「・・・ふぅ」
ベンチに座って風を浴びる。汗かいちゃったなあ。
???「ねーねーダイジョーブ?」
P「・・・ん?」
???「だいじょうぶー?げんきー?かおるがおおうえんしてあげようか?」
P「あ、ああ。大丈夫だよありがとう」
薫「よかったー!かおるもね!すごいげんきだよー!」
P「そうなんだ。それはよかったね」
薫「ねーねー、スーツのお兄さん!あの子と遊んできていい?」
P「・・・仁奈のこと?いいと思うよ」
薫「ほんと!じゃあいってきまー!にーなちゃん!あーそーぼー!」
・・・かおるって言う名前の女の子が仁奈へ向かって駆け抜けていった。すごいなーげんきだなー子供達
仁奈「たのしかったですよー!」
薫「たのしかったー!」
夕方になって二人が僕のところに戻ってきた。
仁奈「薫ちゃん!また遊ぶですよ!」
薫「うん!ママまだかなー」
どうやら薫ちゃんのママはちょっと用事が入っていてここで遊んでてとのことだったらしい。
ちょっと不用心かな?とも思うが、目の前の建物からちょこちょこ覗いていた女性が多分そうなのだろう
薫「仁奈ちゃんのパパも楽しかった!?」
P「うん。楽しかったよ。僕はパパじゃないけどね」
仁奈「Pは仁奈のプロデューサーでごぜーます!」
薫「・・・じゃあげーのーじむしょのひとなんだ!すごいね!」
P「芸能事務所わかるの?」
薫「かおるねー!まえげーのじむしょにいたんだー!こっちにきてからやめちゃったけど!」
・・・ほう。あ、いいこと考えた、
仁奈「P、どうしたでごぜーます?なんか悪い顔ですよ?」
P「薫ちゃん。仁奈とこれからも遊んでくれる」
薫「いーよ!」
P「実はね。仁奈はアイドルをやってるんだ。今日もお仕事帰りでね」
薫「そうなんだ!すごいね!」
P「・・・薫ちゃんもアイドルやってみない?いいんだったらママさんに僕の方から話に行くけど」
薫「・・・んー、でもかおるアイドルとかよくわかんないよ?」
P「大丈夫!僕もよくわかってないよ。とりあえず遊んでればオッケーだから」
仁奈「キグルミ着るお仕事ですよ!」
P「それは仁奈だけだからね?」
薫「・・・かおる、みんな元気にできる?」
P「うん。絶対」
薫「うん!わかった!かおるアイドルになるー!」
・・・っしゃ!いいね。車で送迎したとはいえそこまで遠くないこのスタジオ。
おそらく学校もそう遠くない。つまり来やすい。送迎も楽だろう。ここは重要だからね
♯3 新しい仲間
【事務所~Jルーム】
P「というわけで今日からうちに来ることになりました。龍崎薫ちゃんです。はい!拍手!」
薫「よろしくおねがいしまー!」
パチパチパチパチと拍手の音が聞こえる
早苗「よろしくね薫ちゃん!」
楓「よろしくね薫ちゃん、薫ちゃんのにおいが香る・・・いまいち」
友紀「よろしくね!薫ちゃん」
とりあえず三人だけだけどまあレッスンしてたらみんなにあうだろうさ
P「・・・一応言っときますが、薫ちゃんも入ったのでここでの飲み会はやめてくださいね?」
仁奈を送って事務所に帰ってきたらこの三人が酒盛りをしていた。まったくもってダメ大人の集いだった。しかも僕の分がなかった。
友紀「あははーついね?こたつあったしさーおつまみも冷蔵庫にあったし?」
早苗「そうよそうよ。お新香とかきんぴらあるのが行けないのよ」
・・・それは僕の常備菜だ。タッパーに入れて食事にプラスして栄養バランスのためたべている、帰ってきたらほとんど全滅していた。悲しい
楓「・・・さけはさけられねーです。美味しかったです。ありがとうございました、また作ってきてくださいね?」
・・・なんか悲しくなってきた。大人立入禁止にしてやろうか、でも仁奈が悲しむだろうしなあ
仁奈「わーいわーい!仲間がふえたでごぜーます!」
・・・そんなこんなで薫ちゃんが加わりました。課長の目が何かを訴えていた気がしたけどきのせいだようん
♯4 薫ちゃんのはじめてのおしごと
【4日後~フォトスタジオ~俺の風】
あい「今日はよろしく頼むよ」
薫「よろしくおねがいしまー!」
薫ちゃんの初仕事はうちにいるモデルの東郷あいさんのベールガールだ。東郷あいさんのドレスをもつ係である
ウェディングドレスの撮影なので、子供をつかうということでぶっこんだ。うちの事務所ジュニアモデルがいないので特に障害もなく話がまとまった
仁奈の方は今日一緒に行くアイドルの日下部若葉さんに面倒を頼んだ・・・果てしなく不安だけど
あい「・・・どうかな?」
P「・・・綺麗です。あの、とっても」
あい「ふふ。ありがとう。お世辞として受け取っておこう」
・・・本心だ。かっこいいなあこの人。いやなんていうか失礼かもだけど。僕より身長高いし・・・1cmくらい
薫「あいお姉ちゃんきれーだよー?」
あい「ありがとう。さて。仕事して来ようか。よろしく頼むよ?」
P「はい」
薫「かおるはー!」
P「かわいいかわいい」
薫「わーい!」
あい「さて、そろそろ仕事だ。準備しようか」
・・・・・・・・・・・・・・
撮影が始まった・・・薫ちゃんちょっと表情硬いか?大丈夫だろうか?カメラマンさんも多分気づいている
メインが東郷さんだから大丈夫か?でも薫ちゃんの初仕事なのに、ちょっと急すぎたかも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カメラマン「お疲れ様でした!いや~東郷さんよかったですよ!薫ちゃんもお疲れ様!」
薫「・・・」
P「・・・すいません。今日はありがとうございました。薫ちゃん。ちょっといいかな?」
薫「・・・うん」
あい「・・・」
【フォトスタジオ~俺の風~控室】
薫「あの、ごめんなさい・・・」
P「・・・謝るようなことは一個もしてないよ。緊張している様子がリアルな結婚式みたいってカメラマンさんも言ってたから結果オーライ」
・・・これは本当だ。だから再撮影はなしだ。メインじゃないしね。しゃがんで薫ちゃんと目線を合わせる
薫「・・・かおるね。笑顔になろうと思ったのに、さつえいが始まったらよくわかんなくなっちゃった・・・」
P「・・・そっか」
薫「ニコニコしようとしたのに、・・・ねえプロデューサーさん。かおるどんなかおしてた?」
P「頑張ってた。それは僕が保証する。薫ちゃん・・・薫は一番可愛かったよ」
薫「・・・ほんと?」
P「もちろん。だってカワイイと思ってなかったらアイドルやろう?なんて言わないでしょ?」
薫「うん」
P「薫はとってもかわいいんだ。・・・今日はちょっと失敗しちゃったって自分で思うならね」
薫「うん」
P「次につなげればいいんだよ。その経験を無駄にしないようにね。・・・ちょっとむずかしいかな?」
薫「・・・わかった!薫次はもっとがんばりまー!」
P「よし、じゃあちゃっちゃと挨拶してご飯でも食べに行こうか。仁奈と日下部さんも一緒にね」
薫「はーい!」
あい「・・・私もご一緒していいかな?」
着替え終わった東郷さんが来た
P「東郷さん。ええ、もちろん。あ、おしゃれな店とかじゃないんですけどいいですか?」
ぶっちゃけいつもファミレスである
あい「・・・ああ。もちろんだ。ふっ」
P「?」
薫「・・・せんせぇ!かおる着替えてきまー!」
P「・・・ん?せんせい?なんで?」
あい「君がまるで先生のようだったからじゃないか?・・・頼りない印象を持っていたんだがどうやら見込み違いだったようだ。すまないね」
P「いえ、事実ですから。」
あい「子供の目線にたって、きちんと理解させられる人間が無能なわけがないだろう?」
私はお役御免だったね・・・か。なるほど、東郷さんは薫ちゃんのフォローをしに来たのか。優しい人だ
薫「せんせぇ!お着替えしてきたよ!」
P「薫ちゃん、そのせんせぇって?」
薫「かおるってよんで!せんせぇはせんせぇだよ!」
P「そっか。わかった行こうか。薫」
薫「うん!」
P「東郷さんもよろしいですか?」
あい「ああ、それと敬語は要らないよ。あいと呼んでくれたまえ。君のほうが年上だろう?」
P「わかりました。とうご・・・あいさん」
あい「・・・固いね。まあいいよとりあえずは」
・・・本当にいいんだろうか
♯5 エピローグ
【翌日~Jルーム】
P「・・・何か申し開きはありますか?」
早苗「・・・雫ちゃんがね?実家から牛肉が来たって行ってね?それでしぐれ煮にして持ってきてくれたのよ」
友紀「ねーねーPさん。やっぱここテレビ置こうよ~Jスポいれよ~よ~」
楓「ぎゅうっとつまったしぐれ煮が美味しかったです・・・いまいち」
仁奈「ダメ大人の気持ちになるですよ~!」
・・・ならないで。お願いだから
P「とにかく、このままだとコタツ撤去の流れを作りますよ?小上がりも片付けます」
仁奈「・・・だめなんでごぜーますか」
薫「薫もコタツはいりたい!」
P「・・・大人立ち入り禁止にかえましょうか」
亜里沙「まあまあおさえておさえて」
P「持田さんまで・・・だめでしょう。仮にもうたのおねえさんが事務所で朝まで酒盛りって・・・」
持田亜里沙さん。国営放送でうたのおねえさんをやっていらっしゃる方だ。こんなん知られたらイメージダウンにも程がある
ウサコ「亜里沙は悪くないウサ~。様子見に来たらもう始まってたウサ~」
友紀「異議あり!亜里沙さんもノリノリだったと思いまーす!」
P「異議は却下します。一番反省していない姫川さんは今後4年ドラフト会議のくじが外れる呪いがかかります」
友紀「やめて!?キヨミヤ失敗したばっかりなんだよ!ここ最近ドラフトあんまりよくないんだよ!?」
裕子「今サイキックの話しましたか!?」
・・・なんか知らない子がにゅっと出てきた。
P「つーか自重してください。これだと拡張もできやしない、・・・君はどちらさま?」
裕子「昨日オーディションで受かりました堀裕子です!よろしくお願いします!」
P「ああ、うん。よろしくお願いします?堀さん」
裕子「ユッコでいいですよ!貴方がPさんですね!サイキック仲間とは光栄です!」
・・・電波かな?課長こういう子好きそうだもんなあ。・・・あれ?他にも誰か来る
あい「・・・失礼する」
P「あ、あいさん。どうしたんです?」
楓「あ、あいちゃん。どうしたんですか?」
あい「楓さん、お久しぶりです」
あ、この二人知り合いなのか。そらそうか。元々同じ第一の人だもんな
あい「今日から第2へ異動しました。東郷あいです。皆さんよろしくお願いします」
・・・え?まじで?
あい「君のサポートをしつつ、自分の活動もしていくことになった。なに、心配はいらない。よろしく頼むよ?」
P「え、ああ。よろしくお願いします」
あい「敬語はやめてほしいといったんだがね・・・まあいいか」
楓「・・・あらあら」
・・・何か含みをもたれているような?
P「よし。そろそろお仕事行くぞ二人共。片桐さん。今日はよろしくお願いします」
早苗「よっしゃ気合い入れていくわよ!」
仁奈・薫「はーい!」
次回予告
課長からアイドルのスカウトを命令されたP
ロリコンセンサーに頼るわという発言に不満をもちつつも、出かけることにした
街中をブラブラしていると道に迷った一人の少女が目に留まる。声をかけたら通報されかけた
市原仁奈物語 第3話 クッキングアイドル~橘ありす
次回もよろしくお願いします
~おまけ・課長のオーディション風景・堀裕子編~
~回想~
課長「・・・では、我が114514プロに来た動機を教えて下さい」
裕子「はい!予知夢でここが出てきたので!目的はサイキックをひろめに来ました!」
裕子「特技はスプーン曲げです。むむむ~」
裕子「・・・はぁ、はぁ、今日は調子が悪いみたいです」
課長「・・・すごい情熱を感じるな。よし!採用だ!」
【事務所~Jルーム】
裕子「大体こんな感じでした!」
P「うちは基本どんなアイドルでも受け入れちゃうからね。社長の方針だけど、だから名前もいいよこいよなんだって」
だから仁奈が置いて行かれてもしれっと採用してしまうのだ。すごいよねうち。いつかふざけてるとかいわれないだろうか
裕子「ふざけているわけじゃなかったんですね!」
P「ふざけていると思っているのに、入社するって君凄いねえ」
裕子「ありがとうございます!」
・・・いや。ほめてないけど
~おまけその2・若葉さんと仁奈~
【動物園~ガリア・キルヴァス】
若葉「今日はこちらの動物園に仁奈ちゃんとお邪魔していま~す」
仁奈「今日はトラさんでごぜーます!がおー」
若葉「元気ですね~じゃあ一緒に行きましょうか~」
仁奈「はいでごぜーますよ!」
若葉「見てください仁奈ちゃん。ぞうさんですよ~」
仁奈「わーい!ぞうさんだー!」
若葉「ふふっ仁奈ちゃん。おててつないでいきましょうね?」
仁奈「はーい!」
こんな感じでずーっと続いたらしい
・・・子供二人の微笑ましさと全力でお姉さんぶる若葉さんが可愛かったので結構評判だったらしい
それを言った日下部さんは喜んでいた。間違っても子供二人とは言わなかったけれど。
今日の投下おわりです ありがとうございました
乙です。
地の文が異常に読みやすいんですけど意識してることってありますか?
>>38
特に何をしているというわけではないのですが、一回自分で音読しています。突っかかったら修正を加えるという形を取っています。
むしろ地の文に頼りすぎてお恥ずかしいくらいです
もうすぐ第3話を投下し、22時半くらいに第4話を予定しています。それで最終話となります よろしくおねがいします
準備できましたので投下します
市原仁奈物語 第3話 クッキングアイドル~橘ありす
♯1 スカウト・タチバナ
【街中】
P「・・・めんどくさいなあ」
・・・街中をブラブラしている僕は今スカウトという名の暇つぶしに来ている
仁奈たちがいないと時間が長いよ。早苗さんとの交通安全教室みたかったなあ!課長のあほー!
あい「まあそういうものではないよ?それとも私と一緒ではご不満かね?」
P「い、いえ!そのようなことはないです!むしろ僕なんて駄目じゃないかと」
あい「過度な謙遜は相手を不快にさせる。覚えておいたほうがいい、しかも君はスカウトに関しては先輩なんだからなおさらだ」
P「・・・はい」
・・・手厳しい。ていうかあいさんと一緒なんだよな・・・すっごい役得じゃないかこれは
あい「しかしスカウトって何をすればいいんだ?闇雲に声をかけていいものなのかい?」
P「まあ、なんていうかビジュアルが一番大事ですね。パット見の第一印象で決めちゃっていいと思います」
あい「ふむ」
P「あとはジュニアなら親御さんが近くにいるかどうかも結構重要ですね。話が早くなりますので」
あい「・・・じゃああの子とかはどうかな?」
P「・・・えっと」
ふと見ると女の子がキョロキョロしている。なんというか・・・迷子?
あい「さっきの言葉を借りるなら親御さんが近くにいないようだが?・・・ん?」
P「大丈夫?道に迷った?親御さんは近くにいる?」
???「・・・ひゃっ」
・・・カワイイ悲鳴だった。びっくりさせちゃったかな・・・?でも、迷子は助けないとね
???「な、なんですか?これ以上近付かないでください。これを使いますよ」
・・・防犯ブザーかな。迷子じゃなかったのか
P「あーごめんね?迷子かと思ってつい、大丈夫そうだったら・・・」
あい「突然走り出すのはやめてくれないかな?こっちはヒールなんだよ?」
P「あ、すいませんあいさん」
???「・・・」
あい「スカウト中ではなかったのかい君は・・・まあいいんだが」
P「いやー迷子だと思ったら体が動いていました、すいません」
あい「まあ気にしないがね」
???「・・・スカウト?・・・かっこいい人ですね」
・・・あいさんのことだろうなあ 聞こえないふりをしてあげるのも優しさだ
~~~説明中~~~
あい「ふむ、君は橘ありすさんというんだね」
P「初めまして、ありすさん。すいませんね」
ありす「・・・橘です。橘とよんでください」
・・・あ、これは確かに失礼か。最近のノリでどうも子供を下の名前でよんでしまう
P「そうでしたか。それは失礼しました。橘さん」
頭を下げる、・・・なんかびっくりしてる?
ありす「・・・悔しくないんですか?子供にこんなこと言われて」
P「自分が間違えたらきちんと謝る。それができないのは人として良くないと思いますので」
ありす「私、自分のありすって名前好きじゃないんです。どう思いますか?自分の名前を否定する子供って」
・・・いきなりそんなこと聞かれた。うーん。どうしたもんか
P「・・・名前というのは自分のものです。好きな方がいいとは思いますが、嫌いなら嫌いでもいいのでは。ちなみになぜでしょうか?」
自分なりの真剣な答えではある。満足するかはわからない
ありす「・・・子供っぽい名前じゃないですか、ありすって」
P「まあ、あまり聞きませんね。日本の方ですと。でも似合ってますよ?主観ですけどね」
ありす「・・・そうですか、あの、アイドル事務所とのことですがどういったものですか?」
P「そうですね、名刺をお渡しします。ちなみに私がプロデューサー、こちらの東郷あいさんはモデル兼任です」
あい「私もアイドルをやって行きたくて最近声をかけてもらったんだよ」
ありす「そうなんですか・・・?えっと114514プロダクション?・・・あの、ふざけてるんですか?」
P「・・・名前は突っ込まないでくれると嬉しいです」
あい「・・・?うちはI・Kプロダクションではないのか?」
P「あーそのへんややこしくなるんですけどね」
・・・わかりやすく言うと114514はアイドル部門の名前、I・Kはモデル部門の名前なのだ
第一部の社員の殆どは興味ないだろうし知らないだろう。高垣さんも最初来た時驚いていた。
あい「・・・そこそこいたつもりだったが、初めて知ったよ」
P「アイドル部門で名刺作らないとまず知らない話ですから」
・・・アイドル事業所部門として設立した時にどんなアイドルでも受け入れようと言う方針でこうなったらしい。
・・・個人的には芸人事務所の名付け方じゃないかと思っている。
P「略してイチゴの人とか呼ばれたりもします」
イチゴ農家みたいだがそっちはまだ悪くないと思う
ありす「・・・ほう」
あい「・・・一つ賢くなったよ」
P「・・・で、興味あったりしますか?」
ありす「将来音楽関係のお仕事に就きたいので・・・そういうトレーニングは受けられますか?」
ありす「あと会社の規模、業績に関しても教えてください」
P「はい。トレーニングに関しては無料で行っております。会社規模はいわゆる中小です。資本金は・・・」
・・・出来る限り丁寧に答える。しかし子供の方に聞かれたのは初めてなような
ありす「・・・両親と相談して決めていいですか?こういうのって親が駄目なら駄目ですし・・・いいとは思うんですけど」
P「・・・ええ、もちろん。もしその気があるのなら、私の方から親御さんとも話させていただきます」
ありす「・・・わかりました。あの」
あい「なんだい?」
ありす「本屋さんまでの道を教えてもらっていいですか?」
・・・やっぱり迷子じゃないか
♯2 カニュウ・タチバナ
【事務所~Jルーム】
入社した橘さんをみんなに紹介する
P「というわけで橘ありすさんです。みんな拍手!」
パチパチパチパチ、と拍手の音が聞こえる
ありす「よろしくお願いします。橘とお呼びください。あ、あの、なぜ事務所に小上がりのこたつがあるんですか?」
仁奈「キグルミもありやがりますよ!ありすちゃん!」
ありす「橘です。キッチンに色々あるのはどうしてですか?」
薫「せんせぇが御飯作ってくれるんだよ!よろしくおねがしまー!ありすちゃん!」
ありす「橘です。なぜお酒の瓶があそこに捨ててあるんですか!?」
友紀「いやーごめんごめん。聞いてなかったら処分できなくって!」
P「あんたらいつも処分しないでしょ。いつも僕が片付けてるのに」
早苗「いやあいつも悪いわねー」
ありす「タチバナです・・・あの、ここは実は芸人事務所だったりするんですか?」
楓「ありすでありんす・・・ふふっ」
ありす「・・・私のことはみなさん橘とお呼びください。ありすとは呼んでも返事しませんので」
P「ごめんね橘さん。なんかね、まともな大人が少なくって」
どういう意味だー!と姫川さんと片桐さん、あとしれっとしてる高垣さん、あんたも同類だからね?
あい「そうだね。橘さん。よろしくお願いするよ。あ、私はあいでかまわないから」
ありす「・・・あいさんはありすでもいいです」
・・・好感度システムかな?
♯3 ファーストレッスンタチバナ
【事務所~トレーナールーム】
トレーナー「はい。そこでターンして!」
・・・トレーナーさんのレッスンをする橘さん。ダンスレッスンも真面目にこなしてくれている
トレーナー「はい!休憩!次は仁奈ちゃん!薫ちゃん!」
ありす「・・・予習は完璧だと思ったのに」
仁奈・薫「はーい!」
仁奈と薫の返事に隠れて橘さんのつぶやきが小さく聞こえた。
ありす「・・・ありがとうございました」
・・・ちょっとフォロー入れるか
P「・・・お疲れ様」
ありす「・・・なんですか?笑いに来たんですか?ちっちゃい子どもたちより体力がないって」
・・・仁奈や薫より休み休みなのは初日なので当たり前なのだけれど、一つ譲れない部分があるので訂正してもらう
P「・・・その言い方は仁奈や薫に失礼だ、今すぐ訂正してください」
ありす「・・・っ」
P「仁奈や薫の最初の頃より今の君はずっとできていると個人的に思います」
P「でも今の発言は仁奈と薫を馬鹿にしていると思います。だからそこだけは訂正してください」
ありす「・・・ごめんなさい」
P「うん。大丈夫、橘さんならすぐに追いつけますよ。レッスンをきちんとこなせばね」
ありす「・・・間違えたときに謝れないのは駄目なことなんですよね?」
P「覚えててくれましたか」
ありす「・・・私、めんどくさい子でしょう?先生にも言われたことあるんですよ」
ありす「いちいち突っ込むし、笑わないし。大人にも生意気な口を聞いて、可愛げがないと思わないですか?」
P「ん?仕事に真剣な人に対して生意気がどうとかありますか?」
ありす「・・・だって。子供ですよ?」
P「ここは学校のお仕事ごっことは違います・・・僕は仕事に関しては年齢なんか考慮しないですよ?出来ると思ってるから言ってますが」
P「悪影響を及ぼすようなら今すぐ帰ってください。っていいますね。さすがにもう少し言い方柔らかくしますけど」
ありす「・・・サボりたい時はどうすればいいんですか?」
・・・真剣な顔してそんなん聞かなくてもいいと思うんだけど
P「そのときは明日からやればいいんですよ。やらなきゃいけない時以外はね」
ありす「甘やかしてるじゃないですか・・・」
P「・・・そうですかね?」
橘さんが笑っている。なんだ。ちゃんと笑えるじゃないか、
ありす「あと敬語は結構です。年上の方ですから」
・・・殆ど全員タメ口でありす呼びしてるもんね。なんかごめんね?本当に
P「わかった。改めてよろしくありす」
ありす「橘です」
P「あ、そこは駄目なんだね」
・・・子供って難しいなあ
♯4 クッキングタチバナ~練習編
【事務所~Jルーム】
友紀「いやーありがたいよね!料理番組だって!」
・・・姫川さんがそんなことを言ってきた。かわいいエプロンをつけて料理を食べてもらう。バラエティ料理番組からオファーが来たらしい
友紀「でさー、子供役の誰かをサポートに入れたいなーって思って!」
・・・サポート・・・誰が適任だろう?
ありす「・・・私で良ければいいですよ?まだお二人は小さいですし荷が重いかと。」
・・・仁奈と薫は相葉さんと一緒に外で何かしていた。サポートということであれば一番年上の橘さんに頼むべきであろう。
初仕事でテレビというのは美味しい。だけど、一つ懸念がある。
P「・・・お二人とも。料理はできますか?」
バラエティなら失敗もおいしい。けど一応確認したほうがいい。洒落になれないレベルだと本当に良くないのだ
友紀「枝豆は茹でれるよ!」
ありす「問題ありません。料理にも挑戦しようと思っていたところです」
P「つまり二人共できないと」
友紀「まーまー!なんとかなるって!ちょっとキッチン借りてみていい?」
ありす「そうですね。私達の実力をみせてあげます」
・・・このノリだけでなんとかしようとする感じ、橘さんここに染まってきたな?
P「わかりました。今は空いてますし、試してみましょう。課題料理は?」
友紀「イタリアンだってさ!」
ありす「・・・わかりました。友紀さん、スーパーまで材料を買いに行きましょう」
友紀「ガッテン!」
~~少女調理中~~
P「で、できたものがこれと」
ありす・友紀「・・・」
P「ちなみにこれは?」
友紀「牛肉の苺煮込み~枝豆を添えて」
ありす「さ、どうぞ。味は大丈夫ですから」
P「・・・これ味見した?」
・・・おおう二人して目をそらしやがって。一口食べる。うん、ほんとに潰して煮込んだだけだなこれ?
牛肉にも下味すらついていない。ただの牛肉のジャム付だ。持ち物の中にバルサミコ酢がなかった時点で嫌な予感はしていたけど。
付け合せは枝豆なのはいいとしてせめてソテーとかにしてほしかったかな?
P「・・・うん。二人共」
友紀「なにかな?」
ありす「・・・」
P「今からこれをリカバリーするので見ていてくださいね?」
~~~青年調理中~~~
P「まず、ステーキ肉はできるだけソースを取り除きます。肉汁が出ちゃってますがもうどうしようもないので」
友紀「ほほう」
P「フライパンにバターを敷いて苺ソース(仮)を入れて、塩、胡椒、バルサミコ酢ちょっと、にんにく、最後にお醤油を加えて味を整えていくよ」
ありす「苺だけじゃ駄目だったんですね・・・」
P「実際苺ソースってあるにはあるの」
・・・個人的にはトマトで十分では?とか思ってしまうけどね。一回作ってまあこんなもんかって妥協したんだよなあ
P「お肉はバターを敷いたフライパンにのっけて表面だけ軽く焦げ目を付けていこうね」
P「お好みで塩コショウいれてもいいけど今回ソースあるんでまあいいかな?」
P「枝豆も茹でるだけじゃなくステーキにつけ合わせるならステーキのフライパンそのまま使ってソテーにした方がいいですね。
P「あ、ベーコンがあるんでついでにこれと枝豆をあわせて使いましょう」
・・・ちょっと油強いかな?でも塩っ気が足らないんだよなあこれ
P「手が開いてる時に洗い物も済ませちゃいましょう。そうすると手間が最小限で済みます。理想は食事用の食器以外全て片付けていること」
P「おし。できた。こんな感じでリカバリーできたかな?」
友紀・ありす「おお・・・」
P「はいステーキの苺ソースです。枝豆のソテーをどうぞ」
友紀「思ったよりちゃんとした味だ!」
P「・・・橘さん」
ありす「・・・はい」
P「やったことないならできないことは恥ずかしいことじゃないから。一緒に練習しようね?」
P「自分に今できることを増やしていって、目の前のことをきっちりやるのが上達の早道だからね?」
ありす「・・・よろしくお願いします。Pさん」
・・・ちょっと評価されたかな?
♯5 クッキングタチバナ~本番編
【番組名~恋のエプロン~スタジオ】
MC「では今回のお二人、姫川友紀さんと新人の橘ありすさんです!」
ありす「よろしくお願いします」
姫川「よろしくぅ!」
MC「今回のお題はイタリアン!他にご要望はありますか?」
ゲストの芸人さんに話を振っている、まあレシピ覚えてるし大丈夫だろう
ゲスト「そうですね~やっぱり僕はイタリアンと言えばパスタだと思うのでパスタがいいですね」
・・・全く教えていないものが出たぞおい。よりによってパスタかよ。
MC「じゃあイタリアン・パスタということで!お願いします!」
・・・二人が困惑している。ぶっちゃけ枝豆のソテーを茹でたパスタに絡めるだけで十分うまいんだけど。・・・気づくかな?
MC「今回このお二人はイチゴを用意してくれとわざわざたので来たくらいですからね!楽しみです!」
・・・なるほど。つまり失敗してる姿が撮りたいわけか。撮影前の食材の希望をいちごにしたからな。まあデザートだと思ったんだろう・・・橘さん。大丈夫かな
友紀「・・・どうしよっか?」
ありす「・・・友紀さん。パスタを茹でたことありますか?」
友紀「あるよー?ほっといて失敗したけど」
ありす「裏にある時間きっちり測ってパスタを茹でてください。あと枝豆のソテーもついでに」
友紀「ありすちゃんは?
ありす「私はソースを作るので、大丈夫です。できます」
ありす「できました。橘流イタリアン、苺ミートソースのパスタです。枝豆のソテーもどうぞ」
ゲスト「お、おう。これはなかなか・・・凄い見た目やね。いちご入ってるの一発でわかるよ」
MC「じゃあ食べてみましょうかね・・・?」
ゲスト「・・・!わりといけるやんこれ!」
MC「ホントですね。きちんと苺の酸味が聞いてますわ。僕は甘いの苦手ですけど食べれますよ」
ありす「よかったです、既存のレシピを応用したんですが、うまくいったみたいで」
友紀「ちょっとーあたしのソテーはー?」
ゲスト「ビールほしいなあ」
友紀「よしっ!ならオッケー!」
MC「さて・・・判定は・・・?」
判定は100点満点で行われている。70以上ならまあ美味しいラインだ
ゲスト「78点!」
MC「78点出ました!理由は?」
ゲスト「いや~無茶振りしたって自覚あったんですけどねえ。ふつうに美味しいんですよこれ」
MC「ありがとうございました!本日は以上です。70点を超えましたので番組HPにレシピが記載されます!お楽しみに~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【スタジオ~控室】
ありす「どうでしたか」
友紀「いや~焦ったね~苺使うっていってたのに、パスタは予想外だったよ」
P「すごかったですよ二人共、よくやりましたよほんと」
ありす「・・・Pさんのおかげですよ。Pさんが教えてくれなかったら、多分大失敗してました」
P「覚えたことを自分で応用したんだから橘さんは立派な料理人だよ」
ありす「・・・こういう時はよくやったなありすって言う方がいいと思います」
友紀「おやおや~?」
ありす「な、なんでもありません」
P「・・・よくやったね。ありす」
ありす「・・・はいっ!」
・・・こうして初仕事は終わったのだった
♯6 エピローグ~クッキングアリス
ありす「どうぞ。苺ソースパスタです。デザートに苺のムースもどうぞ」
仁奈「すげー!うめー!」
薫「おいしー!」
あい「・・・なるほど。これはなかなか」
夕美「苺ってこんな使い方もあるんだね。ありすちゃんはすごいね!」
ありす「そうでしょうそうでしょう」
・・・声は平常心を保っているが凄まじい程にドヤ顔である。あれからレシピがそこそこ話題になり、
橘ありすは苺料理の子としてすこし話題になっていた。・・・だけど一つ問題がある
P「ねえありすさん。そろそろ苺使わないレシピ覚えない?」
ありす「いえ、まだ私は苺料理を極めてはいませんから」
・・・これなんだよなあ。ほんとまいっちゃうなあこれ、他の料理を覚えてくれないんだよなあ
ありす「・・・それに、苺以外はPさんが作れますから、将来的には問題ありません」
・・・ああ、そのうち覚える気があるんだね。じゃあ問題ないか
ありす「Pさん。その時まで待っていただけますか?」
P「うん。覚えたくなったらいつでもいってね」
ありす「・・・まあいいです。言質取りましたからね。忘れないで下さいよ」
夕美「あはは・・・」
あい「・・・鈍感とはかくも恐ろしいものなり、かな?」
P「なんか言いました?」
あい「なんでもないさ、ん?誰か来るね」
???「失礼しまーす。えーっとここは、・・・子どもたちが多いなあ。お山の気配はそんなにないかな?」
P「えっと。どちらさまで?」
愛海「あたし棟方愛海です!昨日からアイドルになりました!趣味は山登りです」
P「そうですか。よろしくお願いします」
愛海「あ!お山発見!愛海!いきまーす!」
棟方さんがあいさんに飛びかかった!あ、あいさん普通に避けた。ズザーって音とともにヘッドスライディングしてる・・・ピンクか
愛海「うぅ・・・鼻打ったあ・・・」
仁奈「すげー!」
薫「いまのどうやったの!すごいすごーい!」
夕美「だ、大丈夫?」
P「・・・あの・・・何を?」
愛海「趣味だっていったじゃないですか?」
P「え?だって山って」
愛海「女の子のお山に決まっているでしょう!?おっぱいですよおっぱい!」
P「えぇ・・・」
愛海「私はそれを触りたい放題っていうからあいどるになったのに!」
あい「いや、それはだめだろう」
P「・・・君立入禁止ね?子どもたちに悪影響だよ」
愛海「大丈夫!子供は対象外だから!あ、でも膨らみかけのも悪くないかも・・・」
P「課長、なんでこんなの採用しちゃったんだよ・・・」
本編は以上です 予告とおまけに続きます
次回予告
人数がいい感じに増えてきたのでライブやるぞと課長に提案されたP
個人的には仁奈のソロデビューもしたいなあと思っていたところだったがちょうどいいと思っていた矢先
仁奈のお父さんが来た。仁奈を海外につれていきたいとのこと。
どうするか迷う仁奈に僕はどうすればいいんだろうか
次回 仁奈物語 最終話~アイドル市原仁奈として
~おまけ・課長のオーディション風景 愛海編~
課長「・・・では、我が114514プロに来た動機を教えて下さい」
愛海「はい!及川雫さんと片桐早苗さんのファンなんです!」
課長「・・・なるほど」
愛海「趣味は山登りです!とくに及川さんや片桐さんはいいですよね!姫川さんや相葉さんもいいと思います!」
課長「・・・そんな山あったかな?まあいいや採用」
愛海「本当ですか!あのう、アイドルになったらお山登ってもいいですか?」
課長「・・・仕事中でなければいいんじゃない?」
愛海「ありがとうございます!これからよろしくお願いします!」
・・・・・・・・・
愛海「こんな感じだった!」
普通の山だと思ってるじゃないか?登山アイドルだと思ってるよ・・・
P「課長。あなたやらかしてるよ。盛大に」
~おまけその2・こうつうあんぜんきょうしつ~
※早苗さん視点です
早苗「みんな~横断歩道ではどうするのかな~?仁奈ちゃん」
仁奈「手を挙げるでごぜーますよ!」
・・・ピー◯君のキグルミを来た仁奈ちゃん。あ~カワイイわ~
早苗「はいみんなで~右見て、左見て」
薫「くるまは危ないから気をつけて渡ろうね!」
さっきまで自転車の講習をしてくれていた薫ちゃん。こっちも婦警姿がいいわね~
子どもたち「はーい!」
早苗「じゃあ今日はここまでだからね!みんなちゃんと気をつけるのよ!」
二人「ばいばーい!」
先生「じゃあみんなにお礼言いましょうね!」
子どもたち「ありがとうございました~!」
・・・・・・・・・・・・・・
先生「ありがとうございました」
早苗「いえいえ、またよろしくおねがいしますね」
仁奈「ありがとうごぜーいました!」
薫「ありがとうございまー!」
早苗「よし!引き上げるわよ!失礼します」
二人「はーい!」
・・・・・・・・・・・・・・
【車内】
早苗「今日は車運転してるから飲めないわね・・・」
仁奈「お酒飲んだら運転しちゃいけねーのですよね」
薫「早苗お姉ちゃんはいつもお酒飲んでるから運転しないの?」
早苗「こーら、あたしだってね、いつも飲んでるわけじゃないのよ?」
仁奈「でもPがいつも早苗さんは夜お酒飲んでるっていってたですよ?」
・・・後で全力でシメる
薫「薫もー!体がちょっと心配だっていってたー!」
・・・訂正、ちょっと手加減してシメる
早苗「・・・二人も大人になったらわかるかもね?」
仁奈「お酒飲むとおとなになるんでごぜーますか?」
薫「薫もおとなになりたーい!」
早苗「二人はまだだめね。もうちょっと大きくなったらね」
・・・子供はカワイイ。一つ間違えればあたしもこれくらいの子供がいたのかしら
・・・深く考えないようにしよう。しっかし彼がロリコンだったとはねえ。それなりに付き合い長いけど知らんかったわ
たしかに大人の店行ったりーとか聞かないもんねえ。お姉さんじゃ駄目だったかな?・・・あたしまだ大丈夫よね?ピチピチよね?
うん。こういう時は飲んで忘れるのが一番ね!今日も飲むぞー!
仁奈「・・・やっぱり今日もお酒のむきでやがりますねこれは」
薫「早苗お姉ちゃんはよくわかるねー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
【事務所~Jルーム】
早苗「余計なこと子どもたちに吹き込んだのは君かな~?」
P「痛い!痛いです!片桐さん!勘弁してください」
今僕は帰ってきた早苗さんにいきなりヘッドロックを決められている
友紀「いいぞー!もっとやれー!」
楓「あらあら・・・」
早苗「よしっ!お仕置き終わり」
P「お仕置きを受ける心当たりがないんですけども」
早苗「仁奈ちゃんたちに変なこと言ったでしょ、アタシが毎夜飲んだくれてるって」
P「・・・事実では?」
早苗「・・・と、とにかく!二人にそんなのこと言っちゃ駄目よ!」
P「それもそうですね。失礼いたしました」
早苗「しかしこんな美人達と触れ合ってるのに嬉しくないの?君は、ねえ」
意識すればあるにはあるけど今の状態じゃどうやってもなあ。5年位の恋なら覚めそうなの自覚してほしい
P「・・・ハンッ」
友紀「あー!今鼻で笑ったよ!」
早苗「やっぱりロリコンじゃない!成敗!」
P「いたいいたいいたい!」
楓「・・・じゃあこうしましょう、Pさん」
P「は、はい」
楓「この中で今から彼女にするとしたら誰ですか?」
・・・この人も酔ってやがる、どうしたもんか。まあいいや、正直に言えば許してくれるだろう
P「・・・高垣さんですかねえ?」
友紀「楓さんかー」
早苗「ちなみになんで?」
P「なんていうか、僕ってかっこいい感じしないじゃないですか。だからそういう感じの人に惹かれるらしいですよ?」
友人の言葉の借り物ではあるが、なんか納得しているのでそのままつかっている
楓「・・・あらあら」
早苗「そうねえ。お世辞にもかっこいい感じではないわよね、小柄で華奢だし」
・・・ほっといてほしい
友紀「つまりカロリーを取ればいいんだ!飲むぞー!」
結局付き合わされた飲み会は朝まで続いてしまった、僕は速攻で潰れたけれど。
おまけ以上です。 では2時間後くらいにまた会いましょう
時間なんで最終話投下しちゃいます よろしくおねがいします
第4話 アイドル市原仁奈として
♯1 父の襲来と転校手続き
【事務所~Jルーム】
新しく入ったみんなに仕事がそれなりに回るようになってきた頃、課長がこんなことを言ってきた
課長「人数も増えてきたし、そろそろ大きいライブを入れたいんだよ」
P「はい」
課長「まあメインは高垣になるとは思うが、ウチの事務所の人間だけで賄えるくらいの人数になったろ?」
今現在うちのアイドルは14人だ。旅番組で日本中飛び回ってる並木さんを除外してもまあなんとかなるだろう
課長「できれば並木も呼びたいがあいつ今担当と海外だからな・・・いつ戻ってくるかもわからん」
・・・日本どころじゃなかった。弾丸ツアー番組が好評でなによりである
課長「で、最近俺がセクシーギルティっての作ったろ?高垣はソロでいいわけよ」
つまり片桐さん、堀さん、及川さん、高垣さんは決まっていると。
P「残り8人をどうするかという話ですか」
まいったなあ、仁奈と薫と片桐さんを想定してたわ。あとあいさんとありす。
持田さんと日下部さんは仕事でもよく組んでいるし、相葉さんと姫川さんは・・・
課長「・・・お前今一人除外しただろ」
P「・・・だすんですか?あの子を、課長の方にいれてくれませんか?」
課長「セクシーギルティの意味が変わっちゃうだろ」
愛海「もしかして今お山の話しました!?」
・・・にゅっと出てきた。さすがだ。ある意味で尊敬する
愛海「何?次のお仕事?あたしがんばっちゃいますよ!」
・・・モチベーションも高く、ルックスもよく、バラエティ受けもいいんだよなあこの子、歌もなんだかんだでうまいし
P「・・・お山の情熱さえなければ君は本当にいいアイドルだと思うんですけどね」
愛海「お山の情熱がないあたしはあたしじゃないから!」
P「ちなみに子供には手を出さないと言う話は守ってますか?」
愛海「もちろん!」
・・・仁奈・薫と組ませてみるか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【事務所~Jルーム】
P「というわけで合同ライブを行うことになりました」
薫「はーい!」
ありす「了解です」
愛海「で!あたしは誰と組むの?どのお山を触っていいの?」
P「課長からはセクシーギルティと高垣さんは決まっているとのことでした」
楓「一人ですか・・・残念です」
P「で、他の皆さんをどうしようかという話なんですけども」
夕美「私は誰とでもいいかな」
あい「同じく」
P「そう言ってくれる人のほうが多いと思いますので、棟方さんの面倒を誰がいいかという・・・」
愛海「待ってよ!なんで薫ちゃんや仁奈ちゃんよりあたしが最初に出るの!?」
P「自分の胸に聞いてください」
愛海「・・・お山があるよ?」
・・・ダメだこれは
P「・・・そういえば仁奈は?」
今日はまだ来ていない。珍しいな。いつもはこの時間に入るのに
仁奈「・・・おはようごぜーます」
P「仁奈、おはよう・・・?」
・・・誰だこの人?
仁奈父「・・・初めまして。仁奈の父です」
・・・え?
【ファミレス~緑のオスカー】
P「申し訳ありません。このような場所で」
仁奈父「いえ。こちらも急な話で。申し訳ありません」
仁奈「・・・」
・・・海外にいるという仁奈のお父さん、こうして会うのは初めてだ。電話もしたこともない。メールだけは送っているけど返信は一度もなかった
まさかこんな形で会うとはね
仁奈父「・・・突然の来訪に驚かれたと思います。私は今海外で仕事をしているのはご存知ですね?」
P「・・・はい」
仁奈父「実は向こうでの生活基盤ができまして、妻も向こうで仕事ができそうで、三人で暮らせることができそうなのです」
P「!?」
仁奈父「そうすれば、アイドルは辞めなければいけなくなるでしょう」
仁奈「!?」
仁奈父「勝手な言い分なのは承知しています。ですが受けて頂けると助かります」
P「・・・少し、上と相談してきてもよろしいですか?」
・・・これは僕の一存では決められない
仁奈父「もちろんです。よろしくお願いします、ただし、なるべく早くしてくれると助かります」
課長に相談しなきゃ。でもそんなことはどうでもいいんだ。・・・僕は
仁奈「・・・」
・・・それよりも悲しそうな顔をしている仁奈が気にかかるんだよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【翌日~事務所~Jルーム】
P「・・・そういうことでした。なので予定を変更します」
P「仁奈と薫と棟方さん、あいさんとありす。相葉さんと姫川さん、持田さんと日下部さんでいくつもりでしたが」
P「薫と棟方さんと相葉さんと姫川さんの四人ユニットに変更してください。申し訳ありませんがよろしくお願いします」
P「今の段階で仁奈が入っている仕事についてはキャンセルないし代理をたてるということで・・・」
・・・みんなに動揺が走っているのがわかる。・・・ここは僕がしっかりしなければ
あい「・・・君はそれでいいのか?」
P「・・・正直よくはないです。ですが」
・・・子役である仁奈の親御さんが反対しているのであればこちらに選択肢はあまりない。課長も同意見だった
あっさりと退職手続きがとられて仁奈は所属ではなくなることが決定した。
ありす「・・・やっぱり子供って無力なんですね」
P「・・・一応お別れ会を企画しようとは思っています」
・・・出来るかどうかわからないけど、いつ行くのかもわからないし
薫「・・・かおる。仁奈ちゃんの分までがんばりまー!」
P「ありがとう薫。さて、次はライブの打ち合わせとチーム分けを・・・」
#2 ライブ準備~仁奈のいない日々
【翌日・事務所~レッスンルーム】
・・・あれからAチームとBチームで6人ずつのグループに分けて
Aチームを課長、Bチームを僕が面倒見るということで話がまとまった。僕の担当はありすとあいさん、薫と相葉さん、姫川さん、棟方さんであす
・・・Bチームの他のアイドル達の動きは言うほど悪くはなっていない。むしろ逆だ。仁奈がいない分頑張ろうとする傾向が見える。
特に薫とありすが顕著だ。ただ、これが続くともたないだろう。・・・一回フォローいれないと
P「薫、ありす。ちょっといい?」
薫「・・・せんせぇ。なぁに?」
ありす「・・・なんですか?」
P「二人共力が入りすぎて表情が固い。ちょっと休憩した方がいいよ」
ありす「・・・いやです。まだできます」
薫「・・・かおるもできるよ!」
友紀「えー!?アタシ疲れちゃったよ!休みたーい!・・・ね、夕美ちゃん?」
夕美「・・・そうだね。私も休みたいかな?」
・・・さすが年長者、空気を読んでくれる
愛海「・・・友紀さんの疲れたお山!」
あい「いけないよ愛海」
愛海「あ~ん、あいさんのいけず~。あいさんのでもいいのに~」
あい「残念だがそれは却下だ」
・・・薫が笑っている。さすが棟方さん。やっぱり君は立派なコメディアンだ
愛海「・・・今失礼なこと考えてませんでした?」
P「・・・別に?」
ありす「・・・私、気を使わせちゃってますか?」
P「正直、今のペースだと体が言う事聞かなくなっちゃうから。肝心の本番にピークを合わせてほしいんだ」
P「練習は本番のためにある。練習のための練習は意味が無いこともあるからね」
・・・少し難しい言い方だがありすならわかってくれるだろう
ありす「・・・わかりました。つまり休息も練習のうちだということですね?」
P「うん。そういうこと。じゃあみんな本番まで自分のペースで頑張っていきましょう」
薫「・・・かおる、がんばりまー!」
・・・他の人達からも返事が上がっている。なんとかなるだろう
#3 仁奈との再会~隠れていた問題
【1週間後~事務所~Jルーム】
P「・・・ふぅ」
夜。一人でキーボードをたたく。あれから一週間がたった。仁奈に一週間も会わないのは初めてかもしれない
前はずっとここで一人だったのに。いつの間にか一人がこんなにも違和感がある。変わってしまったんだろうな僕は、いいことだけど
最近はさすがにレッスンも増えており、通常の仕事もこなさなければならない分ここで飲み会もやっていない
やらなきゃやらないで寂しいのかもしれない。いや、駄目なんだけども
P「・・・もう10時前か。そろそろ帰りたいなあ」
・・・しかし、もう少し詰めときたいなあ。コーヒーでも・・・ありゃ、切らしてるや。しょうがないか
P「会社前の自販機にでも行ってこよう」
・・・・・・・・・・
【事務所前~自販機】
P「・・・ふぅ」
一息ついた。さて・・・
仁奈「・・・P?」
P「・・・え?・・・仁奈!なんでここに!?」
仁奈「・・・きちゃったでごぜーますよ。アイドルじゃねーのに、ごめんなさいです。」
・・・顔に力がない。いったいどうしてここに。
P「・・・とりあえず事務所いこう!ね?」
【事務所~Jルーム】
P「・・・ごめんね。ジュース切らしててさ」
最近忙しくて補充してなかった。
仁奈「・・・Pのお茶はおいしいでごぜーますよ。あったけーです」
・・・始めてみたぞここまで元気がない仁奈は。パジャマに一枚羽織っただけだ、こんな格好でここまで来たのか
P「・・・なにかあったの?」
仁奈「ママとパパが喧嘩してるでごぜーます・・・」
P「・・・いつから?」
仁奈「・・・パパが帰ってきた次の日からずっとです」
・・・おい、ということはもう一週間にはなるぞ。・・・原因がわからない
仁奈「・・・仁奈が原因でごぜーます。仁奈がちゃんとしてねーから」
P「・・・詳しく聞いていいかな?ゆっくりでいいから」
~~説明中~~
P「・・・なるほど」
要するに海外云々はお父さんの独断に近いのか。それをお母さんが怒っている状況だ
アイドルまで辞めさせようとしたのもお母さんは知らなかったようで、仁奈が仕事に行かないのがおかしいと思って問い詰めたと。
しかもお母さんも仕事を辞める気はないという。色んな人に迷惑をかけて何やってんだってことだろうなあこれ。・・・お母さんのほうが正論だわ。
仁奈のお父さんもしかしてアホなのか?ちょっと苛ついてきたぞおい
仁奈「・・・仁奈がいけねーんです。仁奈がアイドルやってるから、パパが心配しているです」
P「・・・資料や業績はメールしているはずなんだけどな」
仁奈「パパはそんなのみていないって・・・」
P「・・・なんだよそれ」
・・・怒りが湧いてきた。なんだよそれ。ふざけるな。仁奈がどんな思いでアイドルやってると思ってるんだ。まあ今はそんなことどうでもいいや
P「・・・仁奈はどうしたい?パパと海外へ行くか、ママと残るか、アイドルをやめるか、続けるか」
P「自分の気持ちを伝えてくれる?何言ってもいいから」
仁奈「・・・仁奈、アイドルたのしーでごぜーます。でもパパとママと一緒にもいてーです」
P「・・・うん」
了解。把握した、だったら出来る限り全部なんとかしてやるさ。
仁奈「・・・仁奈、ここでアイドルやっていいですか?」
P「当然。だってここはなんでも受け入れる事務所だからね」
飲んだくれ警官でもおっぱいマニアでも自称サイキックでもダジャレお姉さんでもどんと来いだ・・・改めてひどいな
一回やめた程度でうちが断るわけがない。なんで会社名でいいよ!こいよ!って言っちゃってるんだから
P「・・・仁奈。ここに来ることは誰かに言った?パパとママは?」
仁奈「・・・多分仁奈がいねーことにもきづいてねーです」
P「・・・了解。とりあえず電話してくるから、仁奈は今日はここに泊まろう。大丈夫、布団はある。僕も一緒にいるから」
・・・片桐さん達が持ってきたやつがな
仁奈「で、でも・・・」
P「お腹すいてるなら何か作るよ?材料ならあるし。」
いちご料理の材料ばっかりだけどね。
仁奈「・・・お腹は大丈夫でごぜーます。・・・一緒にいてくれやがりますか?」
P「もちろん」
・・・仁奈が寝付いたらお説教タイムだ。覚悟しろよ
P「夜分遅くにすいません。仁奈のお父さんに変わっていただけますか?」
・・・仁奈が寝付いたあと。仁奈のお母さんに連絡をした。・・・ほんとに仁奈がいないことに気づいてなかったらしい。
寝てたと思ったみたいだ。一階だもんな。窓から出てるなら気づかないかもだけど。流石にひどいわこいつら
仁奈父「・・・なんですか?」
・・・苛ついている。キレたいのはこっちだよボケが
P「仁奈から事情は聞きました。あなた何考えてるんですか?」
仁奈父「・・・アイドルなんてふざけた仕事させてるあなた達に言われたくありません。仁奈はまだ子供なのに・・・」
P「ふざけた仕事している僕よりふざけた貴方がそれを言うんですか?貴方普段何やってるんです?というかほんとに働いてます?」
仁奈父「・・・失礼だね君は」
P「ここまで色んな人に迷惑をかけるなんてさぞおえらい方とお見受けしますが」
仁奈父「・・・迷惑をかけていることは自覚していますよ」
仁奈父「・・・ですが、アイドルなんて見世物のようなものじゃないですか!あんな、ふざけた格好をして」
P「仁奈がキグルミを好きなことさえ知らないんですか?普段何してたんですか?」
仁奈父「そんなことは知っている!あれじゃ色物じゃないか!それに君には関係ないだろう!?」
P「関係ありますよ。僕は仁奈のプロデューサーです。仁奈のサポートが仕事です、仕事には責任がつきまとうものです」
P「仁奈が海外に行っても楽しく家族で幸せに暮らせるのならそれが一番いいと思ってました。でも、絶対無理でしょうこれじゃあ」
P「賭けてもいいですよ?今海外に連れて行ったところで仁奈が寂しい思いをするだけで終わるのをね」
言いたいことはだいたいこれで全部だ。つーか理解しろよ?理解できる頭があるかは知らないけどさ
仁奈父「・・・私に何をしろと言うんだ」
P「・・・お願いがあります、仁奈を後10日ほど私に預けてくれませんか?今度大きなライブをうちでするんです」
P「当初仁奈をセンターで出す予定でした。しかし今回でそれを諦めました。」
仁奈父「・・・損害が出るからか?」
P「違います。・・・学校で発表会とかあるでしょ?あれと同じですよ。行ったことないでしょうけどね」
仁奈父「・・・」
図星だろ?・・・このタイプの仕事人間がそんなところに行くわけがない
P「チケットをお渡ししますので仁奈を見に来てみませんか?」
仁奈父「・・・しかし練習期間なんかないだろう?」
・・・そこは調べたのかよ。まあいいけども
P「貴方の娘をあまりなめないほうがいいです。仁奈ならできます。楽しみにしていてください」
【翌日~事務所~Jルーム】
P「・・・えー理由は省きますが改めて入社します。市原仁奈さんです」
仁奈「・・・よろしくおねげーします。・・・あの、ごめんなさいです」
薫「・・・仁奈ちゃん!おかえりー!」
ありす「・・・さっさとレッスンしますよ、時間がないですからね。頑張らないと駄目なんですから」
夕美「おかえり仁奈ちゃん!待ってたよ!」
友紀「そーだそーだ!いいぞー!」
あい「・・・一時はどうなることかと思ったよ」
愛海「仁奈ちゃんおかえり!お山さわっていい?」
・・・最後があれだったけどまあいいや
P「仁奈。今他のみんなも言ったように時間がない、頼むよ。頼りにしてるからね」
・・・なんせもう1週間しかないのだ
仁奈「・・・了解です!まかせやがってください!」
P「片桐さん達別チームも頑張っている。合同リハの前にきっちり仕上げるよ」
仁奈「おー!」
【事務所~トレーナールーム】
トレーナー「・・・1.2.3.4.5.6.7.8!」
仁奈「ほったっやぁ!」
普通にできてるな。これなら問題・・・あれ?この振り付け初めてじゃなかったっけ?
トレーナー「あれ?この振り付け教えましたっけ?」
・・・だよな。だっていなかったもん
仁奈「パパが来る前にPが持たせてくれたじゃねーですか」
・・・あ、そうだった。仁奈のパパさんが来た時のごちゃごちゃで忘れてた
まだやめるか決まってないからって映像データを仁奈のカバンに突っ込んだんだったわ
仁奈「・・・割と暇でやがりましたので、いっぱい練習してました」
P「さすが仁奈!これならすぐいけるでしょ!みんなも頑張って!」
あい「仁奈贔屓がひどくないかい?」
・・・あいさんがそんなことを言ってきた。笑いながらだから説得力ない
薫「・・・ずるいとおもいまー!」
夕美「え、えっと。どうします?」
友紀「私達は!食事おごりを!要求します!誠意は言葉ではなくおごり!」
ありす「・・・賛成します」
P「・・・わかりました。めっちゃおごりますよ」
友紀「よし!向こうも連絡しなきゃ!」
P「・・・ただし酒はNGです。これだけははっきりと伝えておきます」
友紀「・・・マジ?」
P「マジです。ボイスレッスンに支障が出ますので」
愛海「・・・あの。あたしもいっていい?」
P「何行ってるんですか?いいに決まってるでしょう。ちなみに何がお好きで?」
愛海「お山みたいなのが食べたい!」
・・・饅頭とか?つまり中華だな!・・・これくらいの出費なぞ大したものではない。どうせ普段お金なんか使わないんだ。盛大にやってやる
P「お山みたいとのことなので中華に決定です。終わったら行くのでもう少しがんばってくださいね」
仁奈「やったー!」
友紀「・・・ビールなしかぁ」
意気消沈していうる姫川さんのお山をしれっと棟方さんがもんでいらっしゃる。・・・やっぱ君凄いわ
#4 最高のライブを
【1週間後~ライブ会場~ベグニオンホール】
P「・・・いよいよだ」
ついに来てしまった。うちの事務所単独でのライブ・・・緊張してしまう
薫「・・・せんせぇ、かおる、ちゃんと出来るかなあ」
ありす「・・・な、情けないですね薫さんは」
・・・声が震えているよありす
仁奈「・・・P、ほんとにこれでいいんでごぜーますか?」
P「かわいいよ仁奈。大丈夫だから自信を持って」
仁奈「キグルミじゃない仕事は始めてでごぜーます・・・」
・・・そうなのだ。小物は付いているが、今回はドレスメインの衣装であってキグルミではない。全員にキグルミは無理だしね
仁奈「キグルミなしの仁奈で大丈夫でごぜーますか?」
夕美「わたしは可愛いと思うよ!」
P「もちろん。仁奈はキグルミがあってもとってもかわいい。でもなくても可愛いんだ」
P「だから、見せつけてあげよう?仁奈のパパもママも連れてこれた。今のアイドルとしての市原仁奈を見せてあげてほしい」
仁奈「・・・はい!わかりやがりました!」
ありす「そうですね。仁奈さんのパパとママにも見せてあげましょう。私達の力を」
P「・・・ありすの両親もきてるけど?あと薫のご両親も。」
薫「ほんと!?」
ありす「・・・え?来てくれたんですか?」
P「もちろん」
頭下げて交渉に行ってきたんだ、これくらい余裕余裕。・・・言わないけど
あい「・・・やるね」
P「なんのことだか」
すっとぼけておく、この子達には親が見てる方がやる気出るから親切だけではないよ?ほんとだよ?
友紀「ねーねー!打ち上げどこいくのー!?」
愛海「いいお山の子がいるといいなあ!」
P「・・・そこの二人は心配なし、と」
・・・ある意味すごいと思うわ ほんとに
【舞台袖】
P「じゃあ一発目です。お願いします。三人なら最高のステージに出来ると思いますので」
早苗「ハードルあげないでよね。ま。余裕だけど」
裕子「まかせてください!サイキック気合です!」
雫「行ってきますね~」
MC「一番手はこのお三方です!セクシーギルティです!どうぞ!」
\ワアアアアアアアアア/
~~~~~~~~~~~~~~~~
P「次はお二人です。よろしくお願いします」
若葉「まかせてください~」
亜里沙「ウサコちゃんも余裕って行ってますから平気ですよ~」
ウサコ「余裕ウサ!あんなに練習したウサ!」
MC「ありがとうございました!続いてはラビットアニマルのお二人です!」
・・・実は最初仁奈をこっちに入れようかとも思っていた。予定総崩れだったけど!
\ワアアアアアアアアア/
~~~~~~~~~~~~~~~~
P「さて、仁奈。そしてみんな!派手に行ってきて」
薫「いってきまー!」
夕美「うん!がんばってきますね!」
愛海「お山の力を信じて!」
友紀「かっとばせー!えいえいおー!」
仁奈「・・・P、手を握ってくだせー」
P「うん」
・・・僕の片手でもつつめそうなちっちゃな手を両手で包む
仁奈「・・・オッケーです!アイドルの市原仁奈の気持ちになるですよー!」
MC「次はサンフラワーの5人ユニットです!どうぞ!まずはきみにいっぱいから!」
仁奈「よろしくおねげーします!」
\ワアアアアアアアアア/
・・・・・・・・・・・・・・・・・
MC「最後は本日のライブでの新曲です!Near to You!どうぞ!」
\ワアアアアアアアアア/
~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・問題なさそうだな。仁奈のご両親はこんなに歓声をあびている娘をみてどう思ってくれるだろう。まあいいや、次の準備だ
P「お二人なら余裕だと思うので、よろしくお願いします」
ありす「まかせてください!」
あい「・・・ほんとうに君はサラッとハードルを上げるな。まあいい、こたえてあげようじゃないか」
MC「4番目はエレガントベリーのお二人です!」
\ワアアアアア/
~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・この二人の曲しっとりしているから、ちょっと会場が落ち着く
P「・・・お願いします」
楓「・・・」
目を閉じて精神集中をしている高垣さん。この人には何も言葉はいらない。
・・・この人がトップアイドルの一人なのだということを認識させられる。・・・普段はあれだけど
楓「・・・いってきます♪」
P「いってらっしゃい」
MC「最後はもちろんこの方!高垣楓さんです!」
\ワアアアアアアアアア/
・・・・・・・・・・・・・・・・・
MC「ありがとうございました!ラストは全員で!うたっていただきましょう!お願い!シンデレラ!」
・・・歓声が聞こえる。これだけの歓声を浴びれるんですよ。うちの事務所のアイドル達は。・・・すごいでしょう?
【ライブ後~控室】
P「・・・はぁ。緊張したあ」
課長「情けないなお前は。俺を見習え」
・・・さっきまでそわそわしてグルグル控室回ってたろあんた
早苗「いやーやっぱ一発目はきっついわー」
楓「トリで取り乱すところでした・・・これいいかも」
・・・ぞろぞろとみんなが帰ってきた。
課長「みんなおつかれ!いいライブだったぞ!」
友紀「課長!うちあげがしたいです!」
課長「任せろ!事務所で盛大にやるぞ!・・・頼むぞ?料理班?」
・・・聞いてないぞ。まあいいか
P「上等です。手持ちの材料全部使い切ってあげますよ」
仁奈「・・・P。仁奈どうでしたか?ちゃんとできてましたか?」
P「もちろん。可愛かったよ」
薫「薫はー!?」
P「当然。可愛くなかった人なんてここにはいないよ」
あい「ふむ。君にそう言われるのは新鮮だね」
P「可愛かったですよ?」
あい「・・・ありがとう」
スタッフ「すいませーん。父兄の方が来ているみたいなんですけど」
P「あ、すいません、今行きます。」
ありす「私も父と母のところにいってきます」
薫「かおるもー!」
【廊下】
二人のご両親に挨拶を済ませた後、仁奈のお父さんを見つけた
仁奈父「・・・」
P「あ、来てくれましたか」
仁奈父「・・・仁奈が笑っていた」
P「楽しそうだったでしょう?」
仁奈父「私が帰ってきてすぐに見せた笑顔よりもずっと、・・・私は間違っていたのかな?」
P「間違ってはないと思います、ただ・・・」
・・・そう、間違ってはいないのだ。この人はこの人なりに娘を愛している
仁奈父「ただ?」
P「自分の娘をもう少し信じてあげてください。貴方の娘は凄い子なんですから」
仁奈父「・・・そうか。わかった。ありがとう」
P「いえいえ、できればこれからも仲良くやっていきたいんですけどね」
仁奈「・・・あー!パパー!」
・・・仁奈が走ってくる。そしてそのままお父さんにタックルのように抱きついた
仁奈「パパ!仁奈がんばりました!見ててくれましたか!?」
仁奈父「・・・ああ!すごかったぞ!仁奈!」
仁奈「わーいわーい!」
・・・ここは二人だけにした方がいいかな?あ、お母さんも来たみたい、会釈して通り過ぎることにしよう
結果オーライな上薄氷を踏んでいるような進め方だったけどなんとかなったかな?
P「さて、料理どうしようかな?」
先に帰って材料を買い込まないと・・・大人組だけになりそうだからお酒も買い込んでおこうかね
・・・請求はすべて課長宛だ。死なばもろともである
♯5 エピローグ
・・・あれから少しの時がたって仁奈のお父さんは海外に帰っていった。仁奈のことを頼みますと頭を下げながら
結構仕事に穴を開けるのがまずかったらしい。ライブに来るのも結構無理してくれたみたいだった。ありがたいよね。やっぱりさ
・・・そして今、僕がしていることは
P「・・・げ」
仁奈「・・・どうしたでごぜーますか?メール?あ!パパからです」
メール父「今日の仁奈も赤い服が似合っておりとても可愛いとは思いましたが、あの演出家では仁奈のかわいさを伝えきれて・・・(以下長文)」
読めとはいったけどさ!映像見ろとは言ったけどさ!ここまできっちり毎回長文メール返してほしくないなあ僕は!正直めんどくさいぞこれ!
仁奈「パパすっげーほめてくれるでごぜーますよ!」
P「うん。そうだね。頑張ったね、この赤い色の服今後も使おうか」
仁奈「苺みたいな色で気に入っているでごぜーます!」
ありす「いまイチゴの話しませんでしたか?」
にゅっとありすがでてきた。・・・ほんと馴染んだよね君ね
友紀「あーもう!なんで今の初球でポップフライしちゃうかなあ!せめて外野に飛ばさないと!ランナー三塁なんだからさあ!」
P「姫川さん。テレビ変えて」
友紀「せめてゴロゴーできるように・・・え?・・・あ。うん、二人の番組始まっちゃうもんね。ごめんごめん」
姫川さんがTVをいじる。結局Jスポーツを入れてしまった。お金は会社持ちである。ほんとこの会社ちょっとおかしい気がする
あい『今日の【あいかおるのぶらり散歩】は桜並木がきれいなこちらにお邪魔させてもらうよ』
薫『よろしくおねがいしまー!さくらきれーだよー!あいお姉ちゃん!』
あい『ああ、では行こうか』
二人がメインの散歩系ぶらり旅である。テレビのレギュラーなのでわりと有名になってきたかもしれない
P「うん。やっぱりいいよねこういうの」
仁奈「仁奈も旅してーです!芽衣子おねーさんのやつ!」
P「・・・あれは危険だからやめようね?」
この前原付きに乗ってイタリア縦断とかやってたよ並木さん。ついていく担当さんもすごいけどさ・・・どう考えても仁奈に行かせるわけにはいかない
仁奈「P!次のお仕事はなんでごぜーますか!」
P「えっと、直近のは・・・」
仁奈「なんでもやりますよ!よろしくおねげーします!P」
P「ああ、一緒に頑張っていこう」
仁奈「任せるでごぜーます!アイドル市原仁奈はすげーですから!」
お わ り
終わりです ありがとうございました。つたない文章と独自設定に付き合っていただき誠にありがとうございました
関係ない前作です
↓泰葉ハーレムシリーズ
【モバマスSS】泰葉「Pさんが手を出してくれないんです」(初投稿)
一応やりたいことはだいたいやりきったので、後はネタがでたらのんびりやっていきます。依頼をだしてきます。ありがとうございました
おつー。スカウトからラストのライブまで構成しっかりしてて面白かったよー。親がああで大丈夫かと思ったが、ちゃんと良い場所に着地してくれて安心。
乙
最初のプロダクション名で不安になったけど面白かったわ
最高だった
乙
乙
流石ロリコンP(違う
乙
絶対そうだと思って読んでたけど、やっぱり泰葉の人だった
途中のレスにもあったけど、一文がすっと読み切れる長さで繋がっててすごく読みやすい
読みやすすぎてそのことに気づかないまである
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません