【デレマスSS】依田芳乃「そなチネ」 (21)

前書き
ソナチネとは、分かり易く演奏しやすい、短いソナタの集合曲。
展開部が短いか、展開部を欠いていることがある。
楽章数は2楽章ないしは3楽章であることが多い。
「ソナタ(奏鳴曲)の小さいものである」という考え方から「小奏鳴曲」と訳す。


第一楽章
芳乃「ぶおおおおおおおお」

モバP「うるせえ」

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芳乃「仕方ないのでしてー、髪を乾かすのには時間がかかるのでしてー」

モバP「じゃあそのドライヤーをこっちに向けないでよ」

芳乃「邪魔なのでしてー、着替えたいものも着替えられないのでして―」

モバP「あ、ごめん、今出ていく、てか着替えるんだその服、いつも一緒だから」

芳乃「わたくしを何だと思っているのでしてー」

モバP「ごめんごめん」

モバP「急に降られたな」

芳乃「げりらごーう、かとー」

モバP「事務所に戻ろうとした矢先になあ」

芳乃「その件で少しおはなしがー」

モバP「何だ芳乃」

芳乃「ここは明らかに、事務所ではないのでしてー」

モバP「・・・まあ、そうだけど」

芳乃「・・・」

モバP「・・・何、どっから出てきたの法螺貝」

モバP「うおおおお、待って待って、法螺貝は防犯ブザー感覚で使うものじゃない」

芳乃「ここはそなたの自宅でして―」

モバP「・・・おう」

芳乃「雨にかこつけて何をする気だ」

モバP「語尾語尾」

モバP「別に何もしないよ、誤解誤解」

モバP「事務所までまだ遠かったし、うち近かったし」

芳乃「ぶおう」

モバP「法螺貝で相槌打つのすごいけどやめよっか」

モバP「そういえばさ」

芳乃「?」

モバP「雨に降られることもあるんだね芳乃」

芳乃「私を何だと思っているのでしてー」

モバP「神様もしくはそれに近い存在」

芳乃「むー」

モバP「違うの」

芳乃「わたくしも女の子でしてー」

モバP「・・・」

モバP「そろそろ入っていいか、リビング」

芳乃「構わないのでして―」

第二楽章

モバP「え、何、どうやって着替えたの、てか着替えた?」

芳乃「風呂敷の中にー」

モバP「すごいな風呂敷」

芳乃「これくらい普通かとー」

芳乃「それにしても、無機質な部屋でして―」

モバP「ああ、男の隠れ家って感じするだろ


モバP「あー・・・雨まだ止まないな、強くなってる」

芳乃「長いのでして―」

モバP「止ませられないの?雨とか」

芳乃「・・・」

モバP「お?」

芳乃「・・・できないものはできないのでしてー」

モバP「なーんだ」

芳乃「まあ、待てばいずれ止むかとー」

芳乃「どれどれ―」

モバP「おいおい、あんまり漁るなよ」

芳乃「少しはそなたの部屋に興味はあるのでしてー」

モバP「面白いものは特にないけどな」

芳乃「CDが、たくさんあるようでー」

モバP「ああ、それレコード。CDじゃなくて」

芳乃「れこーど」

モバP「聞くの好きなんだよね、やっぱりレコードの方が味があるし」

芳乃「そうなのでしてー?」

モバP「ああ。響きが違うね、聞く?」

芳乃「・・・これはどういうものなのでしてー」

モバP「ああ、ピアノソナタ。ベートーヴェンだよ、月光。」

芳乃「タイトルと曲があってないかとー・・・」

モバP「昔の曲なんてそんなもんだよ」

モバP「・・・雨聞きながら聴くクラシックも乙だろ、ちょっと雨強すぎるけど」

芳乃「・・・悪くないかとー」

モバP「そなたと聞くソナタ・・・あはは」

芳乃「ぶおおおおおお」

モバP「やめてピアノソナタに法螺貝はいらないんだ」

芳乃「こちらの棚はー?」

モバP「ああ、映画とかだけど」

芳乃「・・・何か物騒なのばかりでしてー」

モバP「趣味なんだよ、そういう映画。ほら、現実では無縁だから」

芳乃「憧れてるのでして?」

モバP「そういうものでもないんだけどね」

芳乃「じんぎなきたたかい・・・あうとれいじ・・・きくじろうのなつ・・・ごくどうのつまたち・・・」

モバP「タイトル読み上げていくとなかなかシュールだな」

芳乃「あうとれいじびよんど、しゃーくねーど・・・」

モバP「そのサメのやつは奏から押し付けられたやつだから関係ない」

芳乃「そなちね・・・」

モバP「ソナチネって芳乃は聞いたことないか?」

モバP「ソナチネっていうのはさっき聞いてたやつ」

芳乃「・・・?」

モバP「ソナタの集合体、みたいな感じなのかな、イタリア語が語源」

モバP「・・・まあ映画の中身とは全然関係ないんだけどね、いい映画だよ」

芳乃「そなたの集まり・・・」

モバP「芳乃が言うとどうしてもわかりにくいな」

芳乃「仕方ないのでして―」

モバP「・・・雨、止まないな」

モバP「・・・事務所に戻らないとちひろさんに怒られないかな、まあいいか」

モバP「一応電話しとくか」

芳乃「がさごそ・・・ん?棚の後ろに棚がー」

モバP「!?」

モバP「あ・・・それ触っちゃダメ」

芳乃「・・・」

芳乃「・・・どうしてでして?」

モバP「どうして?・・・・そりゃ、書類とかあるし」

芳乃「書類」

モバP「そう、書類、書類って、大事だよね」

芳乃「・・・少しあやしいかとー」

モバP「あっちょストップ!」

芳乃「・・・かなりあやしいかとー」

モバP「芳乃・・・いい子だ・・離れるんだ・・・」

芳乃「・・・」

モバP「よし・・・いい子だ・・・離れてくれたね・・・俺は信じてた・・・」

芳乃「・・・ふんっ」

モバP「あれえ?(裏声)棚が勝手に開いていくぞお?」

芳乃「・・・」

モバP「・・・」

芳乃「・・・卑猥なのでして」

モバP「うわあー・・・静かに棚が閉まっていくー・・・」

第三楽章

モバP「あーあ、もう夜だよ」

モバP「これもうゲリラじゃないな、ずっと降ってるし」

芳乃「おお・・・人がごみのようにしんでいくのでして・・・」

モバP「やくざ映画はそういうもんだから」

芳乃「少なくとも棚の後ろのやつらよりかはよほど面白いかとー」

モバP「芳乃が無理やり覗くからいけないんだろ」

芳乃「責任転嫁でしてー」

モバP「うるさいやい、・・・もう夜だよ」

芳乃「・・・」

モバP「帰らなくていいのか?・・・いや、帰れないか」

モバP「・・・ごはんとかクソ適当だけど、一応作れるけど」

芳乃「無理に作らなくてもだいじょうぶでしてー」

モバP「そっか」

芳乃「・・・」

芳乃「わたくしは、そなたとこうしていれるだけで幸せでしてー」

モバP「・・・嬉しいこといってくれるじゃん」

たけし「やんのかこの野郎?!」

モバP「テレビのたけしが若干邪魔してきてるけど」

芳乃「そなたは、稀な人間かとー」

芳乃「わたくしを、一人の女の子として、扱ってくれているかとー」

たけし「殺すぞ加藤!」

モバP「語尾とマッチしちゃったよ、一回アウトレイジ消そうか」

たけし「お前を消すぞこの野郎!」

モバP「たけし雰囲気ぶち壊しだな」

芳乃「そなたがさっき聞いていたそなた」

モバP「ああ、あれがどうした」


芳乃「ああいう風に、そなたとこれからも奏でで行きたいのでしてー」

モバP「・・・ああ」

芳乃「そなたとそなた」

モバP「それ俺が言ったやつ」

芳乃「冗談でしてー」

モバP「・・・まあ、芳乃はちょっと神様みたいな女の子だからな」

モバP「大事に奏でていくよ」

たけし「野球やろっか」

モバP「てか芳乃アウトレイジドはまりしてないか!?」

モバP「あ、電話だ・・・ちひろさんか」

芳乃「・・・」

モバP「もしもし・・・ああ、本日はすいません、連絡遅くなってしまい・・・・そう、雨がですね、はい
   ・・・・・え?待ってください、どういうことですか、はい、・・・はい」

芳乃「・・・」

モバP「なあ芳乃」

芳乃「・・・」

モバP「・・・事務所の方、雨やんでるって、とっくの前に」

モバP「どうも降ってるのはここらへん、というかジャストここみたいだ」

芳乃「・・・」

モバP「なあ芳乃、いつからだ?」

芳乃「・・・」

モバP「いつからお前の力で雨を降らせてた?」

芳乃「・・・知らないのでして」

モバP「・・・顔赤いぞ」

モバP「ちなみにいつまでこんな雨降らせようとしてたんだ?」

芳乃「ぶおおおおおおおおお」

モバP「お、照れ隠しの法螺貝のソナタ」

以上です、失礼しました。

過去作
渋谷凛「恵比寿凛」
長富蓮実「ザ・ベストテン」
島村卯月「卯月の1日」   らもよろしくお願いします。

このよしのん半分埼玉入ってない?
つか口調がおかしいよしのんなんて生まれて初めて見たよ


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