魔王「許さんぞ下等生物め…!」(35)
魔王「勇者め…憎し…貴様の子孫に呪いあれ!」
パラピレポル
勇者「!?」
魔王「くっくっく…絶望するがよい…ぐふっ…」
バタリ
勇者「な、何をされたんだ…?」
ダダダッ
戦士「大丈夫か勇者!」
魔法使い「何をされたの?」
僧侶「勇者様!」
勇者「…」
僧侶「勇者様!?」
勇者「いやそれが…なんともないんだよね」
戦士「何ともないだと?」
魔「そんな筈は…呪いとか言ってたし…」
僧侶「呪いなら私が治します」
ヌギッ
僧侶「解呪魔法…ノロナオール!」
パラピレポル
※注:この世界では呪文を唱えるために全裸になる必要があります
『しかし なにも おこらなかった』
僧侶「えっ?」
魔「呪いじゃない…みたい…」
戦士「だが死に際に何かされたのは間違いないぞ。奴がハッタリであんな事を言う筈がない」
勇者「そうだね…一体何をされたんだろうか」
僧侶「私のレベルでは解呪できないのかもしれません。大司祭様に相談してみてはどうでしょうか?」
勇者「うん、そうしよう」
魔「じゃあすぐ行く…転移魔法使うから集まって」
戦士「おうっと、その前に魔王討伐の証拠を持って行かないとな」
ダダダッ
戦士「悪ぃが首、貰っていくぜ」
グイッ ザシュッ
戦士「お前は魔王で人間の敵だったが…嫌いじゃなかったぜ」
ダダダッ
戦士「よし、いいぜ」
魔「じゃあ…」
ヌギッ
魔「転移魔法…アットイウーマ!」
パラピレポル
シュワン
魔王の死体「…」
魔王の死体「くっくっく…」
魔王の死体「勇者の子孫に呪いあれ…ぐふっ…」
着脱面倒すぎるw
・ ・ ・ ・ ・
~王国、大神殿~
シュワン
魔「着いた」
戦士「よし、じゃあさっそ」
僧侶「さっそく大司祭様にお会いしましょう」
ダダダッ
僧侶「みなさんも早く!どうなっても知らんぞー!」
バシュウ!
ギュインギュインギュイン
戦士「い、急ぐあまり僧侶の髪が金髪に…」
勇者「な、なにものだ…」
ニヤッ
僧侶「とっくにご存知なんだろう?」
魔「ふざけてないで…早く中に入る」
僧侶「はい」
シュワン…
僧侶「じゃあ入りますよ」
ガチャガチャ
僧侶「相変わらず立て付けの悪い…セイッ!」
バキィ
僧侶「ささ、勇者様」
勇者(鋼鉄製のドアノブをねじ切った…なんて力だ)
ダダダッ
僧侶「大司祭様の部屋まで、このまま直進ッッ!」
ダダダッ
僧侶「あった!ですがこの速度では急停止は無理…ならば!」
ピョーン
戦士「跳んだァッ!?」
僧侶「飛龍聖拳流奥義…疾風牙狼脚!」
バキィィィッ
僧侶「そしてドアごと室内の大司祭を!」
バキィ
大司祭「!」
大司祭(突然扉が吹き飛んだと思えば…なるほど、じゃじゃ馬な弟子が帰ってきおったか…)
スゥ…
大司祭(ふぉっふぉっふぉ…ドアで姿を隠したつもりじゃろうが…まだまだ甘いのぅ)
フーッ ググッ
大司祭「返り討ちじゃて」
大司祭「飛龍聖拳流奥義…輪廻風車・弐式!」
ブワムッ
僧侶「ぐっ、体勢が崩れ…」
シュンッ ヌッ
大司祭「こぉりゃ、ちと暴れすぎじゃい」
ゴツン
僧侶「ぐふっ…」
聖職者とはいったい
・ ・ ・ ・ ・
大司祭「ほうほう、なるほど。大体の事は理解した」
僧侶「では、大司祭様なら勇者様に何が起きたか分かりますか?」
大司祭「ふむぅ…呪いというが、どうにもそんな風には見えんのじゃがなぁ」
僧侶「ちっ、使えねージジイだな(そうですか、大司祭様にも分からないですか…)」
戦士「逆」
魔「逆」
僧侶「ん?」
大司祭「ふむぅ」
大司祭「そうじゃのぅ…あやつなら、あるいは」
僧侶「あやつ?」
勇者「あやつり左近?」
大司祭「ワシの旧友、賢者じゃよ」
大司祭「賢者は世界中の魔術を熟知しておる。奴に訊けば何か分かるやもしれん」
僧侶「本当かジジイ!(本当ですか大司祭様!)」
大司祭「うむ」
戦士「じゃあさっそく僧侶様に会いに行こうぜ」
大司祭「待つのじゃ」
ガシッ
戦士「!?」
大司祭「これだけ教えたのじゃ。見返りが無い、と申すか?」
フトモモ サワサワ
戦士「んっ…」
大司祭「この筋肉達磨は情報の見返りに置いていくがよい…フェッフェッフェ…なぁに、悪いようにはせんじゃて…」
ジュルリ
戦士「ひぃっ、目がヤバい奴のそれだ」
僧侶「ジジイ…(大司祭…)」
僧侶「分かりました…戦士さんを置いていくのは心苦しいですが仕方有りませんね(そんな筋肉達磨ならいくらでも差し出しますファッキン肉達磨!)」
勇者「うん、悪いね戦士」
魔「ばいばい」
戦士「ちょ、おまえら」
大司祭「ふむ、交渉成立じゃな」
>>15
×:僧侶様に~
○:賢者様に~
ポイッ
大司祭「ほぅれ、賢者の居場所を書いたテキストファイルをアップロードしたサイトへのリンクをメモしておいた紙じゃ。火で炙れば浮き出てくるはずじゃ」
勇者「なんて面倒な…」
大司祭「ちなみにテキストファイルを解凍する際のパスワードはこっちの紙に書いておいたぞ。こいつも火で炙れば浮き出てくるはずじゃ」
ポイッ
勇者「何故そこまで面倒にするのか…」
僧侶「ジジイの趣味さ(大司祭様はお遊びが好きなんです)」
勇者「ともかくだ、今は賢者様に会うのが先決だ」
僧侶「急ぎましょう」
魔「転移魔法使うから。近くにきて」
ヌギッ
魔「転移魔法…アットイウーマ!」
パラピレポル
ギュイン
戦士「…」
戦士「いっちまった…本当に俺を置いていっちまった…」
大司祭「なぁに、君は今から快楽の海に溺れるのじゃから…何も考える必要はなかろうて」
フトモモ サワサワ
戦士「んっ…」
ノドボトケ クリクリッ
戦士「んん…」
大司祭「ほ!この喉仏は…まるで里芋じゃな!」
戦士「は、恥ずかしい事言わないでくださ…」
クリクリッ
戦士「んんん!」
まさかお前なのか
逆も貫けば逆でなくなるという境地
大司祭「ンフフフフ…お次はこっちの特大里芋を…なぁ…」
サワサワ
戦士「だっ、駄目…そっちは…」
大司祭「駄目と言っても止めぬ…ワシの手は、まるで蛇のようじゃよ!」
ニュロロン ニュロロン シュパッ
ニギッ
戦士「!!!」
大司祭「そぉら、収穫祭…」
サトイモ…サトイモ…サトイモ…
大司祭「うほぉっ、収穫し放題じゃて!」
戦士「あぁ…俺の里芋…」
ニュル
戦士「ぬるぬる…」
大司祭「ふむ、芋煮の始まりじゃ!」
戦士「…」
戦士(蝶が…飛んでいる…羽…俺は…あぁ…世界は…もう…)
グワン
こうして戦士の意識は深い闇の中へ堕ちていった…
なんてこった
・ ・ ・ ・ ・
~ネットカフェ・快楽house~
シュイン
魔「着いた」
僧侶「このネットカフェは…確か女騎士さんが経営しているんでしたね」
勇者「あぁ、そういえばそうだったっけ」
魔「どうせなら知り合いがいる所の方が便利」
勇者「確かに」
僧侶「では早速入りましょう」
ガラガラ
※快楽houseの入り口は襖
女騎士「いらっしゃいま…おぉ、僧侶。それに勇者に魔法使い!」
勇者「久しぶりだね、女騎士」
女騎士「うむ。で、いったい何事だ?遊びに来た訳でもあるまい」
勇者「うん、実はね…」
尊い犠牲を乗り越えて
・ ・ ・ ・ ・
女騎士「なるほどな。そんな事が」
女騎士「で、とりあえずだ」
勇者「うん?」
女騎士「その魔王の生首をどうにかしてくれないか。血がしたたり落ちてるんだが」
勇者「あぁ。店内で血はまずいよね」
女騎士「いや、他にもまずい点が…まぁいい。とりあえずこのビニール袋にでも入れとくといい」
勇者「ありがとう」
スッ グイッ
勇者「ハッ、あれだけ人間に恐怖されていた魔王が今じゃ生首でビニール袋詰めか…みじめなモンだな!」
ペッ ピチャッ
魔王の生首(くっ、屈辱!)
勇者「ん?」
魔「どしたの勇者」
勇者「うん、気のせいかな。魔王の生首が動いたような…」
僧侶「そんなはずは…」
魔「いくら強力な魔力を持つ魔王でも、さすがにそれはないかと」
勇者「だよね」
魔王の生首(…)
魔王の生首(ヒューッ、あぶねぇあぶねぇ)
魔王の生首(私ほどの魔力があれば首だけでも半月は生きておられるのだ)
魔王の生首(機を見て逃げるつもりだったが…なかなか隙をみせんな)
魔王の生首(しかしこやつら、賢者に会うとか言っておるな…ふむ、これは出目しだいでは…)
魔王の生首(ふふ、なかなかどうして…奴…いや、私達は逃れられんという事か…)
魔力の生首(やっかいなものだな…『英雄』というものは)
・ ・ ・ ・ ・
『英雄』はかつて実在した。
おとぎ話の人物ではなく、実在した。
大魔導、賢者、聖剣士。
たった三人で世界の危機を救った彼らはまさに英雄であった。
だがどの文献にも
その危機が何であったのかは記されていなかった。
ただ英雄がいた、という漠然とした言い伝え。
それだけが残るばかりであった。
それから彼らがどうなったのかは誰も知らない、記録もない。
世界の理に触れた事で生きているとも
その強大な力を恐れた人々に殺されたとも
神の如き存在になったともいわれている。
事実は誰も知らない、知られてはいけない。
壮大な予感…!
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