【大洗学園艦奪還記念 エキシビションマッチ 大洗vs黒森峰】
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III号戦車J型「ブロロロロ…」
車長(眼鏡のあの子)「ふふーん♪みほさんと試合~」
操縦手「ご機嫌ですね。気持ちわかるけど」
車長「そりゃあもう!あー黒森峰に戻ってきてくれないかなぁ」
装填手「流石にそれはムリですって。大洗に思い入れもあるでしょうし」
車長「えー…まあ、みほさんが鍛えた子たち、結構強かったもんね。うん。さすがみほさんだよ」
操縦手「夏の大会で私たちを撃ったの、結局誰だったんでしょうねぇ」
砲手「………………あの」
車長「ん、どしたの」
砲手「なんかあの辺、空間が歪んでません?ぐにゃあ~!って感じに」
車長「へ?」
ねこにゃー「……」
車長「う”おっ!停止停止!」
操縦手「わわっ」グイッガガガガガ!
ねこにゃー「……」
車長「ちょ、ちょっと危ないでしょ!なに、あなた撃破された?ならここじゃなく指定されたポイントに移動しなさいよ」
ねこにゃー「……」サッ チョイチョイ
車長「ん?前髪あげてどしたの。おでこ?おでこ見ろって?」
ねこにゃー「にゃ」コクッ
車長「んん~…?」ジー
『せんしゃ』
車長「…………は?どういうことよ」
ねこにゃー「こういうことだにゃ」スッ
車長(砲弾…?)
ねこにゃー「フンッ!!!!」ブオッ!!!!
車長「え」
https://www.youtube.com/watch?v=XEZZuZsgwVE
ピピッピピッ
エリカ「ん、通信が…」ガチャ
エリカ「こちらエリカ。なにがあったの?」
III号戦車J型車長「エリガざぁぁん…走行不”能でずぅ…」
エリカ「もう!?なにやってんのよもう……いいから泣き止んで報告なさい。どの戦車に攻撃されたの?」
車長「……」
エリカ「ちょっと」
車長「来ないで…来ないで…いや、いやああああああ!!」
エリカ「ちょ、ちょっと!」
無線〈ブツッ
ザー……
エリカ「…………?」
…………
マウス車長(マウ子)「敵影無し。穏便にポイントへ到達できそうね。全部隊そのまま前進!」
パンターA「こちらパンター、了解!」
パンターB「了解!」
マウス操縦手「いくよー」グイッブゥーン…
ぴよたん「……通せんぼぴよ~」ザッ
マウ子「ん?げっ!停止停止停止いぃぃぃ!!!!!!」
操縦手「きゃああっ!ま、間に合いません!!!」
マウ子「逃げてええええええ!!」
ぴよたん「深呼吸ナリ~」スーッ
ぴよたん「ふんっ」ガシッ!
ドガガガガッガガガ!!!!! シュウウウウ…
操縦手「わああああ!……と、止まった?」
マウ子「……ち、違う…止まったんじゃない…アイツは…」ガタガタガタガタ
"止めた"のよ…
https://www.youtube.com/watch?v=avceH9LjtUs
ぴよたん「ふぅ、ちょっとだけ痛かったぴよ。よいしょ」グイッ
マウ子「え、ちょっと!アンタなにしてんのよ!」
ぴよたん「ハッチから頭出すとスイカ割りしちゃうぴよ?中に入って~」
マウ子「え、アンタまさか…」
ぴよたん「早く」
マウ子「ヒッ! パ、パンター!この化け物を何とかしてえ!」
パンター「な、なんとかって!」「相手は人間ですよ!?」
マウ子「どこの世界にマウスを素手で止める人間がいるのよぉ!」
ぴよたん「ここにいるアルよ~」グググググ…
マウ子「持ちあがってる!お願いマウマウ耐えてえええええええ!!!!」
ぴよたん「えいっ」ブンッ
マウ子「あんぎゃあああああ!」ヒューン
ドガシャア!
パンター「あ、あわわ…」「マウスが空を飛ぶなんて…」
ぴよたん「ふぅ、いい汗かいたナリ。さてと」クルリ
パンター「て、撤退!」
ぴよたん「逃がさないよ」ヒュンッ
ギャアアアア!
…………
無線〈こちらパンター…マウスが、マウスがひっくり返されて…他のパンターも…
エリカ「……なんてこと…!」
無線〈なんとか逃げてます…今そちらに合流しますから、どうか助け………あ、ああ…!やだっやだやだ
ブツッ ザーーーーー…………
エリカ「……」
まほ『エリカ、聞こえるか?』
エリカ「あっ、た、隊長!大変なことが」
まほ『把握している。……先ほど、謎の猫耳美人に私と赤星を残して蹂躙されたところだ。なんとか撒いて、今は無事だ』
エリカ「嘘…嘘よ…」ガタガタ
まほ『残念ながら事実だ。奴は素手で砲弾を投げ、戦車の装甲を貫いた。立ち向かって勝てる相手じゃない…そちらの戦力は?』
エリカ「……エレファントと、あと直下のいるヤークトパンターです」
まほ『よし…こちらと合わせて五両だな。フラッグ車は幸いあのモンスターどもではなくみほのⅣ号だ。合流して固まり、敵フラッグ車の位置を特定し速攻をかける』
エリカ「了解…。はい、指定のポイントに移動します…」
エリカ「……全車!隊長と合流するからついてきなさい!」
エレファント『了解!』
直下『了解だもも!』
エリカ「…ん?直下、こんなときにふざけるのはやめなさいよ」
直下『あ、申し訳ございませんエリカ先輩!』
エリカ「……ところで直下、あんたのヤークトパンターって履帯の重さどんくらいあったかしら」
直下『え”!?エ、エリカ先輩こそふざけないでくださいよ。今はクイズしてる場合じゃないでしょ?』
エリカ「足の悪い地帯を進むのよ、重要な情報なの。知らないってのは通らないわよ?あんたいっつも履帯が重いって愚痴ってるじゃない」
直下?『…………』
エリカ「……答えて」
ももがー『あーあ、バレちゃったモグよ』
エリカ「ぜ、全速前進!!!逃げるわよ!!!!!」
まほ「合流ポイントに到着した。そちらの状況を報告せよ」
エリカ『こちらエリカ!直下が…直下がヤられました!エレファントと私でそちらに向かっております!到達まであと三分!!』
まほ「了解…確認した。こちらから見えて…ん?」
ぴよたん「ふんふ~ん♪今度のは軽そうぴよ~♪」ザッザッ
まほ「曲がれエリカァアアアアア!!!!直線上にモンスターがいるぞ!!!」
エリカ『ヒッ! む、無理です!直下を潰した化け物が後ろから追ってきてて、全速を出してないと捕まります!』
キャアアアアア!! ドガッシャアアン!!!
エリカ『エ、エレファント走行不能…うえぇぇぇん…』
まほ「泣くなエリカ。大丈夫、大丈夫だか…」
バァン!!
まほ「なっ…!」
シュウウウ…
まほ「う、撃った…」
小梅「事故、これは事故です。外に出てる方が悪いんです。あの日の私のような、不幸な、そう不幸な事故なんです…」
小梅車砲手「あはは…私人殺しになっちゃった…あはは…」
小梅車装填手「違う違う違う私じゃない私は装填しただけ装填しただけ装填しただけ」
小梅車操縦手「私は関係ない関係ない関係ない関係ない関係ない関係ない関係ない」
まほ「くっ…。……安心しろ、西住流が優秀な弁護士を用意してやるか…ら…」
砲弾「ギュルルルルルッ」
ぴよたん「危ないぴよ~。おイタをしたのは…誰?」
エリカ「片手で…受け止めた…!?」
まほ「…なんてことだ」
小梅「……ッ! 九時の方向に全速で逃げて!アイツを引き付ける!」
操縦手「もうなるようになれええ!」
ブオオオン!
まほ「小梅!」
ぴよたん「オシオキでゴザルよ~」シュバッ
エリカ「どいたわ!今のうちに!」
小梅「さようなら隊長…どうか、ご無事で…」
まほ「……すまない」
ドグシャア!
…………
まほ「いくらモンスターといえど女子高生だ。虫とかいそうな森の中に好んで入ってくるとは考えられない」ガサガサガサ
エリカ「まあ…そうなんでしょうけど…」バキバキバキ
まほ「このまま逃げ切る。小梅たちの想いを無駄にするわけには絶対にいかん!生き残るぞエリカ!」
エリカ「は、はい…(なーんか忘れてるような…)」
ガサガサガサ
ガバァ!
まほ「むっ、なにやら開けた場所に出たな」
エリカ「ええ。にしても、ここどこなんでしょ…う…」
大洗戦車たち「「「「「よう」」」」」ズラッ
まほ「」
エリカ(こ、これかぁ~)
みほ「はい砲撃」
ドガガガガガガァン!!!
…………
まほ「ふふ…ふふふ…我が黒森峰女学院戦車道連合隊長にして次期西住流家元と名高い私が、あの程度の砲撃でくたばると思ってかみほ…」ハァハァ
操縦手「な、なんとか逃げ切れた…」
装填手「もう帰りたいよぉ…」グスグス
まほ「泣くな!フラッグ車さえ生きていれば負けることはない!フラッグ車さえ狩ればどんなに戦車が残っていようと勝ちなんだ!まだ、まだやれる!」
砲手「あはは、もう無理ッスよ。あそこ見てくださいよぉ。あはは」
まほ「……」
ねこにゃー「ラストバトルだにゃー」
ももがー「忍者戦法(物理)も残り一両じゃ意味ないももね」
ぴよたん「暇になったし、サクッと終わらせちゃうぴよ」
まほ「クソが…!」
操縦手「あわわ…」
ねこにゃー「さて、と…」スッ…
装填手「ひいいっ来るう!」
まほ(……待てよ?あの砲弾、奴の背負っている鞄から出している。ということは、あの鞄の中にはまだ…はっ!)
まほ「ふふっ、ふふふははは!!!愚か者め!一つに固まりおって!おかげで奴らを抹消することができる!砲手!」
砲手「はいっ!」ビクッ
まほ「奴の鞄をなんとかして撃ち抜け!爆発炎上させるぞ!」
砲手「で、できませんよ!できたとしてもあの子たち死んじゃいますって!」
まほ「素手で戦車を叩き潰す存在を人間とは呼ばん!故になんとかなる!安心しろ西住流の権力と金を使ってなんとしても守ってやるから!!!」
装填手「隊長がおかしくなったぁ!」ビエエエエ
砲手「もう素直に降参しましょうよ!こんな試合、経歴にゃ傷にも汚点にもなりませんってぇ!」
まほ「ええい、どけ!」グイ
砲手「あう」
まほ「死ねオラーーーーーーッ!!!!!!」カチッ
バシュンッ!!!
ねこにゃー「ん?あの軌道……。あー、なるほど考えたねぇ」
ドカーン!!!!!!!
モクモクモク…
まほ「や、やったか!?」
操縦手(あ、フラグ立てた)
https://www.youtube.com/watch?v=BnaC0RgEPCw
ねこにゃー「あーあ、服がボロボロだにゃー」
ももがー「ひどいことするもも」
ぴよたん「オシオキが必要ぴよ」
まほ「ば、バカな…」
まほの目に映ったのは、燃え上がる森の中心で平然と佇む三人の姿であった。
服が焼け、露わになった肌は傷ひとつなく、その下に収束する筋肉繊維は一切の無駄が削ぎ落され、数学的とすら言えるほどの美しさがあった。
まほ「…………ビューティフル」
それは、最後の言葉となった。なぜなら、眼前に拳を振り上げた三人の化け物が迫っていたのだから…
審判「お、大洗女子学園の勝利…」
しほ「…………」
千代(口いっぱいの苦虫を噛み潰したみたいな顔をしてる…)
ねこにゃー「西住隊長!」
みほ「はい」
ねこにゃー「見つけたにゃ!ボクの戦車道!」
みほ「よかったね」
沙織「みぽりんが生徒会に戦車道を強要されたときのあの目になってる…」
麻子「気持ちはわかる」
華「お腹すきました」
優花里「嘘です戦車が筋肉より弱いなんてこれはきっと悪い夢だそうに違いないんです」
【後日】
まほ「ドイツに行きます」
しほ「なぜですか?まあ、先日の大敗もありますし、海外をその目で見て来るのもいいクスリになりそうですね」
まほ「ドイツの医学薬学を駆使して世界最高峰の筋肉を身に着けるためです」
しほ「寂しいとは決して言いませんけどまあ向こうでも健康管理を怠らず……って、え?」
まほ「あの試合を通し、私は本当に大切なものを知りました」
しほ「あの、まほ…ちょっと落ち着いて」
まほ「それは、筋肉です。筋肉に勝る戦車などありません。それをようやく悟ったんです」
しほ「」
まほ「それでは、お元気で。お母様…」
菊代「奥様、アマゾンから電動マッサージ器届きましたよ…って、奥様!?気絶してる!?」
数年後、究極の筋肉を携え帰国したまほと、より濃密な鍛錬により進化を遂げたアリクイさんチームがプロ戦車道大会にて地形が変わるほどの大バトルを繰り広げるのだが……それはまた、別のお話。
おしまい
最終章を見て熱が戻ったので勢いで書きました
最終章の新メンバーをメインにしたのもいつか書きたい
乙です
アリクイさんチームはあと5章でどのくらい進化するのか
サメさんチームの話期待。特にカトラスちゃん
乙
面白かった
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