天使「なんて幸運なんだろう」男「俺もすごく幸運な人間だと思うよ」 (38)


~日本の某都市、某大学~

男「…なんだ、眠いの我慢して来たのに、休講か」

男「家でゲーム続けてりゃよかった。主人公クズ野郎だが…俺なら一度やった娘は絶対自分から捨てないぞ」

男「ま、あくまで予定だがな、童貞だし」

女「男くん!」

友「よう、男」

男「あ…」

友「残念だったな。次の講義までどっかで時間潰さないか?」

男「いや、帰るよ。単位ヤバいのはこの美術史だけだったからな」

女「えー、お昼いっしょに食べようよ。男くんの分もお弁当作って来たのに」

男「バカ、そういうのは彼氏と2人で食うもんだ。『はいアーン』とかやりながらな」

友「おいおい、俺も女もそんなキャラじゃないの知ってるだろ…だいたいお前、他教科も決して安泰じゃ」

男「俺は眠い、徹夜でゲームやってたんで。じゃあな」

女「男くん…」

……


男「…あいつら、俺に気なんか遣わなくていいのに…」

男「だいたいなんだよ、『実は3か月前から付き合っていた』って。いや、それはいい、俺の許可が必要なはずもない」

男「だけどなんでその後に『ごめん』なんだよ。俺がそんな度量狭いと思ってた?」

男「…いや、そんなつもりじゃない、あいつらに限って。わかってる、でも…」

男「俺も、祝福したかったさ。だけど、タイミングを完全に逸してしまった…それでも二人は今まで通り接して来る。俺は…勝手に気まずくなって、一方的に逃げまわって……」

男「…………」

男「……ぼーっと歩いていたら、普段来ない場所まで来てしまった。お、公園がある。ベンチで昼寝でもするか…」

男「自販機でコーヒー買ってと」ガション

男「このへん瀟洒な住宅街だからなあ。この中の公園に俺みたいな貧乏学生は場違いかな?ま、いいか」ドカッ

男「んー、日差しはぽかぽか…長閑じゃないの」コーヒーグビグビ

男「お、なんだこのポスター…『奇妙な行動の不審な少年が出没しています』?『心当たりの方は派出所まで』??」 

?「あの…」

男「ん?」

?「すみません…あの…」

男「植え込みから声が…誰かいるのか?」
 


植え込み「ガサガサッ」

男「!?」

少年?「すみません、僕は怪しい物ではありません。ぶしつけですが、今お時間ありますか?」

男「…なんだ君…どえらい美少女(顔で判断)…いや、美少年(髪型と一人称で判断)だな!」

男「しかも日本語流暢な金髪碧眼」

少年?「正確には『少年』ではありませんが…とりあえずちょっと話を聞いてもらえませんか」

男「おい勘弁してくれ、このご時世見ず知らずの子供と二人きりなんて事案発生、通報されちまう」

少年?「大丈夫です、貴方以外の人からは姿を見えないようにします」

少年?「なんでしたら周辺に結界を張れば、貴方ごと見えなくすることも可能です」

男「は?」

少年?「僕、人間ではないので…見てください」バサリ

男「つっ、翼!?真っ白い翼が背中から…!」

少年?「僕は貴方がたの言う『天使』です。今そちらに行きますね」フワリ

男「とっ飛んだ…!」


天使「天使とは言えまだまだ半人前ですが…信じてくれますか?」ストン

男「…証拠見せられたからには…信じるしかないわな。通報の心配がないなら、聞くだけ聞いてやってもいいが」

男(あ、この子、ほんのりといい匂いする…)

天使「ありがとうございます。何から話せばいいのかな…」

男「うーん、その天使がここにいる理由から、はどうかな?」

天使「そうですね、それでは…」

天使「天使は天界で生まれ、13歳の誕生日を迎える日に地上界に降りて、各自それぞれに与えられた試練を1ヵ月以内にクリアしなくてはならないのです」

男「ふむふむ」

天使「僕らは地上のどこの場所で何をするかを指定されます、例えば…」

天使「ある天使はアフリカの干ばつ地帯で枯れ井戸を復活させる、ある天使はアメリカに行き逃亡中の犯罪者を悔い改めさせ自首させる、みたいに」

天使「この制度が始まって、まだ100年程度のため、人間達には殆ど知られていませんが…」

天使「天使の子供は5歳から12歳まで天界の天使学校で基礎教育を受け、卒業の時に『くじ引き』で試練を決めるのです」

男「くじかよ」


天使「…日本に来て、人間と、10回以上…」

男「人間と10回以上?」コーヒーゴクゴク

天使「…交尾を、する…」

男「」コーヒーブッシャァ

男「ぶはっ!…ぶひょへっ…な、なんつー出鱈目な…げほげほ、試練だ!」

天使「…僕も悩みましたよ。図書館で人間の性行為について勉強すればするほど、どんどん不安が増して…」

天使「しかし試練からは逃げられない…というわけで、お願いです、僕と交尾してください!」

男「ななななななな、なんでそうなる!?そもそも俺は男、君も男の子でしょ!?」

天使「いいえ、僕ら、子供のうちは両性具有でして、大人の身体になったら性別が固定しますが」

天使「…一応…今の段階では、男性とも女性とも行為は可能です。そういう構造になっています」

男「…つまり、ふたなり…」

天使「実は今日でもう誕生日から一カ月です、後がないのです」


天使「なかなか人間達に声を掛ける勇気がなくて、悩んでいる間にもどんどん日は過ぎて…」

天使「思い切って、三日前からこの公園近辺で出来るだけ親切そうな人を選んでお願いしましたが、男性にも女性にもことごとく断られてしまいました」

天使「そのうち警察と呼ばれる人間が現れるようになったため、僕も姿を隠す時間が長くなり」

男「近隣住民にも注意喚起がされたせいか、昨日あたりから人通りもすっかり途絶えてしまいました」

男「そりゃそうだ…まともな人ほど関わりたくないもん。ああ、ポスターの奇行少年て君か…」

男「だいたい、場所選びを間違ってる。こんな高収入高学歴世帯ばかりの住宅街なんかじゃなくて」

男「もっとこう…繁華街あたりの薄暗い路地裏とかさ」

天使「そういう場所の方が可能性高いんですか?では今からでも…」

男「まま待て!そういう場所でこんな可愛い子が物欲しそうな顔でぼんやり突っ立ってたら10回くらいは交尾…と言うかレイプされるだろうさ」

男「しかしそんな人間はろくでもないからな。性行為だけで済まされない可能性だってあるぞ」

天使「…よくわかりませんが、それ以上の身の危険があるという事ですか。それは困ります…」


男「で、もしも試練を期限内にクリアできなかったら、どうなるんだ?」

天使「現在の肉体は消滅し魂は天界に回収され、記憶も完全に消され、別人の赤ん坊の天使としてやり直しです」

男「要するに…今ここで俺と話をしている君の存在は消えてしまうのか?」

天使「ええ」

男「…死ぬのと同じだな…」

天使「地上の生物の生き死にの定義を当てはめると、そうかもしれませんね」

男「…」

男「…わかった。君と交尾してあげよう」

天使「え…いいんですか!?」

男(俺だって僕っ娘ロリやふたなりに全く興味がなかったと言えば嘘になる)

男(尤もそれは二次元での話で、三次元はあり得んと思っていたが、これほど綺麗な子、しかも人外、本物の天使…)

男(客観的事実にも関わらずこの現実感のなさを考えると、俺のほうが二次元に入り込んだくらいの気持ちでいけるかもしれん)

男「ああ、明日…午前0時まではまだ時間がある。10回くらい頑張ってみせるさ。早く俺の家に行こう」

……


~男の暮らすアパート~

天使「ここが男さんの…地上人の居住空間…」キョロキョロ

男「あまり見るな、散らかってるから」カバンポーイ

男「あ、またスマホに着信が。うざいからマナーモード、と。そんなことよりセックスだ♪」ヌギヌギ

天使「歩きながら器用に服を脱ぐなあ」

男「狭いけど、ここは居間…入って、ここは寝室だよ。ん、それは何?」

天使「試練を少しだけ手助けするという、いくつかの薬品類を先生達からいただきました」ガサゴソ

天使「使い方は相手と状況に応じて自分で考えて、だそうです」

男「なんだこれ…処女喪失時の痛みを消す薬(催淫成分入り)…ふむ、それと精力剤…どっちも天界の薬か」

男「…あ、これは人間界のローションだな」

天使「あと12時間です」

男「よし、精力剤をもらうぞ…お?おおお、早くも効果が!?ほら、君もこっち飲んで!」

天使「痛みを消す薬…は、はい!」


男「あ、その前に…俺達の声や音が外に漏れないようにできる?このアパート、壁薄いんだ」

天使「では部屋に結界を張ります。こちらの音が外に聞こえない代わり、外の音からこちらも遮断されますが」

男「それでいいよ、頼む…さ、ベッドに上がって」

男「ふーん、こうなってんのか…男女それぞれのパーツが完全にそろっているわけでもないんだな。でも、ちんこと膣はあるから確かに男とも女ともできるんだ」

天使「あ、あんまりじっくり見ないでください…///」

男「構造を理解しないと……緊張のせいか、上は縮こまっているし、下も濡れている様子はない…」

天使「…?」

男「きれいな色の乳首だね」クニッ

天使「ふああっ!?」

男「どうかな?痛いならやめるけど」クニクニクニ

天使「んっ…痛くはない…です、でも…くすぐったいような…変な感じ…」


男「やめなくていい?しばらく続けていいかな?」キュッ

天使「ああっ!?…お、男さんが、これをしたいなら…構いません…あ…」モジモジ

男「(左側はこのまま指で、右側は舌で)」ペロッ

天使「ひゃうっ!」ビクン

男(感じてきたかな?)

ぺろぺろ…ちゅー…くにくにこりこり

天使「あ、ああ…交尾の前に…胸をどうにかされるなんて、こんな工程、知らなかった…」

男(前戯についての知識はないんだな)コリコリ…チュパッ

天使「…はあ…はあ…」


男「どれ、下半身はどうなったかな」

天使の天使「ぴょこん」

男「子供ちんこがいっちょまえに勃起してる、こっちは…もう少し足上げて?」

天使「は、はい…」

男「お、すごく濡れてる、薬のせいかもしれないけど、敏感だね…これなら大丈夫か…」

天使「…あと11時間40分です…」

男「心配しなくていい、この分だと問題なく行為に及ぶ事ができそうだ」

男「さて…それじゃいよいよ…君の膣内(中)に挿入するよ?」クチュ

天使「…ど、どうぞ…」ドキドキ

男「怖がらないで、体の力抜いて…」ズプププ

天使「ひうっ…!!」

うむ。



うむ。


男「…動かすよ?」ズッ…ズッ

天使「や、あ、あ…」

男「…いいよ、天使、君の体、すごく気持ちいい」パン、パン

男「…それに、ますます濡れてくる」ズチュ、グチュ

天使「あ、あん、何…何これ…こんな…んんっ…感覚、初めて…ああっ!」

男「君も気持ちがいいんだよ、完全に勃起している」

男(最初はこの子にはちんこ不要と思ってたが、感じているのがわかりやすいわ)

天使「う、ああ、何だろ…あんっ、何かが…どんどん膨らむ感じ…?…な、何これ…僕どうなるの…ふああっ」

男「大丈夫…その感覚に、身を任せていいから…っ」パンパン

天使「や、やだ、ああ!怖い、どうなっちゃうの、あっ!男さ…だめ、だめぇ!」

男「怖くない、怖くないから…!」パンパンパンパン


天使「あっ、あ!やぁ、やだ、壊れちゃ…ああああああ!!」

天使の翼「ぶわさぁ」

男「くうう…出る…!!」

びゅるるるるるるる!!

天使「…ふあ…あん…はあ、あっ…」ビクンビクン

ヒラヒラ…

男「…?何だ、白い羽根が舞ってる…天使の翼か…っう、まだ出る…」ピュル…ピュル…

天使「…はあっ…翼、無意識のうちに出しちゃった…うう…今の何…僕、どうしちゃったの…?」

男「ふう、よかったよ…1回目は無事にできたようだ」

天使「…男さん…これが…その、人間の交尾、なんですか…?」

男「ああ、すごく上出来だ。この調子であと9回…いいね?」

天使「…男さんに、おまかせします…」

……


天使「…はあ…はぁっ…ん…うぅん、あん…」ピク…ピク…

男「4回目もよかった…天使、ここらで『くぱぁ』やってみてくれるかな?」

天使「く…くぱあ??」

男「知らなくて当たり前か。教えてあげよう。くぱぁってのはね…」(レクチャー開始)

天使「…意義がよくわかりません…が、男さんのご希望ならば」

男「お、やってくれるの。じゃあ、俺からもっとよく見えるように…」

天使「こ…こうですか?恥ずかしいけど…」クイッ

天使「合図してくださったら始めます…」

男「(スマホスマホ…お宝画像撮影開始、っと)いいよ、天使」

天使「はい…こ、これでいいのかな…?」クチュ

くぱぁ

天使(あ、中から…男さんの…)トロォ

男「俺が中に出した精液が出て来たよ?君の愛液も混じってるだろうけど」パシャリ

天使「…言わないで…」


男「すごく素敵だ、天使…」ヌチュ

天使「あ、だめ、触っちゃ…!」ビクッ

男「俺の指2本も咥え込んで、すごくいやらしい。後で画像見せてあげるね?(…俺、これじゃ変態だな)」パシャリパシャリ

天使「そんな…いやあ…」

男「恥ずかしがっている可愛い顔も♪」パシャリ

男「んじゃ、そろそろ5回目始めようか」

天使「はぅぅ…」

パンパン、ずちゅずちゅ、パンパン

天使「あっ、また…男さん、僕、また変にな…ああっ!」

男「…こういう時、なんて言うか教えたよね?」パンッパンッパンッ

天使「…っ、い…イキそう、です…いっちゃいそ…あんっ」

男「いいよ、イって。俺も…もう…っ」ズチュズチュズチュ

天使「男さ、ああん!いっちゃう、いっちゃ…あああああああ!!」ビクゥン!!

男「俺もイク…っ!!」

どぴゅるるるるるるっ!!


男「…天界の精力剤すごい…全然勢いが衰えない…」

天使「…はあ…はあ…」ヒクヒク

~更に数時間後~

男「…8回目終了」ズルルッ

天使「あん…男さん…も…もうだめ…」グッタリ

男「あと2回だよ、頑張って?」

天使「でも…6回目くらいから、イク度に…お腹の奥が、きゅうっとして…なんだか、切ない感じになるんです…」

男「お腹の奥…子宮あるの、君?」

天使「…しきゅー…??」

男(その知識もないのか、どんな本で勉強したんだろ)

男「うーん、どう言えばいいか…つまり、君の体の女の子の部分が強く反応しているんだよ」

天使「そうなんですか…?」

男「とりあえず、上の穴が辛かったら、こっちで」グイ

天使「え」

男「まずは指で…痛くならない薬の効果が、こっちにも効いていればいいけど」

つぷっ


天使「!!そ、そこは…お尻の…」

男「お、意外と拡がる。ローションつけて、2本…3本いけるかな」グニグニ

天使「やだ、やだ、そんなとこ、使うなんてっ…僕が読んだ本には…なかっ…あ、あ、ああ」

男「こっちでも感じてるみたいだけど?」

男「…さて、指はもうやめ…俺のチンコにもローションつけて、本番行きますか」グリッ

天使「ひ…」

男「入るよ」ゴリュッ

天使「あああああああああ」

(数時間後)

天使「…もう本当に…らめ…(しかも、お尻でもイってしまうなんて…僕絶対おかしいよ…)」グテ

男「…アナルで5回、合計13回…気持ちよすぎてつい調子に乗ってしまった…でもね、天使」

天使「…なんれすか…」

男「13って数字、君達的にはよくない数だよねえ?だから…」

天使「ふえぇ…じゅ…14回目ですかぁ…?」(涙目)

男「察しがいいね。これで本当のラスト」ジュプッ

天使「ひにゃああああああ」

……


男「14回目終わり…ところで、天使」

天使「…こんろは…なんれひゅ…」ヨレヨレ

男「確実に試練をクリアした合図は、何かないの?君が大人に変化するまでわからないんじゃ、大いに不安だ」

天使「…指輪…僕がつけてる指輪が光れば…クリアした証しだ、って…先生が」

男「ああ…それなら、7回目くらいかな、君の指から外れて床に落ちたよ。

男「で、君がまたイクと同時に翼を出した時の風圧で飛んでった。サイズ合ってなかったんじゃない?」

天使「本当だ、指にない…どこ行ったんだろ…」

男「タンスの陰で何かボーッと光ってる。…これかな?」ヒョイ

天使「これです…光ってる、光ってる!クリアできた…男さんのおかげです、ありがとう…本当にありがとう!」

男「よかったね、君が頑張ったからだよ。おめでとう!」

男(…本当は10回目終わった頃から、あそこで何か光ってんなーとは気付いていたけど)

男「で…夜明けと共にめでたく大人の(美女の)天使になって、その後の『修業』って何するの?」

天使「…天界の方針としては人間界で僕らの行うあらゆることが『修業』らしいです…

天使「あ、でも、明らかな悪事や、誰かがどう見ても不幸になるような行為は認められません」

天使「それ以外ならば、どんな小さな経験でも修業になると教わりました」

天使「各自の判断での行動を神様や上級天使様が判定しますが、結果は最後まで僕らにはわからないんです」


男「ふーん…なあ、よかったら、しばらくの間…せめてこっちの世界に慣れるまで、うちに滞在しないか?」

天使「え」

男「身体が大人(の美女)になっても、まだまだ地上に来たばかりだし、頼りなくて何かと心配だし、それに…」

男「何よりこうして俺と出会ったのも、何かの縁だし、さ…。もちろん、君がよければ、の話だけど」

天使「本当にいいんですか…?僕も…明日からのことは…少し不安だったんですが…」

男「じゃあ決まりだ。好きなだけここにいたらいい、寝泊りに使うだけでもいいから」

天使「寝泊りだけなんて…それなら、僕、男さんの為に働きます。掃除も洗濯もします、料理だって作ります」

男「家事なんてできるの?」

天使「多少は法力も使いますが、基本的に天界と変わりません。料理は天界では必要ありませんが、僕は学校での選択科目で習いましたから」

男「はあ…すごいね天使学校。まあとにかく、今後よろしくな、同居人」

天使「は、はい…僕でよければ…」

男「よし、そうと決まったら安心して朝まで眠れ、疲れたろ?」

天使「男さん…僕はなんて幸運なんだろう、こんな優しい親切な人に出会えるなんて…」

男「俺もすごく幸運な人間だと思うよ。…もうおやすみ」

天使「はい…おやすみなさい…」


~翌朝~

男「ん…明るいが、外から車の音もしない?…そうか、結界張ったままか」

男「天使、どうなったかな」ワクワク

誰?「すー…すー…」

男「…誰…誰だ、何だ、これは…何なんだよこれは、この『男』は!?!?」

男「…待て、落ち着け俺…よく観察してみよう、全ての基本だ…」

男「髪の色は天使と同じ…布団に隠れているが足の先までの体のライン…推定身長約190cm…この首回り、布団越しでもわかる身体の幅と厚さ…」

スマホ(マナーモード)「着信あり」

男「疑いようないガチムチ兄貴…体重は推定100kgほど…顔のパーツは整って一応イケメンなのかもしれんが」

男「この輪郭に収まっている佇まいがゴツい…間違っても…これで『女』はないよなあ…」

スマホ(マナーモード)「新着メールあり」

男「いやいや、これで女なら更に恐ろしい事態だろ…ってそれ以前に、こいつもしかして別人じゃないか?」

男「うん、別人だよな…別人であってくれ…」

天使?「ん…むにゃ…」


男「…くっ…昨日のあの可愛いふたなり天使からは、ほんのりといい匂いがしていたが…」

男「すごく微かだけど、例えるなら、石鹸のようなリンゴのような、なのに…」

男「…こいつからも、その同じ匂いがするなんて…ガチムチのくせに…」

天使??「う…ん…?」

男「!」

天使???「ふあ…朝だ…」モソリ

男「瞳の色…天使と同じ…」

天使???「…あ、男さん…起きていたんですね。おはようございます」ガバッ

男「…俺を知っているということは…」ガックリ

天使(確定)「あ…僕、大人の体に?…すごい、大人になった!男さんのおかげだ、嬉しい!!」

翼「バッサアァァァ」

男「野太い声ではしゃぎやがって…おい天使、翼もでかくなって、邪魔だからしまえ」

天使「あ、はい、ごめんさい」シュルル


男「なんで、お前、男になってるの?…布団めくったら決定的証拠が」

天使「え…大人の天使は、男女ほぼ半々ですよ?」

男「じゃ、じゃあ、両性具有から男女が分かれる条件とかがあるのか!?」

天使「試練の期間中に出会った人間の性別で左右されます。一人でも接触の多かった人間の性別と同じに」

天使「男女同じ人数であれば、交わした会話の数や、あるいは肩が触れた程度の回数が少しでも多いほうに」

天使「でも、性行為のように濃密な接触があった場合には、間違いなく行為の相手と同じ性別になるそうです」

男「おおおおお、おま、そんなこと、昨日は一言もおおおおおお」

天使「…聞いてくだされば答えましたけど…男さんにはもしかして、重要事項だったのですか…?」

男「ふおおおおおおおおおお…あ、あんなに膣を濡らして、し、子宮も反応させていたのに…」

男「あれだけ、あんなに、メスの顔になっていたのに…」フルフルフルフル

天使「大丈夫ですか、すごい脂汗で、震えていますよ?」

男「俺に触るな!!巨乳の天使を、貧乳でもそれはそれでいいものだが、期待していたのに…」

天使の紳士「ぶらーん」

男「…巨根の天使って…悪魔を見るような気分…」


天使「…立派な天使になれたと思ったのに…男さんの気に入らない点があれば、努力します」

男「気に入らんのはただ一点だが、その一点が決定的だ、絶望的だ!!」

男「しかもなんだ、その体型…まるで最後の審判の…」

天使「お、男さん、そ、その言葉、天使は迂闊に口に出せないのですが!?」オロオロ

男「人間には絵画のタイトルだ」

男「とにかく…今のお前のキャラデザは巨匠ミケランジェロか!?」

天使「…きゃ、きゃらで…??…よくわかりませんが…僕が悪いんですね?」

天使「僕に至らない所があって、男さんはそれをどうしても許せない、と…」

男「ああそうだ、そうだよ!だから出て行ってくれ」

天使「…」ポタポタポタ

男「お、おい、何を泣く」

天使「ぐす…僕が甘かったのか…試練の後に男さんに優しい言葉をかけてもらったこと、これは僕が頑張ったご褒美じゃないかって…思い上がった考えを持ってしまった、それが間違いだった…」

男「…」

天使「確かに、地上に来てから期限切れ間近まで自分から行動しなかったくせに『頑張った』なんて、余りにもおこがましいですよね…男さんの怒りも当然だ…ぐすぐす…」


男「…完全な誤解だが…おい、その図体で泣くな、見苦しい」

天使「うう…見苦しくて、ごめんなさい…」

男「精神はガキのままみたいだが、外見は俺よりでかいし、歳もなんだかちょっと上に見えるし…(25、6?)」

天使「…修業期間中は、肉体年齢はこれ以上変わりません…精神は仰る通りまだまだ未熟ですが、いずれは…」

天使「ぐすっ…ごめんなさい、出て行きます…でも…泣きやむまで…」

男「…ああ、泣きやむまではいいが…服は?昨日のはもう小さくて入らないだろ(俺の服も入るまい)」

天使「…大人になった各自の体型に合わせて、自動的にサイズも変わるはずです…ぐしゅ…」

男「これか…本当にでかくなってる、天界の服すごい…ほれ」バサリ

天使「ありがとうござ…う…うわあああああああん」

男「おいいいいいいい」

天使「う、ううう…ごめ…すみません…ゆ、昨夜のこと、思い出しちゃって…」

男「…っ」

男の良心「ちくちく」

天使「すごく不安で怖くて、でも…男さんを信じて…生まれて初めての感覚がまた少し怖かったけど、何故だかすごく幸せな気持ちにもなって…僕に触れる男さんの手、とっても暖かくて…ぐしゅぐしゅ」

男の良心「ズキズキ」

男「…早く出て行って欲しいな…(これ以上は俺の良心が耐えられん)」

天使「ええ、そうしま…しまった、結界を解いていなかった」


~同じ頃、アパートの男宅の玄関前~

女「ねえ、男くんいると思う?」

友「この時間ならまだ寝てるかも…昨日も今朝も、俺らの電話にもメールにも反応なしで」

女「あれ、鍵が開いてる、きっと中にいるよ」

友「まさか昨夜一晩開きっぱなしじゃなかっただろうな、不用心な…一応チャイム鳴らすか」

ピンポーン

女「無反応ね…なんか心配になって来た、中で倒れたりしてないかな?」ガチャリ

友「見ろ、玄関のすぐ先に男のカバンが無造作に放り出されている」

女「服も脱ぎ散らかして…奥の部屋のドアの前まで続いている…」

友「まさか、強盗に襲われたとか…?」

女「大変!!あ、玄関に金属バットが」

友「よし、これを持ってと、女、俺の後ろへ…離れるなよ」ソロリ

女「う、うん…」ソロリ


~寝室~

天使「結界、解きました…うっうっ…」

男「外に聞こえたらアレだから、もう大声で泣くなよ?」

ドアノブ「カチャリ…」

ドア「バーーーーン!!」

天使「せ…せっかく男さんに…大人の身体にしてもらったのに…っ」

友・女「「」」

男「    」

……


天使「しくしくしく」

女「まさか、こんな修羅場だとは思わなかった」

友「男、ひょっとしてお前は非常に無責任な行為をこの…彼に…しちゃったのか?」

男「それは…その…確かに俺が大人にしてやったし…処女もいただいた…(2穴とも…)」

友「そのあげくに泣かせているって?お前がそんな奴だったとは」

男「それは誤解、いや、正しいけど…誤解でもある!第一、こいつは人間じゃない!!」

女「言うに事欠いてなんてひどい言葉!最低!!」

男「だから誤解だって…おい、お前から説明しろ!」

天使「…お二人とも、男さんの言うとおりです…これが証拠です」

翼「チラリズム」

友・女「「!!」」


~居間~

台所から物音「じゅーわー」

男「突拍子もない話だが、信じてくれるか?」

友「そりゃあ…決定的な証拠を見せられたからな」

女「事情はわかったけど、それでも手のひら返して追い出すのは可哀相じゃない?…彼、すっごくいい子だと思うけど?」

男「俺だって…気持ちは…正直揺らいできている…」

友「それなら、『しばらくの間』置いてやれよ。なあ、当初お前には美女ゲットって下心はなかっただろ?」

女「あの子が死んでしまうと知って、なんとかしてあげたかったんでしょ?」

男「…人外ふたなりっ子へのスケベ好奇心はあったけど…」

友・女「「男がそういう奴なのは知っている」」

男「やはりそういう目で見られていたのか…」

友「お前は感情で突っ走って、走りながら理由後付けするの得意だろ」

女「それを後から振り返って、一人であれこれ悩んで一人でパニくる人、でもね」

友「本当は何が正解か自分で見つけられるけど、自信がない。だから誰かに背中を押して欲しい。違うか?」

男「…なんで俺より、お前らの方が俺の事わかってんだよ」


女「うははは、私と友くんを甘く見るな、背中ならいくらでも押したげる」バンバン

男「いてて…背中叩くな…ありがとな、お前らが友達でいてくれて、よかった…それと…」

男「カップル成立、おめでとう」

女「…うははははははは、この状況で何言ってるのアンタって人は!!」ズドドドドドドドドドド

男「い、うげほ、やめ、ごほぐふぐえ」

友「おい女、お前空手有段者だろ、やばいって」

天使「皆さん、焼きそばできましたよ…男さんはなぜ床に突っ伏しているんですか?」

友「なんでもない!…男、しっかりしろ、そしてお前の口から言ってやれ」

男「…げほ…天使…先に焼きそばテーブルに置け。そしてよく聞け」

天使「は、はい」コト

男「昨夜のピロートークの通りだ。お前、しばらく…好きなだけ、俺んちにいろ」

天使「え…」

男「何度も言わせるな、あとこいつらは証人な…そんなわけで、改めてよろしく、俺の同居人」

天使「…男さん…!!」

翼「どばっさー!」


友「うわっぷ…これ全開モードか、片翼だけで2mはある」

女「真っ白、綺麗…」

男「その癖も、うちにいる間に矯正しろ」

男「…それと…家事だけさせるつもりはないぞ。時々は…俺の…は、捌け口に…」

天使「…はけぐち?」

男「ええい、昨夜みたいなこと、時々はさせろって話!!若い健康な人間のオスは年中発情期だからな!!///」

天使「ははははははい、男さんが望むなら!!そして僕でよければ!!!//////」

女「…あのー…///」

友「男…そういう話は俺らが帰ってからにしろ…」

……


~天界の天使学校~

茶髪の女天使「やれやれ、一時はどうなるかと思った…」(並乳)

金髪の女天使「うふふ、あの子があのくじ引いてくれてよかったー♪」(爆乳)

金髪「…おかげでこの先も監視が楽しめそう」グフフ

茶髪「やっぱりあなた、くじの操作してたのね」ギロリ

茶髪「だいたいあなたには、教師としての自覚が普段から…!!」

金髪「茶ちゃんはほんとお堅いんだから、そもそも神様と上級天使様達だってダーツで試練の内容決めてんのに」

黒髪の女天使「……」(貧乳無口)

茶髪「…心配だったでしょ、黒ちゃん」

金髪「黒ちゃん、昔のあんたとあの子、同じような試練だったからねー」

金髪「あんたは相手が女だったけどさ、回数も1回でよかったし」

黒髪「…」スッ

茶髪「それ、『彼女』にもらったペンダントね」

黒髪「…」コク

茶髪「肌身離さず、か…」

金髪「人間は寿命が短いから…あの子も何十年かしたらさみしい想いするのかな、あんたみたいに」

黒髪「……」

茶髪「えっ!?」


茶髪「……そうなの、彼が」

金髪「え?何何?」

茶髪「あの青年が、黒ちゃんのあの人の魂が転生した…だって」

金髪「うええ!?だって、性別も外見も性格も全然違うじゃん!?」

茶髪「もちろん前世の記憶はないわ、でも…天使を惹きつける何かを持っているのかもね」

黒髪「……」

茶髪「…あの子も自分のように、短い月日でも幸せに過ごして欲しい、か…そうね…幸せだったのね黒ちゃん」

金髪「あ、そう言えば…試練を終えて性別が固定化したように見えても」

金髪「完全に成人天使になるまでは…時々、実年齢相応の両性具有の肉体に戻ったり、女体化したりするって」

金髪「あの子に教えるの忘れていたわー♪」

茶髪「ちょ、それを教えるのは金ちゃんの役目だったでしょ!?」

金髪「えへへ、いいじゃん、あの男の守備範囲めっちゃ広そうだし…節操無しと言うか」

金髪「だから、あの子がどんな姿でも可愛がってもらえるでしょ」

茶髪「そういう問題じゃない!!」

黒髪「……」クス

……

…俺達が天界から見守られているのを知るのは、もう少し後の話…

……

おしまい。以前に書いたもののリメイクでした

もちろんのそもう少しあとのお話もこのまま書くんだよね?

続編の構想はあれど
しばらくまとまったもの書けないからと依頼出してしまったので
いずれスレを改めて

あと>>4>>5の間が抜けていたのに気がついたので以下にうp
すまん

>>4の続き

天使「内容が重要なのです、神様と上位天使様達が厳正な会議で決定するんですよ?」

天使「くじ引きという形式は公平な機会を与えるための手段にすぎません」

男「ま、神様の決めた事には逆らえんか」

天使「1カ月の期間内に試練を終えた天使は、大人の体になって…成熟度はおおよそ人間の18歳くらいから20代まで、と先生から聞きました」

天使「そうなると子供の天使より様々な能力も使えるようになり、そこから本格的な地上での『修行』が始まるわけです」

天使「くじを引いた僕らは学校を卒業し、各自13歳の誕生日までの間、天界との別れを惜しんだり、地上の事を勉強したりと…」

天使「この世界に降りる日に備えました。僕も天界の大図書館で人間の事や…試練に関する事を予習して来ました」

男「ふんふん、それで…君の受けるべき試練ってどんなんなの?」

天使「……」

男「ん?」

天使「僕が引いたくじに書いてあった言葉は…」

>>5へ続く

 

Rは依頼出してもHTML化されたことないからこのスレも多分残るよ
まあこのスレでも別スレでもいずれ書いてくれれば嬉しい

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