盗難事件 (20)

盗難事件が起こった

盗まれたものは財布

犯行時刻は昨日の夕方

教室で盗まれたらしい

8時の今、集会で頭が寂しい系のおっさん教師がそう話している

昨日の夕方と言えば帰宅部の自分はとっくのとうに帰っていた

それにしても恐ろしい剣幕だ

そこまで怒られるとまるで自分が怒られてるような感覚に陥る



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朝からお腹が痛いので早く終わらせてほしいのだが

なかなか終わりそうにもない

体育館座りでお尻が痛い

それにさっきから話の合間合間静かなところでお腹がぐうぐう言うのだ

早く終わってほしい

早くトイレに行きたい

※亀更新

「人の者を盗むのは犯罪なんだぞ!いいか?盗んだやつは犯、罪、者!」

わかったから、もういいからおわれよと言いたい

しかしまだまだ続く剣幕

「わかってんのか!?先生はな、お前たちの中に犯罪者がいるのが悲しいよ」

「それになによりお前たちを疑わなくてはならないことが悲しいよ!」

「大半は関係ないのにな!」

「それが一人か二人のためにこんな…--」



周りをこそっと見渡すとうんざりした顔の者もいれば真面目に聞いてる者もいる

そろそろ45分経ちそうだ








ーー―――――「今ならまだ間に合うから自首してくれ。おねがいだ」

その言葉で今朝の集会は終わった

同時にチャイムも鳴る

タイミング良すぎだろチャイムとは思いつつ

やっと終わった解放感に満ち溢れる

しかし直行でトイレに行くのもなんとなく気恥ずかしいので

一旦教室に戻ってから行こうと思った

教室に帰る途中、友達と話しながら歩く

「こわくない?」

「…うん」

「気を付けないとだめだね」

「…うん」

友達はクールだ。何を聞いても昼食の時以外ほぼうんくらいしか言わない

友達によると朝は不機嫌だから会話もしたくないらしいし

夕方は疲れてるから話したくないそうだ


ぎゅ~~~ぐるるr

「…ウッ」

突然の腹痛

大きな波が来てしまったみたいだ


「ちょっと、トイレ行ってくる!」

と友達に言うとトイレにダッシュした

後ろの方で「…うん」とワンテンポ遅いか細い声が聞こえた気がした



キンコーンカーンコーン

「あーーー!やっと昼食ぅ!」

人一倍大きな声の子がそういったのを合図に

それぞれ机を合わせたり購買に行くために教室から出ていく

自分はいつものように友達と空き教室に行く

本当は教室で食べたいが、友達が空き教室の方が落ち着くということで

この時間は空き教室に行くことにしている



空き教室は掃除がされていないせいかほこりっぽい

「ねぇ!昨日のドラマ見たっ?」

空き教室に着いた途端、朝とはうってかわった明るい声

ずっとこんな感じで人と話してくれればいいのにといつも思うが

口には出さない

きっと友達にもいろいろ事情があると思うからだ

また明日

ハゲ

ww

てす

ハゲ



てす

だれが毛髪盗難事件の被害者やねん

>>14
わろた

>>12>>13
これは本文に関係ないです すみません

友達がふいにこう言いだした

「ねー、あたし今日あの盗難事件の話聞いてワクワクしちゃった!」

「…財布盗まれたら嫌じゃない?怖いよ」

「ぜーんぜん怖くないよ!だってあたし財布盗まれることないもん!もってないし」

「対岸の火事だと思って油断してると痛い目見るよ…」

「痛い目なんか見ないよ。自分自信に災難が降りかからない限り事件って好奇心をくすぐるいい刺激だもん!」

友達がニコニコしながらそう言う

そんな友達が少し、怖かった

「それにね—―—――

キーンコーンカーンコーン

友達が何か言いかけた時チャイムが鳴った

まるで見ていたかのようにタイミングが良いチャイムだ

誰か仕組んでるのではないかと勘繰りたくなるほど。


――――――――――――

――――――――――――――――――――


「きりーつ、おねがいしまーす…」

声は大きいが明らかにやる気がなさそうな号令がかかる

みんなもやる気がなさそうに続いてお願いしますと先生に言う

5時間目の授業が2番目くらいに気怠い

しかも数学と来たら自分の一番嫌いな教科だ

先生の声がお経のように聞こえる






うとうとしかけた時

「そこっ!寝ない!」

先生の怒る声が聞こえて

一瞬自分が注意されたのかと思って思わず背筋を伸ばした

自分ではなかったがおかげで眠気もぶっ飛んでしまった




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