スクストことスクールガールストライカーズのSS
※同じチャンネルの前作
天音「デスゲームチャンネル?」
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=343120
※別のチャンネルの過去作
ティエラ「メンタル強化特訓期間」[スクストSS]
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=338043
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496032253
…………………
………………
……………
…………
…ザザー…
パトリ(ティエラ)〈おお きょうばし よ やられてしまうとは なにごとだ!
天音「張っ倒すわよ?」
ティエラ〈あら、お気に召しませんでしたか?
天音「今のを喜ぶのは真乃ぐらいよ」
天音「…はぁ…また、あのやたら強いマギレオブリにやられたわね…」
ティエラ〈今回で杏橋さんに対する襲撃は三回目ですねー
ティエラ〈こうも敗北が続くと、オブリが強いのか杏橋さんが弱いのか、わからなくなってきましたね
天音「あたしの所為じゃないわよ!」
天音「強いて言うなら、あいつ(隊長)があたしの強いメモカを見つけてこないのが悪いのよ!」
天音「あたし、いまだにダンシング・ステラで頑張ってるのよ!?」
天音「親愛度だけ無駄に高いのよ!?」
天音「サブメモカに夜木沼伊緒のEXRつけられてるのよ!?」
天音「この屈辱があんたにわかる!?」
ティエラ〈すみません、わかりましたから落ち着いてください!
天音「ふん…わかればよろしい」
天音「…で?今回はどんなふざけたやつに襲われたのかしら?」
ティエラ〈えー、今回のオブリは“50%増量より1.5倍の方がお得に感じるよねオブリ”と言いまして…
天音「ストップ」
ティエラ〈…?どうかしましたか?
天音「あんた自分で言ってて“おかしいな?”とか思わないわけ?」
ティエラ〈はぁ…?
天音「はぁ…?じゃないわよ!」
天音「長ったらしい名前がおかしいでしょうが!」
天音「しかも口語だし!」
ティエラ〈私に言われましても…
ティエラ〈そもそも命名したのは別のチャンネルの私ですし…
天音「じゃあ、もっと簡潔な名前につけ直しなさいよ」
ティエラ〈…では、マシマシオブリで
天音「ラーメン二郎か!」
天音「…あと今回のチャンネルはどんなチャンネルなのよ?」
ティエラ〈マシマシオブリの影響により、様々なものが1.5倍にされているチャンネルのようですねー
天音「1.5倍って微妙ね」
天音「っていうかどこのチャンネル基準の1.5倍よ?」
ティエラ〈多くのチャンネルの平均…
ティエラ〈まぁ、私達のチャンネル基準の1.5倍と考えてもらって差し支えないでしょう
天音「そう…」
天音「…ちなみにそれらの情報の出所は?」
ティエラ〈キャラメル・スピカの戦闘記録ですねー
天音「やっぱり…」
天音「働かせ過ぎが解散理由じゃないでしょうね?」
ティエラ〈時空管理局はそこまでブラックじゃないですよ!
天音「どうだか」
ティエラ〈あっ…時空管理局といえば…
ティエラ〈このチャンネルではまだフィフス・フォースか結成されていないんですよねー
天音「えっ?なんでよ?」
ティエラ〈マシマシオブリによる影響がイタズラレベルの些細なものなので、脅威と判断しかねている様です
天音「他のオブリも似たようなものだと思うけど…」
ティエラ〈脅威だと判断できないと時空管理局から予算が下りないんです
天音「お役所仕事か!」
天音「むしろ、なんで他のオブリには予算が下りたのよ!?」
ティエラ〈さぁ…?
天音「…はぁ」
天音「…で?元のチャンネルに戻るにはどうすればいいのよ?」
ティエラ〈何かしらを1.5倍にしてマシマシオブリが満足すれば戻れるみたいですね
天音「まさか…いつもの1.5倍ツッコミしろとか言わないわよね?」
ティエラ〈…
天音「図星か!」
ティエラ〈ツッコミが嫌でしたら頑張って他の何かを探してもらうしか…
天音「ツインテ1.5倍とかじゃだめなの?」
ティエラ〈そこはマシマシオブリ次第ですので何とも…
天音「はいはい、やります、やりますよ…」
天音「まったく…」ハァ
ティエラ〈それから最後に一つ忠告なのですが…
天音「なによ?」
ティエラ〈先ほども言いましたが、そのチャンネルではまだフィフス・フォースが結成されていません
ティエラ〈ですので、フィフス・フォース関連の事…
ティエラ〈特にステラプリズムの事は口外しないようにお願いします
天音「…そういえば、あたし達の存在って極秘だったわね」
天音「わかったわ」
天音「極力、口に出さないようにするわ」
ティエラ〈ありがとうございます
天音「…あっ、こっちからも最後に一つ聞いておきたいんだけど…」
ティエラ〈何でしょうか?
天音「こっちのチャンネルのあたしの交友関係ってどうなってるの?」
ティエラ〈あー、それでしたら、こちらのチャンネルとほぼ同じみたいですね
天音「…?フィフス・フォースが結成されてないなら接点の無いやつも多いと思うけど…?」
ティエラ〈フィフス・フォースが結成されたチャンネルからの干渉で、このチャンネルでも交友があるようです
天音「干渉?」
ティエラ〈干渉とはいっても、初めて会った人を懐かしく思ったり…夢で会ったように感じたり…あとは妙に気が合ったりと些細なものですけどね
天音「…まぁ、些細なきっかけでも友人になるには充分ってわけね」
ティエラ〈そういう事ですね
ティエラ〈ですのでボッチの心配はしなくても大丈夫ですよ!
天音「ボッチじゃないわよ!」
天音「少なくとも真乃は居るし!」
ティエラ〈いやぁ、入学当時は友達が出来るか心配したのが懐かしいですねー シミジミ
ティエラ〈今ではすっかりお友達が増えて…先生、ホッとしました
天音「余計なお世話よ!」
ティエラ〈では、こちらはこちらでやることがありますので…
ティエラ〈そちらも頑張ってくださいね!
天音「言われなくても頑張るわよ!」
ティエラ〈ではドロンさせていただきます ─プツッ─
天音「ノエルか!」
天音「まったく…」
天音(さて…これからどうすべきかしら?)
天音(そういえばこの部屋、現実世界のあたしの部屋にそっくりね)
天音(つまり…ここはこのチャンネルのあたしの家って事でしょうね)
天音(えーっと、現在の日時は…と)キョロキョロ
天音(ん…デジタル時計によると平日の朝七時台か…)
天音(とりあえず登校の支度をした方が良さそうね)
天音(まずは寝間着から制服に着替えなくっちゃ…)ゴソゴソ
天音(…あっ、一応ツインテ1.5倍にしておこう)ファサッ
……………
…………
………
……
…
天音(ツインテ1.5倍)「行ってきまーす…」ドアガチャ
天音(…ツインテ1.5倍にしたら両親にいたたまれない目で見られてしまった)
天音(…やっぱりいつものツインテに戻しましょう)シュルル
天音(ツインテ1倍)「よし、と」キュッ
天音「やっぱりいつも通りが一番ね」
真乃「あっ、天音おはよう」
天音「あぁ真乃、おは…よ…う?」
真乃「…?どうかした?」
天音「…あんた…コンタクトに替えたの?」
真乃(裸眼)「えっ?コンタクトに替えるも何も…私、そんなに視力悪くないよ?」
天音「あぁ、そうだったわね…」
天音(視力1.5倍って事かしら?)
真乃(視力1.5倍)「…大丈夫?」
天音「大丈夫よ」
天音(初っぱなから地味ねぇ)
天音(しかし…)ジー
真乃「…?私の顔に何か付いてる?」
天音「…真乃って眼鏡かけてないと、ただの美少女よねぇ」
真乃「元から眼鏡かけてないよ!?」
真乃「あと美少女って急に何言ってるの!?」
天音(その上、高等部一年の割に身長高いし、スレンダーだし、オマケにゲームが趣味とか…)
天音「真乃、あたしより男ウケ良いんじゃないかしら…」
真乃「本当に大丈夫!?」
天音「本当、眼鏡かけてくれてて助かるわ」
真乃「だからかけてないって!」
天音「そうね」
真乃「…大丈夫?学校休んだ方がいいんじゃない?」
天音「大丈夫よ」
~五分後~
[五稜館学園校門前]
天音(通学路の道中は特に何も無かったわね)
天音(…まぁ、通学路の距離1.5倍とかにされても困るけど)
オハヨウゴザイマース
ウム オハヨウ
天音「…ん、あれは…」
真乃「あっ、生徒会の服装検査だね」
真乃「今日は…末葉センパイと神無木センパイの会長・副会長コンビだからちょっと厳しめかな」
天音「前々から思ってたけど、制服の着こなしがかなり自由な五稜館で服装をどうこう言うってどうなのよ」
真乃「まぁ、自由って言っても限度があるからね」
天音「不自由ねぇ…」
栞「…あっ、二人とも、おはよう」
真乃「おはようございます」ペコリ
天音「…おはようございます」ヘコ
あおい「ああ、おはよう」
あおい「登校早々で悪いが、少し服装検査に付き合ってもらえるか?」
真乃「はい、もちろん大丈夫ですよ」
天音「別にいいけど…」
栞「手間をかけさせてごめんなさいね」
あおい「では李野田君から…その場で一周回ってくれ」
真乃「あっ、はい」クルッ
真乃「…どうでしょうか?」
あおい「うむ、まさに模範的な着こなしだ」
あおい「文句の付け所が無いな」
真乃「ありがとうございます」ペコリ
栞「さすがは李野田さんね」
あおい「では杏橋君もその場で一周回ってくれ」
天音「はいはい」クルッ
あおい「…む」ピクッ
天音「どうかしら?」
あおい「いくつか気になる箇所があるな」
天音「気になるって…別にいつも通りの着こなしだけど?」
あおい「まずスカートだが…校則より0.3㎜短いようだ」
あおい「次にブレザーの左手の袖ボタンの止め糸が解れている」
あおい「あとネクタイが少し緩んでいるから締め直すべきだろう」
あおい「それから校章が少しくすんでいるから、重曹かなにかで磨いた方がいいな」
天音「細か過ぎるわよ!」
天音(こいつの1.5倍はこれか!)
あおい(1.5倍風紀に厳しい)「細かくても直せるところは直すべきだろう!」
栞「ごめんなさいね、そういう事だから直していってもらえるかしら?」
天音「わかったわよ…」シブシブ
天音「…ほら、スカート直したわよ」
あおい「ふむ、有るべき姿になったな」
あおい「次は…止め糸の解れだな」
天音「あー…、悪いけど縫い物とかしないからソーイングセットとかは…」
栞「はい、ソーイングセット」スッ
あおい「いつもすまないな」
天音「準備良いわね」
あおい「…」ヌイヌイ
あおい「…よし、上出来だ」
あおい「次は…」
栞「はい、重曹とクエン酸」スッ
あおい「すまない」
あおい「校章はこの場ではきれいにできないから家に帰ったらこの重曹とクエン酸を使って汚れを落としてくれ」
栞「詳しいやり方はググってね」
天音「教えなさいよ」
あおい「後はネクタイだな」
天音「はいはい…」シュルル
あおい「私が結んでやろう」
天音「ネクタイぐらい自分で結べるわよ」
あおい「結べてないから緩んでたんじゃないか!」
天音「あんたの基準が厳しすぎるのよ!」
真乃「ちょっと天音!上級生相手に失礼だよ!」
あおい「ほら!とにかく結んでやるからこっちに来るんだ!」
天音「だから自分で結べるって…」シュルシュル
あおい「なっ!私が結んでやるって言ってるだろう!」ガシッ!
天音「ちょっ!?何掴んでるのよ!」ググッ!
あおい「おとなしくその手を離すんだ!ネクタイが結べないじゃないか!」ググッ!
天音「あんたが離しなさいよ!」ググッ!
栞「私もおとなしくしたほうが良いと思うわよ?」
天音「あんたは止めなさいよ!」ググッ!
天音「これ、どう見ても行き過ぎた指導じゃない!」ググッ!
栞「確かに行き過ぎた指導かもしれないけど、あおいがやりたいって言うならやらせてあげたいのよ」
天音「過保護か!」ググッ!
栞(1.5倍あおいに甘い)「いいえ、私はただあおいを信じているだけよ」
天音「盲信もいいところね!」ググッ!
あおい「いい加減おとなしくしないと生徒会権限で退学にするぞ!」ググッ!
ハヅキ(1.5倍胸元露出)「おはようさん」スタスタ
天音「生徒会にそんな権限は無いわよ!」ググッ!
天音「…ちょっと今何かとんでもないの通っていかなかった!?」ググッ!
天音「あたしよりさっきのやつみたいなのを指導しなさいよ!」ググッ!
あおい「もはやあれは私の手には負えないんだ!」ググッ!
天音「諦めてんじゃないわよ!」ググッ!
天音「…あー!もう!いいわよ!」ユルッ
天音「結びたければ結べばいいじゃない!」
あおい「まったく、最初から素直にそうしていればいいのに…」キュッ
真乃「親友がツンデレですみません」
天音「ツンデレじゃないわよ!」
天音「ぐえっ」キュッ
あおい「これで、よし、と」
あおい「もう行っていいぞ」
真乃「ご迷惑おかけしました」ペコリ
天音「…すみませんでした」ヘコ
あおい「わかればよろしい」
栞「それじゃあ今日も1日頑張ってね」
[五稜館学園校内]
天音「朝っぱらから余計なカロリー使ったわ…」グッタリ
真乃「授業中に居眠りとかしちゃダメだからね?」
天音「わかってるわよ…」
モブ「あっ、天音ちゃんおはよっ!」
天音「えっ…誰?」
モブ「ええっ!?」
モブ「私がわからないなんてヒドいよ天音ちゃん!」
天音「そんな事言われても…真乃は知ってる?」
真乃「ええ、まあ、あのー…センパイ…ですよね?」
モブ「真乃ちゃんもわかってないよね!?」
真乃「まさかぁ…」フイッ
モブ「目線合わせてよ!」
天音「…ごめんなさい、本っ当に誰かわからないから名乗ってもらえる?」
モブ「ストレートに失礼な事言ってくるね天音ちゃん!?」
モブ「私だよ!私!」
モブ(リョウコ)「東雲リョウコだよ!」
天音「あー…あー!あんたね!」
天音(いつも以上に普通で、もはやモブと化してるわね)
モブ(1.5倍普通)「もー!わからないなんてヒドいよ天音ちゃん!」
天音「完全に周りに溶け込んでいて気づかなかったわ」
天音(というか目の前に居ても意識してないと見失いそう)
真乃「東雲センパイ、おはようございます」ペコリ
モブ「真乃ちゃん今気づいたよね!?」
真乃「まさかぁ…」フイッ
モブ「だから目線合わせてよ!」
モブ「あっ、リョウコおはよー」
モブ「おはよっ!」
モブ「今日も普通だねー」
モブ「抜群の普通感だよね」
モブ「普通感って何!?」
天音「どれが誰よ!ややこしいわね!」
モブ「見てると落ち着く普通加減だよねー」
モブ「普通普通って言わないでよ!」
モブ「あっ、私達もそろそろ教室行かなきゃ」
モブ「って事だから天音ちゃん、真乃ちゃんじゃあねー!」
モブ「私、そんなに普通かなぁ…」
モブ「一部を除いてね」
モブ「どういう意味!?」
ネェ ドウイウイミ!?
ウルサイデカチチ!!
デカチチ!?
デカノムスメノデカチチ!!
ナニイッテンノ!?
天音「…行ったわね」
天音「最後はどれが東雲リョウコかわからなかったわね」
真乃「私もさっぱり区別がつかなかったね」
真乃「…じゃあ私達もそろそろ教室行こうか」
天音「そうね」
これはwwwwwwwwwwwwwwwwww
1.5倍のスマイルジャンキーや1.5倍のドジっ子教師も出てくるな
[高等部一年教室]
キンコンカンコーン…
ガラララッ
小田切ゆか子「はい、ではこれより1時限目の授業を開始します」キリッ
真乃「時間ピッタリですね」
天音(このチャンネルのティエラは無駄にキリッとしてるわね)
ゆか子「さて、本日は昨日やったボストン茶会事件の続きから始めていきましょう」キリッ
天音(世界史?)
ゆか子「どなたかボストン茶会事件の概要を説明出来る方は居ますか?」キリッ
黒髪瓶底メガネ「はい」スッ
天音(こんな地味なやつクラスに居たかしら…?)
ゆか子「はい…では降神陽奈さん」キリッ
天音(あれ降神陽奈なの!?)
陽奈(1.5倍真面目)「コホン…」
陽奈「ボストン茶会事件は1773年12月16日に、当時マサチューセッツ植民地だったボストンで、イギリス本国議会の植民地政策に憤慨した植民地人の急進派が港に停泊中の貨物輸送船に侵入し、イギリス東インド会社の船荷である紅茶箱を海に投棄した事件です」
天音(Wikipediaか!)
ゆか子「よく勉強されていますね」キリッ
ゆか子「では本日は投げ捨て繋がりというわけで、 プラハ窓外投擲事件を学んでいきましょう」キリッ
天音(場所も年代も繋がり無くない?)
ゆか子「えー、プラハ窓外投擲事件は第一次、第二次、第三次と三回起こった事件であり…」カッカッ
天音(黒板にチョークで色々書いてるけど無駄に字が綺麗ね)
…………
………
……
……
………
…………
ゆか子「…まぁ結論から言うと、気に入らない人は窓から突き落としてしまえ!という事件でしたね」キリッ
天音(ざっくり!)
キンコンカンコーン
ゆか子「…おや、ちょうど1時限目が終わりましたね」キリッ
ゆか子「では、皆さん、休憩中に2時限目の授業に備えてくださいね」キリッ
ゆか子「それと…杏橋さん」キリッ
天音「あっ、はい」
ゆか子「ちょっと職員室まで来てもらえますか?」キリッ
天音「えっ」
真乃「また天音が何かしでかしたんですか!?」ガタッ
天音「またとは何よ!」
天音(ここのあたしが何しでかしたか知らないけど!)
ゆか子「いえ、少しお話しをさせてもらうだけですよ」キリッ
真乃「はぁ…それでしたら…」ストン
ゆか子「杏橋さんもよろしいですね?」キリッ
天音「…まぁ、別にいいですけど」ガタッ
ゆか子「では参りましょうか」キリッ
ガラララッ
……
…
[五稜館学園廊下]
ゆか子「…」スタスタ
天音「…」スタスタ
天音(…ん?この道順は…)
天音「あの…先生?職員室はこっちじゃないと思うんだけど…?」スタスタ
ゆか子「そうですね」スタスタ
天音「そうですねって…」スタスタ
天音(どこに向かってるのよ…?)
ゆか子「…」スタスタ
…………
………
……
…
~三分後~
[五稜館学園地下通路]
ゆか子「…」スタスタ
天音「…」スタスタ
天音(あれからそれなりの距離を歩いてきたけど…)
天音(…まさかここに連れてこられるとはね)
ゆか子「…さて」ピタッ
天音(開かずの扉の前…ね)
天音「…ようやく到着かしら?」
ゆか子「そうですね」
ゆか子「…あなたにはこの扉が開いて見えてますよね?」
天音「…ええ」
ゆか子「…杏橋天音さん」
ゆか子「やはり…あなたは…」
ゆか子「…この世界の杏橋天音さんではありませんね?」
天音「なっ!?」
ゆか子(1.5倍有能)「ふふっ、どうしてそれを…?という顔をしていますね」
天音「ええ…あんたの言う通り、あたしは別のチャンネルから来た杏橋天音よ」
天音「…でもよくわかったわね」
ゆか子「あなたから微弱な次元の歪みを察知しましたので、校門から様子を見させてもらいました」
ゆか子「その上で…教室では有能な教師を演じているフリをしているポンコツ教師のフリをし…」
ゆか子「あなたがどう反応するか見させてもらって疑惑が確信に変わった…というところですね」
天音「…?授業中は目立たないように大人しくしてたつもりだけど…?」
ゆか子「それが証拠ですね」
ゆか子「普段の杏橋天音さんなら遠慮なくツッコミを入れてきますから」
天音「結局そこかい!」
あのゆか子先生が1.5倍程度で有能になるだと……!?
3倍くらい有能なんだがw
ゆか子「…それではあなたに何があったのか話していただけますか?」
天音「はいはい…」
[天音説明中…]
ゆか子「…なるほど、元のチャンネルに戻るには何かを1.5倍にしてオブリを満足させなければならない…と」
天音「迷惑な話よね」
ゆか子「ここにもステラプリズムもありますし、それを使って元のチャンネルに戻ってもらうのも可能でしょうが…」
天音「元のチャンネルに戻ったところで再びマシマシオブリに襲撃されるのが関の山…というところでしょうね」
天音「はぁ…やっぱりオブリを満足させるしか…」
ゆか子「いえ、それには及びません」
ゆか子(究極変身if)「私がそのマシマシオブリを倒してきますので」シュイーン
天音「ははっ、無理無理」
天音「相手は超孥級レイドオブリ並み…いや、それ以上の体力なのよ?」
天音「その上、防御力も攻撃力も並みのマギレオブリとは比べものにならない化け物なんだから、あんた一人で勝てるわけ…」
ゆか子「あら、私の事を心配してくださるんですね」
天音「べっ、別にあんたの事を心配してなんて…」プイッ
ゆか子「ふふっ、わかってますよ」
ゆか子「…では少々お待ちください」ニコッ
ゆか子「時空管理官ティエラ、参ります!」キュイーン…
シュバー
天音「…まったく」
天音「あいつが見栄っ張りなのはどこのチャンネルでも一緒…」
ゆか子「ふぅ…只今戻りました!」スタッ
天音「って早っ!?」
天音「えっ…えっ!?」
ゆか子「マシマシオブリはもう倒しましたので、これで安心して元のチャンネルへ送り出せますね」
天音「もう倒したの!?」
ゆか子「…まったく、あれしきのオブリに手を焼くとは…」
ゆか子「そちらのチャンネルの私は何をやってるのか…」
天音「多分あたしのチャンネルのティエラより1.5倍強いとか優秀とかなんでしょうけど強すぎない!?」
天音「って言うかこれで1.5倍なら普段どんだけサボってるのよ!」
ゆか子「私も同感ですね」
ゆか子「…戻る前にあなたのパトリでそちらの私と話させてもらっても?」
天音「あっ、どうぞ」 スッ
ゆか子「ありがとうございます」パシッ
ポピパッ…
プルルル…
ピッ
パトリ(ティエラ)〈…はい、こちら時空管理官ティエラのパトリ端末でございま…
ゆか子「お初にお目にかかります」
ゆか子「私、座標B-163を担当させていただいてる時空管理官のティエラと申します」
ティエラ〈えっ!?私っ!?
ゆか子「この度はそちらのチャンネルの杏橋天音さんがこちらのチャンネルに跳ばされてしまっているようですが」
ティエラ〈あっ、はい…
ゆか子「なぜこの様な事態に陥っているのでしょうか?」
ティエラ〈えっ、あの、すみません…
ゆか子「謝罪ではなく理由を聞いているのですが」
ティエラ〈えー、あのー、そのー…
天音「チャンネルの向こうで狼狽えてるのが目に浮かぶわね」
~10分後~
ゆか子「…最後にもう一度言いますが、生徒達に危険が及ばないよう注意を怠らない事」
ティエラ〈はい…
ゆか子「報告書は期限より余裕を持って作成、提出する事」
ティエラ〈仰るとおりです…
ゆか子「そして生徒達に自分の仕事を手伝ってもらうような事態にならない様に心がけてください」
ティエラ〈重々承知致しました…
天音(このチャンネルにフィフス・フォースが結成されていない本当の理由がわかったわね)
天音(こいつ一人いれば大概のオブリは脅威にならないもの)
ゆか子「では失礼致します」ピッ
ゆか子「ふぅ…お待たせ致しました」
天音「説教お疲れ様」
ゆか子「そろそろ、そちらのチャンネルに戻しますが…転送場所の希望などはありますか?」
天音「あー、じゃあプリズムルームに送ってちょうだい」
ゆか子「かしこまりました」カタカタ
ゆか子「…はい、では転送を開始してよろしいでしょうか?」
天音「お願いするわ」
ゆか子「では転送を開始します…」ピッ
キュイーン
天音「じゃあ失礼するわね」
ゆか子「お気をつけて」
シュバー
………
……
…
…
……
………
シュバー
天音「…っと」スタッ
天音「ふぅ…ようやく戻ってこられたわね」ホッ
ティエラ「…あっ…お帰りなさい…」ゲッソリ
天音「ヒドい顔してるわねぇ…」
天音「まぁ10分も自分に説教されたらそんな顔にもなるわよね」
ティエラ「…そうですね…」ゲッソリ
天音「でも全部あっちのあんたが正しいから」
ティエラ「…そうですね…」ゲッソリ
天音「まぁ、真面目になる良い機会なんじゃない?」
ティエラ「…そうですね…」ゲッソリ
天音「いいともの観覧客か」
ティエラ「…そうですね…」ゲッソリ
悠水「…チラッ」チラッ
天音「あんたは何隠れてるのよ」
天音「って言うか口でチラッって言うやつ初めて見たわ」
悠水「いや、こんなに早く帰ってくると思わなくってね?」
悠水「今も偶然通りがかっただけだしさ…」
悠水「だから申し訳ないけど、何のネタも用意してないのだよ…」
天音「こっちとしてはその方がありがたいけど」
悠水「というわけだから謝罪のかわりに一句詠ませてもらっていい?」
天音「いらないわよ!」
天音「って言うか人の話を聞きなさいよ!」
悠水「えー、ポンコツなゆか子先生とかけましてー」
天音「だから話を聞けって言ってんのよ!」
ティエラ「…そうですよね、私ポンコツですよね…」ゲッソリ
天音「あんたは立ち直りなさいよ!」
悠水「開栓から少し経ったコーラの炭酸とときます」
天音「あー、もうこの際だから付き合ってあげるわよ…」
天音「…そのこころは?」
悠水「どちらも少し抜けているでしょう」
天音「あら、うまいじゃない」
悠水「お後がよろしいようで」
ティエラ「…私はよろしくないですけどねー…」ゲッソリ
天音「あんたはいつまでウジウジしてんのよ!」
天音「…まったく」
天音「いい加減元気出しなさいよ」
天音「…あたしだってそれなりに頼りにしてるんだから」
ティエラ「…杏橋さん」ウルッ
悠水「そうそう、ポンコツなのも含めてゆか子先生の良さだかんね!」
ティエラ「ぐふっ…」
天音「フォローになってないわよ!」
END
以上です
メガネを掛けさせるも掛けさせないのも自由というのがスクストの良さだと思います
乙!
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