【艦これ】皐月「司令官がボクのことを子供扱いしてる気がするんだ」 (181)

※艦娘たちの使用する呼称を司令官で統一しています


「ここは、艦娘が両手で数えられるほどしかいない、小さな基地……」

「だから、特に大きな戦果をあげることはできず、大規模作戦で活躍することもありません」

「でも、ここにいるのは、そんな状況に焦ることもなく、自分たちができることを精一杯やればいい、と優しく言う司令官なのです」

「僕たち艦娘も、そんな司令官の元で穏やかな日々をすごしていました」

「そう……皐月が……あんなことを言い出すまでは……」

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司令官「皐月ー、メシができたぞー!」

皐月「わーい! 司令官、ちゃんと旗を立ててくれた?」

司令官「もちろんだ! ほら、チキンライスに刺しておいたぞ」

皐月「やった! それに、ハンバーグに、エビフライに、プリン……! ボク、司令官のプレート大好きだよ!」

司令官「そうか! 喜んでもらえて俺も嬉しいぜ! で、次回はカレーにしようかと考えてるんだが」

皐月「カレー! ボク、カレーも大好き! ……あっ、でも……」

司令官「わかってる。ちゃんと甘口にして、ハチミツと牛乳を用意してある!」

皐月「さっすが! ありがと、司令官!」

司令官「皐月、そろそろ時間だろ?」

皐月「……え? あっ! もうこんな時間! 今日の『Goじゃす! キュアるん』がはじまっちゃう!」

司令官「落ち着け、皐月。今テレビを点ける。ほら、まだCM中だろ?」

皐月「あっ、ホントだ! よ、よかったあ……」

司令官「皐月はキュアるんが大好きだよな」

皐月「うん! ボク、大きくなったらキュアるんになるんだ! もうキュアるんネームも考えてあるんだよ!」

司令官「いいねえ、そりゃ楽しみだ! きっと皐月ならなれるさ!」

皐月「えへへ、期待しててね。ボク、がんばるから! ……あっ、はじまった!」

司令官「おいおい、もうちょっとテレビから離れて見ないと目が悪くなるぞ」

皐月「………………ん……」

司令官「皐月、そろそろ眠いんじゃないか?」

皐月「……っ、そ、そんなことないよ……?」

司令官「無理するなって。ほれ、ベッドで寝ろ」

皐月「うー、ほんとにねむくないってばあー……」

司令官「はいはい、わかったわかった。じゃ、ちょっとだけ休憩な」

皐月「……うん。あっ、司令官、ボクの友達も……」

司令官「おっと、そうだったな。ほら、クマのくまたろうだ」

くまたろう(もふもふ)

皐月「うふふ、くまたろおー……司令官、ねこじろうも……」

司令官「二人もか? 皐月は甘えん坊だな」

皐月「……そんなこと、ない……すー……」

司令官「ありゃ、もう寝ちまった。かわいいもんだな。ぬいぐるみを買ってやってよかったぜ」

皐月「……って、ボクが秘書官の日はこんな感じで。ひょっとするとだけど……。司令官がボクのことを子供扱いしてる気がするんだ。ひょっとしたら……だけど」

初月「……それはそうだ」

時雨「……うん。そうだね」

皐月「えーっ! なんで!?」

初月「なんでもなにもないだろう」

時雨「ええと、ひと言でいうと、皐月が子供っぽいから子供扱いされてるんだと思うよ」

皐月「そんなことないよ!」

初月「ある」

時雨「あるね……」

皐月「えー、えー、そうかなあ……。ボク、どこが子供っぽいかな?」

初月「ふむ。僕の見たところ、まず見た目だな」

皐月「え、そこから!? だって駆逐艦なんだから仕方ないよ!」

初月「同じ駆逐艦同士でも差はあるんだ。その中でも、特に皐月は幼い容姿だと言えるだろうな」

皐月「そんな……、それじゃ……どうしようもないってこと?」

時雨「まあまあ。確かに皐月の見た目は少し幼いけど……」

皐月「やっぱりそうなんだ……」

時雨「でも、だからってそれだけで全部の印象が決まるわけじゃない。子供っぽくない振舞いをすれば、司令官も皐月に対する態度を変えると思うよ」

皐月「ほんと!?」

時雨「ただ、皐月の見た目が幼いのは確かだからね。幼く見られてしまう傾向はある、というのは意識したほうがいいよ」

皐月「そっか……。うん、わかった! ボク、がんばるよ!」

時雨「僕たちも手伝うよ」

初月「ああ。できる限りのことはしよう」

皐月「二人とも、ありがとう!」

初月「……しかし、なぜ僕たちに相談したんだ?」

皐月「えっ、だってこの鎮守府、駆逐艦娘は僕たちしかいないから……。それに、二人ともオトナっぽいし!」

時雨「そうかな……? 重巡洋艦や空母の人に聞いてもいいと思うんだけど」

皐月「! そ、それはいいよ、なんか恥ずかしいから……! ね、ボク、二人を信頼してるからさ!」

初月「皐月……。わかった、僕たちが皐月を大人にしてみせよう」

時雨「何だか誤解を生みそうな言葉だけど……。僕も皐月の信頼に応えてみせるよ」

皐月「うん! よろしくね!」

初月「では、まずは皐月がおそらく自覚していない子供っぽい部分を、この黒板に書きおこし、指摘していこう」

皐月「う、うん。全然わかんないんだ……」

初月「……では、最初はこれだ」かつっかつっ


黒板 ①お子様ランチで喜ぶ


皐月「……? お、おこさま……らんち……?」

時雨「やっぱり知らなかったんだね。司令官が皐月に用意してくれたプレート……それは、俗に『お子様ランチ』と呼ばれるセットメニューなんだ」

皐月( が が ー ん )

初月「皐月が面白い顔になった」

時雨「皐月、しっかりして」ゆさゆさ

皐月「……はっ。えっ……と……。……! ちがう! ボ、ボクは知らなかったんだ! だまされてたんだ!」

初月「落ち着くんだ。司令官はだましてはいないだろ?」

皐月「だ、だって……。うう、ボクはもうお子様ランチなんか食べないんだから……」

時雨「それに加えて……これだよね」かりっかりっ

黒板 ②カレーの甘口にハチミツと牛乳を入れたものを好む


皐月「こ、これもダメなの!?」

時雨「ダメじゃないけど、子供っぽさという意味では大きいかな」

初月「基本的に味覚が成熟するほど、好みの辛さも上がっていく傾向があるようだ」

皐月「……わかったよ。ボクは、辛口を食べる!!」

時雨「あんまり無理はしなくてもいいんだよ。大人でも辛いのが苦手な人はいるんだから」

初月「辛口を食べきれず、残すのはすごく子供っぽいしな。好きなものを食べるのが一番だ」

皐月「くっ、二人の優しい目が子供を見るそれだよ……! 負けない!」

初月「皐月の目はひがみっぽくなってきてしまった……。次に行こう」かつかつっ

黒板 ③アニメを喜んでみている


皐月「え、だって、キュアるんはおもしろいんだもん!」

初月「皐月……。テレビアニメを喜んで見るのは、おたくと子供だけなんだ」

皐月( が が が ー ん )

時雨「そ、それは言いすぎだと思うけど……」

初月「そうかな? まあ例外はあるかもしれないが、おおむねそうだ」

皐月「じゃ、じゃあ一緒に見てる司令官は? おたくだったの?」

初月「そうは見えないな……。子供というわけでもないし」

皐月「……ま、まさか……。ボクに付き合って無理に見ているだけ……」

時雨「そ、そうとは限らないから、ね? そんなに落ち込まないで……」

初月「まあ、アニメを見るのはまだいい。しかし、これは間違いなく子供だと思われる決定的な部分は……」かっかっかつっ

黒板 ④将来、キュアるんになると宣言する


皐月「 ! ! ? ? 」



(つづく)おわり

乙えうー
引きこもりの方も待ってるぜ

司令官(パパ)

菫「何私の旦那の京君が長女の蕾ちゃんが大学生で親離れして二女の神ちゃんと三女の春ちゃんは神風型と友人に成り四女の朝ちゃんと五女の松ちゃんは松風に取られて皐月既知に成った・・・だと」

誠子「はいはい現グランドクィーン引退中の弘世菫様は六女めの照ちゃんを子宮休める作業に戻りましょうね」

照「蕾ちゃんの名前は未だ分かる残り五姉妹の春と照と朝が紛らわしい」

淡「七女めは淡にすればいいよ」

尭深「八女めは誠ですね」

京太郎「(。´・ω・)?嫁の休産室に奇跡の世代が勢ぞろいしてるんだリンゴかみかん何方を選ぶ」

大淀「パイナップル向いて下さい」

明石「桃あるじゃないですか」

須賀京太郎様のスレ死んだので此処に書き込みますね

皐月……全艦中でもトップクラスのBBAなの……デース!!

僕っ娘鎮守府いいぞもっとやれ

\ぷんすか!/

れでぃはコッチで一緒にお子様ランチ食べようねー

>>15
金剛さんあなたもでしょ

かわいいね!!

前回までのあらすじ
子供っぽい皐月はついに自分が子供扱いされていることに気づいた!
相談を受けた初月と時雨は、彼女がいかに子供っぽいかをあげつらい、皐月はべこべこにへこんでいく!
そして、ついにその指摘は核心へと至ったのだった……!


初月(そんなに驚かれても……)

時雨「う、うーん……」

皐月「なんで……なんでボクがキュアるんになっちゃダメなんだよ!」

初月「皐月……。目を覚ませ」

皐月「え……」

初月「キュアるんはアニメなんだ。だから皐月はキュアるんにはなれない」

皐月「            」

時雨(は、初月……! 切り込みすぎだよ……!)

皐月「そ……そんな……。ボクは……ボクはキュアメイるんに……なれない……?」

時雨(皐月だからメイるん……?)

初月「そう。お前は睦月型5番艦、皐月……その艦娘。それ以外の何かではないんだ……」

皐月「う……う……。うう……ううぁ……」

時雨「あ、そ、その……ほら、キュアるんそのものにはなれないかもしれないけど……。声優さんとか、そういう道も……」

初月「時雨、下手な慰めはやめておこう。皐月は今、現実を知り、誰もがいつかは通る道を歩み始めた。その邪魔をするべきじゃない」

時雨「でも……」

皐月「……いいんだ、時雨。はは……そうだよね。……ボクも、どこかでわかっていた気がする……。自分が本当は、キュアるんになれないってこと……」

時雨「……皐月……」

皐月「……初月に言われなくても、いつかはわかることだったんだ。だから、……いいんだよ。ボクは……キュアるんを卒業するんだ……」

時雨「……うん、わかったよ。僕ももう何も言わない」

初月「そうだ、皐月。お前ならやれるさ。では、最後は二つまとめていこう。……これだ」かつかつかっ

黒板 ⑤暗くなるとすぐに眠くなる
   ⑥ぬいぐるみを抱いて寝る

皐月「ッ……!」

時雨(皐月の顔が、家族恋人友人知り合い全員の仇を見つけたみたいになっちゃったよ……)

初月「夜遅くまで起きているのが大人らしさ、だとは言わないが……。寝つきがいいのは子供らしさと解釈される要因だな」

皐月「ぬいぐるみも……?」

初月「ああ。やはり人は成長していくに連れて、ぬいぐるみと一緒に寝なくなるものだ。これは統計的に証明されている(初月調べ)」

皐月「……………………」

時雨「皐月、大丈夫……?」

皐月「……うん。大人になるためだもん……このぐらい、平気だよ」

初月「……これで問題点は全て列挙した。あとは、一つずつこれを解決していくだけだ」




皐月「ボク、やるよ……! 大人になってみせるから!!」




――こうして、皐月は地獄の特訓を開始した……!



時雨「皐月、これがわさびが入ったお寿司だよ」

皐月「(ぱくり)……! 辛いっ! ……は、鼻……!」

初月「この痛みを味わうことが大人なんだ。たぶん」

皐月「わかったっ……! 負けない!」

時雨「ええと、次は……。からしをつけた熱々のだいこんおでん?」

皐月「あつっ! からっいっ!」

初月「激辛カレーを食べきるには、熱さと辛さの両方を克服する必要がある。油で揚げたハバネロ丸かじりまであと16ステップだ。耐えるんだぞ、皐月」

時雨「インターネットで検索して探した、すごく長くて退屈で芸術的な映画を借りてきたよ」

皐月「……! …………。……すぅ……」

初月「起きろ、皐月」ビリビリビリ

皐月「うああああ! ね、寝ない……寝ちゃだめ……」

時雨「やっぱり、スタンガンはやりすぎじゃ……!」

初月「しかし、このスタンガンを用意したのは皐月だ。その覚悟は汲んでやらねばならない」

皐月「平気だよ、このくらい……。ボクは……大人に……なる……!」


~30分後~

初月「……くぅ……くぅ……」

時雨「……んむ……んにゅ……」

皐月「……! ……! …………くっ!」ビリビリビリ

皐月「大人……大人に……!」

時雨「本当に大丈夫かな……? この倉庫、電球がないから、扉を閉めると真っ暗だよ」

皐月「大丈夫、ボクは一人でも寝られるようになるんだ……。そのためには、こういう寂しいところじゃないと」

初月「そうか。……では、最後に一つ」

皐月「うん?」

初月「この倉庫、実は……出るらしい」

初月「……何が出るかって? 決まっているだろう。……幽霊だよ」

初月「そう、これはとある艦娘から聞いた話なんだが……」


~10分後~


初月「……そして、恐怖の一夜が明けた。全ては終わった……かに思えた」

初月「だが、しかし、今でも彼女は暗闇のなかに、何かを見ることがある……のだそうだ」

初月「何を、どんなものを見るのか……。彼女はそれを決して語らなかった。しかし、その蒼白な顔と表情、冷たい汗……。僕も無理に聞く気は起こらなかったよ」

皐月「………………」(がくがくがくがく)

時雨「………………」(ぶるぶるぶるぶる)

初月「さて、それでは皐月はそんな出来事のあった倉庫で一晩……」

皐月「ぼ、ボクやっぱり自分の部屋で寝るっ!」

時雨「さ、皐月、まって! 置いていかないで! 僕と一緒に寝てっ!」

初月「え、それじゃ特訓にならない……おーい」

皐月「……いよいよ、ボクが秘書艦の日が来たね」(時雨:秘書艦は全員の持ち回り制なんだ)

初月「よく厳しい特訓に耐えたな……。今の皐月は立派な大人だ」

時雨「うん、司令官も皐月のことを子供扱いなんて、絶対しないよ」

皐月「ありがとう、二人とも。それじゃ……行って来る!」

初月(あの皐月の背中が……これほど頼もしく見えるとはな……)

時雨(大丈夫、皐月は強くなった。……がんばって)

つづく(終)


↑に入れ忘れました

暁のレディー狂いに届きうる大人への憧れですな

自分は東京に上京するまで。
一緒に育った柴犬を抱き枕にしとったw

よいぞ....よいぞ....

皐月メインとか俺得すぎる

司令官「皐月、メシが出来たぞー、今日は予告通り、カレーだ!」

皐月「……ふふふ」

司令官「ん、どうした?」

皐月「司令官……今日のボクを、これまでのボクだと思ってもらっては大間違いだよ」

司令官「んん? ……特に変わってはいないように見えるけどな」

皐月「そう言ってられるのも今のうちさ! (ごそごそ)じゃーん!」

司令官「これは……ハバネロソース?」

皐月「そう! 最近流通が復活したレアものだよ! ボクはね、これを一皿に一ビン、全部振りかけたカレーだって食べられるようになったんだ!」

司令官「なっ! そりゃすごいな!」

皐月「えへへ、そうでしょそうでしょ!」

司令官「ってことは、皐月は激辛カレーが好きになったってことか?」

皐月「え……? 別に、好きではないかな……?」

司令官「は? なんだそりゃ、じゃあどうしてそんなもの持ってるんだ」

皐月「だ、だってそれはその、甘口より辛口を食べたほうがかっこいいかなって……」

司令官「そうかあ? 俺にはさっぱりそのかっこよさはわからんな」

皐月( が が が ー ん )

(アバンが終わり前回までのあらすじ)

子供扱いをされていることに気づいた皐月は、甘口カレー、アニメ、ぬいぐるみと一緒に寝るの3つの弱点を理解した!
そして、初月と時雨による地獄の特訓をくぐりぬけた皐月!
果たして彼女は無事、一人前の大人として扱われることができるのか!?


司令官「俺は甘口が好きだから、甘口のままでいいかな。皐月は激辛と甘口の、どっちが好きなんだ?」

皐月「それは……その……甘口のほうが好きだけど」

司令官「なんだ、じゃあ甘口でいいじゃないか」

皐月「う、うう……そ、そうなのかな……」

司令官「ハチミツと牛乳はどうする? 入れたほうが好きなんじゃないか?」

皐月「う、うん……いれたほうが、いい……」

司令官「よし、じゃあ入れるぞ」

皐月「司令官は……その、甘口が好きなの? 大人なのに?」

司令官「ああ、まあな。辛いのよりは香りと甘さが好きなんだよ。ま、自分で食べたいものを選んで食べるのが大人ってことだ」

皐月( え え え え え え )

司令官「皐月、キュアるんが始まるぞー」

皐月「!」

司令官「前後編だったから、この前はいいところで引いたよなあ。楽しみにしてたんだ。皐月もそうだろ?」

皐月「えっと……その……ボクは……」

司令官「皐月、なに変な顔してるんだ」

皐月「ボ、ボクは……キュアるんは卒業したんだ!」

司令官「……はああ? 急にどうしたんだ?」

皐月「ボ、ボクは、海外のすごく長くて退屈で芸術的な映画とかも寝ないで見られるんだから!」

司令官「全然映画を褒めてないよな、それ」

皐月「だ、だからキュアるんは卒業したの!」

司令官「なにがどう、だからなのかよくわからんな」

皐月「卒業したから……もう将来、キュアるんになりたいなんて全然思ってないんだよ!」

司令官「そうなのか……」

皐月「……ど、どう? 見直した?」

司令官「いや、特には……」

皐月「あれえ!?」

司令官「皐月はそういう映画が好きになったのか? じゃあ、別チャンネルでちょうどそんな感じのやってるから見るか」

皐月「う、うん……」

皐月(大丈夫、ボクが本当に寝ないで見てたら、きっと司令官もボクのことを見る目が変わるはず……!)


~数分後~

司令官「はは、皐月見ろよ、この俳優の演技下手だなー」

皐月「ほんとだよね! セリフが棒読みなのがボクでもわかるよ!」

司令官「こいつこんな顔してたぜ、こんな」ぎゅにゅー

皐月「ぶっ! あはははは! 違うよ司令官、こんな顔だって!」みにゃー

司令官「ぎゃははは! 似てる、似てるぞ皐月! お前がアカデミー賞だ!」

皐月「それにしても、ホント何言ってるのかさっぱりわかんないよね、この映画!」

司令官「まったくだな! 監督、この映画で干されたんじゃねーのか? ちょっと検索してみようぜ」

皐月「どれどれ……? えっ、司令官、この人、ボクたちが劇場で見たあの映画撮ってるよ! あんなに面白かったのに!」

司令官「マジか、なんてこった……。あまりに売れなくて反省したのか?」

皐月「あ、しかもあの映画、続編やるんだ。……これ、そのプロモーションで放送してるんだね」

司令官「明らかに逆効果だろ! それとも視聴者を寝かせて、予告宣伝を睡眠学習でもさせるつもりか」

皐月「……続編の内容、なんだか怖くなってきたね……」

司令官「こいつは劇場で確かめないとな。公開日はいつだ? 観にいこう」

皐月「うん! えっと、そのあたりの予定あけておくね」

司令官「ああ、俺も合わせて休みを取るぜ。ま、最近平和だから余裕だろ」

皐月「……あれ、目を離してる間に映画終わっちゃってる」

司令官「お、ほんとだな。最後ぐらいは見ておきたかったが」

皐月「ボクはいいかなあ。もう一回観たいとは思わないよ」

司令官「まあなー」

皐月(……あれ? 確かに寝ないで観れたけど、こういう感じじゃなかったはず……)

司令官「そうだ。皐月、さっきのキュアるん録画してあるから見ようぜ」

皐月「ホント!? ……じゃなくて! ボクはキュアるんは卒業したから!」

司令官「そんなうれしそうな顔をしておいて、何言ってんだ。もう一回入学してくれ。ほら、映すぞー」

皐月「あっ! も、もう!」

皐月「……! …………! あっ……!」

司令官(完全に見入ってるな)

皐月「……終わったあ」

司令官「今回も面白かったなー」

皐月「………………うん」

司令官「……その割に微妙な顔してるぞ」

皐月「あのさ……司令官って、おたくなの?」

司令官「え? いやー……別にそんなこともないと思うけどな。人より映画は見てるけど……」

皐月「そうなんだ」

ロリコンのオタクじゃなかったら皐月なんかと一緒にプリキュアなんて見ないぞ

司令官は子供だった?

司令官「突然なんだよ」

皐月「えっと……。アニメを喜んで見るのは、おたくか子供だけだって」

司令官「なんだそりゃ」

皐月「そう聞いたから……」

司令官「まあ、俺はおたくでも子供でもかまわないけどな」

皐月「……ふうん」

司令官「だからなんなんだその顔は」

皐月「……あと、ボクはキュアるんにはなれないって。当たり前だけどね。キュアるんはアニメだし……」

司令官「何言ってるんだ、そうとは限らないだろ」

皐月「えっ!?」

司令官「皐月なら結構いいところまでいけるんじゃないかと思うんだよな。艦娘だし」

皐月「艦娘は関係あるの?」

司令官「人間より艦娘のほうがなれそうじゃないか? 人間の限界は大体わかってるけど、艦娘はまだわかってないからな」

皐月「んー? うーん? そうかなあ……?」

司令官「どこまでなるかにもよるな。服だけ変えるとかならすぐできるわけだろう」

皐月「それはそうだけど、でも着替えたくらいじゃなった気がしないよ」

司令官「そうとは限らんぞ。服を着替えた皐月が飛んだり跳ねたりしたら、割とそれっぽくなるかもしれない」

皐月「うーん……」

司令官「結局、大切なのは気持ちとコースとゴールなんだよ。なりたい、だから、どうやったらなれるか、どうしたらなったことになるのか」

皐月「……うん」

司令官「皐月がなりたいキュアるんはどんなものか、考えるといい」

皐月「そっか……。わかったよ、司令官。考えてみる」

司令官「ああ。俺は皐月を応援するぜ」

皐月「ありがとう……」

皐月(……すごく楽しかったし、大切なことも教わったけど。ひどく空回りした気分……)

皐月(結局、ボクは大人にはなれてないのかな……?)


(おわり)つづく

乙って言いたいけど続くのか終わるのか分からん

おつおつ
ぜひもっと書いてくれ

まだストックはあるのですが、その量も残りの話もあまりないので完結するまで書いてから投稿しようかなと思っています
いつも読んでいただきありがとうございます

>>46
今日の更新は終わり的な意味と、エタっても「終わりって書いてあるから仕方ないか…」と思ってもらうために書いています

こやつ...!
策士か!!

これは期待
無理しない程度に頑張って下さい

こんばんは
もうあと少しで完結だーと思って書いてたらどうも想定したエンディングが気に入らなくなり、
別の展開を書いていたら途中で行き詰まり、とりあえずどうしようもないので続きを投下します


前回までのあらすじ
自分が子供っぽいことを自覚した皐月は、初月と時雨による地獄の特訓をくぐりぬけた!
くぐりぬけたにはぬけたのだが、どうも皐月も初月も時雨も大人というものをよくわかってなかったため、
なんとなく空転している感じになったのであった

司令官「皐月、そろそろ眠いんじゃないのか?」

皐月「んー……。うん、眠い」

司令官「お、今日は素直だな。じゃあ先に寝ていいぞ」

皐月「……司令官も一緒に寝ない? ボクだけ寝るのって、なんかわるいし」

司令官「おお! なんだなんだ、殊勝なことを言ってくれるじゃないか。嬉しいな!」

皐月「う、うん。いつも思ってたから……」

司令官「そうかそうか。じゃあ今日は四人で寝るか。俺と皐月と、くまたろうとねこじろうで」

皐月「……そうだね。そうしよう、司令官」

待ってた

司令官「じゃあ電気消すぞー」

皐月「うん、おやすみ……」

司令官「ふむ、くまたろうとねこじろう、ふわふわだよな。俺も抱き枕があるといいかもしれん」

皐月「それなら、これからはずっと一緒に寝る?」

司令官「ああ、そりゃいいな。しかし、さすがにそういうわけにもいかないわな」

皐月「……だよね」

司令官「なんだよ、皐月は寂しがりか?」

皐月「んー」

司令官「最初にここに来た時はそうでもなかったよな。あそこにいた頃から、結構経つだろ。みんなとも仲良くやってるし。だからか」

皐月「うん、そうかも」

司令官「そうだ。なんだったら、誰かと一緒の部屋に替えるってこともできるぜ。初月とか時雨とか」

皐月「それは楽しそうだけど……でも、そういうのじゃないから、いい」

司令官「……そうか? むう、今日の皐月はわからないな。……何か、悩み事でもあるのか」

皐月「……あるよ……。でも、司令官には教えない」ぷい

司令官「なっ!」

皐月「もう寝るね。おやすみ」

司令官「あ、ああ……」

司令官(これが思春期なのか……!?)

司令官(な、なんなんだ、皐月の悩みって!? カレーとキュアるんと一緒に寝るのと……?)

司令官(全然思いつかないが……。でも、ひょっとすると俺が関係してるんだろうか)

司令官(俺が何かを……うーん……いったい……)

司令官(んー……。……。…………。………………)

司令官「…………んー……ぐー……」

皐月(……司令官、寝ちゃった。疲れてたのかな)

皐月(やっぱり……ボクって子供なんだろうなあ)

皐月(はあ…………)

皐月(でも、いつか大人になって)

皐月(そうしたら……。…………。………………)

皐月「…………ぅに……」

皐月「というわけで、ボクはやっぱり子ども扱いされてるんだよ!」

初月「……ふむ」

時雨「……うーん」

皐月「あ、あれ? まったくそのとおりだー、ほんとほんとー、とか言わないの?」

初月「いや、なんというか……」

時雨「……別に子供でもいいんじゃないの?」

皐月「ええっ! ダメだよ!」

初月「前回の時からなんとなく思っていたが、今回は更にのろけを聞かされている気分だ」

時雨「司令官は変な意味でなく、子供好きなんだろうね。僕たちとは態度が違うもの」

初月「甘やかすのも好きなのだろうな」

時雨「僕たちももうちょっと甘えたほうがいいのかな……」

初月「キュアるんを見はじめようか」

時雨「ぬいぐるみ、買ってほしい……」

初月「司令官のカレーも食べたいな」

時雨「それで、夜は一緒に寝る?」

初月「いいな」

時雨「いいね」

皐月「ちょ、ちょっとちょっと! 子供のまんまじゃダメなんだってば!」

初月「皐月はこれほど司令官に可愛がられていて、一体何が不満なんだ」

時雨「換わってほしいぐらいだよ」

皐月「それは、その……」

初月「なんだ? 言えないことがあるのか?」

時雨「そもそも、前回から皐月はすごく楽しそうだったよね……。どうして急に大人になろうなんて思ったの?」

皐月「あ……えっと……」

初月「無理に言う必要はないが……」

時雨「ううん、僕は聞きたいな。皐月は仲間だし、あれだけの特訓も一緒にしたんだもの。ここまで来て隠し事はされたくない……」

皐月「……わかった。ここまでしてくれた二人に、ボクも隠し事はしたくないよ」

初月「皐月……。ありがとう」

皐月「いいってば。……あのさ、ボクが大人になりたい理由はね」

初月「…………」

時雨「うん……」






皐月「しれ、司令官と、エッチがしたいからなんだ……!」






初月「       !      ?        」

時雨「は………………………………………………………?」


皐月「でも……その、大人にならないとエッチはしてもらえないでしょ? だから」

初月「ストップ! ストップストーップ!」

時雨「落ち着いて!!! 皐月、皐月落ちついて!! 落ち着いてよ!!!!」がしっ ゆさゆさゆさゆさゆさ

皐月「し、しぐれ、しぐれがおちついてない! おちついて!」がくがくがくがくがく


ワーワーキャーキャー
ドカーン バターン

(がちゃり)司令官「お、おい、どうした! 何を騒いでる!?」

皐月「あ」

初月「はあはあ……はあ……」

時雨「ぜー、ぜー、ぜーっ……」

司令官「……な、なにがあったんだ? 皐月、大丈夫か?」

皐月「な、なんでも……」

初月・時雨「「なんでもない!」」

司令官「いや、しかし……お前ら、なんで皐月にのしかかって」

初月・時雨「「なんでもない!!!!」」

皐月「その……うん、本当になんでもないんだ、ちょ、ちょっと転んじゃってアハハ」

司令官「……わ、わかった……。えっと……何かあったなら言えよ、三人とも……」……ばたん

なるほど(ボロンッ

………………。


皐月「……二人とも大丈夫?」

初月「……ああ、すまなかった」すっ

時雨「ごめんね。取り乱しちゃった」(埃をはらう)

皐月「よ、よかった……」

初月「それで、だ……。皐月。先ほどの話だが」

皐月「エ、エッチのこと?」

初月「ッ……そ、そうだ。どこで聞きかじったのかはわからないが、あまりよくわかっていないことを迂闊に喋るのは」

皐月「ボ、ボクだってわかってるよ! 勉強もしたし……」

初月「勉強!?」

皐月「うん、動画とか……」

時雨「動画あ!?」

皐月「だから、エッチっていうのは×の×××を×××に××したり……あ、でもその前に××を」

時雨「や、やめて! わかったからやめて!」

初月「皐月……皐月が……あの天使のように純粋だった皐月が……どうしてこんなことに……」

皐月「…………やっぱりボクって子供っぽいんだ……」

皐月「二人はもう頼れない……。ここからは、ボクだけで進むしかない」

皐月「……でも、どうすればいいんだろう。ボクだけで何ができるんだろう……?」

皐月「……どうすればいい、だって? ちがう、ボクはまだ自分では何もしていないんだ!」

皐月「やってやる……! ボクは、ぜったいに……!」


(つづり)終わく

おつ
ヤってやれ!

子作りをしたいなら感染症や出産の危険も学ぼう


予想外の展開

子供っぽいというかアホの子に近いかな?

皐月ちゃんかわいいよ!

この健全SSがロリコン運営にR送りされる前に書き上げちまってくれ

つづけ!

おまかわの舞

ほしゅ

かわいい...かわいい...

舞ってる




皐月「……やってやるとは言ってみたものの……実際はどうすればいいんだろう」

皐月「うーん……とにかく司令官に、ボクのことを意識してもらわなきゃどうしようもないよね」パチッ ブイーン

皐月「よし! がんばるぞ!」カタカタカタカタタタッ


検索窓【エッチ 彼氏 誘う】
   【彼氏をその気にさせる方法】
   【初体験談 女の子 小学生】
   【ロリ シチュ R18】

―執務室

皐月「……ふー、なんだか暑いね、司令官」

司令官「ん? そうか? まだ5月だぞ」
(開始当初は5月だったのです)

皐月「そうなんだけど、夏の気配が漂ってきているっていうか……」

司令官「皐月はそんなに暑がりだったか……?」

皐月「あー、暑いなー。もう脱いじゃおうかな」(ちらっ)

司令官「ああ、どうせ誰も見てないし、かまわないぞ(上着くらいは)」

皐月「かまうでしょ!」バンッ

司令官「なっ! ど、どうした皐月!?」

皐月「あ、いや! なんでもないなんでもないよーアハハ」

司令官「……な、なんなんだ? 何か悪いこと言っちまったか」

皐月「だからなんでもないって! そう! 暑いからちょっとぼーっとしてるのかも!」

司令官「ものすごく元気そうだが」

皐月「そんなことないよ! あー、暑いなー、暑くて溶けそう! 茹で皐月になっちゃうなー!」

司令官「そ、そうか。……じゃあ、エアコン点けていいぞ」

皐月「……あ、うん。点ける」ピッ ウイーン フオー

司令官「…………」 フオー

皐月「…………」 フオー

司令官・皐月(寒い……) フオー

― 一時間後

皐月「……」 フオー

司令官「……」 フォー

皐月「……」ガタッ

司令官「……ん?」

皐月「……」トストストス

司令官「ど、どうした皐月、急に近づいてきて。何かあったのか?」

皐月「……」ギュッ

司令官「え、お、なんだおい、どうしたんだよ?」

皐月「なんか寒くなってきちゃって……アハハ」

司令官「そ、そうか」

皐月「んー」ギューッ

司令官「皐月、そんなに寒いならエアコンを消……」

皐月「んんんー」ギューーッ

司令官「お、おい……ちょっと苦しいぞ……」

皐月「んぐぐぐぐー」ギュルゥッ

司令官「さ、さつき……ギブ……ギブアップ」バンバン

皐月「ん」パッ

司令官「ハアッ、ハア……艦娘なんだからちょっとは加減してくれ……」

皐月「……司令官……なにか思わなかった? こう……ギュッとされて……きもちいいとか……」

司令官「な、何言ってんだ皐月? 俺に絞められて喜ぶ趣味はないぞ」

皐月「……そう……ごめん、戻るね」スタスタ ガタッ

司令官「……」

皐月「……」

司令官(明らかに皐月がおかしい)

皐月(こんなに大胆なスキンシップも全然効かないなんて……やっぱりボクのカラダじゃだめなのかな)

皐月(……こうなったら……! アレしかない……!)

― 更に一時間後

皐月「……」

司令官「……」

皐月「……」

司令官「……」チラッ

皐月「……」

司令官(……今の所は何もなさそうだな)

司令官(……いや、待て……やはりおかしい)

司令官(皐月が静かすぎる……いつもなら、もっと俺に話しかけてくるはずだ)

司令官(また何かするつもりなのか? しかし、そもそも何のために、何をやっているのかすらわからねーんだよな……)

皐月(……そろそろ時間かな)

皐月「よし!」ガタッ

司令官「……っ」ビクッ

皐月「司令官! そろそろお風呂の時間だよね!」

司令官「あ? あー、そうか。浴場を開く時間だな。入りたいなら入ってきても……」

皐月「一緒に入ろう!」ズイッ

司令官「はあ!?」

皐月「ボクたち、戦友だよね!」ズイズイ

司令官「はああ!?」



つづくかおわるかします


舞ってた

おつさっちん

>>76
皐月の検索ワードがガチ過ぎる件

乙です
さっちんの検索ワードェ・・・・

おつ皐月かわいい

浴場で欲情

皐月「司令官! そろそろお風呂の時間だよね!」

司令官「あ? あー、そうか。浴場が開く時間だな。入りたいなら入ってきても……」

皐月「一緒に入ろう!」ズイッ

司令官「はあ!?」

皐月「ボクたち、戦友だよね!」ズイズイ

司令官「はああ!?」

皐月「だから、たまには裸の付き合いをするのもいいと思うんだ!」ズズズズイ

司令官「えええええ!?」

皐月「だから行こう! 今すぐ行こう!」グイグイ

司令官「ま、待て皐月! 確かに俺たちは戦友かもしれんが、それ以前に提督と艦娘でな……!」ズルズル

皐月「えっ?」ピタッ

司令官「わ、わかるだろ? やっぱり一緒に風呂に入るのはまずい……」

皐月「ボクはかまわないから大丈夫だよ!」グイイイグイイイ

司令官「わかってねえ! せめて水着! 水着な!」ズルルルズルルル





「…………(無言で目をあわせる)」

「…………(うなずく)」


―浴場

司令官「やれやれ……思えば提督なんざやりはじめてから、一番風呂にゃ縁がなかったな。いい機会か」

皐月「司令官、こっちこっち! 座ってよ!」

司令官「お、おう……皐月、なんだその水着は」

皐月「え、これ? どう? 似合う?」

司令官「いや、よくわからん……。なんでビキニの上下がヒモで繋がってるんだ」

皐月「これはモノキニっていうんだよ! セクシーでしょ?」

司令官「?」

皐月(本気でわからない顔をされちゃった……)

司令官「よくわからんが、皐月がそういうのが好きならいいんじゃないか?」

皐月「……くっ」

司令官「なんだその反応」

皐月「いいからほら、座って座って! 背中をながしてあげるからね!」

司令官「へいへい」スッ

皐月(ふっふっふ……背中がガラあきだよ! 司令官!)チュルルッ ゴシゴシブクブク ペタペタ

司令官「うお、何するんだ皐月……」

皐月「司令官の身体を洗ってあげてるんだよ……?」ヌルヌルズリズリ


皐月(そう……泡立てた石鹸をぬったボクの体で!)

皐月(これはエッチなことをする前に行われる定番の行為で、お店でもやってるって!)

皐月(それにくわえて露出とスキンシップの要素も含んでる! カンペキだよ!)


司令官「さ、皐月、お前……」

皐月「ど、どう? 司令官?」スリスリ

司令官「どうといわれても……」

皐月「な、なにか感想というか、感じるものとか……あるでしょ?」

司令官「……皐月」クルッ

皐月「司令官……?」

司令官「……」ギュッ

皐月「あっ……」ドキッ

皐月(きた! きちゃった! やった! やったよ! インターネットばんざい!)

司令官「皐月……いいか?」

皐月「う、うん……ボクはいいよ……!」

司令官「そうか、じゃあ……」

皐月「……ん!」

司令官「こうだな」ヒョイ

皐月「……ん?」クルッ

司令官「いいか皐月。人の背中を流すときはな、このタオルを使うんだ」ゴシゴシ

皐月「…………」

司令官「確かに皐月の肌はすべすべだから、人肌でこするだけでもいいのかもしれんが……やっぱ人を洗う時はな」ゴシゴシ

皐月「ええーい! まだるっこしー!」ガタタッ

司令官「おい、まだ流してないぞ。早く湯船に入りたい気持ちはわかるが」

皐月「司令官!! ボクを子供扱いするのもここまでだよ!! 今こそ動画で習い覚えたあれそれを、披露しちゃうんだから!!!」

司令官「動画? 身体の洗い方動画か?」

皐月「ちがう……けど、まあだいたいそんなものかも! 行くよ! とおー!」バッ

司令官「なっ、皐月、風呂場で飛び掛ると危」




「そこまでだ!」バーン ダダダッ

「現行犯で逮捕するよ!」ガシッ グイイイッ


あれ? トリップが変わってますね…

前回のトリップが間違ってたんですね…
気にせず続きます

皐月「なっ!!」ドタッ

司令官「お、お前たち、何やってるんだ!」

初月「司令官。僕たちはずっと皐月を監視していたんだ」

時雨「何かするんじゃないかと思ってね。そうしたら、やっぱり」

司令官「……監視? お前ら、俺たちの風呂を覗」

初月「『監視』をしていたら皐月が行動を起こしたので拘束したんだ何も問題はないしむしろ褒められてしかるべきだ」

時雨「そうこれはあくまでも『監視』であって決して何もやましいことはないんだよ現にこうして成果も上がったわけだから僕たちは正しいことをしたんだよ」

司令官「何でそんなに必死なんだ」

皐月「か、監視だって!? どうしてそんなこと!」

初月「皐月、お前は今何をしようとしたのかわかっているのか? これはあくまでもお前に、これ以上の罪を犯させないための善意なんだ」

時雨「さあ、こっちに来て。尋問をして記録するからね。艦娘に弁護士を呼ぶ権利はないし自分に不利な証言もどんどんしてもらう」

皐月「あっ、ちょっと、まだ何にもしてないよ! 司令官、助けて!」ズルズル

司令官「まだって、何をするつもりだったんだよ」

時雨「というか、もう十分してたでしょ……。司令官、僕たちは皐月と話があるからこれで失礼するね。お騒がせしました」

初月「邪魔をしたな、ゆっくりと風呂を堪能してくれ、司令官。ほら、立って歩け皐月」

皐月「うわーん」

スタスタズルズル バタン




司令官「……なんなんだ、あいつら? やっぱ変だよなあ……」

司令官「まあ、今考えてもしゃあねえな。後で直接聞くか」

司令官「今はゆっくり風呂に入っとこう……」バシャッバシャッ ザブン

司令官「はあ……いい湯だ」

カポーン


つわり

まだか?

あけましておめでとうございます


―皐月の部屋

初月「皐月、ここに座れ」

皐月「はい」ストン

時雨「卓上照明を点けて……部屋の電気を消すよ」カチッ

初月「よし。今からここは尋問室だ。キリキリ吐いてもらうぞ、皐月」

皐月「悪いことなんかしてないのに……」

初月「それもきちんと理解してもらわないとな……。時雨、あれを出してくれ」

時雨「うん。皐月。カツ丼だよ」ドン

皐月「えっ? ええと……食べていいの?」

時雨「皐月が正直に話したらね」

初月「そういうことだ」

皐月「……えーっと……何を話せばいいのかな……?」

時雨「そうだね。まず、浴場で何をしようとしていたのか話してもらおうかな」

皐月「もちろん司令官とエッチしようとしてたんだよ」

初月「……(頭をかかえる)」

時雨「皐月、あのね。その……そういうことは、軽々しくしようとしちゃいけないんだよ」

皐月「ボクは真剣だよ!」

時雨「いや……それは、まあ、そうなのかもしれないけど」

皐月「ホントに真剣だってば!」

初月「……どう説得したものか……」

時雨「えっと、質問を変えようか」

皐月「うん」

時雨「その、そもそもなんだけど……。どうして司令官と、エッ……チな、ことをしたいと思ったの?」

初月「そうだ。どこからそんなことをしろと吹き込まれたんだ」

皐月「あっ、まだ話してなかったっけ。えーっと……ちょっと長くなるんだけど……。この前、睦月型の集会に行ったんだよ」

初月「ああ、同型艦集会か?」

時雨「違う鎮守府にいる姉妹同士の集まりだよね。僕も2ヶ月に1回くらいはみんなと会ってるよ」

皐月「そうそう。睦月型は1ヶ月に1回、第四日曜日に会っているんだけど……その時に……」

―睦月型集会 某鎮守府第十八会議室(レンタル料:4時間 1000円 飲食可能)


睦月「……それじゃあ、意見交換会も終わったところで、みんなで飲んだり食べたりしましょー! 飲み物もった? それじゃー、睦月型にかんぱーい!」

如月・皐月・長月・文月「かんぱーい!」カチーン

如月「んっ……んっ……ふう……美味しい」

皐月「はー! やっぱりピルクルはおいしいね!」

長月「ほう。まだそんなものを飲んでいるのか、皐月は」

皐月「ええ……なにそれ……? 長月だってコーラを飲んでるのに……?」

長月「甘いな。私が飲んでいるのはコーラ。つまり、炭酸が入っているんだぞ」

皐月「うっ、たしかにボクは炭酸が辛くて苦手だけど……」

長月「私のほうが一歩先を行っている、ということだ」

皐月「むむ……」

文月「ふたりともあんまり変わんないと思うなあ」

長月「なんだと? そういう文月こそメロンソーダを……」

皐月「あれ、でも炭酸の泡が立ってない……?」

文月「ふふふふ。そう! これはねー、緑茶なんだよ!」

皐月「りょ、緑茶っ!?」

長月「あの苦いお茶を、しかもストレートで……!」

文月「まあねー。あたしもこういう味がわかる? ように? なっちゃった? っていうか?」

皐月「むむむむ……」

長月「くっ……」

文月「うふふー、ふたりもよかったらどう? まだまだペットボトルにいっぱい……あっ」カラッ

皐月「あれ? これ……ガムシロップ?」

長月「蓋が開いている……まさか」バッ

文月「あっ、ちょっ、長月ちゃん、あたしのコップっ」

長月「……甘い。やはりか。なるほど、そういうことか」

皐月「……へえー。ふーん? 甘い緑茶、おいしい? 文月」

文月「え、えへへへ」



如月「……平和ねぇ」

睦月「そうだねー」

如月「ねえ、睦月ちゃんもお酒飲みましょ? 飲めるんだからぁ」

睦月「……いちおう睦月からすると、よその鎮守府だからー、ちょーっと遠慮しておこうかなーって……」

如月「私だって同じ鎮守府から来てるんだから、そうだけど……。そんなに遠慮しなくてもいいじゃない、お休みなんだから」ゴクゴクゴクゴク ドポドポドポ ゴクゴクゴクゴク

睦月「あの、如月ちゃんこそ、もうちょっとゆっくり……」

如月「あー、だいじょうぶだいじょうぶ、もう私ぃ全然酔わないからぁ。もうぜんっぜんぜんぜんぜん。ホントホントホントに」ゴクゴクゴクゴク カンッ

睦月(……だから睦月は飲まないんだけどなあ)

如月「……はあ……」

長月「……相変わらず如月はお酒を飲んでいるようだ」

皐月「また? あれ、ボクも飲んだことあるけどおいしくないよ」

文月「だよねー。文月たちがもっと大きくなったら、お酒の味もわかるのかなー?」

長月「……私は艦娘として産まれて3年ほどだが、大きくなる気配がないぞ」

皐月「……ボクは5年くらい? 特に変わった気はしない、かな」

文月「……文月はもう8年くらい……。艦娘って、ずっとこのままなのかなあ」

皐月「うーん。……これは昔聞いた噂話なんだけど……。艦娘は艤装をつけてると成長しないらしいよ。だから、艦娘をやめた子は成長するようになるんだって」

長月「なに? そうなのか」

文月「えーっ、皐月ちゃん、艦娘やめちゃうの?」

皐月「いやいや、ボクはまだやめないよ。……でも、戦争が終わったらみんなやめるでしょ?」

文月「そうなるの……かな?」

長月「ふうん? 皐月は艦娘をやめたら、何をするんだ?」

皐月「もちろん、ボクはキュアるんになるよ」

文月「えっ! キュアるんに!? すごーい!」

長月「ほう。それは私も興味があるな……。皐月はどうやってキュアるんになるんだ?」

皐月「それはまだわかんないけど。でも、大きくなったらきっとなれるよ! 未来の可能性は無限大って、ヒーローはみんな言ってるもん!」

長月「なるほど……!」

文月「あっ、じゃあ、じゃあ、文月は仮面ナイトになりたい!」

長月「私はファイブフォースになる!」

皐月「よーし! みんなでヒーローになって、劇場版で共演しよう!」

文月・長月「おー!」


如月「……戦後、ね。睦月ちゃんはどうするの?」

睦月「うーん、ケーキ屋さんとかお花屋さんとか……なにかお店をひらきたいなあ」

如月「ふふ、睦月ちゃんらしいわ。きっとなれるわよ。私なんかと違って……」

睦月(……あ、これ始まってる)

如月「私みたいな滑稽な艦娘に、戦後なんてあるのかしら? 路頭に迷って橋の下を住所にするのがお似合いじゃない?」

睦月「だ、大丈夫だってば、ね。睦月といっしょにケーキつくりましょ?」

如月「ありがとう、睦月ちゃん……うっ、やさしいね……ほんとうに……わたしなんかに……」

睦月「あーあー……、泣かないで……」


皐月・長月・文月「……?(顔を見合わせる)」

長月「……なあ。如月、何かあったのか?」

皐月「そういえば、この前の集会からおかしかったよね……」

文月「二ヶ月前の集会のときはすごく元気だったよね?」

如月「ふふ……みんなもごめんね。そう、確かにちょっと落ち込むことがあったけど……。でもね、つまらないことなのよ。気にしなくてもいいわ」

皐月「でも……」

睦月「ほらほら、如月ちゃん、お茶を飲んで落ち着いて」

如月「うん……。ふう……」

長月「如月……」

文月「……えっとー……」キョロキョロ

皐月「あー……。そ! そうだ、そうそう、そういえばさー。最近は集会、参加してる子が少ないよね? みんな何してるのかな?」

如月(ぴくっ)

睦月「あっ……!」

長月「あ、ああ、そういえばそうだな」

文月「う、うんうん、弥生も菊月も最近こないよねー」

如月「……………………………………」

睦月「如月ちゃん……」

皐月「だよね、毎回来てたのに。みんな忙しいのかな?」

長月「そうかもしれないな。元気でやっているようではあるが」

文月「そういえば、なんでみんな来なくなっちゃったかって聞いたことないね……」

如月「……」ドポドポポポ ゴクゴクゴクゴク カンッ ドポドポドポドポ グイッゴクゴクククク ガンッ

皐月「わっ」

睦月「き、きさら……」

如月「みんなが来ない理由?」

如月「決まっているでしょ」

皐月「え……」

如月「男よ」

睦月「ちょっ……」

長月「おとこ……? 艦娘は全員女のはず……」

文月「はっ、ひょっとしてみんな、男の子になる病気に!?」

皐月「なにそれ……?」

如月「そうじゃない、そうじゃないのよ文月」

睦月「如月ちゃん……」

如月「全員、男の人とのデートに忙しいから、睦月型の集会には来れないのよ……!」

皐月・長月・文月「な、なんだってー!」

睦月「……うん。そういう理由で来れないって連絡がね……」

如月「そう、所詮、同型艦同士の絆なんて脆いものよね。男ができればこんな集まりなんかに……」

如月「いえ、違うの……。そうじゃない、そうじゃないわ……ごめんなさい、私だって……もしかしたら……」

睦月「如月ちゃん……」

皐月「そうだったんだ……みんなデートを……」

長月「知らなかったな……」

文月「……でも、それなら、みんなよかったねーってかんじ?」

皐月「あ……うん。確かにそうだよね」

長月「めでたいこと……だな」

如月「めでたくないわっ!」ガンッ

文月「ひゅいっ」

長月「き、如月……どうしてしまったんだ」

皐月「そうだよ、みんなが幸せになったのを、そんな風に……」

睦月「ごめんねみんな。如月ちゃんはちょっと辛いことがあって……」

如月「……いいわ、睦月ちゃん。私から話す。つまらないことだもの。こんなに引っ張ったのがばかみたい」

如月「……私、実はね……」

皐月・長月・文月「…………(ごくり)」


如月「私ね……私たちの司令官にフラれたの」


皐月「!?」

長月「なにっ……」

文月「えっ!」



(つづく)(たぶん)

あら生きてたのか

お、待ってましたぞ!


22駆が天使すぎて尊い

舞ってた

時代は皐月!

如月「私、いつも司令官のことをからかってて……。あの人が顔を真っ赤にするのが楽しかったの」

如月「最初は本当にそれだけだったんだけど――ちょっと趣味が悪かったわね――、いつの間にか、私は司令官のことが本当に……好きになっていて」

如月「いつもあの人と話して、私のちょっとした冗談に――いえ、もう冗談ではなくなってたのだけど――赤くなる姿を見ていて……幸せだった」

如月「それで……笑っちゃうんだけど、自分でも気づかないうちに、私は、あの人も私のことが好きなんだって思い込んでたみたいなの。……言葉にしなくても、きっと心は通じ合ってるんだ、って」

如月「でも、ね……。2ヶ月くらい前……。この前の集会のすこし前に……」

如月「司令官、ほかの艦娘と……ケッコンしちゃって……」

皐月「…………」

長月「…………」

文月「…………」

如月「とまあ、こういうわけ。ばかでしょ、私。勝手に勘違いして、傷ついて。みんなの恋愛に嫉妬して……」

睦月「如月ちゃん……」

如月「こんな話しちゃってごめんね」

皐月「う、ううん! そんなことないよ!」

長月「話してくれてありがとう、如月。辛かっただろう」

文月「うん……。元気出して、ね?」

如月「ありがとう。私も話して楽になったわ。だから、三人とも……」ドポドポドポドポ ゴクゴクゴクゴク ガンッ

睦月「あっ、ちょっ……」

如月「いい!? よーく聞きなさい!! あんたたちもね、気になる男がいるんだったら、さっさと首元ひっつかんで押し倒すのよ!!」

睦月「如月ちゃん!?」

如月「ていうか、セックスしなさいセックス! さっさとヤっちゃいなさいッ!」

睦月「きッ、如月ちゃんッ!?!?! 如月ちゃんッ!!!!!」

皐月・長月・文月「せっくす……???」

睦月「さ、三人とも聞いちゃダメ!」

如月「いいのよ睦月ちゃん! どうせここに来てないやつらもヤってんのよ! ヤりまくりでしょどうせ!」

皐月「何を……?」

如月「もちろんナニをよ、ナニを!」

睦月「質問しちゃダメ!!」

如月「あーーーーーーーーー!! くっそー!!!!!! 司令官、あの女のどこがいいの!! 私よりちょっと背が高くて、胸が大きくて、脚が長いだけじゃないの!!!!」バンバンバンッ バキッビシッ ビキッ

睦月「ああああ、机を叩かないで如月ちゃん! 壊れる、壊れるから!」

睦月(こうなるから艦娘は外のお店で宴会ができないんだよう……)

如月「くそくそくそくそくそくそ、ナガトォ!! あんな澄ました顔して、やることはやってたってわけ!! そんな気配全然なかったのに、完全に騙された……!!! 改二になったのに、薬指だけ露出して、自慢げに指輪を見せて……!!!!」メキメキメキメキリ

長月「ながと……」

睦月「じ、実名を出さないで如月ちゃん!!!!」

如月「男なんてー!!!! 司令官なんてー!!!!」バキベキグキイィ

文月「あ、つくえ……」

睦月「引き裂かないでえー!!!!!」


バキイベキイビキイ ワーワー キャーキャー ガシャーン


この鎮守府の司令官「……」

その秘書艦の吹雪「……」

睦月「…………と、いうわけでー。本日の睦月型集会はここまでー。おつかれさま……」

如月「ん……くー……しれいかあん……ぐす……」

皐月「おつかれさま……」

長月「はあ……どっと疲れたな」

文月「如月ちゃんのあばれぶり、ちょっとすごすぎだったよ……」

長月「よっぽどストレスが溜まっていたんだろう。発散できたのならいいんだが」

睦月「ほんとにごめんね、三人とも……よいしょ」ヒョイ

如月「うにゃー……くー……すー……」

皐月「睦月、一人でだいじょうぶ? ボクが如月を運ぼうか?」

睦月「だいじょぶだいじょぶ、睦月は元気がとりえだもん。……それよりも」

皐月「うん?」

睦月「三人とも……、今日如月ちゃんが言ってたことは忘れてね。いい?」

皐月「もちろん誰にも言わないよ」

長月「ああ、如月の名誉はできうる限り守るつもりだ」

文月「……この鎮守府の人たちにはバレちゃってるけど……だまっててくれるって言ってたよ!」

睦月「そ、それもだけど……せ、セックスとか……」

皐月「え? あー、そんなことも言ってたね。よくわかんなかったけど」

睦月「それも忘れてね? いい? 絶対だよ?」

長月「よくわからないが、わかった」

睦月「本当にだよ? 本当にだからね? ネットで検索とかしちゃダメだからね?」

文月「よくわかんないけど、はーい」

睦月「……ふう……。それじゃ、睦月たちは行くね。次回はまた連絡するってことで……解散」ピシッ

皐月・長月・文月「了解」ピシッ

皐月「んー、ん……っ。……はあ。今日は大変だったけど、楽しかったね」

長月「まさか如月がああいう風に乱れるとはな」

文月「そうだよね。……如月ちゃんがあんな風になっちゃうなんて……」

文月「………………んー」

文月「ね、ね、ふたりとも。如月ちゃんの言ってたこと、どうおもう?」

皐月「言ってたこと?」

文月「好きな人がいたら、『せっくす』しろーってやつ」

長月「ふむ。言葉の意味はわからなかったが、とにかく勢いはすさまじかった」

文月「……あのね、あたし帰ったら、司令官に言ってみようとおもうんだ」

皐月「なにを?」

文月「文月と、『せっくす』してーって」

皐月「おおー」

長月「……ということは、文月は私たちの司令官のことが……」

文月「……うー、恥ずかしいよぉ。でも、如月ちゃんを見てたら……」

皐月「何かせずにはいられない、かあ。わかるかも」

長月「そうだな。あれだけ後悔していた如月が必死で私たちに伝えてくれたのだから、きっと無意味なことではないのだろう」

皐月「でもさ、睦月は絶対忘れて! って言ってたよ」

長月「皐月。しかしな。もう私たちだって子供ではないんだ。長女とはいえ、いつまでも睦月の言うことを聞いているだけでは成長がないとも思わないか?」

皐月「おー! 確かにそうかも!」

文月「そうそう、きっとそうだよ! ね、長月ちゃんも一緒に『せっくす』しよーって言わない?」

長月「私も?」

文月「うん! よくわからないけど、好きな人とすることだったら、きっとみんなでしたほうが楽しいと思うの!」

長月「なるほど、一理ある」

皐月「いいなあー。二人は同じ鎮守府で」

文月「えっ、それなら皐月ちゃんもこっちに来たらいいのに」

皐月「ん……それも楽しそうだけど。でも、ボクはまだあの基地に残るよ」

文月「えー、きっと皐月ちゃんと一緒ならもっと楽しいのに……」

長月「文月、察してやれ」

文月「え? ……あっ、そっか」

皐月「……へへっ」

文月「そっかそっか! わかった! じゃ、皐月ちゃんもがんばってね!」

長月「ああ。所属は違っても、私たちはいつでも仲間だ」

皐月「うん! ありがとう! ……それじゃ、ボクは行くね!」

文月「ばいばーい! またねー!」

長月「次の集会で会おう。気をつけてな」

皐月「うん! 二人もそれまで元気でね!」

皐月「……よーし、ボクも帰ったらインターネットで『せっくす』のことを調べるぞ!」

――現在 皐月の部屋

皐月(……というようなおおむねのいきさつを、実名は伏せて、ある程度ぼかした上で時雨と初月にしたけど……。なぜか二人はうんざりするほど苦そうな顔をしてる)

初月「ひどい話だった」

時雨「……皐月の姉妹、どうなったんだろう……?」

皐月「まだわかんない。もう二人がいる鎮守府の司令官とエッチしたのかな?」

初月「していないと信じたい」

時雨「……はあ。聞いてるだけで疲れたけど、でも大体事情はわかったよ」

初月「そうだな。よくわかった。皐月、こんなことはもうやめよう。お前の姉妹の言う通り、全部忘れろ」

皐月「ええーっ! なんで!」

初月「なんで、もクソもない。いいか。お前は酔っ払いのたわごとを真に受けて、ひどく偏った知識を得た上で、これ以上ないほど誤った行いをしようとしているんだ。目を覚ませ」

皐月「でも!」

初月「デモもケモもアモもない! お前は愚かなことをしている! もうやめるんだ! わかったな!」

皐月「ううう」

時雨「お、落ち着いて初月……。ええと、皐月。僕も、もうちょっとよく考えたほうがいいと思うよ」

皐月「時雨まで……」

時雨「皐月の気持ちは、わか……らなくもないかもしれないんだけれど、やっぱり順番があるというか」

皐月「順番?」

初月「…………」

時雨「うん。せっ……その……そういうことをするなら、もうちょっと段階を踏んでいかないといけないと思うんだ」

皐月「段階って、何をすれば……?」

初月「……はぁ。皐月、こんなのは常識だぞ。お前はそんなことすらわかっていなかったんだ。どれだけ自分が愚かで幼かったのかを知り、自覚しろ」

皐月「むっ!」

時雨「は、初月、そんな喧嘩腰じゃ!」

皐月「ふうぅーん! じゃあバカで幼稚なボクは、賢くてオトナな初月サマに教えてもらおうかな! どういう順番でどんな段階が必要なのかさ!」

初月「ああ、教えてやろうじゃないか! それはだな!」

時雨「……!」

皐月「それは!?」

初月「それはだな、それは……!」

時雨「……そ、それは……?」

初月「…………」

初月「……………………」

初月「……ええと…………」

初月(……しまった。僕だって、どうすれば男性と適切な性交渉を行う関係になれるかなんて、わかるわけがないぞ!)

初月(そうだ、そんなことがわかっていたら、今頃……!)

皐月「……どうしたのさ、初月サマ。黙り込んじゃって」

時雨「………………」

初月(……なんで皐月と一緒に時雨まで固唾を呑んでこっちを見つめているんだ!)

皐月「あれ、どうしたの? ひょっとして、初月サマもわかんないのかな?」

初月「……!」

皐月「あっ、そうだよねー。初月だって、別にエッチなことをしたことがあるわけじゃないんだし」

初月「……ち、違う!」

時雨「エッ!? したことあるの!!??」

初月「ち、ちが、違う! わからないわけじゃないという意味だ!」

皐月「じゃあ教えてよ!」

初月「……よし、教えてやる。よく聞いておけ」

時雨「……!(ごくり)」

初月(だからなぜ時雨までそんなに期待に満ちた目をするんだ!)

初月(くっ、どうすれば……! これでは時雨からの援護砲撃も期待できそうにない……)

初月(……時雨? そうだ! 時雨の部屋に置いてあった少女漫画を思い出せ! あれを参考にすれば……!)

初月「……いいか。まず、大切なのは出会いだ」

皐月「出会い? もうボクは司令官に出会ってるよ!」

初月「……まあ、そうだな。だが、あー……そう。しかし、大切なのには違いないだろう。出会っていない相手とは何もできない」

皐月「そりゃそうでしょ」

初月「そして、出会いによって第一印象が決まる。ここが大事なんだ。その印象というのはいつまでも引きずるからな」

時雨「…………(めもめも)」

初月(なんでメモを取ってるんだ時雨!)

皐月「ふうーん。でもさ、そんなの今はどうでもいいじゃん! これからボクはどうすればいいのさ!」

初月(まったくその通りだが今考えながら喋っているんだから黙って聞け!)

初月「……ふん。本当にそう思っているのか?」

皐月「……はあ?」

初月「お前は、自分が司令官にどんな第一印象を与えたか把握できているのか、ということだ」

皐月「ど、どんなって……。えーっと……」

―― 二年前 孤島基地

司令官「よう、お前が俺のお迎えか。ずいぶんと小さいな」

皐月「……そ、それが、砲撃されて潰れた建物から助け出されて言うセリフ!?」

皐月「くっ、この瓦礫……! えいっ!」ガシャン

司令官「悪い悪い。小さくてもさすがの力だな、艦娘は。ありがとな。で、脱出ルートは確保できてるか」

皐月「僕の姉妹が敵を止めてくれてる! こっちのほうに走れば……走れる? 司令官さん」

司令官「ああ。日ごろの行いがよかった。ケガもしてない」

皐月「それは何より。じゃ、行くよ、司令官さん! ボクが先行するから、ついてきて!」

司令官「小さい割に頼もしいじゃないか」

皐月「小さいは余計! 行くよ!」ダッ

司令官「おお」ダッ


皐月(そして、ボクたちは敵海域の反対側に着けた脱出艇に向けて走り出したんだ)

――現在 皐月の部屋

皐月「んー……。小さいけど頼もしいって言われたかな」

初月「なるほど。僕は真面目で硬そうだと言われた。時雨は?」

時雨「えっ、僕!? 僕は……その、かわいい子が来て、嬉しい、って……」

皐月「へー! 確かに時雨はかわいいもんね! 僕もそう思ったよ!」

初月「……そうだな……。単なる真面目な堅物とは違ってな……」

時雨「ちょっ、ちょっと、二人ともそれぞれに困るからやめて!」

皐月「それで、第一印象はわかったけど、どうすればいいの?」

初月「……あ、ああ。そうだったな」

初月「自分がどう思われているのかわかったら、次は関係を進展させていくことだな」

時雨「ど、どうやって!?」

初月「ど、どうやってと言われても……。話したり、一緒に過ごしたり、相手のことを聞いたりする……だろう、普通は」

皐月「ふうーん……?」

――二年前 基地裏手の森林


皐月(敵……深海棲艦も上陸しはじめていたけれど、事前に準備しておいた罠があいつらを足止めしてくれていた)

皐月(司令官はこの小さな島と基地を知り尽くしていたし、少人数だったから……。ボクたちは発見されず、移動することができたんだ)



司令官「……ふむ。これはどうも、無事に脱出できそうじゃないか。俺は7割くらい死ぬと思ってたんだが」

皐月「救助されてる途中でそういうこと言う? なんでそんなに余裕あるのさ」

司令官「覚悟はしていたよ。作戦を立てたのは俺だしな」

皐月「……敵の主戦力をこの島に引きつけて、包囲させる」

司令官「で、敵を引き込めるだけ引き込み、補給線を断って背後を突く」

皐月「敵をこの島に集めたら、仕掛けた爆薬で吹き飛ばし、用意しておいた艦隊でトドメを刺す……」

司令官「我ながら無茶をしたもんだ」

皐月「無茶すぎるよ」

司令官「仕方ない。普通に叩くには深海棲艦が増えすぎていた。この基地一つと引き換えられるなら安い」

皐月「……そこもだけど、そこじゃないよ。自分一人だけギリギリまで残って、艦娘たちを全員、先に脱出させるなんて……」

司令官「まあな。でも、艦娘はみんなかわいいから死なせたくなかった」

皐月「……みんな怒ってたよ。あなたが脱出してないって聞いて」

司令官「さすが俺の艦娘たちだ。素直でいい子ばかりだな」

皐月「ひどい人」

司令官「褒め言葉だよ、それは」

皐月「……。……敵はこっちには来ていないみたいだ。行こう」

司令官「ああ、わかった」


皐月(……ボクの司令官の第一印象は、こんな感じだったんだ)

舞ってた

面白いぞ もっとやれ

卑しい妹にゃしぃ…

はよ

SS速報VIP復活おめでとうございます


――現在 皐月の部屋

皐月「……でも、ボクと司令官も出会って二年くらい経ってるから、結構いろんなことを喋ったと思う」

初月「……それはそうだろうがな。いや、きっとまだ足りないんだ、だから進展がないわけだ。もっとじっくり話せば……」

時雨「でも、ただ喋ってるだけで……その、そういう関係になれるものかな」

皐月「だよね。それなら、世界中の仕事場の人たちはエッチなことをしてることになるもんね」

初月「この会話、頭痛がする」

皐月「初月! ボクたちはどうすればいいのかな!」

初月(知るか!)「そ……そうだな……。ただ会話をするだけでダメなら……」

初月「こう……特別な雰囲気で、話をすることが大切なはずだ」

皐月「特別?」

時雨「た、たとえばどんな?」

初月「えーと……(少女マンガでは)ケンカをしたり、危険な目にあったり、だな」

時雨「え? そ、そういうものなの?」

初月「あー、もちろんこれは極端な例だが……そうだな……こう……なんというか……そうだ。極限状態でこそ、相手と自分の本音がぶつかりあって、互いの理解が深まる、ということもあるんだ。多分……」

初月「……極限かあ」

――二年前 基地裏手の崖


皐月(ボクたちは走って走って、やっとの思いで事前に用意して隠してあった、脱出艇のある崖までたどり着いた。ここまでは作戦通り)

皐月(問題は、大きく外れた流れ弾が崖を崩して、脱出艇が潰されていることまでは作戦に書いていなかったことだった)


司令官「これはダメだな。俺の悪運も尽きたか?」

皐月「どうしよう……。ボクだけじゃ、司令官さんを運ぶのは危なすぎる……。とにかく、急いで代わりの船に来てもらわないと!」

司令官「それじゃ、お前の姉妹がもたないだろう。救出用の部隊は、少人数の睦月型駆逐艦なんだろう?」

皐月「……きっと皆なら、もたせてくれる」

司令官「分が悪すぎる。俺はいい。お前たちだけで脱出しろ」

皐月「ばっ! バカにしないでよ! そんなことできるわけがない!」

司令官「俺は砲撃を受けた時点で瓦礫に潰されて死んでいた、と報告すればいい」

皐月「はあ!?」

司令官「死体が見つからなくても、ウソに自信がなくても、事情は斟酌してくれるはずだ。不安なら俺に命令されたと言えば……」

皐月「ふざけるな! ボクたちはあんたを自殺させるためにここに来たんじゃない!」

司令官「俺を助けるためにお前達が死ぬことはない、と言ってるんだ。そもそも俺が死ぬのは作戦に織り込み済みで……」

皐月「それがバカにしてる、って言ってる! この基地の艦娘だってあんたのことを……!」

司令官「だがどうする。お前の姉妹がやられたら、代わりの船だってここには来られない。俺を助けようとしたら全員が死ぬ可能性が高い」

皐月「だからって、置いていくなんてできない!」

司令官「俺はこの島をよく知っている。戦闘が終わるまで隠れていられるかもしれない」

皐月「そんな無茶な! それならボクも一緒に!」

司令官「いや、ダメだ。提督より、艦娘の方が探知されやすいのは知っているだろう。隠れるなら俺だけのほうがいいんだ」

皐月「それは……そうだけど……」

司令官「わかってくれ。お前は俺を見捨てるんじゃない。単にこれが現状で、最も俺が生き残る可能性が高い方策なんだよ」

皐月「…………」

司令官「……あのな。お前は俺を潰れた基地から引きずり出して、ここまで引っぱって来てくれた。それだけで、俺の生存率はずいぶんと上がったよ。俺が生き残れたら、それはお前のおかげだ」

皐月「……。そう。わかった」

司令官「……納得しがたいのはわかるが、しかし……って、お? おお、そうか?」

皐月「司令官さんの言うことはもっともだと思う。従うよ」

司令官「……そうか。よかった。じゃ、頼むぞ」

皐月「うん。……それじゃ、ボクは行くよ。遺言書とか持ってたら、受け取っておくけど」

司令官「それはもう本部にも弁護士にも渡してある。そうだな、後は……。この基地にいた艦娘たちに伝えてくれ。ありがとう、ってな」

皐月「ごめんなさいは、言わなくていいの?」

司令官「何でだ? 俺は何一つ悪いことはしていない」

皐月「やっぱり、ひどい人」

司令官「最高の褒め言葉だ」

皐月「……じゃあね」

司令官「ああ。元気でな。大きくなれよ」

皐月「うるさいよ」


皐月(そう言ってボクは、司令官の元を離れて一人で崖を降りた。そのまま姉妹たちが戦っている海域に向かって、それから……)

――現在 皐月の部屋

皐月「でも、そういうこともなかったわけじゃないしなあ……」

時雨「そ、そうなの? 僕はケンカしたり、すごく危ない目にあったりはしたことがなくて……」

皐月「無い方がいいと思うよ! 間違いなく!」

時雨「でも……」

皐月「それにさ、危ないことがあったからって、別にエッチができたわけじゃないんだよ!」

初月「それはそうだろうな」

皐月「で、初月! 結局、ボクはどうすればいいの!?」

初月「え、いや……」

時雨「初月……!」

初月「だから……」

皐月「初月!」

時雨「初月……!」

初月「ええと……」

皐月「うん!」

時雨「……!」

初月「…………ああ、もう知らん! あとは告白でもなんでも、好きにすればいいだろう!」

皐月・時雨「「告白!?」」

初月「そうだ! そこまで相手と様々な経験を積んだと思うならば、あとはハッキリ自分の気持ちを伝えるくらいしかないだろう!」

皐月「それだ! それだよ! じゃあボク、早速行ってくるね!」バッ タタタタ バタン

初月・時雨「「あっ」」

初月「…………」

時雨「…………」

初月「し、しまった! 追うぞ、時雨!」

時雨「うん!」

――執務室

皐月「こんばんは、司令官……!」ガチャッ

司令官「おお、びっくりした。どうしたんだ皐月、初月と時雨と遊んでたんじゃないのか」




皐月「司令官! 抱いて!」

司令官「………………」




司令官「抱っこしてほしいのかな?」

皐月「違うよ! エッチなことをしてほしいの!」

司令官「皐月がおかしくなった」

皐月「おかしくなってない! ボク……ずっと司令官のことが好きだったんだ!」

司令官「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

皐月「だから、エッチなことも動画でいっぱい勉強したんだ! 初月と時雨に大人になるための特訓をしたり、一緒にお風呂に入ったりしたのもみんなそのためだったんだ!」

司令官「全部繋がったな! いやまて動画ってなんだ!?」

皐月「だから×××××を×××な×××で」

司令官「そういうことは言わなくていい! くっ、艦娘のネット環境にもファミリーセーフティを適用するべきだったか……!」

皐月「司令官!」

司令官「な、なんだよ」

皐月「どうなの!?」

司令官「だから何が!」

皐月「ボクとエッチしたいの!? したくないの!?」

司令官「しない!」

皐月「」ガガーン

司令官「あー、そういうのはだな、もっと大人になってから……」

皐月「お、大人になっても司令官は全然反応してくれなかったじゃないか! 辛いものを食べたり、キュアるんの夢を諦めたりしたのに……」

司令官「そういうことか……。あのな、そういうのが大人だと思ってる間はまだ子供なんだよ」

皐月「そんな……! ううっ、初月と時雨め……!」

司令官「二人を恨むのはお門違いじゃないのか。よくわからんが」

皐月「むむむ……」

司令官「……あー、なんだ。皐月の気持ちは嬉しいとは思う」

皐月「えっ! じゃあしよう!?」

司令官「しない! でもな……こうなってしまうと、言いづらいんだが……」

皐月「??????????」

司令官「あのな、俺はな」(手袋を外す)

皐月「あっ……!! それって! ……指輪!?」

司令官「そうだ。俺、結婚してるんだよ。艦娘でも軍人でもないやつと」

皐月「えっ……?」

初月・時雨「「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????????????」」
ガラッ ドタドタ グシャッ

司令官「おわっ! な、なんだ、二人もいたのか!」

時雨「し、司令官! 本当なの!?」

初月「裏切ったな司令官! 僕たちをもてあそんでいたわけか!」

司令官「ちょ、ちょっとまて、結婚してるのは本当の話だが、裏切ったって何の話だ。もてあそんだとか」

時雨「グスッ、そんな……ひどい……」

初月「時雨……泣くな……うっ、くっ……」

司令官「な、なんで泣くんだよ! って、ま、まさか……」

時雨「そうだよ……僕も……司令官の、こと……グス……」

初月「ひどい男だ、お前は……散々に優しくしておいて……それなら、僕たちのことなんて放っておいてくれれば……」

皐月「えーっ、そうだったんだ!」

司令官「は!? お、あ、ま、ちょっとまて、そんな、そんな急に言われても……まさかこんなことになるとは」

司令官「い、いや……違うな。ふう……」

司令官「……すまん。気持ちは本当に嬉しい。ありがとう。だが、俺はすでに妻がいる身だ。お前達の気持ちに応えてはやれない。許してくれ」(土下座する)

時雨「あっ……! や、やめてよ司令官! ごめん……僕こそ、びっくりして……」

初月「……そうだ、悪いのは僕だ。勝手に想いを寄せて、それが叶えられなければ、貴方をなじって……申し訳ない」

司令官「いや、俺の方こそ……。……俺からは何もしてやれない。すまない」

皐月「司令官、子供はいるの?」

司令官「え? いや、いない、な」

皐月「そっか」

司令官「……? な、なんだよ」

皐月「なんでもないよ」

司令官「そうか? ならいいんだが……」

皐月「さ、初月、時雨、行こう。ボクたちはフラれちゃったわけだし」

時雨「……さ、皐月はなんともないの……?」

初月「……そうだ、お前こそあんなに必死になって……」

皐月「ボクはいいんだ。二人が元気になってくれれば、それだけでいいよ」

時雨・初月「「皐月っ……!」」ギュッ

司令官「……皐月。侘びというわけではないが……。落ち着く時間も必要だろう。これを預けるから、好きに使ってくれ」(財布を渡す)

皐月「うん……わかった。さ、二人とも行こう? おいしいものでも食べにさ」

時雨・初月「」コクコク

皐月「じゃ、ボクたちは行くね」

司令官「ああ。……ごめんな、皐月」

皐月「……ごめんな? ふふふっ」

司令官「ん?」

皐月「じゃあね、司令官」バタン

司令官「………………」

司令官「…………ふう」ストン ギッ

司令官「まさかこんなことがあるとはな……。あー、よもや、また煙草が恋しくなる日がくるとは」

司令官「…………配置転換も考えたほうがいいか? 同じ姉妹がいるところにでも……」

司令官「…………」

司令官「まさか、皐月がなあ……それに、あの二人まで……」




次回、最終回


かもしれません

二次でこんな可愛い時雨初めて見たかもしれない。
大体病んでるか無駄にゲーム以上に心が成熟しすぎて
外見相応の少女の可愛げがさっぱり無いかばっかりだけに。


急展開にワロタ

子どもになるのかな

さっちんにお父さんと呼んで貰えると聞いて飛んできました

>>138
その発想はなかった



「……あ、やっと繋がった。ボクだけど」

「……えっ! そうだったんだ! 大変だったね! 無事でよかったよ」

「ところで話は変わるんだけどさ。前、話してたアレだけど……うん、そう、それ。どうなったかなーって」

「……なるほどね。それから? ……ふーん。そっかそっか。やっぱりね。……そう、やっぱり」

「落ち込まなくても大丈夫だよ。それはね……で……そしたら……ってことだからさ」

「本当だよ。ちゃんと証拠もある。……うん。信じてくれる? そっか」

「これを確認したかったんだ。ありがとう。それじゃ、またね!」

―― 一週間後 廊下

司令官「おっ……」

時雨「あっ……」

司令官「…………」

時雨「…………」

司令官「……時雨、昼飯か?」

時雨「うん……午前の訓練は終わったから」

司令官「そうか……」

時雨「…………」

司令官「あー、そうだ。もしかすると時雨には、来週の火曜あたりに違う鎮守府に行ってもらうかもしれない。敵が怪しい動きをしていて、哨戒任務の手が足りないとかで……」

時雨「……わかった。……それだけ?」

司令官「……ああ。それだけだ」

時雨「……じゃあ、僕はこれで。失礼します」

司令官「……お、おお」

時雨「…………」



司令官「…………行ったか」



司令官(あれから一週間。時雨や初月とはずっとこんな感じだ)

司令官(避けられてるというよりは……どんな態度を取ればいいのか、わからなくなってるんだよな……お互いに)

司令官(俺が普段どおり振舞おうとして、逆に気を遣わせてる……滑稽だな)

司令官(こういう感じは十代の特権だと思ってたんだが、まさかオッサンになってから、コレとは。もはや甘くはなく、酸っぱいだけだ)

司令官(そして、皐月は……)



司令官「……おっ」

皐月「あ」

司令官「さ……」

皐月「ごめん用事があるんだ! またね司令官!」クルッ タタタタタタ

司令官「つ……」



司令官(皐月には露骨に避けられてる。一週間、まともに会話すらできてない)

司令官(こんな調子だから、最初は他の艦娘たちから、三人と喧嘩でもしたのか、尻でも触ったかとからかわれてたが……)

司令官(今は真剣に心配されてる始末だ。もちろん理由を言うわけにはいかないわな……)

司令官(三人も、何があったのかを話してはいないらしい)

司令官(結果として、こんな状態が続いている。自業自得ではあるが寂しいもんだ)

司令官(こんなことなら……大体、俺は……)

司令官(いや、だからといってな……)

司令官「はあ……」

――執務室

司令官「…………」ギッ

司令官「………………」

司令官(真面目に配置転換を考えたほうがいいかもしれないな……)

司令官(大分有利を取れてるとはいえ……いや、だからこそ出撃面子が足りてない鎮守府もそこそこある。こんなところで優秀な人員を腐らせておくよりは……)

司令官(こうなった以上、左遷提督の夏休みに付き合わせておくよりは、その方が艦娘としては幸せかもしれないな)

司令官(いっそ俺も提督なんかやめて、一年くらい遊んで、都会に帰ってレストランでも開くか)

司令官(この2年、仕事よりも料理の腕のほうが上がった自信がある)

司令官「……よし、とりあえず鎮守府の艦娘の配置状況をチェック……」


「だーれだっ!」ガバッ


司令官「うおっ!」

「問題です! ワタシは誰でしょう! 制限時間は3秒! ちっちっちっ!」

司令官「い、いきなり何すんだよ! 驚かせるな!」

「残念時間切れー。正解はー!?」パッ

皐月「ボクでしたー! じゃーん!」デデーン

司令官「………………?」

皐月「あれ? どうしたの司令官? ボクの顔忘れちゃった?」

司令官「いや……覚えてるよ」

皐月「でしょ!」

司令官「だから、そこじゃなくて……皐月、なんだよそのテンションは」

皐月「えっ? あー、ちょっと浮かれちゃってるかもね! ふふふふふ!」

司令官「な、なんなんだ! 俺達、ずっと気まずくなってただろ!」

皐月「そうなの? ボクは別に気まずくなかったよ」

司令官「……ど、どういうことだ」

皐月「司令官が勝手に後ろめたくなってたんじゃないの? ふふふ!」

司令官「だってお前も、俺とまともに話もせずに……」

皐月「司令官! お願いがあるんだけど!」

司令官「は?」

皐月「ちょっと手袋を貸して? 両手の手袋をね」

司令官「……訳がわからん」

皐月「いいからいいから! 早く早く!」グッグッ

司令官「ひ、引っ張るなって。わかったわかった」

司令官(何がなんだか全くわからないが、皐月が今まで通りに振舞ってくれるのには、少しばかり安心しちまう……ちょっと様子はおかしいが)ヌギヌギ

司令官「ほら、脱いだぞ? 何に使うんだ」

皐月 「ありがと!」スルッ(露になった指輪を抜き取る)

司令官「あっ! 何すんだ、その指輪はオモチャじゃないぞ!」

皐月「オモチャじゃない? ふぅーん」

皐月「えい」バキッ

司令官「まっ!」

皐月「……ふふふ、やっぱりプラスチック製の金メッキ。オモチャっぽい結婚指輪だね!」

司令官「っ、い、いや、普段はイミテーションを嵌めてるんだよ、無くさないように……」

皐月「そうなんだ! 本物を見せてよ司令官!」

司令官「え……ここには無い」

皐月「じゃあどこにあるの?」

司令官「家だよ、家……」

皐月「家のどこに?」

司令官「もちろん机の引き出しにだな」

皐月「なら、今から家に電話して、奥さんに携帯電話で写真を取って送ってもらえる?」

司令官「し、仕事中だ!」

皐月「ボクとキュアるんを見てくれるのは仕事なのかな?」

司令官「それは……あー……」



皐月「……もうわかってるでしょ? バレてるんだよ! 司令官が結婚してるっていうのは、ウソなんだってさ!」

司令官「うっ……!」

皐月「この一週間でしっかり調べたんだよ? 前に司令官と一緒だった艦娘にも確認したし、経歴の書類も確認したし!」

司令官「書類!? そんなもの、どこから……」

皐月「5年も艦娘をやってたらコネだってできるよ! 現場の艦娘が、指揮官のことを何も調べないと思ったら大間違い!」

司令官「……そもそも、なんで結婚がウソだってわかったんだ。俺がモテなさそうな顔をしてるからか」

皐月「あはははは! 何でわかった!? 何でわかっただってさ!! あはははははは!! 全然違うよ!!」

皐月「いい? ボクたち艦娘は元々が戦闘用の金属でできた艦船なんだよ? 毎日金属の塊な艤装のチェックをして、身に着けて、砲弾を装填してる!」

皐月「ボクたちがどれだけ金属に親しんでると思ってるの? 指輪を見たらすぐにわかったよ。金メッキだって!」

皐月「それにほら、この内側! メッキがはげてきてるでしょ? 嵌めたままにして、新しいのに交換しないから!」(ゴミ箱に指輪を捨てる)ポイ カラン

司令官「し、しかしそれだけじゃ……」

皐月「そもそも司令官が結婚してるなんて話にリアリティがないんだよね! ボクは司令官と一緒に過ごしてたからよーく知ってるよ! ヒマな時もずっと鎮守府に居る上で、滅多に家に連絡もしてないってさ!」

司令官「ぐっ」

皐月「それに……2年前にあの島で遺言を聞いた時も、結婚相手の話なんかしなかったよね? 艦娘かわいさに自分を盾にする司令官殿にしては、ちょっと奥さんに冷たいんじゃないかな?」

皐月「ためしに、子供がいるかどうかを聞いてみたら変な間があるし! もう、わからないほうがおかしいよね!?」

司令官「うう……」

皐月「で、金メッキがはげるくらい、ずっとニセモノの指輪を嵌めてたみたいだからピンと来たんだ! 司令官はずっとこのウソを、何かのために用意してたんだって!」

皐月「ついでに、自分の司令官さんに告白したボクの姉妹にも確認してみたよ! そうしたら、『指輪を見せられて、結婚している』って答が返ってきたって! とてもそうは見えないのに、ね!」

皐月「ついでのついでに確認してみたら、もちろんその司令官さんも結婚してない!」

司令官「……全部お見通しか……」

皐月「そういうこと! たぶん、提督はみーんな艦娘に告白された時のために、オモチャの指輪をはめて、結婚しているってウソを用意してるってことでしょ?」

司令官「……皆じゃないさ。一部の提督だけだよ」

皐月「へえー? 詳しく聞きたいな!」

司令官「……わかったよ。全部話す。しょうもない話だしな」

司令官「……艦娘と提督は職務上も立場的にも、艦娘との繋がりからも、恋愛関係が発生しやすい。それがこじれて問題になることがよくあった。惚れた腫れたは個人の自由っつっても、上司と部下だし、関係がバレれば他の艦娘との関係も悪化しがちだしな……。おまけに艦娘はみんな美人ときた」

司令官「そういう事故をなるたけ防ぐために、艦娘の提督以外の男性との交流機会を増やしたり、恋愛関係の発展を促進したりって涙ぐましい対策が取られたわけだが……それで100%艦娘の心情をどうにかできるわけもない。当たり前だな」

皐月「そっかー、それでボクの姉妹も……」

司令官「艦娘が提督に恋愛感情を抱いた結果をコントロールするための方策が必要だ。しかし、どんな方策が有効かを実証する、ってわけにもいかない……。で、そのいくつかを俺達は試させられているってわけだ」

司令官「その結果、俺や、皐月の姉妹の上司に当てられたのが、『既婚である』って設定さ」

皐月「……ふぅうーん……なるほどねえー。大体想像通り、かな!」

司令官「俺には縁の無い話だと思ってたんだが、まさか実際に使って、しかもその場で見破られるとはなあ」

皐月「司令官はバカだなー、こんなわかりやすいウソ、誰だってわかるよ!」

司令官「……一応初月と時雨は信じてるんだろ?」

皐月「二人とも慌ててたんじゃない? ウソつきで意地悪な司令官を知らないからさ!」

司令官「……全くお前ってやつは、全く……。そうだったな。そうだった。最初からそうだったよなあ、お前は」

皐月「………………」ニヤニヤ

――二年前 基地裏手の崖

司令官「あれは……まさか……! あいつ、何で!」

皐月「お待たせ! 新しい船だよ!」

司令官「お前! 何で……!」

皐月「話はあとあと! 乗って乗って!」グイグイ ポイッ

司令官「うおっ!」ゴロゴロゴロ

如月「あらあら、乱暴ね。……救出対象の乗船確認!」

睦月「了解! 睦月が先導するよ! みんなは後ろと横を……」

長月「……まて、敵の気配がする。皐月! 私と文月は北側に回る!」

文月「わかったー! 適当にかきまわすから、その間に脱出してー!」

皐月「うん! お願い!」

司令官「おい、無理をするな! 敵の数がどのくらいかも……」

長月「なに、この程度は何でもないさ!」

文月「そうそう、ご期待にはお応えするよ、司令官さん!」

司令官「なに?」

文月「『絶対に戻ってくるって信じてる』んでしょ? だったら、文月たちだって裏切らないもん!」

長月「そういうことだ。その言葉通り、信じて待っていてくれればいい……行くぞ!」

司令官「は!? ……皐月、お前!」

皐月「ほらほらあ、ハッパをかけた当人がおたおたしてちゃみっともないよ! どんと座って構えててよ、司令官さん!」

司令官(こいつ……! しかし今は)

司令官「……ああ、わかったよ……。その通りだな」

皐月「そうそう! それでいいんだよ! 強引に突破するから、しっかり掴まっててね!」

睦月「『睦月型ならできる』って言ってくれたんだから!」

如月「上手にしてあげなきゃ、女がすたるってものよね?」

司令官(くそ、皐月め! デタラメを……!)

皐月「じゃ、行くよー!」

―― 船上

(……そして、俺達は脱出に成功した)

(今は船に俺と救出部隊の全員を乗せ、当初の予定通り避難先の鎮守府に向かっている)

(意外……というか、異様なほどにすんなり行ったのには理由がある)

(一つは、皐月たちが何の連絡もないうちから新しい船と増援が用意され、こちらに向かってていたからだ)

(おかげで救出部隊は無謀な時間稼ぎの戦闘に入ることなく、島へと向かうことができたようだ)



操縦席の吹雪「うちの司令官は準備がいいんです」

操縦席の吹雪「そろそろあいつの悪運も尽きる頃だろう、って」

操縦席の吹雪「……必要とされてるってことですよ。それはちゃんとわかってください」

操縦席の吹雪「……軍に、っていうだけじゃないですからね。それもわかってくださいね」

司令官「…………」


(もう一つの理由は、救出部隊である睦月型たちの奮戦だった)

(俺が事前に読み込んでいたスペックから想定していたよりも、ずっと彼女たちの戦闘能力は高かった)

(艤装の性能に多少のハンデがあっても……いや、むしろその分だけ厳しい訓練を積んでいたんだろう)

(そして中でも、皐月の活躍は頭一つ抜けていたと言っていい)

皐月「みんな寝ちゃったね。ボクが上陸してる間も、ずっと海上で警戒していてくれてたから疲れちゃったみたい」

司令官「……そういうお前は平気なのか。お前こそ俺を庇って周囲を警戒しながら、散々走り回ってただろ」

皐月「まあねー。へへー。ボクが上陸した理由、わかってくれた?」

司令官「…………」

皐月「あれ? どうしたの?」

司令官「……起こしちゃ悪い。少し外で話そう」カンカン

皐月「はいはい」カンカン

皐月「もう夕方だねー。ほら、水平線に沈む夕焼け。ま、見飽きたけどー」

司令官「なぜ救出部隊に嘘をついたんだ」

皐月「あー、空あかーい」

司令官「……おい」

皐月「あはは、司令官を助けるためだよー」

司令官「俺は逃げろと言ったはずだ」

皐月「逃げたら司令官は死んじゃったじゃん」

司令官「言っただろ、俺は隠れると……」

皐月「陣地破壊用の爆弾をたくさん仕掛けてある島の、どこに隠れるって?」

司令官「逃げ込めるシェルターを用意していたんだよ。俺一人ならそこに……」

皐月「それは当初の計画で、今はそこにも爆弾がギッシリ」

司令官「な、なんで知ってるんだよ!?」

皐月「それはね! 調べたからだよ!」

司令官「どうやって!」

皐月「ふふふ、大規模かつ無茶な作戦には、元ネタが付き物!」

皐月「ずっと深海棲艦にリードされてた開戦当初に、この島に深海棲艦をわざと上陸させてから爆弾で吹き飛ばす作戦があったんだよね? 当時の艦娘の活躍でお蔵入りしたみたいだけど……」

皐月「今回の作戦はその再利用なんでしょ?」

司令官「……そうだ」

皐月「当時の作戦には避難用のシェルターはなかったよね。深海棲艦に陣地を要塞化させてから、まとめて吹き飛ばす予定だったから」

司令官「…………」

皐月「でも今回の作戦は、ギリギリまで島に人が残って敵をおびきよせる必要があった。そうしなきゃ、わざわざ深海棲艦も上陸してこないからね!」

皐月「対応として急遽設置されたシェルターだけど……そこに隠れても、仕掛けた爆弾が爆発して、更に砲撃も加われば最大限に見ても生存率は3、4割ってところ? 司令官さんは人間だしね」

司令官「…………」

皐月「そこでボクは合理主義者の作戦立案者さんなら、書類はそのまま、自分の判断で爆弾をシェルターにも仕掛けておくかも? ……そう考えて爆弾の数を数えてみたら、あら不思議!」

司令官「…………」

皐月「司令官さんは爆弾のことを知ってたから、ボクたちが戻ってきた時も脱出用の崖から移動もしてなかった。そうだよね? シェルターが使えないなら移動するのは無意味だし、ギリギリまで海が見えるところで、できるかぎり戦況を確認したかった!」

司令官「……最初から知ってたってわけか」

皐月「まあね。爆弾を仕掛けていたことは、この鎮守府の艦娘に確認してたよ。機密だったんだろうけど、司令官さんのことを死なせたくなかったんだねぇー。騙されたのに、けなげだなー」

司令官「…………」

皐月「『絶対に助けて』ってお願いされた。だからボクは全力を尽くした。みんなにも尽くしてもらったんだよ」

司令官「……それでお前達が死んだら、元も子もない」

皐月「………………」ガッ(胸倉をつかむ)

司令官「…………」

皐月「ボクは自殺させるために来たわけじゃないって言った」

司令官「自殺じゃない。俺は艦娘のために……」

皐月「…………」

司令官「……いや、そうじゃないな。俺が辛かったんだ。艦娘を戦わせて、死地に向かわせるのが……」

皐月「…………」

司令官「指揮官失格だな」

皐月「かもね。司令官さん……。ひとつ教えてあげる」グイッ

皐月「ボクたちは大事にされたら嬉しいけれど、大事にされすぎるのは辛いだけ」

皐月「この姿はボクの誇りだよ。生きている人を守って戦うために『生まれた』んだ。後悔はしてない」

司令官「……そうか」

皐月「そういうこと! 納得できないなら提督なんかやめたほうがいいよ! それがお互いのため! はい、この話は終わり」パッ

司令官「ああ……すまなかった」

皐月「いえいえお気になさらず、司令官殿!」

皐月「……そ・れ・よ・り・も、さ。もっと大事なことをボク達に言うべきなんじゃない?」

司令官「ん?」

皐月「本当は皆の前で言ってもらうべきなんだけど、でも、ちょっとくらい先払いしてもらってもいいよね? ボクも結構、頑張ったし!」

司令官「……そうか。そうだな」

皐月「さ、どうぞ!」






司令官「助けてくれてありがとう、皐月。死んでもいいと思ってたが、俺は……今はやっぱり、生きていてよかったと思えるよ」

皐月「うん……だよね!」






(その時の皐月の笑顔が……夕焼けを背にしたその顔が、今もずっと残っている……)




次回 最終回(かもしれません)

おつ

おつかーレ

おつおつ

――現在 執務室

司令官「お前は昔から、俺のウソをあっさり見破って……むしろ俺が騙される側だ」

皐月「そういう言い方はひどいんじゃないかな! ボクは司令官のどうしようもないウソを指摘してあげてるだけだよ!」

司令官「……皐月、怒ってるよな」

皐月「怒ってる!? 怒ってるだって! あはははは! 当たり前じゃん!」

司令官「……真剣に告白してくれたのに、俺はこんな上から押し付けられたウソでお前達をごまかして」

皐月「違うッ!!」

司令官「っ」ビクッ

皐月「ボクは……ボクはうぬぼれてたんだ」

皐月「司令官とたった2年過ごしただけで、ちょっとくらいは特別な存在になれてるはずだって……だから、エッチだって真剣に勉強したんだ。でも……!」

皐月「なのに、ボクは司令官にとっては子供で……こんなウソでごまかされて……そんな程度の艦娘だったってことだよね」

皐月「それが悔しい……!」

司令官「皐月……」

皐月「……いいんだ。司令官。ボクのことなんてどうでもよかったんだから。それならそれでいいんだ。ボクが勝手に怒って、八つ当たりしただけだよ」

司令官「……お前は、俺にとってどうでもいい相手なんかじゃない」

皐月「いいよ、気をつかわなくても」

司令官「……確かに俺はお前のことを子供だと思ってたな」

皐月「実際にそうだもんね。ボクは子供だから」

司令官「だから、俺のほうに準備ができてなかったんだ。焦って、何とかしようとして、安易なウソに飛びついてしまったのかな。……でもな」

皐月「……でも?」

司令官「俺は……」







「「ちょっと待ったーっ!!」」





初月「そこまでだ!」バアーン

時雨「話は全部聞かせてもらったよ!」ダーン

司令官「えええええこのタイミングで出てくる!?」

皐月「あっ、二人とも、もう入ってきちゃったの?」

司令官「は!?」

初月「皐月が司令官に本当のことを話させるから、扉の外で聞いていてくれと言われたが……!」

時雨「まさかこんな真実があったなんて! だまされたよ……!」

司令官「え、皐月? なんで二人を呼んで……?」

皐月「え? だって二人も司令官のことが好きだって言ってたから。本当のことを聞いてもらったほうがいいかなーって」

司令官「そうか! 皐月! お前やっぱり子供だったんだな!?」

皐月「むっ! またそうやって子供扱いする!」

初月「正直子供だと思う。皐月、お前は引っ込んでいろ」

皐月「何だとー!」

時雨「うう……テンション高く突入してみたけど……僕はちょっとついていけない……」

司令官「あのな、皐月、こういう話はな……もっとこう……なんというか……」

初月「いいか! 皐月! 恋愛は戦争以上に激しい生存競争。……一人と一人が残るまでの潰しあいなんだ(と少女マンガで言っていた)。それをわかっていないお前はまだまだということだ!」

皐月「えーっ! そんなことないよ! みんな仲良くしたほうがいいじゃない! 動画にも複数人数で一緒にっていうのが」ムグムグ(時雨におさえられる)

時雨「さ、皐月! もうやめよう、ね!」ガシッ

初月「司令官。……そういうわけなので僕たちにはまだ時間が必要だと思う」

司令官「あー……そうだな。そういうことにしよう」

皐月「むーむーむー!(司令官はまたそうやってごまかして先送りにする!) むーむーむー!(ボクのことなんかどうでもいいんだ!)」

時雨「皐月、焦ることはないから、ね? 僕たちもゆっくり大人になっていけばいいんだよ」ズルズル

初月「では、邪魔したな、司令官」ズルズル

司令官「あー、うん」

初月「それと……。もうウソはつかないでくれよ」

時雨「……本当にね」

司令官「……申し訳ない」

バタン

司令官「…………」

司令官「………………」

司令官「……………………とりあえず」スクッ

司令官「俺の夏休みは終わりだな。真面目に戦争を終わらせるとするか」




おわり

エピローグ



――二年前 新しい基地前

司令官「ここが新しい職場か」ザッ



司令官(作戦は成功した。激しく消耗した深海棲艦たちは、俺達の目論見どおり大きく前線を後退させたようだ)

司令官(そして基地を失った俺はこの小さな新基地への赴任を命じられた)

司令官(名目上は転任。実際は基地を失陥させた責任を取らされた、事実上の左遷……)

司令官(……と、いうのも建前で、実際は敵をわざと引き込んで基地を犠牲にする、そういう危険で無茶な作戦を表に出さないためのカモフラージュ)

司令官(あの戦いは、押し寄せる深海棲艦に対応できずついに防衛網を突破され、あわや本土への直接攻撃……。そうなるところを、かろうじて応援の艦娘の活躍と、島の自爆で、敵に損害を与えて撤退に成功させることができた)

司令官(そういうことになった。ま、俺が書いたシナリオだ)

司令官(市民は改めて深海棲艦に対する危機感を募らせ、華々しく戦い抜いた艦娘を賛美する。軍はこの教訓を活かすべきと主張し、更なる予算を獲得する……)

司令官(……そう都合良く行くかどうかはこれからの話だが)



司令官「……さて、新しい基地に新しい艦娘。また1からのスタートだな」

司令官「とりあえず、新人艦娘が来るまで、昼寝でも」ガチャ



「わっ!!」バッ



司令官「うおうっ!」ズサッ

皐月「びっくりした? こんにちは、司令官さん!」トコトコ

司令官「ああ、驚いたよ! まったく……! ……なんでここにお前がいるんだ」

皐月「それはボクがこの鎮守府の艦娘・第一号だから? こういうのも初期艦っていうのかな?」

司令官「なに? なんでお前が……」

皐月「さあねー。頼りない提督さんに、とっても頼もしい艦娘をつけてくれたんじゃないかなー?」

司令官「……あのな、この基地は管轄範囲に深海棲艦がほとんど出ていないんだぞ。単にこの地区に鎮守府がないのを不安がった住民に対する言い訳みたいな……」

皐月「それくらいわかってるよ。ちゃんと調べたからね」

司令官「……。じゃ、わかるだろ? お前みたいな優秀な艦娘はもったいない……」

皐月「……ああもう。決まったことをぐちぐち言っても仕方ないよ! ほら、荷物を置いてきなよ!」ドンドン

司令官「お、押すなっての! 全く、上は何を考えてんだか……」

皐月「あのさ、優秀な艦娘が着てくれたと思ってるなら、もっと喜んだらどうなの? 文句ばっかり言って!」ドンッ

司令官「お、押すな! お前だって言ってただろ、誰かを守って戦うために生まれたって! こんなところでその力を腐らせるのは……」

皐月「……ボクが腐るかどうかは提督次第! それは司令官さんの仕事!」

司令官「なんでこうなったんだ。俺は激戦区を務め上げて深海棲艦を吹き飛ばした褒美に、夏休みをもらったつもりだったんだがな……。給料もそんなに下がってないし」

皐月「夏休み? それなに?」

司令官「……そういや艦娘には夏休みはないか。夏はみんな、休めるものなんだよ」

皐月「みんなが休んだら深海棲艦に負けちゃうじゃん!」

司令官「……まあな。そりゃな」

皐月「それに、今は5月! 夏にはまだ早いよ」

司令官「わかったわかった」

皐月「適当なこと言ってないで、ちゃんと仕事ができるようにしよ」

司令官「二人だけで再スタートか……。早く新しい艦娘が来てくれるといいんだが」

皐月「とりあえず、何する?」

司令官「執務室。テレビを設置する」

皐月「え、真っ先に?」

司令官「録画してる番組があるんだよ。キュアるんとか」

皐月「きゅあるん?」

司令官「『Jeざす! キュアるん』。アニメだよ。見てないのか? 艦娘にもファンが多いな」

皐月「部屋にテレビは置いてなかったから……」

司令官「なるほどね。俺もそう真剣に見てるわけじゃない、が……。なら、鑑賞会と行くか」

皐月「ええ? 仕事は?」

司令官「初日に仕事なんかないだろ。艦娘も一人しかいない。訓練の準備だって出来てない。テレビを設置したらメシを作って、キュアるんを見て、寝る」

皐月「それじゃ、休みと変わらないんじゃ……」

司令官「言っただろ、夏休み……いや、5月だからゴールデンウィークだ」

皐月「ごーるでんうぃーく?」

司令官「簡単に言えば、5月も休めるってことだ」

皐月「休んでばっかりじゃん」

司令官「休みが不満なら、違う鎮守府に行ってもいいんだぞ」

皐月「むっ。そうやってボクを追い出そうとしても無駄だからね」

司令官「なんだそりゃ。じゃ、キュアるんに付き合え」

皐月「はいはい、わかりましたよ、司令官さん」

司令官「……その、『司令官さん』ってのも、今更ながら他人行儀だな」

皐月「なら、ボクの名前もちゃんと呼んでよね。『お前』じゃなくて」


司令官「じゃ……皐月」

皐月「うん。司令官」


司令官「……。司令官じゃ、あんまり変わらんな」

皐月「へへー。名前で呼んであげてもいいけど?」

司令官「それはまた今度な」

皐月「照れちゃって。今度っていつ?」

司令官「またいつか、だ……」





皐月(………………ねえ、司令官)

皐月(ボクはずっと、あの時から)

皐月(皐月って呼んでもらえたのが)

皐月(結構、嬉しかったんだよ――)


おわり



おつ
よかったぞ

おつでした
(えうーも待ってていいのかい?)

おつかれだでー

おつ
楽しかった

乙乙
もっと皐月流行れ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました
最初はさらっと終わらせるつもりだったのですが、いきあたりばったりで始めたため、
ラストがどうにもキマらず、何回も没にしてるうちにエタりかけてしまいました

結局のところは、読んでいただき、レスをしてくださったみなさまのおかげで完結させることができました
こういうフレーズ、いろんな本のあとがきに書いてありますが、作品を書くたびに、
ホントにそうだな リップサービスどころではない、マジな話だな と実感します

本当にありがとうございます

>>168
多素死病を終わらせないといけないので…その後に…多分…これもラストがキマらなくて
あまり期待せず忘れてお待ちください

おつおつ
きれいに終わった 完結おめでとう

おまけ

如月バースト


――某鎮守府

長門「睦月、少しいいか」

睦月「あっ……長門さん……。な、なんですか? 睦月にご用ですか?」

長門「少し相談したいことがあってな。というのも、最近、如月の様子がおかしい……妙に塞ぎこんでいる気がする」

睦月「そ、そう、かな? そんなことはないんじゃ……」

長門「いや、おかしい。それに、よく私の方をひどく暗い目で見つめているし……。私の部屋の扉に白百合や菊やカーネーションを貼りつけているところも見た」

睦月「そ、そんなことしてたの如月ちゃん!?」

長門「その上、一緒に出撃すると私の顔スレスレに砲弾を飛ばしたり、二本の魚雷の航跡の間に私を通したり……」

睦月「うわ……」

長門「私が彼女を怒らせてしまったのだろうか。思い当たることがなくてな。何か、心当たりはあるか?」

睦月「それは……あります」

長門「あるのか!」

睦月「でも、でも、睦月の口から言うのは……。睦月がちゃんと如月ちゃんに話しますから……」

長門「いや……私に原因があるなら、私から話したい」

睦月「そ、それは余計にこじれるからやめたほうが!」

長門「こじれても構わん! たとえこじれても、それは前進しているということだ! この長門、力づくで解いてみせる!」ズンズンズン

睦月「あっ、ちょっと、待ってー! 待ってくださーい!」ガシッ

長門「止めるな、睦月!」ズンズンズンズンズンズンズン

睦月「ううー全然とめられないー!」ズルズルズルズルズルズルズル

――如月の部屋の前

長門「如月、いるか! 長門だ! 話をしたい!」ドンドン

睦月「き、如月ちゃーん……? 睦月もいるから、あんまり危ないことはしないで、出てきてくれると嬉しいな……」

長門「………………」

睦月「………………」

長門「いないのか? いや、気配はする」

睦月「あの、やっぱり睦月から話をしたほうが……」

長門「気持ちは嬉しいが、それでは……」



「ナガトオォォォ!」ガシャーン



長門「!? 後ろかっ!」バッ

「シャアッ!」シュババッ ズオウッ

長門「くっ! フッ!」ブオン

「キイッ!」ヒュッ タタタッ

睦月「ああっ! 窓から飛び込んできた如月ちゃんが長門さんに襲い掛かって手刀を突きたてようとしたのを、長門さんが左手で防御し右手で反撃のフックを繰り出したけど、それを如月ちゃんが宙でとんぼをきって着地と同時に四つんばいで床と壁を蹴って天井にくっついて間合いを取った!?」

如月「シュウウウウ! ナガト……コロス!!」ズズズズ

長門「ぬう……もはや艦娘とも呼べぬ化生と成り果てたか、如月!」ジリジリ

睦月「や、やめて、如月ちゃん!」

如月「ケアアアアッ!」ダアンッ ゴウォッ

長門「うっ!?」ドォン ダアン

如月「殺(ト)ッタッ!」ヒュヒュッ

長門「甘い!」ガシッ グオッ

如月「ギッ!?」ググググ ドスッ ザクッ

長門「離さんよ! 終わりだッ!!」ブオンッ ドオオオオオオオン

如月「キハッ! キゃアああアああああっ! かはっ……」ガクッ…

睦月「す、すごい勢いで飛び掛った如月ちゃんが長門さんにぶつかって押し倒して、そのまま馬乗りになってトドメを刺そうとしたけど長門さんの腕に身体をつかまれて立ち上がられて透かされ、必死で逃れようと手指を長門さんに突き刺しても、離さない長門さんがパワーボムで如月ちゃんを床に叩きつけたっ!?」

如月「う、うう……」

睦月「如月ちゃん! 如月ちゃん、大丈夫!? 正気に戻って!」

如月「…………ずっと正気だけど」

睦月「……さっきの、正気でやってたの……」

長門「ふう……つつ。改二になっていなかったら……そして、指輪をもらっていなかったら危なかったかもしれないな」

如月「うっ!」

睦月「なんて念入りなトドメ!」

如月「うっ、うっ……ううう……うわあああああん! わあああああん!」バタバタ

長門「……睦月、どうしたんだ如月は」

如月「えーっとぉ……もう全部話しちゃいますけど、如月ちゃん、司令官のことが好きだったのに、長門さんが先に指輪を受け取っちゃったから、嫉妬と怒りでおかしくなって……」

長門「なに? そんなに如月は指輪が欲しかったのか?」

如月「欲しいに決まってるじゃない!! このクソ戦艦!! わたしの司令官をぉぉぉおおおお!!! わああああん!」

長門「落ち着け、如月。こんなものは所詮、儀式の道具だろう。大した意味があるわけじゃない」

如月「はああああ!? クソッ、これが司令官の本命の余裕ってわけ!? 殺す! 絶対に殺す!」

睦月「ああ、長門さんもうそのくらいで……」

長門「本命とは失礼だな。私は別に司令官の恋人でも妻でもない。付き合っている男は別にいる」

如月「えっ」

睦月「えっ」

長門「この間の艦娘交流会で出会った男性でな……。プロレスラーなのだそうだ。さっきの技も、実地でかけてもらって覚えたんだ(艦娘は頑丈なので平気なのだ)。まあ、海上では威力が出ないから深海棲艦相手には使えないんだが」

如月「だ、だって指輪!」

長門「だから、儀式用の道具だろう。ケッコンカッコカリというのは、婚礼を模して艦娘と提督の呪術的繋がりを強化する儀式で……」

如月「じゃ、じゃあなんで指輪をみせびらかして!」

長門「……指が太すぎて、手袋越しだときつくてな」

如月「ええ……わ、私の懊悩はなんだったの……」



睦月「…………」ユラリ



如月「あっ、むつ……」

睦月「……き・さ・ら・ぎ・チャン……?」ゴゴゴゴゴゴ

如月「ひっ、睦月ちゃんがこれまでになく怖いオーラを……ごめんなさいぃぃ」

睦月「……いいよ、如月ちゃん。許してあげる」

如月「ほ、ほんとう……?」

睦月「ずっと如月ちゃんが苦しんでるのわかってたから……呑み過ぎて暴れたことも、鎮守府におぶって運んだことも、その途中で睦月の制服に吐いたことも、翌日に全部忘れてたことも、その後また呑んで暴れて運んで吐いて忘れてを繰り返したことも……許してあげる」

如月「本当にっ、本当に申し訳ありませんでしたっ」

睦月「その代わり、今から司令官を呼んでくるから、ここで告白して」

如月「えっ!? む、無理!!」

睦月「無理じゃない! すぐやって! そしてこの窓と廊下と二人の惨状を説明して!」

如月「えええええ!!」

睦月「長門さん、如月ちゃんを抑えておいて! 司令官!! しれいかーーーーん!!」ダダダダダダ

長門「如月、ここが女の見せ所だ」ガシッ ガチッ

如月「うそーーーー! ちょっとーーーー! やだーーー! せめて、せめて身体を洗って服を着替えて下着を替えてお化粧をさせてえーーーー!」ジタバタ



如月バースト おわり

乙乙

解説役の睦月ちゃん

怒ったさっちん怖いけど素敵

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年05月30日 (火) 14:37:48   ID: -eLNUGkx

>>司令官「結局、大切なのは気持ちとコースとゴールなんだよ。
良いこと言いますねえ。

2 :  SS好きの774さん   2017年06月17日 (土) 19:17:48   ID: cfQcxn_d

皐月と一緒に寝てたら炉リ魂で無くても勃起不可避だろう

3 :  SS好きの774さん   2017年10月20日 (金) 16:01:47   ID: G3_R4lp3

はよ!!!はよおおおおお!!!!

4 :  SS好きの774さん   2017年11月02日 (木) 23:16:15   ID: VzIKFRwd

続けよーー

5 :  SS好きの774さん   2017年11月13日 (月) 23:00:19   ID: qe7BlTXs

尋問ブラックスギーーーwww

6 :  SS好きの774さん   2018年04月07日 (土) 23:16:55   ID: kZ5EMDW8

いいぞー!!!!

7 :  SS好きの774さん   2018年04月11日 (水) 03:10:57   ID: hbfNxB2V

えたるな続き

8 :  SS好きの774さん   2018年04月25日 (水) 18:43:41   ID: 3qWVVUrr

ピルクル飲んでる皐月かわいいwwww

9 :  SS好きの774さん   2018年06月07日 (木) 21:26:16   ID: kL-T3DyW

これの何が面白いんだ?

10 :  SS好きの774さん   2018年06月17日 (日) 15:17:36   ID: LPQaHwux

端的に言って、最高…… 睦月如月コンビ良スギィ!!

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