提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めるぞ」
提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めんぞ」 - SSまとめ速報
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【艦これ】武蔵がチャリで来た
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加賀「乳首相撲です」
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【艦これ】ウンコマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡)
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時雨「流れ星に願い事」
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【艦これ】居酒屋たくちゃん~提督のクソ長い夜~
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磯風「蒸発した……?」
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【艦これ】加古ちゃん空を飛ぶ、めっちゃ長く飛ぶ、すごい
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鈴谷「うわ不思議の国こわい、キモい」
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最 終 回 延 期 の お 知 ら せ
三か月半掛けてもシリアスが書き終わらないので仕方がない、仕方がないんです。僕は悪くない
・提督の表記は『( T)』になっています。マスク超人です
・下ネタイエイ
・提督はドウェイン・ジョンソン並みのマッスルです
・ワイルド・スピード アイスブレイク 4月28日公開
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス 5月12日公開
・ローガン 6月1日公開
・恋愛物が読みたいというご意見があったので、今回はスケベな作品になりました
・ちなみに僕は恋愛物が書けません。でもスケベです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493211800
( T)「シッ!!シッ!!」 ※めっちゃ迸る漢特有の熱気と汗
ダンベルシュラッグの最中にすまないが、悩みを聞いてくれ兄弟
は?忙しい?どう見ても暇だろわかってんだぞスマホかチンコくらいしか弄るもんねえ癖に
美女と野獣観に行く?早く映画館行けよ俺の悩みなんか聞いてる場合じゃねえだろバカか
ディズニーが誇る不朽の名作、遂に実写化。俺たちのガストン大活躍!!
エマ・ワトソン主演『美女と野獣』は大ヒット上映中だ!!!!!!女房を質に入れる準備は出来たか!? (ノルマ達成)
( T)「フゥー……」ガチャン……
はい、んで、最近になって叢雲が『そろそろ潜水艦も導入しない?』っつったから、新入りが二人増えたんだよ
いやうん良い子界の帝王たる超絶かわいいまるゆがいるのはわかってるけど、正直な話戦闘向きじゃないしさ
で、一体誰が入ったかと言うと
―――――
―――
―
ヒトミ「よろしく……お願いします……」
( T)「声ちっさ」
イヨ「お願いっしゃーす!!!!!イエイ!!」
( T)「声でっか」
―
―――
―――――
双子の伊号潜水艦娘、ヒトミとイヨだ
『タンタンの冒険』のデュポンとデュボンみたいに見た目そっくりだけど血が繋がってない他人とかそういうアレじゃないらしい。世の中って不思議やね
まぁ黒づくめのちょび髭お間抜けICPOコンビはどうでもいいんだよ。悩みっつーのは
( T)「ハァ~~~~~~~~~~……どうにかならねーのかあの恰好~~~~~~~~~~……」
やたら性的なあの格好だ。デザインした奴の顔が見てぇ。は?しずまよしのり?誰だよそいつとんでもねえド変態野郎だな
兵士は女、司令官はほぼ男とかいう特殊な軍系統。余所の鎮守府じゃあ情事が日常茶飯事らしい
結果、艦娘との関係が拗れ、組織として体を為さず壊滅しただなんて話もしょっちゅうだ
故に司令官という立場の人間は確固たる自制心を持ち続けなければならない。一時の欲に溺れるような野郎は早々に身を亡ぼすからな
かく言う俺もモロチン漢(マッスル)なので、そういった欲が無いわけではない。英雄、色を好むとも言うし
しかし色を好んだ結果、悲惨な結末を迎えた英雄譚は腐るほどある。お前らの事を言ってんだぞFate円卓勢特にランスロット
故に俺は提督として着任して間もない頃、性欲を極限まですり減らす特殊な訓練を受け、今の今まで問題を起こさず過ごしてきた
ホモとかなんだとか好き勝手言ってくれてるが、こういう隠れた努力が円満円滑な組織を作るのだ。見習え俺を。そして崇め奉れ
だがごく稀に、自制のタガが外れそうになる瞬間がある。男性の皆さんなら誰もが遭遇する
そう、アレ、疲れてる時にチンチンが暴れ出すヤツ。意思とは裏腹に『ぐ……治まれ……』ってなるヤツ
そのアレが、つい先日来やがった。ありゃ確か三徹した後くらいだったな
フラァーっと司令室に顔覗かせやがったへべれけのイヨを見た時、こう、ムラっと
もしラッコの肉を煮てる最中だったら流石の俺も相撲取らざるを得なかった
リビドーを意識した瞬間、太腿にボールペンをブッ刺して事なきを得たが、ホンマ久々にやべえと思ったんだよ
そもそも何だよあの恰好スク水に謎の胸部分切り抜いたセーラーってマジ意味わかんねえよ最初に見た瞬間に脳が理解を拒んだよ
多分金剛が同じ格好しててもピクリともしないんだろうが、何もうあいつらの……あの……まぁいいやもう大体解るだろお前らなら
( T)「どうにかしてもらわないとなぁ」
寝て起きて仮面ライダーアマゾンズ観たら治まったので今はどうってことないが、いつあの危ない感情が湧き出るかわかったものではない。男って本当にバカ
俺の心と鎮守府の平穏の為に至急対策を取るべきではないだろうか?どう思いますか皆さん
( T)「でも今はオデッセイ観ながら筋トレをしよう」
オデッセイは凄い。火星でウンコからジャガイモを栽培するところが凄い。ウンコで命を繋いだと言っても過言では無いだろう
つまりオデッセイは実質ムカデ人間。トム・シックス監督の影響力はハリウッドでも留まることを知らないな
( T)「ん?」ピッ
ふと、映像を一時停止させる。気になる物が目についたのだ。それは、火星で野外活動をする主演マット・デイモンの恰好だった
( T)「こ……これだーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」ダッ!!!!
なんてこった、映画の中で悩みの答えを見つけちまった
俺は居ても立ってもいられなくなり、自室を飛び出し工廠へと走った
【工廠】ウィイイイイイイイダバダバドゥ!!!!
( T)「明石えもん!!!!!!!オデッセイでマット・デイモンが野外活動する時に着てる服作って!!!!!!!!!」バァン!!
明石「はい?え……はいぃ?」
明石に、オデッセイでマット・デイモンが野外活動する時に着てる服を作ってもらう為に
.
『ヒトミとイヨの恰好がスケベなので宇宙服を着てもらう。泣いて喚いても無理やり着せる。ふんぬと捻じ込む』
.
明石「頭」
( T)「可笑しくない。常時まとも」
明石「そもそも何ですオデッセイでマット・デイモンが野外活動してる時に着てる服って?」
( T)「ほらあの……ちょっと言葉が出てこないんだけど……真空である宇宙空間で人間が酸素を吸いながら活動する為に作られた……」
( T)「バズライトイヤーが着てるような……ヘルメットついたゴテゴテの服……」
明石「宇宙服」
( T)「それだ」
明石「いや文章の中に答えとなるパーツが入ってるのにどうしてパっと出てこないんですか?記録回路の故障ですか?修理します?」
( T)「そこはせめて脳の老化とか人間らしい原因追及をしてほしかった」
明石「人間……?」
( T)「しばくぞ」
明石「それで、宇宙服ですか?火星にでも入り用で?」
( T)「ヒトミとイヨの普段着にする」
明石「やっぱり頭」
( T)「可笑しくない」
明石「普通の頭で宇宙服を普段着にするなんて発想は出てきません。はい論破」
( T)「お前は何を基準に『普通』を判断してるの?お前の普通は余所じゃ異常かもしれないんだぞ?」
明石「うわっめんどくさ。冷やかしなら余所でやってください」
( T)「真面目な頼み事なのに!!!!!!」
明石「ならNASAにお願いしてきてくださいよ……」
明石「そもそも宇宙服って幾らするのかわかってます?」
( T)「4980円?」
明石「そんなユニクロプライスじゃないです。調べてみてください」
( T)「オッケー、グーグル。『宇宙服 値段』」
明石「うわ音声検索機能使ってる人初めて見た」
( T)「……」
明石「出ました?」
( T)「十億五千万……」
明石「ユニクロの服、何着買えますかねぇ」
( T)「ロト6当てても買えねえじゃんwwwwwwwwだから作って」
明石「無茶を言わないでください。そもそも、どうしてヒトミちゃんとイヨちゃんに宇宙服を着せようと?」
( T)「俺が年端もいかねえ少女を犯すような見下げ果てたクソ野郎にならないためだ」
明石「……つまり?」
( T)「あいつらの装いに性的興奮を抱いてしまった」
明石「露骨なノンケアピールですね」
( T)「ずっとノンケを主張してるのにこの扱い」
明石「はいはいノンケノンケ……」
( T)「……」
明石「……」
明石「……えっ、マジですか?」
( T)「だから真面目な話だっつってんのに」
ここまで話してようやく明石も本腰入れて聞く気になってくれた。どこまで浸透してんだよ俺のホモ疑惑は
明石「そりゃまた……へぇー、提督も人の子だったんですねぇ」
( T)「太腿にボールペンブッ刺すくらい深刻な問題なんだ」
明石「自分を律し過ぎでしょ。それほど強い衝動だったんですか?」
( T)「一瞬軽くムラついた程度だけど」
明石「自分の性欲に厳しすぎるこの人。姿を見る度に太腿にボールペンブッ刺してたらドン引き所の話じゃないですけど」
( T)「いや本当にぶっ倒れるくらい疲れてる時限定だけど。三徹した時とか」
明石「そこまで自分を追い込まないとムラつかないのもドン引きですね」
( T)「マッチョは基本ストイックだから」
明石「理性まで筋肉で凝り固まってるんですねわかります。ですがそこまで限定的で、軽い衝動なら別に問題ないのでは?」
( T)「司令官が兵士たる艦娘に欲情したことが既に大問題なんだよ。例えそれがどんなシチュエーションでも」
明石「頭まで固い。まぁー……そうですね、特にこの鎮守府はその辺の心傷抱えてる子も少なくは無いですし」
( T)「もし俺が万が一間違いを犯しそうになったら迷いなくぶっ殺せと全員に伝えてるしな」
明石「そんなゆるゆるの制約を課しながらよく今まで殺されずに生きてきましたね。しかもこんな女所帯で」
( T)「俺は俺のマッスルに恥じない生き方をしているだけだ」
明石「それで、そのマッスル(笑)とやらが揺らいで正直しんどいと?」
( T)「趙高になることも一瞬考えるほどに」
明石「趙高……? ああ、馬鹿の語源を作った秦の宦官……と言う事は、去勢を?」
( T)「流石に踏み切れなかった」
明石「一瞬ムラついただけでどこまで思い詰めているんですかアナタ」
明石「言い分はわかりました。提督なりに真剣に考えた結果なんですね」
( T)「うん」
明石「それを踏まえても宇宙服は無いです」
( T)「無情」
恥を忍んで胸中を打ち明けたのにどうして宇宙服作ってくれないんだこいつ。そんなに俺が嫌いなのか?
俺がマッスルだからって妬んでるんじゃないのか。あーやだやだ。筋肉が無い奴はこれだから
明石「別に宇宙服じゃなくてもいいじゃないですか。そりゃ、緊急時に備えて艦娘は制服の着用を常時義務付けられてますけど」
明石「ぶっちゃけ上からジャージでも着せればそれでオッケーでは?」
( T)「なんでお前俺の性癖を突くようなチョイスしてくるんだよ」
明石「……ジャージ萌え?」
( T)「首を縦に振りたくねえ~~~~~~~……なんだよこの羞恥プレイ~~~~~~~……」
明石「提督って確か好きなFGOのサーヴァント……」
( T)「ゴールデンとレオニダスだよ」
明石「女性限定で」
( T)「ヒロインXとXオルタ」
明石「直撃じゃないですか……」
( T)「だからもう宇宙服しかねえなって」
明石「いやいや待ってくださいよ。宇宙服来て緊急時に出撃出来ないでしょう?」
( T)「出撃出来る奴を作ればええんや。はよツカツカンパッパァーンって作れや」
明石「ええ……無茶振り過ぎる……」
( T)「そもそもお前アレだよ潜水艦娘だぜ?基本酸素のない水中を移動するんだから宇宙みたいなもん……」
( T)「……」
( T)「宇宙服じゃなくてもよくない?」
明石「さっきからそう言ってるじゃないですか何なのホントこの人……」
( T)「潜水服にしよう」
明石「まだマシですけどそれも日常で着るような服じゃないですよね?ウェットスーツですか?」
( T)「だからお前はなんでさっきから俺の性癖を攻め立てるの?」
明石「知りませんよ……じゃあ潜水服って、古典的なあの……?」
( T)「バズライトイヤーが着てるようなやつ」
明石「宇宙服と殆ど変わらない……」
( T)「オッケー、グーグル。『潜水服 値段』」
明石「それだとウェットスーツしか出ないんじゃ……」
( T)「あ、本当だクソ。まぁ宇宙服よか安いだろ……」
明石「値段の問題じゃなくてですね……」
( T)「武器人間」 ※ムカデ、Mr.タスクと並ぶ三大人体改造映画
明石「うっ」
( T)「アイアンマン、バイオショック」
明石「そ……そそのかされませんからね!!」
( T)「デッドスペース」
明石「チクショウ三日で仕上げてやりますよ!!!!」
エンジニアってチョロい。改めてそう思った
明石「卑怯ですよロマン溢れるパワードスーツや人体改造関連のワードを並べるのは……」
( T)「つーか三日ってはえーなオイ」
明石「訳ありで製作中のオモチャがあるんです。後はちょいと手を加えるだけですよ」
( T)「えっ何それ俺知らない」
明石「ほら、作業の邪魔になるから出てった出てった!!」
明石はグイグイと俺を工廠から押し出す。正体不明の発明品に不安が湧き上がってくる
明石「それと、提督の分には余計な機能いくつかつけますからね」
( T)「お、俺の分?いらないんだけど」
明石「元々提督に着せるために用意してたものなんで、ヒトミちゃん達のはついでですついで」
( T)「なんかもう嫌な予感しかしn」
明石「では三日後に!!」バァン!!
( T)「取り付く島もねぇ~~~~~~~~~~~~……」
何か盛大なフラグが立った気しかしないが、お願いしている立場なので強く拒否することも出来ない
技術屋としての腕は確かなので、爆散して死ぬとかは無いと思うが心配だ
( T)「ともかく、三日後か」
もしかしたら三日も経ったらもう何も感じなくなってる可能性が無くも無いが(特殊な訓練を受けているので)
転ばぬ先の潜水服。あるに越したことは無い
( T)「オデッセイ観よ」
俺は筋トレしながらの映画鑑賞に戻ったのであった。オデッセイは凄い。ウンコで命をt
【明石さん潜水服開発中……】
( ^ω^) (T;) ※内藤ホライゾンに遭遇し、余りに隙の無い佇まいに思わずたじろぐ提督
司令官はですね、
基本的には日本の、鎮守府といわれる地域に過ごしていまして、
若干ゃ敵が、生えているところなので、
そういったところで戦いやすいようにマッスル、あの、力強い個体で。
であと腕も太いので、遠くの敵を狙えるように。
筋力ぅ…ですかねぇ…
重い物を、スッと、持ち上げる動物でして、
結構重い物が好きなので、
軽々と百キロ二百キロは余裕で持ち上げてくれますね。
じごくのちみどろまっするちんじゅふ あおばおねえさん(にほん)
【明石さん潜水服開発中……】
.
―――――
―――
―
三日後である
( T)「限界を超えて行け(ビヨンドマイセルフ)……!!」
(#T)「ンーハァッ!!」ビシィ!!
日課の360㎏デッドリフトを行ってる最中すまないが、進捗を聞いてくれ兄弟
出来たらしい、潜水服が。頼んどいてなんだが若干忘れてたし、正直もういらないんじゃないかとも思ってる。慣れって凄い
( T)「ヌゥン……」ドゴォン……
そしてこのデッドリフト。バーベルを地面から持ち上げるだけの簡単なトレーニングだが
筋トレビッグ3に入るほどの最高の疲労感と筋線維の破壊を味わうことが出来る
主に背筋と足を鍛えられ、ヒップアップにも効果がある。ただし腰を痛めやすいので初心者は軽重量から始めような!!
( T)「よし、行くか」
渓谷のように深いカット(筋肉と筋肉の間に出来る切れ込み)の汗を拭き、体を冷やさないように上着を着て
俺専用のトレーニングルームを出た。筋トレのお供はもちろん映画。今日は遊星からの物体Xを観た。血管系のグロって本当にキツい
( T)「今度は火炎放射器も作ってもらわないとな……」
遊星からの物体Xのクリーチャーなんだが、血液が他者を乗っ取り擬態して数を増やすってマジ意味わかんない。地球外生物めっちゃキモい
唯一倒す方法が火にくべて一滴残らず蒸発させるしかないってのがちょっとマジ無理。関節技効かないバケモノ怖い
( T)「スマン待たせた」
ヒトミとイヨには予め約束を取り付けてあり、食堂集合と伝えていた。ちょっと遅れちゃったぜ
イヨ「おそいよ提督~。一本開けちゃうところだったじゃないのさ~」
ヒトミ「ダメよイヨちゃん……大事なご用事かもしれないのに……」
( T)「いや、ほんと全然大したことないから」
詳細はもちろん伝えていない。サプライズって付け加え解きゃなんでもこう高揚するだろ?
そのワクワク感が詳細を知った後も続くかどうかはさて置いて、悪い気はしないだろ?ん?
イヨ「何々?呑みに連れて行ってくれるの?んっふふー」
( T)「そりゃまた今度な。工廠へ向かうぞ」
しかし、改めて近くで見るとやっぱりこいつらの恰好はヤバい。こんなん犯罪やん……
慣れたと思ったけど気のせいだった。数分前の慢心した俺を殴りたい
ヒトミ「開発?それとも、建造でしょうか……?」
( T)「その辺も全く関係ない。ウチ基本建造しないしな。まぁ着けばわかるよ着けば」
ヒトミ「はぁ……」
イヨ「姉貴姉貴、工廠に着いたら閉じ込められて、大勢の男に囲まれてたらどうする?」
ヒトミ「イヨちゃん……」
イヨ「じょ、冗談だって!!そんな泣きそうな顔すんなよ~!!」
そんな冗談なんて軽く超える現実が待っているとも知らないイヨはとても呑気だ
ある意味ドッキリを仕掛けるような立場にある俺は、若干楽しくなってきたのであった
( T)「よう明石!!例の物は!?」
明石「来た来た。ちゃあんと完成してますよ」
工廠にはベールに包まれたデカい何かが鎮座している。本当に三日で仕上げてきやがった
イヨ「酒樽!?密造酒!?」
( T)「んなわけねーだろ。見せてくれ」
明石「はいはい。本邦初公開、これが明石特製……」
ベールが取り除かれる。現れたるは大きめの潜水服一着、そして両脇には艦娘サイズの潜水服二着
メット部分は一昔前のアンティークなデザインをしており、視界がとても悪そうに見えた
そして何より、恐らく俺の物だと思われる大きめ潜水服の右腕がドリルになっているのがとても気になる
スプライサーとでも戦わせるつもりなのだろうか。俺達は今からラプチャーに送り込まれるのだろうか
明石「提督及び伊号潜水艦娘用潜水服、『水中で息しながら海底を歩ける君』です!!」
( T)「名前そのまんまかよ」
ネーミングセンスの無さに呆れながら、チラリと潜水艦姉妹の様子を伺う
イヨ「????」
ヒトミ「????」
まぁ、そうなるわな
( T)「サプラーイズ」
イヨ「何が!?説明は!?」
押し切れるかと思ったけどやっぱり無理だった。サプライズは万能な言葉じゃなかったのだろうか
( T)「お前らの普段の恰好がどうしても刺激的だからこの潜水服を普段着にしてもらおうかと思って……」
イヨ「ごめん、説明聞いてもわからない。イヨが理解出来る範疇を超えてくる」
明石「ですよね」
イヨ「こんなゴテゴテした普段着聞いたこと無いよ!!何考えてるのさ!!」
( T)「いや俺は止めたんだよ?でも明石が」
明石「おっと、息するかのように嘘を吐くのはやめてもらえないでしょうか?」
イヨ「うー、姉貴もなんか言ってやりなよ!!」
ヒトミ「素敵……」
イヨ「えっ」
( T)「えっ」
明石「えっ」
ヒトミ「これ……着ても、いいんですか……?」
イヨ「えっ、ちょ、姉貴マジ?マジなの?」
イヨの反応は予測できたものだったが、ヒトミの反応は意外だった
うるせえ妹とは違って大人しい子だからめっちゃ引くかなと思ってたがまさかの乗り気
( T)「やるやんけ……」ゴクリ
俺はこの瞬間、彼女の中に素質を見た。そう、俺や不知火や早霜と同じ、トラウマ映画愛好家としての素質を……
( T)「ヒトミ、今度映画観ような?な?」
ヒトミ「えっ? と、あのっ……はい、喜んで……」
明石「辞めといた方が無難ですよヒトミさん。とんでもないトラウマ植え付けられますよ」
ヒトミ「!!」
イヨ「ちょっと、人の姉に何観せる気なんだよ」
( T)「お前も観ような?もしかしたら、もしかするかもしれないし」
イヨ「待って急にこの人恐くなってきた……」
明石「やめて差し上げなさい」
さて、お喋りはここまでにして本題へと戻ろう。心なしかさっきよりウキウキしてるヒトミはさて置いてだ
( 【◎】)「よっこら」ガポッ
新キャラじゃないぞ。これは潜水服のヘルメットを被った俺だ。よろしく
見た目通りこの潜水服、かなり重い。俺がマッチョじゃなかったら一歩も動けないレベルだ
イヨ「とりあえず付き合ってあげるけど、普段着には絶対にしないからね!!」
文句言いながらイヨも着てくれた。あいつらの潜水服は艤装ごと着こむタイプとなっているため
人間である俺よりも重量を感じずに動けるらしい。水上艦と比べ小型の艤装である潜水艦娘ならではだと明石は語っていた
明石「こうして発明品が実際に運用されるのを見るとワクワクしてきますね」
( 【◎】)「このドリルは何に使うんだよ」
明石「スプライサーに襲われた時にこう、突進しつつグチャグチャにする武器です」
( 【◎】)「やっぱりビッグダディじゃねーかwwwwwwwww」
明石「好きでしょこういうの?」
( 【◎】)「大好きだよ」
余計な機能がこれだとするなら男の子心的に大正解だ。いい仕事してますねぇ
明石「コンセプトは『主力、ビッグダディ提督をサポートする潜水艦娘姉妹』です」
ヒトミ「サポート……?」
イヨ「そもそも何を想定して作られたのこれ」
ヒトミとイヨも装着を完了している。すげえ、露出度ゼロじゃん
こんなの絶対性癖上級者じゃねーと興奮しねーよ。大成功だ、後はこれを日常的に着てもらうだけで
明石「いえね、実は青葉さんから鎮守府近海に関するとある情報を頂きまして」
( 【◎】)「あっもう嫌な予感しかしない。訳ありってのはそれか」
明石「ええ。お正月に書庫の整理をした時にですね、ここが普通の……普通?まぁ普通でいいでしょう」
( 【◎】)「普通とは」
明石「普通の漁村だった頃の伝承を記した古文書が出てきまして、青葉さんがこっそり解読してたんですけど」
( 【◎】)「報連相って知ってる?」
明石「その結果、鎮守府近辺の海底に祠が眠っているのが判明して、どうにか提督を騒動に巻き込む形で調査できないかと」
( 【◎】)「めっちゃ悪質な相談で出来上がったのはわかった。とりあえず青葉はしばき回す」
明石「はい私お咎め回避!!良かった良かった!!」
( 【◎】)「クソ、俺の相談が無けりゃ今頃神威の断頭台決めてたってのに」
イヨ「あのさー、盛り上げってる所悪いんだけど、海底の調査するならイヨ達は普通にやった方が良いんじゃない?」
ヒトミ「イヨちゃん」
イヨ「はい?」
ヒトミ「普通じゃ……面白くないでしょ?」ニコォ
イヨ「提督ゥ!!昔の姉貴を返してよ!!」
( 【◎】)「知らん知らん」
明石「遊ぶついでにちょっと調べるって認識でいいですよ。新鮮でしょ?こういうのも」
イヨ「う、ま、まぁ、そう……そ、そうだね!!前向きに行こう!!イエイ!!」
( 【◎】)「半ばヤケクソじゃねーか」
イヨ「誰の所為だと思ってんの!?」
( 【◎】)「青葉」
明石「いえ、提督からの相談がなければお二人の分まで作らなかったですよ?」
( 【◎】)「今度余計なことを言うと口を縫い合わすぞ」
ヒトミ「相談って、あの……私たちの恰好が刺激的だからって……」
( 【◎】)「この話やめよう」
イヨ「明石さん、この鎮守府って提督に襲われそうになったら殺していいんだよね?」
明石「ご本人がそう明言していますからねぇ」
( 【◎】)「おう遠慮なくぶっ殺せ。恥を抱えて生き長らえるくらいなら死んだ方がマシだ」
イヨ「提督の悩みは、大体察しがついたよ。いやぁ、ゲイだって聞いてたからイヨ達も気を抜きすぎてたね。ゴメンゴメン」
( 【◎】)「ご理解戴けて助かる。じゃあ普段着に」
イヨ「しねーよそれとこれとは話が別じゃん」
( 【◎】)「チクショウ」
ヒトミ「私は別に……」
イヨ「姉貴は黙ってて」
ヒトミ「(´・ω・`)」ションボリ
明石「まぁまぁ、この件に関しては後々妥当案を決めていけばいいじゃないですか」
明石「そもそも、過労死一歩手前まで追い込まないと提督はその気にならないという条件がありますしね」
イヨ「男の人ってみんなそうなの?」
( 【◎】)「多分その認識で余所行ったら何十人もの提督を殺さないといけない」
イヨ「提督は普段どうなの?」
( 【◎】)「今ここで元気に生きてるのを見て察しろよ」
イヨ「やるじゃん!!この調子でよろしく!!」
ヒトミ「(´・ω・`)」
ヒトミ「(´^ω^`)」ニコォ
イヨ「ほら、姉貴もニッコリ」
( 【◎】)「それセリフとしてどう機能してんの?大丈夫?壊れてない?」
明石「では話もまとまったところで、早速調査の方に向かってもらいましょうか」
明石「余計な機能面も海中で実際に使用して貰えばわかりやすいでしょうし」
( 【◎】)「その辺は不安しかねーよ」
【海】ドドッド!!!!!
( 【◎】)「お前らの露出度減らす話だったのに、いつの間にか海底の調査をすることになった件について」
ヒトミ「晴嵐も持って行った方が……いいでしょうか……?」
( 【◎】)「明石ー、発艦できる?」
明石「無理ですね」
ヒトミ「(´・ω・`)」シンボョリ
イヨ「姉貴それ気に入ったの?」
古文書に記された祠の場所は、出撃場からちょっと行った所にあるらしい
割と近いのに何故今まで誰も気づかなかったのだろうか?これはもしやキャビン案件じゃないのか?
鎮守府の地下に謎のクトゥルフ神話生物を幽閉していて、そいつを楽しませるために人為的に用意されたステージなんじゃないのか?
明石「一応、それぞれの潜水服にワイヤーを繋げています。万が一の際はこれで引き揚げますからね」
明石「それと、余計な機能のリモコンスイッチはそれぞれヒトミちゃんとイヨちゃんが握っています。好きな時にポチって下さい」
イヨ「こう?」ポチッ
明石「あっそれは」
:( 【◎】):「んんんんーーーーーーーーーぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」ビクンビクン!!
イヨ「!?」
ヒトミ「!?」
明石「あー、あの、提督の乳首の感度を三千倍にするスイッチでして……」
:( 【◎】):「いいからとめんほほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」ビクンビクン!!
ひぎいいいいいいいいいいい乳首から脳みそどげるううううううううううううううううう!!!!!!
( 【◎】)「ハァ、ハァ……ゲッホ、ハァ……」
イヨ「……」
ヒトミ「……」
明石「ど……どうでした?対魔忍レベルの感度になった感想は……?」
( 【◎】)「殺す」ウィイイイイイイイイン!!
明石「ドリル待ってドリル待って死にますから!!ごめんなさいどうしても反応を見たくて!!」
( 【◎】)「なんでこんなもん開発してんだ殺す」ウィイイイイイイイイイイイイイン!!
明石「人間の快感に対する限界が知りたくてごめんなさい!!」
イヨ「こ……怖い……よがり狂う提督怖い……」ガタガタ
ヒトミ「イヨちゃんイヨちゃん」
イヨ「な、何?」
ヒトミ「お姉ちゃんにもそれ……やってくれない……?」ワクワク
イヨ「やめてよ姉貴の痴態なんてもっと見たくないよ!!」
( 【◎】)「全く、マジで余計な機能つけやがって」
明石「はい……サーセンっした……」
( 【◎】)「もう一発欲しいか?」
明石「大変申し訳ありませんでした!!」
ドリルは流石にグチャグチャになるんで、拳骨一発で済ませてやり、いよいよ潜水開始だ
( 【◎】)「よっと……」ザブザブ
浅瀬から足を踏み入れ、海水を掻き分けて進んでいく
潜水艦姉妹も後ろから着いてきているようだ。トラウマになるようなモン見せてごめんなイヨちゃん
あと言い忘れてたけど俺ら無線で会話してるぞ。テレパシーとかじゃないよ。マッスルなのでやろうと思ったら出来るけど
明石『海底の様子はヘルメットに搭載されたカメラでこちらからも確認できます。貴重な資料にもなるんで、しっかり撮って来てくださいね』
( 【◎】)「うるせえ」
明石『謝ったじゃないですか……』
明石は地上からの無線連絡とモニタリングを担当している。あいつの私物である重要な機材全部謎の不具合で潰れちまえばいいと思った
イヨ「っとと、歩きづらいね……姉貴、大丈夫?」
ヒトミ「大丈……キャッ!」バシャアン!!
ヒトミが派手にすっ転ぶ。動きづらい装備で岩場を歩いているため不安定極まっているのだ
( 【◎】)「よっせ、気をつけろよ」ヒョイ
ヒトミ「はい……ご迷惑をおかけしてすみません……」
イヨ「いやヒョイって助け起こしてくれたのはいいけど、イヨ達艤装も付けてるから今めっちゃ重いよ?どうなってんの提督の力?」
( 【◎】)「常識を覆すのがマッスルだ」
( 【◎】)「おっと、ここから急に深くなるな。気ぃつけろよ」
イヨ「イヨらはもう頭まで水に浸かってるからもうどってことないんだけど」
( 【◎】)「えっ、うわ本当だ背ぇ小さっ」
イヨ「提督がデカいんでしょ」
今の海面は俺の(たくましい)胸辺りまでだが、一歩先は三メートルくらいの深さになっている
底が見えないことはないが、薄暗く不気味だ。降りたら二度と上がってこれなさそうな……
( 【◎】)「深い……こわい……」
イヨ「はいドーン!!」ドン!!
( 【◎】)そ「押すnんああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」ジャンボォォォ!! !
後ろから艦娘の馬力で押され、心の準備も出来ず足を踏み出してしまう。ちょっと泣いた
ゆっくりと沈みながら、海底に着地。息を吐きだすとゴポリと排気口から空気の球が舞い上がった
ヒトミ「提督っ、大丈夫ですか……?」
( 【◎】)「ちょっとびっくりしただけだ」
イヨ「これくらいでビビんないでよー。イヨらからしてみればこんなの深い内に入んないよー?」
( 【◎】)「人間は日常的に海の深いところへ入っていかない。俺だから良かったけど他の奴ならブチギレ案件だったぞ?」
イヨ「はぁーい、気を付けまーす」
ヒトミ「後でシメときます……」
イヨ「ごめんなさい二度とやりません」
姉は強い
明石『ライト着けますね』
( 【◎】)「は?」
明石『その、一々突っかかってくるのやめてください……』
明石のバカが遠隔操作でヘッドライトを点灯させる。毎晩枕元に馬糞の幽霊が浮かび立てばいいと思った
( 【◎】)「ワカメめっちゃ生えてる」
イヨ「他にコメントあるでしょー。わぁ、きれーだとか、わぁ、すてきーだとか」
( 【◎】)「ワカメめっちゃ生えてる」
イヨ「何でよ」
海底の凄さ的なアレを表現できるほどの語彙力を持ち合わせてないのでワカメくらいしかコメントすることがない。ごめんなさい
しかし見通しが悪いって程じゃない。この辺はまるゆもこいつらも何度か通ってる筈だ
( 【◎】)「この辺泳いでて何か気になるものが見つかったことはねえのか?」
ヒトミ「ワカメ以外……特には……」
( 【◎】)「ワカメが隠してるって事かねえ……」
ヒトミ「たまに頂きますけど……」
( 【◎】)「食ってんの?」
その祠とやらがいつ頃建てられた物かは知らないが、長い年月をかけてワカメのカモフラージュを施してしまったのだろうか
( 【◎】)「バカ石」
明石『……はい、なんですか』
( 【◎】)「祠の正確な位置もわかんねえのかこのバカ」
明石『青葉さんもまだ完全に解読を終わらせたわけじゃないので、大まかな位置しかわかってないそうですよ』
( 【◎】)「つっかえ~~~~~~~~~~~~~~~ハァ~~~~~~~~つっかえ~~~~~~~~~~」
( 【◎】)「ハァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
明石『そろそろ怒りますよ私も』
( 【◎】)「結局、足頼みか」
イヨ「提督提督!!この辺サザエいっぱい落ちてる!!」
( 【◎】)「マジか拾って帰ろうぜ」
明石『ダメです密漁ですよ』
( 【◎】)「誰が咎めるってんだよ。俺ら以外人がいない辺境で」
明石『七輪と炭とお醤油用意しときますね』
( 【◎】)「ノリノリじゃねーか」
恐らく、漁村だった頃に放流した稚貝が野生化したのだろう
別に獲ってもいいだろ過去にはオマール海老大量に乱獲したし。故意じゃないけど ※時雨「流れ星に願い事」参照
イヨ「勿論、お酒も用意してよね!!」
ヒトミ「イヨちゃん、まだお昼なのに……」
イヨ「いーじゃんかてーこと言うなって!!なぁ提督?」
( 【◎】)「呑むなよ」
イヨ「呑ませろ」
酒呑みの気持ちはわからん。しかしこの海底、意外とゴチャついている
どこからか流れてきたゴミや、目玉だけが無い西洋人形うっわこれめっちゃこわい
沈んだのであろう木造船の残骸に、人の頭蓋骨など、見渡せば色んな物が見つかる
( 【◎】)「ハァー、こいつも供養してやんねえとなぁ」
イヨ「どしたの……うわっ!?骨じゃん!!」
( 【◎】)「ここじゃ別に珍しくもねえぞ。なぁ明石?」
明石『ええまぁ、工廠の壁が崩れて中から白骨死体が出てきた時もありましたしねえ」
ヒトミ「慣れすぎじゃ、ない……?」
イヨ「それにしても、視点が変わるだけで色んな物見つかるの面白いよねー」
ヒトミ「そうね……いつも泳いで通過してるだけだし……」
( 【◎】)「でもワカメは食ってんだよな?」
ヒトミ「フフ……どうでしょうか……?」
( 【◎】)「えっ何こわい」
イヨ「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
( 【◎】)そ「うおっうるせえ何!?」
イヨ「あった!!あったよ提督!!」
明石『意外とあっさり見つかりましたね。提督、確認お願いします』
( 【◎】)「はーいよ」
ヒトミ ブチブチ
( 【◎】)「ヒトミちゃんワカメ回収後にして貰ってもいい?」
ヒトミ「えっ……?」
( 【◎】)「えっじゃないが」
謎のワカメに対する執着を見せつけるヒトミを引っ張り、イヨの元へ
予想通り、祠らしき建造物の周りには覆い隠すようにワカメが生い茂っていた
( 【◎】)「見えるか明石。マジであったぞ」
明石『本当ですね……それ、石祠ですか?』
( 【◎】)「みたいだな……」
祠の表面にこびり付いている藻を軽く擦り落とす。まるでギニースーツだな
普通に泳いでちゃまず見つからねえだろうこんなもん
イヨ「ふっふーん、提督、褒めてくれてもいーよー?」
( 【◎】)「お前が一等賞だ」
イヨ「褒め方雑か」
ヒトミ「それで、見つかったはいいけど……どうすればいいのでしょう……?」
( 【◎】)「それだよ。こんなもん持って帰……れるか。俺マッチョだし」
イヨ「いや無理でしょこんなの。結構おっきいよ?」
( 【◎】)「海中から重い物を持ち上げるほど楽しいことは無い」
イヨ「状況が限定され過ぎてない!?」
明石『私も触らない方が良いと思いますよ?ここじゃ何が起こっても不思議じゃないですし』
( 【◎】)「もう既にフラグは立ってると思うが」
青葉『司令官!!!!!!!!!!!!!!!』
( 【◎】)そ「うるせえ何!?青葉か!?」
突如、地上からの通信に青葉の声が割り込んできた。声色から察するに、相当慌てているようだ
明石『ビッ…クリしたー……一言くらい声を掛けてくださいよ』
青葉『そ、それどころじゃないです明石さん!!古文書、古文書が!!』
( 【◎】)「古文書がどうした?」
青葉『古文書の解読が完了したんですが、あの、その!!』
( 【◎】)「落ち着け。それがどうかしたのか?」
青葉『ほ、祠の下に、とんでもないものが……!!』
( 【◎】)「とんでもないもnうおお!?」ゴゴゴゴゴ
タイミングよく、地面が揺れ始める。一体何が起ころうってんだ
ヒトミ「キャッ、じ、地震?」
明石「いえ、地上は揺れていません!!」
イヨ「ええ!?どーいう事ォ!?」
( 【◎】)「明石!!ワイヤー引け!!嫌な予感が……!!」
ヒトミ「ッ!!提督!!」
( 【◎】)「ヒトミお前デカい声出せ……!!」
ヒトミの声に振り向いた瞬間、眼前に巨大な『木の根』が迫っていた
( 【◎】)そ「ヒエッ」
逃げる間もなく『木の根』は、俺の体に巻き付き締め付ける
いや、違う。当然だが、これは木の根なんかじゃねえ。これは『触手』、巨大な触手だ
ぬめりとした表皮、そこに並ぶ無数の吸盤。こいつは……
青葉『その祠は、巨大なタコを封印している代物だったんです!!!!!』
嘘だろお前……
祠を中心に、海底が急速に盛り上がっていく。ヒトミとイヨは触手に狙われてはいないものの、動く地面でバランスを崩し転倒した
現れたるは巨大な頭にも見える『胴部』。ギョロリとした二つの目玉。ホースの先端の様な『漏斗』
誰もがイメージできるタコとそう大差はない姿。唯一違うのはそのサイズが
( 【◎】)「デカすぎるだろォォォーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
十数メートルを越す巨大さであることだろう
( 【◎】)「うおおおおおおおお!!???」
深度数メートルの海中から、一気に水上へと持ち上げられる。タコ(巨大)も海面から顔を覗かせた
地上にいる明石や青葉の姿も、ここからハッキリと見える。いや近い近い
イヨ「いたた……って、提督!!」
ヒトミ「どうしようイヨちゃん、どうしよう……」
通信を聞くに、あの二人はなんとか無事なようだ
( 【◎】)「俺に構わずとっとと逃げろ!!」
イヨ「そうしたい所だけどっ……一応上官だし!!魚雷、一番から四番!!」
明石『すいませんイヨちゃん、魚雷も撃てません!!』
イヨ「ええええええええええええ!!!????なんでさ!!」
明石『深海棲艦戦を想定した装備じゃないんで……』
イヨ「役立たずじゃん!!」
明石『だから調査用なんですってば!!』
これに関しては明石を責められない。こんなバケモン出てくるとか予測出来るかよ普通
ヒトミ「イヨちゃん、こういう時こそお助けスイッチ……!!」
イヨ「そ、そうだった!!えい!!」ポチッ
:( 【◎】):「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!???????」ビクンビクン!!
乳首びりびりずるううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!
イヨ「わああああああああああああああ!!!!ゴメンゴメンゴメン!!!!!!!!」
ヒトミ「わ、私のも……えい!!」ポチッ
:( 【◎】):「背中に心地よい微振動んほおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」ビクンビクン!!
マッザージぎのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお乳首でじぬううううううううううううううう!!!!!!
イヨ「明石さあああああああああああああん!!!!!!!!!!!」
明石『だから余計な機能だって言ったじゃないですかああああああああああああああ!!!!!!!』
青葉『司令官今どうなってんですか!?ヤバくないですか色々と!?』
チクショウなんだよ乳首の感度ぶっ壊れたマッチョが触手に襲われるって上級者向け同人誌かよ
( 【◎】)「クソが!!こんなもんスプライサー相手した方が数倍マシじゃねえか!!」ウィイイイイイイン!!
両腕の自由が利くのは不幸中の幸いだ。ドリルをお見舞いしてやる
( 【◎】)「オラ!!」ドルルルルル……
( 【◎】)「えっちょっ途中で止まった上に抜けない」グイグイ
明石『ああ……絶対詰まってるそれ……』
( 【◎】)「ドリルすら役立たずかよォ!!」
明石『だから巨大生物相手にする想定なんてしてないんですってばあああああああああああああ!!!!!』
タコの分厚い肉がドリルに絡みついて動かないってか。トリコじゃねーんだしチクショウ
青葉『取り込み中すみません司令官!!古文書の詳細を説明しても!?』
( 【◎】)「いや先に助けに来いよ!!!!!!!なんか他の触手まで絡みつき始めたんだけど!!!!?????」
青葉『実はそのタコ、葛飾北斎が描いた『蛸と海女』という春画のモデルになっている怪物だそうで、大昔に封印されたそうなんですが!!』
( 【◎】)「説明後ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!先に救助おおおおおおおおおおおおお!!!!!」
青葉『それまで漁村を荒らしまくるとんでもない迷惑怪獣だったそうで、村民は毎年一人ガタイの良い男性を生贄に捧げることで何とか稼業を続けていたんだとか!!』
( 【◎】)「いやあああああああああああああああ!!!!!!!ケツと股間付近を舐め回すように触ってくるううううううううう!!!!!」
青葉『ここからがちょっと危ない話になるんですが、そのタコは生贄を犯してから食べると言うとんでもない変態でして、『男色入道』と呼ばれてたそうです!!』
( 【◎】)「なんでお前さぁあああああああああああああああああああ!!!!絶望しかねえ情報伝えてくんのおおおおおおおおおお!!!????」
青葉『余談ですがタコの八本の足の内、一つは生殖器になっているそうですよ!!!!!!』
( 【◎】)「ああそうかい今一番聞きたくねえ豆知識をどうもありがとうよ!!!!!!!!」
青葉『じゃあ艤装取ってきます!!!!!お尻は何とかご自身で死守してください!!!!!』
あいつ滅茶苦茶不安になること全部言い残していきやがった。ここから表情は見えないけどきっと面白がってる
俺は触手に襲われながらあいつは絶対しばき回すことを固く決意した。絶対に後でしばき回す
( 【◎】)「ええいクソ!!触んじゃねえ変態タコが!!!」
イヨ「ていとくー!!スイッチ他にもあるけど押すー!?」
( 【◎】)「この際何でもいいから頼む!!」
イヨ「えい!!」ポチッ
( 【◎】) ババババババ!!
( 【◎】)そ「何の音!?後ケツの振動がすげえんだけど!?」
明石『お尻からマシンガンが撃てます!!』
( 【◎】)「アトムじゃん!!!!!!!!!!!!!!やったぜ!!!!!!!!!」
イヨ「喜ぶそこ!?」
ヒトミ「で、でも効果は……!!」
ケツ付近の触手のプレッシャーが消えた。銃弾は効いているらしい
それよりもういっそのこと十万馬力でも付与してくれた方が良かった。プルートゥ戦後の百万馬力でも全然構わない
ヒトミ「えい!」ポチッ
Π カショッ
( 【◎】) 「えっなんの音今の?」
Π<アアアーーーーーーーーーーーーーアァッ!! ※♪Immigrant Song(移民の歌) 歌:那珂ちゃん
( 【◎】)そ「うわなになになに!?こわい!!」
明石『ミュージックスピーカーです!!!!』
ここまでほぼいらん機能じゃねーか
そうこうしている内にタコの侵攻が本格化する。触手の一本がヘルメットに絡みつき
(;T)そ「うわっ!!」スッポリ
取りやがった。デカい癖にクソ器用かよ
しかしこれはマズい。これで通信が使えなくなった
(;T)「ちょっ……ちょっと待っ……」
露わになった俺の眼前に、薄い本だと絶対に修正が入るような形状の触手が突き付けられる
オイやめろこれ以上はR-18カテゴリに入っちまう。得しない!!誰も得しないから!!
\しれいかーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!/
(;T)「あ……」
青葉「お待たせしましたァ!!」
地獄に仏、渡りに船、近海に青葉とはこの事か!!タイミングよく駆けつけてくれた!!
青葉「受け取って……ください!!」ブンッ!!
(;T)「えっ、何!?何を投げたの!?」
しかし青葉は砲を撃たず、俺に向けて何かを放り投げる
(;T)「っしょお!!」パシッ
自由な左手でキャッチし、そのアイテムを確かめ……
('(゚∀゚∩
( T)「」
('(゚∀゚∩<ナオルヨ!!
( T)「」
.
青葉「この前鎮守府にやってきた怪しいセールスのお姉さんから試供品として貰ったナオr名前は伏せますが爆発物です!!!!!!」
(;T)「お前これ余所様のネ……」
青葉「早く投げて爆発しますよ!!!!!!!」
(;T)そ「タっラッシャオラァッシャッセーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ!!!!!!!!!!!!!!」ブンッ!!
色んな意味で危なすぎるそれを、タコの頭部目がけてぶん投げる
│
\ /
― ('(゚∀゚∩ ー カッ!!!
/ │ \
光が弾け、ぶん殴られるかのような爆風が舞い上がり―――――
―――――
―――
―
( T)「……」
( T)「またこのパターン~~~~~~~~~~~~~~~~?」
気が付くと、医務室のベッド。上条さん並みの病室搬送率にはもう笑うしかない
両手両足、確かめるように動かしてみる。うん、大した怪我も無い。尻にも違和感ないし処女は守られたみたいだ
( T)「っはぁ~~~~~~……」
( T)「なんでオマール海老(巨大)の時に……さぁ~~~~~~……」
アレが出てきた時にあのタコが目覚めてくれたら共倒れで楽に終わったかもしれないのにチクショウ
あのサイズを平らげるタコだったのにチクショウ。一年くらい前に出てきてくれたらチクショウもう
( T)「間が悪いんだよなぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~……」
時雨「おはよう提督」バァン!!
( T)「お前が一年遅くオマール海老食いてえって流れ星に願ってたらよぉ~~~~~~~~~……」
時雨「開口一番文句とは偉くなったものだね提督。折角タコ焼き持ってきてあげたってのに」
( T)「ああ……今それ食う気しねーわ……食われかけたもん俺……」
時雨「性的な意味で?」
( T)「知ってて持ってきたのかよ」
時雨「はい、ほら、焼きたてだから食べて」グイグイ
(;T)「いやちょほんと無r顔熱アアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!」ジュウウウウ
\顔熱アアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!!!!/
青葉「起きたみたいですよ」
明石「相変わらず不死身極まってますねあの人」
事の顛末を話そう。色んな意味で『爆弾』だったあのナオr名前は伏せるが爆発物は巨大ホモダコを一撃必殺木っ端微塵
触手プレイの餌食にされそうになった俺も派手にぶっ飛んだが、マッスルなので軽傷で済んだ。やっぱり筋肉なんだよなぁ
尚、新鮮なタコの死骸は三日三晩続けて開催されたタコ焼きパーティーにて処理された。俺も食わされたがすげー美味かったのがまた腹立つ
( T)「おっかしい、んだよなぁ……」
明石「はいはい何がですか?」
( T)「これ、元はヒトミとイヨの服装をなんとかしたいって話だったんだが……」
明石「タイミングぅ……ですかねぇ……」
( T)「ああ、もう、何もかも間が悪かったな今回は……」
明石「早かれ遅かれ調査には出向いてもらうつもりでしたし、どっちにしろこの事態は起こりましたって」
( T)「つーか宇宙服って何だよ……バカじゃねーのか俺は……」
明石「ええ、正直バカだと思いましたね」
( T)「感度三千倍」
明石「わかりました私もバカでした」
潜水服はお釈迦になった為、そのまま廃棄となった
正直もうトラウマでしかないので捨ててくれた方がありがたい。話を聞いた初月は一目見たかったと残念がっていたが
あとこの事態を呼び起こした上で俺を危険に巻き込み面白映像を録ろうとした青葉には
トリプル・ビーフ・ケーキのフルコースをお見舞いした後、鷹さんに説教してもらった。姉はやはり強い
これでも助けに来た事を考慮しての罰だ。練度最高艦であろうとも俺は絶対に妥協しない
イヨ「提督見てみてー!!」
ヒトミ「イヨちゃんダメだって……」
彼女ら二人は、海中にいたため爆発に巻き込まれず、無傷で帰ってこれたらしい
それと、服装の件は一先ずパーカーを着ることで話がついた。なんで俺は最初に宇宙服着せるとかいう発想を浮かべたのだろうか
ああそうだオデッセイの所為だ。ウンコ食べrいや違ぇやウンコで命を繋いだ映画の所為だ
( T)「おうどうした?」
イヨ「っへへー、新しいパーカー買っちゃった!!」
ヒトミ「イヨちゃん!」
珍しくヒトミが声を張り上げてる。何だってんだ一体
イヨ「大丈夫だって姉貴~。これくらいじゃ提督も動じないって」
ヒトミ「でも……」
( T)「何だ何だ?グロ映画でも見つけたのか?言っとくが精神にクる奴ほど俺は喜ぶぞ?」
イヨ「そうじゃねーよ結局人の姉もそっちの道に巻き込みやがって」
ヒトミ「提督(と不知火と早霜)との一夜……最高でした……」ウットリ
明石「俺は俺のマッスルに恥じない生き方(笑)」
( T)「クソ映画観ただけだっつーの……で、その一見何の変哲もねえパーカーがどうかしたのか?」
イヨ「んっふふー、じゃーん!!」
イヨがクルリと背を向けると、『新しいパーカー』とやらの背面プリントが目に飛び込んでくる
( T)「」
可愛らしい『タコ』のイラストがそこにはあった
(;T)そ「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」ガッタンガタガターン!!
イヨ「あっ、ちょっと、逃げなくてもいーじゃんかよー!!」
ヒトミ「だから言ったのに……もう……」
(;T)「俺の……俺の……」
\俺の傍に近寄るなァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!/
このトラウマの克服は、しばらく時間が掛かりそうだ
おわり
乙
ここのマッチョ提督謎の安心感あってほんとすこ
最終回は頑張って書いていたのですがどうも出来が気に入らず中々進みません。気長にお待ちください
あと艦これ四周年ですね。これが僕なりの四周年記念です。お疲れさまでした
乙。毎度のことだけどこののり好きよ。最終回楽しみにしているです。
……あと、もし違っていたら申し訳ない。
もしかして「マーケティング・レンタルコミックス」の作者さん?
待ってた!そして相変わらずの酷さがw
水着ネタでいじり倒されるかと思ったのにw
青葉とはプラトニックな関係なのかね
乙乙
乙乙
最終回と言わずまだ引っ張ってくれても良いのよ?
このSSまとめへのコメント
あおばおねえさんの説明で若干ゃ草