【ガルパン】レズビアン・ヒストリー (24)

 奇抜な格好の男女が、大騒ぎをしながら市中を練り歩いている。どこかの国の公園で、繰り広げられているゲイパレード。ある人は女装をし、またある人はほとんど全裸に近いような格好で、徒党を組んで支柱を練り歩く。
 テレビのニュースでその様子を目の当たりに死──首をかしげる。

(どうしてこの人達は、こんな奇抜な方法でしか主張をできないのだろう)

 彼ら(彼女?)の気持ちはもちろん理解できる。自分自身の性的思考を──突き詰めればは「自分という人間を」──認めてほしい。それは、当然の欲求だと思う。
 けれど──こんな大騒ぎをしたところで、いったい何になるの?

(周囲から、余計に変だと思われるだけじゃないかしら……)

 この手のニュースを見るたびに、そんな疑問を感じてしまう。疑問とゆうよりも、むしろ、切実に歯がゆい。なぜなら──。

(──私もまた、レズビアンだから? ……多分そんな気がする。)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491819493

(……あーあ。やっぱり女子大を選べばよかったのかな……共学だなんて……)

 入学の日が刻一刻と近づいてくる。それを考えると、なんだかだんだんと、憂鬱な気持ちなってくる。

(男、かぁ……。)

 男性恐怖症というわけではないけれど──何か、自分の精神に良くない雑音が混じるように思える。
 エロスとは──人間性を高める者だと、そう捉えている。戦車道を向上していこうとする感覚を、共に共有し、共に高めあおうという精神を持った者同士が、実際に行為を通じて精神性を確認しあう──それは、とても理知的で尊い行為。
 いつかは自分も、そういう濃密な共有を経験してみたい──ほのかにそんな憧れを抱くこともあった。
 
(……まぁ結局、今と頃は誰ともそういう関係にまでは至れていないけど──)

(……。)

(……彼氏……)

(……男と、か……)

(……。)

(……不純、とまでは言わない。だけど──)

(──もどかしい。うまく言えないけれど……やっぱり、何か、違う……って思う。)

(……。)

(……ハァ。つまりそういう所が、私がレズビアンだっていう、精神的な証明になのかな……)

(……。)

(うー……)

誤字です。


>>1
×→テレビのニュースでその様子を目の当たりに死──首をかしげる。

〇→テレビのニュースでその光景を目の当たりにし──首をかしげる。

また誤字です。すみません。

>>2

×→入学の日が刻一刻と近づいてくる。それを考えると、なんだかだんだんと、憂鬱な気持ちなってくる。
〇→入学の日が刻一刻と近づいてくる。それを考えると、なんだかだんだんと、憂鬱な気持ちになってくる。

×→(……まぁ結局、今と頃は誰ともそういう関係にまでは至れていないけど──)
〇→(……まぁ結局、今のところは誰ともそういう関係にまでは至れていないけど──)

続きが見たいんですけど

 大学初日。
 どうしよう。
 どちらをむいても、男の子がいる。突っ立っているだけでも、どこかしらから男の子の声が聞こえてくる。学校なのに! 6年間、こんな状況は経験をしたことがなかった。

(やっぱり女子大にいくべきだった)

 後悔。
 と同時に、不安にもなる。

(私、この先ちゃんと生きていけるんだろうか)

 地球上の人類のおおよそ半分は「女ではない」。
 なんという現実だろう。
 私は──世界の半分を、ほとんど知らずに生きてきた?
 なんだかめまいがしてくる。

(学園艦に帰りたい)

 割と本気で、そう思った。

(……。)

(……。)

(……そうだ、戦車倉庫へ行こう)

 戦車。
 その巨体を思い浮かべる。大きくて、頑丈で、ちょっとやそっとじゃ揺らがない鋼鉄の意志の現れ。

(……んっ)

 わけのわからない不安が収まっていく。それと同時に、男の子の声が、意識から遠のいていく。
 代わりに脳裏に響くのは──車長として仲間に激を飛ばす己の勇ましい声と、それに応じる仲間達の頼もしい声──。
 
(そうだ、私には戦車道がある)

(道に迷った時は、ここに帰ってくればいい──)

 気持ちが高揚してくる。自然、足が前に出ていく。
 さぁ戦車倉庫へ行こう、きっともう先輩方が新入生を待っているだろう。早く、挨拶をしに行こう。
 そうだ。私はなんのためにこの場にいるのか。それを良く考えなくては。くだらない不安に足をすくませるためではないでしょう。

(あぁまったく情けない。まだまだ未熟という事ね)

 まぁ、いい。未熟を自覚するのは必要なことだ。己の高めるための、第一歩。

(よし、もう、くだらない不安には囚われないわ。そんな無駄なことに時間をついやしている暇は──)


『うわ、あの子、めっちゃ可愛いよな!』

 ふふ、男の子って、くだらない事ばかり考えているのね。容姿がいいからって、それがなんだというの。まぁけれど、私だって可愛い犬は好きだもの。可愛いものに目がいくのも、また当たり前のことなのかしらね。
 そんな風にかんがえて、ちょっぴり微笑む余裕すらある。
 うむ、自分はこの数分で、また成長したのかもしれない。うむ。そう思えば、新たな環境に来たことはやはり無駄ではなかったのだろう──
 共学を選択した自分を賞賛しつつ、その無邪気な男子たちの方へと顔を向け──ばっちりと、その男の子達と目が合ってしまった。

『おーやっぱめっちゃ可愛いなぁー』

(!?)

(わ、私!?)

 即座に顔を前に向け、足取りを激しくする。
 一刻も早く、この場から離脱しなければ。

(……っ)

(そりゃ、嬉しくないわけではなけれどっ)

(……「可愛い」だなんて、……そんな率直な感想が、あるんだ……!?)

 自分の器量がそれほど悪くないということは把握していた。同性に告白されたことだって、ある。
 だけど、なんだろう、この、男の子の声に『可愛い』と評されるこの妙な感覚!
 その『可愛い』にはどういう気持ちが込められているんだろう。どういう意味があるんだろう?
 私と仲良くなりたい、私と恋人になりたい!?
 えええええ。

(何なのよ! それ!))

 男と女が同じ場所にいれば──それはもちろん、恋があって愛があって──その果てに赤ちゃんがある。

(……それくらいは、知ってるけれど! でも!)

 突然そんな現実に巻き込まれても──困る!
 そうだ、それが正直な意見。困る! 
 私は戦車道をやるためにここにいるのに、いきなりそんな現実を見せつけられても!
 
(……!)

 逃げ出すように、足をやはめる。もう、ほとんど走りだしている。
 がやがやと楽しそうにたむろする学生たちの間を、タンケッテになったつもりですり抜けていく。人だかりの間の隙間を的確に縫いつつ。
 けれども突然、見覚えのある女子に行くてをふさがれてしまった。
 
「──ちょっとちょっと、どうしたの」

 彼女は身体をデンと張り出して、私の進路に立ちふさがった。

支援

誰が誰だ

>>12
意図してぼやかしてんだろうよ。

ただ作者がそれをやるにあたって求められる読者にとっての快楽原則を何も理解してない。
手法だけをただサル真似してる。
結果、コメントのまったくつかないクソみたいなSSができたというわけだ。
SSかくならもっと勉強してこい。

続き期待

「やっと見つけたと思ったら、何かトラブル? ……あら、もしかして体調が悪いの? なんだか顔が赤いけれど」

「……っ!」

 不覚にも──そう、まったくもって不覚にも、──彼女の顔に……ちょっぴり安心してしまった。
 おっとりとした立ち振る舞いで私を見つめている彼女──私のとっての、中学高校を通しての一番の好敵手。
 共にチームを率いる隊長として、なんど砲先をぶつけあったことだろう。ささやかな交流戦の場であろうが華やかな大会の場であろうが、自分はつねに彼女を打ち負かしてやろうと奮起してきた。彼女と視線を交えるときは、常に自分が格上であろうとした──そんな相手に、今、安堵を感じるなんて! だけど、彼女の存在が、私の戦車道を彩ってくれていることもまた事実。お友達とはぐれた子供がようやくほっと安堵したような、今の私はいわばそんな心境……。
 私はこともあろうに、彼女に向かって、助けをこうように──

「可愛い……って言われた」

「え?」

「男の子が、私の方を見て『あいつ、可愛いって』……」

 ──言ってしまった後で、私はハッとする。
 私はなんて馬鹿な事を口走っているのだろう。

今日この入学式で彼女にであったなら、まず一番に何を言ってやろうかと、私はなんども考えていたはずなのに!

<大学では同じチームね。けれど私達はあくまでライバル>
<ともに、高みを目指し、切磋琢磨していきましょう> 

 なにか、そんなような言葉を考えていたように思う。

 それなのに、私は──何とくだらない第一声を!

 己を恥じる。私はどうしてこんなにも幼稚なのだろう。こんなとき、いっそ彼女が馬鹿にしてくれたらいいのに。お前はいったい何を言っているんだと、呆れてくれたらいいのに。そうすれば、私はまたそれを踏み台にして、己の精神を高みに持ち上げあれるのに、
 
 だというのに、彼女は──。

「なるほど、貴方らしいことね」

 馬鹿にするでもなく、大げさにはやすでもなく、ふにゃりふにゃりに私の言葉を受け止めて──

「男の子ってそんなものよ。そんなことより──先輩方に挨拶へ行くのでしょう? だったら、私も一緒にいこうかしら」

 『いこうかしら』などと曖昧な言葉を吐いておきながら、彼女は私の手をつかみ、文句を言う間も与えずにずんずんと歩き出した。

「──けれど、男に可愛いって言われるのって、どう? どんな気持ち? 顔を赤らめるということは、やっぱり、多少は嬉しいものなのかしらね」

 まるで戦車道の時にそうするように──鋼鉄の意志でもって直進する私の戦術を、対して彼女は溶けた鉛のごとくノラリクラリと避けつ絡めつ──肯定するでもなく否定するでもなく、彼女は、私の心にシュルリシュルリとまとわりついてくる。それに慣れてしまったのは、いつのころからか

「べつに……。鬱陶しいだけよ」

「そう?」

 その時、強い風が吹いて、ざぁっと頭上で音がした。そういえばキャンパスのあちらこちらに桜が咲いている。

その花びら達が、春風に騒いで一斉に舞った。空気抵抗に基づく独特な挙動をみせつつ、けれどもそれらは、全体としては見事な統一感をもって綺羅めいている。

(綺麗)

 そう思うと同時に、私は呟いてしまっていた。

「……貴方みたいだわ」

「え?」

 前を行く彼女が、振り向いた。
 私は、頬が赤らんでいたと思う。私にしかわからない理由で。だから、無表情を努め、ごまかしを言う。

「……着弾点が読めない。ヒラヒラまったり、クルクルまわったり」

 舞い散る桜が、彼女の髪の毛に、ぱらぱらと命中していく。何枚かは、そのまま髪飾りへと変わる。

「あぁ……。でもそれを言うなら──貴方こそ、花びらみたいだと思うけれど」

「……どこが?」

彼女は、しごく可笑しそうに、

「だって、ふぅーっと軽く息を──『可愛いね』って──吹きかけられただけで、ヒラヒラとどこかへと散ってしまうのだから」

「……ッ!?」

「ほら、そのほっぺたの色だって──ねぇ、本当はやっぱり嬉しかったのでしょう? 誰にも言わないから、正直に白状なさい」

「あのね、からかわないで。……まったく、貴方という人は……」

「私が、なぁに?」

「……五月蠅いっ」

 望む通りに私を怒らせ、彼女は満足したのか、ふふ、と顔を前に向けた。彼女の灰白色の髪の毛が私の鼻先を撫でる。私の不機嫌をからかうみたいに。
 あぁまったく。私はむかしっから、貴方のそういうところが、とっても気にいらないのよ。

支援

修正入ります。

彼女は可笑しそうに、

「だって、フゥーっと軽く息を──『可愛いね』って──吹きかけられただけで、ヒラヒラと舞いちってしまうのだから」

「……ッ!」

「そのほっぺの色だって──ねぇ、正直に白状なさい、本当はやっぱり嬉しかったのでしょう? 誰にも言わないから」

「いい加減にしてちょうだい。まったく、貴方という人は」

「……ふふ」

 望む通りに私を怒らせて、それで彼女は満足したのだろうか。口元に笑みを見せながら顔を前に向ける。その遠心力で、彼女の灰白色の髪の毛が舞い上がり──私の鼻先を撫でる。
 あぁまったく。
 私はむかしっから、貴方のそういうところが、どうしようもなく好きなのよ。

>>19>>22に置き換えです。

待ってます

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