男「……何で、閉じ込められたんだろうな」幼馴染「分からない」 (11)



男「……、だよな」

幼馴染「君的にどう思う? この状況って、ほら……昔あったよねゲームで」

男「状況だけならいくらでもあるだろ」

男「ある日孤島の館への招待状が届いて、迎えのバスやら船に乗って島へ行く」

男「んで、島の館へ着いて初日は楽しく他の招待状が届いた人とバーベキューしたり島を探検するわけだ」

男「館の執事やらメイド、ガイドの人達とな」

幼馴染「……そこまでなら凄い楽しい世界だったのにね」

男「翌日の朝に狙った様に大型の台風が島を直撃、電話は都内だってのに繋がらない」



男「それでもって……館の主人だったオッサンが殺され、全員部屋に入るよう言われて入ったら出られなくなった」




幼馴染「他の人達、知ってるのかな」

男「さっきからあんだけ叫んで扉を叩いてるのに、気付かないわけがないだろ」

男「……って言えたら良かったのにな」

幼馴染「うん」

男「【この館は主人の趣味で別館の図書館以外は全て、完全防音になっている】」

男「馬鹿だろ、マジで……」

幼馴染「扉も何で出来てるんだろうね、やけに重いとは思ってたけど分厚いし」

男「部屋の中にある道具じゃ扉を破壊することも出来ない、仮にハンマーがあっても壊せるか怪しいゴム質の対衝撃扉と防音加工」

男「俺達、このまま殺されるんかねぇ」

幼馴染「大丈夫だよ、きっと」


男「……」

幼馴染「……」

幼馴染「ね、僕お腹空いた」

男「ん?」

幼馴染「お腹空いたからさ、カロメでも食べない?」

男「昨日の夜に貰った奴か」

幼馴染「そうそう」

男「一本だけ貰うわ」

幼馴染「うん! あと、水持ってくるね」タタッ



男(……あいつだけは守ってやりたいなぁ)

男(元はと言えば、こんなのにアイツも誘った俺が悪いんだし)

男(こんな訳のわからない死に方は出来ないだろ)

男(つっても……犯人はどう来るんだろう)

男(館のオッサンが殺された時の死体の状態は、首を切断されていたわけだが)

男(……日本刀? 眠らせてから切り落としたとか?)

男(…………)ブルッ


< もぐっもぐっ……

男「……ん、ゴクッ」

幼馴染「味気ないねー」

男「まぁカロメだし」

幼馴染「それはそうだけどね」

男「ははっ」

幼馴染「なにその無理してる笑い」

男「いや、そりゃー……なぁ?」

幼馴染「はいお水」

男「サンキュ……んぐ、ブフッ!? んだっ、これ!? 苦っ……」

幼馴染「えー?」

男「お前、なんか変なの入れてねぇよな?」

幼馴染「入れてないよ」

男「…………本当に……?」

幼馴染「……男君、大丈夫だよ」



男「……な、じみ……?……」

< ドサッ

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ヤンデレなんだろ? そうなんだよなぁ!?

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