魔法使いの夜ssをとっとと書け太郎
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中華料理屋まっどべあ 夜
芳助「なぁ、聞いたか。リデルエデルが突然、失踪したんだってよ」
草十郎「彼女が、コンサートをドタキャンするくらい珍しいことじゃない」
芳助「いやいや。今回はマジでやばいらしいぜ。例のあの事件でむちゃくちゃなことをやっただろ?嵐の中でヘリを連れてきて、ドカーン。
その影響で今も裏の住人に狙われて、逃亡中とかなんとか」
草十郎「それも珍しいことじゃない」
芳助「そうなの!?…あっ」パリーン
店長「芳助ェ!また割ったな」
芳助「すんませんすんません。今片付けますんで」ペコペコ
店長「危ねえから、丁寧にしろ。これで怪我でもされたら」
芳助「いってぇ!…あっ」
店長「…前から話し合わないとだめだとは、思ってたんだ」ポキポキ
芳助「ああぁぁああああ」
草十郎「店長、ゴミを出してきます」
店長「おう、頼むわ。今日はそれでアガリだ」
草十郎「はい」
芳助「なんで俺だけこんな目に遭うんだよぉ…」
店長「ほう。分かっていないようだな、今すぐ頭の中に刻み込んでやる」
芳佑「いやだぁあああああああああ」
バタン
草十郎(芳助は一度くらい、懲りたほうがいい)
ゴミを出そうと裏口から出ると、なにやら色あせた薄ピンク色の動物がゴミ袋を漁っていた。
具体的にはごみ袋を開けて、賞味期限の切れた麺の匂いを嗅いでいる。
一歩、その場から下がってから話しかける。
草十郎「こんなところで、なにをしてるんだ。リデル」
リデル「ぎゃっ!?」
彼女は文字通り飛び上がり、右手からガンドを放つ。
草十郎「あ」
まさに不意打ち。しかし、彼女との付き合いもそれなりに長い。予め距離を取っていたおかげで、すんでのところで躱した。
しかし、リデルはさらなる魔術を発動させようとしていた。
リデル「Des Teufels rußiger Bruder(悪魔の煤けた相棒よ、きたれ)」
リデルの周りに、なにやら黒い靄が現れる。そこから覗くのは丸太のような腕とかぎづめだった。
とにかく、落ち着いてほしい。
草十郎「リデル、俺のことがわかるか」
両手を上げて、都会流の降参を示す。
リデル「その脳天気な声。ハッもしかしなくても、犬?」
草十郎「違う、草十郎だ。久しぶりだ」
彼女に微笑みかけると、リデルはなにやら目をこすり、しゃくりあげはじめた。
リデル「急に、現れないでよ。てっきり、敵かと」
草十郎「敵?また、追われてるのか」
リデル「うぅ…今はとにかくお腹が空いたわ」
草十郎は財布を取り出し、相談する。
草十郎(月末近いけれど一食ぐらいなら、ギリギリだいじょうぶだ)
草十郎「うちへ来る?」
リデル「いやよ。有珠にこんな姿を見られるくらいなら、餓えて死んだ方がましなんだから!」
草十郎「でも、今日はみんなで出前を取る予定なんだ」
リデル「か、勝手にしなさいよ」
草十郎「おいしいのに」
草十郎が彼女の荒らしたゴミを片付けてから、その場から立ち去ろうとする。
すると、リデルが彼の服の裾を力強くつかんだ。
リデル「もし、どうしてもっていうなら行ってもいいわ」
草十郎「…どうしても?」
リデル「照れなくてもいいの、私にはあんたの気持ちが分かるわ。
仕方ないわね。すぐに出発しましょう」
草十郎「リデルには分かるんだな」
草十郎はどこか納得した面持ちで彼女と、恋人よろしく肩を並べて家へ向かった、
実際は彼女を心配している人間と、自分を飼い主だと思っている悪魔の組み合わせなのだが。
今夜はここまで
ゆるりと書いて認知を広めます(屑
期待
はよ
はよ(第2部)
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