小梅「雪が真っ赤に染まるサスペンス」 (20)
年内に降る雪
ニュースでは何十年ぶりだとか……騒いでる
そのニュースでも取り扱われない事件
346プロ、その事務所で大変な事件が起こってる……
私が……思いもしないこの事件、いったい、誰が犯人なの?
幸子ちゃんをピーしちゃった犯人を必ず突き止めて……みせる!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479985440
窓から見える景色は真っ白、けれど……事務所内は真っ赤に染まっている
「幸子ちゃん? 幸子ちゃん!」
ゆさゆさと体を揺すっても、ぴくりともしないい……
床に着いた血も尋常じゃない量だし
ううん、リアクション芸を極めた幸子ちゃんが、こんな事で死んじゃうわけがない……!
そう思って色々試してはいるけれど……全く反応がないってことは…
すみません、来客があったので今日は書けないかもしれません……
今日じゃなくて二度と書かなくていいよ 面白くないから
来客の対応するから続きはよ
しねキンタマ
よくよく見ると、ダイイングメッセージが残されてる
でも、文字がぐにゃぐにゃしててわからない……
幸子ちゃん、文字が綺麗だったのに何故……?
不可解に思う所もあるけれど、きっとこれは犯人は他にいるはず……かな?
見ててね幸子ちゃん、きっと私が見つけて見せるから……っ
ころりと幸子ちゃんを上に向かせてみる
外傷も無く、綺麗な体だ
突っ込みや暴行を受けた後も見受けれらない……
ただ、血なのかわからないが、夥しい跡が残っている
一目見ただけだと、スプラッタ以外の何物でもないだろう
続きあく
それにしても……
うん、やっぱり幸子ちゃんは可愛い……な
こんな姿になっても、ううん……むしろ……
幸子ちゃんに気を取られすぎていたのかも
開けっ放しのドアの向こうで、がたりと音がした
反射的に音がしたほうへと駆け出す
「幸子ちゃん……待っててね」
どこ……?
角を曲がるとそこは静かな廊下だけ
たくさん部屋があるけど……一つずつ調べたら時間がかかっちゃう
こんなとき……ユッコさんみたいにサイキックが使えたら……な
あれ? この部屋の扉……少し空いてる?
音を立てないように……そーっとお邪魔した
薄ぼんやりとした部屋の中……誰かが椅子に座ってるみたい
「輝子……ちゃん?」
ぴょこんと髪の毛が立っているわかりやすい後ろ姿
「こんなところで……どうしたの?」
肩に手をかけた、と思った瞬間
ふらりと輝子ちゃんの体が傾いた
何とか抱えようとしたけど……私の力がたりなくて、一緒に倒れこんだ
「返事して……輝子ちゃん」
私に覆いかぶさっている輝子ちゃんはぴくりとも動かない
ゆさゆさって肩を揺さぶっても、ただ体が揺れるだけ
幸子ちゃんの次は……輝子ちゃん?
この短時間で犠牲者がもう2人
私の仲が良い人ばっかり……
何か関連性があるの、かな?
私の周りの人が狙われているってことはわかったけど
それ以外はさっぱり……
とりあえず、輝子ちゃんの状態を見てみよう
今回も外傷らしいものは……無いみたい
ただ、赤いものが大量に床に散らばっている
それに……この香りはどこかで……
探さなきゃ……他の誰かが犠牲になっちゃう前に……
それに……きっと犯人は近くにいるはず
あと、気になったのは走ってるときの音
女の子が履くようなヒールみたいな音がしてた
そして、部屋中に充満する香り……これが手掛かりになるはず
不意に……ぞわりとした嫌な予感
スマホを取り出して、プロデューサーの番号をタップする
呼び出し音が数回鳴った後に……
『小梅か、どうした?』
プロデューサーは無事みたい……
「ううん……お疲れ様」
良かった……一安心
『お疲れ様。今日は早く帰ってゆっくり休むんだぞ』
「うん……あ、あと、身の回りで変なこととかなかった?」
念のため……プロデューサーまで狙われちゃったら……嫌だし
『んー、特になかったなぁ』
「そっか……それなら良いの」
大丈夫みたいだし……プロデューサーの邪魔しちゃうといけないね
そう思って……電話を切ろうとしたんだけど
『誰か来たみたいだ』
「プロデューサー?」
少しの静けさ……
かちゃっと何かが落ちる音……それとプロデューサーの焦ったような声
『おい、止めろ……落ち着くんだ』
誰かに諭すようにしているみたいだけど……
「プロデューサー? 大丈夫?」
……返事がない、私の声が届いていないみたい
『あはは』
聞こえてきたのは女性の笑い声
それからはもう何も聞こえなくなった
急いでちひろさんに連絡をする
プロデューサーがどこにいるかの確認と、事務所内にいるアイドルの確認
「ありがとう……ちひろさん」
『いえいえ、それじゃあね、小梅ちゃん』
うん、これで……ぐっと近づいた
この……部屋の中だね
「失礼します……」
あ、プロデューサーだ
机に突っ伏した状態のプロデューサーを見つけた
やっぱり外傷は全くなくて、代わりに赤いものが大量に机に広がってる
「やっぱり……この香りは間違いない、よね」
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