一ノ瀬志希「アイアンキング?」 (148)
※注意
・「アイアンキング」と「モバマス」のクロスSSです、アイアンキング寄り
・オリジナル設定多々
・このSSはフィクションです。実在の(ry
・不自然な改行はカメラの切り替わりを表しています……一応
・色々と色々と色々です
・どうしてもアイアンキング×モバマスを書きたかったんです…
(OP:アイアンキング)
怪獣ロボット
ガメレドン 登場!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477742608
【空港 ロビー】
静弦太郎「♪」ニヤニヤ
霧島五郎「♪」ニヤニヤ
(静弦太郎と霧島五郎が空港のロビーのベンチに座っている)
弦太郎「もしもし、五郎さんや」
五郎「何ですかな、弦太郎さんや?」
弦太郎「ヤケに機嫌が良さそうじゃァりませんか?」
五郎「それを言うなら弦太郎さんだってヤケに機嫌が良さそうじゃァありませんか」
弦太郎「へへっ、コイツめ」バシッ
(弦太郎が五郎を肩を軽くはたく)
五郎「へへっ、やりやがったな」バシッ
(五郎が弦太郎を肩を軽くはたき返す)
弦太郎・五郎「へへへへへっ!」
(弦太郎と五郎が互いを指差して笑う(
弦太郎「まあ、お互い美人には弱いってことだな」
五郎「美人に弱くない男がいるもんかよ」
(五郎が肩を竦めておどける)
弦太郎「よっ」ゴソゴソ スッ
弦太郎「ここに取り出しましたるは一葉の写真でございます」
五郎「くー、何度見ても可愛いっ!」
(五郎が写真を見ながら言う)
五郎「こんなに可愛い子と一緒にいられると思えば、機嫌も良くなるってもんだよなぁ」
弦太郎「おいおい、あくまでこれは仕事だからな、仕事」
五郎「ニヤつきながら言われても説得力がねぇなぁ」
弦太郎「じゃあ真面目な顔をするよ」キリッ
五郎「あらやだ、弦の字ったらイイ男!」
弦太郎「いやぁ、どーもどーも!」
五郎「へへへっ!」
弦太郎「へへへっ!」
弦太郎・五郎「へへへへへっ!………ふぅ……」
弦太郎・五郎「………」
弦太郎「…そろそろ真面目な話もしておくか」
五郎「だな」
(弦太郎と五郎が真面目な顔つきになる)
弦太郎「もう一度だけ今回の任務を確認しておくぜ。アメリカから来日する博士の護衛、それが今回の任務だ」
五郎「俺たちは博士を国立化学研究所までエスコートする」
弦太郎「正確には博士と博士の発明した幾つかの薬品のサンプルを、な」
五郎「どんな物でも悪用したがる奴らはいるからな」
弦太郎「ああ、だから万が一、って事も考えられる」
五郎「そんな時の為に俺たちが道中ご一緒させてもらうってことだな」
弦太郎「そう言うこった」チラッ
(弦太郎が空港のロビーの時計を見る)
弦太郎「話をしてたら丁度いい頃合いだ」スクッ
五郎「時間か」スクッ
(弦太郎と五郎が立ち上がる)
弦太郎「博士を迎えに…」
五郎「弦太郎」バシバシッ
(五郎が弦太郎の肩を叩く)
弦太郎「ん?」
五郎「アレじゃねえか?」
(五郎が遠くの人影を指差す)
弦太郎「むっ…!」
【空港 入国ゲート付近】
???「にゃっは~、おひさージャパン!」
(アタッシュケースを持った少女が立っている)
???「こんな形でまた土を踏むことになるとはね~ん♪世の中ナニがあるか…」
「俺が先だ!」タッタッタッタッタッ…!
「いや、俺が先だ!」タッタッタッタッタッ…!
???「…はにゃ?」
タッタッタッタッタッ…!ザザッ!
弦太郎「俺だ!」
五郎「いや、俺だ!」
(弦太郎と五郎が???の前に走り込んで来る)
???「ん~と、キミたちは?」
弦太郎「あぁ、俺は…!」
五郎「俺は霧し…」ドンッ!
弦太郎「俺は静げ…」ドンッ!
(弦太郎と五郎がお互いを押しのけ合っている)
???「………」
弦太郎「五郎……」
五郎「弦太郎……」
弦太郎・五郎「………」スッ
(弦太郎と五郎が握り拳を作る)
弦太郎・五郎「最初はグー、じゃんけんぽんッ!」
五郎「っし!」(チョキ)
弦太郎「くそっ!」(パー)
五郎「悪いな、弦太郎!お先に…!」
弦太郎「待て、今のは後出しだ!」
五郎「後出しだぁ?後出しなんかしてないよ!」
弦太郎「いいや、今のは絶対後出しだった!」
???「ふぅーん……」
弦太郎「もう一回だ!」
五郎「あー、もう分かったよ!」
弦太郎・五郎「……」
弦太郎・五郎「最初はグー、じゃんけんぽんッ!」
弦太郎「っしゃあっ!」(パー)
五郎「チキショー!」(グー)
弦太郎「悪いな、弦太郎!お先に…!」
五郎「待て、今のは後出しだ!」
弦太郎「後出しだぁ?後出しなんかしてねぇよ!」
五郎「いいや、今のは絶対後出しだった、俺は見てた!」
弦太郎「よし、なら次で白黒つけようじゃねぇか!」
五郎「いいぜ!恨みっこなしだからな!」
弦太郎・五郎「……」スッ
弦太郎・五郎「最初はグー、じゃんけん…」
???「にゃはははははっ!」
弦太郎・五郎「…!」
???「あはははははっ!ひぃひぃ…!」
(???が目の下をこする)
???「いやぁ…キミたち面白いねぇ!気に入った、志希ちゃん気に入っちゃったよ!」
一ノ瀬志希「アタシは志希、希望を志すと書いて志希とゆー!志希か志希ちゃんか志希にゃんって呼んで♪博士号なら持ってるけど一ノ瀬博士はナシ、堅っ苦しいのはキライだから!」
弦太郎・五郎「……」チラッ
(弦太郎と五郎が顔を見合わせる)
弦太郎「…国家警備機構の静弦太郎だ」
五郎「…同じく国家警備機構の霧島五郎だ」
志希「はいはい、ゲンタローさんにゴローさんね!……ムムッ!」バッ!
(志希が五郎を見る)
志希「ゲンタローさんもいいけど…」ズイッ!
志希「ゴローさんの方が好みかにゃ~ん♪」ダキッ!
(志希が五郎に抱きつく)
五郎「おほっ♪」
弦太郎「ムッ…」
志希「ハスハス…あ~、コレコレ!あぁ、ゴメン!ニオイフェチだからイイニオイの人を見つけるとついハスハスしたくなっちゃって」
五郎「ううん、全っ然気にしないで♪ウェルカム、ウェルカム!」
志希「にゃはは、ゴローさんってばイイ人♪じゃお言葉に甘えさせてもらって~、ハスハス~♪」
五郎「あっはっはっは!ごめんねぇ、弦ちゃん」
弦太郎「………フン!」
五郎「…妬いてる?」
弦太郎「うるせえッ!…遊びじゃねぇんだ、早く移動するぞ!」
五郎「だってさ?」
志希「はいは~い、ただもうちょっと待ってね~♪」
弦太郎「………」ムスッ
【走行中 車内】
(走行中の車の運転席に弦太郎が、後部座席に五郎と志希が座っている)
志希「全く以ってイイ意味で期待を裏切られたよ♪」
五郎「お堅い人間かと思ってた?」
志希「そーそー、国家警備機構の人たちって聞いてたからさ」
五郎「肩書きじゃ相手のことは分からねえってことだよ」
志希「「肩書きじゃ相手のことは分からない」…キミ、イイコト言うね!」
五郎「あはは、そうかなぁ~?」
弦太郎「ケッ、デレデレしやがって」
五郎「やだねー、男の嫉妬は」
弦太郎「勝手に言ってろ。…おい、志希」
志希「ナニナニ?」
弦太郎「ソイツはまだ女とキスしたこともないんだぜ」
五郎「ちょっと、弦太郎?!」
志希「シたことないの?」
五郎「な、ない…けど……」
志希「する?」
五郎「えっ…?」
志希「アメリカだとキスなんて挨拶みたいなモノだし、初めてが志希ちゃんってのも悪くないんじゃないかにゃ~ん?」
五郎「だ、ダメだよ!そう言うのはもっとちゃんとした関係になってからって言うのが……」
弦太郎「ほら、だからすぐこうなる」
志希「にゃるほど、にゃるほど♪ジョーダンだから安心して、ゴローさん」
五郎「あっ、冗談!冗談……あはは、だ、だよなぁ!」
志希「にゃっはっはっは~♪」
五郎「あのなぁ、弦太郎…!」
弦太郎「へへへへへへ!」
五郎「し、志希ちゃんみたいな可愛い女の子にき、キスとか言われたら…誰だって俺みたいになるよ!」
志希「………!」
弦太郎「へへっ、それもそうですが五郎先生ほどマゴマゴはなされませんよ」ニヤニヤ
五郎「う、うるせえ…バカッ!…エッチ!」
志希「………」
(志希が驚いたような表情を浮かべている)
五郎「……志希ちゃん?」
志希「う、ううん、ちょっと思考がフリーズしてただけ。可愛いって言われるのって新鮮だったから♪」
弦太郎「そりゃァ意外だな。アメリカじゃ言われなかったのか?」
志希「何てゆーか…あんまり向こうじゃそう言う目で見られてないんだ」
五郎「ふぅん…志希ちゃんの周りの男の人たちは見る目がねぇんだな」
志希「そーじゃないんだけど…」
五郎「…?」
志希「てれれーん!ここで突然ですが、クイズターイム!志希ちゃんは今どんな気分でしょ~か?」
五郎「え、えっと…」
志希「10、9、8、以下省略ハイ時間切れ~!正解はハスハスしたい気分でした~!そ~れっ♪」ダキッ!
(志希が五郎に抱きつく)
五郎「おっとっと?!」
志希「ハスハス~♪」
弦太郎「…忙しい女だな」
志希「でしょー!」
【独立幻野党 本拠地】
幻の月光「一ノ瀬志希…大和政権の帝国主義者共に利するもの、つまりは我々の敵…」
(大型モニターに走行中の弦太郎たちが乗った車が映っている)
幻の月光「革命の敵は排除しなければならない!特に一ノ瀬志希だけは何があろうともだ!」
幻の月光「あと少しなのだ!小娘1人の所為で水泡に帰す事などがあってはならん!殺せ!一ノ瀬志希を殺すのだ!幻十二人衆十三人目の男よ!」
【市街地】
???「………」
(市街地に停めてある車の運転席に1人の男が座っている)
???「我々の革命の邪魔はさせん」
スッ
(男が髑髏型コントローラーを翳す)
???「ガメレドン、出撃だ!」
ピロロロロロロ!
【走行中 車内】
志希「キミって変わったニオイ~♪ハスハス~♪」
五郎「あはは、くすぐったいよ!」
志希「ハスハス~♪」
五郎「あはは、くすぐったいってば!弦ちゃん、助けて~♪」
弦太郎「何やってんだか……」
志希「にゃはは、志希ちゃんは…………ん?」
志希「…………」
(弦太郎が急に黙り込む)
五郎「…志希ちゃん?」
志希「変なニオイがする……」
弦太郎「そりゃ五郎のニオイだ」
五郎「なっ…失礼だな、お前は…!」
志希「ううん、そうじゃなくて!大っきい金属の塊…いや、大っきい機械のニオイ…?」
弦太郎「…!マズイかもしれねぇな…」
五郎「何がだ?」
弦太郎「嫌な予感がしやがる…」
五郎「嫌な予感…?」
弦太郎「ああ……」
【山間部】
ガメレドン「カロロロロロ…!」
ズズゥゥン…!
(両肩にブーメランを装備した怪獣ロボットが姿を現す)
ガメレドン「カロロロロロロ!」
ズゥン…ズゥン…ズゥン…ズゥン…!
(ガメレドンが弦太郎たちの乗っているジープを目掛けて進み始める)
ガメレドン「カロロロロ!カロロロロ!」ズゥン…ズゥン…ズゥン…ズゥン…!
【走行中 車内】
五郎「弦太郎…!」
弦太郎「チキショウ、嫌な予感が当たりやがった!」
志希「アレだったんだ、変なニオイの正体は…でも、アレは何?」
弦太郎「説明なら後で気が済むまでしてやる!だから今は…!」グイッ!
(弦太郎がアクセルを踏み込む)
志希「にゃっ…!」ヨロッ
五郎「……」ガシッ
(急加速でよろめいた志希を五郎が抱き留める)
志希「………」
弦太郎「舌噛まねえように黙ってろ!」
ウゥゥゥゥゥン…!
(車がスピードを上げる)
【山間部】
ガメレドン「カロロロロ…」
ブーメラン「…」シュバッ!
(ガメレドンの肩からブーメランが分離する)
ガメレドン「カロロロロロッ!」
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥゥン…!
(ガメレドンがブーメランを3人が乗っている車目掛けて飛ばす)
ガメレドン「カロロロロロロ…」
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥゥン…!
【走行中 車内】
弦太郎「無理か…」
(弦太郎がサイドミラーを見ながら呟く)
弦太郎「五郎、車を捨てるぞ!」
五郎「わかった!志希ちゃん、俺にしっかり掴まれ!」
志希「……」コクッ ギュッ
弦太郎「………」キィィィィィッ…!
(弦太郎が急ブレーキを踏む)
弦太郎「今だ!」ガチャッ!バッ!
(弦太郎が運転席から飛び出す)
五郎「……」ガチャッ!バッ!
志希「………」
(五郎が志希を抱えて後部座席から飛び出す)
【山間部】
弦太郎、五郎「……」ゴロッ…!
(弦太郎と五郎が受け身を取る)
弦太郎「急いで車から離れろ!」ダッ!
タッタッタッタッタッ…!
五郎「おう!」ダッ!タッタッタッタッタッ…!
(弦太郎と、志希を抱えたままの五郎が駈け出す)
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥゥン…!
弦太郎「伏せろ!」サッ!
五郎「……っ…」サッ!
ブーメラン「…」ドズゥゥゥン!
車「…」ドガァァァァァン…!!
(ガメレドンのブーメランが突き刺さった車が大爆発する)
弦太郎「無事か?!」
五郎「何とかな…それより志希ちゃん…!」
志希「大丈夫…」カチャ
(志希がアタッシュケースを抱える)
弦太郎「そうか」
ガメレドン「カロロロロロロロ…!」
弦太郎「……」シュバッ!
(弦太郎がアイアンベルトを構える)
弦太郎「五郎、志希を頼んだぜ!」
ダッ!タッタッタッタッタッ…!
(弦太郎が駈け出す)
志希「一体何がどうなって…」
弦太郎「後で説明するって言ってんだろうが!」タッタッタッタッタッ…!
志希「………」
五郎「…立てる?」スッ
(五郎が手を差し出す)
志希「あっ…うん…」ハシッ スクッ
(五郎の手を志希が掴んで立ち上がる)
五郎「ここにいると危ない。こっちだ」タッタッタッタッタッ…!
志希「……」タッタッタッタッタッ…!
(五郎が志希の手を引いて弦太郎と逆の方向へ走り出す)
ーーー
ガメレドン「カロロロロロ…」
弦太郎「……」タッタッタッタッタッ…ザッ!ビシッ!
(弦太郎がガメレドンの前に立つ)
弦太郎「えいッ!」ブンッ!シュパァァァンッ!
(弦太郎がガメレドンをアイアンベルトで攻撃する)
ガメレドン「カロロロロロ…」
弦太郎「えいッ!」ブンッ!シュパァァァンッ!
ガメレドン「カロロロロロロ…!」
ズゥン…ズゥン…
(ガメレドンがやや後退する)
弦太郎「そぉらッ!」ブンッ!シュパァァァンッ!
ガメレドン「カロロロロロ!!」
ブーメラン「…」シュバッ!
(ガメレドンが肩からブーメランを分離させる)
弦太郎「……!」
ガメレドン「カロロロロ…」
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥゥン…!
(ガメレドンが弦太郎にブーメランを飛ばす)
弦太郎「くっ……!」タッタッタッタッタッ…!
ガメレドン「カロロロロ!」
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥゥン…!
(走って躱そうとする弦太郎をブーメランが追う)
弦太郎「………」タッタッタッタッタッ…!
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥゥン…!
弦太郎「ええいっ!」バッ!
ブーメラン「…」ドズゥゥゥン!
(弦太郎が引きつけたブーメランを跳んで躱す)
ガメレドン「カロロロロロ…!」
弦太郎「野郎ッ!」シュバッ!
(体勢を立て直した弦太郎がアイアンベルトを構える)
弦太郎「えいッ!でぇいッ!」
ブンッ!シュパァァァンッ!シュパァァァンッ!
ガメレドン「カロロロロロ!!」ヨロッ…
ガメレドン「カロロロロロロッ!」
シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!
(ガメレドンが4つのブーメランを肩から分離させる)
ガメレドン「カロロッ!」
ブーメラン「…」
ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
(ガメレドンが4つのブーメランを弦太郎に向かって飛ばす)
弦太郎「……っ!」タッタッタッタッタッ…!
ブーメラン「…」
ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
ガメレドン「カロロロロロロ!」
ブーメラン「…」ドズゥゥゥン!
弦太郎「……!」
(弦太郎の目の前の地面にブーメランが突き刺さる)
ブーメラン「…」
ドズゥゥゥン!ドズゥゥゥン!ドズゥゥゥン!
(一瞬立ち止まった弦太郎の周囲にブーメランが突き刺さる)
弦太郎「しまった、閉じ込められた…!」
ガメレドン「カロロロロロロロ…」
弦太郎「っ…」
ーーー
五郎「弦太郎が…!」チラッ
(五郎が志希を見る)
五郎「志希ちゃん、少しの間ここに隠れててくれ」
志希「………」
五郎「…………」
志希「…分かった」
五郎「ありがとう」ダッ!タッタッタッタッタッ!
(五郎がガメレドンの方へと駈け出す)
ーーー
弦太郎「……」タッタッタッタッタッ…ザッ!
「カロロロロロロ!」
五郎「待ってろよ…」スッ
(五郎が腕を水平に広げる)
五郎「アイアンショック!」
ヒュィィィィィィィィ!
ーーー
五郎「……」タッタッタッタッタッ…ザッ!
「カロロロロロロ!」
五郎「待ってろよ…」スッ
(五郎が腕を水平に広げる)
五郎「アイアンショック!」
ヒュィィィィィィィィ!
ーーー
アイアンキング「……」
ヒュィンヒュィンヒュィンヒュィン…ドゴッ!
ガメレドン「カロロロロロッ…!!」
ドガッ…ズズゥゥゥン…!
(アイアンキングがアイアンキックでガメレドンを吹っ飛ばす)
アイアンキング「……」シュトッ
弦太郎「アイアンキングだ…!」
アイアンキング「………」ス…
(アイアンキングが弦太郎を掌の上に乗せブーメランの囲みから出す)
弦太郎「助かったぜ、アイアンキング!」
アイアンキング「………」コクッ
(アイアンキングが弦太郎を見て頷く)
ガメレドン「カロロロロロ…」スクッ
(ガメレドンが起き上がる)
アイアンキング「……!」
ガメレドン「カロロロロロ…!」
ブーメラン「…」
ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!
(ブーメランがガメレドンの肩に戻る)
ガメレドン「カロロロロロロ…」
ドッ…ドッ…ドッ…ドッ…!!
アイアンキング「……」ガシィッ!!
(アイアンキングがガメレドンの突進を頭を掴んで受け止める)
ガメレドン「カロロロロロロ!」
アイアンキング「………」ズササ…
ガメレドン「カロロロロ…」
アイアンキング「……」
スッ バキィッ!バキィッ!バキィッ
ガメレドン「カロロロロッ…!」
ズゥン…
(アイアンキングがガメレドンの首に手刀を決める)
アイアンキング「……」スッ…
ガメレドン「カロロロロロ!」
ブンッ!バキィッ!
アイアンキング「……!」ヨロ…
(ガメレドンがアイアンキングを殴り返す)
ガメレドン「カロロロロッ!」ドゴッ!!
アイアンキング「……!」
ドガッ…ズズゥゥン…!
(アイアンキングが体当たりで吹っ飛ばされる)
ガメレドン「カロロロロロロ…」
ドッ…ドッ…ドッ…ドッ…!!
(倒れているアイアンキングに向かってガメレドンが突進する)
アイアンキング「……!」バッ!ドガァッ!
ガメレドン「カロロロロッ…」グラッ…!
アイアンキング「……」ダンッ!シュタッ!
(アイアンキングが起き上がる勢いを利用してガメレドンを蹴り上げ、バク転で着地する)
アイアンキング「……」
スッ キュピィィィン!ドゴォォォン!
ガメレドン「カロロロロロッ…!」
(アイアンキングがアイアンフラッシュを撃ち込む)
ガメレドン「カロロロロロロ……」
ズゥン…ズゥン…
アイアンキング「………」スッ
ガメレドン「カロロロロロロ…」パッ!
(ガメレドンが透明になる)
アイアンキング「……!」
「カロロロロロ……」
アイアンキング「……」キョロキョロ…
ガメレドン「カロロロッ!」パッ!ドゴッ!
アイアンキング「……!」ドカッ!
「カロロロロ…」パッ!
(死角から現れたガメレドンが一撃を加え、また透明化する)
アイアンキング「……」フラッ…キョロキョロ…
ガメレドン「カロロロッ!」パッ!ドゴッ!
アイアンキング「……!」ドカッ!
「カロロロロ…」パッ!
(再びガメレドンが死角から一撃を加え、透明化する)
アイアンキング「……」ヨロッ…
ガメレドン「カロロロロロッ!」パッ!
アイアンキング「……!」
(ガメレドンがアイアンキングの正面に姿を現す)
ガメレドン「カロロロロロロッ!」
シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!
ブーメラン「…」
ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!
アイアンキング「……!!」
フラッ……ズズゥゥゥン…
(ブーメランを連続して食らったアイアンキングが倒れる)
ガメレドン「カロロロロロ…!」
ブーメラン「…」
ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
シュバッ!シュバッ!シュバッ!シュバッ!
アイアンキング「………」
ピキュキュキュ!ピキュキュキュ!
(スターランプが点滅を始める)
ガメレドン「カロロロロロ…」
ーーー
弦太郎「アイアンキング……!」
タッタッタッタッタッ…ザッ!
弦太郎「今度はこっちが助ける番だ!えいッ!」ブンッ!シュルルルルル…!
(弦太郎がガメレドンの角にアイアンベルトを巻きつける)
弦太郎「そらッ!」シュバッ!
(弦太郎がアイアンベルトを縮ませ、ガメレドンの顔面に吊り下がる)
ガメレドン「カロロロロロ…」
弦太郎「これでも……」ピンッ!
弦太郎「食らいやがれッ!」
ブンッ!ドガァァァン!
(弦太郎が手榴弾のピンを歯で抜き、ガメレドンの目に手榴弾を投げつける)
ガメレドン「カロロロッ…!」フラフラッ…
(目にダメージを負ったガメレドンが苦しむ)
弦太郎「よっ、と!」シュタッ!
(弦太郎が着地する)
ガメレドン「カロロロロッ…!カロロロロッ…!」
弦太郎「へっ、ザマァ見やがれってんだ!」
【市街地 車内】
???「目をやられたか…静弦太郎め!」
???「………」チラッ
(男が髑髏型コントローラーを見る)
???「ガメレドン、一時退却だ!」
【山間部】
ガメレドン「カロロロロロ…」パッ!
「カロロロロロ……」
(ガメレドンが姿を消す)
弦太郎「…………」
弦太郎「……」カシュッ
(弦太郎がアイアンベルトを直す)
弦太郎「退いたか…」
ーーー
弦太郎「五郎が?!」
志希「うん、真剣な目をして飛び出してった」
弦太郎「あんのバカ…!女の前だからってカッコつけようとしやがっ…」
志希「ゴローさんなら大丈夫だよ」
「み、水……」
弦太郎「……!」バッ!
(弦太郎が声がした方を向く)
五郎「み、水…水をくれ…!」
弦太郎「五郎…」
志希「ね?」
五郎「み、水……」
弦太郎「ったく、余計な心配をさせやがって…ほらよ!」ポイッ
五郎「水だ……!」ハシッ
(弦太郎が五郎に水筒を投げ渡す)
五郎「すぅ……」
キュポッ ゴクゴクゴクゴク…!
(五郎が水筒の蓋を開けて水を飲む)
五郎「……っはぁ!」
志希「ゴローさんの好物ってH₂O?」
弦太郎「何より水が好きな変わったヤツなんだよ…」
五郎「はぁ……うめぇ…!」
ゴクゴクゴクゴク…!
弦太郎「志希」
志希「なに?」
弦太郎「山歩きは出来るか?」
志希「フィールドワークで鍛えられてるからそれなりに。山越えでもするの?」
弦太郎「お前を狙う悪い連中が居たみたいなんでな。…移動中を狙われた、つまりヤツらは俺たちがどの道を通るか知ってた。そう考えてまず間違いない」
【山中】
バチッ…バチバチッ…
(弦太郎と五郎と志希が木の下で火を囲んでいる)
志希「詳しいんだね」
弦太郎「ん?」
志希「火は下草の陰で見えない、煙は枝の間を昇るうちに薄まる」
弦太郎「お前こそ詳しいじゃねぇか」
志希「志希ちゃん物知りだから!ややっ、ゴローさん、ゴローさん!」
五郎「どうした、志希ちゃん?」
志希「お魚焼けたみたいだよ」
五郎「…あっ、本当だ!よっ、よっ、よっ」ヒョイ ヒョイ ヒョイ
(五郎が火で焼いていた魚を取り出す)
五郎「あつつつつ…!ふぅ…ふぅ……匂いで分かったのか?」スッ
志希「そ、志希ちゃんの鼻は高性能だから♪」ハシッ
五郎「へぇ…」スッ
弦太郎「……」ハシッ
(志希と弦太郎が五郎から焼き魚を受け取る)
志希「いただきまーす!」ガブッ
(志希が焼き魚にかぶりつく)
志希「むぐむぐ…ヤミー!こーゆーアウトドアな感じのお昼も悪くないね~ん!」
弦太郎「落ち着いたもんだな」
志希「現状を認識できたからね。もぐもぐ……それにパニックになったって何にも…もぐもぐ…ならないでしょ?」
弦太郎「まぁな。こっちとしてもその方が助かる。…独立幻野党って知ってるか?」
志希「国家転覆を狙う過激派組織、だっけ?」
五郎「知ってるなら話は早いな…志希を狙ってるのはその独立幻野党で、さっきのはヤツらの怪獣ロボットだ」
志希「アレが…」
五郎「怪獣ロボットを出して来た。つまりヤツらはそれだけ…」
弦太郎「薬品の構造式の輸送を妨害したいか、志希にこの世から消えてもらいたがってるか、あるいは両方ってことだ」
五郎「弦太郎!何もそんな風にハッキリと言わなくてもいいだろ!」
弦太郎「言い方を変えたところで同じだろうが」
五郎「それはそうだけどよ…」
志希「ありがと、ゴローさん。でも…アタシならヘーキだから」ガブッ
志希「もぐもぐ…ごくん。だって2人が守ってくれるんでしょ?」
弦太郎「ああ、独立幻野党の思い通りにはさせねぇ」
五郎「お、おう…!志希ちゃんは俺が命に代えても守る!」
志希「…!」
五郎「……志希ちゃん?」
志希「まただ…また…キミは……あっ、ううん!何でもない!」
五郎「…………」
【市街地 走行中の車の車内】
???「………」
「山の中に逃げ込まれたようだな」
???「すまん、月光」
(男がトランシーバー越しに会話をしている)
「革命の為にヤツは何としてでも始末しなければならん」
???「…分かっている。志半ばで散っていった同志たちの為にも必ず計画は成功させる」
「…その言葉を信じるぞ、神在月」
幻の神在月「…ああ」
【山林】
(弦太郎と五郎が樹々を掻き分けながら進んでいる)
志希「わわっ?!」ガッ!
五郎「危ない!」ガシッ!
(木の根に躓いた志希を五郎が掴む)
志希「にゃっ、ドコ触ってるの?!」
五郎「ご、ごめん!」パッ
(五郎が手を離す)
志希「にゃはははは!にゃ~んちゃって~♪今ゴローさんが掴んだのは上腕二頭筋だから安心していいよ~♪」
五郎「えっ?!」
弦太郎「へへっ、五郎のヤツ遊ばれてやがる!これだからキスもしたことがねえ野郎は…」
五郎「い、今それは関係ないだろ!」
弦太郎「へぇへぇ。志希、五郎で遊ぶのも大概にしてくれよ」
志希「は~い、先生!にゃはは、ゴローさんみたいな人久し振りだからつい!」
弦太郎「五郎みたいなヤツ、水ばっかり飲んでるヤツか」
五郎「俺イコール水か!」
弦太郎「実際そうだろうが」
志希「ん~、それもあるんだけどそ~じゃなくて…何てゆーのかにゃ~、イジらせてくれる人?」
弦太郎「良かったな、五郎。褒められてるぞ」
五郎「褒められてる気がしねえんだけど…」
志希「そ~う?一応今の志希ちゃんの中では最上級の褒め言葉なんだけどにゃ~♪にゃる~ん」タタッ スタ
(志希が五郎の前に回り込む)
志希「だってさ、イジらせてくれるって事はちゃんと話を聞いてくれてるって事で…ちゃんと話を聞いてくれてるって事はちゃんと相手をしてくれてるってことだから…さ…」
五郎「……!」
(五郎が志希の瞳に何かを見出す)
志希「ホント、久し振り…」
五郎「志希ちゃん…」
志希「最近4種類のニンゲンとしか会ってなかったから…大別して…アタシを嫌いなヒトと、アタシを見ながらアタシを見てないヒトと、アタシを違う生き物みたいに見てるヒトと、アタシを知らないヒトの4種類…それだけ」
五郎「…………」
志希「ゴローさんみたいに優しくしてくれる人、久し振り…なんだよね…」
弦太郎「…才能があるからこそ、か」
志希「にゃはは、そうなの…かな。オカシなモンでさ、カガクってゆー最先端の場所ほど化石みたいな封建制度が残ってるの」
(志希が俯く)
志希「上下関係に年功序列、派閥に出世競争に、前へ並え、出る杭は打て。どこにも属さないで若くして研究成果をバシバシあげちゃうアタシはキラワレモノなんだ…」
弦太郎「………」チラッ
(弦太郎が五郎を横目で見る)
五郎「………」
志希「皮肉だな…こんな状況の今の方がいつもより呼吸がしやす…」
五郎「……」ポン
(五郎が志希の肩に手を置く)
志希「…?」
(志希が顔を上げる)
五郎「その…さ…俺には難しいことはよく分からねえ。だけど…だけど…これだけは言わせてほしい」
志希「……なに?」
五郎「えっと…その……お、お友だちになりませんか?」
弦太郎「……」ズコッ…!
(弦太郎がよろける)
志希「……にゃ…?」
五郎「あぁ、もう…!俺のバカ!こう言う時に気の利いたことの一つも言えねえんだから!」
志希「………」
五郎「えぇとだな…つまり…全然違うと思うんだ、話せる相手がいるってだけで…な」ボリボリ
(五郎が頭を掻く)
五郎「だからだな…俺は志希ちゃんが辛い時とか苦しい時とかに頼れる相手になりたいと言うか何と言うか……」
志希「ふふっ…ふふふ……にゃ~はっはっはっは!」
五郎「俺おかしなこと…」
弦太郎「ふふふっ…あっはっはっは!」
五郎「弦太郎まで!」
志希「にゃはっはっは、やっぱり面白いね、キミは!フツーお友だちになりましょう、ってこの状況でゆー?」
五郎「それもそう…」
志希「でも!志希ちゃんはフツーの子ではないのです、にゃふふっ!」
五郎「……!」
(五郎が志希の瞳が輝いている事に気付く)
志希「ありがと、今のすっごい嬉しかった♪」
五郎「……あ、あはは…」ボリボリ
志希「こーゆー場合は…喜んで!でいいのかにゃ?」
五郎「志希ちゃん……」
弦太郎「ま、五郎らしいな、へへっ!カッコいい五郎なんざ五郎じゃねえや!」
五郎「どう言う意味だ!」
弦太郎「そのまんまの意味だ」
五郎「コイツぅ…!」
弦太郎「やるかぁ…?」
弦太郎・五郎・志希「………」
弦太郎「あはははははっ!」
五郎「へへっ、へへへっ!」
志希「にゃははははは!はぁ…なんか胸の奥のモヤモヤが昇華してなくなった気分♪」
弦太郎「五郎も偶には役に立つな、偶には」
五郎「偶には、は余計だ、偶には、は」
志希「にゃははっ!」
弦太郎「はぁ…ったく……」
弦太郎「……!」ドンッ!
(弦太郎が五郎を突き飛ばす)
五郎「どわっ?!」ドサッ!
志希「にゃにゃっ?!」ドサッ!
(志希に五郎が重なり合うように倒れる)
志希「やん、お友だちからってゆったのに~♪」
五郎「ご、誤解だ!おい、何しやが…!」
ババババババババ…!
(五郎と志希に頭上を機関銃の弾が通過する)
五郎・志希「!」
弦太郎「…見つかったみてえだ」
独立幻野党員1~9「………」ザッ!
(独立幻野党員1~9が木陰から姿を現す)
弦太郎「………」シュバッ!
(弦太郎がアイアンベルトを構える)
五郎「………」スクッ スッ
(五郎が立ち上がって身構える)
弦太郎「五郎」
五郎「…俺の後ろから出るなよ」
志希「……」コクッ
弦太郎・五郎「………」
独立幻野党員1「オラッ!」ブンッ!
弦太郎「えいッ!」ズバッ!
独立幻野党員2「フンッ!」ブンッ!
弦太郎「でえいッ!」ズバッ!
(斬りかかってきた独立幻野党員1、2を弦太郎がすれ違い様に斬る)
独立幻野党員3「死ねッ!」バッ!
弦太郎「でやッ!」ズバッ!
独立幻野党員3「グアッ…!」ズシャッ!
(跳びかかってきた独立幻野党員3を弦太郎が斬り落とす)
弦太郎「えいッ!えりゃッ!」ズバッ!
独立幻野党員4・5「ウァ……」
(背後に迫っていた独立幻野党員4・5を弦太郎が斬り捨てる)
独立幻野党員6「……」ブンッ!
弦太郎「えいッ!」ドスッ!
独立幻野党員6「グァ……」
(弦太郎が返す刀で正面の独立幻野党員6にアイアンベルトを突き刺す)
弦太郎「………」ブスリ…
独立幻野党4~6「ウォア……」
ドサドサドサッ…!
(弦太郎がアイアンベルトを引き抜くと同時に独立幻野党員4~6が倒れる)
独立幻野党員7「……」バッ!
五郎「させるかよ!」ガシッ!
独立幻野党員7「……!」
(志希に掴みかかろうとした独立幻野党員7の右腕を五郎が掴む)
五郎「この野郎!この野郎!この野郎ッ!」バキッ!バキッ!バキィッ!
独立幻野党員7「……」ドシャッ!
五郎「へへっ!」
(五郎が独立幻野党員7を殴り飛ばす)
独立幻野党員8「オラッ!」ブンッ!
五郎「どわっ!」ハシッ!
(独立幻野党員8の斬撃を五郎が真剣白刃取りで止める)
独立幻野党員8「ぬぅぅ…!」
グググ…!
五郎「ぬぐぐ……よっ」パッ
独立幻野党員8「……!」ヨロッ
(五郎が急に手を離したため独立幻野党員8がつんのめる)
五郎「そらっ!」ゴチン!
(無防備になった独立幻野党員8の顔面に五郎が頭突きをかます)
独立幻野党員8「……」ユラッ…バタッ
五郎「イタタ……」フルフル…
独立幻野党員9「……」ガチャッ!
五郎「……!!」ガシッ!バッ!
(独立幻野党員9が機関銃を構えるのを見た五郎が咄嗟に志希を抱えて跳ぶ)
独立幻野党員9「……」
ババババババババ…!
五郎「…っぶねぇ…志希ちゃん!」
志希「へ、ヘーキ…」
独立幻野党9「……」ガチャッ!
(独立幻野党員9が機関銃を構え直す)
弦太郎「野郎ッ!」ブンッ!
独立幻野党員9「グォ……」ドスッ!
ユラッ…バタッ!
(独立幻野党員9に弦太郎が投げたアイアンベルトが刺さる)
「……」ガチャッ!
(茂みの中から弦太郎に機関銃が向けられている)
弦太郎「…!」
五郎「弦太郎!」
志希「ゲンタローさんが…!」カチャ
志希「あっ…」カチャ
(志希が白衣の胸ポケットに試験管に入れていた事を思い出す)
志希「一本だけ無事だったんだ…ねっ!」ブンッ!パリィン!
「なっ…?!」
志希「命中!」
(志希が投げつけた試験管が茂みの中の男にぶつかって割れ、中身がかかる)
弦太郎「よくやった!」
ダッ!ブスッ!
(一瞬の隙をついて弦太郎が倒れている独立幻野党員9のところまで跳び、アイアンベルトを引き抜く)
弦太郎「………」チャキ
(弦太郎がアイアンベルトを構える)
「く……」
「……」バッ!ザッザッザッザッ…!
(茂みの中の男が身を翻して逃げ出す)
弦太郎「このッ…!」
「チッ…!」ガチャッ!
弦太郎「……!」サッ!
ババババババババ…!
「………」ザッザッザッザッ…!ザザッ!
(弦太郎が機関銃の弾を躱す為に伏せた隙に茂みの中の男が樹々の間に姿を消す)
弦太郎「逃したか!」
弦太郎「……チキショウ」チャキ
(弦太郎がアイアンベルトを直す)
弦太郎「…生きてるか?」
五郎「お陰様で」
志希「右に同じく」
弦太郎「…助かったぜ、志希」
志希「お互い様とゆーことで。それにしても…急にニオイが変わるね、キミたち」
弦太郎「ニオイ?」
志希「さっきも急に戦士のニオイになった」
志希「ゲンタローさんはともかく、ゴローさんまで戦士のニオイになったから驚いちゃったよ」
五郎「俺だって一応は戦士だからな」
志希「にゃはは…そうだったね」
弦太郎「戦士にならなきゃ戦えねえよ……そら、先を急ぐぞ」
五郎「………」
弦太郎「…んだよ?」
五郎「いや…」スクッ
(五郎が立ち上がる)
五郎「立てるか?」スッ
志希「うん」ガシッ
(五郎から差し出しれた手を志希が掴む)
志希「ありが……」ヨロ…ドサッ
(立ち上がろうとした志希がよろけて尻餅をつく)
志希「あれ…?」
五郎「……!右足の脛!」
(五郎が志希の右脛を指差す)
志希「へ?」
【山道】
(弦太郎たちが山道を下っている)
志希「にゃはは、脳内物質がドバドバーっと出てて気付かなかったみたい…」
(志希の右脛に布が巻かれている)
五郎「山を下りたらすぐにちゃんとした治療を受けさせてやるからな」
ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
(五郎が志希を背負って山道を下っている)
弦太郎「弾が当たったのが脛だったのが不幸中の幸いだったな。これが腹だったらどうしようもなかった」
ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
志希「そーだねー、出血多量でアウトなところだったかも。そー考えると志希ちゃんってツイてる?」
志希「にゃにゃ!そー考えるとゴローさんもツイてる?志希ちゃんの弾力係数を背中で計測出来てるワケだから……ッ…」
弦太郎「喋ると傷に響くぞ。怪我人は怪我人らしくしてろ」
志希「あはは…全く以って仰る通りでございます…」
五郎「…ごめんな」
志希「…?どーしてゴローさんが謝るの?」
五郎「志希ちゃんに怪我をさせちゃったからだよ」
志希「いやいや…ゴローさんが守ってくれてなかったら志希ちゃんは今頃ケガどころか蜂の巣だったよ?」
五郎「それでも怪我させちゃった事に変わりはないよ」
志希「………どうしてキミたちは戦ってるの…?」
弦太郎「好きだからだよ」
志希「ダウト。…ゲンタローさんは非情になれる人であって、非情な人じゃない」
弦太郎「…何が分かる」
志希「知ってる?人の感情にはニオイがあるの…正確にはホルモンなんかのニオイなんだけど…」
弦太郎「お前にはそれが嗅ぎ分けられるってか?」
志希「うん。ケッコー苦労してきたんだよ、軽く人間不信になったりなんかしたりして……」
(志希が横を向く)
志希「キミたちは違う、ツクリモノじゃない本物の優しさを持ってる……そんな人たちがどうして戦うの?」
弦太郎「………五郎」
五郎「守りたいからかな」
志希「守りたい…から…」
五郎「俺も弦太郎も守りたいんだよ、カッコつけた言い方をするなら…みんなの笑顔ってヤツを」
志希「…そうなの?」
弦太郎「…誰かがやらなくちゃいけねえんだ。俺たちは平和を守る…何を引き換えにしてでもな…」
志希「………」
五郎「正義の味方なんて高尚なものにはなれないけど、例えば志希ちゃん…志希ちゃんの笑顔を守れるぐらいのヤツではありたいんだ」
志希「……すごいな…」
五郎「志希ちゃんの方がすごいよ」
志希「ううん、アタシなんか全然すごくない。アタシには…何もないもん。空っぽなんだ」
弦太郎「少なくとも化学式は詰まってるだろ」
志希「空っぽと一緒だよ。好きな事をやってたはずなのに…気が付いたらいつの間にか毎日をただ過ごしてるだけになってた」
志希「研究して、成果を出して、論文発表して、研究して、成果を出して、論文発表して……嫌われて、妬まれて、憎まれて……その繰り返し…」
弦太郎「ハァ…人生相談なら他所でやってくれ」
志希「にゃはは…ごめん」
弦太郎「…ただ、傷口が開かれても面倒だからな。俺からも一言だけ言わせてもらう。一回しか言わねえからよく聞けよ」グイッ
(弦太郎が帽子を深く被る)
弦太郎「お前は頭のいいバカだ」
志希「…バカって言われたの生まれて初めて」
弦太郎「だろうな。だがお前はバカだ、どうしてやりたい事をやらねえ?」
五郎「あー…翻訳するとだな、自由に生きろって事だ。好きな事をしろ、嫌な事はしなきゃいい…楽しく生きろ、ってな」
志希「そんな生き方が出来れば……」
弦太郎「折角持って生まれた頭を少しは使いやがれ、テメェは生き方を選べるだろうが!」
志希「……!」
弦太郎「…悪い…それだけだ」
志希「…………」
五郎「……何だって?!」
志希「……?!」ビクッ!
五郎「大変なことになった…いや、なっていたんだ…!」
(五郎が通信機を片手に握っている)
弦太郎「どうした?!」
五郎「謎の病でバタバタ人が倒れて病院に担ぎ込まれているそうだ!それも
東京中で!!」
弦太郎「……!!チキショウ、そう言うことかッ!!」ギリリッ…!
(弦太郎が拳を握りしめる)
志希「まさか…!」
弦太郎「そのまさかだ!お前の持ってきた薬品のサンプル中には例の新型ウィルスに対する特効薬もあったよな?!」
志希「バイオテロ…!そうか、特効薬を持ち込まれたら困るからアタシと特効薬のサンプルを……!」
五郎「ヤツら…こっそり撒いてやがったんだ、潜伏期間だったんだ…!特効薬は?!」
志希「症状が出てからなら24時間がリミット!」
弦太郎「五郎!」ダッ!タッタッタッタッ…!
五郎「おう!」ダッ!タッタッタッタッ…!
志希「……っ…」
(弦太郎と五郎が走り出す)
【国立化学研究所】
研究員1「はい、はい…はい…!」
研究員2「その件に関しましてはこちらでも調査を…!」
研究員3「落ち着いてください…まずは落ち着いてください…!」
(研究員たちが電話対応に追われている)
所長「まさかこんな事が起きるとは……何か手は……」
研究員4「所長!」ダダッ!
(研究員4が部屋に駆け込んでくる)
所長「一ノ瀬博士と連絡が取れたのか?!」
研究員4「はい!」
研究員5「………!」
(所長の隣に立っていた研究員5が反応する)
所長「一ノ瀬博士は今どこに?!」
研究員4「美城山の麓だそうです」
研究員5「………」ダッ!
(研究員5が駆け出す)
所長「君?!」
研究員5「一ノ瀬博士たちを迎えに行ってきます!」
【山道】
(弦太郎たちが山道を駆け下りている)
弦太郎「国立化学研究所まではこの山を降りたらすぐだ!」タッタッタッタッ…!
五郎「迎えも来るんだよな?!」
タッタッタッタッ…!
弦太郎「そのはずだ!連絡を入れたからな!」
志希「………」ギュッ…
(志希が五郎の背中にしがみつく)
五郎「…間に合うよ」
志希「でも……」
五郎「俺たちを信じてくれ!」
志希「………信じる…」
五郎「ありがとう」
志希「ゴローさんはイイニオイだもん…」
五郎「…必ず間に合わせるからな」
志希「うん…」
弦太郎「…!見えたぞ、山道の終わりだ!」
(弦太郎が山道の終わりを指差す)
五郎「あとは迎えの車に志希ちゃんと特効薬のサンプルを乗せられさえすれば…!」
志希「……止まって!」
五郎「えっ?!」ズサササ…!
(五郎が思わず立ち止まる)
弦太郎「五郎、お前何立ち止まって…!」
志希「パフュームのニオイがする…」
弦太郎「何を……」
五郎「………」
弦太郎・五郎「……!!」
(弦太郎と五郎が何かに気付く)
弦太郎・五郎「……」コクッ
(弦太郎と五郎が頷きあう)
【山の麓】
研究員5「……」
白衣の男1~3「……」
(車の前で研究員5が白衣の男たちとともに弦太郎たちを待っている)
研究員5「そろそろ…」
「おーい!」
研究員5「!」バッ!
(研究員5が声がした方向を勢いよく見る)
弦太郎「おーい!おーい!」
タッタッタッタッ…!
(アタッシュケースを持った弦太郎が姿を現す)
弦太郎「待たせたな」ザザッ!
研究員5「あなたは…」
弦太郎「国家警備機構の静弦太郎だ」
研究員5「一ノ瀬博士は?」
弦太郎「止む無く山の中に置いてきた。下山中に足を挫いたんだ。自分はいいからサンプルを早く、ってな」
研究員5「そうですか…」
弦太郎「博士の意思を無駄にしないでやってくれ」スッ
研究員5「…はい!」ガシッ
(弦太郎が研究員5にアタッシュケースを手渡す)
弦太郎「必ずTHRウィルスにやられた患者を救ってくれ!」
研究員5「はい!」
弦太郎「………オイ、アンタ」
研究員5「…何でしょうか?」
弦太郎「今間髪入れずに返事をしたな?」
研究員5「それがどうかされましたか?」
弦太郎「いや、謎の病の正体を随分早く解き明かしたもんだと思ってな。驚いた様子がねえ」
研究員5「あぁ、幸いなことにある医師が…」
弦太郎「嘘だな」
研究員5「なっ…?!」
弦太郎「今しがた国立化学研究所に確認を入れたんだがな…まだウィルス感染症だって事しか分かってねえそうだ」
研究員5「私を疑っているんですか?」
弦太郎「……そこの一番右」
白衣の男1「私ですか?」
弦太郎「他に誰がいる。お前、香水をつけてるな」
白衣の男1「…そんなことは今はどうだって…!」
弦太郎「うるせえッ!いいから答えろッ!」
白衣の男1「…っ…男が香水をつけたらいけないんですか?」
弦太郎「どこで買った?」
白衣の男1「百貨店で…」
弦太郎「へぇ、ソイツは妙だな。アンタがつけてる香水が百貨店で売られてるはずはねえ…」スッ
(弦太郎がアイアンベルトを取り出す)
弦太郎「その香水は昨日、志希が飛行機に乗る直前に気まぐれでブレンドした香水なんだからな」
白衣の男1「……!!」
弦太郎「つけてるヤツがいるとしたら志希と…山ん中で志希に試験管ごと打つけられたヤツの2人だけだ!」シュバッ!
(弦太郎がアイアンベルトを構える)
弦太郎「得心がいったぜ。国立化学研究所の研究員なら志希がどの道路を通るかぐらい簡単に知ることが出来る」
研究員5「……っ…」
弦太郎「国立化学研究所ではTHRウィルスの株も保管されていたな。…研究員しか近付けねえ場所に」
研究員5「………」ジリ…
弦太郎「この期に及んでつまらねえ言い訳はするなよ」
研究員5「……!」
弦太郎「…………」
研究員5「謀ったな、静弦太郎…!」
弦太郎「先に騙そうとしたのはテメェらだ」
研究員5「このアタッシュケースはの中身は…!」
弦太郎「カラだ。志希は五郎と一緒に別のルートで山を下りた。国立化学研究所にサンプルが届くのは時間の問題だ」
研究員5「おのれ…!」ガシッ!バサッ!
白衣の男1~4「……」バサバサバサバサッ!
(研究員5と白衣の男1~4が白衣を脱ぎ捨てる)
幻の神在月「こうなれば貴様を始末してから一ノ瀬志希の後を追うまでだ!」
独立幻野党員1~4「……」チャキ…
弦太郎「へっ、とうとう馬脚を現しやがったな!」
幻の神在月「この計画の為に我々は潜伏し、備えてきたのだ!革命の贄となれ!」
独立幻野党員4「ヤァッ!」バッ!
弦太郎「えいッ!」ズバッ!
(斬りかかってきた独立幻野党員4を弦太郎が斬り捨てる)
独立幻野党員3「オラッ!」ブンッ!
弦太郎「でぇいッ!」キィンッ!ズバッ!
(弦太郎が斬撃を受け流し、そのまま斬る)
独立幻野党員2「……」ヒュンッ!
弦太郎「えいッ!」ズバッ!
独立幻野党員2「ギャッ……」ドシャッ!
(弦太郎が独立幻野党員2が宙返りしたところを斬り落とす)
独立幻野党員1「……!」
弦太郎「………」チャキッ!
独立幻野党員1「死ねぇッ!」ダッ!
弦太郎「でいッ!」ダッ!ズバッ!
(弦太郎がすれ違いざまに独立幻野党員1を斬る)
独立幻野党員1「グォ……」
ユラッ…ドサッ…!
幻の神在月「おのれぇッ…同志たちよッ!」
ヒュンッ!ヒュンッ!ヒュンッ!ヒュンッ!
独立幻野党員5~15「……」ザッ!
(独立幻野党員5~15が姿を現す)
弦太郎「次から次へと…」
独立幻野党員5「フンッ!」ブンッ!
弦太郎「えいッ!」ズバッ!
独立幻野党員6「……」ダッ!
弦太郎「でぇいッ!」ズバッ!
独立幻野党員7「このッ…!」ブンッ!
弦太郎「でりゃッ!」ズバッ!
(弦太郎が立て続けに独立幻野党員5、6、7を斬る)
独立幻野党員5~7「ウワァ………」
フラッ…ドサドサドサッ!
弦太郎「……」チャキッ!
(弦太郎がアイアンベルトを構え直す)
弦太郎「はッ!」ダッ!
弦太郎「でぇりゃァァッ!」ズバッ!ズバッ!ズバッ!
独立幻野党員8、9、10「ウァァ……」
ドサッ!ドサッ!ドサッ!
(弦太郎が立て続けにすれ違いざまに独立幻野党員8、9、10を斬る)
幻の神在月「……ッ!」ズサリ…ズサリ…
幻の神在月「やらせはせん…」スッ
(幻の神在月が髑髏型コントローラーを翳す)
幻の神在月「ガメレドン!!」
ピロロロロロロ!
ーーー
ガメレドン「カロロロロロロ…」パッ!
(ガメレドンが姿を現す)
ガメレドン「カロロロロロ…」
ズゥン…ズゥン…!
ガメレドン「カロロロロロロロ!」
ズゥン…ズゥン…!
弦太郎「えいッ!」ズバッ!
独立幻野党員11「グワッ!」ズシャッ!
ガメレドン「カロロロロロロロ…」
弦太郎「……!」
幻の神在月「やれぇッ、ガメレドン!弦太郎を殺せ!」
ガメレドン「カロロロロロロロ…!」
弦太郎「く……」ジリ…
ガメレドン「カロロロ!カロロロロロ…!」
弦太郎「チィッ…!」
【走行中 国立化学研究所の車の車内】
(後部座席に五郎と志希が乗っている)
五郎「怪獣ロボット…」バッ!
(五郎が窓の外を見る)
「カロロロロロロロ…!」
五郎「チキショウ……」
志希「ドライバーさん、停めて!」
運転手「えっ…」
志希「いいから停めてっ!!」
運転手「わ、分かりました…!」
グッ キキィィィィ…!!
(志希の剣幕に運転手がブレーキを踏んで車を止める)
志希「行ってあげて、ゴローさん!」
五郎「……!」
志希「行ってあげて」
五郎「………」
志希「………」
五郎「行ってくる!」ガチャッ!
五郎「……」ダッ!タッタッタッタッ…!
(五郎が車から跳び出し、ガメレドンの方へと駆け出す)
志希「…………」
ーーー
五郎「……」タッタッタッタッ…ザッ!
五郎「すぅ………」ス…
五郎「アイアンショック!」
ヒュィィィィィィ!
【山麓】
(BGM:アイアンキング)
アイアンキング「……」ダッ!ドゴッ!
ガメレドン「カロロロロッ…!」ヨロッ!
(アイアンキングぐガメレドンに体当たりを打ちかます)
アイアンキング「……」ガシッ!ブンッ!
ガメレドン「カロロロロロ…」
ブォンッ…!ズズゥゥン…!
(アイアンキングがよろめいたガメレドンの首を掴み投げ飛ばす)
アイアンキング「………」ス…
弦太郎「アイアンキング…!」
独立幻野党員12「死ねぇッ!」ブンッ!
弦太郎「誰が死ぬかッ!」ズバッ!
独立幻野党員12「ウォ……」ドサッ…!
弦太郎「怪獣ロボットは任せたぜ!」ギロッ!
(弦太郎が幻の神在月たちを睨みつける)
幻の神在月「……」ジリ…
独立幻野党員13、14、15「…」ジリ…
(幻の神在月たちが後退る)
弦太郎「………」チャキッ!
ガメレドン「カロロロロロロロ…」
ドッ…ドッ…ドッ…ドッ…!
アイアンキング「……」サッ!
ガメレドン「カロロロッ…」
(アイアンキングが最小限の動きで突進を躱す)
アイアンキング「………」ドゴッ!
ガメレドン「カロロロロロ…!」
ズゥゥン!
(アイアンキングに足払いをされたガメレドンが前のめりに倒れる)
アイアンキング「……」ヒラッ ドスン!
アイアンキング「………」ドゴッ!ドゴッ!
(アイアンキングが馬乗りになってガメレドンを殴る)
アイアンキング「………」ドゴッ!ドゴッ!
ガメレドン「カロロロロロッ!」
アイアンキング「………」ドゴッ!ドゴッ!
ガメレドン「カロロロロロ…」ブンッ!ドゴッ!
アイアンキング「……!」ヨロッ…ズズゥン!
(ガメレドンが尻尾でアイアンキングを撥ね飛ばす)
ガメレドン「カロロロロロ…」スクッ
(ガメレドンが立ち上がる)
アイアンキング「………」
ヨロッ…ドドッ…ズゥゥン!
(アイアンキングが体勢を立て直す)
ガメレドン「カロロロロロ…」
ズゥン…ズゥン…
アイアンキング「……」ズゥン…ズゥン…
ガメレドン「カロロロッ!カロロロッ!」シュバッ!シュバッ!
(ガメレドンが二つのブーメランを肩から分離させる)
ガメレドン「カロロッ!」
ブーメラン「…」
ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
アイアンキング「……!」ガシッ!ガシッ!
(アイアンキングが飛んできたブーメランを片手で一つずつ掴む)
アイアンキング「……」グググググ…
(アイアンキングがブーメランを押さえ込んでいる)
ガメレドン「カロロロロロ……」
アイアンキング「……」グググググ…
ガメレドン「カロロロッ!カロロロッ!」シュバッ!シュバッ!
(ガメレドンが更に二つのブーメランを肩から分離させる)
ガメレドン「カロロロロロッ!」
ブーメラン「…」
ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
アイアンキング「…!」グググググ…
アイアンキング「……」ガッ!ブンッ!ブンッ!
(アイアンキングが飛んできたブーメランに掴んでいるブーメランを投げつける)
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
ブーメラン「…」ヒュゥゥゥン…!ヒュゥゥゥン…!
ドガァァァァン!!
(激突したブーメラン同士が爆発する)
ガメレドン「カロロロロロロロ…!」
(ガメレドンが激昂する)
アイアンキング「………」ス…
弦太郎「えいッ!えいッ!でえいッ!」ズバッ!ズバッ!ズバッ!
独立幻野党員13、14、15「……!」
ドサッ!ドサッ!ドサッ!
(弦太郎が独立幻野党員13、14、15を連続で斬り捨てる)
弦太郎「さあ、残りはテメェだけだ!」
幻の神在月「……っ!」チャキッ!
(幻の神在月が刀を構える)
弦太郎「………」ジリ…ジリ…
幻の神在月「………」ジリ…ジリ…
(弦太郎と幻の神在月が向かい合っている)
幻の神在月「覚悟ッ!」ブンッ!
弦太郎「でぇいッ!」キィンッ!
幻の神在月「ハァッ!」ブンッ!
弦太郎「えいッ!」キィンッ!
(弦太郎と幻の神在月が斬り結ぶ)
幻の神在月「ぬうッ!」ブンッ!
弦太郎「オラァッ!」ズバッ!
(アイアンベルトと刀が交差する)
幻の神在月「あ………」ユラッ…ドサッ!
(幻の神在月が倒れる)
弦太郎「…………」
ガメレドン「カロロロロロロ…」パッ!
(ガメレドンが透明化する)
アイアンキング「……!」
「カロロロロロロロ……」
ズゥン…ズゥン…
アイアンキング「……」キョロ…キョロ…
ガメレドン「カロロロロロ…」
パッ!ドゴッ!
アイアンキング「……!」ドゴッ!フラッ…
「カロロロロロ…」パッ!
(死角から現れたガメレドンが一撃を加え、また透明化する)
ーーー
弦太郎「チキショウ、まただ…!」
タッタッタッタッタッ…ザッ!
「カロロロロロ…」ドゴッ!
アイアンキング「……!」ドゴッ!フラッ…
弦太郎「透明になって攻撃を仕掛けて来やがる…」
「カロロロロロ…」ドゴッ!
アイアンキング「……!」ドゴッ!フラッ…
弦太郎「姿が見えなくなったからと言って消えちまってるワケじゃねえ、何か方法が……」
「カロロロロロロロ……」
ズゥン…ズゥン…
弦太郎「…!そうだ、ヤツは足音を立ててやがる!」
弦太郎「足音を立ててやがるって事は地面を歩いて移動してるって事だ」
シュバッ!
(弦太郎が鞭状のアイアンベルトを構える)
弦太郎「となりゃあ……」
「カロロロロロロロ……」
ズゥン…ズゥン…
メキッ…
弦太郎「そこだぁッ!」ブンッ!
(独りでに折れたように見える立木のやや上方めがけて弦太郎がアイアンベルトを振るう)
「カロロロロロ…?!」
バッ!シュパァァァンッ!!
(アイアンキングに跳びかかろうとしていたガメレドンがアイアンベルトの一撃を食らい、バランスを崩す)
ガメレドン「カロロロロロッ!!」
ズズゥゥゥゥン…!!パッ!
(地面に倒れ込んだガメレドンの透明化が解ける)
アイアンキング「……!」
ガメレドン「カロロロロロロロ……」
弦太郎「今だ、アイアンキング!」
アイアンキング「……」コクッ
(アイアンキングが弦太郎を見て頷く)
アイアンキング「………」カシャアッ!
(アイアンキングが熱光線発射の構えを取る)
アイアンキング「……」ガシィィィン!
カァァァァァァァァァァァ…!
ガメレドン「カロロロロロロロ…!」
ヨロッ…
アイアンキング「……」ジジジジジ…ビシュゥゥゥ!!
(アイアンキングが熱光線を放つ)
ガメレドン「カロロロ……!!」
バァァァァァァァンッ!!
(ガメレドンに熱光線が命中する)
ガメレドン「カロ………」
ビシィビシィビシィビシィ!ユラッ…
ドゴォォォォォォォンッ…!!
(ガメレドンが大爆発する)
メラメラメラメラ…
(ガメレドンの残骸が燃えている)
アイアンキング「………」
弦太郎「…こっちは片付いたな」カシャ…
(弦太郎がアイアンベルトを降ろす)
アイアンキング「…………」
弦太郎「……………」
【数日後 病院 病室】
志希「にゃんにゃんにゃにゃ~ん♪」
ブラブラ
(志希が病室のベットに座って足をぶらつかせている)
弦太郎「オイコラ怪我人」
(弦太郎が病室の壁に寄りかかって立っている)
志希「軽傷者だも~ん♪」ブラブラ
弦太郎「怪我人であることに変わりはねえだろうが」
志希「にゃはは、ま~ね~ん♪」
ブラブラ
弦太郎「ったく……」
五郎「まぁまぁ」ショリショリショリショリ…
(五郎が椅子に座って林檎の皮を剥いている)
五郎「弾が貫通してたから軽傷で済んだ、術後も順調、足をぶらつかせるぐらいイイじゃないの」
ショリショリショリショリ…
弦太郎「そういう問題じゃ……はぁ……ま、いいか!」
志希「そーそー、まーいーかの精神♪」
弦太郎「へへっ、カリカリしたってしょうがねえか」
五郎「東京は救われた、志希ちゃんもすぐに退院できる。今はそれを喜びましょう、弦太郎さんや」
ショリショリショリショリ…
弦太郎「そうですな、五郎さんや。今日ぐらいは勝利に酔いしれるとしましょう」
志希「ならなら~、イイ気分になれるおクスリでパーティーでも…」
弦太郎「いえ、結構です」
五郎「俺も結構です」ショリショリショリショリ…
志希「えー、自信作なのに~」
弦太郎「病室で薬品を作ってはいけません」
志希「キソクには「病室でクスリを作っちゃいけません」なんて書いてなかったけどにゃ~?」
弦太郎「屁理屈の天才め」
志希「にゃはは、ホントには作ってないから許してー♪」
弦太郎「ったく、コイツが大勢の命を救った特効薬の開発者だってんだからなぁ。…事の顛末は聞いてるか?」
志希「ナースさんから聞いた。奇跡的に1人も死なずに済んだんだってね…」
五郎「ああ、志希ちゃんの作った薬のおかげだ」ショリショリショリショリ…
志希「にゃはは、何だかこそばゆいにゃ……」カリカリ
(志希が頬をかく)
志希「……………」
五郎「…なぁ、志希ちゃん」
ショリショリショリショリ…
志希「なぁに?」
五郎「「ただ過ごしてる」中で作った薬でさ、志希ちゃんはこれだけすごい事が出来たんだ。だからさ…やりたい事をやったらもっとすごい事が出来んじゃねえか」ショリショリショリショリ…
志希「……!」
五郎「…なんて、な」ショリショリショリショリ…
志希「………」
五郎「……」ショリショリショリショリ…
志希「…相変わらずキミはイイ事を言うね」
五郎「あはは…」ショリショリショリショリ…
五郎「はい、リンゴ」スッ
志希「ありがと、ゴローさん」ハシッ
(五郎が志希に皮を剥いたリンゴを手渡す)
志希「すんすん…はにゃ~ん、いいニオイ♪」
弦太郎「剥いたのは五郎だが、買ってきたのは俺だからな?」
志希「知ってる知ってる、ゲンタローさんもありがとにゃ~ん♪かぷっ!」
シャクッ!
(志希がリンゴをかじる)
志希「ん~、オイシ♪あ、そーだ、アタシやりたい事が見つかったの!ねえ、聞きたい、聞きたい?」シャクシャク
弦太郎「聞きたい聞きたい」
五郎「ぜひ聞かせてくれ」
志希「サンキュー♪…あのね、面白くて楽しくてイイニオイのするモノを探しに行くんだ」シャクッ
弦太郎「ほぅ……」
志希「…入院中に知り合いになった人がいるの、ぎっくり腰で入院してるおじいさん」
パタッ
(志希が足をぶらつかせるのを止める)
志希「すっごく不器用で捻くれてるけど、すっごく優しい人なんだ……」
五郎「……そっか」
志希「うん…他にも色んな人と知り合いになってさ…驚いたことにみんな優しい人なの」
(志希が微笑む)
志希「で、ようやく気付いたんだ。世の中ケッコー捨てたモンじゃない、まだまだ一ノ瀬志希とゆー人間を定義するには時期尚早、ってね♪」
五郎「退院後の予定は?」
志希「未定、故に無限大♪世界は広い、世の中謎だらけ、志希ちゃんはカワイイ♪」
弦太郎「最後」
志希「にゃはははははっ!」
志希「とりあえず風の向くまま気の向くままに行動してみるよ、そしたらきっと見つかると思う……根拠はないけどね~ん♪」
弦太郎「ふっ……」
志希「志希にゃんは頭と鼻がイイから、何とかなるなる!……ありがとう、色々と助けてもらっちゃって」
五郎「いいの、いいの♪」
志希「色々知ることもできたよ……例えばアイアンキングはリンゴを剥くのが上手、とか」ボソッ
五郎「ん、なんか言った?」
志希「ううん、なーんにも♪」ニコッ
(ED:ひとり旅)
志希にゃんとにゃんにゃんしたかったのと、アイアンキングが好きすぎるので書きました
何を言ってるか分からねーと思うが(ry
つまりは衝動だけで書きました
この後志希はアイドルに……と言う話を書いたつもりです
お目汚し失礼しました
喋らない巨大ヒーローのアクションシーン難しい……
「アイアンキング」最大の問題はアイアンキングの弱さではなく、佐々木守全開の脚本だと思うのです
……だがそれがいい!!
「お前と俺を足して2で割りゃちょうど良いのさ」と言う五郎の台詞がこの作品そのものを表している…と個人的には思います
弦太郎だけでも、アイアンキングだけでも勝てないんです
独立幻野党編が一番好きなんですが、再放送は色々な意味で絶対無理だろうなと思いつつ
そもそもアイアンキング自体が…
何はともあれ、名作なので是非一度アイアンキングは見てみてください
ちひろさんはSSRを僕にください
乙
書式は好みではないけど
良いストーリーだった
アイアンキングに興味を持ったよ
乙
面白かった
次はダイヤモンドアイでお願いします
乙
良いクロスだった
すげー組み合わせだ…
タイトルが既に卑怯www
乙
乙
戦闘シーンで例の曲が浮かんだよ
音楽は栄光の七人ライダー、ドラゴンボールでお馴染みの菊池俊輔さんなんだよな
乙
アイアンキング好きの俺には良スレだった。面白かった
アイアンキングのSSなんて初めてだわ
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