城之内「勝てねぇ」遊戯「なんで狙ったカードを引けないの?」 (36)

海馬「ゆけブルーアイズ! 滅びのバーストストリーム!!」

城之内「うわぁああああ!!!」

LP0 ピー

海馬「ふはははは! 凡骨は凡骨らしく地面に這いつくばっていろ!」

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城之内「ちくしょぉ……」

遊戯「惜しかったね」

城之内「海馬の野郎、凡骨呼ばわりしやがって」

遊戯「でも、ベスト4だよ。胸を張っていいと思うよ」

城之内「ありがとよ。でもやっぱ悔しいぜ」

城之内「あの時、あのカードさえ引けていれば勝てたんだけどなぁ」

遊戯「引けばよかったじゃないか」

城之内「ははは、そんな簡単に引けたら苦労しねぇよ」

遊戯「え?」

城之内「ん? どうしたんだよ遊戯」

遊戯「城之内君、デスティニードローを使えないの?」

ワロタ

城之内「なんだよそれ。新しいカードか?」

遊戯「……はぁ、それじゃあ海馬君に『凡骨』って言われても仕方ないよ」

遊戯「あのね、真のデュエリストは、ピンチの時やここぞといった時に狙ったカードを引くことが出来るの。それがデスティニードローさ」

城之内「ははは―――――冗談だろ?」

遊戯「そうじゃなきゃ、逆転勝利なんて何度もできるわけないじゃないか」

城之内「なんだよそれ! イカサマかよ!」

遊戯「イカサマじゃないよ。できないほうが悪いんだから」

遊戯「それに、さらに極めるとカードを創造することもできるんだよ」

城之内「……は?」

遊戯「デッキのカードでは対処できない場合に、新しくカードを創造してピンチを乗り越えるんだ」

城之内「じゃあなにか、デスティニードローってのを使えないと海馬には」

遊戯「まず勝てないだろうね」

城之内「頼む! 教えてくれ遊戯! 俺はどうしたらそれが使えるんだ!?」

遊戯「それはね、デュエルを楽しむことさ」

城之内「デュエルを楽しむ?」

遊戯「そうさ、デュエルを楽しんでカードを愛せば、カードは君の思いに答えてくれるさ」

城之内「とは言ってもよ、俺毎回楽しんでるぜ、デュエル」

遊戯「う~ん。さっきから聞いていて思ったんだけど、城之内君は勝ちたいって気持ちが強すぎるんだよ」

城之内「? 何言ってんだ? デュエルは勝つためにやるんじゃないのか?」

遊戯「それも大切だけど、まずデュエルを楽しもう」

遊戯「長い時間かけて作った最高のデッキで、ライバルたちと闘うのが楽しいんだよ。もちろん、負ければ悔しいけど、全力で戦ったら負けても楽しいよ」

城之内「そうか、デュエルを楽しむ、か……あれ?、でも、海馬の奴はどうなんだ? あいつこそ、勝利しか求めてないだろ」

遊戯「それはね……あ~、説明すると長くなるから、実際に見に行こうか」


遊戯「到着しました。海馬コーポレーション」

城之内「いつ来ても嫌味なビルだな」

遊戯「モクバくんにもらった地図だと、海馬君の部屋は―――――あった、あそこだよ」

城之内「ん? 部屋の扉がちょっと開いてやがるな」



海馬「よくやったぞブルーアイズ。ほら、お前のために作った特別性のスリーブだぞ」



城之内「……何やってんだあいつは?」

遊戯「あれが、カードを愛すってことさ。日ごろから愛情をこめて接することで、デュエルの時にカードが答えてくれるんだよ」

城之内「そう……なのか?」


海馬「命削りの宝札もマッサージしてやるぞ。ほら、気持ちいいか」



遊戯「城之内君の言うとおり、海馬君は勝利を求めてたよ」

遊戯「でも、それも過去の話さ」

遊戯「海馬君はブルーアイズが強いから使うんじゃない。愛しているから使ってるんだ。そして、ブルーアイズで敵を殲滅するのが楽しいんだ」

城之内「なんか歪んだ楽しみ方だな」

遊戯「楽しみ方なんて人それぞれさ」

遊戯「可愛い女の子を召喚して愛でるもよし!」

遊戯「ひたすら相手を罠にかけるもよし! 自分の好きなものをカード化するのもよし!」

遊戯「まずはデュエルを楽しむ! デスティニードローが使えるのはそれからさ」

その後、城之内はデスティニードローを極めるために旅に出た。
寝るときはもちろん、トイレの時も風呂の時も、デッキを肌身離さず持ち続けた。
雨の日も、風の日も。

城之内「ドロー! ……ちくしょう」

休む間もなく。カードを引き続けた。

城之内「ドロー! ……だめだ、ひけねぇ」

時には、カードをいたわり

城之内「どうだ、これが有名な穴だぞ。奈落の落とし穴」

時には、カードと語り合った

城之内「なぁ、覚えてるかレッドアイズ。俺たちが初めて会った日のことを」


――――――そして、


城之内「ドロォォォォー! よし! 10回連続で成功だ!」

女の子の部分が非常に気になる件ww

カランコロンカラン カランコロンカラン

遊戯「いらっしゃいませ~――――って、なんだ城之内くんか」

城之内「……遊戯、デュエルしようぜ」

遊戯「ってことは」

城之内「……ああ、完成したぜ」

遊戯「いいよ、やろうか」スチャ

城之内「おうっ」スチャ



遊戯&城之内「デュエル!!」



遊戯「バトルだ! デーモンの召喚! 魔降雷!」

城之内「ぐぁっ!?」

遊戯「ロケット戦士、撃破!」
LP3100 手札3枚 伏せカードなし

城之内(これで俺のフィールドには何もなくなっちまった)
LP2200 手札3枚 伏せカードなし

城之内(次のターン。デーモンの召喚の直接攻撃をくらったら負けちまう)

遊戯「カードを1枚伏せてターンエンド。城之内君のターンだよ」

城之内(今の手札で逆転することは―――できない)

城之内「ふぅぅ………」

城之内(思い出せ。あの旅を、あの特訓を)

城之内(ここで引けなかったらデッキへの愛が嘘になっちまう。デッキのために、愛のために、俺は引く!)



城之内「俺のターン! ドロォォォオオ!!!」



城之内「……(チラッ) 来たぜ!」

城之内「俺は手札から魔法カード『右手に盾を左手に剣を』を発動! これでフィールド上のモンスターの攻守が逆転!」

デーモンの召喚『攻撃翌力2500⇒1200』

遊戯「しまった!」

城之内「手札から『黒竜の雛』を召喚!」

城之内「このカードを生贄にささげることで、手札から『真紅眼の黒竜』を特殊召喚できる。いでよ! レッドアイズブラックドラゴン!」

城之内「いけレッドアイズ! デーモンの召喚を攻撃! 黒炎弾!」ドギャン

遊戯「うわぁぁああっ!?」
LP3100⇒1900

城之内「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。どうだ遊戯!」

遊戯「凄いよ城之内君。そんなカード初めて見たよ」

城之内「そうだろそうだろ。なんたって俺が創造したカードだからな」



遊戯「僕も本気でいかなきゃ! ドロー!」

遊戯「リバースカードオープン。『融合』! 手札の『バフォメット』と『幻獣王ガゼル』を融合する! いでよ! 『有翼幻獣キマイラ』!」

遊戯「さらに、手札から『死者蘇生』を発動! 甦れデーモンの召喚!」

遊戯「バトルだ! デーモンの召喚でレッドアイズブラックドラゴンを攻撃!」

城之内「う゛っ!?」
LP2200⇒2100

遊戯「キマイラでダイレクトアタック!」

城之内「ぐわぁぁあああっ!!!」
LP⇒0 ピー

遊戯「……あれ?」



城之内「くそぉ、いきなりライフポイントを全部削られちまったか!」

遊戯「……」

城之内「いやぁ、初めて勝てると思ったが、やっぱ勝てなかったぜ」

遊戯「……」

城之内「でも久しぶりに心の底から楽し」

遊戯「ねぇ城之内君、なんで最後ライフポイントを残さなかったの?」

城之内「なんだよその言い方。それじゃあまるで、俺がわざと残さなかったみたいじゃねぇか」

遊戯「だって、伏せカードがあったじゃないか」

城之内「確かにあったけど『ハリケーン』だぜ? 使ったって意味ねぇぞ」




遊戯「まさか……城之内君、ライフポイント100残し、使えないの?」




終わり 

ワロタ。乙

こういうの嫌いじゃないwwww

嫌いじゃないわ

皮肉が効いてて好き

ライフ100残しができたら次は心理フェイズだな

おつ
おもしろかった!

マリク「古代神官文字読めないの?」

ワロスw

乙!

面白すぎる…

100残しは遊馬がやたら使ってた覚えがある

デュエルを楽しむために自分のリアルライフ掛けてる奴は違いますわ

拾ったカードでデッキ組んで一人前

>>24
体力を削って返しのターンにホープレイを狙うのが基本戦略だからね

sage

正確にはライフポイント1000以下だけどな。

わろた

なるほど…こうやって鍛えられてGXの時には五本の指に入るプロデュエリストになったんだな…

面白かった

「それはどうかな」と「~していたのさ!」もマスターしなきゃ

だがダ→メ↑ージ↓は受けてもらう

遊矢はペンデュラム召還というルール創造までしたな

遊矢って誰だよ

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