進撃の巨人SS
単行本8巻までのネタばれ有り
「あの花」のキャラは出ません
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370966920
訓練兵団 宿舎 廊下
アルミン 「アニ……その、そろそろお金返してくれるかな?」
アニ 「済まないね、アルミン。父さんの病気が良くならなくて。もう少し待ってくれないか」
アルミン 「うん……」
アルミン (父親の病気を治すのにお金がかかる。金を工面するにも方法が無くて困っていると
アニから相談され、お金を貸してから一ヶ月……)
アルミン (給金が入り次第お金を返して貰う約束だったが、それは反故にされた。
何でも父親の体の具合が芳しくなく、入院が長引きそうだと言う)
アルミン (同期の窮状を何とかしたいと思ってお金を貸したものの、
僕自身決してお金に余裕が有る訳ではなく、とはいえアニに度々返済を迫るのも気が引ける)
スレタイワロタ
期待
ライナー 「よぉ、アニとアルミンじゃないか」
ベルトルト 「どうしたんだい、二人とも」
アニ 「別に」
アルミン 「ああ、何でもないよ。少し話していただけ」
ライナー 「どうやら俺達お邪魔みたいだな」
ベルトルト 「うん、そうらしいね」
アルミン 「いや、そういうんじゃないんだ」
ライナー 「ははーん、さては……」
アルミン (誤解されているようだ)
ライナー 「アルミン、アニに金貸したな?」
アルミン (え、どうして!? 何故分かった!?)
ライナー 「その表情じゃ図星らしいな」
アニ 「……」
ライナー 「こいつは昔からこうでな。外で飯食った時なんかよく『今持ち合わせが無いから立て替えてくれる?』
とか言ってきて、建て替えてやっても後で返さないんだ」
ベルトルト 「そういった細々としたお金は幾度と無く貸しっ放しだよね。もう全部は覚えてないけど」
ライナー 「でも、まとまった金を貸した分については覚えている。アルミンよりも先に俺達に返して欲しい位だ」
ベルトルト 「これ以上アニの借金が増えるといつ返して貰えるか分からないからね」
アルミン 「待ってよ! 僕だってお金返して貰わないと困るんだ」
ライナー 「だってよアニ。さあ、俺達への借金返して貰おうか」
アニ 「そんなに一度に来られても無い袖は振れないよ」
ベルトルト 「アニだって少し位持ち合わせがあるだろう?」
ベルトルト 「何も今ここで全額返せとは言わないよ」
アニ 「……少し待ってくれ」
ライナー 「駄目だ。もう何年待たせる気だ」
アニ 「だったら……」
アニ 「あたしが今ここで裸になったら借金チャラにしてくれるかい?」
ライナー (それって……まさか……)
ベルトルト (ここで巨人化してでも僕らを黙らせる気か……)
アニ 「さあ、どうする?」
ライナー (俺は戦士だ。ここで引く訳にはいかない!)
ベルトルト (このままだとこれまで貸したお金が……だったらこっちだって!)
アルミン 「……本当に脱いでくれるなら……借金半分にしてもいいよ」
アニ 「はァ!」
ライナーとベルトルト 「ええっ!」
アルミン 「どうしたの、アニ? 君から言い出したことだろ。全額免除って訳にはいかないけど、
借金半額免除でどうかな?」
アニ (こいつ勘違いしてる。あたしそんなつもりで言った訳じゃ……。
いや! これは……借金を減らすチャンス……)
アニ 「分かったよ」
アニ 「アルミン、あたしの裸拝ませるかわりに借金半分にして貰うよ」
アルミン 「交渉成立だね」
アニ 「さあ、あんたらは行った行った」
ベルトルト 「僕とライナーの話はまだ——」
アニ 「アルミンと二人きりになりたいんだけど」
ベルトルト 「……分かったよ」
ライナー 「待て、アニ!」
ライナー 「俺も借金半額にすれば、ここに居てもいいんだよな?」
ベルトルト (ええっ!)
ベルトルト 「ライナー、こっちへ」
ライナー 「引っ張るなよベルトルト」
ベルトルト 「どういうつもりだい?」
ライナー 「アニの裸を見られるなら悪くないと思ってな」
ベルトルト 「君がアニに貸した額って結構な金額だと思うけど」
ライナー 「とはいっても、アイツ後ろから見るといいケツしてるし、きっと脱いだら凄いと思うんだ」
ベルトルト 「確かにアニってルックスいいよね」
アニ 「で、どうするんだい?」
ベルトルト 「アルミンが減らす額と同じ額だけ僕らも借金減免するよ」
ライナー 「だから脱げ、アニ」
アニ 「あんたら分かりやすいね、場所変えようか」
訓練兵団 倉庫内
アニ 「それじゃ、始めるよ」
ライナー (ブラウスのボタンに手をかけた)
ベルトルト (ボタンが一つ、二つ……)
アルミン (ドキドキしてきた)
アルミン (上がブラジャーだけになった……)
ライナー (こいつ結構胸あるな)
ベルトルト (巨乳とまではいかないけど美乳……)
アニ 「あまりジロジロ見られるとやりづらいんだけど」
ライナー 「かまわん、続けてくれ」
クリスタ 「みんな、何してるの?」
ライナー (クリスタ! いつの間に!)
ベルトルト (アニに気を取られ過ぎた!)
アルミン (この状況をどう説明する!)
クリスタ 「アニ!? なんて格好してるの! 早く服着て!」
クリスタ 「これはどういうこと? あとみんな後ろ向いて!」
ベルトルト (クリスタがこっちを睨んだ)
ライナー (怒ったクリスタも可愛い……)
クリスタ 「こっち見ちゃ駄目!」
ライナー 「ああ、すまん!」
アニ 「いいんだ、クリスタ」
クリスタ 「アニ、何があったの? こんなの普通じゃないよ!」
アルミン 「クリスタ、僕から話——」
アニ 「あたし、こいつらに借金があって、返す当てが無いって言ったら体で払えって……」
ライナー (ちょっと待て!)
ベルトルト (僕らそこまで要求してないよ!)
アルミン (誤解を解かなきゃ!)
アルミン 「待っ——」
ライナー 「これは、アニから言い出したことなんだ!」
アルミン (いきなりそんなこと言っても話がこじれるだけだって! 順を追って説明を……)
アニ 「そりゃ、言い出したのはあたしさ。でもあたしだって好きでこんなこと……」
ベルトルト (そこで涙声になるの!? 絶対演技だよね、アニ)
アルミン (終わった……完全に僕ら悪者だ)
クリスタ 「酷い……」
クリスタ 「ねえアニ、ライナー達への借金って幾らあるの」
アニ 「それを聞いてどうする?」
クリスタ 「いいから答えて」
アニ 「三人合わせて○○万」
クリスタ 「はい」
ベルトルト (クリスタお金持ち)
クリスタ 「ライナー、これで全額あるよね」
ライナー 「いや、俺は……」
クリスタ 「数えて」
ライナー 「ああ……」
ライナー 「……金は確かにある。でもこれじゃクリスタが——」
クリスタ 「そのお金持ってどっかに行って! それから二度とアニに近づかないで!」
ライナー 「……」
アルミン 「仕方ないよライナー。今は行こう」
クリスタ 「私、三人のこと凄いと思ってた」
ライナー (何っ!)
クリスタ 「ライナーはみんなに頼りにされてて、ベルトルトも成績が良くて何でもそつなく出来て……」
クリスタ 「アルミンは座学が得意で、皆が勉強で分からないことを聞いたら教えてあげてたし」
クリスタ 「私、貴方達に憧れてた」
ライナー (俺、脈が有ったのか!)
クリスタ 「でも今は、三人とも大っ嫌い!」
クリスタ 「もう大丈夫だよ、アニ。ここにいるのは私達だけだから」
アニ 「何故助けた?」
クリスタ 「放っておけなかった、それだけ。……きっと辛かったよね。誰にも相談出来なくて
悩んでたんだよね……グスッ……」
アニ 「どうしてお前が泣く?」
パチ パチ パチ パチ
借りた金を返さないなんて!!
人間の屑めが!!
苦しんで死ぬるがいいわ!!
ところで誰か金貸してくんない?
先月知り合いに3万借りたんだけど返す充てが無くってさ〜
ユミル 「いやぁ、感動的だねえ。見てるこっちが恥ずかしくなるよ」
クリスタ 「ユミル! いつからそこに!?」
ユミル 「ライナーが『これは、アニから言い出したことなんだ!』って言ったところからかな」
アニ 「……世話になった、クリスタ」
スタスタスタ
ユミル 「待ちな」
アニ 「邪魔なんだけど」
ユミル 「気ぃ抜いてんじゃないよアニ。あんたの借金は帳消しになったんじゃない。
貸し主がクリスタに変わっただけだ」
クリスタ 「ユミル、私は別に……」
ユミル 「これはクリスタの為だけじゃない、アニの為でもあるんだ」
クリスタ 「アニの?」
ユミル 「ああ、借金がかさむ奴の特徴は、根拠も無くそのうち金が返せると思っていることと
そして最悪返せなくなったらその時はその時で考えようと開き直っていることだ。
悪い意味で楽天家で、かつ計画性が無いんだ」
ユミル 「だからきちんと月々の返済額と返済期限を決めて、
必ず全額返すことを借手に意識させるんだよ」
ユミル 「今回金を返さずに済んだらアニは味を占めて今後も同じことを繰り返すだろう。
ひょっとしたらクリスタへの追い貸しを迫るかもしれない。
これでアニが意識改革出来ればアニだって二度と借金を背負わなくなるさ」
クリスタ 「そうか……、そうだよね」
クリスタ (ユミルってしっかりしてる。私なんかよりずっと大人だ)
クリスタ (それに私がさっき泣いたのは誰にも相談出来ない悩みを抱えている自分を
アニに重ねただけだ。多分アニの為に泣いたんじゃないと思う。私は悪い子だ……。
そう、優しくさえすれば人の為になるとは限らない)
クリスタ 「ねえ、アニ。近いうち全額返済してなんて言わない。
少しずつでいいからお金、返してくれる」
アニ 「ああ、勿論返すよ」
ユミル 「ところでアニ、今幾ら持ってる?」
アニ 「クッ、今月残りこれだけでやり繰りするのか……」
ユミル 「へへっ、毎度あり〜、はい、クリスタ」
クリスタ 「あまり持って行くとアニだって困るよ」
ユミル 「贅沢さえしなければ大丈夫だって。今後給金日に毎月同じ額ずつ返すんだよ、アニ」
アニ 「……」
ユミル 「それともまた男子共の前でストリップするかい?」
クリスタ 「ユミルってば!」
アニ 「分かったよ、ちゃんと返すって!」
訓練兵団 男子寮 寝室
ベルトルト 「元気出してよ、ライナー」
ライナー 「クリスタに完全に嫌われた……死にたい……」
アルミン (僕より遥かに大柄なライナーがいつもより小さく見える。その後ろ姿をみた時、
僕は改めて後悔の念に駆られた)
アルミン (いくらお金を貸しているとはいえ、僕らがアニに要求したことは共に戦う仲間に
していいことではなかった。誰よりも親切で、誰よりも温厚なクリスタが
本気で怒る姿を見るまで、そのことに気付かなかった自分があまりにも情けなかった)
今日はここまで
読んでくれた皆さん有難うございました
おやすみなさい
乙
男性陣がこのまま終わらない事に期待したいなぁ
クズアルミンしね。エレンなら助けてくれる
ゲス?
ユミルマジイケメン
やっぱりユミルは芯が通ってていいね
ユミルがゲスなSSって見たことない気がする
まあ、確かにゲスだが反省してる分まだマシだな
三人も悪いちゃ悪いが元凶はアニなんだよなぁ……
借金の使い道にもよるけど
てっきりアルミンには何か秘策があると思ってたけど
単に裸見たかっただけかww
このユミルってゲスか?
凄くまともなこと言ってると思うんだが
誰もユミルがゲスなんて言ってないんだが
本日のアスペが>>34で出たと聞いて
ん?
続くのか?
まーた三人が悪役な扱いのSSか こういうの増えてきたな
はよ
はよ
1です
ここまで読んでくれた皆さん有難うございます
特にコメントを書いてくれた皆さん有難うございます
更新は不定期ですが1週間以上間隔を空けないように書く予定なのでしばらくお待ちを
とりあえず生存報告
はよ
訓練兵団 宿舎 廊下
アルミン 「アニ!」
アニ 「……」
アルミン 「待って、アニ!」
アルミン 「昨日は本当にゴメン!」
ライナー 「済まなかった、アニ」
ベルトルト 「悪かったよ、ごめん」
アニ 「……」
アルミン 「昨日は、魔が差したっていうか、何ていうか、アニに酷いことをした。
ごめんなさい!」
ベルトルト 「僕からも謝らせてくれ。済まなかった、アニ」
ライナー 「気が済まないっていうなら俺達三人まとめて蹴り倒してくれ!」
アニ 「本気で謝っているのかい?」
アルミン 「ああ、勿論だよ」
アニ 「だったらさ、あたしの目の前で裸になってよ」
アルミンとライナーとベルトルト 「!」
アニ 「分かってるかい? あんたらが私にしようとしたのはそういうことなんだよ」
アルミン 「……そうだね、君の言う通りだ」
ライナー 「アルミン……」
アルミン 「アニの気が済むならそうしようよ、せめてもの償いだ」
訓練兵団 女子寮前
アニ 「お待たせ」
ベルトルト 「アニ、どうして皮袋持ってきたの?」
アニ 「あんたらの脱いだ服を入れる為さ」
ライナー 「随分と用意周到だな」
アルミン (何故皮袋……)
訓練兵団 宿舎 女子トイレ 個室
ベルトルト 「もう少し向こうに寄ってよ、ライナー」
ライナー 「無茶言うなよ」
アルミン (トイレの個室に4人も居ればこうなるか)
アニ (流石にみんないい体してる。アルミンも結構引き締まった体してんだ)
アニ (まあ、あんな血反吐吐く訓練してれば嫌でも鍛えられるか)
アニ 「手をどけてよ」
アルミン 「うう……」
ベルトルト (こんなことになるなんて……)
ライナー (見られたくなかった……)
アニ (初めて見たけど、こういうのって体格に比例するって思ってたけど……)
アルミン 超大型
ベルトルト 大型
ライナー 小型で鎧に覆われている
アニ (そうとは限らないんだ)
アニ 「もう、いいよ。あんたらが反省してるの分かったから。その……元はと言えば
あたしがなかなかお金返さなかったのが原因だし。ほら、服返すよ」
ライナー 「おう」
アニ 「こんな暑苦しいところもう出る」
アルミン 「アニ、待って!」
ベルトルト 「行っちゃった……」
アルミン 「どうしよう……」
ライナー 「何深刻な顔してるんだ、アルミン?」
ベルトルト 「アニが一番しげしげとみてたのはアルミンだからね。
アルミン、あまり気にしちゃ駄目だよ」
アルミン 「そんなことじゃないよ!」
ライナーとベルトルト 「!?」
アルミン 「僕たちはまんまとアニに嵌められたんだ!女子トイレの個室に男三人裸で篭ってる所
誰かに見られでもしたらそれこそ僕らは社会的に抹殺される!」
ライナーとベルトルト 「!」
ライナー 「とにかく着替えるぞ」
ベルトルト 「袋から服出して!」
アルミン 「二人とも静かに、誰か来たらまずい」
ベルトルト 「ゴメン、気をつける」
ライナー 「そうだな」
ライナー 「何てこった。アニの奴、袋の口を固結びで縛ってる!」
アルミン 「ライナー、焦らずに」
ライナー 「分かってる」
アルミン (丈夫な皮袋だと袋の口が開かなければ破ればいいという訳にいかない。
アニはそこまで考えてたのか。でも僕らの服を持って逃げなかったのは
せめてものアニの情けと思いたいが……それとも……)
ライナー 「……開けたぞ! クソッ、三人とも制服だから同じ柄で分かりにくい」
ベルトルト (みんな同じ体格なら誰のでもいいからとにかく着ればいいけど、そうはいかない。
このシャツ小さっ! アルミンのだよ)
ライナー 「狭くて着替え辛い、ベルトルト、一旦出ろ」
ベルトルト「駄目だ、外から声が聞こえた」
アルミン 「扉を閉めて」
ベルトルト 「分かった」
バタン
アルミン (恐れていたことが現実に……)
ベルトルト (絶望は歩いて……)
ライナー (やってくる……)
ユミル 「昨日のクリスタにはびっくりしたよ」
クリスタ 「もう、やめてよユミル」
アルミン (ああ、何てことだ……)
今日はここまで
読んでくれた皆さん有難うございました
アニが女を使うとはな
こいつはやばい
くちくせな(アカン)
クズぅ
アニとんでもねぇ!!
早急にお仕置きしなきゃだめだ
おrライナーのライナーが鎧の小人だという風潮……
漢字一文字で表すと「太」のイメージなんだけどなライナーのあれは
ライナー 「よりによってクリスタか。昨日の誤解が解けないままこの場を見られたら……」ヒソヒソ
ベルトルト 「仮に誤解が解けた後に見られても問題だと思う」ヒソヒソ
アルミン 「下手に音を立てて注意をひいてはいけない。静かにしてやり過ごそう」ヒソヒソ
バタン
ライナー (個室に入ったか)
チョロチョロチョロ
ライナー (これは!? クリスタの尿が便器を叩く音か……まるで木琴のように軽やかな音色……)
ユミル 「ふう、スッキリした」
ライナー (ユミルかよ!)
ユミル 「待たせたねクリスタ」
クリスタ 「いいの、いいの。行こう、ユミル」
シーン
ベルトルト 「クリスタはユミルを待っていただけみたいだね」
ライナー 「ああ……そうだな」
アルミン 「二人とも、今は急いで着替えよう」
アルミン 「皆着替えたね……。よし行くよ」
ベルトルト 「待って、足音がする」
ライナー 「また足止めか」
ツカツカツカ
ミカサ 「早く用を足してエレンのところに戻らないと」
アルミン (今度はミカサか)
バタン
アルミン (個室のドアを閉めた)
シャアアアアアア
アルミン (ミカサ、幼馴染の君のオシッコの音を聞く日が来るとは思わなかったよ)
アルミン (ミカサが手を洗う音が聞こえる。もう少しでミカサも出る筈だ)
ツカツカツカ
サシャ 「あれ、ミカサじゃないですか」
ベルトルト (今度はサシャか)
ライナー (こう引っ切り無しに来られては出られんぞ)
ミカサ 「サシャ、あなたもお手洗いなのね」
サシャ 「はい。ところでミカサ?」
ミカサ 「何?」
サシャ 「トイレの仕切りの上からほんの少し髪の毛が出てるんですが、誰なんでしょうねえ」
ベルトルト (僕!)
ライナー (おい! ベルトルト!)
ミカサ 「訓練生にそこまで長身の女子はいない」
ミカサ 「男子でも、誰か居たかしら……」
ベルトルト 「どうしよう……?」ヒソヒソ
アルミン 「このまま黙っていても怪しまれる。漏れそうだったから駆け込んだって言うんだ」ヒソヒソ
ベルトルト 「分かった」ヒソヒソ
ライナー (頼んだぞ、ベルトルト)
ベルトルト 「ごめん、ミカサ、サシャ。僕我慢出来なくてつい……」
ミカサ 「女子トイレに入りたいという欲望を我慢出来なかったの?」
ベルトルト 「違うよ! お手洗いを我慢出来なかったんだ。
一番近くのトイレがここだったから止むを得ず駆け込んで……」
ミカサ 「そう、なら仕方ないけど今後は気をつけて欲しい。でないとトイレを男女分けてる意味が無い」
アルミン (ベルトルト、自然に話してる。ミカサ達が止むを得ない事情と思ってくれれば切り抜けられる)
ベルトルト 「そうだね、今後気をつけるよ」
サシャ 「怪しい」
ベルトルト 「人聞きの悪いこと言わないでよ」
サシャ 「私の勘、結構当たるんです。ベルトルト、出て来て下さい」
ベルトルト ヌッ
アルミン (背伸びして仕切りから顔を出したか。好判断だ。
扉を開けると僕とライナーも見つかるからね。三人一緒の個室に居たとなると余計に怪しまれる)
ミカサ (ウォール・トイレから顔を出したベルトルトの姿、以前似た光景を見た気が……)
サシャ 「ベルトルト、あなた……」
サシャ 「便所飯食べてましたね」
ミカサ 「便所虫を食べる?」
サシャ 「虫じゃなくて飯、便所飯です」
ミカサ 「何、それ?」
サシャ 「便所飯というのはですね、友達の居ない人が自分の孤独を受け入れられなくて
お手洗いの個室でご飯を食べることです」
サシャ 「孤立した人が集団生活の中で最も孤独感を味わうのが皆で食事をする時なんです。
皆は友達と楽しく食事してるのに自分は話し相手が居ない」
サシャ 「そんな孤立した姿を他人に見られるのが嫌で、友達が居ないことが恥ずかしくて、
トイレの個室で食事をする人がいると聞いたことがあります」
ミカサ 「だとしても、女子トイレで食事をするのはおかしい。そういうことなら男子トイレにいけばいい」
サシャ 「きっと男子トイレでも便所飯がバレてここに来たのでしょう」
ミカサ 「そう言えば、ここ最近食堂でベルトルトを見かけた記憶が無い」
サシャ 「そうでしょ。実は私もです」
ベルトルト (僕いつも食堂でご飯食べてるよ!)
今日はここまで
読んでくれた皆さん有難うございました
このスリルたまらねぇww
お疲れ
乙でした
面白い方向に話をもってくねーww
反吐が出る。
仲間でも、家族でも、親兄弟でも、恋人でも、借りた金は返せ。何を犠牲にしてでも返せ。無理なら借りるな。それも無理ならさっさと死滅しろ。
ゲスアニ無双かよ
まあ最後まで読むけどさ。
待っとるで…
はよ...
はよ...
頼むから続きはよ
ライナー (サシャの奴……。こいつの思考は常に飯と結びついてるのか)
サシャ 「でもあまり恥ずかしがらないで下さい、ベルトルト。私だってベルトルトと似たようなもんです」
ミカサ 「あなたが?」
サシャ 「ええ、最初は皆と打ち解けられるか不安でした。私、辺境の狩猟民族の村の出身で、
ここで皆と馴染めるか不安だったんです」
サシャ 「今でこそ皆と仲良くしてますが、初日に教官に大目玉を食らって延々走らされた時は
ここでやっていけるのだろうかと思いました」
サシャ 「でも走り終わって、お腹がペコペコでぐったりした私をクリスタとユミルが助けてくれて……。
あのときクリスタがくれたパンの味は今でも忘れません」
サシャ 「ベルトルト、貴方だって決して一人じゃない。
世の中、手を差し伸べてくれる人って結構居るものです」
ミカサ 「私も同じ」
サシャ 「ミカサもですか?」
ミカサ 「ええ、私だってここの人達と打ち解けているとはいえない。
しかも、あなたと違って私はそのことに悩まなかった」
サシャ 「どうしてですか?」
ミカサ 「幼馴染のエレンとアルミンがここに居たから」
ミカサ 「あの二人が居たから私は自分から無理に集団に入らなくても孤独にならずに済んだ」
ミカサ 「でも、それではライナーしか話相手が居ないベルトルトとなんら変わらない」
ベルトルト (僕はそんな寂しい人間じゃない!)
サシャ 「私達って結構似た者同士だったんですね」
ミカサ 「そうね」
サシャ 「だったら私達きっと仲良くなれますよ。
ベルトルト、食事の時には私のところに来たらいいですよ。クリスタとユミルも居ますよ」
ライナー (サシャ、お前は知らんと思うが、訳有って今はクリスタの傍には行けないんだよ……)
ミカサ 「ベルトルト、もし食堂で孤立しそうになったら私のところに来て。エレンとアルミンは
私が説得する」
ミカサ 「あと、ジャンがよく私達の近くに座ってくる。貴方にはジャンの話し相手をして貰えると助かる」
アルミン (それってジャンを押し付けてるんだよね、ミカサ)
ミカサ 「行くわ、ベルトルト。食事中邪魔したわね」
サシャ 「私も行きます。ベルトルト、ごゆっくり」
ミカサ 「貴方、お手洗いに来たんじゃないの?」
サシャ 「別のトイレに行きます。ベルトルトがご飯食べてる隣で用を足すほど、私無神経じゃないですよ」
ミカサ 「そう、なら所構わず放屁するのも止めて欲しいわ」
サシャ 「酷いですミカサ。所構わずしてませんよう」
スタスタスタ
シーン
ライナー 「どうやら行ったみたいだな」
アルミン 「うん。脱出するなら今がチャンスだね」
アルミン (でも……)
ベルトルト 「……」
ライナー (心中察するぞ、ベルトルト……)
訓練兵団 男子寮 寝室
ライナー 「ベルトルト、サシャとミカサに言われたことだが、あまり気に——」
ベルトルト 「ウッ、ウッ、ヴワアァァン!」
アルミン (確かに酷い言われ様だったけど、まさかベルトルトが泣くなんて!)
エレン 「おい、どうした!?」
コニー 「ベルトルト!? 何があったんだよ?」
ライナー 「ベルトルトのことを思うならそっとしてやってくれ」
エレン 「でも、ベルトルトが泣くとこなんて初めて見たぞ、普通じゃないだろ?」
アルミン 「エレン、ベルトルトには僕とライナーがついている。だからそっとしておいて欲しいんだ」
コニー 「ライナーとアルミンがついてるなら大丈夫だろ。行こうぜエレン」
エレン 「ああ……そうだな……」
ライナー 「すまんな、今のは見なかったことにしてくれ」
エレン 「分かった」
ライナー 「落ち着いたか」
ベルトルト 「うん……ごめん、ライナー……アルミン……」
ベルトルト 「でも……僕は……あんな惨めな同情をされる人間では……決して……」
ライナー 「分かっている。同郷の俺やアニがお前のことはよく知っている」
ベルトルト 「でも、アニには完全に嫌われてしまった」
アルミン 「それはどうかな」
ベルトルト 「?」
アルミン 「僕は、アニがそこまで僕らを嫌っていないと考えている」
ライナー 「それはあまりにムシが良すぎるだろう。俺達がさっき受けた仕打ちを忘れたのか?」
アルミン 「そこなんだけど、もしアニが本当に僕らを陥れたいなら、クリスタを証人に
僕らがアニにセクハラをしたと教官に訴えればいい。また、アニが僕らを女子トイレに
押し込めた時にアニが僕らの服を奪って逃げれば僕らは打つ手が無かった」
アルミン 「アニがそこまでしなかったのは、恐らくアニは僕らにお灸を据えればそれでいいと
思ったんじゃないかな。女子トイレに置いてきぼりにされた時は焦ったけど、
冷静に考えればドアを開けない限り中を見られることはない。静かに服を着て、
あとはタイミングを見計らって誰もいない時にトイレから出ればそれで済む話だったんだ」
アルミン 「大声で喋ったりドアを開けたりしない限り見つかる可能性は低い。万が一見つかっても
誰かが具合が悪いから一番近くのトイレに駆け込んだと言えばいい。事実見つかったけど
それで切り抜けられた」
アルミン 「勿論、アニが僕らに愛想をつかしている可能性はあるけど、
完全に嫌われたと結論付けるのはまだ早いと思う」
アルミン 「明日食堂でさりげなくアニの隣に座ってみよう。僕らが座るのをアニが拒否したり、
露骨に席を移ったりしなければ、まだアニと仲直り出来る可能性はある」
ライナー 「成る程」
ベルトルト 「そううまくいくだろうか」
ライナー 「やってみる価値はあるだろ」
訓練兵団 食堂
アルミン 「アニ、おはよう」
ライナー 「おはよう、アニ」
ベルトルト 「アニ……その……おはよう」
アニ 「……」
アルミン 「隣、いいかな?」
アニ 「……好きにすれば」
アルミン 「ありがとう」
ライナー 「俺達も座るぞ、ベルトルト」
ベルトルト 「うん」
アルミン (アニの隣に僕、テーブルを挟んでアニの正面にライナー、ライナーの隣にベルトルト)
アニ 「……」
アルミン (アニが席を移る様子は無いか)
クリスタ 「ライナー、隣いいかしら?」
ライナー (クリスタ!)
ベルトルト (まだクリスタへの誤解は解けてない!)
アルミン (クリスタは僕らからアニを守るつもりで敢えて僕らの近くに……)
ユミル 「どうしたんだい? 男三人この世の終わりみたいな顔して」
アルミン (ユミルの顔がニヤけている。
そういえば昨日トイレでユミルが『昨日のクリスタにはびっくりしたよ』って言ってた。
ユミルも事情を知っていると見ていいだろう)
クリスタ 「昨晩アニから話を聞いてね、アニが私達に言ったの。
『あの時は嘘を付いた。本当はあの三人は体までは要求してない』って」
ユミル 「それでも金を貸してるから服脱げってやり過ぎだとは思ったけどね。
もし同じ目に遭ったのがクリスタだったら私は相手を八つ裂きにするけど」
クリスタ 「ユミル……」
アニ 「……」
クリスタ 「話を戻すね。アニから聞いたの、昨日三人が謝りに来たって。
アニは私に言ったの。『自分のせいで104期生の仲が悪くなるのは嫌だ。仲直りして欲しい。
あの三人はそんなに悪い連中じゃない』って」
ユミル 「アニ曰く『ただバカでどうしようもなくスケベなだけだ』って」
ライナー 「そいつはひでえ」
クリスタ 「だから、私も三人と仲直りしたいなって、昨日はつい酷いこと言っちゃったけど……」
ユミル 「私は別にどっちでもいいけど、クリスタが仲直りしたいっていうんならあんたらへの認識を
元に戻すよ」
アルミン 「元に戻すって?」
ユミル 「女性の敵から好奇心旺盛な思春期の少年ってところかね」
アルミン 「それは是非戻して欲しいね」
アニ 「余計なことをベラベラと……」
ベルトルト 「アニ、有難う。クリスタとユミルにきちんと事情を話して、
僕らと仲直りして欲しいって言ってくれたんだね」
アニ 「元はといえば私の借金が原因だからね。きちんと清算したかったのさ」
ユミル 「金の方もきちんと清算して貰いたいね」
アニ 「相変わらず手厳しいね、あんたは」
ライナー 「良かった……。これからもよろしくな、アニ」
アニ 「ええ」
アルミン 「ごめん、アニ。元はと言えば僕が……」
ユミル 「記憶力抜群のアルミン様はいつまでもアニの下着姿覚えてるんだろうね」
アニ 「あまりアルミンを苛めないでよ。私はもう怒ってないんだから」
ライナー 「その、クリスタ……」
クリスタ 「私達はもう友達でしょ。これからもよろしくね」
ライナー (クリスタ! ああ、天使だ……)
クリスタ 「さあ、みんな仲直りしたところで早く食べましょう。スープが冷めてしまうよ」
ベルトルト 「友情は冷めずに済んだけどね」
ハハハハハ
ミカサ 「ベンジョルトが皆と楽しく話しながら食事してる」
サシャ 「私達が食事に誘う必要はなさそうです」
サシャ (下手に誘わなくて良かった……。今ミカサ、ベルトルトの名前間違えたし……)
アルミン (こうしてアニの借金に始まった一連の騒動は解決した。
だか、この時の僕はアニの借金が新たな騒動を引き起こすことになるとは知る由も無かった)
これにて第一部終了
次週から引き続きこのスレにて第二部を投下
ここまであまり出番が無かったエレンとミカサが関わってくる予定
読んで下さった皆さん有難う御座いました
乙でした
ホントにどう転んでくのか分からんなー
次回からも楽しみにさせてもらいます
ベルトルトさんが幸せそうでよかった
乙乙!
訓練兵団 練兵場
エレン 「アニ、格闘訓練また組んでくれねえか」
アニ 「ああ、いいよ。また蹴り飛ばされたいかい?」
エレン 「俺だって強くなったさ、さあ、来い!」
アニ 「その自信はどこから来るのかしらね、それじゃ私が暴漢役で行くよ」
エレン 「おう!」
ヒュン バッ シュッ
エレン 「クッ」
アニ 「さあ、どうした、ホラ!」
エレン (よく見るんだ。隙を……)
ガシッ
エレン (捕まえた!)
アニ (やるじゃん)
エレン 「どりゃぁ!」
エレン (ここで足払いを!)
ズダァン
エレン 「やったぞ、アニ。俺だって……!?」
アニ 「……」
エレン 「おい? アニ……おい!」
訓練兵団 医務室
アニ 「……」
エレン 「すまん、アニ」
エレン 「でもよ、何でお前が受身取り損ねるんだよ、俺が相手だと思って余裕見せ過ぎだぜ」
アニ 「……」
エレン 「ミカサは俺のこと悪くないって言ったけど、やっぱり俺だって責任感じるだろ」
アニ 「……」
エレン 「次からは手え抜くなよ」
アニ 「ウ……ン……」
エレン 「アニ、大丈夫か?」
アニ 「あれ、私……」
エレン 「お前格闘訓練で頭打って気絶したんだ」
アニ 「そう……」
エレン 「まさか俺の足払いでアニが受身取り損ねるなんて思わなかったからビックリしたぜ」
アニ 「あんたに気絶させられたのかい」
エレン 「覚えてないのか?」
アニ 「ああ」
アニ (本当は気絶なんてしてなかったけどね)
エレン 「そうか、もうじき飯の時間だが起きられそうか」
アニ 「あと少ししたら後から行くよ、エレンは先に行けばいい」
エレン 「すまん」
アニ 「何もあんたが謝ることじゃない。転倒した私が間抜けだっただけさ」
エレン 「……なあ、アニ、何かあったか」
アニ 「質問が漠然とし過ぎだよ」
エレン 「何ていうか今日のお前、集中力が散漫な気がした」
アニ 「お見通しだったのかい」
エレン 「ああ」
エレン 「借金!」
アニ 「ええ、今週中にまとまった金があれば返せるんだけど」
エレン 「返すあてはあるのか?」
アニ 「あと△万あれば何とか……」
エレン 「……ほらよ」
アニ 「エレン! 悪いよ……」
エレン 「今日はお前を危く怪我させるところだったからな。いいから受け取れよ」
アニ 「有難う、エレン。後で返すから」
訓練兵団宿舎 女子寮 サウナルーム
ユミル 「どうした、クリスタ? 何だか嬉しそうだな」
クリスタ 「分かる?」
ユミル 「ああ、何となくね」
クリスタ 「ねえユミル。さっきアニが今月分のお金キチンと返してくれたんだよ」
ユミル (クリスタがご機嫌な理由が分かった)
ユミル 「ほう、それはアニの奴も殊勝な心がけだね。クリスタ、年利7分くらい利子取ってもいいんだぞ」
クリスタ 「そんなの取らないよ」
訓練兵団 宿舎 廊下
エレン 「よお、アニ」
アニ 「おはようエレン」
エレン 「あのさ——」
アニ 「ごめん、今急いでいるから」
エレン 「ああ……」
訓練兵団 宿舎 倉庫裏
エレン 「アニ」
アニ 「何だい、久々の休暇に人をこんなところに呼び出して」
エレン 「最近俺のこと避けてるだろ」
アニ 「随分自意識過剰だね」
エレン 「格闘訓練でも俺と組まなくなったし……」
エレン 「なあ、俺に金借りたのがそんなに後ろめたかったのか」
アニ 「……」
エレン 「すぐに返せとか言わない。返せないってんならそれでもいいからさ、もう余所余所しくするなよ」
エレン (今日は休暇だからアニも私服か。ワンピース姿のアニを見たのは初めてだ)
アニ 「……金は返せない。でも……金以外の物でなら返せる」
エレン 「金以外?」
スルスルッ
エレン 「アニ! 何パンツ脱いでんだよ!」
アニ 「代わりにこれをエレンにあげるから、好きに使えばいい」
エレン 「ひ、人をからかうのもいい加減にしろよ!」
アニ 「からかってないよ。それにこれで貸し借り無しになれば私もあんたに負い目が無くなるからね」
エレン 「俺が今後お前に顔会わせ辛くなるだろ!」
アニ 「要らないってのかい? まったく……傷つくよ」
ミカサ 「ええ、エレンはそんな物要らない」
今日はここまで
読んでくれた皆さん有難うございました
乙
ライナー達のときと同じ技を使うのか?
これは恐ろしい・・・
ミカサきた!これで勝つる!!
こわいお
どうなる
アニも反省してるかと思ったらそんなことなかった
ミカサ 「これ以上、聞いてられない」
エレン 「ミカサ! いつからそこに!?」
ミカサ 「最初から」
アニ (最初から居たなら、エレンに言われて嫌々脱がされたという話には持っていけない)
ミカサ 「ズタズタに削いでやる。女物のパンツ」
エレン 「落ち着けミカサ」
ミカサ 「どうして止めるの?」
エレン 「お前がアニのパンツを削いだら、アニがノーパンのままになるだろ」
ミカサ 「そんなこと言って、エレンはアニのパンツへ特別な感情を持ってるの?」
エレン 「は!?」
ミカサ 「エレン。……エレンだって思春期の少年だからそういうのに興味があるのは分からなくもない。
でもこういうのは良くない。ので……どうしても欲しいというなら……私の……下着を……」
エレン (ミカサ! お前、何言ってんだよ!)
ミカサ 「アニ、もう一度言う。エレンはこんな物要らない」
アニ 「私はエレンに聞いてるんだ」
ミカサ 「エレン、こんな女の言葉に耳を貸す必要は無い。あとエレンが貸したお金も返して貰いましょう」
エレン 「待て、ミカサ。これは俺とアニの問題だ」
ミカサ 「エレンは私の家族。エレンの問題は私の問題でもある」
エレン 「いい加減にしろよ!」
ミカサ 「ほら、エレンも怒っている」
エレン 「お前に言ったんだ、ミカサ」
ミカサ 「!?」
エレン 「俺はアニが困っていたからアニに金を貸した」
ミカサ 「パンツ欲しさに」
エレン 「違うって」
ミカサ 「どうして私のことを除け者にするの」
エレン 「いや、除け者とかそういう問題じゃなくて……」
ミカサ 「だったら私もパンツと引き換えにエレンにお金借りる」
エレン 「だからお前のパンツなんて要らねぇよ!」
ミカサ 「……」
ミカサ 「……」
エレン (ミカサがこんな悲しそうな顔するなんて……)
ミカサ 「分かった……グスッ」
クルリ スタスタスタ
エレン (今、ミカサ涙目だっだよな! ……遠ざかって行くミカサの背中が僅かに震えている。
待て、行くなミカサ! でも……なんて声かければいいんだ?)
エレン (ここで『お前のパンツが欲しい』とでも言うのか? それじゃまるで変態だろ。
俺は巨人になっても変態にはなりたくない!)
エレン (ミカサの願いに応えるか、俺の意地を通すか)
エレン (俺は!)
エレン (俺は……)
エレン (父さん、母さん、ごめんなさい)
エレン (エレン=イェーガーは今日から変態です)
エレン 「ミカサ!」
ミカサ 「!」
エレン 「ミカサ、俺はお前のパンツが欲しい! 来い!」
ミカサ 「エレン!」
アニ (あたしが完全に蚊帳の外なんだけど)
ミカサ 「エレンなら、きっとそう言うと思っていた」
エレン 「俺、照れくさくて……なかなか言えなくて、ごめんな」
エレン (ああ、いろいろな意味で泣けてくる……)
カチャカチャ
エレン 「待て、ミカサ! お前何でズボンのベルトを緩める!」
ミカサ 「まずはエレンに見せるから。これで幾ら出してくれるかエレンが値踏みして」
ズルッ
エレン (ミカサの奴、ズボンとパンツを一気に太腿まで……ええッ!)
ミカサ (しまった! 勢い余ってズボンと一緒にパンツまで脱いでしまった!)
ツカツカツカ
エレン (曲がり角から人が!)
ジャン 「お、ミカサじゃ、おぅわッ! ブハッ!」
ミカサ 「!」
アルミン (僕はその場に居なかったのでエレンから話を聞いただけなのだが、顔を赤らめたミカサの
繰り出した拳は見事にジャンの顎を捉え、糸の切れた操り人形のようにジャンは崩れ落ちたそうだ)
アルミン (そしてジャンにとって最も不幸だったのは、彼が目を覚ました時、
昏倒するまでの数十分間の記憶が抜け落ちていたことだろう)
ミカサ 「ハァ、ハァ、ハァ……」
ミカサ (よりによって、こんな恥ずかしい姿を……)
アニ 「アハハハハ、傑作だね」
ミカサ 「!」
アニ 「何だい、その目は」
ミカサ 「パンツじゃなくてあなたをズタズタに削いでやる」
アニ 「面白いじゃん」
エレン 「二人とも止めろよ!」
ミカサ 「エレンどいて。こいつだけは許さない」
アニ 「へえ、その喧嘩、買ってもいいけど……」
アニ 「どうせなら、みんなの前で決着つけない?」
訓練兵団 教官室
キース 「競技会?」
アルミン 「ハッ。日頃の訓練の成果を存分に発揮する場を設け、
さらには訓練兵同士の連帯意識を高めるものであります」
キース 「日々の訓練の成果は試験で発揮すればよかろう」
アルミン 「ハッ。恐れながら、訓練兵が自ら企画し運営する大会を設けることは、
自らを高めるアイデアを自発的に出す良い機会になるかと思われます」
アルミン 「自らの技量を高める為に仲間と力を合わせて一つのことを成し遂げる。
競技会の開催は訓練兵団の兵士一人一人の成長に繋がり、
ひいては来るべき巨人との戦いに役立つかと。また、教官の方々のお手は煩わせません」
キース 「うむ、そこまで言うならやってみろ。許可する」
アルミン 「ハッ。有難う御座います!」
アルミン (こうして表向きは訓練兵が自主的に開催した競技会という名目で
ミカサとアニの決闘が組まれた。しかも別の競技も開催して競技会らしさを演出し、
教官方の眼を欺くことも行われた。ミカサとアニに頼まれて僕が企画した)
アルミン (決闘のルールは立ち技のみで組み技寝技は禁止。膝蹴り肘撃ち有り。
頭突き及び後頭部と脊髄への攻撃は禁止)
アルミン (1ラウンド3分、インターバル1分の計5ラウンド。
ダウン後10カウントで立てなければKO負け。
5ラウンド戦って決着がつかなかった場合はダウンの回数が少ない方が勝者となる。
それも同じなら判定無しで引き分け)
アルミン (この決闘は104期訓練生達の間でも噂になり、大々的な賭けが行われた。
勿論教官方には内緒でだ)
アルミン (希望者は以下のどれかに賭ける。なお、ミカサとアニは賭けに参加出来ない。
無効試合の際は掛け金は払い戻しとなる)
(1)ミカサの1ラウンドKO勝ち
(2)アニの1ラウンドKO勝ち
(3)ミカサの2ラウンドKO勝ち
(4)アニの2ラウンドKO勝ち
(5)ミカサの3ラウンドKO勝ち
(6)アニの3ラウンドKO勝ち
(7)ミカサの4ラウンドKO勝ち
(8)アニの4ラウンドKO勝ち
(9)ミカサの5ラウンドKO勝ち
(10)アニの5ラウンドKO勝ち
(11)5ラウンド終了後ミカサの勝ち
(12)5ラウンド終了後アニの勝ち
(13)引き分け
アルミン (収益の3分の1が決闘の勝者にファイトマネーとして支払われ、
残りを賭けに勝った者に掛け金に応じて分配する仕組みだ)
アルミン (アニが皆の前で決着をつけると言ったのは、
決闘を賭け試合にしてファイトマネーを手に入れようという魂胆だったのだろう)
アルミン (こうして、戦いの火蓋は切って落とされた)
今日はここまで
読んでくれた皆さん有難うございました
いろいろワロタ
訓練兵団 体育館内
カァン!
エレン 「第4ラウンド終了のゴングか……」
アルミン 「惜しかったね、ミカサ」
ミカサ 「ハァ、ハァ、ハァ」
ジャン 「クソッ、何で男子の殆どがアニの応援なんだよ」
アルミン 「仕方ないよ、クリスタがアニのセコンドについたからね」
アルミン (きっと原因はそれだけじゃない、恐らく……。でもそれを今言う必要は無い)
ミカサ 「ハァ、ハァ、ハァ、関係ない」
エレン 「ミカサ……」
ミカサ 「ハァ、ハァ、エレンが応援してくれれば私はそれでいい」
エレン 「ミカサ、次が最後のラウンドだ。俺が最後まで見届けてやる。行って来い」
ミカサ 「ハァ、ハァ、うん、頑張る。私がアニをノックアウトするところを見て」
アルミン 「僕もついてるからね、ミカサ。頑張って」
ミカサ 「有難うアルミン。貴方の支持、頼りにしてる」
ジャン 「俺もいるからな、ミカサ」
ミカサ 「……どうも」
ジャン「……」
クリスタ 「まず先に水を飲まないと」
サシャ 「神様ですか! 貴方が!」
ユミル 「お前にやる水じゃねえ! 芋女、アニの体拭いてやれ」
サシャ 「ハイ!」
アニ 「……」
ユミル 「アニ。クリスタにきっちり金返したければ次のラウンドで勝つんだな」
クリスタ 「ユミル、こんな時にそんな話しなくても」
アニ 「分かってるさ、言われなくても」
クリスタ 「アニ……」
トーマス 「結局アニの奴KO負けしちまったな」
ナック 「あいつが勝てば貸した金が返ってくるかと思って応援したのに。畜生!」
ミリウス 「試合内容は良かったと思うけど……」
ミック 「あいつ憲兵団志望だろ、このままだと借金踏み倒されるぞ」
トム 「どうすんだよ?」
マルコ 「何を話してるんだい?」
一同 「!」
トム (マルコじゃないか!)
ミック (この前の賭け試合で一人勝ちしたマルコ……)
アルミン (アニが訓練兵団の皆から金を借りまくっているという話は徐々に広まっていった)
アルミン (だが、それもトロスト区への巨人の襲来でうやむやになった。
この戦いで人類は巨人を撃退したが、払った犠牲はあまりにも大きく、
またエレンが巨人に変身したとことが大きな波紋を呼び、しばらくの間、混乱が続いた。
それに伴いアニの借金の話をする者は居なくなった)
このSSまとめへのコメント
胸糞気分悪杉