男「異世界来た」 (206)



男「ここはどこだ」

原っぱ「原っぱです」

男「原っぱかぁー…」

男「そういうことじゃなくてなぁ…学校帰りのはずだったんだけどなぁー」

男「東久留米とかかなぁ…」

ガサガサ

男「ん?」

デューン

お爺さん が あらわれた !

お爺さん「☆4=-/?○」

男「なんて?」


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お爺さん「…」

お爺さん は こちら の ようす を うかがっている !

男「あ~なんだろ…ハローボンジュールオラグーテンターク…」

お爺さん「…」

男「ダメか…こうなればジェスチャー作戦!」

男「ワタシ、困ってる、ここ、どこ、あとお腹空いてる」ササッ

お爺さん「>?&$~>?&$∩⊇$」グイグイ

男「わぁ何何急に怖い怖い」

お爺さん「……」クイクイ

男「ついてこい?と」


男「ここはお爺さんのお宅ですか。なるほど、素敵な石造りですね」

お爺さん「*%?$&?∩⊇?@」ガチャ

男「内装も素敵な…三匹の子豚に出てきそうな感じですね」

お爺さん「……」スタスタ

男「ほぉ!これはこれは地下まであるのですか!」

ガチャーン

男「地下牢だった……なんか捕まった……ちくしょう……」

お爺さん「…」スッ

男「あっ…何これパンみたいな肉みたいな…謎飯どうも…モグモグまずい…」


男「出してくれませんかね」

男「怪しい物じゃないんです」

男「献血2回したことあります」

男「ねぇ」

男「あと、コンビニの募金も…」

男「あっ、したことあるようでねぇや」

おばあさん「……☆×○$??」

男「あっおばあさんも来た」

お爺さん「☆?☆+?&⊇@?カニピラフ」

男「えっ!今カニピラフって言わなかった!?」

お爺さん「カニピラフ$&%+⊇?☆@∩〒▽□◆」

男「やっぱ言ってる!カニピラフって何!?いやカニピラフはわかるけど!」


おばあさん「$%〒+◆$|^」

お爺さん「……☆□$」ガチャ

男「あれ!?出してくれるの!?」

おばあさん「+▽$◆@?⊇&&」ナデナデ

男「ひょっとしておばあさんのおかげ!?おばあさんありがとう!」


おばあさん「~」

男「美味しそう!晩ごはん!やった!」

男「あ、やっぱり何とも言えない!日本食じゃない感!温かいのは嬉しいけどなんか薄味!」

おばあさん「~」ニコニコ

男「…好意は断れん」ムッシャムッシャ

男「慣れた。うまい」

たぶんカニピラフのおかげ


男「あ、家帰りたいんだった」

男「ごちそうさま、お邪魔しました」ペコ

おばあさん「~」フリフリ

男「そのバイバイなんか違う。やっぱここどこなんだ」

お爺さん「…」プイッ

男「そっぽ向かれた…」

男「さよなら」バタン




森「森です」

男「森だなぁ」

男「木もへんてこな感じ。木に見えない。緑だけど。葉緑体はあんだね」

ガサガサ

男「ヒョエッ何!?」

カマキリ?「……」

男「うぇぇ…でっけぇカマキリ…5mくらいか?」


男「そーいやどうぶつ奇想天外かなんかでカマキリって動いてないのはエサって認識しないって聞いたな」

男「動かんとこ」

女「~!!」

男「あ、なんか歩いてきた女の子が捕まった。バカめ」

女「ーー!!ーー!!」

男「しゃあない。助けちゃろ」

男「えいえいえいえい!投石投石投石投石ぃー」

女「っ!!」ドサッ

男「逃げよ」




男「もう大丈夫かね」

女「~!」ウルウル

男「あ、感謝してくれてんのかな」

女「ー!ー!」グイグイ

男「え、何何何怖い怖い」




お爺さん・おばあさん「~!」

女「ー!!ー!!」

男「帰ってきちった」


女「~」

男「おいとましたいんですけど」

女「ー!」グイグイ

女「ー!」ビシッ

男「あ、外はもう暗いと。危ないと。ここにいろと」

男「なんと親切な。お言葉に甘えよう」

男「なんか昔話みてーな展開だな」



次の日

女「ー!」ビシッ

空「雨です」

男「今日は外は雨だと。出るなと」



一週間後

男「薪割りも慣れてきた」

女「~ありがとう」

男「なんかすこーし意味わかってきたな」

おばあさん「~晩ごはん~」

男「あ、晩ごはんの時間ですか。どうも」

お爺さん「カニピラフ~~~」

男「カニピラフはまだわからない」

カニピラフwwwwwwww


一ヶ月後

男「お使い行ってきたよ」

おばあさん「ありがとうねぇ~助かるよ」

男「徒歩30分の町の市場にお使いに出されるようになった。あと打ち解けた。言葉もわかってきた」

お爺さん「川に魚捕りいこうや」

男「あいよ」

お爺さん「カニピラフ、行ってくるわ」

おばあさん「気をつけてね」

男「カニピラフおばあさんの名前だった」



3ヶ月後

男「いや、居座りすぎだろ」

女「男さん男さん!」

男「すげえベタベタしてくる。うれしい」

女「助けてくれてありがとう!」

男「うん、頭に盆栽みたいなの落ちてきたもんね。あなた危険引き寄せすぎね。引き寄せの法則とか読んだでしょ」

女「本当にありがとうございます!」

男「いえいえ」


おばあさん「おかえり」

男「ただいま」

女「お母さん!今日も男さんが助けてくれたの!」

おばあさん「そうかいそうかい」ニコニコ

男「お母さんだった」

お爺さん「男くんはさすがだなぁ」

男「すげぇいい人だった。最初に地下牢に閉じ込められたとは思えない」

お爺さん「だって怪しかったし…」

男「確かに」

男「ところでそろそろこの家を出ようかなと…」

女「嫌です!嫌嫌嫌嫌!!」

お爺さん「大事な娘泣かせるとは…」

男「ごめんなさい。いやでもこのままじゃ僕穀潰しですし」

おばあさん「家の手伝いしてくれてるじゃない。十分よ」

男「男でも家事手伝いが許される世界…悪くない」

このテンポなかなか癖になるな


男「そーいえばおじ…ご夫妻は一夫一婦というやつなのですか」

お爺さん「いやまぁ…その…そう決まってるわけじゃあないんだけど」

おばあさん「…?」ニコニコ

お爺さん「女ってぇのは嫉妬深いんだ」コソコソ

男「……」チラッ

女「?」

男「……」





後日お使い帰り道

男「あーそういえばお肉屋さんのお姉さんすごく素敵だったなー」

女「そんな…男さんは私だけを見つめていてくれないの…?」

女「私、隠していたけど本当は片時たりともあなたと離れたくはないのです」

女「寝てる時も…ご飯の時も…本当は湯浴みだって一緒がいいんです」

男「」

女「お願いだから私を見捨てないで下さい…なんでも…致しますから…お願い…」

男「やばい」


男「女ちゃん意外とやばかった。最早強行突破しかない」

男「明日早朝に脱出する」





太陽「朝です」

男「なんでや」縛られー

女「男さんが出ていっては嫌だからです」ニコニコ

男「トイレ行きたい」

女「それはそれは」ホドキホドキ

男「さよならー」ピュー





男「落とし穴とは」

女「大丈夫ですかー?」ニコニコ


男「実は僕はるかな星が故郷なんだ。本当の名前はウルトラセブン。ファイターセブンなんだよ。銀河の果てに進みたいんだよ」

女「何を言ってるのかしら…私をこばみたいからそんなわけのわからないことを…縛るだけじゃダメなのかしらねぇ」ハイライトゴーンアウェイ

男「ぬう」

お爺さん「……」

男「あ、助けてください」

お爺さん「……年頃の娘ってのはこういうものさ。俺だってそんな感じで捕まった」

おばあさん「捕まった?」

おじ

男「」


お爺さん「語弊あった」

男「これがデフォルトだとぉう」




女「はい、あーん」

男「モッシャモッシャおいしい」

お爺さん「いい旦那を持ったな」

女「うん!」

男「いやまずいよこれ」

デフォルトヤンデレーナ!
でも生活はニート垂涎!


男「なんとかしないと」

女「男さん、私湯浴みをしてまいります。…………逃げないでくださいね?」

男「チャンス」

男「ご飯の時ナイフを隠し持っててよかった」ゴリゴリ

男「解けた」

男「アディオス」ダダダダダダダ






男「あれ?脱出成功した」

男「捕まるかと思った」

男「とりあえず町行こう。家に籠もりっきりで情報が少ない」


男「酒場みたいなとこないかなぁ」

男「あ、なんか人集まってる」

男「こんちは。なんか人が突然出たとか消えたとか神隠しの名産地とか知りません?」

旅人「この地から西の果ての渓谷地帯だよ」

男「すげぇ何も言わず教えてくれた。ありがと」

男「西か」

男「太陽が沈む方へ向かうってなんかすてき」




その頃

女「ワタシノ………ダンナ…………サマ…ガ…………」ハイライトパスアウェイ

お爺さん「男くん恨むぞ」

ウルトラセブンワロタwwwwwwww


男「あんなでかいカマキリいたから町の外も危険かも」

男「武器屋行こ」




男「武器屋とかなかった…RPGのやり過ぎだった」

男「カレー屋さんならあった」

カレー屋さん「ナマステ」

男「この世界でもナマステは健在とな」

カレー屋さん「この世界…?もしや君もあっちから…」

男「ここでまさかの収穫」

カレー屋さん「心を」

男「満タンに」

男・カレー屋さん「コスモ石油」

カレー屋さん「間違いない」

男「確認方法ウケる」

その確認法のセンスはどこから来るんだよ
>>1も男も頭おかしい(褒め言葉)

他のやり方があるだろwwwww


男「とりあえずキーマカレーある?」

カレー屋さん「あいよ」

男「うまい。やっぱりカレーだな」ムシャムシャ

カレー屋さん「俺もあっちの世界の人と会えて嬉しいぜ」






男「あ、金ねーんだった」

カレー屋さん「ぶち転がすぞ」

男「割となんでもしますから許して。靴舐めます」

カレー屋さん「やめれ」


男「ちくしょう…強制労働とは…ちくしょう…」

カレー屋さん「人聞きの悪い」

男「旅に出たばかりというのにしょんぼりトホホ」

カレー屋さん「旅?」

男「ここから帰れる場所探そう的な」

カレー屋さん「ふむ」

カレー屋さん「旅には金がいるだろう?ここで少し働いて貯めてみたらどうだ?」

カレー屋さん「もちろんまかないあり、福利厚生はあるようでないぞ」

男「乗った」

カレー屋さん「決断早っ。すこしくらい悩めよ」


3ヶ月後

お客様「どうも~」

男「ナマステ!」スパァンスパァン

カレー屋さん「君ナン作るのだいぶうまくなったね」

男「ナマステ」スパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァン

カレー屋さん「うん。心なしかインド人に見えたきたよ」

男「ナマステ」

カレー屋さん「うん、ナマステそんな万能な言葉じゃねーから。こんにちはだから」

男「ナマステ」スパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァンスパァン

女<●><●>


男「カレー屋さんは帰りたくないのナマステ?」

カレー屋さん「うーん…まあここが気に入っちゃってな」

男「ナマステ」

カレー屋さん「あの世界ではカレー屋さんでバイトしてたんだ」

男「ナマステ」

カレー屋さん「ずっと自分の店持ちたかったんだ。こんな形で叶うとは思わなかったよ。スパイスとか手に入れるのは大変だけどね」

男「そうナマステんですね」

カレー屋さん「ナマステしつけーっつーの」




カランカラン

カレー屋さん「いらっしゃいませ」

男「ナマス………テ」

女「うふふ…男さんだぁ……男さんだぁ……やっと……やっと…見つけた……うふっ…うふふふふふアハハハハハハハハ!…今度は絶対に…………逃さないからぁ……!」ハイライトハタビニデタ

男「」

カレー屋さん「知り合い?彼女?なんかクマとかすごいけどかわいいじゃないか。うらやましいなぁ」

男「逃げるんだよォー!」

カレー屋さん「あ、これ今日の分ね」

男「のんきだな。ありがとう。お世話になりましたじゃっ!」ピュー

女「逃さなぁい!」ダッ

カレー屋さん「ひゅーひゅー」


男「うおおおおおおおお」

女「待ってぇ!」

男「待てませーん」

女「もう……あっ!」

男「女さん…転んだざまーみやがれはっはー」

男「大丈夫?」

女「ふふっやっぱりあなたは優しい…」

女「いつも私を助けてくれる……ヒーロー…」

女「そんな男さんを閉じ込めて私だけが世話をするの」ゾクゾク

男「やめてくれいもあ」

男「とりあえず家までは送るから」

男「何も言わずに出たのは謝る」

女「では遂に愛の新婚生活……どんなお家を建てましょう…子供はしばらくはいらないわ。ご近所とはうまくやっていけるかしら。結婚は素敵な景色の丘で…」ウットリ

男「ダメだこりゃ」

男優しくてワロタ


男「~というわけで、信じてもらえないでしょうが僕はこの世界の人じゃないんです」

女「そんな…」

男「証拠はまあ初めてあった時の服とかこっちのと全然違うでしょ」

お爺さん「マジで頭おかしい変質者かと思った」

男「辛辣ゥ…」

おばあさん「なら仕方ないね。止められないよ」

女「お母さん!」

おばあさん「その代わり約束してくれ。無理だったり、危ない目にあったらすぐここに帰っといで。おいしいご飯用意しとくから!」

男「あざす」

お爺さん「軽っ」

女「失敗して失敗して失敗して……」ボソボソ

お爺さん「重っ」

男「では、今度こそさようなら」

カニピラフ話分かるジャン


町外れ「さびれてます」

男「町外れまで来たな…ここからは初めての土地だ」

男「バイト代でスルメの気持ち悪い版みたいな保存食とか、パイナポーをカッピカピにしたみたいな保存食とか、ドクターペッパーみたいな傷薬も買った」

男「緊張するけどひとりで千葉のおばさんの家に行けた俺に怖いものなどない」

男「なんか間違えて一旦鶴見に行ったけど大した問題じゃない」

男「武器がないのが気がかりだけど……あっここに落ちてる棒超かっこいい。これでいいや」


荒野「荒れてる」

男「西西ーにっしっしっーにしにしにーしにっしっしっー」

男「……西ってフワッとしすぎてよくわかんない」

男「行く先に町が見える…今夜はあそこで宿をとろう」




荒野の町

男「女さんのいた町とは少し雰囲気違うな」

子供A「モードュラやろーぜモードュラ!」

子供B「わかったー」

男「モードュいって舌噛んだとかいうスポーツが盛んなようだ」

男「…このスポーツ野球のバットみたいなの使うんだな」

男「よい武器になりそうだ」

男「ともすればこんな棒など必要ない」ポーイ





モードュラショップ

店員「いらっしゃいませ」

男「モードュゴフッほっぺの内側噛んだの棒みたいなの下さい」

店員「どのようなプレイスタイルですか?」

男「ププププレイスタイル?強いて言えば殴打ですかね」

店員「うっわぁ~物騒な…ではこちらで?」

男「ほうほう金属製ね。じゃあこれで」

店員「はい。人は殴らないでくださいねぇ~」

男「時と場合によりますー」

店員「えぇ…」


男「練習しよ」

男「ローズ」グヨグヨグヨグヨ

男「ズレータ」スッ

男「シーツ」ブンッ

男「ゼキノール」ブンッ

男「エチェバリア」ブンッ

男「バティスタ」グィーン

男「タイロンウッズ」ブンッ

男「ラミレス」ブンッ

おじさん「なんでちょい古助っ人外国人ばっかなんだよ」

男「なんか好き」

おじさん「わかる」

男「てかおじさんもあっちの世界の人?意外といるもんだな」

おじさん「やっぱ君もか」


おじさん「ピンポーン正解は!?」

男「越後製菓!」

おじさん「間違いない」

男「確認方法ウケる」

男「おじさん西の渓谷地帯って知ってる?」

おじさん「知らない」

男「じゃあもう用事ねーやバイバイ」

おじさん「冷た!もう少し喋ろ!」

男「何を」

おじさん「ほら…なんか…ねぇ…?」

男「じゃあね」

おじさん「行っちゃった…なんて速さだクソウ」


男「謎のおじさんに絡まれて疲れた。宿探そう」

???「待てぇー!!」

男「ゲッおじさんか!?」

女の子「助けて!助けてぇ~!」

怖そうな人「ごらぁー!」

男「違った」

女の子「!旅のお人…私を助けて!」

男「えぇ…」

怖そうな人「お嬢をこちらへ渡すんだ」

女の子「やめて!」

怖そうな人「いいから!」

女の子「嫌!この人私につきまとうの!」

男「えぇ…」

怖そうな人「かばいだてするというなら君も痛い目にあうよ?」

男「それはやだ!ていうか俺関係ないし!じゃあねー!」ピュー

怖そうな人「あっ、こら!」





町の外

男「はぁぁ…怖かった」

女の子「本当ですね」




・・・・・・・・・・・・




男「……なんでいるの」

女の子「だってあなた、助けてくれるのではなくって?」

男「そんな素振り見せた覚えないけど…」

怖そうな人「お嬢様は謎の男にさらわれた!」

それなりに怖そうな人「なんだと!?見つけたらタダじゃおかねえ!」

男「ねぇほら町の中から物騒な言葉聞こえるんだけど。君のせいだけど」

女の子「ねぇ、私を旅に連れて行って下さらない?」

男「嫌」

女の子「なっ…私は町の運営長の娘よ!?報酬は弾むし、容姿だって褒められるし…」

男「嫌」

男「じゃあね」ダダダダダダダ

女の子「行っちゃった…私の肩書を知ってもなおその素っ気なさ…ふふっ…なーんかどうしてもあなたについていきたくなったわ」ウットリ


男「もうマヂマリ。女の人が病んでる率高いよこっちの世界」

男「荒野の町には帰れなくなったし」

男「夜を徹して歩いて次の町でも探そうか」





カマドウマ(3m級)「フシュウウウウウウウ」

男「あー…(白目)」

男「はっ!戦わねば」

男 は どうする?
ニアたたかう
どうぐ
にげる

ニア殴打
投石
拳撃

男「我ながら旧石器時代のような選択肢」

カマドウマ「キシャアアアアアアア」

男「ぎゃああああああ!!(白目)」フルスイングッ

カマドウマ「ケヒッ…キュー」

男「倒せた……よかった…」

男「腹減ったな」チラッ

カマドウマ「」




カマドウマ「」コンガリ

男「もともとこっちではでかい虫を食べる文化があるそうな」ムシャムシャ

男「多分女さん家で気づかぬうちに食べてた」

男「だから気にしない気にしない」

虫ってスカスカだから三メートルあっても食える部分少なそう

確認方法が毎度的確でワロス


男「夜も更けてきたし寝ましょうか」

男「初日から野宿とは思わなかったよしょんぼり」




盗人「寝たか」

盗人「ククク…バカなやつ」

盗人「手早く金目のもの頂いちまうか」

男「何してんのアンタ」

盗人「ぎゃあああああああああああ!!」

男「るっせーな俺寝付きがわりーんだよ。その爆音で今夜は不眠確定だわ」

男「怒らんから帰れ」

盗人「ちくしょう、覚えてやがれ~!!」

男「何が悲しゅうてヒゲのオヤジと寝る前に会わにゃならんのだ」


男「ん…朝か」

おん


>>45はミスです

男「朝か。少しは眠れてよかった」

女の子「スースー」zzz

男「」

男「ハッ!昨日何かやらかしたのかと思った」

男「幸いこの子寝てるしこっそり出発するか」

男「なっ、こ、これは!!」

ドドドドドドドドドドドド

男「『腕』を掴まれているだとォーz____ッ!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

男「『これ』を『振りほどく』ということはつまりッ!この『女の子』が『起きて』しまうかもしれないということだッ!!」

女の子「?」

男「貴様ッ!関係ないねというような顔をするんじゃあないッ!!って起きてるー!」

女の子「えへへ…着いて来てしまいましたわ」

男「何と…昨日の女の子か」


女の子「あの後両親にたっぷり怒られたあと、あなたの手がかりを町中探して回ったのよ?」

男「そうか」ダッ

女の子「そしたらあなたが西の渓谷について聞いたとか…」

女の子「もういない」

女の子「一度ならず二度までも……うふっ、うふふふふふふふふ」

女の子「逃しません」


男「寝るたびに追いつかれてはかなわん」

男「何か移動手段はないのだろうか」

ゴキブリ(4m級)「カサカサ」

男「……」

男「ほれ、ほーれほれ。エサあげるよ~」

ゴキブリ「!」イイノ?

男「ほれ」ポイッ

ゴキブリ「ー!」ムシャムシャ

男「今だっ」バッ

男「あっダメだ背中ツルツルで乗れねぇええ!」ツルーン

ゴキブリ「……」モットホシイ

男「あーうん、もうあげらんない。ごめんな」

ゴキブリ「……」ワカッタージャアネー

男「行ってしまったか」

随分と物分りの良いカワイイGさんだなぁ。でもGさんか…Gさん…


男「まいったな」

男「川が見える」

男「川のほとりはメソポタミア文明しかり、インダス文明しかり、発展が伴うとペルソナで見た気がする」

男「少し川に沿って歩いてみよ」





虫使いの町

男「おお、移動手段欲しいと思ったところに良さげな町だ」

男「やっとルーラ覚えた時のような世界が広がる感が得られるかも」




商人「~」ペラペラ

男「ダメだ…言葉通じねぇ…せっかくカレー屋さんで稼いだ金もここでは使えないみたいだ…」

男「どうしよ」

男「これは働くしかない」



牧場主「キミ…シゴト、探してる?」

男「おっとカタコトだが通じそうな人!探してるさか」


牧場主「よければ、ウチで働かないか?」

男「よろこんでぇー!」





虫使い「おい、アイツかわいそうだな」

商人「ああ、外国人らしいが、あんなブラック牧場になんてゴキブリも裸足で逃げ出すぜ」

虫使い「おいおい、ゴキブリはもともと裸足だよ!」

商人・虫使い「HAHAHAHAHAHAHA」

商人・虫使い「はぁ」


男「すごくご都合主義的な展開で仕事が舞い込んだのは嬉しい」

牧場主「それ雇い主に言う?」

男「言う」

牧場主「そうか」

牧場主「じゃあとりあえずここの世話お願い」

男「池?」

牧場主「よく見てみ」

男「ヤゴがいっぱい…」

牧場主「君の仕事はここの掃除とヤゴたちの健康管理だよ」

男「ヤゴの飼い方は小学館の図鑑で読んだが、10mのヤゴは知らんなぁ」

牧場主「ここは川から水を引いているからエサは心配いらないよ」

男「よく見たらでっけぇ魚も泳いでるな…」

男「あれ、これ池の底の掃除の時に食われたりとか」

牧場主「じゃあ頑張ってね」

男「なんてやつだ」


男「ちくしょう…なんか急にこっちの言葉ペラペラになりやがって…」

男「やりますか」





牧場主「おーい!今日の仕事は終わりだ!お疲れ様!」

男「やっとか」

牧場主「うんうん、池の周りを掃除してくれたんだねぇ!ありがとう」

牧場主「君宿は?」

男「いっけねとってねぇや」

牧場主「うちに住みなよ?」

男「まじすか!?いや…この展開は…」

男「娘とかいませんよね?」

牧場主「俺ぁ独り身だよ」

男「なら大丈夫かな」


男「うそつきうそつき!」

牧場主「いや…だってなぁ」

少女「……」

牧場主「休暇でこっちに弟が遊びに来るとは聞いていたが、今日とはな」

少女父「ほら、あいさつなさい」

少女「や」

男「このガキ。まあガキでよかった」

少女父「そういう人?」

男「違います」

牧場主「どんくらいいんの?」

少女父「まあ15日くらいだよ」

男「結構ガッツリ滞在するんじゃねーよ」


15日後

少女「やー!お兄ちゃん連れて帰るの!」

男「なんでや」

男「将来悪い男に捕まるぞ。ひと夏の経験として忘れなさい」

少女父「ほら帰るぞ」

少女「いやああああああ!!!!」ズルズル

男「捕まった宇宙人のようだ」


一ヶ月後

男「ヤゴちゃん今日もかわいい」

牧場主「男くん、そろそろ棒を挿してくれるかい」

男「アーッ?」

牧場主「違う、ヤゴが羽化するからそれ用だよアホバカ」

男「ほう」


3日後

男「飛びましたね…」

牧場主「飛んだね…」

牧場主「立派なヤンマが育ってよかった」

牧場主「ところで、君は移動手段の虫が欲しいがためにアルバイトをしていると言ってたね」

男「え、ただでくれんのやったぜ牧場主さん大好きマリッジしよやっぱマリッジは無し」

牧場主「ただじゃねーよ値引きだ値引き。あと何俺がフラレたみたいな空気生成してんだよ」





オニヤンマ(乗用) を 手 に いれた !ゴマダレー

Aボタンでスピードアップ
Bボタンで回転アタック
Zボタンでブレーキ

そうさ は 3Dスティック !




男「なんで操縦法が64仕様なんだ」

Zボタンのブレーキ感は異常


男「よし君の名前も決めなきゃな」

オニヤンマ「……」

男「……………………烈風」

オニヤンマ「ほう。悪くない」

男「は気取りすぎだな。ポチでいいや」

オニヤンマ「ダッサ」

男「なんだろう、心身捧げて世話したからか気持ちが伝わってくる気がする」


気持ちは伝わってるけどセンスは否定されてる


ポチ「嫌すぎる。変更求む」

男「そ、そうか…鬼殺しとかどうだ」

鬼殺し「死んじゃうじゃねーか。オニヤンマのオニが死んじゃうじゃねーか。オニヤンマが鬼殺してどうすんだコラ」

男「口悪いなお前…そんな言うなら自分で決めろよ」

オニヤンマ「シュナイダー」

男「あ、洋風な名前が良かったのね」


男「シュナイダーって犬だぞたしか」

シュナイダー「犬なぞ知らん」

男「じゃあ間を取って盲腸でいいか」

盲腸「何と何と間だそれェ!」

ギアラ「それだったらギアラとかがいいわ!」

男「何ちょっとかっこいい臓器持ち出してんだ気取り過ぎなんだよテメーは。胆嚢な」

胆嚢「貴様こそ変な内蔵ばかり持ち出してるじゃないか!」

男「わかった、わかったよ。俺の国では縞々のことをゼブラと言うんだが、尻尾が縞々だからゼブラでいいか」

ゼブラ「まぁ…それなら…悪くないな…」

男「よし決まり!よろしくな」

ゼブラ「ああ」

名前だけ見てると、これもうわかんねぇな

当然のように会話できるようになってんじゃねえよww

ゼブラ(♀)


牧場主「うまくやってけそうだな」

男「牧場主さんいいトンボあざ」

牧場主「気に入ってくれたら嬉しいよ」

男「では、俺そろそろ旅に戻ります」

牧場主「寂しくなるな。頑張れよ。目的知らんけど」

男「うす」






男「とりあえず保存食とか買い足すか」

ゼブラ「貴様は旅人だったのか」

男「うん……あれ門のとこにいんの荒野の……」




女の子「ふっふっふ…あの旅人がわが町の友好都市に入ったと聞いて封鎖せずにはいられませんでしたわ」

女の子「捕まえたら今度こそ私に興味をもたせてやるんだから…」





男「やばいよ」

ゼブラ「何だ。離婚調停か」

男「んなわけねーだろ」

男「はああどうすれば抜けれんだ…これぇ…」

ゼブラ「私が……いる」

男「あ」


男「そーいや飛べたなお前」

ゼブラ「何のために買ったんだホント」

男「よし、じゃあ早速乗せてくれ」

ゼブラ「うむ」





女の子「いつになったら出てくるのでしょう」

オーイ

女の子「?」

男「じゃあなー嬢さん!見通しが甘かったなイピカイエー!!」

女の子「……赤の狼煙を」

虫使い「はっ」

ブーン

男「やべええええええいっぱい追手飛んできたあああああああああ」

ゼブラ「アカネにスズメバチ…あとはアゲハチョウだと?私を追撃するには少々速度が足りないな」

男「何?」

ゼブラ「少し飛ばすぞ」

男「え」






ゼブラ「いや、ホント申し訳ない」

男「く……首ついてる?俺の首……」

ゼブラ「心配するな。アホマヌケバカ顔がしっかりついてる」

男「言い過ぎだこのやろう」

ゼブラ良いキャラしてんな


男「死ぬかと思ったんだこっちは」

ゼブラ「そうか、すまん」

ゼブラ「ま、ヤゴ時代体踏んづけられたからその貸しってことで、な?」

男「お前だったのかよ判別つかんわごめん」

ゼブラ「牧場主さんは知ってたぞ」

男「あのやろう」


男「じゃあもう、そろそろ行くか」

ゼブラ「ああ、では乗れ」

男「おう」






男「待て!待てって!追うな!お・う・な!」

ゼブラ「……………」

男「無視!?この虫野郎が!」






ゼブラ「いや本当に申し訳ない」バリバリムシャムシャ

男「おおまっおまお前ホントにヤゴ時代に戻してやろうか」

ゼブラ「いやなんかエサ飛んでたから」パリパリパリパリ

男「なんだその理論。許可取れ許可。社会ならアポ取ってないとかありえねぇからな」

ゼブラ「私は虫だ」ポリポリポリポリ

男「知ってるよんなことは」


ゼブラ「よし、じゃあ乗れ」

男「いや…もうなんつーの?エコノミー症候群だがメタボリック症候群だかで空のフライトは懲り懲りっつーか…」

男「お前お払い箱っつーか…」

ゼブラ「!?」

男「どこでも行っていいぞ」

ゼブラ「お前は……私のことが嫌いになったの、か?」

男「なぜそうなる」

ゼブラ「だって、えぐっ、捨てるってひっく……うう………」ボロボロ

男「」

男「はっ……ま、まぁお前はまぁまぁそこそこの値が付いてたからな!もうちょっと一緒にいてもいいかな!?」

ゼブラ「ホント?」

男「第一捨てるなんて言ってないしな……」

ゼブラ「よかった……」

ゼブラ「はっ、貴様!私はまだ生まれたばかりでちょっと心が弱いだけだ!勘違いするなよ!」

男「それを暴露するのはどーなの」

おつ

ツンデレ(虫)

しかしストーカーヤンデレよりはイケる


男「とりあえず、しばらくは歩きでいいか?」

ゼブラ「し、仕方ないな!貴様がそう言うなら私はゆっくり飛んでついて行こう」

男「普通に良いですって言えよ」






ゼブラ「り、り、離島!」

男「瓜」

ゼブラ「またりか?りぃーりっりー…………あああああああああ!!」ガブー

男「痛い痛い痛い痛い何何何何!?」

ゼブラ「り攻めばっかりずるいぞ!反則だ!」ガブー

男「ごめんごめんごめん出る出る出る出る血が痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」

ゼブラ「…………」ペロ…ペロ…

男「何やってんのお前!?」

ゼブラ「なんかお前の血って……おいしいかも…な」ニヤッ

男「ヒエッ」


男「ひどい目にあった」

ゼブラ「ん、しりとりやってたら町に着いたようだな」




西の王国領 平原の町

男「怪しい物じゃねーです」

門番「ではここにサインを」

男「はーい」

門番「ただ…そちらの乗用虫なのですが……」

男「あ、持ち込み禁止ですか?」

門番「はい…一応町内の治安維持など行った感じで…町外の虫小屋にお預けになってからいらしてください」

ゼブラ「」ガーン

男「ほら、行くぞ」

ゼブラ「うぅ~仕方ないなぁ」


男「じゃ、おとなしくしとくんだぞ」

ゼブラ「な、なぁ」

男「何だ」

ゼブラ「会いに来るのは30分に1回でいいぞ」

男「多くね」

男「2日3日準備してから来っから」

ゼブラ「2日3日……!?」ウルッ

男「おう、じゃあな」

ゼブラ「うぅ……」





男「……ここではカレー屋さんのバイト代も換金できるのですか」

男「これは素晴らしい」

男「プチ豪遊しよ」




男「お姉さんこのスープもう一杯!」

店員「はいはい!」

男「うまいうまい」モグモグ

男「メニュー見たら食欲減退するような感じだったけど、うまいから許す!!」

男「はははははははは!!」




男「お腹いっぱいなったごちそうさま」

店員「またどーぞ!」

男「さて、宿に帰るか」





男「いや、お前何してんの?」

ゼブラ「寂し…いや!旅は急がねばならないからな!」

男「急ぎすぎだろ路地で連れさらわれた時に何かと思ったわ」

ゼブラ「すまん、旅を急ごう」

男「荷物持っててよかった……」

話の内容や文章は凝った様子も無く淡泊な感じなのに、何故続きが気になる自分がいるのか


男「じゃあそろそろ降ろして」

ゼブラ「わかった」パッ

男「うそだろ」ヒュウウウウウウウ

男「死んだなこれ」ヒュウウウウウウウ

男「アレだな死ぬ直前って時間が伸びるって本当なんだな。スタンド発現したかも」ヒュウウウウウウウ

男「思えば短い人生であった」ヒュウウウウウウウ

男「走馬灯が見えそう」ヒュウウウウウウウ

男「あーあ、いっぺんスカイダイブしてみたかったけど、こんな形で叶うとはなー」ヒュウウウウウウウ

男「まだ体力3縛りムジュラの仮面全クリしてないっつーの」ヒュウウウウウウウ

男「めぞん一刻もまだ11巻までしか読んでないし」ヒュウウウウウウウ

ゼブラ「すまん、ツッコミ待ちだった」ガシッ

男「おまっお前バカッお前バカ!本当バカ!」ウエエエエエエン

ゼブラ「さっきはこのくらい心細かったんだと教えたかった!」

男「死ぬほどの恐怖はなかっただろお前!」

オニヤンマとどうやって交尾するんだろう


男「お前次しでかしたら羽もいじゃうぞコラァ!」

ゼブラ「も…もぐの?」ウルウル

男「もがねぇよコノヤロウ!」

ゼブラ「よかった…今夜の宿はどうするのだ?」

男「立ち直り早いなおい。お前が連れ出してくれたおかげでまた泊まれないやん?」

男「野宿やん?」

男「てことで寝るわ俺」

男「お前も早く寝ろよ」

ゼブラ「わかった……」


パンイチのおじさん「朝だよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

男「ん…おはよトンボ太郎」

ゼブラ「誰がトンボ太郎だ」

男「悪い悪い」

ゼブラ「ほらサッサと支度しろ。西へ行くんだろ?」

男「はいはい」






空「すげぇ空」

ゼブラ「そういえば貴様はなんで西へ向かっているのだ?」

男「んーまあパワースポット巡りみたいな?」

ゼブラ「下らぬ。OLか!何でもかんでも自分磨きとかほざくOLか!」

男「るっせーな。勝手だろ」

男「それよかお前敬語使えよ敬語」

ゼブラ「私は尊敬するに値したものにしか敬意は払わぬ」

ゼブラ「ちなみに貴様のランクは今こんな感じだ」

S
A
B
C
D
E


(中略)



ニアZZZ

男「カンストしてるんですけど…!ランクカンストしてるんですけど…!」

ゼブラ「まあ頑張り次第で上げてやらんでもない」


男「ん、地上に集落が見えるな」

ゼブラ「町というほどではない大きさだな」

男「飛びっぱなしでそろそろ疲れたろ。休もうぜ」

ゼブラ「……ランク2upだ」

男「軽っ」




海辺の村

漁師「よぉ、旅人とは珍しいな」

男「魚捕ってんすか」

漁師「たりめーだろ?漁師だぜ」

男「魚は虫ほど馬鹿でけぇのいないんだな……」

漁師「ん?沖見てみ」

巨大魚「……………」ザバァァァァァン

漁師「ありゃ捕れねーよ」

男「あぁ…」

ゼブラ「見ろ貴様!ヤドカリだぞヤドカリ!」

男「返してきなさいってうおおおおおおおでけえええええええ」

ゼブラ(CV:丹下桜)


男「ていうか、休むつもりでいたのに大はしゃぎじゃん。埼玉県民かよ」

ゼブラ「サイタマケンミン……?仕方ないだろ、海なんか知らなかったんだから!」

男「まぁな」

男「じゃあ俺買い出ししてくっからそこで遊んでろよ」

ゼブラ「わかった!」





男「お金使えてよかった……」

男「干物みたいなのを大量に仕入れることが出来た」

???「……」

男「さて、海辺に戻るか」

スリ「いただきっ!」

男「コラ何をする」グイッ

スリ「いでててててててて」ギリギリギリギリ

男「こんな小さな村でスリたぁいい度胸だ。ポスターに似顔絵描いて村中に貼りまくってやる」

スリ「陰湿な仕返し考えつくなお前!」

スリ「困ってんだよ!サイフの半分だけでもくれ!」

男「スリの銀次かテメーはァ!」

スリ「スリの銀次……?桃鉄!?」

男「お前、もしかして」

スリ「ゆっゆっゆっ」

男「夢がふくらむ」

男・スリ「ゆっめたうぅ~ん」

スリ「アンタあっちの世界知ってんのか!?」

男「確認方法ウケる」

やべえ、いきなりゆっゆっゆっと振られてゆめタウンは俺言えないわ…
精進しなくては

というかゆめタウンを知らないわ

はいお前異世界人


男「そうだけど」

スリ「そうかそうか!俺もよ、仕事中気づいたらここにいてよぉ…食いつなぐために望まぬスリ生活よ…」

男「……そっか」

スリ「ここから帰れる方法しらねぇか?」

男「知らん」

スリ「くっそ……やっぱそうだよなぁ……」

男「力になれそうにない。また会おう」

スリ「お、おいもう行っちまうのか?」

男「ああ」

男「一緒に行きたいとか言うんじゃねーよな」

スリ「その通りだ!!」

男「ならしょうがない……なっ!」バキッ

スリ「痛えええええ!!何しやがんだ!」

男「金困ってるからといって単純に悪事働くやつ信じるお仲間にできねーだろ。普通に働け」

男「今から駐在警備隊に引き渡してやらぁ」

スリ「チクショウ!!離せ!!」

男「んでその後ポスター制作する」

スリ「性悪!」


男「あーいい大人が情けないったら」

男「……考えてみれば女さんに拾われなきゃ俺もああなっていたかもしれないのか」

男「女さん、ありがとな」

寛容さ が 高まった




女「ハッ!」

おばあさん「どうしたの?」

女「今男さんにプロポーズされた」

お爺さん「何そのお腹の子が蹴ったみたいなリアルタイム感」




男「いようゼブラ。そろそろ行こうぜ」

ゼブラ「ああ」

男「てか、何だそれ……」

ゼブラ「フナムシ」

フナムシ(2m級)「ウゾゾゾゾゾゾゾ」

男「返してきなさい!」

ゼブラ「嫌だ!うちで飼うんだ!」

男「家ねーだろお前」


空「空っ」

ゼブラ「うう…フランソワーズ」

男「何がフランソワーズだよ」

ゼブラ「ランクだうん」


男「また下がっちった」





男「おい、なんかでっかいのが飛んでるぞ」


ゼブラ「あれは…軍の偵察虫だな」

ゼブラ「民間航空虫には関与してないと思うが」

男「なんかこっち見てるけど」

偵察虫『男殿!貴方は完全に包囲されています。速やかに投降しなさい』

ゼブラ「貴様何やらかしたんだ?」

ゼブラ「戦闘虫もわんさか飛んでるぞ」

男「……お前に無理はさせられない、事情はわからんが降ろう」

ゼブラ「見くびってもらっては」

男「いいんだ。相手の戦闘虫……だかもオニヤンマじゃねぇか」

ゼブラ「でも私は!」

男「ゼブラ!いいんだ。行こうぜ」

ゼブラ「男……」






女の子「やっと見つけましたわ」

男「お前かよォ!ちょっとシリアスな雰囲気作りが台無しじゃねぇか!!」

女の子「軍の観虫式に参加したついでに貴方を捕獲してもらおうと思いました」

男「手口えぐいよ!」

女の子「さあここは空の上。たっぷり私のことを教えてあげるわ」ニヤ

男「ヒエッ」

ゼブラ「だから私を信じろと言ったのだ」コソコソ

男「言ってねーよ。この窮地どうすっかなぁ」コソコソ

ゼブラ「いまからでも遅くない。合図したら飛べ」コソコソ

男「戦闘虫はどうする?」コソコソ

ゼブラ「もう飛行空母に格納された。第二次発虫までは時間かかるだろ」コソコソ

男「落としたら怒るからな」コソコソ

ゼブラ「落としたら怒るための脳髄もひき肉だぞ」

男「ブラックなジョークをやめろ」


女の子「先程から何を独り言を……」

男「くぅっバレてた」

ゼブラ「バレてたな」

ゼブラ「ていうか貴様、もう普通に旅の理由話せばいいんじゃないか?私も知らないし」

男「まぁそうなんだが、果たして信じてもらえるか…」

男「えーっと…君に話したいことあんだけど…」

女の子「けけけけけ結婚!?貴方と私では身分というものが違いますわ!結婚なんてとんでもない!まずあなたは私の家で働いてもらうわ!数日間調査した結果から言うと貴方は結構家事とか出来るみたいだから私の身の回りの世話でもやってもらおうかしら。私、実は朝が苦手なので、朝は優しく起こしてくれると嬉しいですわね。あ、あとご飯なんですが、やっぱり貴方にも私の花嫁修業手伝ってもらいたいから、料理はかわりばんこにやりましょう。貴方のご飯も味わいたいしね、当然よ。ですから、結婚などという話は諦めて?も、もちろんどうしてもーっというなら考え直さないこともありませんわ。結婚するならそうね…私の町は海が近いから海の見える夕日の素敵な丘とかで儀式を行うのはどうでしょう?きっと素敵だわ!子供は……いらないわ!ずーっとふたりで仲良く過ごすの。貴方は旅なんかやめて、私の元にいつもいつまでもいて、愛を私に注ぎ込んで…」

男「違うっす。結婚じゃないっす」

女の子「そうなの?では私の下僕になりたいのね?下僕というのはうちにはいないからわからないけど、どんなものかは知ってるわ。私がやりたいことを何でもや」

男「あーあーっとすいません。それでもない」

なにこれ楽しい
続き期待


男「かくかくしかじかで俺この世界が故郷じゃないんですよ」

女の子「なんと」

男「信じてくれんですか」

女の子「その目を見れば嘘ではないとわかります」

男「ありがてぇ」

女の子「では西の渓谷地帯に行ったら帰ってきて私の伴侶になるということですね?」

男「ん?」

女の子「ではすぐにでも行ってください!」ドンッ

男「え」ヒュウウウウウウウ

ゼブラ「男ォー!!!!」


ゼブラ「くっ」ガッ

男「助かった」

ゼブラ「気にするな」

男「なんかとんでもない約束した気がするが、とりあえず西へ向かおう」

ゼブラ「うむ」

トンボに萌える日が来るとは


男「地上は……湿地帯か?」

ゼブラ「水耕地帯のようだな」

男「お前好きだろこういう環境」

ゼブラ「すごく好きだ」

男「良かったな。寄るか?まあ別に先を急ぐ旅でもないし」

ゼブラ「いや、何を言っているんだ?」

男「なんだ?」

ゼブラ「貴様はい、異世界?から来たんだろ?帰りたいだろ!故郷だぞ!」

ゼブラ「そんな悠長なことを言っていていいのか!?」

男「いーんだよ」

ゼブラ「何?」

男「俺はここに来る前はまぁいわゆる駄目な人間だった」

ゼブラ「今もだろ」

男「ハハッ、手厳しいな……」

男「俺、学校に通って、授業を聞いて、勉強した気になって、家で寝て、友達と適当に遊んで、将来うまくやってけんのかなーとかなんとか、不安を持ちつつも、口だけいろいろ偉そうなこと言って何もシなくて貴重な日々をすり減らすっていうかな」

男「でも、ここに来てからはちげーんだ。労働やらなんやらで毎日クタクタになんだよ。まあなんつーか、学やら特技は無くても日々を頑張って生きていけるんだなって」

男「もちろん俺の世界でもそれは変わらないんだろうけど、実感させてくれたのはここでの生活だった」

男「っと、話しすぎたな……お前にはよくわかんねーことだらけだろうけど、こんな真面目なこと言うの俺に似合わねーよな」

ゼブラ「男……」

思い出したようにシリアスぅ…


男「まあ別に急いでねーというのも本当だし、寄ってくか?な?」

ゼブラ「……わかった」

ゼブラ「でも君は私が責任を持って送り返してやる」

ゼブラ「それだけは絶対だ」

男「心強いこと…」




西の王国領 山間の村

農家「うわー旅人さん!?こんなとこまで何しに来てん?」

男「自分磨き」

農家「意識高いやつか!なんかよーわからんカタカナ使いたがる意識高いやつか!」

男「ここ泊まれるとこあります?」

農家「集会所が行事何も無いから泊まってもええよ」

農家「あ、後片付けはしてな?立つ鳥後濁さずや」

男「ありがたい」


集会所 夜

男「zzz」

ゼブラ「アホ面晒して寝おって…」

ゼブラ「私が人間だったらこのアホの少しは悩みを分かち合えたのだろうか…」

ゼブラ「……戯れ言を……私も休もう」

ゼブラがヒロイン枠に見えてきた

ageんなハゲ


???「……」

ゼブラ「曲者!?」

???「フフッ、やっぱり立派なオニヤンマだ」

ゼブラ「何者だ!」ガルル

???「そう警戒しなくていい。心配しなくても僕は君達に何かしようと思って来たわけじゃない、いや、何かをするかは君次第、かな?」

ゼブラ「……」

???「オニヤンマくん、君は大層この異世界クンのことがお気に入りのようだね」

ゼブラ「……(なぜこの侵入者がそんなことを知っている?)」

???「そこでだ。君に特別なこの妙薬をあげよう」ドサッ

ゼブラ「……」

???「人間になれる薬さ」

ゼブラ「!?」

???「それを噛み砕いて飲み込めば人間に早変わり!……という程変化は早くないけど」

ゼブラ「そんな馬鹿なことが……!」

???「信じられないという感じだね。まあ信用できないならそのまま捨ててもいい」

???「人間は空も飛べないしね」

???「じゃあ、僕はおいとまするよ。このままいたら君の眼光でひき肉にでもされそうだ。おやすみ」




ゼブラ「……行ったか」

ゼブラ「今のは何者だ?異世界のことを知っていたし…何より人間になれる薬などふざけたことを……そんなものありえるわけがない!

ゼブラ「もし私が空を飛べなくなれば、私の価値は無くなる……オニヤンマである私だからこそ、今一緒に旅が出来ている……!」

ゼブラ「こんなもの必要ないっ!」

ゼブラ「……」


???「あ、そうそう言い忘れてたけど」

ゼブラ「わひゃあ!?」

???「薬を飲む時はひとりでね?変化えぐいからその辺でやってたら怪物とか言われて捕まっちゃうかも……」

ゼブラ「余計なお世話だ!」

???「じゃあ今度こそ、さよなら」





ゼブラ「…………」

ヒロイン決定


集会所 朝

男「あーよく寝た。おはよ十二指腸」

男「あれ?いないのか」

男「飛び回って虫でも捕まえてんのかね」

ゼブラ「おい」

男「アンタ誰」

ゼブラ「わ、私だ」

男「お前だったのか」

男「……え?」






男「奇跡も、魔法も、あるんだよ?ってやつか」

男「異世界モノにありがちな魔法、実はあるんじゃねーかと期待してたが遂に見つけたな」

男「すごい」

ゼブラ「し、信じてくれるのか?」

男「お前が人間になったとかいう嘘吐くメリット誰にもないだろ」

男「まあ確かにびっくりしたけどな」

ゼブラ「そうは見えなかったが…そ、その」

男「どうした」

ゼブラ「この姿……どう思う?」

男「正直オニヤンマの意匠を残した黄と黒のストライプシャツはダセーと思うぞ」

ゼブラ「……」ガブー

男「痛でででででででででで」

かわいい

しかし元トンボの人間のゼブラとは


ゼブラ「す、すまん」パッ

ゼブラ「……怒らないのか?」

男「何を」

ゼブラ「私が…もうトンボではないから…」

男「あっ!ホントだ!移動手段無くなったじゃねーかおい!バーカバーカ!」

ゼブラ「怒るんかい」

男「まあなんの事情でこうなったか知らねーが、人間に変わっちまった以上、お前はもう自由だ」

ゼブラ「えっまた?」

男「もう俺に縛られることはないって」

ゼブラ「提案なんだが」

男「何」

ゼブラ「私をこのまま旅に連れて行ってくれないか!異世界に送り返すという約束は最後まで果たしたいし、世界をいろいろ見たいし、お前は……まぁ、その………ぃぃゃっだし…」

男「責任なんか感じることはねーよ。旅っても西へ行くだけだし」

ゼブラ「くっ……あっそうだ!何偉そうに言ってるんだ?偵察虫から落とされた時私が居なければとっくにぺしゃんこだぞ?」

男「うっ…」

ゼブラ「ほらほらどうする?連れてけ。連ーれーてーけー!」

男「やむを得ず」


ゼブラ「(まさか本当に人間になってしまうとは。あの怪しげな男は何者だったんだ)」

ゼブラ「(まあ今はこの時を少しでも楽しもう…)」

男「そろそろ行くぞ」

ゼブラ「ああ」





西の王国領 中央平原

平原「結構平ら!」

トノサマバッタ(8m級)「……」

男「村出た瞬間に大ピンチ」

ゼブラ「バッタごとき私が噛み砕いてくれる」

男「自分の身体見てもう一度言ってみ」

ゼブラ「そうだった」

男「バッタって草だけ食べるから平気なんじゃねーの?」

男「なんて見通しが甘かった」

男「戦うしかないか…」E.モードュラ の ぼう

ニア殴打
投石
火炎放射
冷凍光線

ゼブラ「下2つ嘘つけ!」


トノサマバッタ「キシャアー」ピョイーン

男「あああああああああ!!(白目)」ブンッ

トノサマバッタ「(#^ω^)」

ゼブラ「怒らせたみたいだぞ」

男「ひぃ」

ゼブラ「まったく仕方のないやつよ」スッ

ゼブラ「ほっ」ゲシッ

トノサマバッタ「」バターン

男「おお…お前強いんだな」

ゼブラ「元オニヤンマだからな」

男「理屈になってない」

役立つじゃん

頼むから完結だけはしてくれよ


ムカデ(15m級)(「・ω・)「ガオー

男「ぎゃああああ」

ゼブラ「はっ」スパッ

男「冷酷!残忍!さすが最強のオニヤンマ!」





アシダカグモ(5m級)ヽ(`Д´)ノキシャー

男「ひょええええ!」

ゼブラ「よっ」グシャッ

男「さすがオニヤンマ!」





カマキリ(10m級)(*「´∀`)「

男「奇襲で捕まったお腹痛い」ドクドク

ゼブラ「ふっ」ドゴォ

男「さすおに」

ゼブラ「傷は浅いぞ」






西の王国 首都

男「だいぶ西進できたな」

ゼブラ「私がいなければ37回は死んでたな」フフーン

男「その通りでござんす」


男「よし、虫小屋は……っと」

ゼブラ「私はもう虫じゃない」ガブー

男「ごめんなさい」ドクドク




男「にしても大きな街だな」

ゼブラ「うむ」

男「ここまで来りゃ後は少しだ、お互い自由行動で休息をとろう」

ゼブラ「わかった」





大衆食堂 『エジプト』

男「店名謎過ぎる」

男「日替わりセットひとつ」

ゼブラ「私はメンカウラーセットで」

男「着いてきてるし!コノヤロウは! 」

ゼブラ「だ、ダメか?」ウルウル

男「いいに決まってんだろコノヤロウ!」

ゼブラ「そうか!半分こしよ!な!半分こ!」

男「いいぞコノヤロウ!」





衣料品店『蜘蛛の糸』

男「服もボロっちくなってきたからな」

ゼブラ「君にはそこの白いのとか似合うと思うぞ」

男「またいる!」

ゼブラ「うう…やっぱりダメか?」ウルッ

男「着いてきちゃダメとかは言ってないかんね!」

ゼブラ「ホントか!?」パァッ

ゼブラ「これどうだ!?似合うか! ?」クルクル

男「すっげーかわいい!何だお前!」

ヒロイーン


宿「どんどん泊まれ」

男「はぁ、疲れた」

ゼブラ「うむ」

男「王国って聞いたからドキドキしてたが案外普通の町と変わらなかったな」

男「王様が暴君で民を救うために反逆に手を貸すとか、他国と戦争してて俺の特殊な能力とかのせいで嫌嫌戦争に巻き込まれるような気がしたが王様は名君らしいし、戦争も4,50年起きてないそうだ」

ゼブラ「平和が1番だ」

男「な。弱しな俺」

ゼブラ「ワンパンだ。ワンパン」

男「ぬう」




男「どうも繁忙期らしくて同じ部屋だが、いいか?」

ゼブラ「何がだ」

男「いや、昨日まで野宿だったからアレだけどお前女の子だったし、俺街外で野宿でもいいぞ」

ゼブラ「気にするな。今まで通りでいい」

男「俺が気にするの」

ゼブラ「そ、それは私を女として意識しているということか」

男「まあそうなるな」

ゼブラ「///////」ガブガブ

男「照れながら噛むのやめてもらえますかね」ダラー





男「じゃあ、おやすみ」フッ





ゼブラ「寝たか?」

男「スースー」zzzzzz

ゼブラ「…………」

ゼブラ「prprprprprprprprprprprprpr」






朝日「おーはー」

男「ふあーよく寝た」

男「なんか身体中気持ち悪い。寝汗か?水浴びしてこよ」スタスタ

ゼブラ「……」ドキドキドキドキ

うらやま


中央通り

男「……」クルッ

男「今日はついてきてないみたいだな」






ゼブラ「……」ジー





大型商店『蛇巣湖』

男勝りなお姉さん「ほら!試食だよ!食って食って!」

男「うっま」モグモグ

男勝りなお姉さん「いい食いっぷりじゃあないか。よっしゃ、まけてやる!買ってきなよ」ニコニコ

男「ありがたい」





ゼブラ「……」ジトーッ





乗用虫ディーラー

やり手のお姉さん「二人乗りでしたら、こちらの甲虫などいかがでしょうか?」ペラッ

男「うーん……ちょっと予算が……」

やり手のお姉さん「でしたらこちらの蝶を2匹というプランでも」

男「ふむふむ」





ゼブラ「私以外の虫をっ……」ギリギリギリギリ




河川敷

男「スースー」zzz

怪しいお姉さん「(;´Д`)ハァハァかわいい男の子発見(;´Д`)ハァハァ」




ゼブラ「そいつは私のだ」

怪しいお姉さん「ひっ、失礼しましたー!」

ゼブラ「何を道草食っている。起きろ」

男「んっ!おぉ、トンボ丸。起こしてくれたのか」

ゼブラ「誰がトンボ丸だ」

このヤンマデレは許せる

さすおに言いたかったな感
テンプレかと思ったら巨大虫に女子全員ヤンデレと意外に個性的な異世界だった

>>120
なるほど、ヤンデレで統一してきたのはそういうことか…

なんとなくスルーしてしまったが冷静に考えるとなぜ突然河川敷で寝ているんだ
仮面ライダークウガのEDかなんかか

今日は風が騒がしいな…


ゼブラ「何でこんな所で寝てたんだ」

男「んーここ、故郷の景色に似ててな。子供の頃草の匂いやら太陽が気持ちよくて、寝てたの思い出して寝てた……ってバカみたいだな確かに」

ゼブラ「……ぜったい…」

男「ん?」

ゼブラ「絶対送り返してやるからな」

男「ありがとな」




その上空

下っ端「お嬢の婚約者め、他の女とこんな所でイチャイチャと…」

下っ端「どうしますか!?」

女の子「久しぶりに見に来たらこの始末……」

女の子「捕獲よ」




ブーン

男「ん」

女の子「男様ぁあぁああぁあ!!!!」

男「げっ」

ゼブラ「逃げるぞ!」

女の子「その女は誰ですぅぅううううぅぅ!?」

男「結局こうなるのかよ!」


西の王国領 西門

男「はー、はー、びっくりした」

ゼブラ「あの女……なんてしつこさだ」

男「ここの女の子は虫のお前除いてみんな重いぞどーいうこった」

ゼブラ「お前の世界の話は知らんが、自然界の多くの種でもオスの数がメスより少し少なめなんだ」

ゼブラ「オスは繁殖を多くのメスと出来るという利点があるからな」

ゼブラ「だがメスは自分以外の遺伝子が遺るのは気に食わない。だから独占欲が強い個体が多くなった」

男「ほー」

男「だがその理論だとお前も…」

ゼブラ「」ギクッ

男「お前は例外かな。すぐ噛むし、すぐ泣くし」

ゼブラ「……」ガブー

男「語弊あった」ドクドク

むしろこの位の生態系のが自然よね
俺たちの世界の方がおかしいんだ()

ヤンマが美少女になってガッカリ

砂漠エリアではラクダの代わりにデカいダンゴムシに乗ってそうな世界観


>>129
展開読まれました

西の王国領 大砂漠

男「砂漠超えだな」

ゼブラ「憂鬱だ」

男「ほれ、マント、砂漠眼鏡、帽子エトセトラ」

ゼブラ「用意がいいな」

男「乗り虫も手配しておいた」

ゼブラ「チッそうか」

男「舌打ち!?」




サハラ「どうもー!この度は砂漠ツアーズのご利用ありがとうございますぅ!専属乗用虫のサバクトビバッタのサハラです!」

カラハリ「同じく、カラハリです…」

男「よろしく頼む」

男「ゼブラみたいに意思疎通できる虫は珍しいな」

サハラ「頑張りました!」

カラハリ「うん…」

男「頑張りでなんとかなんだ」

ゼブラ「チッよろしく頼む」

サハラ「舌打ち!?」


男「じゃあそろそろ出発しよう」

サハラ「私とカラハリどっちがいい?」

男「どっちでもいい」

カラハリ「どっちでもいいが、1番こまる…」

男「じゃあサハラ」

ゼブラ「チッ」

男「じゃあカラハリ」

ゼブラ「チッ」

男「どっちもダメなのかよ!」





カラハリ「じゃあ、お兄さんはぼくでいい?」

男「うん」

ゼブラ「……」ツーン

サハラ「なんか喋ってぇ…」


空「乾燥がすごい」

男「ふおお!」

カラハリ「いい景色、でしょ?」

男「見渡す限りの岩と砂がこれほど圧巻だとは」

カラハリ「ふふっ」ドヤ




ゼブラ「……」

サハラ「あ、あれね、ここだけに生えてる草でぇ…」

ゼブラ「……そうか」

サハラ「(つ、辛いよぉ)」

サハラ「(カラハリ達は楽しそー。後で変わってもらおーかな)」

ゼブラ「……」ギリギリギリギリ

虫がみんな可愛い
ゼブラさんもたぶん虫形態のほうが可愛い

虫状態でも人間状態でも可愛いゼブラ。さすおに
が、徐々に病み出している件


西の王国領 大砂漠 オアシスの町

カラハリ「ここで、少し、休みます」

男「そうか」

サハラ「トイレとか諸々済ませてね!お土産も買えるよ」

ゼブラ「そうか」

サハラ「うぅ…」

男「こら、困らせちゃダメだろ」

ゼブラ「ぬ、すまん」

サハラ「!お兄さん、次は私に乗ってみませんか!?」

男「別にいいけど」

サハラ「やったぁ!」

カラハリ「……」

ゼブラ「チッ」

男「舌打ちやめい」

砂漠のトイレってーとサンドウォッシュでオーマイガー的な


西の王国領 大砂漠

サハラ「あっ!あの岩はね、大っきいからね、昔から神様の椅子なんて言われてたんだよぉ!」

男「ふむふむ」

サハラ「お兄さんなーんか独特だよね!」

男「そう?」

サハラ「うん!なんか変!」

男「普通に傷つく」





カラハリ「あれね、顔みたいな形した岩なの」

ゼブラ「面白いな」

カラハリ「うん、ぼくあそこでよく遊んでた」

ゼブラ「い、岩の近くで?」

バッタたちがかわいい(映像があるとアレかもしれんけど)
なんでゼブラは岩の近くで遊んでるのにおどろいてるんだろう


>>138 トンボのゼブラ的に岩の近くで遊んで何が楽しいんだ的な…

男「ゼブラもようやく打ち解けたみたいだ」

サハラ「お兄さん愛されてるのねー」

男「そうなんかねぇ」

サハラ「そうだよ、私わかるよ!」

男「嬉しいけどなんか複雑……」

サハラ「どしてー?」

男「男にゃいろいろあんのよ」

サハラ「よくわかんないなぁ」

男「そんなもんそんなもん」


西の王国領 大砂漠 捨てられた町

サハラ「はい、今日はここまで!」

男「お疲れさま」

ゼブラ「まだ夕方だぞ?」

カラハリ「砂漠の夜、とんでもなく、冷えるの。やばい」

サハラ「そういうこと!今夜はこの捨てられた町に泊まりまーす!」

男「捨てられた町とかこの世のものではないやつとかいそうで怖いんですけど」

サハラ「まぁちょーっと住みにくい所だからね!砂嵐に埋もれちゃったの!」

男「ベクトルの違う恐怖だった」


サハラ「じゃあ明日も一日飛ぶから、しっかり寝てね!」

カラハリ「居眠りすると、落っこちる、かも」

サハラ「わくわくして夜更かしとかダメだからね!」

男「あいよ」←別室

ゼブラ「わかった」





サハラ「ねぇねぇ、寝た?」

カラハリ「ゼブラの、好きな人、誰?」

ゼブラ「貴様らが1番わくわくしてるじゃん」

まさか虫に萌える日がくるとは思わなんだ

修学旅行生か!

>>139
なるほど昆虫性の違いだったのか…

好きな人誰って選択肢が少なすぎる!


サハラ「あのお兄さんでしょ!」

カラハリ「どんな、関係?」

ゼブラ「ただの主人だ」

サハラ「結婚してたの!?」

ゼブラ「あ、いやそういうわけではなくて、なんと言えばいいか…」

ゼブラ「そう、相棒だ、相棒!」

カラハリ「かっこいい…」

サハラ「よくわかんなーい。恋人ってこと?」

ゼブラ「ぬぁっ!?そんなわけないだろう!」

サハラ「そうなんだぁー」

サハラ「じゃあ私が」

ゼブラ「……」ギロッ

サハラ「なんでもないです!!」

カラハリ「大切な人、ってこと?」

ゼブラ「うっ、ま、まぁそうなるな///」

サハラ「変な人好きなんだねー」

ゼブラ「あれでいいところもあるんだぞ。バカマヌケだけどな」

カラハリ「のろけ…」

ゼブラ「う、うぅ…」


ガサッ

サハラ「なんのお……と……」

カラハリ「あ…」

サソリ(10m級)「……」ジローッ…

ゼブラ「な、何だこの生き物は!?」

サハラ「イエローファットテイルスコーピオンっていうサソリだよ…とびっきり凶暴なね!」

カラハリ「逃げて…!」

ゼブラ「置いてけるか!」

サハラ「あなたを守るのも私たちの仕事だから!バッタの脚力嘗めないで!早く行って!」

カラハリ「あなたはこいつの恐ろしさを知らない…!早く…!」

ゼブラ「くっ…すまん!」ダッ

サソリ「!」カサカサカサカサ

サハラ「えいっ!」シュッ

サソリ「っ!」

カラハリ「早く、立ち去っ…て …!」ドカッ

サソリ「……!」シャッ

サハラ「カラハリ!」

カラハリ「大丈夫…羽、ちょこっと切られただけ…」


サハラ「えいっ!えいっ!」ゲシッ

サソリ「……!」サッ

カラハリ「…サハラ!」

サハラ「このっ!離して!離せ!」ジタバタ

サソリ「……」スーッ

サハラ「!や、やめて!嫌、嫌!刺さないでぇ!」

カラハリ「サハラァ!」







男「はいそこまで」ガシッ

サソリ「!?!?」

サハラ「お兄さん!」

カラハリ「毒針を……掴んで……」

サハラ「だめだよ!危ないよ!」

男「サソリの棘は刺すためだけに付いてるから力はそんなに強くない!はず!」

カラハリ「なに、その謎理論」

男「気にする……な!」ブチッ

サソリ「!!!!」

サハラ「毒針の付いてる節を千切った!?」

サハラ「わぁ!」ドサッ

サソリ「……!!!!」カサカサカサカサカサカサカサカサ

男「あぁーそりゃこっち来ますよねぇ針ダメにしたの俺ですからねぇ」

カラハリ「その余裕…何か作戦が!?」

男「ふふ」

男「にげぇる!」

カラハリ「ええー」

サソリ「!!!!」カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

サハラ「サソリも追いかけてっちゃった…大丈夫かな…」


ゼブラ「大丈夫か」

サハラ「あっゼブラ!」

カラハリ「お兄さん呼んできてくれたんだね…」

ゼブラ「うむ」

サハラ「あっ!それよりお兄さんは…」

ゼブラ「大丈夫。やつは運も頭も良い男だ」





男「うおおおお来るなあああ!!」

サソリ「……」カサカサカサカサ

男「廃屋に追い詰められたか…」

サソリ「……」ノッシノッシ

男「もうおしまいか……」

男「!これは…」

男「ボカっとな」バキッ

サソリ「!?」ガラガラガラガラ!

サソリ「」キュー…

男「屋根がボロボロで壊れやすくてよかった」

男「戻ろ」


男「よう」

ゼブラ「生きてたか」

サハラ「お兄さあああああああああん!!」ダー

カラハリ「うぅ…ありがとぉ…」シクシク

ゼブラ「うおっ急に」

男「怖かったなーよしよし」

サハラ「ありがとおおおおお!!」ダー

カラハリ「ぼくたち、なんにもできなかった…」ウルウル

男「気にすんな」

サハラ「お兄さんがサバクトビバッタだったらやばかった…惚れてた」

カラハリ「うん…」

男「何その仮定」

ゼブラ「……」ジトーッ

普通に会話してるからアレだけどいま二匹のバッタにぐいぐいこられてんだよな
想像するとこわい

かわええやん

サソリ(ただの雄の人間がアタイを倒すなんてね…中々やるじゃないか///)

>>152
針を折った責任取ってもらうんだからね!
ということですかわかりますん


男「じゃあ今日も頼む」

ゼブラ「羽は大丈夫か?」

カラハリ「全然、いたくない」

サハラ「では、出発!」




男「岩が多くなってきた」

カラハリ「もうすぐ、渓谷地帯、だよ」

ゼブラ「……いよいよか」

サハラ「?嬉しくないの?パワスポだよパワスポ!」

ゼブラ「っ……そうだな」


サハラ「あ!やばっ!10時に砂嵐!」

カラハリ「ホントだ…」

男「砂嵐ってやばいんじゃあ」

サハラ「早く降りて防砂テント建てよ!」




ゼブラ「まさかここで足止めとは」

サハラ「収まるまで待つしかないね」

カラハリ「しりとり、しよ」

男「しりとり」





サハラ「ズーマー」

カラハリ「マーズ」

男「ずっずっ…?図!」

ゼブラ「髄」

サハラ「胃」

カラハリ「伊豆」

男「ず、ずーずーずー……ズッキーニ!」

ゼブラ「ニーズ」

サハラ「寸胴」

カラハリ「渦」

男「待てえええ『ず』多すぎだろ!」


男「あとカラハリはなんで伊豆知ってんの」

カラハリ「昨日、寝言、してたから」

男『い、伊豆、熱川バナナワニ園、修善寺、……ムニャムニャ』

男「なんで伊豆の名所の夢見てんだ昨夜の俺よ」

カラハリ「伊豆って、何?」

男「伊豆は伊豆だよ」

サハラ「でも伊豆ってなんか不思議な響き…伊豆伊豆ー伊豆」

ゼブラ「確かになんかいいものだな、伊豆か……どんなものなんだ…伊豆、伊豆」

男「伊豆に着目しすぎだろ」

>サハラ「お兄さんがサバクトビバッタだったらやばかった…惚れてた」
>カラハリ「うん…」

???「そこでだ。サバクトビバッタになれる妙薬を(ry


男「ちょっと田んぼの様子見てくる」

ゼブラ「田んぼ?この辺にはないぞ?」

男「外行ってくるって意味だ」

サハラ「もう少しで来ちゃうよ砂嵐」

男「おう」





男「んあーいい天気だ」ジョボボボボボ

???「ごきげんよう」

男「あ、どうも…」ボボボボボボボ

男・???「(気まずい)」ボボボボボッボッ…

男「あ、じゃ、じゃあ俺はこれで」ジー…カチャカチャ

???「ちょっと待って」

男「な、なんですか。これ以上何の恥を求めるんですか」

???「君、この先には行かない方がいいと思うよ」

男「…どういうことです」

???「言葉通りさ。君はここでオニヤンマくんたちと戯れている方が幸せだろう」

男「わけわからないですね」

???「とぼけたって無駄さ。僕は君がこの世界の住人ではないってこと、知ってるよ」

男「……アンタ俺の追っかけファンか何か?」

???「ふふっ、まあそんなとこ」

男「男に付け回される趣味はないね」

???「警告はしたからね」

???「じゃあ」ザッ

男「何だ今の人」


男「ただいマッチョ」

ゼブラ「うるさい中肉中背」

男「ぬう」

サハラ「何してたの?」

男「花摘んでた」

カラハリ「花?生えてた?」

男「生やす手伝いしてきた」

ゼブラ「わけがわからんぞ」






ゴォオォオオオオォォ…

男「ゴイスー」

サハラ「こればっかりはね」

カラハリ「どうしようも、ない」

ゼブラ「砂こわい」ガクガク

世界を股にかけたストーカーとは

警告したい危機の内容に何も触れず警告はしたからと去って行く奴なんなの!?


1時間「経過した」

男「…ん、収まったか」

サハラ「テント片付けて再出発!」

カラハリ「おー」

ゼブラ「スー…スピー…」zzz

男「わっ!」

ゼブラ「わびゃっ!?」ガブウッ

男「痛でででででででで」ブシュー






西の王国領 渓谷地帯

カラハリ「着いた…」

男「ご苦労様」

サハラ「疲れた疲れた」

ゼブラ「感謝する」

サハラ「私たちの案内はここまで!あとは帰りだけだから、また3日後ね!」

カラハリ「少しの間、ばいばい…」

男「おう、またな」

ゼブラ「また……な」

>>161
こういうキャラを伝える能力の無い無能と煽ってみたい


ゼブラ「で、渓谷地帯の神隠しはいつどこであるんだ」

男「わかんね」

ゼブラ「まぁ神隠しなんぞ予測も何も無いよな…」

ゼブラ「…ホントに帰ってしまうのか?」

男「…?あぁ」

男「もしかして寂しいのか?」

ゼブラ「……当たり前だ」

男「おっと…」

ゼブラ「オニヤンマをやめて、役立たずになった私を……捨てないでくれた……」

ゼブラ「育ててくれた、名前をつけてくれた、短い間だが、旅は楽しかった……」

ゼブラ「帰ってほしく、ない……もっと一緒に、いたい……」

ゼブラ「せめて、またここへ来てくれないか?」

男「……すまない、そんな無責任な約束は出来ない」

ゼブラ「ふ、ふふ、カッコつけて」

男「まだ帰る方法もわかってねぇんだ。ゆっくり行こうぜ」

ゼブラ「……私としたことが弱気になってしまったな……。よし、尻を蹴り飛ばしてでも帰らせてやる!」グシグシ

男「その意気だ」


男「とりあえず、辺りを回ってみるか。しっかし広いなここ。果てが見えねぇ」

ゼブラ「なぁ」

男「ん」

ゼブラ「あれ」

渓谷鉄道
雄大な渓谷を気ままな列車旅!
終点駅までおひとりさま1,500ラグナ!

男「おぉ…」

ゼブラ「今いくら持ってる」

男「70,000ラグナ」

ゼブラ「おぉ…乗るか?」

男「乗る」


駅員「2名様ですね」

駅員「列車は本駅をまもなく出発します」

ゼブラ「おお、なんてタイミングのよい」

男「ラッキーだな」





男「え?これが列車か?」

カブトムシ「……」フンス!

ゼブラ「お前が引くのか」

操虫士「やりますよ。こいつは。な?武蔵号」

武蔵号「……」フンス!

男「(遅そう)」

車掌「そろそろ出発しますので客車にどうぞ」

男「はい」


1号車

男「お客さん少ないな」

ゼブラ「こら、失礼だぞ」

車掌「この時期は砂嵐が多いのでどうしても閑散としちゃうんてすよねぇ…ハハ…」

車掌「おかげで給料もこの時期は少なめ……しょんぼりトホホ」

男「心中お察しします」







ガタン…ゴトン…

男「おっそ」

ゼブラ「風情あるだろ!風情!」

男「風情って何だ?」


西の王国領 川沿いの駅

車掌「列車は、虫の休憩のため1時間止まります」

操虫士「お疲れ、武蔵号」

武蔵号「……」ツカレタ…





男「よし、探索だ」

ゼブラ「わかった」





1時間後

車掌「まもなく出発です」

操虫士「いけるか?武蔵号」

武蔵号「……」フンス!フンス!

男「ちくしょう何も見つからなかった…雄大な景色に感動しただけの1時間だった…」

ゼブラ「あの大河と岩のコントラストがよかったな…」

男「次の駅こそは」

旅を堪能しておる

カブトムシとクワガタで料金の違いとかありそう
カナブンだったら列車よりも小型の乗り物を引いてたり

早く車両を引けそうな虫ってなんだろうなー?
走るのが速くてある程度の大きさがある虫といえば…ゴキブリとかかな…それはいやだな…

ムカデとか列車ぽくない?


ガタン…ゴトン…

男「スヤー…スヤー…」zzz

ゼブラ「スー…スー…」zzz





西の王国領 渓谷中央駅

武蔵号「……」フシュー

操虫士「お疲れ、エサだぞ」スッ

武蔵号「!!」

男「さあ、探索だ」

ゼブラ「何か見つかるといいんだがな」

男「ホントにそう思ってる~?」ニヤニヤ

ゼブラ「う、うるさい!」


西の王国領 渓谷地帯 中央街

ゼブラ「……何を探せばいいのか検討もつかないというのは精神的に参るな」

男「まぁな。だが幸いこの辺りは少し発展して人通りもある。聞き込み調査と洒落込むか」

ゼブラ「わかった」




男「おばちゃん、神隠しって知らない?」

おばちゃん「神隠しねぇ…人の住んでないとこで急に人が出たーなんて噂はたまに聞くよ」

男「それ神晒しだなぁ…」

男「で、それはどこで?」




ゼブラ「この辺りで神隠しの噂など聞いたことはないだろうか?」

飯屋のオヤジ「隠し、は知らねぇが、顕し、なら聞いたことあるぜ」

ゼブラ「顕し?」

飯屋のオヤジ「おう。急に人が岩場に顕れるんだ。ついこないだ見つかったヤツもいてよぉ、この町で厄介になってるぜ。場所はたしか…」






男「手がかりあったぞ!」

ゼブラ「こっちもだ」

男・ゼブラ「せーの」

男「波岩!」

ゼブラ「土産物屋」

男・ゼブラ「はぁ?」


男「カクカクシカジカ」

ゼブラ「うんぬんかんぬんあーだこーだ」

男「なるほどな。土産物屋に神顕しとやらで出た人間がいると。そっちのほうが近いから土産物屋から行こう」

ゼブラ「うむ」





西の王国領 渓谷地帯 中央街 土産物屋

土産物屋の婆「あぁ、波ちゃんなら上にいるよ」

男「呼んでいただけますか」

ゼブラ「お願いする」



土産物屋 2階

波「私にごよーですか?」

波「私は記憶が混濁しててね、岩場に倒れてた前のことはあんまり覚えちゃいないんだ」

男「負けないこと」

ゼブラ「!?」

波「投げ出さないこと」

ゼブラ「!?」

男「逃げ出さないこと」

波「信じ抜くこと」

男・波「ダメにな~りぃ~そうなぁ~とぉ~き それが~ 一番大事」

波「お兄さんもあっちの世界の人!?」

ゼブラ「確認方法よくわからんぞ」


波「アタシもはじめはお兄さんみたいに異世界から来たーなんて周りに言ってたけどさ、どうも口下手でなかなか信じてもらえなくて」

波「めんどくさくなっちゃって記憶混濁ってことにしちゃった。なはは」

波「んで、波岩っていう岩の近くで見つかったらしいから『波』って名乗ってんの。ホントの名前はもっとかわいーよ」

男「随分テキトーだな」

ゼブラ「お前以上かもな」

波「ひどいなぁ」

男「単刀直入に聞くが、元の世界に帰る方法…知らないか」

波「わかってりゃさっさと帰ってるよ」

ゼブラ「まあ普通そうなるよな」


男「今から波岩に調査に行くけど、アンタも来る?」

波「無駄だと思うけどねぇ…案内もいるだろうし、着いてくよ」

ゼブラ「……」





波岩

波「ここが波岩さ」

男「鬼の洗濯板みたいだな。あれは水に浸かってるけど」

波「あら、お兄さん宮崎なの」

男「いや東京だけど」

波「なぁーんだ」

男「波さんは宮崎?」

波「いやアタシ福岡だけどね」

男「宮崎関係ない」





ゼブラ「(私に分からない話を……)」ジトーッ



波「でもお兄さん気をつけなよ?この辺はとんでもない怪物が出るとかで街の人も近づきたがらないんだってさ」

男「先に言えよそれ」

ゼブラ「周りを警戒するに越したことはない」




ガッ




男「!?」

ゼブラ「何だ今のは?」

男「……波さんどこ行った」

ゼブラ「おい!あそこに!」

男「波さん!おい!しっかりしろ!」

波「……」

ゼブラ「ひどい怪我だ…気も失ってるようだ」

男「……」

ゼブラ「おい!空にいるあれは何だ……!?とてつもない大きさだぞ!」

男「……!どうやらそう簡単に帰してくれる気はないらしいな」

この異世界に来るやつ、みんなユニークやね

そういうやつを選んで転移させてるのかもしれない

確認方法ウケる

地味に男からは初だよな


男「(ありゃ多分タカとかワシとか、そういう類の鳥……猛禽類だな)」

男「(……そういえば鳥はこの世界で初めて見たな)」

ゼブラ「男!男!何だあの黒い生き物は!?」

男「何?お前見たことないのか?」

ゼブラ「あんな化物見たことも聞いたこともないぞ!」

男「(どういうことだ?この世界には鳥は存在しないのか?だとすると…)」

ゼブラ「来るぞ!」

男「うおっ!あっぶねぇ!バーカ!ホークスもイーグルスも負けろオラァー!」

ゼブラ「男!波を抱えたまま逃げるのはお前の貧弱な体力的に長くは出来ないぞ!」

男「なんでちょっとディスるんだ!確かにそうだよ!そこの岩穴に置いてくる!」

ゼブラ「それが得策だと思うぞ!」


男「あっこの穴結構広い。お前も来いよ!一旦隠れるぞ!」

ゼブラ「わかった!」





男「うっわー…ずっと飛んでやがる。どうにかしてあいつを撒かないと波さんが危ない」

ゼブラ「怪我も医者に診せないと私たちではどうにも…」

ゼブラ「男、あの巨大な生き物?は何だ」

男「あれは鳥っつって、虫やら小動物やらこの場合では俺たちみたいなのが大好物の生き物だ」

ゼブラ「お前の世界すごいな」

男「体長だと50mくらいあんじゃねぇか?」

ゼブラ「翼など100mをゆうに超えているぞすごいなお前の世界」

男「あんなウルトラ怪獣並のでかさじゃないけどな」


ゼブラ「で、どうする」

男「ちょっと作戦組んでみた」

ゼブラ「おお!」

男「まず俺が鳥の方へダッシュする」シュル

ゼブラ「ふむふむ」

男「そしてお前が波さんを連れて街へ戻る」シュルシュル

ゼブラ「ふむふむ」

男「以上だ」グッグッ

ゼブラ「バカだろお前」

ゼブラ「何!?手足が縛られてる!」

男「お前も大概だな」

男「じゃ、あとは任せた」

ゼブラ「待て、こんな最後認めないぞ!」

男「当て身」ドッ

ゼブラ「痛っ」

男「あ、気絶しなかった…まぁいいや。また会おうぜ」ザッ

ゼブラ「待て!男!男ォー!」



男「俺はここだあああああああああ!!!!」

鳥「!」バサーッ

男「来たな化け物サイズ。ウルトラマンの案件だろこれ」

男「速っ!」パッ

鳥「……」ガッ

男「(……鳥を見たこともないというゼブラの発言、あの鳥は俺の世界から連れてきたものを何らかの力で巨大化させたもの、そしてこの執念深さ、おそらく近くにその使役者…鷹匠みたいないて、命令しているはず)」

男「(それは異世界について嗅ぎ回るやつを排除するための存在……?それとも、ただの殺戮好きの変態……?)」

男「どちらにせよ、使役者を探してモードュラのぼうの一撃をお見舞いしないと気がすまん」


おじさん「あれ、何してんのキミ」

男「あっ?誰?」

鳥「!」バサッ

男「あ、やべっ」

おじさん「な、何だありゃあ!!」

男「あーおじさん思い出した。荒野の村にいた人ね」タタタ

おじさん「そうだよ!君に言われて気になって調べた後、特急でこの渓谷を調べに来たんだ!」タタタ

おじさん「てかあの鳥何!?」

男「オオタカかな…」

おじさん「種類聞いたわけじゃないよ!」

男「ところでおじさん」

おじさん「ん」

男「ごめん」バコッ

おじさん「ガッ……」バタッ

鳥「……?……?」キョロキョロ

男「やっぱりこいつが使役者か……急にこんなとこで出くわすとか怪しすぎるんだよな」

男「ほいさ」シバリシバリ


おじさん「ん………」

男「起きた?ほら、知ってることしゃべって」

おじさん「な、何のことだ」

男「とぼけると良くないよ」






おじさん「ふ…ぇっひっ……ひひっ………しゃべります……なんでも、しゃべります…………」ピクピク

男「おじさんをくすぐっても何も楽しくないぜ」

おじさん「俺は、雇われたんだ……この外国に連れてこられて、適当に話合わせて…荒野の街でキミをそれとなく見張れって……その後は…………その化け物みたいな鳥を操る方法を教わって、侵入者を殺せと命じられて……」

男「ここが、外国?嘘はないのか」

おじさん「そう聞いている……」

男「この巨大な虫たちや魚たちがいる外国……?」

おじさん「突然変異がなんだかんだって…」

男「突然変異、ねぇ」

男「(こいつの話は矛盾だらけだ。こういう末端には諸々隠されてたのかもしれないな)」


































男「ここにいる間の拠点とかないのか」

おじさん「そこの岩にカモフラージュされた入り口があって、中に研究所みたいな施設があるんだ…俺はそこで寝泊まりしている」

男「わかった。もう一回眠ってて」ドカァッ

おじさん「そんなっ!?…グフッ…………」





男「この岩か」

男「どうすれば開くのか聞いときゃよかったな…」

男「押してみるか」

男「あ、発泡スチロールみたいなのだった。軽っ」





西の王国領 渓谷地帯 地下研究所

???『あ~あ。来ちゃったんだね』

男「……館内放送?」

男「(侵入したことはバレバレってか)」

???『後悔するよって言ったよね?まだ引き返してもいいよ?』

男「それは出来ないな」

???『強情だね。じゃあ進むがいいさ』

男「言われなくてもそうすらぁ」


地下研究所 メインルーム前

男「ここか…?」

プシューッ

男「うおっ!?自動ドア何ヶ月ぶりだろ」

???「やぁ、ついにここまでたどり着いたね」

男「砂漠の時の……お前は一体何なんだ」

観測者「そうだなぁ、いろいろ肩書があって、定まってないけど強いて言えば『観測者』……かな」

男「何かっこつけてんだお前」

観測者「はは、ピリピリしてる?」

男「ここは何だ?元の世界はどうやったら帰れる?」

観測者「質問はひとつずつだろ?まあいい。ここまで来た根気を讃えて教えてあげよう」


観測者「ここは過去や未来でも異国でも異星でも、はたまた異世界でもない。紛れもなく西暦2017年の日本だよ」

男「……は?」

男「俺にも、わかるように言ってくれよ」

観測者「君だってなんとなく気づいていたんじゃないかい?」

観測者「ここは、いわゆる小人の世界なんだよ」

男「……!」

観測者「近年、地球の人口はますます増加。途上国の発展も手伝って、世界のエネルギー消費量は増す一方だ」

観測者「地球の資源の枯渇が何を招くか。それは世界恐慌なんか比にならない程の大混乱時代……」

観測者「僕たちはそれを避けるために、エネルギー消費量削減の研究をしていた」

観測者「『ドラえもん』、読んだことあるだろ?あれでミニハウスってあるじゃないか。のび太くんたちがミニチュアの家で夏を過ごす話。僕はアレをなんとか実用化出来ないかって考えたんだ」

観測者「もともとある程度確立されていたクローン技術の応用と、ネズミとかの遺伝子を組み換えて、ヒトに限りなく近い小動物が完成……」

観測者「で、ここから大事な話なんだけど、ヒトの記憶の移動。ヒトの『心』をデータ化するのは骨が折れたよ……『心』をその小動物に移し替え、記憶を継承した小人が出来上がるわけだね」

男「…………」

観測者「ここは様々な計測のために地球に似た空間を形成して、そこにヒトガタ小動物……長いね、『ひと』って言うよ?『ひと』や虫、魚なんかを住まわせて文明の発展やらを観察するための世界なのさ。僕自身もその中で生活しながら観測していた」


観測者「でも文明って他者との関係でも発展するものじゃない?そこで君だよ」

男「…………」

観測者「とりあえず現代日本国民から無作為抽出して、数名の記憶を持った『ひと』をこの世界に入れてみようという意見が出た。反対意見を唱えるものもいたが、『科学の発展に犠牲はつきものでーす』ってね」

観測者「あ、犠牲っていっても現実世界……というのがいいのかな?現実世界における君はなんとも変わってない。少しの間施設に連れ出していろいろもらった後はごく普通に生活を続けているよ」

男「………は、はは」

男「じゃあ俺は……何だ?」

男「男の記憶を持った…小動物ってことかい」

男「俺は俺であって俺じゃない…ははっ意味わかんねー」

観測者「だから言ったんだ。ここには来るなって」

観測者「オニヤンマちゃんも似た感じだよ?」

男「何!?」

観測者「僕たちでもオニヤンマをヒトに作り変えるなんて薬は出来ないからね。オニヤンマから記憶だけを抽出して、女の子の『ひと』に載せたんだ。人になれる薬なんてただの睡眠薬さ」

男「そ、そんな……」

観測者「記憶を無くした『本物』のオニヤンマはその辺を元気に飛んでるよ。さすがに記憶の共存はトンボでは難しかったね」

男「はっは、はは……はははははは!」

観測者「君、これからどうする?」

男「とりあえずお前殴って、ゼブラんとこ戻るわ」

観測者「ふふ、思ったより驚かないんだね。自暴自棄になっちゃった?」

男「ふざんけんな。お前がなんと言おうと、『本物』がいようと関係ない。俺は俺だ。それで十分だよ!」バコッ



西の王国領 渓谷地帯 波岩?中央街

男「よう」

ゼブラ「お、男!お前、帰れなかったのか!?見送り行くとこだったぞ!」

男「ちといろいろあってな」

ゼブラ「……教えてくれないか?」

男「ああ、疲れっから今度な」

ゼブラ「この野郎……」

男「あ、ゼブラ」

ゼブラ「何だ」

男「結婚とかしない?」

おわり


いくらなんでも行き当たりばったりすぎた。ひどい話になってすいませんでした!!

なんか惹かれる話だったな

後日談まだ?

唐突に終わっちゃったなー
まあこのSS的にはすっぱりした終わりが似合ってるかも?
とにかく面白かった。乙

・ここで終わっておいた方がキリがついていい
・ここからゼブラとの新婚旅行編スタートが読みたい
この矛盾した2つの思いをどうすればいいのか…



まさかのオチだった
こういう系の話は悲しいね

SFだったとは
しかし腰を据えて住むなら、まんざら悪い世界でもないな
虫かわいいし


プロジェクトが終了したらどうなるんだこれ

乙!
小人的なオチは途中で読めたが、まさのか展開だったわ

とにかく確認方法ウケた

>>202
脱走して地上に住めばいいんじゃない?
特定外来生物の駆除なんてそう出来るもんじゃないよ

俺達がハメを外しすぎて地上から消えた後に、かわいい虫達と仲良くできる小さな俺達がよろしくやってくれる
なかなかいい未来だな
面白かったよ

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