小町「ぬくもり」 (14)
俺ガイル 小町主体のお話
書き溜めしているので一気に投下 短い
地の文あり おかしなところ多々あるかも
深夜のノリと勢いで書いたのでクオリティはお察し
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時計の短針と長針が重なり日付が変わる。それを見て体をグーッと伸ばしてから背もたれにもたれ首をカクッと折り曲げて上を向く。
全身の力を抜き少しの間目をつむる。このままだと眠ってしまいそう。
新しい年を迎えて早数日。冬休みはもうすぐ終わろうとしていた。
「んぁー……」
初詣の事を思い出す。雪乃さんも結衣さんもいい人で面白かったなー。お兄ちゃんも楽しそうだったし。
出来ることなら総武高で会いたいがそのための勉強にも身があまり入らない。
冬休みに入ってから夜遅くまで起きて勉強する時間が増えたため、睡眠時間が減ってしまった。
睡眠不足はお肌の敵と言うがそんなもの気にしている場合ではない。
今の成績では合格するかどうか怪しいのでここからのスパートが明暗を分けるのだろう。それは頭の中で分かっていてもモチベーションは上がる気配すらない。
少し休憩でもするかとリビングに行くことにした。椅子から立ち上がりもう一度大きく伸びをする。
運動不足のせいか体からポキポキという音が鳴る。おっさんみたい…。重い足をゆっくり踏み出し部屋を出た。
寒い階段を下り進めると明かりが漏れていた。両親は帰っていないのでお兄ちゃんがまだ起きているのだろう。
扉を開けるとソファに座りテレビを見ているお兄ちゃんが視界に入った。
「お、小町。まだ起きてたのか」
「んー。勉強してた」
「そうか、お疲れ。ココアでも飲むか?」
「お願いー」
そういうとお兄ちゃんはキッチンへ行ってココアと自分用のであろうコーヒーを作り始めた。いつもしてもらっていることが何故かとても嬉しかった。
クッションに勢いよく顔をうずめソファに寝転ぶ。
最近お兄ちゃんは小町を気遣ってかあまり関わってこない。気持ちは嬉しいんだけど小町的にはポイント低いんだよね。
自分ではあまりわからなかったが体力的、特に精神的に疲れているようだ。だからこそ誰かに無性に甘えたかった。
お父さんは論外だし、お母さんは仕事で忙しい。というか昔から両親に甘えた記憶がほとんどない。でもそれは小町たちのために仕事をしてくれているから全然気にしていない。いつも感謝しています。
頭をぽんぽん叩かれた。ゆっくり振り返ると片手にカップを持ったお兄ちゃんがいた。
「ほい、できたぞ。机に置いとくからな」
「ん、ありがと」
お兄ちゃんが持ってきたココアを少し飲む。甘い味と香りが口内に広がり「ふぅ」と息を吐く。
猫舌の私を気遣ってぬるめに作ってくれたようだ。やばいにやける。
「……何にやけてんの」
「な、何でもない」
にやけてしまいました。こんなの小町のキャラじゃないのに…。
半分ほど飲みほしたところで10分ちょっとが過ぎた。
……だって全部飲んだらまた勉強に戻らないといけないんだもん。何だかそんな気分ではない。受験生にあるまじきことだが質の悪い勉強は逆効果だと小町おもう!
心の中でそんな言い訳をしつつ俯いたまま残りをのみ進める。
「……なぁ小町」
突然お兄ちゃんが口を開く。返事はせず目線だけを移動させる。
でもお兄ちゃんがこっちを見ることはなく続ける。
「何かアイス食べたくなったんだけど……、一緒にコンビに行かねえか?」
確かにアイスは夏より冬に食べたくなるよね。……じゃなくて。
いつもなら何か欲しいものを聞いて1人で行くのにね、お兄ちゃん。
ありがとう
「……行く。お兄ちゃんの奢りね!」
「任せろ、ほら用意して来い」
「了解しました!」
そう言って階段を上る。
さっきまでの寒さは赤くなった頬にかき消されてしまい気にならなかった。
店員のやる気のない挨拶が後ろから聞こえる。自動ドアを抜けると気温が一気に下がり吐く息が白くなった。
お兄ちゃんが荷物を持ってくれているので、逆の手にしがみつく。
「うりゃ!!」
「うお!危ないだろ小町、落としたらどうすんだよ」
「その時はもっかい買ってもらう!」
「いや買わないからね?」
そういうとお兄ちゃんが頭を優しく撫でてきた。でも手袋越しなので少し不満。
「ねぇ。手袋取って撫でて?」
「……今日だけだぞ」
いつもは1回は渋るのに。まぁ渋っても意味はないんですけどね。
お兄ちゃんの手を頬に持ってきてこすり付ける。冷たい手なはずなのに暖かく感じた。
「…もういいか?恥ずかしんだが」
「しかたないな~…。じゃあ」
小町も手袋を取って素手で手を繋ぐ。笑いかけるとお兄ちゃんは目を逸らしていた。照れ屋さんなんだから!
家にもうすぐ着くというところでおもむろにお兄ちゃんが口を開く。
「……なぁ、小町」
「なぁに?」
「大丈夫か?」
その一言ですべてを察した。お兄ちゃんが誘ってくれた理由も。いつもよりちょっぴり優しかったのも。
ちゃんと小町を見てくれて、心配してくれて、気遣ってくれた上での行動だってこと。
「頑張れなんて言わない。……でも無理はすrってうお!」
言葉の途中でお兄ちゃんに正面から抱きつく。お兄ちゃんは初めは慌てていたけど少ししたら左手を背中に回して頭を撫でてくれた。
真冬の深夜。寒いはずの路上の上で感じるのはお兄ちゃんの"ぬくもり"だけだった。
「…………よし!もう"大丈夫"だよ!お兄ちゃん」
「…そうか。それなら良かった」
お兄ちゃんから離れ、また手を繋ぎ歩き出す。家はもう目と鼻の先だ。
家に帰ったらアイスを食べて、少し上がった体温を下げることにしよう。
了
読み返したら酷い…。お目汚し失礼しました
ん?待ってるから続けて
続きは…?
なかなかのボリューム
これはいい
おつ
この雰囲気すごい好き
意外とこういうの好きだわ
おつん
このSSまとめへのコメント
すごく暖かい気持ちになりました。よんでよかったです!
あぁ、、、いい、、、、
いいね!(゚Д゚)b