いまいちサンシャインの時系列を把握していませんが、とりあえず映画後の時間でお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464009453
ことり「実は道に迷ってしまって、道を教えてほしいんです」
梨子「あ、はい。私でよければ……って、私もあまり地理に詳しくはないんですが。どちらに向かっていたんですか?」
ことり「この近くにあるはずの旅館なんですけど……」
梨子「旅館?もしかして……千歌ちゃんのとこかな……?だったら、多分私わかります」
ことり「本当!?」パアァ
梨子「は、はい。えっと、この道をまっすぐ行って、ええと……あ、駄菓子屋さんのある曲がり角を右に曲がって……何かあったっけ…………ポスト……そう!ポストのある角を次は左に……」
ことり「???」
梨子「……ゴメンなさい。あまりにも目印になるようなものが無くて……上手く伝えられなくて……」
ことり「う、ううん!こっちこそゴメンね……」
梨子「すみません、もしよければ案内します」
ことり「ええ!?でも、悪いよ!」アセアセ
梨子「いえ、いいんです。特に急ぐ用事も無いので。さ、行きましょう」
ことり「あ、ありがとう」
スタスタ……
ことり「キレイな街だね~♪静かで海の匂いがして♪私の地元じゃ、海ってそんなに身近でも無かったから新鮮だなぁ♪」
梨子「クスッ……何も無いだけのような気もしますけどね。お姉さん、どこからいらしたんですか?」
ことり「東京だよ♪」
梨子「東京……どうりでオシャレな格好してると思いました。そのサングラスなんか特に。観光でこの街に?」
ことり「うんっ♪今ね、私……旅をしているの♪」
梨子「旅……ですか?」
ことり「そう!私、服飾デザイナーを目指しててね。色んなお洋服を作るのが好きで、色んな場所を回ってアイデアを練ってるの♪これでも、高校のときは海外留学のオファーももらったんだよ♪」
梨子「海外から!?すごい!!」
ことり「エヘヘ~♪それほどでも♪まあ、断っちゃったんだけどね」アハハ
梨子「えっ?なんでですか?服飾デザイナーを目指してるんですよね?せっかくのチャンスだったんじゃ……」
ことり「そうだね。でも、それ以上に……やりたいことがあったから」
梨子「やりたいこと……?」
ことり「そう♪」
梨子「それって……」
???「おーいっ!!!梨子ちゃーんっ!!!」
梨子「!?」
ことり「船?」
梨子「あの船……曜ちゃん……」
曜「どーこ行ーくのー!!!?」
梨子「千歌ちゃんのとこー!!!」
曜「私もあとで行くー!!!」
梨子「うん!!またあとでー!!!」
曜「ヨーソロー!!!」
梨子「ヨーソロー!!!」
ことり「ヨーソロー?」
梨子「あ、すみません……友達なんです……」
ことり「元気いっぱいだねぇ♪若いっていいなぁ♪」
梨子「お姉さんもそんなに変わらないですよね?多分……。お姉さん、いくつなんですか?」
ことり「ヒ・ミ・ツ♪ねっ?」
梨子「///」
梨子(キレイな人だなぁ……///)
ことり「フフ♪あ、なんの話してたっけ?」
梨子「あー……いえ、なんでもないです」
ことり「ところで、梨子ちゃん……っていうの?名前。ほら、さっきの子が呼んでたから」
梨子「はい。そういえば、自己紹介もしてませんでしたね。私、桜内梨子です」
ことり「南ことりです♪よろしくね、梨子ちゃん♪」
梨子(南ことり……?)
ことり「ねえねえ、少し聞きたかったんだけど、いい?」
梨子「はい?なんですか?」
ことり「梨子ちゃんって、地元の子?」
梨子「え?」
ことり「えっとね、なんだか話し方が地元っぽくないかな……って。方言っていうか、イントネーションっていうか。なんとなくなんだけどね?」
梨子(おっとりしてそうなのに、結構人を見てるんだなぁ)
梨子「はい。私もお姉さんと」
ことり「ことりでいいよ♪ことりって呼んで♪」
梨子「っ///は、はい……えっと、私もことりさんと一緒で出身は東京なんです。東京の秋葉原から、こっちに転校してきて――――」
ことり「秋葉原!?ホントに!?ホントに秋葉原!?ことりも秋葉原で育ったんだよ!?」
梨子「そうなんですか!?すごい偶然……」
ことり「もしかしたら、どこかで会ってるかもしれないね♪お久しぶり♪」
梨子「なんでですか……」
>>1
消えろクズ
>>6
お前がな。
あくしろよ
期待
何年後かの設定かな
時系列不明な今だからこそよね
ことり「梨子ちゃんはいつ頃こっちに?」
梨子「つい最近です。お父さんの転勤で」
ことり「やっぱり、東京を離れるのは寂しかった?」
梨子「……どうでしょう……。自分で言うのもなんなんですが、これと言って思い出は無いんですよ。あまり友達もいませんでしたから。自分から何かするっていう性格でもありませんし。やりたいことも無くて、ただ流されてこっちに来たようなものですから」
ことり「そ、そうなんだ……」
梨子「おねえさ……えっと、ことりさんはどうなんですか?」
ことり「ことり?」
梨子「ずっと住んでた街なんですよね?そこを離れて、今旅をしているんでしょう?」
ことり「うん」
梨子「私と違って美人だし、社交性もありそうだし、きっと友達もたくさんいたんでしょう?そんな街を離れるとき、寂しいとは思わなかったんですか?」
ことり「思ったよー♪」
梨子「軽っ!」
ことり「私の大好きな街だもん。たくさん泣いたよ♪目を腫らして、喉もガサガサにしちゃって♪」
梨子「ずいぶん明るく話すんですね……」
ことり「うん♪私があの街を離れても、私の思い出が無くなるわけじゃないから♪それにね……」
梨子「それに?」
ことり「友達が私を応援してくれたから」
梨子「友達……」
ことり「そう♪同じ時間を過ごして、同じ場所を夢見て、一緒に励んだ最高の友達♪みんながことりの夢を応援してくれてるから、ことりは頑張れるの♪」
梨子「……なんだか、羨ましいです」
ことり「え?」
梨子「私には、そんなに夢中になれるものがありませんから。絵を描くのは好きです。ピアノを弾くのも好きです。手芸をするのも、料理を作るのも好きです。でもそれは、夢中になれるものではないんですよね」
ことり「……ことりが偉そうなことは言えないけど、どれだけ楽しいことや好きなことでも、一人じゃ夢中にはなれないんだよ」
梨子「一人じゃ……夢中にはなれない……」
ことり「ことりもね、一人で何かをするような活発な性格じゃないよ。昔、自分には何も無いって思ったこともある。でもそれは、自分で自分は見えないからなんだって、今になって思うよ。友達がいて、友達と一緒だったから、夢に夢中になれたんだよ」
梨子「夢……さっき言ってた……やりたいこと……ですか?ことりさんをそこまで変えたものって……いったい何ですか?」
ことり「スクールアイドル♪」
続きがない
おかしいですね
梨子「!!」
――――――――
梨子ちゃん!私と一緒にスクールアイドルやろうよ!!
――――――――
梨子「スクール……アイドル……」
ことり「そうっ♪一人一人がお星さまみたいにキラキラして、それぞれのステージを彩る最高の瞬間♪自分と、仲間と、応援してるくれるみんなで一緒に叶える物語♪ことりが夢中になったのは、そんなステキなものだよ♪」
梨子「……………………」
ことり「ことり一人じゃ、多分……ううん、絶対スクールアイドルなんて無理だったし、なろうなんて考えなかった。でもね、ことりの大切なお友達が誘ってくれて、ことりもその子のことを支えてあげたくて。気が付いたら、ことり自身が楽しんじゃってた♪」
梨子「……どんな方なんですか?そのお友達って」
ことり「一緒にスクールアイドルを始めて、慣れない歌とダンスを練習して、厳しいトレーニングをして、仲間が増えて喜んで、合宿してはしゃいだり、頑張りすぎてムチャして倒れて、ちょっとのすれ違いで解散しかけて……ことりの留学を引き留めてくれた……まるで太陽みたいな、ことりのだーい好きな幼なじみです♪」
梨子「太陽……ですか?」
ことり「うんっ!」
梨子「なんだか、いいですね……そういう友達がいるって……」
ことり「梨子ちゃんにも、きっと見つかるよ。かけがえのない、大切なお友達が」
梨子「そう……ですかね……」
ことり「そうだよ♪ほら、さっきの子は?お船に乗ってた」
梨子「曜ちゃんですか?曜ちゃんはクラスメイトで……仲良くしてくれますけど……かけがえないかって言われると……曜ちゃんも私のことどう思ってるかわからないし……その……」
ことり「……」クスッ
梨子「な、なんで笑うんですか!?」
ことり「ゴメンね♪あんまり可愛かったから♪」
梨子「ええ!?///」
ことり「そうやって考えられるのは、梨子ちゃんが優しいからだよ。損得で人との付き合いを考えるのは、本当の友達じゃない。自分の心に正直で、相手のことを考えられるのが、一番ステキなことだと思うよ♪」
ことり「そういう意味だと、梨子ちゃんはスクールアイドルに向いてるかも♪」
梨子「私が!?なんでですか!!」
ことり「んーっとね、梨子ちゃんはスクールアイドルってどんな人が向いてると思う?」
梨子「え?……それは……可愛くて、みんなを惹き付けるような歌やダンスが出来る人じゃ……」
ことり「ううん。それはね、自分の心を……思いを、名前も知らないどこかの誰かに一生懸命伝えようって思える人だよ」
梨子「名前も知らない……どこかの……誰か……」
ことり「歌もダンスも、思いを伝えるために練習するの。最初から上手な人なんてそうはいないよ。……あ、でも絵里ちゃんみたいに子どものときからバレエをやってる子もいるかな」
梨子「?」
ことり「あ、ううん。なんでもないのよなんでも♪それはさておき、梨子ちゃんもスクールアイドルやってみたら?♪」
梨子「無理無理無理無理!!絶対に無理です!!」ブンブンッ
ことり「えー?歌やダンスなら、ことりが少しくらいなら教えてあげられるよ?♪」
梨子「だ、だって!私……地味だし、可愛くないし……これといって得意なことも無いし……そんな私がスクールアイドルなんて……」
ことり「梨子ちゃんは可愛いよ~♪」モッギュー
梨子「ふえぇぇぇ!?!?///」
ことり「自信はね、後からついてくるよ♪ことりの知ってる子も、アイドルが大好きでアイドルに憧れてた。けど、自分に自信が無かったの。そんなとき、その子の友達がそっと背中を押してくれた。始まりは何だっていいんだよ。きっかけを作るのは、ほんのちょっとの勇気だから」
――――――――
ねーねー!!梨子ちゃんてばー!!
――――――――
梨子「勇気……」
ギュッ
梨子「…………無理ですよ、私には」
ことり「?」
梨子「ことりさんも……東京でスクールアイドルやってたなら、知ってますよね……?μ's……って、スクールアイドル」
ことり「……うん、知ってるよ♪」
梨子「私、東京にいたとき……μ'sと同じ、音ノ木坂学院に通ってたんです」
ことり「そうなの!!!?」
梨子「ッ!?」ビクッ
ことり「あ、ゴ……ゴメン……!」
梨子「?」
ことり「そっか……音ノ木に……」
梨子「あの人たちのライブ……何度も見ました……。ネットでも、生のライブも。すごく……感動しました。私とそんなに年も離れていないのに、キラキラ輝いて……。μ'sに憧れたのと同時に、私には無理だな……って、思っちゃったんです。私には絶対、あんなに輝けないなぁって……そう思っちゃったんです」
ことり「そんなこと……」
梨子「ごめんなさい……ことりさんが勧めてくれたのは嬉しいです。でも、私には……」
ことり「梨子ちゃん……」
梨子「……あ、見えてきましたよ。あそこが、この街の旅館です」
μ's知っててことりを知らんとは
俺達もAKB48やらももいろクローバーZの名前は知ってるけど、細かいメンバーの名前までちゃんと知らなかったりするだろ。
>>19
説得力ありすぎて草
元音ノ木生が憧れてるμ'sとおっさんにとってあんまり興味ないAKBはまるで違うがそういう風に解釈しとくか
ゴミスレか
続きはよ
はよ
梨子「あ」
千歌「ん?あーっ!梨子ちゃんだー!!」
梨子「こんにちは―――っきゃあ!!」
モッギュー!
千歌「なになに?急にうちに来てくれるなんて!ついに決心してくれた!?ようこそ、歓迎するよ~!!」
ことり「決心?」
梨子「ちがっ!そうじゃなくて!あぁもう、人前で抱きつかないでよ~///」
ことり「クスクス♪仲がいいんだね♪お友だち?」
千歌「ん?そちらの人は?」
梨子「そちらの人はって……千歌ちゃんのところのお客さんだよ」
千歌「お客さん?」
ことり「こんにちは♪」
千歌「こ、こんにちはっ!」
梨子「私はここまでの案内を申し出ただけ。千歌ちゃんに会いに来たわけじゃないの。ましてや………………ドルなんて……」
ことり「?」
千歌「つれないなぁ~。ま、いっか。いらっしゃいませ、お客さま!心行くまで、当旅館をご堪能くださいませっ!!当旅館の看板娘!未来のスクールアイドル!私、高海千歌と申しますっ!!」
きたか
>>25
消えろ
ことり「スクールアイドル……」
千歌「はいっ!夢はラブライブの大きなステージに立って、一番になること!!――――って、まだメンバーも集まってないし、歌もダンスもまだまだなんですけどね……エヘヘ」テレテレ
ことり「……………………」チラッ
梨子「?」
ことり「……………………」チラッ
千歌「ほえ?」
ことり「……………………そっか♪」
ことり「頑張ってね♪千歌ちゃん♪」
千歌「はいっ!それじゃ、お部屋までご案内しますね!」
梨子「それじゃ、私はここで」
ことり「え?」
梨子「え?って……もう旅館まで案内したわけですし、これ以上は……」
ことり「もう少しお話しようよ♪まだまだ梨子ちゃんとお話したいし♪」
梨子「えぇ!?いやっ、お客さんでもないのに、そんな……迷惑じゃ……」
ことり「そんなことないよ~♪」
梨子「ち、千歌ちゃんもダメだよね?お客さんでもないのに……」
千歌「いいんじゃない?」ケロッ
梨子「かるっ!!」
ことり「決まりだね♪」
ちかわいい
期待
はやくはやくぅ
はよ
はよ
千歌「だーいじょーぶ!お母さんたちには私から言っておくから。お客さまのお連れさまならきっと大丈夫だよ!それになんて言ったって、梨子ちゃんは私の友だちだもん!」
梨子「理由になってないよぉ……」
千歌「気にしない気にしない♪それじゃ~二名さまごあんな~い♪」
梨子「ち、千歌ちゃん……なんだか怪しい客引きみたいになってる……」
ことり「クスクス♪おもしろい子だね♪」
――――――――
千歌「こちらです♪」
ことり「わぁ♪ステキなお部屋~♪」
千歌「そう言ってくれると嬉しいです!」
梨子「ホントにいいのかなぁ……」
ことり「まだ言ってる♪」
千歌「お食事は午後七時からとなっておりますので。それまではごゆっくりおくちゅ――――///おくつろぎください……///」カアァ
ことり「はーい♪」
千歌「あ、当旅館自慢のお風呂もどうぞお楽しみくださいね!」
ことり「うん♪ありがとう♪」
千歌「それじゃ、梨子ちゃん」
梨子「うん」
千歌「私はまだお仕事中だからお話しできないけど、終わったら一緒にあそぼーね!」ノシ
梨子「うん、またあとでね」
千歌「ふんふーん♪」
千歌(あれ?)ピタ
千歌(あのお客さま、どこかで会った……かな?)クルッ
梨子「ふぅ……」
ことり「あの子……スクールアイドルに憧れてるんだね~♪」
梨子「……みたいですね」
ことり「梨子ちゃんもやればいいのに♪誘われてるんだよね?スクールアイドル♪」
梨子「……はい」
ことり「始めるのは自由だよ?」
梨子「……千歌ちゃんが私を誘うのは、私が東京……音ノ木坂から来たからですよ。μ'sと同じ……。運命だとか言ってました……μ'sと私はなんの関係もないのに、それだけ……それ以外に私を誘った理由なんてありませんよ」
ことり「そうかな?」
梨子「?」
ことり「誰かを自分の好きなことに誘うのは、その人に特別な何かを感じたからだよ」
スッ
梨子「!!?///」
梨子(サングラス外した……って、やっぱりスゴく美人……///)
ことり「千歌ちゃんが梨子ちゃんとスクールアイドルをやりたいって思ったのは、本当に運命だと思ったからなんじゃないかな」
ことり「憧れたからスクールアイドルを始める。好きだから歌って踊る。何かを求めたから手を伸ばす。誰だって、始まりは単純なものだよ」
梨子「…………ことりさ――――」
ことり「なーんて♪ことりはスピリチュアルなことはわからないけど♪」
梨子「えっ?スピ……?」
ことり「ねえ、梨子ちゃんっ♪お風呂行こっか♪」
梨子「……え?」
ことり「ん~っ♪」ノビー
梨子「///」ブクブク…
ことり「気持ちいいね~♪」
梨子「ぼうべぶべ……///」ブクブク…
ことり「そんなに恥ずかしがらなくても」クスクス
梨子「……///」
梨子(なんで初対面の人とお風呂入ってるんだろ……私……)
ことり「昔、スクールアイドルやってた頃ね。こうやってよくみんなとお風呂に入ったこうやっての♪」
梨子「そうですか……」
ことり「みんなと一緒に汗をかいて、みんなと一緒に汗を流す。言葉にすればなんでもないようなことだけど、ことりはこのなんでもない瞬間が好きなんだぁ♪」
梨子「……………………よく、わからないです」
ことり「瞬間は過ぎていくけど、繋ぐことは出来る。想像してみて……ことりに出会った瞬間、ことりとお風呂に入った瞬間、梨子ちゃんが悩んだ瞬間も全部。この瞬間をリングに閉じ込めるように、眺めるように思い返すの。よかったって思うか、後悔するかは、梨子ちゃんがこれからどうするかで決まると思う」
梨子「後悔も……ですか?」
ことり「自分がやりたいって思ってやったことは、たとえ失敗しても後悔はしないんじゃないかな。それより、やらなかったときの後悔の方が、きっとずっと大きいよ」
梨子「……………………」
梨子「ことりさんは……」
ことり「ん?」
梨子「ことりさんは……なんで、そこまで私の背中を押してくれるんですか?なんの取り柄もない地味な私が、スクールアイドルなんてなれるはずないのに……。輝けるはず……ないのに……」
ことり「……………………クスッ♪」
ことり「だって~可能性感じたんだ。そうだ、ススメ~♪」
梨子「!!?」ゾワッ
梨子「……なに、今の……!」
ことり「後悔したくない、目の前に僕らの道がある~♪」
ことり「……ね?みんな一緒なんだよ。可能性を感じたら進まずにはいられない。手を引っ張らずにはいられない。それだけじゃ、理由にならない?」ニコッ
梨子「私に……可能性……?」
ザバッ
ことり「んしょ……じゃあことり、先にあがってるね♪」
梨子「あ、はい……」
梨子「可能性……私が……。……っ!」バシャッ
ことり「ふ~♪いいお湯だったなぁ~♪」
ことり「梨子ちゃんもいい子だし、旅館はステキだし、今回の旅は当たりだな~♪」ルンルン
ことり「んーっ♪」ノビー
ハシリーダスーベリベーリトレイン♪
ことり「ん、電話……?」
ことり「もしもし?はい、南です……はい……え?……ええっ!?」
梨子「ことりさ……今あがりました」シャッ
ガラン……
梨子「あれ、ことりさん?」キョロキョロ
梨子「荷物も無い……。部屋……間違えた……?」
千歌「あ、梨子ちゃん」
梨子「千歌ちゃん。あの――――」
千歌「あー、お姉さん?なんかね、キャンセル待ちだった飛行機のチケットが急に取れたからって、慌てて行っちゃったよ?」
梨子「えっ!?」
千歌「スッゴい謝ってきて、こっちが申し訳ない気持ちになっちゃった。いいって言ったのにキャンセル料も払っていったんだって」
梨子「そうなんだ……」
千歌「あ、お姉さんから梨子ちゃんに伝言だよ。『ゴメンね、またね』だって」
梨子「……そう」
千歌「キレイな人だったよねー。けどどこかで会ったことあるような……ん~」
梨子「……行っちゃったんだ」
梨子「まだ、話したいことがあったのに……」
サアァァァ……
梨子「……………………」ソヨソヨ
梨子「……………………だって、可能性感じたんだ……そうだ、ススメ~♪後悔したくない、目の前に……僕らの道がある~……♪」
千歌「あ、梨子ちゃんもその歌好きなの?」
梨子「その歌って……?千歌ちゃん、知ってるの?」
千歌「え?ススメ→トゥモローでしょ。μ'sの」
梨子「μ's……の……」
ことり『♪』ニコッ
梨子「!!!」
千歌「まさか梨子ちゃんがμ'sの曲を好きだったなんて♪これはもういよいよ運命だね――――」
梨子「千歌ちゃんっ!!」ガシッ
千歌「うぇっ!?」ビクッ!
梨子「あの人、どこ行くって言ってた!?」
千歌「空港……だけど」
梨子「ここから空港ってどう行くの!?」
千歌「ここからだと……バスと電車を乗り継ぐんじゃ――――」
梨子「ッ!!」ダッ
千歌「ちょっ、梨子ちゃん!?おーいっ!!」
梨子「はぁっ、はぁっ!!」
ことり『自信はね、後からついてくるよ♪ことりの知ってる子も、アイドルが大好きでアイドルに憧れてた。けど、自分に自信が無かったの。そんなとき、その子の友達がそっと背中を押してくれた。始まりは何だっていいんだよ。きっかけを作るのは、ほんのちょっとの勇気だから』
梨子「はぁっ!!はぁっ!!」
ことり『誰かを自分の好きなことに誘うのは、その人に特別な何かを感じたからだよ』
梨子「はぁっ!!!はぁっ!!!」
ことり『憧れたからスクールアイドルを始める。好きだから歌って踊る。何かを求めたから手を伸ばす。誰だって、始まりは単純なものだよ』
ことり「……………………」
ことり「やっぱり、直接お別れするべきだったかな……」
ことり「……………………ふぅ」
梨子「あのっ!!!」
ことり「!?」バッ
梨子「はぁ……はぁっ……!ケホッ、んっ……はぁっ……!」
ことり「り、梨子ちゃん……?なんで……」
梨子「ピアノが好きなだけでも……スクールアイドルやれますか!?」
ことり「!!」
梨子「手芸が好きなだけでも……料理がちょっと得意なだけでも……ピーマンが嫌いでも……私みたいな地味な子にも……スクールアイドル、やれますか!!?」
ことり「……………………!!」
梨子「……………………ッ!!」
ことり「……………………♪」ニコリ
ことり「自分がやりたいと思ったなら、やれない理由はもう無いよ!!!」
梨子「ッ!!」ポロッ
ことり「いつか梨子ちゃんが輝けたなら、そのときは……ことりの衣装を着て歌ってね♪」
ことり「約束だよ♪」
梨子「……はいっ!!!約束です!!!」
ことり「また会おうね、梨子ちゃん♪」
梨子「……またいつか。……南……ことりさん」
――――――――
梨子「……………………」
千歌「あ、梨子ちゃん帰ってきた!」
梨子「千歌ちゃん」
千歌「もー、急に飛び出して行くんだもん。びっくりしたよ!」
梨子「ご、ごめん……」
千歌「まったく!私を置いてけぼりにして!」プンスコ
梨子「……ねえ、千歌ちゃん」
千歌「?」
梨子「……………………っ!」
梨子「私――――――――」
おわり。
ずいぶんと間が空いてしまいましたが、これにて完結です。
本編でもμ'sと絡んでほしいと思う反面、このまま伝説として絡んでほしくないとも思う。
おつかれさま。面白かったよ。
次も期待してる。
おつおつ
完結してよかった
久々に来てみたら完結してて良かった。
面白かったから次作にも期待
このSSまとめへのコメント
奇跡の出逢いやん
感動した
これはいい
マジかよって思った
ちょっと鳥肌たった(いい意味で)
ちょっと鳥肌たった(いい意味で)