ジャイロ「ジョニィ、プリン食うぞ」ジョニィ「プリン?」 (45)

パカラッパカラッ……

ジャイロ「おいジョニィよォ~~……おたく何とも思わないワケ?」

ジョニィ「……」

パカラッパカラ

ジョニィ「……日差しの事かい?確かに暑くて体力を奪われるけど、あと10キロも進めば山間に村がある。まもなく日暮れだし、そこで泊まれば……」

ジャイロ「そうじゃあねえ。違ェーぜジョニィ。オレはよ~~今日食ったメシについて考えてた」

ジョニィ「……」

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ジャイロ「今日の朝はカピカピのハード・タック(堅パン)とチキンを食った。昼にはスープと川魚のパスタ……」

ジョニィ「健康的だね……ホット・パンツほどじゃあないが、結構良いもの食ってると思うよ。ぼくら」

ジャイロ「いや!足りねえな~~全然全く足りてねえぜ」

ジョニィ「……」

ジャイロ「何とも思わないの?おたく?えらくマジに?」

ジョニィ「……ひょっとして、『野菜』の事かい?『栄養』が足りないって言ってる?それなら今晩、村で少しわけてもらえると思うけど?」

ジャイロ「いや違う。確かにそいつも足りちゃあいないが、もっと心に『ゆとり』のあるもんだぜ……」

ジョニィ「『ゆとり』……?」

ジャイロ「オレは今『甘いデザート』が食いたくて食いたくて仕方ねーッ。口の中がッ!舌がッ!甘いものを求めてやがる……口の中が脂と塩辛さでギットギトで、今すぐにでも放り込まないとやばい」

ジョニィ「……ジャイロ、君イタリアンコーヒーに使う砂糖持ってるだろ?いつもコーヒーと同量の砂糖をぶち込んでるじゃあないか。あれを放り込めば?」

ジャイロ「おいジョニィ。お前さんはよ~~キャワいい女の子に『何かスイーツ♡が食べたいなァァ~~♡』とか言われた時によーッ、そいつの口に砂糖叩き込むか?」

ジョニィ「…………時と場合によるかな。たまに無性に叩き込みたい女っているよな」

ジャイロ「オレが求めてるのは『甘いデザート』だ。『甘い砂糖』じゃあねえ。牛乳とか生クリームとかで作られた本格的なヤツだよ。そーいうもんが生活に『ゆとり』を与えてくれるんだぜ……どっかにケーキ落ちてないか?」キョロキョロ

ジョニィ「ないよ。村についたら探してみたら?2ndステージで立ち寄った街では、レストランとかあったみたいだし」

ジャイロ「次の村はレース側が作った村じゃあねえ、普通の村だろ?微妙だな……大切なトコはいつもビミョォーだ。あるかもだよな――」

パカラッパカラッ

ジョニィ「お!ジャイロ、山の向こうに村が見えたぞ」

ジャイロ「よーし、行くぜジョニィ!デザートがよ~~、オレを待ってるかもしれねーからな~~ッ。ニョホッ!」

…………

…………

バァァア――ッ……

ガチャッ!

ジャイロ「有名なモンだよな、スティール・ボール・ラン・レース。こんな片田舎でサイン求められるとは思わなかったぜ」スタスタ

ジョニィ「ああ……だけど、『甘いデザート』を置いてる店ってのは無いようだね」

ジャイロ「……」ガックリ

ジョニィ「だけど、この村小さいけど『牧場』がある。新鮮な牛乳とタマゴ貰ってきた。後で食べよう」

ジャイロ「……」チラリ

ジョニィ「あとは肉でも貰えたらいいんだけどな……もう保存してた塩漬け肉は無いし、たまにはジューシーなのが食べたい。ローストビーフのサンドイッチでも作ってみる?」

ジャイロ「いや!ジョニィ……オレが作るのはもっと別のモンだぜ。お前の貰ってきた『牛乳』と『タマゴ』!それがよ~~結構ありがたく求めてたモンなんだよな~~」

ジョニィ「?」

ジャイロ「ところでジョニィ、おたく……『プリン』って食ったことあっか?――『プリン』」

ジョニィ「『プリン』?『カスタード・プティング』のこと?……昔好きでもない女と、やたら能書きの長いカフェで目玉が飛び出るほど高いの食ったっきりだけど……なぜそんなこと聞く?」

ジャイロ「簡単だぜ。いたってシンプル……オレがよーッ、ここにある材料でッ!その『カスタード・プティング』を作ってやろうと思ってなァ――」

ジョニィ「!?」バン

ジョニィ「ジャイロ、それは無理だ……知ってるか?プリンってのは都会で食うと高いんだぜ」

ジャイロ「あーいうのはボッてんだよ。作り方さえ知ってたら家庭でも作れる素朴料理だぜ、プリンはよ~~。いいかジョニィ、Lesson1は『妙な期待を店にするな』……だぜ」

ジョニィ「……」

ジャイロ「用意する材料はこれだけだ!」

・牛乳 300cc(カップ1と1/2杯)
・タマゴ 2つ
・砂糖 大さじ2杯
・カラメル用の砂糖 適量

ジョニィ「……ジャイロ?本当にこれだけか?……ウソじゃあないだろうな?」

ジャイロ「しつこいぜ、おたくはよ~~ッ。いい加減ボられた現実を認めろッ!全部で数百円もせず揃えられるんだよ」

ジョニィ「ウソだろ?バカみたいに高いんだぜ?ぼくはあんな目玉が飛び出るほど高いの食いたくなかった……女だって大してカワイくなかったんだ」

ジャイロ「そりゃあ~~お気の毒になァ――」

ジャイロ「作り方もいたって簡単だ。まずタマゴを丁寧にかき混ぜて、そこに牛乳を加える。砂糖もいれて、しっかり混ぜ合わせるぜ」シャカシャカ

ジョニィ「ぼくの『爪』ならよりしっかり混ぜれるぜ」ドリリーッ

ジャイロ「……」

ジョニィ「デザート食べた後とかも、歯みがけたりして」ドリリリ

ジャイロ「なるほど……スゲーうらやましいな」

http://imgur.com/RxeaVe4.jpg

ジャイロ「混ぜあわせたら、網とかで濾しながら器に入れていく。泡立たないようにな……」トロォ~

ジョニィ「なあジャイロ、ぼくの目にはまだ泡立ってるように見えるんだけど」

ジャイロ「うるせえなッジョニィ。残った泡はよ~~、マッチの火とか近づけたら簡単に割れるぜ。ウダウダ言ってねえでさっさとやれッ」

ジョニィ「……」シュボッ

ジャイロ「ああ、ついでに竈(かまど)に火つけてくれ。薪はそこにある」

ジョニィ「『ついで』の方が面倒なんだけど……」ズリズリ……

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ジャイロ「器に入れたら、鍋に器が半分くらい浸かるよう水を入れて、並べる。倒さねえようにな~~。今までの苦労が水の泡だぜ」コトッ

ジョニィ「鍋?オーブンで焼くんじゃあないのか?ぼくが食べたのは焼色がついていたけど……」

ジャイロ「焼きプリンもいいけどよ、どうせならみずみずしくってプルプルした蒸しプリンが良いと思わねえか?そもそも『プディング』っつーのはイギリスの蒸し料理の事だ」

ジョニィ「フーン、蒸し料理か。日本では『茶碗蒸し』っていう伝統料理があるらしいけど」

ジャイロ「作り方はそれに似てるかもな~~。蒸し器なんざ無ェーからあるもんでやるぜ」

http://i.imgur.com/8as5RKs.jpg

僕は「ジョジョで料理をするSS」に心当たりがあるッ!

ジャイロ「火にかけたら、プリンが沸騰しないよう火加減に注意して……」ボォォ……

ジョニィ「へえ、そうやって火を通すのか」

ジャイロ「……ン!こんなモンか。張っていた水が沸騰したら、火からおろしてフタをするぜ」ガポッ

ジョニィ「あッ!?ジャイロ、どういう事だ?まだ火が通ってないだろ!全然足りない!グチャグチャのタマゴ液のまんまなはずだッ!」

ジャイロ「慌てんなってお前はよーッ。ジョニィ、お前火加減とか苦手なタイプだろ!今朝食ったチキン中までコゲてたしよーッ!」

ジャイロ「プリンが沸騰しちまうと、中に隙間が出来ちまうんだよ。『す』ってヤツがな。……ゆっくりだ!Lesson2は『プリンに悟られるな』……プリン自身が気付かねえくらいゆっくり蒸してくぜ。スカートをまくるようにゆっくりな~~」

ジョニィ「……君、結構適当にレッスンって言ってない?」

ジャイロ「……」

ジョニィ「……」

ジャイロ「あ、そだ。鍋のフタはよ~~、水滴が落ちないようにタオルとかでしばっとくと良いぜ」

ジョニィ「……」

http://i.imgur.com/xLBmupk.jpg

スが入っちゃうからな

ジョニィ「これであとどのくらい?」

ジャイロ「30分って所か」

ジョニィ「そうか……長いな……」

ジャイロ「……」

ジョニィ「……」

ジャイロ「……ところでジョニィ、オレ今一コ『歌』思いついた」

ジョニィ「……」

ジャイロ「特別に歌ってやってもいいけどよ……メモの準備大丈夫か?紙とエンピツ持ってる?」

ジョニィ「……」ガサッ

ジャイロ「よし。タイトルは『プリンの歌』だ。オホン。歌うぜ」

ジョニィ「……」

ジャイロ「とろ~り♪プルプル♪プリン♪ふんわり♪ふわふわ♪プリンッ♪」

ジョニィ「……」

ジャイロ「女のチチみてェ~~に柔らかでェ~~♪」

ジョニィ「……」

ジャイロ「女のチチのォ~~母の味ィ~~♪」

ジョニィ「……」

ジャイロ「とろ~り♪プルプル♪プリンッ♪」

ジョニィ「……」

ジャイロ「……つぅ――歌……どよ?」

ジョニィ「……」

ジョニィ「……いいなジャイロ。君センスあるよ……すごくいい」

ジャイロ「マジでかッ!!?」

ジョニィ「あ、すごい……頭から離れないッ!とろ~りの甘い感じがスゴクいいッ!女のチチで大人チックにしてるトコとかグーだよ……子供から大人まで幅広く愛される歌だ!」カキカキ

ジャイロ「だっろォ~~!?マジにそうだろ?オメーに言ってもらえると自信が湧くよなァーッ。お前ピアノ弾ける?」

ジョニィ「プルプルプリンッ♪」

ジャイロ「ふわふわプリンッ♪」パカッ

ホカホカ……

ジャイロ「よーし、固まったな。あとはこれに、砂糖を焦がして作ったカラメルソースをかければ……」

トロォ……

ジャイロ「ジャイロ・ツェペリ特性!カスタード・プリンの完成だぜーッ!」

バァ――ン!

ジョニィ「お……おおっ!本当にプリンだ……プリンが出来ているゥッ!」

ジャイロ「本当はキンッキンに冷やして食べたい所だが、アツアツでもいけるぜ。半分はフタして外に出して冷やそう。ジョニィ、スプーンどこだ?」

ジョニィ「部屋の戸棚に入っていた。使わせてもらおう」

http://i.imgur.com/vBdMPwK.jpg

この間ジョニィは真顔なんだろうな

ジャイロ「じゃ……」

二人「「いっただっきまーす」」

モグモグ……

ジョニィ「!!……な、なんだこれは……ジャイロ!これは……このプリンは~~ッ!」ブルブル!

ジャイロ「……」モグモグ

http://i.imgur.com/elTBecj.jpg

ジョニィ「ビックリするくらい美味しいぞッ!それに『甘い』ッ!いや、甘『すぎる』という事はない……絶妙なんだ!カラメルソースのほろ苦さと相まって、豊かな風味が感じられるッ!」

ジャイロ「……」パクパク

ジョニィ「それに……うおお、見ろジャイロッ!歯を使わないで飲み込めたぞッ!なんて『やわらかい』んだッ!舌で触れるだけでプルプルと崩れていくッ!この食感ッ!ノドを通る快感ッ!し……(新鮮な牛乳とタマゴを使っているからか?)……とにかくスゴイッ!」

ジャイロ「……」モゴモゴ

ジョニィ「まさか……ジャイロッ!これは『スタンド攻撃』だァ――ッ!!」

ジャイロ「ちょっと落ち着けってお前はよーッ」

ジャイロ「まあ確かに、スタンド攻撃みてェーな『美味さ』だな。限られた食材でやった割には良く出来た」ゴクン

ジョニィ「ああ……」

ジャイロ「それによ、まだあと『半分』ある。その半分はキンキンに夜の寒さで冷やしてよォ~~、また朝には違う風味のプリンを食えるってワケだぜ。ニョホホ」

ジョニィ「……今から楽しみだ」ゴクリ

ジャイロ「……ところでジョニィ、後片付けをする前に……オレ今『ギャグ』思いついた」

ジョニィ「……」

ジャイロ「このプリンの味を表現するギャグだぜ。オレのこの指何に見える?」グイッ

ジョニィ「……指で『輪っか』……『ゼロ』?それとも『O(オー)』?」

ジャイロ「……」ス……

ジャイロ「このプリン、美味しい(O・1・4)ィ~~ッ」スイ……

ジョニィ「……」

ジャイロ「……」←4(しィ)

ジャイロ「……つーギャグ、どうよ?」

ジョニィ「ん~~!いいね……かなりイケてる。これから食事の時に使おうかな」カキカキ

ジャイロ「おい、パクんのはナシだぜ。気に入ったからってよォ~~。さて!ギャグをメモし終えたなら……明日のレースに備えて寝るぜ」

…………

⇐To be continued=・・・?

※端折ったけど、カラメルソースの作り方

1.砂糖に少量の水を加えて火にかける。テフロン加工の鍋が良いかも。コゲるし

2.黒くなってきたら火を止め、お湯をちょっと加える。この時跳ねるから注意

3.しっかり混ぜる。こうする事で、べっこう飴にならずキチンとしたカラメルソースになりますよ

終わりです。ありがとうございました

静・ジョースターの奇妙な日常
エンポリオ「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」シコシコ
岸辺露伴はTo LOVEらない

以前はこんなジョジョSS書きました。静ジョはまだ続いてます
今回は息抜きで短いの書かせてもらいました。またジョジョSSスレとかでお会いしましょう……

ディモールト乙!


大好きあなたのss


この二人は好きだからいい感じ

SBRのSSとか俺特過ぎる


新手の飯テロか、プリン買ってくる

>>38
そこは作れよ

やっぱりあんたかww
二人のノリが絶妙!乙乙

諸事情でお前のss見なくなって久しいけど案外酉覚えてるもんだな

謎の感動

億泰がローストビーフとか作るSS書いてた人?


この二人実際にこういうことやってほうな雰囲気があるよな
なんかすごくいい


タマゴ液をレンジに放り込んで適当なプリンを作ってた事があるが、鍋で作ると出来栄えが段違いだな……
横着せず今度作ってみよう

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