ミーナ「まあ、気を取り直して…もう１年以上いるし、誰か気になる人とかいるんじゃない？」

サシャ「んー、よくわかりませんね」

ユミル「まあ、芋女だからな」

サシャ「ちょっと馬鹿にしてませんか？」

クリスタ「ごめんね、サシャ…」

サシャ「あはは、気にしませんよー」

ミーナ「ユミルは？」

ユミル「興味ねぇ」

ミーナ「あー…やっぱりそっちの趣味が…」

ユミル「あ！？」

ミーナ「ごめん」

アニ「ちょっと、あんた達うるさいよ。私は眠いんだ」

ミーナ「えー、寝る前にアニも話そー」

アニ「…なに？」

ミーナ「アニは誰か気になる人はいるのー？」

アニ「いないよ。そんな余裕はない」

ミーナ「えー。エレンとかはどうなの？」

ミカサ「！！」ピクッ

アニ「…あんた男女がちょっと親しくしてたら恋愛に持ってっちゃうタイプかい？」

ミーナ「つまんないなぁ」

アニ「知らないよ」

ユミル「…ミカサはまあ、エレンだよな？」


ミカサ「！！？」ビクッ

ミカサ「ち、ちちち…ちぎゃ……ちがう………エレンは…た、ﾀﾞﾉ…ｶｿﾞｸ…」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

ユミル（わかりやすいな）

クリスタ「そうだよ、ユミル。ミカサは前からエレンは家族だって言ってるじゃない」

ユミル「え！？」

サシャ「！？」

アニ「！？」

ミーナ（クリスタ…その言葉を真に受けるなんてどんだけ純心なの…）

ユミル「ミーナはどうなんだよ？」

ミーナ「やっぱり、ライナーとか良くない？優しいし強いしカッコいいし…」

サシャ「ああ…確かにライナーは頼りになる感じですね」

アニ「…」


ミーナ「クリスタは？」

クリスタ「え！？あ…いや、私は…いないかな…ごめん」

ミーナ「えー、みんな気になる人とかいないのー？」

クリスタ（ああ、ミーナつまらなそうにしてる…誰でもいいから言えば良かったかな…）

ユミル「じゃあ、誰がタイプとかあんのか？」

クリスタ「え？いや…えっと…」

クリスタ（また何も無いなんて言ったらちょっと悪いな…まあ、好きな人じゃなくてタイプだし、そんなに気にする必要ないよね…）

クリスタ（ライナー…は、好きな女子がたくさんいそうだから控えておこう…んん……）

クリスタ「エレン…かな…」

ユミル「え、そうなの！？」

ミーナ「え！エレンがタイプなの！？」

クリスタ（良かった、ミーナが楽しそうに話し始めた…これで良かったよね………）



ミカサ「…」ジーッ


クリスタ「！？」ビクッ
アニ（あーあ…）

ミカサ「クリスタ…」

クリスタ「え？」

ミカサ「エレンはイケメンでかっこよくて男前…惚れるのはわかる」

クリスタ「え？あ…いや、ん？」

ミカサ「でもエレンは私の家族」

クリスタ「ん…うん」


ユミル「落ち着けミカサ」

ミカサ「は！」

ミカサ「ごめんなさいクリスタ…少し動揺してしまった…」

クリスタ「あはは、大丈夫気にしてないって…」

―翌日―

クリスタ「…」

エレン「あれ、今日の訓練のパートナーはミーナじゃなかったか？」

クリスタ「あ、うん…その…」



クリスタ（しまった…まさかここまでおおごとになるなんて…）


―――――

ミーナ「じゃあ、クリスタ！明日私エレンとだから交代してあげる！」

クリスタ「え、ええ！？」

ミーナ「タイプなんでしょ？じゃあ少しでも仲良くならなきゃ…」

クリスタ「いやいや、大丈夫…」

ミーナ「クリスタはそうやって遠慮がちだからダメなの。もっと積極的にしなきゃ！！」

ミカサ「…クリスタ…私は、気にしていない…だから、エレンと…組めばいい…」

クリスタ「顔色悪いよミカサ！！」


ユミル「私も賛成だ」

クリスタ「ユミルまで…」

ユミル「ミカサとお前の為だ」

ユミル（だから私は助けてやらねぇぞ）ﾎﾞｿｯ

クリスタ「え、どういうこと…」

ミーナ「じゃあ明日交代ね！」

クリスタ「ちょっ…」

―――――

クリスタ（何故かユミルも協力的だったし…）

エレン「まあ、いいや。やるぞ」

クリスタ「あ、うん…」

ミカサ「…」ジーッ

クリスタ（すっごくミカサの視線を感じるし…）

女訓練兵「ねえねえ、クリスタ」

クリスタ「え？」

女訓練兵「エレンが好きなんだよね」ﾎﾞｿｯ

クリスタ「ええ！？」

女訓練兵「付き合えるように私達も応援してあげる！！」

クリスタ（たった１日でここまで話が発展するなんて…しかも「タイプ」の話だったはずがいつの間にか「好き」に代わってるし…恐るべし人間の伝言ゲーム…）



ミカサ「…」ジーッ


女訓練兵「にしてもミカサうざいよね…エレンにベタベタしてる上にジロジロ見てきて」

女訓練兵「安心して、私達はクリスタの味方…」

クリスタ「そんなこと言わないでよ！ミカサにだって良いとこいっぱいあるんだから！」

女訓練兵「え、ご、ごめん…」

クリスタ（どうしよう…もう正直に話すしか…）

クリスタ「…ごめんなさい…その…」

クリスタ「エレンがタイプだってのは、実は…」

女訓練兵「あー、ミカサが見てるからって気を使わなくていいよ」

クリスタ（あー！！！もう！！！）



エレン「何してんだよ、早く行くぞ」

バシュウウウ！

エレン「はあ！」ズバッ！！

クリスタ（エレンは凄いな…確実に去年より成績が上がってる）

クリスタ「えい！」ズバッ

ビュンッ

クリスタ「あ、しまった！」

エレン「おい、あぶねぇ！！」ガシイッ

クリスタ「うっ…ごめん、エレン…」

クリスタ（は！？）


女訓練兵「きゃー、あの二人ひっついたー！！」

ミカサ「…ちょっと休みます…」フラッ

アルミン「ミカサ、大丈夫！？」

エレン「大丈夫か？怪我は無いか？」

クリスタ（ああ…もう、この状況……まさに昔から不幸の連続してる私クオリティだわ…）

女訓練兵「ねえねえ、エレン！」

エレン「ん？」

クリスタ「！」

女訓練兵（クリスタのことどう思う？）


エレン（は？）

女訓練兵（可愛いと思う？）

エレン「まあ…見た目は可愛いんじゃねぇの？」

女訓練兵「きゃー！」

女訓練兵「エレンから可愛いって言われたよクリスタ！」

女訓練兵「もうこれエレン気があるってことだよね！」


クリスタ「と、とりあえず落ち着いて…本当に…本当に落ち着いて…」

かわいい

思春期にありがちな伝言ゲーム

ヒストリアでなければお互いに好き合わないだろうな

――――――

馬術訓練

クリスタ「…はぁ…やっと落ち着け…」

エレン「おい、クリスタ」

クリスタ「へ！？」ビクッ

エレン「馬術教えて貰いたいんだけどよ…」

クリスタ「わ、私に？なんで…」

エレン「いや、お前が上手いらしいからよ。俺もやっぱりもっと成績上げたいからな…」

クリスタ「ああ、うん。なるほど」

クリスタ（それならいいか…てか周りがキャーキャーするから私もちょっと変に意識するようになっちゃったじゃん…）



エレン「…」パカラッパカラッ

クリスタ「あ、エレン馬乗るの上手いね」ﾆｺ

エレン「……」

クリスタ（ん？）

エレン「はあ…」

クリスタ（え！ため息！？）

クリスタ「ちょっ…どうしたの？」

エレン「何でもねぇよ」

クリスタ「なにか、悪いことしたかな…」パカラッパカラッ

エレン「…正直に話していいか？」

クリスタ「え？うん」

エレン「その作ったような愛想笑いやめた方がいいぞ」

クリスタ「！？」

クリスタ「………」


クリスタ「そ、そんな、変な顔だったかな…」

エレン「俺から見りゃ無理してるようで気持ち悪いよ」

クリスタ「…」

エレン「…ああ…悪いな。でもよ、お前だって無理して愛想笑いしたり他人に遠慮してばっかりで楽しいか？」

クリスタ「え…」

エレン「そんな他人から良く見られようと思わなくたっていいんだよ」

クリスタ「…」

クリスタ（…そういえば、周りがキャーキャー言い始めたのも私が変に気を使いすぎたせいだよな…他人を気にしすぎか………）

クリスタ（でも…）



エレン「おいおい、あぶねぇぞ。余所見すんな」ポンッ

クリスタ「あ、ごめん」


ピリッ


クリスタ「…え？」




フリーダ（今日も私の事は忘れてね…また会う日まで）





クリスタ「…！！」