加治木 「私は蒲原とはそこそこの付き合いになるが、蒲原の泣いたところや怒ったところを見たことがない」
加治木 「ああ、県予選中堅戦の休憩時間に久にからかわれた時は珍しい表情を見せてはいたが」
加治木 「とにかく、私はやつのカマボコ顔が崩れるところを見てみたいのだ」
加治木 「というわけで、いつも迷惑かけられているついでに蒲原にイタズラや嫌がらせをしてみたいと思う」
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キャラ名とカギカッコの間のスペースは一体
加治木 「これは私がビレッジヴァンガードという雑貨屋で買ってきたゴキブリのおもちゃだ」
加治木 「ネットで探してみたらジョークグッズの宝庫と言うので行ってはみたが」
加治木 「なんとも雑多で不可解な店だった。探しているうちにこのゴキブリと目が合い、購入を決めた」
加治木 「私はこのゴキブリを蒲原の弁当に放り込んでみようと思う。普通の感性の人間なら怒るはずだ」
昼休み―――――――
加治木 「さあ、決行だ」
ほんとだ。なんだこの謎のスペースw
蒲原「ゆみちん、弁当たべないかー?」
加治木「ああ。いつも通り、部室でいいよな」
蒲原「ワハハ、ではゆくぞー」
加治木(よし掛かった! いかん、つい口元が緩んでしまう)
蒲原「ついたぞー!」
蒲原「ワハハ、やっぱり勉強した後の飯はうまいなー」
加治木「蒲原お前、午前中の授業が何だったか覚えているのか?」
蒲原「えーと、政経、英語、日本史、日本史だろー?」
加治木「…………世界史、現文、現文、英語だ…………。英語しかあっていない上に、時間がずれている」
蒲原「フシギダナ~?」
加治木「お前が寝ていたからだろう。勉強なんか一切していないじゃないか」
蒲原「ま、まあ、飯はいつ食べてもうまいということだな、な、ゆみちん」
加治木「ああ、そうかもな」
加治木(ここらがタイミングか……?)
蒲原「あ、そうだゆみちん。見せたいものがあってなー」カバンゴソゴソ
加治木(ここか……⁉)
サッ コロン
加治木(よし! うまい具合に蒲原の弁当のおかずとおかずの間にゴキブリが入った!)
加治木(流石の蒲原もおかずを食べようとしたところでアレを見たら腰の一つも抜かすだろう)
蒲原「ゆみちんみてくれこのアヒル! ワハハ、ゆかいだぞー。手を叩いたら飛ぶんだ」
加治木「あ、ああ。なかなか面白いじゃないか」
加治木(さあ食え蒲原! そしてゴキブリを見て叫ぶがいい!)
蒲原「いやー、それにしてもから揚げと白米の組み合わせはいいよなー。私は好きなものを最後に残しておく派なんだ」ヒョイ
加治木(食うぞ!)
蒲原「…………」
加治木「…………」
加治木「か、蒲原、どうしたんだ?」
蒲原「ワハハ、なんだこれは! すごいなー、本物そっくりだ! これ、ユミちんが持ってきたのか?」
加治木「あ、ああ」
蒲原「いやー、ユミちんいいセンスだな! ワハハ、モモとかに見せたらびっくりして腰抜かすだろうな!」
蒲原「ユミちん、これ少し借りていいかー? ちょっとしたドッキリを思いついたんだけど」
加治木「…………ああ、好きに使ってくれ」
加治木(やはりこれくらいでは動じないか。ならば次の手だ)
加治木「我が鶴賀学園麻雀部には、小さいながら冷蔵庫がある。そこには部員たちが自分で買ってきた飲食物を保管しているわけだが」
加治木「私は今から、うっかりを装って蒲原のプリンを食べようと思う」
加治木「駅前の洋菓子店で売られている数量限定品。蒲原の週に一度のお楽しみの品だ」
加治木「さらに言うと、このプリンは割と値の張る高級品だ。それをうっかりであろうと食べたとなれば、あの蒲原とて平静ではいられないだろう」
放課後――――――――――
加治木「さて、放課後になったわけだが、モモは委員会で不在、津山は部長会議に出席中」
加治木「蒲原は補習がイヤで校内を逃げ回っていて妹尾はその蒲原を探していて、部室には私一人だけ」
加治木「ならば、蒲原のプリンをくすねるのは今しかない!」
ガチャ
加治木「さて、蒲原のプリンは……あった! これだな」
加治木「蒲原すまない。来週同じものを買って返すから許せ……!」
スッ パクッ
加治木「……! …………!! う、うまい!」
加治木「なんだこれは!」
加治木「優しい甘さ!」
加治木「とろけるような滑らかな舌触り!」
加治木「鼻から抜ける上品な香り!」
加治木「そして時々顔を出すカラメルがより美味さを引き立てる!」
加治木「私が今まで食べてきたのはプリンなんかじゃない! ただのゼラチンで固めた砂糖と卵と牛乳だ!」
加治木「これは、蒲原が毎週毎週並んで買うのもうなずける!」カサッ
加治木「ん? なんだこの紙は?」
加治木「【全国チャンピオン宮永照公認!】 …………まさかな。ありえんだろう」
咲日和ネタかww
蒲原「いやー、補習大変だったなー」
妹尾「智美ちゃんを探してた私の方が疲れたよ……」
津山「戻りましたー」
東横「委員会長引いちゃって遅くなったっす」
加治木「みんな、おかえり」
蒲原「ユミちんは先に来てたのかー。お茶なんか淹れて、何か食べてたのか?」
加治木「ああ、まあな」
蒲原「ワハハ、じゃあ私も食べるとするか、毎週お楽しみのあのプリン!」ガサガサ
津山「先輩、いつも火曜日になると早朝から並んでますもんね」
蒲原「あの時間に行かないと学校遅れちゃうし買えないからなー」ガサガサ
東横「へぇー、そんなに苦労しないと手に入らないんすか」
蒲原「なにしろ数量限定品だからなー。あれがなければ私は何を糧に暮らせばいいのかわからないくらいだ」ガサガサ
蒲原「ところで、さっきから私のプリンが見つからないんだが、誰か知らないか?」
妹尾「わたし食べないよ]
津山「うむ。私も部長会議でいなかったですしね」
東横「私は委員会に出てたっす」
蒲原「ということはまさかユミちん…………」
加治木「…………………」
加治木「いや、その、だな。私もプリンを買ってきていたんだが、蒲原のものと間違えて食べてしまったのだが……」
加治木「気がついたのが食べてしまったあとでな。いやあ、私としたことがうっかりしていた」
蒲原「」
加治木「蒲原?」
加治木(流石の蒲原も怒ったか? 無理もない。一週間の糧を私に奪われてしまったのだからな。悪いとは思うが、仕方のないことだ)
蒲原「まあ、しょうがないな! そういううっかりはけっこうあるしなー。私も佳織の食べ物とか飲み物とか間違ってたべちゃうし」
蒲原「ワハハ、気にするなーユミちん! むしろユミちんもうっかりすることがあるなんて、意外な一面が見れてよかったぞー」
加治木「蒲原……」
加治木(なんというやつだ。好物を取られたのにここまでおおらかでいられるなんて。しかたない、次のステップに進むしかなさそうだ)
ID変わってたの気付かなかったわww
まあいいか
ワハハ好き期待
そのうちかじゅのメンタルの方が負けそう
やってることが普通に嫌がらせだからな
真面目な子が友人にやるのはキツイだろう
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