【ポケモン】N「この寒空にキミの…トモダチの顔を浮かべる」 (13)

早いものでもう冬だ。
この身体に襲い掛かるかのような風が吹き、そしてなにより空に星が映える。


以前とは違い、ボクはニンゲンのトモダチも増えた。
中でも…トウコ、彼女は一番大切な、トモダチ。
彼女とは当初、敵対していた。ボクにとっては所謂黒歴史…かな
それから時を経て、彼女とも仲良くなれたのだけど




ただ、彼女に会えなくなってどれだけ経つのだろうか…

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N「…そんなコトを言うポケモンが居るのか…!?」


トウコと初めて戦った、その時
ボクはなんだか、言い切れないような気持ちになった。

これが…ボクの知らないポケモン、なのか

その頃はいろいろな一般常識に疎かった、というだけでは説明しきれない。
彼女と戦ったからこそ覚えた感情なのだろう。


…それからのコトだ。
ボクがニンゲンとして初めて、ニンゲンという1単位のモノに興味を抱き始めたのは。

ただ、その時の感情はあくまで「興味」
言ってみれば、ただの研究対象のような淡白な感情だった。

そして、またトウコと戦う…
結果は言うまでもなく、ボクのその時のトモダチでは歯が立たなかった。
彼女のポケモンの育て方、実に面白い。


そして、彼女は伝説のポケモンの存在を知った
そこから、二匹の「英雄」、それを求める旅が始まったんだ


最も、ボクはその頃は彼女には英雄のチカラを得る資格などないと、思い込んでいたのだが…

場所はライモン。
ボクはとある観覧車にて、彼女に会った。
そして、ボクはある真実を彼女に伝えた


N「…ボクがプラズマ団の王様」


トウコはその時何を思っていたのか、今では知る由もない
ただ、ゲーチスの独善的な考えに洗脳されていたボクのコトを、よく思っていたわけもないか。

そしてボクは戦い、また彼女について興味を深めた。


そしてボクはとある洞窟で彼女と再び相見える


彼女も彼女のトモダチもチカラを付けてきている。
なかなか手強い。
そして、ボクのトモダチは負けた。それなのに…何故だろう、ボクのトモダチは嬉しそうにしていた。

…これはなんだ?心理学的には到底理解の及ぶモノではない。
だとしたら何が一体このような…


これが……

…ニンゲンの暖かさ…?

ただ、その時感じたモノはおぼろげな感覚だった。

「ニンゲン」として育てられることのなかったボクに
その時に全てを把握するコトのできなかったのは当然か…

そしてボクは遂に手に入れたのだ


イッシュ地方、その地に伝わる伝説の英雄の片割れ


そのチカラを。

その地、リュウラセンの塔
朽ち果てたその塔にて、彼女と再び出会う


N「どう、トウコ。世界を導く英雄のもとその姿を現し共に戦うポケモンの姿は!」

トウコ「…」

N「…ボクたちを止めるならキミも英雄になればいい!」

N「そう、ボクのトモダチと対をなすポケモンに認められてこそ漸く対等になれる!…ボクたちを阻止できる!」

トウコ「…!」








チェレン「…トウコ、今飛び去ったのは…Nってヤツだよな」


トウコ「…うん」


トウコ「あれが、英雄…」

そしてボクは全てのポケモントレーナーの頂点、ポケモンリーグに挑んだ。
結果は快勝
誰もボクを止めることはできず、いや…止めてくれはしなかった



そしてボクはチャンピオンを倒す
…勝って、しまった…いや、その時は喜びの感情が大きかった、か




N「…終わった!もうポケモンを傷つけるコトも、
縛り付けるコトもなくなる。ボクのトモダチのお陰だ!」


アデク「…!頼む!ポケモンと人とを切り離す…それだけはしないでくれ…!」


N「アナタとボクはお互い死力を尽くした…そして勝利を勝ち取ったのは、ボクです
もう何も口出ししないで欲しい…!」






チェレン「…これは!?」


チェレン「酷いな、ボロボロだ…チャンピオンらしくもない」


アデク「よく、ここまで…」


トウコ「アデクさん、これは一体…」


アデク「…くう、自らの実力不足を思い知ったわ…途方も無い夢を語る
五月蝿い小僧を黙らせるほどのポケモンとの絆を見せつける筈だったが…」


トウコ「…」


アデク「あいつの信念もまた、本物だったということか…」




トウコ「アデクさん、チェレン、あとは私が彼を、プラズマ団を止めてみせる…!」




…彼女がこちらに向かってくる、本能的な何かでそう、感じた



期待

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