高峯のあ「牛丼並……あっ大盛りで」 (188)
●注意●
・オムニバスっぽい形式
・のあさんの口調・キャラ・クールなイメージが『著しく』崩壊します
・非シリアス
・独自解釈している点が多々ありますので、ご了承ください
●登場人物●
高峯のあ、他
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【吉野家】
のあ「あっ、あと持ち帰りで」
店員「はい。少々お待ちください」
のあ「あっ、はぃ」
のあ「……」
のあ「…………」ゴクゴク
のあ「……」カラン
のあ「(今日は嬉しい事があったから、フンパツして大盛りで……ふふっ)」
のあ「(でも……私がアイドルかぁ……)」
のあ「(この歳で、しかも芸能事務所にスカウトされるなんて夢にも思わなかった)」
のあ「(突然の事で頭真っ白になって、仏頂面で名刺受取って無言で逃げちゃった…。あれマズイかなあ)」
のあ「(…………)」ゴクゴク
のあ「(……私ってそんなにイケイケな感じでは無いと思うけど、どうなんだろ?)」
のあ「(アイドルかぁ……アイドル…………)」
のあ「(とりあえず…、見学だけさせて貰おう)」
のあ「……」
のあ「……フッ」ニヤリ
店員「お待たせしましたー、こちら並おひとつになります」
のあ「ぁっ」
店員「お気をつけてお持ちください、アリガトウゴザイマシター」スッ
のあ「……」
のあ「(…………氷、食べたかった)」シュン
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【事務所】
真奈美「お疲れ様、プロデューサー君」コトッ
モバP(以下P表記)「ああ、真奈美さん。いつもありがとうございます」
真奈美「構わないよ。それで、今日来てた新人だけど……」
P「高峯さんですか? 銀髪の」
真奈美「クールビューティと言えば聞こえは良いが、日本人離れした容姿だ。目にした瞬間、SFの世界にでも迷い込んだと錯覚して、思わず息を呑んでしまったよ」
真奈美「あれは大物になるぞ」
P「俺も本当に驚きましたよ…。街中に一等目を引く容姿で歩いていたもので、無意識に追いかけて名刺渡しちゃいました」
P「あんなに綺麗な女性は初めて見ましたよ。とんだ逸材が舞い込んだものです」
真奈美「おや、目の前にもとびきりの美人がいるじゃあないか」
P「あっ、す、すみません。そんなつもりじゃあ……」
真奈美「ふふふっ、冗談さ。でも彼女を前にしたら、私も気後れしてしまいそうだよ」
P「いかにも尽善尽美といいますか、ミステリアスといいますか……」
P「俺のような凡人には一生無縁な、きっと厳かな生活とかしているんでしょうかね?」
真奈美「ん…、どうだろうな。確かにあの見掛けからは想像出来ないが……」
真奈美「案外、自堕落な生活をしていたりしてな」
P「まさか。それは幾らなんでも無いですよ。ははは……」
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【高峯宅】
のあ「……あっ!」
のあ「うっそ、うわあー……」
のあ「今日はスーパーの50円均一デーだったわ。あぁ、冷食買い溜めしたかった。うあーー……」
のあ「…………」
のあ「…………うどん茹でるかな……。でもコタツから出たくないわ…」モゾモゾ
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こういうギャップあるの好きだ
よっしゃ!のあさんのSSきた!
大盛り頼んだのに並盛り貰うのあさん
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【事務所】
ガチャ
蘭子「闇にのまれよっ!(お疲れ様ですっ!)」バッ!
P「おう蘭子。おはよう」
蘭子「フッ。現世は虚を漂わせるセイレーンを顕現したかの如く身を凍てつかせてくれたわ (外はもうすっかり寒いですね、ふうっ)」
蘭子「時に我が盟友よ……(あと…、プロデューサー?)」
P「うん?」
蘭子「安らぎの棺の上で遊興を費やす美姫の様相は、我が追憶のページに刻まれておらぬが…… (向こうのソファで雑誌を読んでる綺麗な女の人は誰ですか?)」
P「ああ、蘭子には紹介がまだだったな。一週間前に新しく入った高峯のあさんだ」
蘭子「なんと! 新たなる仲間かっ! (わあっ! 新人さんですかぁ!)」
P「歳は蘭子の方が10も下だけど、アイドルとしてはお前が先輩だ。見本になれるように頑張れよ」
のあ「(……)」チラッ
のあ「(可愛い……。あの子、まるで西洋のお人形さんみたい)」ドキドキ
のあ「(でも変わった挨拶をしていたわね。『闇に飲まれよう』? 流行の言葉かしら、深いわね…)」
のあ「(是非ともお近づきになりたいわ。挨拶しておいた方が良いかしら? 私の方が後輩だから、私が先に……)」
のあ「(…………)」
のあ「(いや、自信無いし怖いし、やっぱり相手の出方を伺おう……。ああ可愛い……)」ドキドキ
蘭子「(綺麗な銀髪、まるでゲームに出てきそうな感じの人。すっごく貫禄あるなぁ…!)」
蘭子「(ちょっと怖いけど……年下だし、私の方から挨拶した方が良いよね、うん……!)」
トコトコトコ
のあ「(…………ッ!!!)」バサッ!
蘭子「っ!」ビクッ
蘭子「(吃驚したぁ…………………………っ!?)」ギクッ
のあ「(…………)」ジロジロ
蘭子「(し、品定めするように無表情で睨まれてるっ…………き、気難しい人なんじゃ…)」オロオロ
のあ「(第一印象、第一印象…………)」ドキドキ
蘭子「わ、わが、我が名は神崎蘭……」
のあ「(優しそうで、親しみ溢れるような、笑顔で……よしっ!)」ドキドキ
のあ「……」
のあ「………」
のあ「…………」ニタァァ
蘭子「コッ」
のあ「…………」ギリギリ
蘭子「ひっ…………ぅっ……、ご、ごめんなさいぃっっっ!!」ダッ!
ピューーーン!
P「お、おい蘭子ー? 何処行くんだー??」
P「……」
P「すみません高峯さん。驚かせちゃいました?」
P「根は本当にいい子なんですが、コミュニケーションを取るのがちょっと特殊でして……」
P「……ん?」
P「高峯さん、どうしました? 口をぽかんと開けたまま固まっちゃって……」
P「高峯さーん? 聞いてますー??」ヒラヒラ
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こののあさんは前職が気になるな
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【レッスンルーム】
P「(…………)」ジー
トレーナー「ワンツー、ワンツー!」
トレーナー「…はい、ストップ!」
のあ「……」ピタッ
トレーナー「いい感じです、のあさん。ここいらで、10分休憩入れましょうか」
のあ「……」
のあ「……分かったわ」
スタスタスタ
ガチャ バタン
トレーナー「……」
トレーナー「……見てましたか? さっきの彼女」
P「……うん」
トレーナー「新人には少し高いハードルのプログラムでしたが、息ひとつ乱さずに終始真顔でこなしてましたよ」
P「……うん。テンポも恐ろしい程正確だったね」
トレーナー「体の軸も注意する程はブレてなくて、入って一週間しか立ってないのに既にベテランの風格が漂っていましたよ」
トレーナー「途中から良い部分じゃなくて、無理やり悪い部分を探してやろうと躍起になってた自分が恥ずかしいです……」
P「『体力には自信がある』と本人も言ってたけど、まさかこんなに早くダンスの基礎部分を全て完璧にこなせるとは……」
P「底が見えないな。こりゃあホントにトップ目指せるかも、彼女……」
トレーナー「スタイルも良いし、透き通るほど白い肌ってまさにあんな感じでしょうね」
P「この部屋の照明のせいか、一層白く見えたね。不健康にも見えるが、それでもあの動きは圧巻だ……」
トレーナー「淡々と卒なくこなす姿勢が、すごくカッコイイ……」キュン
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【女子トイレ】
のあ「オエエエっ……! ゲホッ、ばホっ……」
のあ「ハー、ハー、はーっ……」ガコン
ジャーーーー
のあ「はー…。ウッ……、ンふー、フゥー……」
のあ「(喉が焼ける、熱い…。昨日のビールがまだ体に残ってたわ……)」
のあ「(飲みすぎたわ………。素直にトレーナーさんに辛いって途中で言えば良かった)」ゴシゴシ
のあ「(でもそうしたら……情けなく見られるかな…?)」
のあ「(…………頑張ろ……)」ゴシゴシ
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【高峯宅】
のあ「……自然な笑顔って難しいわ。普通にやってのける人って実際普通に凄いと思う…」モゾモゾ
のあ「これじゃあ仕事にならないかも……。愛嬌を出すとまで言わずとも、せめて愛想笑いくらいは私も……」
のあ「……」スッ
のあ「…………え、えへっ★」グギッ
のあ「アー……何で人を食ったようなぎこちない笑みしか出来ないのかしら。女型の巨人みたい」
のあ「…………き、きゃは★」グバッ
のあ「うわぁ…。まだこれならキングボンビーの方が可愛げがあるわ」
のあ「ハァ…」
のあ「何だろ……。無茶ってのは若さゆえの特権であって、老いたらただ醜いだけなの?」
のあ「……」ドサッ
のあ「……ダメね、私も。諦めたらそこで試合終了よ」
のあ「気落ちしちゃダメ…。まだ私は24……、24歳なんだからっ! 四捨五入したら20歳よ!!」
のあ「……」
のあ「……いや、ちょっと待って?」モゾモゾ
のあ「ひょっとしたら、目指す路線によるんじゃないかしら?」
のあ「クールな路線であれば、まだ一縷の望みが……!」
のあ「…………」
のあ「いえ……、でも私がクールとか想像出来ないわね。そもそもクール路線が落ち目アイドルの救済所っぽく言い扱うつもりは決してないのだけれど……」
のあ「クールと言うよりウェットかしら。いや……寧ろ私に情けを掛けて欲しい」
のあ「ならドライ? ドライ路線……何かしらそのビアガーデンの飲みプランみたいなの」
のあ「じゃあホット路線。ユーモアに富んだ三枚目ってトコ?」
のあ「…………ハァ」
のあ「そもそも路線とか、私の一存で決める物じゃないわよね。そこはプロデューサーと折り合いを付けながら……」
のあ「私に何を求められているのかしら。というか……」
のあ「私って周囲にどう見られているのかしら?」
のあ「(……………………)」モゾモゾ
のあ「コレ、地味に気になるわ…。私ってそういうのに頭が回らなくて勝手に自爆して、ドンドン評価を下げちゃうタイプだから…!」
のあ「以前バイト先では思慮深くて大人しい性格とか勝手に思われてたらしいけど、ウケ狙ってなんか突拍子も無く語尾に『にゃん』とかつけてドン引きされたことあるし……!」
のあ「いいじゃない! だって猫可愛いんだもの!! 『にゃん』って語尾だけで侮蔑の目を向けられるとか世知辛いにもほどがあるわ!!!」
のあ「…………いやでも『にゃん』は流石に今思うとキツかったかしら……、でも猫は至高の癒しだし……」
のあ「ああ気になるっ! 私の評価ってどうなんだろう、せめて正視出来る人間であって欲しいけど」
のあ「私みたいな真面目系底辺は、他人の気持ちに鈍感だけど、他人の悪意にだけは敏感なのよ。ああ気になるっ、気になるっ!!」
のあ「ふうっ…………」
のあ「あーもう、あー……、取り敢えずビール飲も」カシュッ
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────
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酒に縋るのあさんは新鮮すぎる
これにはユッキもドン引き
まるで美しい白鳥が水面下で必死に水掻きしてるような…
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【高峯宅】
のあ「笑顔もそうだけど、やっぱり体力が必要ね。何事も。アイドルは体力勝負よ」
のあ「走り込みするかな……。でも外寒いし嫌だなあ……」モゾモゾ
のあ「……あ」
のあ「そう言えばウチの事務所って、おっきいトレーニングルームがあったわね」
のあ「無料かしら…。会員制?」
のあ「でも知り合い居ないし、『アラアラ、新人の癖に粋がっちゃって』とか周囲に変な目で見られてもなぁ……。何より恥ずかしいし」
のあ「……無理だわ。行けっこないわ」モゾモゾ
のあ「……!」
のあ「そうだ、近くのジムとかどうかしら? きっとオバサンばかりだから気を遣う必要もないわ、うん」
のあ「出来たばかりで、割引キャンペーンもやってたわ。割引。まさに渡りに船ってやつね」
のあ「明日は予定無いし、ちょっと見に行ってみよう」
こののあさんがみくにゃんイジる絵面が想像できんw
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【翌日 スポーツジム】
受付「ではお客様の会員カードを作るので、この用紙に必要事項を記入して下さい」
のあ「あっ、はぃ」
のあ「(……)」カリカリ
のあ「(名前、住所、年齢……)」カリカリ
のあ「(…………職業!)」ピタッ
のあ「(職業……。『アイドル』って厳密にいうと職業に定義されるのかしら? 芸能人? 歌手?)」
のあ「(い、いや……、そもそもまだデビューすらしてない素人が一著前にアイドルとかおこがましいわね。じゃあ控えめにフリーター?)」トントントン
のあ「…………」
のあ「(アイドルかあ。一流のスターとかになって、職業欄に名前とか書けたら格好良いわよね)」
のあ「(『職業:高峯のあ』………ふふふふふ。憧れるわっ……!)」ニヤニヤ
のあ「(……むう。馬鹿なこと考えてないで、早く書かなきゃ)」
のあ「(要するに職種よね。接客業? タレント? エンターテイナー? そもそもアイドルってどういう仕事かしら……)」トントントン
のあ「(歌って踊って、観ているファンを魅了し……夢を与えるような………………???)」
のあ「…………」カリカリ
受付「有難うございます。では少々お待ちください」スッ
受付「……(カッコいー……。顔立ち整ってるし、モデルさんかしら?)」
受付「(何をやってる人なんだろう。なになに……??)」ピラッ
『ハイパードリームクリエイター』
受付「(か、カッコイイッ!! よく分からんけど!!)」
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ウサミンも四捨五入したら20歳なんだよなぁ…
ハイパードリームクリエイターwwwwww
なんだこの残念なのあさん!?
迷走し過ぎて蘭子ですら真っ青になるぞwwww
どうしてのあさんはライトニングさん路線が似合うんだろうな
1流のスターになったら職業欄に名前書くのか…
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【高峯宅】
のあ「ハァ……あのジム、予想以上に若いコが多かった。心臓に悪いのなんの」
のあ「色んな場所を占領してたから、おかげで私は2時間ずっと、最近CMでやってるあの跳ね返ってくる腹筋マシンしか出来なかったわ。もう多分変な噂が立っちゃってるわよね……」
のあ「もうあそこに通うのは止めよう。まあお試し期間だったし、結果オーライかな」
のあ「はあ、しんど……」
のあ「疲れると逆に食欲湧かなくなるのは何故だろう。食費が浮いていいけど……」
のあ「でも体には良くないわよね。奈良漬でも腹に入れようかな」
のあ「……」
のあ「ジムがダメなら、自宅で出来る運動器具でも買うとか……?」
のあ「幸い明日も何もないし、見に行ってみるくらい良いわよね?」
のあ「うー寒っ」モゾモゾ
のあ「……」
のあ「うー、コタツは良いわよねぇ」
のあ「うー、猫でも飼いたいなぁ。猫鍋やってみたいなぁ」モゾモゾ
のあ「うー…」
かつて長嶋茂雄は職業欄に長嶋茂雄と書いたとかなんとか
西城秀樹と書いてスターと読む
ハイパードリームクリエイター・・・
エリカ様の元旦那とかオフィスCUEの某会長のかつての肩書きみたいだ
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【スポーツ用品店】
のあ「……」キョロキョロ
のあ「(色々あるわね……。持久力向上メインで、程よく体も絞れて、収納できて、お手頃で……)
のあ「(テレビとか見ながらやれたら最高ね。となると、やっぱり……)」キョロキョロ
店員「お客様、何かお探しでしょうか?」
のあ「ッ!?」ビクッ
のあ「……ぁっ」
店員「宜しければご案内致しますが、購入される物はもうお決まりですか?」
のあ「あっ……」
のあ「そ、ソウネ……、あの、アレ……」ガタガタ
店員「はい」
のあ「………………エァ………ス……」モゴモゴ
店員「……ハイ?」
のあ「…んんっ」
のあ「……」
のあ「…エアロビクス、とか置いてるかしら?」キリッ
店員「……」
店員「………」
店員「(お…、俺の聞き間違いか……?)」プルプル
のあ「(…………っ)」ドキドキ
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──
エアロビクスって物体だったのか…
インターネットください的な
また明日更新します
乙
このポンコツさんすき
この猫好きっぷり……
猫アイドルや猫好きアイドルや猫飼ってるアイドルとの絡みが色々楽しみです
高倉健は「高倉健」とだけ書かれた名刺を持ち歩いてたそうだ
素晴らしいスレを見つけたおつ
??「笑うなんて誰にも出来るもん!」
笑えよしまむらァ
蕎麦食ってんじゃねえよしまむら
若い子が多いから気を使うからジムに行きたくないって
まるで俺みたいだぁ……
見た目30後半ぐらいまで若い人に含みそう
流石に24以下がごろごろしてるようなジムなんてない気がするし
>>46
ナンパ目的の男が集まってきそうなジムだな
若いのは若いのでおじさまおばさま方に気後れするんだよなぁ…(ちょっと行ってた頃の感想
>>48
そして誰もいなくなる
奈良県民ほど奈良漬け食わないんだぜ
あれは県外の人への贈り物用(地元民感)
続き期待
素ののあにゃんはこてこての関西弁を喋るイメージ
これはいいポンコツのあさん
投下していきます
明日辺りには全部書き終わる予定です
あとオムニバスっぽい形式でしたが、どこで終わってるか分かりにくいと思うので、
名前欄で番号振っておきます。基本は2レス完結です
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────
──────
【高峯宅】
のあ「ハァ……まさかエアロビクスがエアロバイクだったなんて夢にも思わなかった。顔から火が出るほど恥ずかしい」
のあ「もうあの店には絶対行けない…。行動範囲がドンドン狭まる……」
のあ「ジム通いも器具を買うのもダメ。とすると……」
のあ「…………結局、観念して外を走るしかないのかあ……。まあ手間もお金も係らないし、何より一人で自由に出来るし、一番良いのかもね」
のあ「ランニングは朝より夜にした方が良いって聞くわね。理由は分からないけど、まとめサイトで見た気がする。まとめサイトで」
のあ「なら、早速やってみようかなぁ。思い立ったが吉日って言うもの、ねっ」スタッ
のあ「うー……寒い……」ゴソゴソ
のあ「………………」ブルブル
のあ「……やっぱり明日の朝にしようかなぁ。夜は寒いし冷えるし、不審者が出るかもしれないし……」
のあ「くっ……!」
のあ「だっ、ダメよ高峯のあ…! 初めの内からこんなユルい気持ちじゃあアイドルなんて務まらないわ!」
のあ「がっ…」
のあ「頑張れ頑張れ出来る出来る絶対出来る頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ!」パンパン!
のあ「頑張れ頑張れそこだそこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張れ頑張る神崎神崎神崎蘭子蘭子蘭子ちゃんだって頑張ってんだから!」パンパンパンパン!
のあ「はぁーっ、よしっ、よーし……」
のあ「今日頑張った者にだけ明日は訪れる……。明日野郎は馬鹿野郎よ」キリッ
きたたたい
分かってたけどこののあさんからはねらーの匂いがするww
━━━━━━
【10分後 外】
美優「ふぅ……」
美優「(今日は一段と冷えるわね。北海道ではもう雪が積もってる所もあるとか)」
美優「(この時間でも真っ暗ね。怖いから、早く帰ってお鍋でも……)」
美優「……?」
「ふっ……、ふっ……」タッタッタッタッ
美優「ッ!?」ビクッ!
美優「(う、宇宙人!? いえ、ボンバーマン……!?)」
美優「(アレ、目出し帽かしら? 目の部分だけ長方形に切り取られて、銀行強盗みたいな感じの……。というか、すっごい重装備の防寒してるわ!!)」
美優「(走って迫ってくるっ! こ、怖い……っ)」ガクガク
「……!」ピタッ
美優「エッ!?」ビクッ!
「…………こ、こんばんは、三船………美優」
美優「えっ……えッ!?」
美優「どど、どちら様……?」
「…………」
「私よ……高峯のあ」
美優「の、のあさんッ!?」
美優「こんな時間…、いえ、そんな恰好で何を??」
「…ランニ……いえ、……星。星を眺めに……」
美優「ほ、犯人(ホシ)を……??」
「…………じゃあね」
タッタッタッタッタッタ…
美優「…………」
美優「み、ミステリアスだわ、彼女……」
──────
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【とあるLINE】
渋谷凛【結局、その辞めるバイト先の人にクッキー渡せたの?】21:40
うづき【実はだいぶ割れちゃってたんです】21:42
うづき【だから慌てて買いなおしてきました】21:43
うづき【><】21:43
未央☆【で、どこのクッキー選んだのー?】21:45
未央☆【 d(*^0^*)d 】21:45
渋谷凛【渡せたのならなにより】21:46
うづき【ステラおばさんのクッキーです♪】21:48
未央☆【あーあの高いやつだ!】21:50
未央☆【店の前通るとすっごいあまい匂いする店の】21:51
渋谷凛【あのすごい臭いする店か】21:52
渋谷凛【山岡屋並み公害レベルの】21:53
うづき【お手頃ですし、美味しいですよね♪】21:53
うづき【公害!?】21:54
未央☆【公害www】21:54
うづき【良い香りですよぉ (p>□<q*)】21:56
うづき【 ・゜・(PД<q。)・゜・ 】21:57
渋谷凛【ごめん言い過ぎた】22:00
渋谷凛【( ´ω`)】22:01
未央☆【 _(:З」 ∠)_ 】22:02
うづき【(´・ω・`)】22:04
未央☆【山岡屋とか入ったことないよでも】22:06
渋谷凛【美味しいよ】22:07
渋谷凛【多分】22:07
渋谷凛【味濃いめ麺やわらかめ油多めがオススメ】22:08
未央☆【へえー】22:08
未央☆【って多分かいっ!】22:09
▲『高峯さんがグループに参加しました』▲
未央☆【のあさーん!!!】22:13
渋谷凛【高峯さん!】23:14
渋谷凛【招待してたんだ】22:15
うづき【( ゚▽゚)/コンバンワ】22:15
渋谷凛【いつの間にか、ここも結構人増えたね。最初は3人だったのに】22:17
未央☆【いいじゃんね、楽しいし♪】22:20
未央☆【(v^ー゚)】22:23
うづき【(*゚▽゚)*。_。)ウンウン】22:27
未央☆【(゚∀゚)】22:34
うづき【v(*^ワ^*)v】22:39
未央☆【(@'ω'@)…ん?】22:48
こんなアイドル嫌だわ
>>60
今時絵文字くらい普通に使うだろ
俺はLINEすらやってないけどな!
おそらく気を遣って間を取ってるにも関わらず何も言ってこないのあさん
スタンプの表現の代わりとかだと脳内変換してる
こののあさんだと女子高生に対し何を言ったらいいか分からない
もしくは変なこと言ってないか投稿前に何度も確認しているうちに時間が流れてそう
うづき【明日はCM撮影ですね!】22:50
未央☆【だがしかしまさか牛丼のCMとは】22:52
未央☆【『牛丼一筋300年~~♪』】22:53
渋谷凛【あれはちょっと吃驚したな】22:55
渋谷凛【なんのネタだっけソレ、未央?】22:55
うづき【大丈夫ですよ! むしろ大手だから緊張しちゃいます…】22:59
未央☆【『早いのウマいのやっすいの~~♪』】22:59
渋谷凛【実は私、あのお店で一回も食べた事無いんだけど】23:02
渋谷凛【U。・ェ・。U】23:04
渋谷凛【怒られるかな?】23:05
未央☆【まあなんとかなるっしょ!】23:07
未央☆【私はあるけど!】23:10
未央☆【アレだ、何か言われたら、『私子供の頃から牛丼が大好きで、今ハマッてるのは並盛つゆだくです!』】23:12
未央☆【……って答えとけば万事OKサ☆】23:13
うづき【実は私も無いです><】23:14
渋谷凛【未央。それ大丈夫なヤツじゃないよね。多分大問題になる】23:14
渋谷凛【明日少しでも食べておくべき?】23:15
未央☆【『薄っぺらくスライスした肉の汁かけライスなんて男の食い物じゃねえ!』】23:17
未央☆【『男はガッツリぶ厚いミートパティにかぶりつくハンバーガーだ!』】23:18
渋谷凛【はぁん?】23:19
未央☆【ヾ(*`Д´*)ノ】23:21
渋谷凛【あれかな、成功しないと延々と食べさせられたりして】23:23
渋谷凛【体重が増えますねこれは…】23:23
うづき【まさかぁ~】23:24
渋谷凛【U。・皿・。U】23:25
渋谷凛【(∪^ω^)】23:26
23:27【テリーマン】高峯
渋谷凛【えっ】23:27
未央☆【(*゚∇゚)!!】23:30
渋谷凛【あ。成程そういう事ですか】23:30
うづき【(・_・?)】23:31
23:31【どこのお店】高峯
うづき【すき屋ですっ♪】23:33
未央☆【すき屋っで~♪ すっすすっすぅ~~♪】23:36
渋谷凛【なか卯でしょソレ】23:36
未央☆【(。・ ω<)ゞ テヘッ】23:37
未央☆【応援大使なんですよ、私達!】23:38
▲『高峯さんがグループから退出しました』▲
未央☆【( ゚д゚)】23:40
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────
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行動極端過ぎるだろwwww
のあさん……
遅い上にフリーダムとは
ま、まぁ10代のグループに20代が入るのは勇気いる事だから……
──
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──────
【高峯宅】
***『『『すき屋っ♪♪』』』
*『私は牛丼並とサラダで♪ 栄養バランスって大事ですよねっ!』
*『じゃー私は牛すき鍋定食っ! 寒い冬にはコレコレっ♪』
*『へぇ……。何かオススメってある?』
*『じゃあキングでいきましょう! 凛ちゃんならイケますよ♪』
*『うん、じゃあそれで』
*『あむっ! んー、ん~っ♪ おいしーっ♪』
**『──好みに合わせて、選べる美味しさ────』
**『──メニューの数だけ、笑顔がある────』
***『『『すき家の牛丼っ♪』』』
のあ「……」
のあ「良い笑顔だなぁ、あの3人。特に真ん中の卯月ちゃん。可愛い」モゾモゾ
のあ「それにしてもアイドルが牛丼チェーンの応援大使かー。ああいう宣伝起用も普通にあるのね」
のあ「……好きな物でなくとも、無理やり笑顔を取り繕わされて、心にも無い事を喋らされ……」
のあ「……あの3人の笑顔の裏には、一体どんな闇が……」
のあ「…………」グウウゥ…
のあ「(…………)」
のあ「………………」スタッ
━━━━━━━━━━
【吉野家】
のあ「ぎ、牛丼……、あっアタマの大盛りで」
店員「アタマですね、お待ちくださいー」
のあ「(………………)」
のあ「(私なら、あの子達よりも上手く出来る。吉野家を24年間嘘偽りなく愛した私なら……)」
すき家の「キング盛り」……メニューに無い、いわゆる裏メニューで総量約1150グラム。並盛りの約5倍以上の量を誇る
吉野家は裏切れない…
24年……?
24歳だろ
0歳のときから牛丼食ってるわけないだろw
離乳食が牛丼かもしれないだろいい加減にしろ!
のあ「(真にその魅力を伝えるという完璧なパフォーマンス……!)」
のあ「(アイドルとは、その深みのある表情と惑わすような仕草で、全ての物を魅了する……)」
のあ「(薄っぺらい言葉や笑顔なんていらない。ただ全力で『美味しい』と感じながら頬張ること。購買意欲を促進させる事に必要なのはそれのみ)」
のあ「(研ぎ澄ませてきた技術と、裏打ちされた自信……、己が育んだ力のありったけを籠める事!)」
のあ「(……今の私ならニュージェネレーションズにだって勝てるッ!!)」
のあ「…………」
店員「お待たせしました、コチラ牛ねぎ玉丼アタマの大盛りですー」コトッ
あの「…………」カチャ
のあ「(……思い出すの。1998年永谷園のお茶漬けのCMを。あの迫真の食いっぷりを……)」
のあ「(何よりも食べる、ただ食べる。それがアイドルの生きがいってやつなの)」
のあ「…………」スッ
のあ「(……いただきます)」
のあ「はごふっ!」ガブッ!
のあ「はぐっ! んむっ……!」バババ!
のあ「んー、ンフー、ンフー……」モグモグ…
のあ「ムフー……、はぐっ! あむ!」ガツガツ
のあ「フー、ンフー…」
のあ「ン」
のあ「んふっく、んふッ、んフッ!!」
のあ「エフッ、エフッ! ブホっ!!」バン!
のあ「えっほえっほッ! はーっ……、がはッ! ゲッッホ!!」バンバン!
店員「お、お客様……お冷をお持ちしますか??」
のあ「はー、はー、はー……、ごほっ、ごほっ……………アッハイ」
──────
────
──
渋谷凛
http://i.imgur.com/ZGWjd86.jpg
島村卯月
http://i.imgur.com/F7eDfXH.jpg
本田未央
http://i.imgur.com/bUVJENM.jpg
──
────
──────
【事務所】
ガチャ
のあ「……おはよう」スッ
P「おはようございます、高峯さん」
のあ「仕事の話と伺ったのだけれど……」
P「はい。モデル事務所に掛け合って、若年層に加えて少し上の年齢層を意識したファッション誌の写真モデルを斡旋して貰いました」
P「まだ空きはないとの事ですが、高峯さんの宣材写真を送ったら非常に好感触でして、是非にとも撮らせてくれ、と」
のあ「……そう」
のあ「(嬉しい)」
P「高峯さんの独特の空気感を活かしたサイバーゴス系、均整のとれた顔立ちを持ち味にしたオフィス系、憂いを帯びた瞳とスタイルの良さを押し出してアンニュイ系等……」
P「まだこちらとしても高峯さんのキャライメージや方針は決めてないですが、色々と選択肢の幅を広げてみるのも良いと思い、手当たり次第に受けてしまって……」
のあ「……(イメージが掴めない……。あんにゅい?)」
のあ「……選り好みしていられる立場じゃないし、全部受けるわ」
P「……!」
P「はいっ! 一緒に頑張りましょう!」
P「(高峯さん……クールな外見とは裏腹に、案外仕事熱心だ。人は見た目じゃないな、うん)」
のあ「(あんにゅい……。可愛い着ぐるみとか着たりするのかなー…)」
P「あっ、それと…」
のあ「?」
P「丁度いま、もう一つ仕事の話があるんですが……」カサッ
のあ「……?」
P「えっと……コッチの方はモデルとかの仕事と比べたらあまり人を選ばない仕事でして」
P「まあ、名前を売ったり注目されることも極稀にありますが、でも高峯さんならもっと別の……」
のあ「……それは、なに?」
P「エキストラです、映画撮影の。しかもかなりB級オーラ漂うというか、タイトルから既に地雷臭溢れる……」
のあ「(!!!)」
のあ「………………やるわ」
P「えっ!?」
P「い、いいんですか? B級ホラー映画ですよ?」
のあ「…………少しでも多く、色々な仕事を勉強したいから……」
P「っ!!!」
P「……分かりました、すぐに申し込んでおきます!」
P「(この人…、ただ熱心なだけじゃない。殊勝に前向きで、でも自分の成長に関する事なら貪欲な勤勉家だ!)」
P「(まるで自分の羽化を今か今かと待ち望む蛹のように……、その瞳に静かな闘志を爛々と宿して…………っ!)」
P「(ははっ……俺も見習わきゃな。この人に釣り合うプロデューサーでいられるよう、努力しないと…)」
のあ「(……)」
のあ「(や、やった! 私、映画に出られるんだ。早くも銀幕デビュー……っ?)」
のあ「(それに映画の撮影といえば、多くの有名人や俳優を間近で見られるまたとない好機っ!)」
のあ「(あぁ、嬉しい……、アイドル楽しいっ……!)」ワクワク
──────
────
──
ただのミーハーだったww
──
────
──────
【レッスンルーム】
トレーナー「ワンツー、スリーフォー……!」パンパン
トレーナー「新田さん、しっかり足上げて! ワンツー……!」
美波「はあっ、はっ…!」キュッキュッ
のあ「…………」キュキュキュ
トレーナー「……」パチン
トレーナー「はいストップ。新田さん、少し厳しい?」
美波「!!」
美波「い、いえ……このままやれますっ……!」ゼエゼエ
トレーナー「……来週の全体練習までに、ある程度個人でも動きを掴めていなければ全く話になりません」
トレーナー「とりあえず、10分休憩しましょう。また同じところから再開ね」
美波「はーっ、はーっ…!」
のあ「(…………)」ジー
蛆かとおもた
のあ「……」
美波「ご、ごめんなさいっ……高峯さんの足を引っ張ってしまって……」
のあ「……気にすることは無いわ」
のあ「誰でも初めはそんなものよ。次はきっと上手くいくから………、頑張って」
美波「は、はいっ……! 美波、がんばりますっ!」
美波「(怖い人だと思ってたけど、普通に優しい。親近感が湧いた…)」
美波「ふぅっ……」ゴクゴクゴク
のあ「(……)」ジー
のあ「(……なんだろう、このコから漂う人妻感。肌も出してないのに、すっごく淫靡。吐息すら甘い気がする)」ジー
のあ「(処女の体つきじゃないわ。誘うような目つきで、その歳で墜ちるとこまで堕ちたって顔してる)」ジー
のあ「(肌を露出したらどうなっちゃうのかな。若さって羨ましい…)」ジー
美波「(み、見られてる……。一体何を考えてるんだろう……?)」モジモジ
のあ「……」ジー
──────
────
──
>のあ「(処女の体つきじゃないわ。誘うような目つきで、その歳で墜ちるとこまで堕ちたって顔してる)」ジー
口に出さないだけいいけどひっでえwwww
──
────
──────
【レッスンルーム】
トレーナー「はい、じゃあ10分間休憩。水分しっかり補給して下さいね」
美波「ハイっ。……はぁっ、ふうっ……」
のあ「……」
トレーナー「……美波ちゃん。昨日より良くなってるわ。その調子よ」
美波「!!」
美波「は、はいっ!」
のあ「…………」
美波「あ、あの……高峯さん…」ゴソゴソ
のあ「……?」
美波「檸檬のハチミツ漬けを作ってきたんですけど、お一つ如何ですか?」スッ
のあ「……れもん、はちみつ……??」
美波「はい。よくサークルの活動とか大会の時とかに作って持ってってるんです♪」
美波「なんでも、ハチミツのブドウ糖と檸檬のクエン酸は疲労回復にすっごくイイらしいですよ?」スッ
のあ「(美容のパックになら使ったことあるけど……ふうん)」カプッ
のあ「……ッ!」モキュモキュ
のあ「あっ、甘っ。お……美味し…っ」モキュモキュ
美波「ほ、本当ですか? お口に合って何よりですっ♪」パアッ
のあ「っ!!?」ビクッ!
のあ「(か、彼女……なんて柔らかくて明るい笑顔をみせるのっ…!? て、天女!)」モキュモキュ
のあ「(あ、あぁぁっ……!)」モキュモキュ
のあ「(私は昨日……、こんなイノセントな彼女に対してなんて下卑た妄想を……っ!!)」モキュモキュ
美波「(高峯さん…。両手で摘まんで、小動物みたいに食べてる。1眼レフに収めたい程絵になる愛くるしさ)」
美波「(なんかこう……庇護欲に駆られるというか、すごく癒される……)」ポワポワ
のあ「……」モキュモキュ
のあ「…美波」
のあ「…………昨日は、ごめんなさい」ガシッ!
美波「あっ!」ツルッ
のあ「(!!!)」
ボトボトボトッ
のあ「(あわわわ…っ!!)」カァー
のあ「ご、ごめんなさい。私が貴女の腕を掴んだばかりに、全部落ちてしまって……」バッ!
美波「あっ、いえいえ…! お気になさ」
のあ「ごめんなさい…」
のあ「これ、全部拾って食べるから許して頂戴…」ヒョイヒョイ
モキュモキュ ヒョイ
美波「!?」
美波「た、高峯さんッ!?」
美波「そ……そんなプライドの欠片も恥も持たない人みたいな事せずとも、本当に気にしないで大丈夫ですからッ!!」アセアセ
美波「(あっ。でもリスみたいに必死に頬張ってすごく可愛い……)」
美波「(…………けど、なんで最初は謝られたんだろう??)」
のあ「っ……っ」モキュモキュ
──────
────
──
かあいい
いやまあ確かに美波はエロい人妻感あるけどさwww
歩く人妻新田美波
目の付け所がのあさん
──
────
──────
【高峯宅】
のあ「ハァ……」モゾモゾ
のあ「昨日といい今日といい、美波ちゃんには酷い事ばかりしちゃった。でも本当にあのハチミツ檸檬は美味しかったなー…」
のあ「若くて優しくて料理も出来て運動部でオマケにエロいとか、非の打ち所がない完璧超人じゃない。ビック・ザ・武道もビックリだわ……ふふっ」
のあ「……嫉妬しちゃうなぁ。いい歳してあんな若いコに対抗意識メラメラしてる。かなり情けない大人かも」ゴロン
のあ「…………!」
のあ「そうだ……。ハチミツ檸檬の容器を洗うために美波ちゃんから預かって来たんだっけ。せめてものお詫びで」
のあ「……あっ!」
のあ「ひょっとして、お礼にその容器に何か料理を入れて返せば………。美波ちゃんも喜んで、ついでに私の株も上がって、高い女子力をまざまざと見せつける事が出来るかしら……いや、出来ない筈がないっ!」スタッ
のあ「よぅし……! そうと決まれば早速何か作ろう。目に物見せてくれるわ」ガチャ
のあ「料理において女子力の代名詞と言えば、やっぱりアレかしら……ふふん……♪」ガサガサ
のあ「……」ガサガサ
のあ「…………」ゴソゴソ
のあ「………うどんと麺つゆと長ネギと卵とビールとツマミしかない。マトモな調味料すらない」
のあ「じ、女子力とは何ぞや………くくくっ」プルプル
のあ「……自嘲していてもしょうがないわ。材料の買い出しに行こう」スタスタ
のあ「…………あっ?」ピタッ
のあ「ひょっとして、洗った容器に料理を詰めて返したら、美波ちゃんにとっては二度手間かも……?」
のあ「…………」
のあ「まあ、そこはアレ。プラマイ0よね」ガチャ
━━━━━━━━━━
【翌日 美波の通う大学】
のあ「……」ジー
美波「た、高峯さん…!?」
のあ「……」ジー
のあ「(……彼女の私服姿、これヤバいわ。健全な男子からしたら性衝動が剥き出しでうろついてるようなものよ…)」ジロジロ
美波「どど、どうして私の大学に高峯さんが……」
のあ「……昨日のタッパー、貴女に早く返そうと思って居ても立ってもいられなくなったの。ここの大学だとプロデューサーから聞いたわ」
美波「!!」
美波「(わ、私のためにわざわざ健気に………。高峯さん……っ)」ジーン
のあ「……勝手が過ぎたかしら」
美波「い、いえ! 光栄ですっ!」
のあ「……そう。じゃあ構わないわね」
美波「えっ?」
のあ「お返しに私からも手作りの一品……、そこに詰めといたから。お昼にでも食べて頂戴」
のあ「……じゃあ。授業、頑張りなさい」スッ
チリンチリーン
美波「………………高峯さん…」キュン
美波「(高峯さんの手作り……。嬉しくて本来なら臆面もなくはしゃぎ回りたいくらいだけど、でも食べるのが勿体無いというか、恐れ多いというか……)」
美波「(私の心を掴みかけている所で、更に胃袋までも掴むつもり? 貴女はなんてしたたかで欲張りなの……? み、美波負けないわっ!)」
美波「…………」チラッ
美波「(…………包んでいるナプキンも猫の柄で可愛らしい。寡黙で厳かな普段の印象とは裏腹に、こういうチャームなアクセントですかさずジャブを打ってくるギャップが堪らない。小動物的な仕草も、すっごく愛おしい……!)」ドキドキ
美波「(…………中身、何だろ)」シュルッ
美波「(……?? タッパーを、さらにビニールで包んで……)」カサカサ
【おでん】
美波「(煮物ッ!? ほ、ほとばしる母性……ッ!!)」
美波「(ここしかないという絶妙のタイミングでいよいよ包容力を醸し出す狡猾な策……、緩急つけたギャップの波状攻撃……ッ!!)」ビクンッ!
美波「た、高峯さん……! 貴女は私の心をどこまで掻き乱せば気が済むの……っ!」ガクガクッ
──────
────
──
なんという冷静で的確な判断力なんだ‼︎
二人共何と戦ってるんだwwww
繰り広げられる心理戦
──
────
──────
【事務所の廊下】
のあ「……!」
のあ「(廊下のど真ん中に猫耳が落ちている……。これは何、何かの罠??)」
のあ「……??」ヒョイ
のあ「(まあ、芸能事務所ともなれば廊下に猫耳の一つや二つは落ちていて当然なのかな。この前も眼鏡とか八つ橋とか撒きびしとか落ちてたし)」
のあ「(それにしても可愛い…、コレ。なんか特別な意思が籠っている感じがするわ)」ジロジロ
のあ「(……!)」ピーン!
スタスタスタスタ
ガチャ バタン
━━━━━━
【女子トイレ】
のあ「……」カポッ
のあ「(あぁ…、似合う似合わないは置いておいて、やっぱ良いわね。こういう趣向……)」チラッ
のあ「…………にゃー?」クイッ
のあ「(猫、猫キャラかぁ…。ウチの事務所でもそういう方針というか、キャラ付けの子って居るのかなー…。居たら是非ともファンになってあげたい)」
のあ「にゃん……、にゃぁ?」
のあ「ぅぅー……ふしゅーっ」
のあ「……」
のあ「……ふふふ」
のあ「(私の柄じゃないかな……フフッ。ここまで死にたくなったのは久しぶり……)」
のあ「(いい歳した女がこんな恐ろしい真似してるトコロを誰かに見られたら、もう舌噛み切って自殺どころの醜態じゃない…。地獄すら生ぬるい。輪廻転生すら恥ずかしくて出来ないわ)」
のあ「………」
のあ「にゃぁー」
キィ…
のあ「(ッッ!?)」バッ!
蘭子「…………ぁっ…」ガクガク
のあ「」ピシィッ
ぴっ
ぁっ
深淵を覗いたな?
不憫だなぁ蘭子
蘭子「か、混沌(カオス)より這い出し、お、大いなる災厄(ディザストロ)…………(訳:た、高峯さん……)」ガクガク
のあ「…………」
蘭子「ソの、そそ其の方の、け、猫妖族(ケットシー)の宝具は…………」ガクガク
のあ「…………」
蘭子「み…、み、みくちゃんが、さ、探して………ま、ま、まっ……………」ガクガク
のあ「…………」
のあ「………………にゃ」スッ
蘭子「ヒッ」ビクゥ!
蘭子「アヒッ……、す、すみま………ぁぅうわあああァァーーーーーっっっ!!」ダッ!
ガチャ! バタン!
タタタタタタタタ! ドテッ!
のあ「………………」
のあ「……………………」
のあ「…………………………アッ」
━━━━━━━━━━
【男子トイレ】
P「~~~……♪」
アアアアアアアァァァーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
ニャアアァァァァァァオオオオォーーーーーーーー!!!
P「っ!?」ビクッ!
P「な、何だ!? 女子トイレの方から猫と思わしき美声が………っ!?」
──────
────
──
今日はここまで。
後日、できれば明日完結させます。
>のあ「(いい歳した女がこんな恐ろしい真似してるトコロを誰かに見られたら、もう舌噛み切って自殺どころの醜態じゃない…。地獄すら生ぬるい。輪廻転生すら恥ずかしくて出来ないわ)」
わくわくさんニ謝れよ
ここまで死にたくなったのは久しぶりにちょっと吹いた
ライトニングさんみたいなのあさんすき
ここののあさんはなんでこうも愛おしいんだろうw
何言ってるんだ?のあさんは常に愛おしいだろ
電車の中で見たのは失敗だったわw
美優さんの画像貼り忘れた
三船美優
http://i.imgur.com/o5fH8KU.jpg
──
────
──────
【事務所】
真奈美「はい、どうぞ。熱いから気を付けて」コトッ
のあ「ぁっ」
のあ「……有難く頂戴するわ」
のあ「……」ズズズ
真奈美「(……)」ズズッ
真奈美「時に…、のあ?」
のあ「……何かしら、真奈美」
真奈美「先日美波が事務所で、君から貰った料理の事を嬉しそうに話していたが……」
真奈美「君は、家事とか結構するタイプなのかな?」
のあ「(……!)」
のあ「(ふふふ……私の女子力が早くも日の目を浴びたわね。良い働きするじゃない、あの子…)」
のあ「…………ええ。人並みの技量は持ち合わせているつもりよ」
のあ「仕事柄、己の体調管理に常に気を配るのは至極当然。高みに臨むなら、尚の事……」
のあ「(いま私、何をテキトーに喋ってるんだろ。もう頭真っ白だわ……)」ドクンドクン
真奈美「へえ……。まだ仕事を始めて間もないのに、ストイックなんだな」
真奈美「(…………面と向かって話を聞くのは初めてだが、彼女の仕事観念はかなり高い。ただ些か堅いというか、もう少し踏み入れないものか……)」
真奈美「……自慢するほどじゃあないが、私もそれなりに料理の嗜みがあってね。夏場はやはり外見に気を配って節制する事が多いんだが…」
真奈美「秋から冬にかけてのこの時期は、その反動で少し摂り過ぎる事があるんだ。肌が見えない季節の油断というか、食欲の秋を言い訳にしてしまうというか」
のあ「(……)」ボー
真奈美「特に冬場は体型維持が大変だろう? のあも特に食事や運動に関して気を付けている事とかあるのかい?」
のあ「(考えたこともないわ。色々美味しい季節だし……)」ボー
のあ「…………鍋物とか…」
真奈美「うん。鍋……………………、………………なべ??」
のあ「(…っ!? しまった、またテキトーな発言を……!)」ビクッ!
真奈美「あ、ああ。そういう事か」
のあ「…………?」
待ってた!待ってたぞ!
真奈美「鍋は、野菜を中心に過不足なく栄養を摂取出来る。量を減らさず体に気を遣ったダイエットとしても巷では知られているな。油を使わず茹でるという調理法だけ見ても、割と良心的だ」
のあ「……そうなの?」
真奈美「うん。白菜・春菊・葱といった糖質の少ない葉菜類や、豆腐・揚げといった良質タンパクの大豆製品、春雨・しらたきといった低カロリー食品。これらだけでも十分栄養価の高いラインナップで食卓を彩ることが出来る」
のあ「……へえ」
真奈美「無論、肉もそうだ。ささみやつみれなど低脂肪な鶏肉こそ主役に輝く料理だし、豚や牛であっても肉類に含まれるタンパク質や脂質は筋肉量を維持したり体をつくるために大事な要素だからな。糖質は少ないし、それらを普通に食べても太るという事はあまり無い」
のあ「……肉……コレステロールは?」
真奈美「……そもそもコレステロールとは血管を修復し動脈硬化を防ぐ役割を持っているのであって、本来、そう邪険に扱われる程の物ではないんだよ。まあ……といって食べ過ぎると腎臓に負担を掛けたり悪玉コレステロールが貯まる訳だから、適量摂取が望ましいな」
のあ「……うどんや米は? 炭水化物だけど」
真奈美「あぁ……シメには捨てがたいね。……実に」
のあ「……そうね」
真奈美「まあ、炭水化物・糖質は体型に悩む女性諸君の一番の大敵だが………、全くそれらを摂らないと将来的に悪玉コレステロールが貯まりやすい体になったり、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクが増加したりと、医学的に健康面で懸念される一説もある」
真奈美「何より炭水化物は1日のエネルギーになるからね。量を減らすにしても、『夜はあまり食べない』くらいの意識に留めておくのが良いんじゃないかな?」
真奈美「体型維持も大事だが、体を壊してしまっては元も子もない。過不足なく、偏りを無くすという事が重要なのさ」
真奈美「しかし、鍋か…。確かにバランスは大事だな。早速今夜作ってみよう」
のあ「(…………………………)」
━━━━━━━━━━
【夜 吉野家】
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
のあ「あっ、はぃ。牛丼並と卵と味噌汁……」
のあ「(…………要するに…)」
のあ「……」ゴクゴク
のあ「…………」
店員「お待たせしました。こちら牛カルビ丼並と卵と味噌汁になります」カタッ
店員「以上で全てお揃いでしょうか?」
のあ「あっ、はぃ」
店員「ごゆっくりドウゾー」スタスタ
のあ「(……食べたい物を食べたい時に食べるのが、一番イイって事よね)」
のあ「(……今日は真奈美さんとたくさんお話し出来た。話には半分しか付いていけなかったケド)」モグモグ
のあ「(…………ふふふふ…)」モグモグ
──────
────
──
長ぇwwww
栄養バランスの話してたんだからサラダも注文しようぜ
果たして彼女が注文通りのものを渡される日は来るのか
──
────
──────
【夕方 事務所】
のあ「(はー、今日もレッスン疲れたなあ)」スタスタ
のあ「(帰りは吉野家で牛皿でも持ち帰りにして、酒の肴にしよ)」
のあ「(ふふっ……ふふふ………)」ニヤニヤ
ガチャ
のあ「(あら……誰もいないのかしら?)」スタスタ
のあ「(……!!)」
のあ「(プロデューサーの机の上にあるの……、コレ私がこの前に撮りに行ったところの雑誌の記事だわ)」スッ
のあ「(こういう風にあらかじめ発売前に所属事務所に届く下書きみたいのって、組み板って言うんだっけ)」
のあ「(まあ何にせよ、誰よりも先読み出来てオトク感満載ってことね)」スッ
のあ「(ちゃんと皺無く映ってるかしら……?)」ピラッ
【寡黙の女王 高峯のあ】
【艶やかな銀髪を風に遊ばせ、貫くようなサディスティック目線で道行く男子をみな虜に】
【ノームコアでオトナの雰囲気を演出。ダークカラーのジャケットを羽織り、ワントーンコーデで旬を着こなす】
ガチャ
P「あっ、高峯さん。お疲れ様です。レッスン終わったんですね」
P「ああ、俺の机の上にある記事に目を通しましたか? 抜群にキマってますよ」
P「……?」
P「高峯さん、どうしました? 顔真っ赤にして金魚みたいに口ぱくぱくさせちゃって……」
P「高峯さーん? 聞いてますー??」ヒラヒラ
>>119の発言で初めて全部注文通りじゃないのに気づいたwww
店員さんワザとだろ…
かわいい(かわいい)
この雰囲気好き
けどこの店員は間違い無くクビになる
間違ったメニューが来ても訂正出来ないのあさんに親近感を感じる
大盛が並盛に、牛丼がネギ玉牛丼に、牛丼が牛カルビ丼に
どんどん間違いが酷くなってない?ww
のあ「」
のあ「(な、何なのだこれわ……どうすればいいのだ………!?)」プルプル
のあ「(寡黙な女王……サディスティック……の、のーむこあ……?)」プルプル
のあ「(に、24歳で寡黙なサディスティックな女王なのーむこあって、一体どの層に需要があるの? は、恥ずかしいにもほどがあるわ……!!)」プルプル
のあ「(私のイメージって、こんな感じなの…? 寡黙は分からなくもないけど、でもいつも頭真っ白でも死ぬ気で頑張って一応会話は成立してると思ってたし……)」プルプル
のあ「(というか……、女王、サディスティックとは一体……。浦島太郎が竜宮城から帰ってきたら地上が世紀末だったくらいの衝撃だわ。私の外観にどんなレボリューションが巻き起こっているの……?)」プルプル
のあ「(のーむこあ……の、のーむこあ………………???)」プルプル
のあ「(こ…、これが周囲からの私の評価ッ……!)」ガーン!
のあ「(…………)」
P「その見出し、向こうの編集が付けたんですよ。高峯さんはどう思います?」
P「『寡黙の女王』は貴女のイメージに合っていると思ったんですけど……、はははっ………。『サディスティック』は流石に過激な物言いですよね。すみません……」
P「次からはこちらからも、見出しや煽りの要望とか雑誌の編集に逐一問い合わせるので、何か高峯さんも意見があれば……」
のあ「…………」
のあ「………………ゼ」
のあ『────是非も無し────』
のあ『────外聞とは表層に表れる形質に過ぎない。我が崇高な意思(オモイ)が憚られるのは、世(セカイ)の理において必定とも言える────』
のあ『────然とて、詮無き事と絶望に身を染める必要は非ず。嘆きはすれど、後悔はしない。私に残された刻(トキ)は既に無いに等しいのだから────』
のあ『────世(セカイ)の理に爪を立て、亡びの風に身を委ね、叛徒と共に牙を研ぎ、朽ち逝く栄枯の舞台の上で、見果てぬ偶像の夢を追う─────』
のあ『────道化に興じ、戯曲をなぞる。それが今の私に為せる、強敵(トモ)への手向け──────』
P「……」
P「…………」
P「た……、高峯さん……? なんか無理やりイメージに合わせようとしてませんか?」
のあ「(…………)」
P「よ、よく分からなかったですけど……つまり……、『気にしてないから、今後もよろしく』ってことですね?」
のあ「…………」
のあ「…………」コクン
──────
────
──
──
────
──────
【高峯宅】
のあ「あ゛ぁ~……」
のあ「やっぱり冬は養命酒だなぁ。まずいけど、これ効くのよねぇホント。末端冷え症には欠かせないアイテムよ」
のあ「……さあて、ご飯食べて今日は早めに寝よ……」
のあ「……」ガチャ
のあ「…………あっ。もう何も冷蔵庫に無いわ。ビールすらない」
のあ「……仕方ない。遅いけど買い出しに出かけよう」
のあ「この時間だと、半額弁当とか割引惣菜がまだあるかもしれないわね……」
ああああああああああああ!
ああああああああああああ!ああああああああああああ!ああああああああああああ!ああああああああああああ!ああああああああああああ!
のあさん!!!!!膣内に射精すぞっっっ!!!!!!!!
>>128
おいっ、その爪楊枝しまいな
━━━━━━━━━━
【スーパー】
のあ「(流石に半額弁当は無かったか。まあ仕方ないわね)」ウロウロ
のあ「(うどん~、うどん~……っと)」ガサッ
真奈美「……」
美優「……」
のあ「(…………!?)」ビクッ!
真奈美「やあ。奇遇だね」
美優「今晩は、のあさん」
のあ「(ば、馬鹿なっ…………年上が、二人……ッ!!)」
のあ「こ、こんばんハ」
真奈美「これから夕餉の買い出しかい?」
のあ「……そうね。献立を悩んでいた所よ」
美優「うどん?」
のあ「……エエ」
美優「……!」
美優「そうだわ。もしのあさんの都合が良ければ……」
のあ「え?」
美優「今日これから真奈美さんとウチで鍋を囲む予定だったのだけれど、一緒にどうでしょう?」
のあ「(!!!!)」
のあ「い…………いいのかしら、お邪魔して」
真奈美「大勢で卓を囲む方が美味しいし場も盛り上がるだろうさ。私は美優の意見に賛成だ」
のあ「で…………でも今持ち合わせがないの。残念だけど……」
美優「気にしなくていいですよ」
のあ「……」
のあ「(…………)」
━━━━━━━━━━
【三船宅】
のあ「(あぁ~…………)」モゾモゾ
のあ「(1DKのマンション……広い……)」モゾモゾ
のあ「(部屋、すっごいイイ香りがする……なんの香りだろ。玄関に合った割り箸みたいな芳香剤も良い香りしたし)」
のあ「(これが本当の女子の家なのね。それにしても私、コタツで温まって何も調理してないけどいいのかしら……)」
のあ「(というか、二人とも多分私の数十倍は料理上手だわ。真奈美さんなんか一品持ち寄ってるし。なんだろこのアルミホイルでムール貝とか魚とか包んでるやつ……)」
のあ「(あぁ……私なんか本当に来て良かったのだろうか)」モゾモゾ
割り箸みたいな芳香剤ってなんや?w
多分マタタビとか白檀みたいな奴
芳香剤じゃなくて芳香効果のある木材じゃね
>>133
フレグランススティックのことじゃないかな
スティックタイプのやつじゃないん?
液状の瓶に刺すやつ
軽くググッたけどこういうの
http://iemo.jp/6705
香竹のことじゃ無いのか
匂いをしみこませた竹で、和風のインテリアみたいな奴
>>135
ググッたら本当に割り箸みたいだなww
ありがとう
真奈美「お待たせ」スッ
のあ「(……!)」
真奈美「今日は水炊きだよ。手羽先に屑切り、キャベツに水菜に……あとは見ての通りだ」
真奈美「適当な食材を用意した。何を入れても美味しく仕上がるのが鍋の魅力で醍醐味だからね」
のあ「……そうね」
美優「よいしょ、っと」
美優「じゃあ、まず乾杯しましょうか」
のあ「……!」
のあ「(飲むんだ……。こんなに綺麗な人なのに……)」
真奈美「じゃあ私は焼酎で」
真奈美「のあは?」
のあ「私は……いいわ、別に」
美優「お酒飲めない人ですか?」
のあ「いえ……、そういう訳ではないわ」
美優「遠慮しないで下さい。私はビールを…」
のあ「……じゃあ、同じで」
美優「はい、どうぞ」スッ
真奈美「……(酒、飲むんだな)」
美優「……(失礼かもしれないけど、全然イメージが湧かない)」
のあ「(…………)」カシュ
真奈美「じゃあ……美優?」
美優「はい。今日も一日お疲れ様でした。かんぱいっ」
のあ「……乾杯」
━━━━━━━━━━
のあ「……美優もなの?」
美優「はい。私も貴女と同じで、街中であの人にスカウトされたんですよ」
美優「正直戸惑いました。20代の折り返しを過ぎた、なんの取り柄も無い私みたいな女性がアイドルだって」
真奈美「……まあ、正気の沙汰ではないよな」クイッ
美優「でも、あの人の目は本気だった。お茶のついでに冗談で言ったようには見えなかったんです」
のあ「……」グビッ
美優「この世界に入って、色々な活動に触れて、少し楽しくなってきて……。おかげで、自分に自信も持つことも出来た。今では本当に感謝してます」
美優「ふふっ…。でもまさかテーマパークのお仕事で虎のコスプレをさせられるとは思わなかったけど」
のあ「……そうなの?」
真奈美「存外馴染んでたぞ? 似合ってた似合ってた、うん」
真奈美「のあ、その時の写真見るかい?」カチッ
のあ「ええ、是非とも拝見したいわ」
美優「ちょ……、ちょっと真奈美さん!」
真奈美「いいじゃあないか。こういうものは後々笑い話として咲かせることが出来るから全力で取り組めるんじゃあないか」
真奈美「我々の活動もそうだ。一見無為に見える物も、全て何処かで繋がっているのさ。説法の類じゃあないがね」
真奈美「女性の旬は短い。だからこそ、一瞬一瞬の時を大切に、その時の華を美しく彩り、思い出として輝かせるのさ。この鍋の具材のように…」
のあ「……鍋?」
真奈美「フフフ……。すまない、テキトーな事を言ったよ」
真奈美「私が話すとどうも辛気臭くなってしまうなってしまうから、こういうユーモアを取り入れていきたいんだが、如何せんまだ要領が掴めない」
真奈美「ホラ、これがその写真だ」スッ
のあ「…………へえ」
美優「!!」
美優「だ、だからって私の写真を話のネタにするのはやめてくださいっ」
真奈美「自分が切り出したんじゃあないか。私はそれに乗ったまでだよ」
のあ「そうね」
美優「……」
のあ「……良い表情ね。とても」
美優「あ、ありがとうございます」
のあ「両脇にいる若い子に負けないくらい、輝いていると思うわ」
美優「流石に……もうこの歳じゃあ若い子達のエネルギーには勝てませんよ」
のあ「……そうかしら?」
のあ「……私はまだこの世界に足を踏み入れて僅かしか経っていないし、そういった機微は掴めていないけど……」
のあ「そういう垣根は考えたくないわ」
美優「……のあさん?」
真奈美「……確かに、年齢というアドバンテージが占める割合は大きい。身体的な能力でも我々が劣る部分もあるかもしれない。勿論、仕事の需要の差もあるだろう」
真奈美「特に若さ故、失敗を恐れず突き進む挑戦心や向上心、そして伸びしろや……目には見えない活力のようなものが彼女達には漫然と備わっている」
真奈美「羨ましい限りだね。だが、我々にしかないものも当然ある」
美優「…それは?」
真奈美「オトナの余裕ってやつだよ、美優」
真奈美「有り体に言ってしまえばそれは精神的余裕。人間関係や世間との距離感や機微を上手に図ることであったり、仕事に向かう達観した意識を持っている事でもある」
真奈美「年齢的に追い詰められるという事は、逆に言えば、道が絞られるという事でもあるのさ」
のあ「……諦観かしら?」
真奈美「無論、違う。瑞樹さんや菜々さんのように一貫したスタイルや情熱を注ぎ仕事に取り組む者もいれば、私のように自分の実力に見合った範疇で仕事を受ける者もいる」
真奈美「何事も前向きに捉えるんだ。自分の活動に対しての姿勢が決まっているというのは、立派なアドバンテージさ」
真奈美「良い意味で、それらは若い世代の彼女達には刺激になっているんだと思うよ。無限に可能性を秘めている彼女達のお手本になれていると考えたらどうだい?」
真奈美「我々もやりがいを持って活動が出来るだろう?」
美優「うーん、私が皆のお手本になれるかしら?」
真奈美「なっているさ。十分に。自分では気づきにくいけどね、こういう事は」
真奈美「のあはどう思う?」
のあ「……」グビッ
のあ「……私は、まだ色々試してみたいわ。美優みたいな可愛いコスプレとかも面白そうね」
真奈美「そうだね。仕事の幅を増やして、自分にあう道を模索するのも悪くないな」
美優「わ、私の事を変な基準やお手本にするのはやめて下さい……」
のあ「……何より……」
のあ「……私は、まだ若いしね」
のあ「…………」グビッ
のあ「………」←【24歳】
真奈美「……」←【25歳】
美優「………」←【26歳】
色々台無しw
のあ「(…………あっ!)」
真奈美「ほほう。なかなか不遜な物言いをするじゃあないか、のあ?」
美優「わ、私だってまだまだこれからですっ! やり残した事とか沢山あるんですから!」
のあ「ジ…………、冗談よ。違うの。別に皮肉を言ったわけじゃあないの」
真奈美「さっきから私達より酒が進んでいるのは、そういった優越感から来る自信の顕れかな?」
のあ「まあ、それは…………このお鍋が美味しいからよ」
美優「あら。年上に気を遣ったお世辞ですか、のあさん?」
のあ「(……)」
美優「ふふっ、冗談ですよ」
のあ「……美優にそんな剣幕で話されたら、心臓に悪いわ」
真奈美「ははは……。少し大人げなかったな。済まない」
真奈美「まあ、今日は大人3人、親睦を深めるという事で存分に飲もうじゃないか」
真奈美「(………揺さぶったら案外弱い面もあるのか、彼女)」
美優「(可愛らしい所もあるのね…)」
のあ「(し、死ぬかと思ったわ……)」ドキドキ
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真奈美「お酒の場で語らって発散できるというのも、若い子には出来ないオトナの楽しみ方の一つさ」クイッ
真奈美「……それにしても、割と飲めるな。君」
のあ「……そうかしら?」グビッ
美優「ふぅ」
美優「あまり飲み過ぎて体調を崩しても大変ですから、私はこの辺でやめておきます」
のあ「……」グビッ
真奈美「のあ。この前の話の続きじゃあないが、ビールの麦芽は糖質の塊だぞ? そんなに飲んだら太るんじゃあないか? せめて焼酎に……」
のあ「……大丈夫よ。私、食べても飲んでも太らない体質なの」
美優「あぁ、よくウチの事務所にも居ますよね。その体質は本当に羨ましいです……」
真奈美「歳を取ったら体に響いてくるんだ。何事も、無理はしない方が良いさ」
のあ「……構わないわ」
のあ「……だって、楽しいんですもの」
美優「(……!)」
真奈美「(!!)」
のあ「ふふふ……」グビッ
のあ「その一瞬一瞬の時を大切に、でしょう? 真奈美……」グビグビ
真奈美「……ああ。そうは言ったが……」
美優「(ちょっと語弊が…。それはギャンブルのように自暴自棄染みた、破滅的思考の一種なんじゃないかしら……)」
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のあ「ぐー……すぅー……」
真奈美「……」
美優「……」
真奈美「……じゃあ彼女も寝てしまったし、お開きにして私達は後片づけを始めようか」
美優「そうですね。こんなに気持ちよく寝ていたら、起こすのは忍びないですし……」
のあ「すー、すー、すー……」
美優「ふふっ。可愛い寝顔ですね」
真奈美「……『楽しい』、か。寡黙で表情の変化に乏しい彼女にそう言われると……」
真奈美「……何だか、少し嬉しくなってしまうな」
美優「こそばゆく感じてしまいましたね。彼女が楽しんでくれたなら、誘った甲斐がありました」
真奈美「……」
美優「普段は知らない彼女の一面を垣間見れた気がします。今まで少し距離を感じていましたが……彼女も私達と同じなんですね」
美優「『寡黙の女王』でも『ミステリアス』でもない……普通の一人の女性なんですよね」
真奈美「酒の場は、その人となりが見れるというか、違った様相がほの見えるから奥が深いよ」
真奈美「今日は彼女との距離が少し縮まった気がするな」
美優「そうですね」
真奈美「……さて、じゃあ片付けよう」
美優「……はい」
木場さんにもナチュラルにさん付けされる菜々さんとかいうベテラン
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【翌日 レッスンルームの扉の外】
真奈美「……」
美優「……」
真奈美「……」チラッ
美優「……」ジー
真奈美「しまったな……。酒を勧めてしまって悪い事をしたかもしれない」
真奈美「彼女、今日はレッスンがあったのか……」
美優「でも入ってまだ一ヶ月もしないうちに、有名アイドルのバーターとしてバックダンサーを務められるなんて、凄いですね」
美優「見て下さい。昨日ビール500ml缶を7本空けた人とは思えないほど、動きが軽やかですよ」
真奈美「う、うん……。まあ好調ならいいのだが……」
のあさん体力に不安はあっても太る心配はないんやな
ガチャ
のあ「……」
美優「お疲れ様です、のあさん。良い調子ですね」
真奈美「休憩かい?」
のあ「……ええ、ちょっとトイレに……」
スタスタスタスタ
美優「……」
美優「あれだけ激しく動いていたのに汗一つかかず、表情すら一切変えず……」
美優「凄いですね。彼女よりアイドル歴が長い私でも、あそこまでは到底……」
真奈美「私もさ。若さと言うより、あれは彼女が持つ天性の才能なのかもしれないな」
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【女子トイレ】
のあ「オエエエっ……! お、おえええええっ……」
のあ「ハー、ハー、はーっ……」ガコン
ジャーーーー
のあ「(飲み過ぎた…、昨日間違いなく調子に乗って飲み過ぎた……)」
のあ「(若いからイケるとか少しでも思った自分が愚かだった……)」
のあ「はー…。アッ……、ンふー、フゥー……」
のあ「…………お酒、やめよう……」
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──
しってた
──
────
──────
【オマケ】
【事務所】
ガチャ
みく「おはようにゃーっ♪」
P「おう。おはよう、みく」
みく「ふぅぅ。もう外はすっかり冬の冷え込みにゃ」
みく「猫は寒いのがキライなのにゃ。Pチャン、暖房をはやくつけてにゃあ!」
P「はいはい待て待て。さっき付けたから、もうすぐ暖かくなる筈だ」
みく「フー……ふんふん♪」
のあ「(……!)」バサッ!
のあ「(かっ、可愛いっ! な、なんなのあの子……!)」ドキドキ
のあ「(大きくクリクリした目に、愛くるしい八重歯。艶のある栗色の髪…! かわっ…、てっ、天使…!?)」ドキドキ
のあ「(ね、猫耳っ! 事務所の外から付けてきたというの? 若さ故の恥や外聞の無さ、何という強靭なメンタル……!)」ドキドキ
のあ「(『にゃ』って言った!? 語尾が……語尾まで猫になりきるなんて。しかも仕事じゃなくて、事務所で……。あの歳で、なんというシビアに徹底したスタイル……!!)」
のあ「(可愛い……! 是非ともお近づきになりたい。どうすれば……)」
のあ「……!」
のあ「(そうだわ……アレを使えば…!)」ゴソゴソ
これはアカン
みく「……!」
みく「(向こうのソファにいるのは、確か……)」チラッ
みく「……ンッ!?」
のあ「(…………)」チラッ
のあ「にゃぁー」
のあ「ふふふ…………にゃあ♪」ニヤリ
のあ「(…………)」ニヤニヤ
みく「」
みく「(あ、あの猫耳……、みくが前に事務所で無くしたやつにゃあ!!)」
みく「(な、何故あの人がそれを………というか、明らかに猫のポーズでコッチを意識してる!!)」
みく「(不遜な表情で、にやにやしながら不気味に笑いかけてくるにゃぁ……!!)」
みく「(挑発……そこはかとない敵意を感じるっ! まさか、あの人も猫キャラを……!?)」
のあ「にゃぁー…………」ニヤニヤ
みく「(み、みくのアイデンティティが奪われる危機にゃあ……。ま、守護らねば……!)」
みく「クッ……、くぅ……負けないのにゃ……!」
のあ「(……)」
のあ「(コッチ来ないかなぁ……。可愛い……♪)」クイクイッ
終わる
以上です。ありがとうございました
最後滅茶苦茶駆け足でした。もう体力が持たないんで、この辺で終わりということで。
キャラ崩壊申し訳ありません。HTML化依頼出してきます。
のあさんと牛丼は何も接点がありません。本当に失礼しました
にゃんにゃんにゃん結成待ったなし!
乙
にゃんにゃんにゃん編待ってる
おつ乙!
もう終わりか残念すぎる
また書いてくれ乙
こういうの好き
切れ味あってよかった
おつかれさま
この残念のあさんが天体観測をしてるとこが想像できないから、
アーニャとどうやって仲良くなるのか気になる
乙
蘭子の中ののあさんは恐ろしい存在になってそうなw
乙
ダメダメのあさん可愛い
>>164
酔い覚ましに外で涼んでたら星見てると勘違いされたとか
絶妙なライトニングさん路線だった
乙
お包み
>>164
牛丼の形の星座でも探してたんだろう
今のあさんの注文と店員の持ってきた物が全部違うことに気づいたww
ネタが細かすぎて気が付かないww
乙!
乙乙
乙!
終わりなのか…乙
乙です。
のあさんにまだキャラ崩壊の方向があったことにポテンシャルの高さを感じる
乙
このポンコツさんがどんなトンデモ勘違いでみくにゃんを手玉に取るのか見たかったのにーww
乙
新しい可能性を見た
乙!
すっごい面白かったww
乙
続き期待してる
乙乙
自分の中でもわりとのあさんてこういうキャラだった
すごい楽しめた
これで終わりなのが残念でならない
乙
のあさんすき……
>>1000まで書いてくれると勝手に思ってたから喪失感がヤバイ
続き期待してる乙
え?なんで終わりなんや!
ゆっくりでもいいからもっと書いて欲しかった
こののあさんはポンコツというにはちょっと違う気がするが
可愛いことは間違いない
もっと続いて欲しかった
乙乙
にゃんにゃんにゃん結成まで読みたかったが乙!
続きマダー?
最高
一気見した
映画のエキストラの伏線回収はなし?
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