一部安価あり
妹「起きて?」
男「Zzz……」
妹「起きてよー」
男「Zzz……」
妹「ねえ、起きてってば~」
男「Zzz……」
妹「…………」
妹「もぅしょうがないなぁ、お兄ちゃんは」
妹「今から10秒以内に起きないとお兄ちゃんにいたずらをします」
妹「カウントスタートっ」
男「Zzz……」
妹「10……9……8……」
男「Zzz……」
妹「7……6……5、4、3、2、1、0ーっ!」
妹「はい、残念でしたー。宣言どおり今からいたずらしちゃうからねー」
モゾモゾ
男「……ん?」
男(布団の中でなにかが動いてる……?)
フニフニ
男(やわらかい。なんだろこれ)
妹「ひゃんっ」
男(ひゃんっ?)
妹「も、もぅくすぐったいよ。お兄ちゃん」
男「え? 妹?」
妹「えへへ、おはよう。お兄ちゃんっ」
男「どうして妹がオレの布団の中に?」
男「って、そんなことより今の時間は……」
『9:10』
男「…………」
妹「おにいちゃん?」
男「遅刻じゃねえかああああああああ!!」
~教室~
男友「えへへ、おはよう。お兄ちゃんっ」
男「死ね」
男友「ひどっ! 親友にたいして第一声が『死ね』って、人としてなんか間違ってないですか!?」
男「間違ってない。なぜならおまえは親友じゃないからだ」
男友「オレ、泣いていいですか?」
幼馴染「あいかわらず朝から騒がしいわね、あんたたち」
男「幼馴染、なんで今朝起こしてくれなかったんだよ。おかげで遅刻だよ」
幼馴染「男には妹ちゃんがいるじゃない。今日は起こしてくれなかったの?」
男「起こしてくれたよ、一限目が始まる時間に」
幼馴染「あちゃ~」
幼馴染「妹ちゃんは男を甘やかすところがあるからねー。今回はそれが裏目にでたかー」
男友「あのさぁ男、一つ言っていいか?」
男「なんだ?」
男友「おまえ、ぜいたく言い過ぎ」
男「は?」
男友「妹ちゃんに起こしてもらえるだけでありがたいと思えよ。この幸せもんがっ」
男友「オレなんかなぁ、オレなんかなぁ……毎日目覚まし時計なんだぜ」
幼馴染「そうよ、あんた恵まれてるわよ。妹ちゃんみたいな優しくてかわいい妹がいるんだから」
男「かわいいって……そんな大げさな」
幼馴染「あんた知らないの? 妹ちゃんってけっこうモテるのよ」
男「そうなのか?」
幼馴染「はぁ……あんたも少しは周りのことに興味を持ちなさいよね」
幼馴染「妹ちゃん、今年に入ってからもう5人に告白されてるのよ」
男「そ、そんなに!?」
幼馴染「わたしの予想だと12月までに10人は超えるわね」
男「それでOKしたのか?」
幼馴染「するわけないでしょバカ」ボソッ
男「え?」
幼馴染「なんでもないわよ」
ガラララッ
妹「あの、お兄……男先輩はいますか?」
男友「おっ、ウワサをすればなんとやらだな」
クラス男子「男~。妹さんが呼んでるぞ~」
男「なんだろ」
幼馴染「早く行ってあげなさいよ。あの子、待ってるわよ」
男「おう」
妹「あっ! お兄……男先輩」
男「もういいぞ。周りにはだれもいないから」
妹「そ、そっか」
男「前から思ってたんだが、そんなに気にするようなことか?」
妹「だってはずかしいんだもん。人前でお兄ちゃんって呼ぶの」
男「よくわかんねーな」
妹「べ~~~っだ! お兄ちゃんには乙女心は一生理解できないですよーだ」
男「なんだよそれ」
妹「なんでもないもんっ」
男(なに拗ねてんだか……)
男「で、俺になんの用だよ?」
妹「あ、そうそう。はい、これ」スッ
妹「お弁当。お兄ちゃんに渡すのすっかり忘れてたよ」
男「…………」
男(オレってたしかに恵まれてるかもな)
男(たまには感謝しておくか)
男「妹」
妹「ん?」
男「その……毎日ありがとな」
妹「どうしたの急に?」
男「なんとなく」
妹「ヘンなお兄ちゃん」
キーンコーンカーンコーン
妹「あっ、いっけない! 教室にもどらなきゃ!」
妹「お兄ちゃ~ん! 今日のお昼も屋上だよ~!」
男「…………」
男「……ぷっ」
男(怒ったり笑ったり忙しいやつ)
キーンコーンカーンコーン
幼馴染「男は今日も妹ちゃんとお昼食べるんでしょ?」
男「そのつもり」
男友「なぁ男、オレもご一緒していい?」
男「別にいいけど」
男友「流石は親友。話がわかるぜ!」
幼馴染「あんたはこっち」グイッ
男友「じゃ、邪魔すんじゃねえっ! オレは妹ちゃんと最高の午後のひと時を満喫するんだぁー!!」
幼馴染「ダメに決まってんでしょ。あんたがいると妹ちゃんが余計な気を遣うでしょうが」
男友「いーやーだあああああああ!!」
ズルズル
男「…………」
男(気を取り直して屋上に行くか)
~屋上~
男(あれ? 妹のやつ、まだ来てないみたいだな)
男(しかたない。ちょっと待ってやるか)
ヒョイッ
?「だ~れだ?」
男(目の前が急に真っ暗になった。これは目隠しだな)
男(またベタなマネを……こんなことをやるのは俺の知ってる中で一人しかいない)
男(そいつの名前は……)
1、妹
2、幼馴染
3、俺を殺しにきたエリート暗殺者
4、未来の嫁
5、自由安価
安価↓2
そう、僕だ!
ここは無難に妹にしておこうよ
取り敢えず幼馴染出すのやめろ
男「ったく、いたずらもほどほどにしろよ」
男「妹」
妹「すごーい! なんでわかったの?」
男「バカ。俺はおまえの兄貴なんだぞ」
男「それに、俺に向かってこんなバカげたことをするのは妹ぐらいなもんだ」
妹「えへへ」
男「なに笑ってんだよ」
妹「正解してくれてちょっと嬉しいかなーって」
男「正解したんだからなにかくれよ」
妹「なにかって?」
男「クイズには景品がつきものだろ。俺、PS4が欲しい」
妹「じゃあ、クイズに正解した記念にお兄ちゃんにはこれを進呈します」
男「なんだこの紙?」ピラッ
『賞状
お兄ちゃん
お兄ちゃんは第一回妹クイズで見事正解しました
よって、その栄誉をたたえこれを賞します
平成○○年×月△△日
お兄ちゃんの妹』
男「…………」
妹「おめでとう、お兄ちゃん」
男「いらねっ」ペイッ
妹「あ~! せっかく用意したのに~!」
男(期待した俺がバカだった)
妹「お味はどう?」
男「ふぉいふぃーよ」
妹「なに言ってるのかわかんないよ」
男「……んぐ」ゴクン
男「おいしいよ。おまえの作る料理はどれもうまい」
妹「えへへ、まだまだあるからいっぱい食べてね」
男(味は文句ないんだけど、いつも量が多すぎるんだよな)
男「げぷっ」
男「そういえば幼馴染から聞いたぞ。おまえ、しょっちゅう告白されるんだってな」
妹「幼ちゃんめ……余計なことを」ゴニョ
男「彼氏ができたらお兄ちゃんに紹介しろよな。将来俺の弟になるかもしれないんだから」
妹「そ、そんなのいないよ!」
男「またまた~照れるなって」
妹「別に……照れてなんかないもん」
男「嘘だろ」
妹「ウソじゃないもん」
男「おまえ、嘘ついたら語尾に『もん』ってつけるからバレバレなんだよ」
妹「そんなことないもん」
男「ほら、また言った」
妹「あぅ……」
妹「わたしはお兄ちゃんの面倒見るので手一杯だから、彼氏を作るヒマなんてないよ」
男「じゃあ、俺が彼女を作れば問題ないってことだな」
妹「え? どういうこと?」
男「俺が彼女を作れば、その彼女が代わりに俺の面倒をみてくれるだろ?」
男「そうすれば妹も俺の世話係からお役御免。晴れて自由の身になるってわけだ」
妹「…………」
男「ん、どした? 急に黙りこくって」
妹「ばーか」
男「は?」
妹「ばーか。ばーか。ばーかっ」
男「おいおい、子どもかよ」
妹「お兄ちゃんに彼女が作れるわけないでしょ」
男「……なんだって?」
妹「お兄ちゃんなんかに彼女が作れるわけないって言ったのっ!」
男「い、言ったなコノヤロ~!」
妹「地球の裏側を探してもそんな物好きは一人もいないですよーだ!」
男「くっそ~、今に見てろよ~! 彼女ができたら真っ先におまえに報告してやるからな!」
妹「べ~~~っだ!」
~教室~
男「男友、俺に女を紹介しろ」
男友「はい?」
男「女の知り合いを片っ端から俺に紹介しろ。顔や性格は問わないから」
男友「おまえ、頭打った?」
男「打ってない」
男友「なら、悪いものでも食った? 腐りかけのバナナとか賞味期限切れの牛乳とか」
男「なにか勘違いしてるようだが俺はいたって冷静だ」
男友「どうみても冷静には見えねーからっ!」
男友「そもそも俺に女の知り合いがいると思うか? いるんだったら逆にこっちが教えてほしいっての」
男「すまん、そうだったな。おまえにいるわけないもんな」
男友「そうあっさり納得されるとすげー悲しいんですけど……」
幼馴染「どうしたの?」
男友「男が壊れた」
幼馴染「どういう意味?」
男友「まぁ、実際に見てみればわかるさ」
男「幼馴染、ちょうどよかった。頼みたいことがあるんだ」
幼馴染「なによ?」
男「俺の恋人になってくれ」
幼馴染「へー恋人ねー、いいわよー」
幼馴染「……って男、あんた今なんて言った?」
男「俺の恋人になってくれ」
幼馴染「…………」
幼馴染「ふえぇっ!?」
幼馴染「な、なに言ってんのよ! あ、ああああんたは突然なにを言ってんのよ! そういうのは心の準備ってものが……///」
男「それか幼馴染の友達を俺に紹介してくれ」
幼馴染「……は?」
男友「だから言ったろ? 壊れてるって」
幼馴染「おーとーこー」グゴゴゴゴ……
男(この殺気は……まさか)
幼馴染「どーいうことなのぉ? わたしにもわかるようにちゃんと説明しなさぁい?」グゴゴゴゴ……
男「ひいっ!?」ゾクッ
男(殺られる!?)
・・・・
幼馴染「もう一発気合入れとく?」
男「けっこうです……」
幼馴染「大体ねぇ、あんたもムキになってるんじゃないわよ。子どもじゃないんだから」
男「ごめんなさい」
幼馴染「恋人っていうのはむやみやたらに作るものじゃないの。お互いの『好き』って気持ちが大切なんだからね」
幼馴染「これからはもうあんなバカなマネはしないようにね。わかった?」
男「もうしませんです」
幼馴染「なら帰ってよし。今日も校門で妹ちゃんが待ってるんでしょ? 早く行ってあげなさいよ」
男「幼馴染」
幼馴染「なによ」
男「ありがとう」
幼馴染「……ふんっ」
~校門前~
男「ごめん、遅くなった。ちょっと野暮用でさ」
妹「…………」
男「妹?」
妹「ぷいっ」
男「もしかして怒ってる?」
妹「怒ってないもん」
男「昼休みのことだよな?」
妹「怒ってないもんっ」
男(怒ってるじゃん)
男「その、悪かったよ。俺も子どもっぽかったというか、ムキになってたっというか」
妹「ぷいっ」
男「ちょっと言い過ぎたよ、ごめん」
妹「…………」
男「い、妹さん?」
妹「…………」
妹「……ごめんなさい」
男「え?」
妹「わたしのほうこそ……ごめんなさい」
男「許してくれるのか?」
妹「本気で怒ってたらお兄ちゃんのことを校門で待ったりしないよ」
妹「さっき拗ねたのはお兄ちゃんの困った顔が見たかったから」
男「ったく、おまえってやつは~」
妹「えへへ、でもこれで仲直りだね」
男「そうなのか?」
妹「そうだよっ」
ギューーーッ
妹「えへへ~、お兄ちゃんの背中~」
男「おまっ! いきなり飛びつくなよ。危ないだろうが」
妹「危なくなったらお兄ちゃんが守ってくれるからだいじょうぶ~!」
男「ったく、落っこちてもしらねえぞ。よっこらせ」
妹「おんぶしてくれるの?」
男「特別大サービスだ。今日だけだからたっぷり甘えとけよ」
妹「えへへ、今日のお兄ちゃんはいつもより優しいね」
男「うるさいっての」
妹「あはは、赤くなってる~」
妹「お兄ちゃんの背中って大きいね。いいにおいもする」
男「かぐなよ。汗くさいだけだぞ」
妹「そんなことないよ~! お兄ちゃんのにおいだもん」
男(どんなにおいだよ……)
妹「こうやってお兄ちゃんにおんぶされると、お父さんの背中を想いだすよ。わたし、お父さんの背中大好きだったな~」
男「…………」
妹「お兄ちゃん?」
男「父さんと母さんが今の俺たちを見たらきっとびっくりするだろうな」
妹「なんで?」
男「だって、俺たち昔は仲悪かったじゃん」
妹「昔のお兄ちゃんはいじわるでナマイキだったよね~」
男「そういう妹は泣き虫で根暗だったよな~」
妹「…………」
妹「かぷっ」
男「いだっ!? 頭に噛みつきやがったな!」
妹「だって……お兄ちゃんがいじわる言うから」
男「……ったく」
~自宅~
妹「お兄ちゃん、今日もバイトなの?」
男「おう、そろそろ行かなきゃな」
妹「お兄ちゃん、最近無理してない? 今日だって朝起きれなかったし」
男「してないって」
妹「…………」
男「そんな顔するなって。ほんとだいじょうぶだから」
ナデナデ
妹「……むぅ。すぐそうやってごまかす」
男(叔父さんには資金面で援助してもらってるけど、いつまでもそれに頼ってばかりもいられない)
男「それよりほら、仏壇にあいさつしとこうぜ。父さんと母さん、俺たちの話を聞きたがってるぞ」
妹「うん」
チーン
妹「…………」
男「…………」
男(今から5年前。父さんと母さんが事故で死んだ日)
男(大好きな父さんと母さんがいなくなって心のよりどころを失った妹は一人で家を飛び出した)
男(俺と幼馴染はもちろん、近所の人総出で妹を探し回った)
男(俺が見つけたとき、妹は死んだような目をして座っていた。表情のない瞳で俺を見上げていた)
男(昔の俺は今ほど妹と仲がよくなかった。悔しいけどあのころの俺では妹を支えるには力不足だった)
男(だから、俺は変わる必要があった)
男(妹を取り戻すために、俺は妹の新しい心のよりどころになる必要があったんだ)
~~~~
男「守るから」
妹「…………」
男「妹のことは俺が守るから」
妹「…………」
男「父さんと母さんの代わりに、これからは俺が守るから」
妹「…………」
男「だから……いっしょに帰ろう?」
妹「…………」
妹「……ちゃん」
妹「お兄……ちゃん」
男「妹?」
妹「お兄ちゃんっ!」
ギューーー
妹「死んじゃった……死んじゃったよ」
男「うん」
妹「お父さんとお母さん……死んじゃったよ」
男「うん」
妹「死んじゃったらもう会えないの? わたし、お父さんとお母さんにもう会えないの?」
男「うん、父さんと母さん、遠いところにいっちゃったんだ」
妹「やだ……やだよ。そんなのやだよ」
妹「うわあああああああああん!! お父さああああん!! お母さあああああん!!」
男「…………」
~~~~
男(妹が俺のことを初めて『お兄ちゃん』と呼んでくれた日。その頃から妹は俺に甘えるようになった)
男(妹が俺を必要としてくれた。俺だけを必要としてくれたんだ)
男(だから妹は俺が守る。妹のことを支えてくれる誰かが現れて、妹が俺の手元を離れていくまでは)
男(そうだよな? 父さん、母さん)
・・・・
男「じゃあ、いってくる。あんまり夜更かしすんじゃねーぞ」
妹「やだ、お兄ちゃんが帰ってくるまで寝ない」
男「寝ろ」
妹「やだ」
男「寝ろよ」
妹「やだよ」
男「寝ろったら」
妹「やだったら」
男「はぁ……」
男(一度言いだしたら聞かないなぁ。この頑固ものめ)
男「わかった、俺もなるべく早く帰ってこれるようにする」
男「だから、待つんならせめて暖かい格好で待ってろ。いいな?」
妹「うんっ! お兄ちゃんのためにあったかいご飯用意して待ってるね!」
男「はいはい」
男「それじゃ今度こそいってきます」
妹「いってらっしゃ~い!」
バタンッ
男「ふぅ……」
男(さて、今日も一仕事頑張りますか)
訂正
>>43
×男「わかった、俺もなるべく早く帰ってこれるようにする」
○男「わかった、俺もなるべく早く帰ってこられるようにする」
④
~男のバイト先~
店長「おーい、新入りぃ! 注文取るのにいつまで時間かかってんだー!」
男「今終わりましたー!」
店長「今終わりましたーじゃねえ!」
ポカッ
男「あいてっ」
店長「料理ができあがったってさっきから言ってんだろうが! さっさと運びやがれっ! 同じことを何度も言わせんじゃねえ!」
男「うっす!」
店長「いいか? 三番だ。三番テーブルに持っていくんだぞ。間違えんじゃねえぞ」
男「うっす!」
男(三番。三番っと)
ツルッ
男「あ」
男(俺……浮いてる?)
ガッシャアアアアンッ!!
店長「新入りぃいいいいいい!!」
男「店長、この床磨きすぎですよ……」
店長「言い訳してんじゃねえっ! さっさとホウキとチリトリ持ってきやがれっ!」
男「うっす!」
~自宅~
男(うぅ~つかれた。あの気短店長、さんざんこき使ってくれやがって)
男(でも時給だけは高いんだよなあ。さすが居酒屋)
男「ただいまー」
シーン
男「…………」
男(返事がない。それも当然か。いつもは寝てる時間だもんな)
ガチャッ
妹「Zzz……」
男「やっぱり」
妹「Zzz……」
男「暖かくしとけって言っただろうが。こんな薄着のまま寝やがって」
妹「Zzz……」
男「…………」
男「風邪引くぞ?」
パサッ
妹「Zzz……」
男「ほんと世話がやけるよなぁ」
男「いただきます」
男「…………」モグモグ
男(妹の料理は冷めててもおいしい)
男(妹は優しいし、料理はうまいし、かわいげもある。正直俺の妹にはもったいないよな)
男(ちょっと子どもっぽいところもあるのが玉にきずか)
男「妹、おまえは俺の自慢の妹だよ」
妹「……お兄ちゃん」
男「!!」ビクッ!
男(やべっ! はずかしいこと言ったのがバレたか!?)
妹「にゅふふふ、そんなにいっぱい食べられないってば……あんころもち」
男「…………」
男(なんだ夢か。まぎらわしい)
男(それにしても夢の内容まで子供っぽいな、妹のやつ。なんだよあんころもちって)
男「ふあぁ……」
男「俺もそろそろ寝るか」
男「おやすみ妹。明日の朝もよろしく頼むな」
妹「Zzz……」
プロローグおわり
次は妹友来襲編です
次回からはもっと安価を増やす予定です
?「お兄さん、もうお昼ですよー。起きてくださーい?」
男「Zzz……」
?「…………」
男「Zzz……」
?「ありゃ、全然起きないや」
男「Zzz……」
?「よし、こうなったら……えいっ!」
コチョコチョ
男「く……くくくく」
コチョコチョ
男「くくく、や、やめろ……妹やめろって」
?「お兄さんってひどいんですね」
?「目の前にこんなかわいい女の子がいるのに、寝言で違う女の子の名前を出すなんて」
?「わたし、傷ついちゃうな~。シクシク」
男「え?」
?「おはようございます、お兄さんっ」ニコッ
男(え? 誰この子?)
男(知らない女の子がベッドに腰掛け、俺に微笑みかけている)
男(もしかしてこの子は……)
1、妹の友達
2、俺に会いにきた天使
3、自由安価
安価↓
妹友来襲編なのに妹友以外もありなのか?
2で
男「きみは……俺に会いにきた天使?」
?「あちゃ~バレちゃいましたか」
男「え? ほんとに?」
?「はい、申し遅れました。実はわたし、M78星雲からやってきた天使なんです」
男「すげえ。天使って本当にいたんだ」
天使(?)「試しにさわってみます?」
天使(?)「ちなみにわたしの胸はなでるとご利益があるんですよ。恋愛運アップです!」
男(そこまで大きくはないが、年頃の女の子らしい成長過程のおっぱい)
男(いいのか? 天使とはいえ、一応相手は女の子だぞ)
男(いや、据え膳食わぬは男の恥という言葉もある。俺も覚悟をきめよう)
男「…………」ゴクリ
男(いざ!)
男(俺は女の子の胸にゆっくりと手を伸ばす……)
ガチャッ
妹「妹友ちゃん、お兄ちゃんまだ起きないの?」
男「い、妹!?」
妹「お兄ちゃん」
妹「その手は……なに?」ジトッ
男「な、なんでもないんだ。なんでも」サッ
妹「今手引いたよね」
男「誤解だ! やましいことはなにもないぞ、妹よ!」
天使(?)「いや~ん! 犯される~!」
男「ちょっ!? 天使さん!?」
妹「お兄ちゃんの……変態ッ!!」
ベチンッ
男「へぶらっ!」
・・・・
妹友「ごめんなさい、実はわたし妹ちゃんの友達なんです」
男「もっと早く言ってよ」ヒリヒリ
妹友「いや~ボケにはついボケで返したくなるんですよ~。自分、芸人目指してますから」
男「ずいぶん体を張ったボケだったね」
妹友「わたしの胸……さわりたかったですか?」
男「んなっ! そ、そんなわけないだろ!」
妹友「ふふ、照れちゃってかわいい」
ダンッ!!
妹「お茶」
男「あ、ありがとう」
妹「…………」スタスタ
男(ずいぶんへそを曲げてるなー。こりゃ機嫌直すのに時間がかかりそうだ)
妹友「あ、そうそう。お兄さん」
妹友「わたしたちこれからお昼食べに行くんですけど、よかったらお兄さんもいっしょにどうですか?」
男「いいの?」
妹友「はい、わたしお兄さんのお話もっと聞きたいです」
妹友「それに妹ちゃんもお兄さんといっしょの方がいいみたいですから」
妹「妹友ちゃんっ!」
男「じゃあ、お言葉に甘えて」
妹「お、お兄ちゃんまでっ! はずかしいからついてこないでよっ!」
妹友「では、そうと決まったらはやくいきましょー! レッツゴーですよお兄さん!」
グイッ!
男「うおっ、急に手を引っ張るなって!」
妹「…………」
乙!
~ファーストフード店~
妹友「ん~おいひ~! やっぱりハンバーガーはタルタルエビバーガーに限りますね~!」
男「邪道だろ」
男(ハンバーガーを名乗るなら真ん中に肉が挟まってないとな)
妹友「む~。お兄さんにはこのおいしさが理解できないんですか? あり得ないですっ」
男「いや、ほっぺをふくらませて抗議されても……」
ズイッ
男「え? なに?」
男(俺の口の前に妹友ちゃんが食べかけのエビバーガーを差し出してきた)
妹友「試しに食べてみてください。おいしいって保障しますから」
男「でも……ムグッ!?」
妹友「ツベコベ言わない。男の子でしょ」
男「…………」モグモグ
妹友「どうですか?」
男「まぁ、悪くないんじゃないか」
妹友「素直じゃないな~。そういう時はおいしいって言うんですよ」
男(確かにおいしかったけどさ)
男「…………」
男(あれ? これって間接キス?)
妹「はむっ!」
男「!!」ビクッ
妹「…………」モグモグ
男(妹のやつ、家を出てから一言も口を聞いてないな。こんなに不機嫌なのも珍しい)
男(しかたない。ここは一つ、こっちから話を振ってみるか)
男「たまにはこうして外で食べるのもいいもんだよな。なぁ、妹?」
妹「そんなに外食が好きなら、お兄ちゃんは明日からわたしの作った料理食べなくてもいいよ」
男「おいおい、そんなに怒ることないだろ」
妹「怒ってないもん」
男(怒ってるくせに)
妹友「それよりこのあとの予定どうします?」
男「どうするって、帰るんだろ?」
妹友「え~! そんなのつまんないですよ~! せっかく駅前まで出てきたんですよ?」
妹友「それに今のお兄さんは両手に花じゃないですか。このまままっすぐ家に帰るなんてもったいないですよ」
男「両手に花? 誰と誰が?」
妹友「やだな~、わたしと妹ちゃんに決まってるじゃないですか~! よっ、この色男~!」
男「自分で言うなよ」
男(それにもう片方の花は実の妹だし)
妹友「というわけでどこか行きましょ? ねっ?」
男「いきなりそんなこと言われてもなぁ。すぐには思いつかないぞ」
男「妹はどこか行きたいところあるか?」
妹「別に」プイッ
男「…………」
男(どうやら俺が決めるしかないようだ)
妹友「お兄さん、どうするんですか?」
男「そうだな」
男(今後の予定は……)
1、ゲームセンターで遊ぶ
2、ぶらぶらウインドーショッピング
3、まっすぐ帰る
4、自由安価
安価↓
2
妹の服でも買おう
ホテルだろ
~おしゃれな服屋~
妹友「お兄さんお兄さん! この服とこの服、どっちがわたしに似合うと思いますか?」
男「妹友ちゃんならどっちも似合うよ」
妹友「も~それじゃ意味がないんですよ~! どっちかを選んでもらわないと!」
男「欲しいなら両方買えばいいのに」
妹友「両方買うにはおサイフの中身が足りないんですよ。あ~悩むな~。どっちもすっごくかわいいのに~」
男(なんというか、女の子はいろいろと大変だな)
男(そういえば妹はなにしてるんだろ?)
妹「…………」ジー
男(妹の視線が一着の服に釘づけになってる)
男「なに見てるんだ?」
妹「お、お兄ちゃん!?」
男「邪魔して悪かったな。驚かすつもりはなかった」
妹「別に」プイッ
男「さっきまでこの服を見てたのか?」
妹「うん……」
男(妹にしてはちょっと大人っぽいデザインだ)
男「買わないのか?」
妹「ううん、いいの」
男「でも、欲しいんだろ。試着だけでもしてみたらどうだ?」
妹「いいの、この服わたしには大人すぎるから」
妹「わたしって子どもっぽいし、それに胸も小さいから」
妹「ぜったい、似合わないよ」
男「…………」
妹「行こうお兄ちゃん。向こうでいっしょに妹友ちゃんの服を選んであげよ?」ニコッ
男(なんでそんな寂しそうに笑うんだよ。欲しいなら欲しいって言えばいいじゃねえか)
男(なんでこういうときだけ素直じゃないんだよ)
男「…………」
男(ったく、しょうがねえな)
男「店員さーん、この服の試着おねがいしまーす!」
妹「ちょっと! お兄ちゃん!?」
男「向こうで試着してこい。その服を買うかどうかはそれから判断しても遅くない」
妹「勝手なことしないでよっ! わたしには似合わないんだからっ!」
男「似合うかどうかはおまえが決めるんじゃない」
男「俺が決める」
店員「お客さま、こちらの服の試着でよろしいですか?」
男「はい、おねがいします」
店員「かしこまりました。こちらへどうぞ」
妹「でも、わたし……」
男「いいから行ってこいって」
妹「…………」
妹「もぅ。試着するだけだからね?」
男「はいはい」
・・・・
男「おわったかー?」
妹「うん」
男「じゃあ、はやく出てこいよ」
妹「でも……はずかしいよ」
男「だいじょうぶ。似合わなくても絶対に笑ったりしないから」
妹「……怒るよ?」
男「はいはい。いいからさっさと出てこい」
妹「う、うん」
シャッ
ニヨニヨ
プッ
妹「どうかな? ヘンじゃない、かな?」
男「…………」
男(これは驚いた)
妹「お兄ちゃん?」
男「すごいよ妹。俺が思ってた以上におまえ成長してたんだなぁ」
妹「え?」
男「なんつーか、すげえ似合ってる」
妹「ほんとに? ウソじゃない?」
男「信用ないなぁ。ほんとだって。ねぇ、店員さん?」
店員「はい、よくお似合いですよ」
妹「えへへ……///」
男「じゃあ、店員さん。この服買います」
店員「かしこまりました」
妹「え? お兄ちゃん!?」
男「金は俺のサイフから出すから心配するな。プレゼントだ」
妹「だ、ダメだよ! その服、けっこうな値段するんだよ?」
男「だから金の心配はするなって。俺からのプレゼント嬉しくないのか?」
妹「うれしい……そんなのうれしいに決まってるよ」
男「なら、もっと嬉しそうな顔をしろ。な?」
ナデナデ
妹「うん……///」
~帰り道~
妹友「いいな~妹ちゃん。お兄さんにかわいい服買ってもらってさ~」
妹「えへへっ///」
妹友「いいな~」
男「妹友ちゃんはいろいろ迷ってたみたいだけど、結局服買ったのか?」
妹友「聞いてくださいよ~! 散々迷ったあげくなにも買わなかったんですよ~!」
妹友「とほほ……おサイフにもうちょっと余裕があればなぁ」
男「今日は無理だけど、今度行くときに俺が妹友ちゃんの服を買ってあげるよ」
妹友「え、ほんとですか!?」
男「ほんとほんと。いつも妹と仲良くしてくれてるお礼……」
ツネリッ
男「……いずぅッ!?」
妹「…………」ジトッ
男「い、妹、おまえなぁ……」
男(こいつ、人の脇腹を無言でつねりやがった)
妹「ぷいっ」
妹友「お兄さん?」
男「だいじょうぶ。なんでもないから」
妹友「?」
・・・・
妹友「妹ちゃん。わたし、家がこっちだから帰るね」
妹「うん、バイバイ」
妹友「お兄さんも今日はありがとうございました。ちゅっ♪」
男「んなっ!」
男(妹友ちゃんがこっちに投げキッスをよこしてきた)
妹友「あははっ、お兄さんは反応がおもしろいな~。ではでは、さよならです~!」
タッタッタッ
男「……///」
妹「お兄ちゃん、鼻の下伸びてる」
男「の、伸びてないぞ?」
妹「……スケベ」ジトッ
男(どないせーっちゅうねん)
男「ったく、今日はどうしてそんなに機嫌が悪いんだ? 俺がなにかしたんなら謝るぞ」
妹「…………」
男「妹?」
妹「ごめんなさい」
妹「ごめんなさい。わたし、イヤな子だよね」
男「ん? 謝るのはむしろ俺の方じゃないのか?」
妹「ううん、お兄ちゃんは悪くないよ。悪いのは全部わたし」
妹「勝手に怒って、勝手にいじけて、お兄ちゃんを困らせたわたしが悪いの」
妹「だから……ごめんなさい」
男「す、ストップ! ちょっと待て! 一旦落ち着こう……なっ?」
妹「わたし、落ち着いてるもん」
男「んなわけないだろ。今のおまえは一人で突っ走りすぎなんだよ」
妹「む~」
男「第一俺にはよくわからないんだが、今回おまえが不機嫌になった理由はなんなんだ?」
妹「そんなの考えればわかるでしょ」
男「わかった。妹友ちゃんが俺を起こしにきてくれたあのときの騒動が原因だろ」
妹「おしいけどちがう」
男「じゃあ、俺がおまえら二人の昼飯についてきたことか?」
妹「ちがう。そのことでは別に怒ってない」
男「だったら他になにがあるんだよ」
妹「言ったよ。考えればわかるって」
男「考えてもわからないから、こうして尋ねてんじゃねえか。いいから教えろ」
妹「言いたくない」
男「なんでだよ」
妹「言ったら、お兄ちゃんぜったいに笑うから」
男「笑わないって。約束する」
妹「笑うよ」
男「俺が妹との約束破ったことがあったか?」
妹「う~ん……?」
男「そ、そこは即答してくれよ」
おつおつ
妹「わかった、言うよ。でも笑わないでね」
男「善処する」
妹「わたしが怒った理由はお兄ちゃんが妹友ちゃんとばかり仲良くしてたから」
妹「それでわたしには全然構ってくれなかったから」
男「えっと……つまりヤキモチ?」
妹「…………」コクリ
男「……ぷっ」
男「ぎゃはははははははッ!!」
妹「ひ、ひどいよ! 笑わないって言った~!」
男「わりい、我慢しようと思ったけど無理だった。ぷぷっ……」
妹「うう~!」ウルウル
男「あいかわらず甘えん坊だな~。妹は」
男「でも俺が話しかけたとき、おまえ毎回そっぽ向いてたよな」
妹「あれは……自分でもよくわからないの」
妹「妹友ちゃんと楽しそうに話してるお兄ちゃんを見てると、胸の奥が急にムカムカってしてきて」
男「ふ~ん」
妹「お兄ちゃんは妹友ちゃんのこと……好きなの?」
男「はあ!?」
男「好きって……あのなぁ、出会ってまだ一日だぞ」
妹「だってお兄ちゃん、妹友ちゃんとばっかり話してた」
男「妹友ちゃんはよくしゃべるからな。俺も男友達の感覚でしゃべってたんだよ」
妹「ハンバーガー、あ~んってしてもらってた」
男「あれは向こうが勝手にやってきたことだ」
妹「キスされて嬉しそうだった」
男「あれは……不可抗力だ」
男(かわいい女の子にあんなことされて嬉しくない男がいるだろうか? いや、いない)
ぐ~~~~~っ!
男「あっ」
妹「お兄ちゃん、大きいお腹の音」
男「しかたないだろ。ハンバーガーだけじゃ腹が膨れないんだよ」
男「やっぱり俺には妹の作った料理が一番だな。うまいし量も多いし」
妹「お兄ちゃん……」
男「帰る前にスーパーに寄ろうぜ。俺、今日は肉じゃががいいな」
妹「うんっ!」
ギューーー
男「ちょっ! いきなり腰に抱きつくなって! びっくりするだろうが!」
妹「えへへ、お兄ちゃんエネルギー充電中ですっ」
男「なんだよそれ」
妹「今日はエネルギーが不足気味だったから充電には時間かかるよー」
男「この姿を周りに見られてもいいのか?」
妹「知り合いがいないからへーきだよっ」
男「……ったく」
男(妹は普段優等生キャラで通ってるのに、俺と二人っきりになった途端にこれだもんなぁ)
男(妹の知り合いがこの状況を見たらきっと驚くだろうな)
男(でもいいか。妹が笑顔でいてくれるなら)
男(妹は笑顔でいるのが一番だ)
妹「お兄ちゃん」
男「ん?」
妹「えへへ、服買ってくれてありがとね。わたし、大事にするよ」
男「おう、これから毎日着てくれよな」
妹「嬉しいけどそれはさすがにムリだよ~」
男「それもそうか」
妹「ぷっ」
男「くっ」
妹・男「あはははははははっ」
~妹の部屋~
妹「えへへっ」
妹(今日の夕飯も作りすぎちゃったけど、お兄ちゃん全部食べきってくれた)
妹(うれしいなぁ)
ピリリリリ
妹「電話? 妹友ちゃんからだ」
ピッ
妹「もしもし?」
妹友『もしもし妹ちゃん。もしかして今忙しかった?』
妹「ううん。用事がおわってヒマしてるところだよ」
妹友『そっか~よかった~。今日はありがとね。とってもとっても楽しかった!』
妹「うん、わたしも楽しかったよ」
妹友『あのね、実は妹ちゃんに相談があるんだけど聞いてくれる?』
妹「相談?」
妹(なんだろ。妹友ちゃんがわたしに相談事なんて珍しいな)
妹友『うん、お兄さんのことなんだけど』
妹「お兄さんって……お兄ちゃんのこと?」
妹友『うん、妹ちゃんのお兄さん』
妹「ええっ!?」
妹友『妹ちゃん、いきなり大声出さないで~。耳がキンキンするよ~」
妹「ご、ごめんね」
妹「それで……お兄ちゃんのことで相談って?」
妹友『うん。わたし、お兄さんともっと仲良くなりたいな~って思って』
妹「い、妹友ちゃん、お兄ちゃんのことが好きなのっ!?」
妹友『あ、ううん! 違うんだよ! 恋人になりたいとかそういうわけじゃないの!』
妹友『ただ、わたしもあんなお兄ちゃんが欲しかったなぁって……』
妹「…………」
妹友『あっ、ごめんね! なにヘンなこと言ってんだろわたし。 今のは忘れてね!』
妹友『じゃっ! おやすみ妹ちゃん!』
妹「待って!」
妹「わたし、協力するよ。妹友ちゃんがお兄ちゃんともっと仲良くなれるように頑張るよ』
妹友『妹ちゃん……』
妹「お兄ちゃんって単純だから、妹友ちゃんがちょっと優しくすればイチコロだよ」
妹友『ほんとにいいの?』
妹「うん。だってわたしたち、友達でしょ?」
妹友『……ズビッ』
妹「妹友ちゃん?」
妹友『うえ~~~ん!!』
妹「い、妹友ちゃん!? どうしたの!?」
妹友『妹ちゃんありがと~!! 好き好き大好きだよー! これからもずっと友達でいようねっ!』
妹「うん、もちろんだよ。でも妹友ちゃん、ちょっと落ち着いて。ねっ?」
妹友『ご、ごめん。ついうれしくって……』
・・・・
妹友『じゃあね妹ちゃん』
妹「うん、また明日」
ピッ
妹「…………」
妹(わたし、なんであんなこと言っちゃったんだろう。本当はイヤなはずなのに)
妹(だれにもお兄ちゃんを渡したくないはずなのに)
妹(やだなぁ……胸がモヤモヤする)
ガチャッ
男「妹ー。風呂出たから次入れよ」
妹「…………」
男「ん、どした? そんな暗い顔して」
妹「ううん、なんでもないの」
男「そうか?」
妹「…………」
妹「ねえ、お兄ちゃん」
男「ん?」
妹「ううん、やっぱりなんでもない」
男「今日は疲れたろ。早めに寝ろよ」
妹「うん、おやすみ」
男「おう」
ガチャッ……バタン
妹「お兄ちゃん……」
妹(お兄ちゃんと妹友ちゃんが恋人になったら、わたしどうなるのかな?)
妹(わたし、お兄ちゃんに必要とされなくなるのかな)
妹(あの時のようにまた一人になるのかな)
ゴロリ
妹「お兄ちゃん……」ポロ
妹「ひっく……」
妹友来襲編おわり
次回はお兄ちゃん争奪戦編です
この章から個別ルートに進む……予定
よかったらお付き合いください
妹「お兄ちゃんっ!」
妹友「お兄さんっ!」
男(えーっと……どうしてこんなことになったんだろうな?)
男(まずは状況を整理しよう。今は昼休み。ここは屋上)
男(俺の目の前には二つの弁当箱。で、今の俺はある一つの選択を迫られている。それは……)
妹「お兄ちゃん、いいかげんに選んでよ。どっちのお弁当を食べるの?」
妹友「そんなのわたしのお弁当に決まってるよ。ねー、お兄さん?」
妹「ちがうもん! わたしのお弁当だもん! お兄ちゃん、わたしの料理が一番って言ってくれたもん!」
妹友「やだなー妹ちゃん。そんなのお世辞に決まってるじゃん。お兄さんは優しいからね~」
妹「むっかー!」
妹友「むっかーじゃなくてさ、悔しかったらちゃんと言い返してみなよ。さぁさぁ」
妹「うう~~~!」
男(妹のやつ、素にもどってるし)
男(妹友ちゃんも前に会ったときよりちょっとこわい)
男(ほんと、どうしてこんなことになったんだろうな?)
~~~~
~教室~
幼馴染「ねえ、男」
男「なんだよ」
幼馴染「ドアのところに立ってる女の子、あれあんたの知り合い?」
男「女の子?」
妹友「ん~?」キョロキョロ
男(妹友ちゃんだ)
幼馴染「その様子だと当たりみたいね」
男「頼むから心を読むのはやめてくれ。心臓に悪い」
妹友「あっ、お兄さーん! いっしょにご飯食べましょー!」ブンブン
クラス男子「お兄さん?」
クラス女子「あの子ってたしか、一年の妹友ちゃんよね」
妹友「お兄さーんっ!」ブンブン
幼馴染「なんで机の下にもぐってるのよ。あの子、男のこと待ってるわよ」
男「ムチャ言うな」
男友「妹ちゃんといい、あの女の子といい、なんでおまえの周りにだけ女の子が集まってくるんだよ! こんな世の中間違ってるぜ!」
男「しらねーよ」
男(逆に俺が知りたいぐらいだよ)
男友「ふざけんなっ! 二人いるんだからオレにも一人よこせっ!」
男「もう好きにしてくれ」
男友「さっすが親友! 話がわかるぜ~」
幼馴染「あんたはこっち」
グイッ
男友「え? ちょっ、まっ?」
ズルズル
男友「いやああああああああ!? オレの未来の恋人がああああああああ!!」
男(うるさいっての……)
妹友「お兄さんっ」ピョンッ
男「うわあっ!」
妹友「どうして机の下にもぐってるんですか?」
男「ああ、気にしないでくれ。避難訓練の最中なんだ」
妹友「へ~おもしろそう! わたしも混じっていいですか?」
男(おもしろい……か?)
男「それより俺に用があるんじゃないのか?」
妹友「あ、そうです。お兄さん、よかったらいっしょにお昼ご飯食べましょうよ」
妹友「わたし、お兄さんのためにお弁当作ってきたんですよ~。じゃ~んっ!」
男「でも……」
男(俺には妹の弁当がある)
妹友「妹ちゃんも先に屋上で待ってますから。はやくはやく~」
男「あ、そうなんだ」
妹友「というわけでレッツゴーです!」
グイッ
男(毎回思うけどこの子は押しが強いな~)
乙!
~屋上~
男(屋上で昼飯になったわけだが……)
妹「…………」
妹友「どうですか? わたしのお弁当」
男「見た感じすごくおいしそうだよ」
男(妹友ちゃんの弁当箱の中には色とりどりのサンドイッチが並んでいる)
男(ツナ玉子サンド、カツサンド、レタスハムサンド、ミックスサンド)
男(どれもおいしそうだ)
妹友「ささ、見るだけじゃなくて実際に食べてみてくださいよ~」
男「気持ちはうれしいんだけど……」
妹友「食べたくないですか?」シュン
男「あーちがうちがう! でも、俺には妹の弁当があるからさ」
妹「いいよ、お兄ちゃん。妹友ちゃんのお弁当食べてあげて」
男「いいのか?」
妹「うん、だってせっかく用意してくれたんだよ。食べないともったいないよ」
男「う~ん……妹がそういうんならわかったよ」
妹友「妹ちゃん、ありがと」ボソッ
男「じゃあ、いただきます。妹友ちゃん」
妹友「はい」
ズイッ
男「ん?」
男(口の前に差し出されたサンドイッチ。同じような光景を前にも一度見たような)
妹友「あ~ん」
男「いいよ、妹友ちゃん。俺、自分で食べられるから」
妹友「ダメですっ」
妹友「だって、わたしがお兄さんに食べさせてあげたいんですから」
男「拒否権は?」
妹友「あはは、そんなのないに決まってるじゃないですか~」
男(あっさり否定された!?)
妹友「ほら、観念してあ~んされてください」
男(しかたない。ここは従うか)
男「あ、あ~ん」
妹「だめーッ!!」
男「妹?」
妹友「妹ちゃん?」
妹「…………」
男「おい、どうしたんだよ。いきなりそんな大声あげて」
妹「お兄ちゃんにはわたしの作ったお弁当を食べてほしいの」
男「は?」
妹「ダメ……かな?」
男「妹、おまえさっきと言ってることが真逆になってるぞ。さっきは俺に妹友ちゃんの弁当を……」
妹「さっきはさっき! 今は今なのっ!」
男「おいおい……」
妹友「妹ちゃん、わたしに協力してくれるって言ったよね。なのになんで?」
妹「ごめん妹友ちゃん。でもわたし、お兄ちゃんには自分の作ったお弁当を食べてもらいたいの」
妹「いくら妹友ちゃんでもそこはゆずれないから」
妹友「…………」
妹「…………」
バチバチバチ
男(今、二人の間を目に見えない火花が散ったような?)
妹友「ふ~ん。そういうこと」
妹友「わかった。よ~くわかったよ。妹ちゃんの考えてること」
妹「…………」
妹友「なら、ここは公平にお兄さんに決めてもらおうよ」
男「えっ?」
妹友「どちらのお弁当を食べるかお兄さんに決めてもらうの」
妹友「選ばれた方は食べてもらえる。選ばれなかった方は食べてもらえない」
妹友「このやり方で文句ないよね?」
妹「ないよ」
妹友「決まりだね。というわけでお兄さん」
妹「お兄ちゃん」
妹友「どっちのお弁当を食べるか」
妹「選んで」
男「え? え?」
~~~~
男(ということがあって現在の状況に至る)
男(このピリピリした空気から解放されるために、俺は選択しないといけない)
男(どちらの弁当を食べるかを)
男「…………」
男(そろそろ腹を決めるか)
男(俺は……)
1、妹の弁当を食べる
2、妹友の弁当を食べる
3、両方食べる
4、両方食べない
5、自由安価
安価↓2
3
自分でかったパンを食べる
男「決められるわけねーだろっ!」
ダッ
妹「お、お兄ちゃん?」
妹友「お兄さん、どこ行くんですか~」
男「購買でパン買ってくる」
妹友「わたしたちのお弁当はどうするんですかー!」
男「自分で食べてくれ」
妹「お兄ちゃんのバカー! 大バカー!」
妹友「優柔不断っ! ヘタレっ!」
男(ひどい言われようだ)
男(だけど、これ以上この空気には耐えられないんだよ。許せ)
~教室~
先生「今日の授業はこれまで。解散」
ザワザワ
男「おい、幼馴染、男友。今日の放課後あいてるか?」
幼馴染「なによやぶから棒に」
男「今からゲーセン行こーぜ」
男友「うおっ。男から誘ってくるなんて珍しいな。熱でもあるのかよ」
男「ねーよ。正常だ」
幼馴染「そういうときに限っていつもおかしいのよね。男は」
男「やかましい」
幼馴染「ねえ、なにがあったのよ。話してみなさいよ」
男(言えるわけがない。昼休み以降顔を合わせ辛くなった妹と妹友ちゃんから逃げ回ってるなんて)
幼馴染「男?」
男「深い理由はねーよ。ただ、最近おまえらとの付き合い悪かったからな」
男友「うっ、男がオレのことをそんなに大切に思ってくれていたなんて」
男友「オレ……幸せ」
男「キモイ」
幼馴染「キモイ」
男友「キモイって言うな! そこは感動していっしょに涙を流すところだろ! それが真の友情ってやつだろ! そうだろ!」
男「いちいちうるさいんだよおまえは。で、行けるのか? 行けないのか?」
幼馴染「わたしは部活があるからパス。行くんならあんたたち二人で行きなさいよ」
男「男友と二人っきりってのも気乗りがしないが……まぁいいか」
男友「なんかさりげなくひどいこと言われてません?」
男「気のせいだ」
男「…………」キョロキョロ
男(妹と妹友ちゃんの姿はないな。よし!)
男友「男がまた壊れた」
幼馴染「はぁ……今度はなにを企んでるのか知らないけど、取り返しのつく範囲でやりなさいよね」
男「急げ男友。今のうちに出発するぞ」
男友「へいへい」
・・・・
~男友の家~
男友「おい」
男「…………」ペラッ
男友「おいってば」
男「今いいとこなんだよ。邪魔するなら帰れ」ペラッ
男友「ここオレの家なんだけど!?」
男「なんだよ。文句あるのかよ」
男友「大有りだよ! 今何時だと思ってんだよ!」
男「……何時だ?」
男友「夜の10時だよ。いつまで居座るつもりだ?」
男「明日の朝まで」
男友「泊まるつもりかよ……」
男「ダメか?」
男友「いいけどさ。妹ちゃんに連絡いれておけよ」
男「…………」
男友「なんでそこで黙るんだよ」
男(携帯の電源切ってるんだよな。今頃着信履歴がすごいことになってそうだ)
男(妹、絶対に怒ってるよなぁ……)
男友「ま、どちらにせよ連絡ぐらいはしておいた方がいいと思うぞ」
男(どうしよう?)
1、妹に電話する
2、家に帰る
3、妹友にメールしてみる
4、幼馴染を呼び出す
5、漫画に集中する
6、自由安価
安価↓2
1
1
男(電話してみるか)
男「…………」
男(でも、着信履歴をのぞく勇気は今の俺にはない。だから……)
男「ちょっと外に出てくる」
男友「外って……こんな時間にどこに行くんだよ」
男「コンビニ」
・・・・
チャリンチャリン……ガチャッ
妹『もしもし』
男「…………」
妹『あのぅ……どなたですか?』
男「俺」
妹『え?』
男「あなたのお兄ちゃん」
妹『お兄ちゃん!? なんで公衆電話からかけてきたの!? 携帯は!?』
男「いろいろな事情がありまして……」
妹『でも無事でよかったー』
男(あれ? 怒ってない?)
妹『わたし、お兄ちゃんになにかあったのかと思って、心配で心配で……』
男「…………」ズキッ
妹『お兄ちゃん?』
男「ごめん」
妹『え?』
男「ごめんな。ほんとにごめん」
妹『お兄ちゃ……』
ガチャッ
男「…………」
男(一時の感情に流されて、自分勝手な振る舞いをして、妹に余計な心配をかけて)
男(結局なんの行動もできずにいる)
男(最低だな……俺って)
男「ごめん妹。お兄ちゃん失格だ」
・・・・
妹「電話切れちゃった」
妹「お兄ちゃん、今日は帰ってこないのかな」
妹(せっかく料理作って待ってたのに)
妹(バイトが休みの日だから、いっしょに晩ごはん食べられると思ってたのに)
妹「お兄ちゃんの……バカ」
妹「…………」モグモグ
妹(わたし……お兄ちゃんに避けられてるのかな)
妹(お兄ちゃん……わたしのこと嫌いになっちゃったのかな)
ポタ
妹「あれ? おかしいな。しょっぱい味がする」
妹「お兄ちゃん……」グスッ
~男友の部屋~
?「ねえ、起きてよー」
ユサユサ
男「Zzz……」
?「もう、しょうがないなーお兄ちゃんは。起きないとほっぺにちゅーしちゃうゾっ」
男「!!」ゾワッ
男(なんだ? 今背筋にものすごい悪寒が走ったぞ。こういうの虫の知らせっていうんだよな)
男(とにかく目を開けてみよう)
男友「おはよう、お兄ちゃんっ♪」
男「…………」
バキャアッ
男友「あだあっ!? 鼻っ! 鼻血出てない!?」
男「安心しろ。みねうちだ」
男友「いや、どう考えても今本気でオレの顔面ぶち抜いたよね!?」
男「おまえがその汚い唇を俺の顔に近づけようとしたからだ」
男友「冗談だよ! 冗談! ユーモアがわからんやつだなぁ」
男(笑えねえんだよ……)
男「適当に言い訳考えといてくれ」
男友「まぁ、授業サボるのはおまえの勝手だけど……もしかしてこのままオレの部屋にいる気か?」
男「そのつもりだ」
男友「なんで自分の家に帰らないんだよ! 昨日から様子がヘンだぞおまえ!」
男「理由は話せない」
男友「親友のオレにも話せないのか?」
男「すまん……」
男友「…………」
男友「わかったよ。担任には体調不良って伝えておく」
男「ありがとう」
男友「やめろやめろ。男から『ありがとう』なんて言われるとなんか調子が崩れるぜ」
男友「なにがあったのかしらねーけど、はやいとこ元通りになれよ」
男友「じゃあな」
男「ああ」
ガチャッ……バタンッ
男「…………」
男(一気に静かになったな。もう一眠りするか)
ぐぁぁ……ミスったあああぁぁぁぁorz
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男友「おっと、こんなところで漫才してる場合じゃなかった。おい急げ!」
男「え?」
男友「はやくしないと遅刻するぞ! 学校行くんだろ?」
男「学校……」
男(学校に行ったら妹と顔を合わせないといけないのか。気まずいなぁ)
バサッ
男友「あの? なんで布団をかぶり直したんですか? ねえ、ちょっと?」
男「今日サボるからよろしく」
男友「はぁ!?」
乙!
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