よし、幼馴染救済編か?
男 (俺が目を覚ますと、そこはいつか見た曖昧な世界だった)
天使 「やっ」
男 「…お前か」
天使 「お久しぶりです男さん、リア充楽しんでます?」
男 「お陰様で」
天使 「今度は随分と落ち着いているのですね」
男 「二回目だからな」
>>2
どうだろう…
天使 「それにしてもちゃんと為すべきことが分かってよかったですね」
男 「あぁ、そうだな」
男 「そういや為すべきことを為せなかったらどうなってたんだ?」
天使 「朝、ベッドの上に見るも無惨なあなたの変死体が…」
男 「なにをするつもりだったんだお前」
天使 「ほら天使ちゃんの不思議パワーとかで」
男 「天使ってこわい」
男 「それで、もう俺には用は無いと思うんだが?」
天使 「それが用ができちゃったのですよ」
男 「はぁ、どんな?」
天使 「今説明するのめんどいです」
男 「おい」
天使 「夢の中に降臨するのって結構疲れるんですよ、わかります?」
男 「わかんねーし」
天使 「またまためんどい人ですね、目が覚めたらわかりますからもうさっさと行っちゃってください」
男 「人の夢に入っておきながら図々しい奴だな…」
天使 「じゃあちょっとショック与えまーす」
男 「え゛?」
天使 「てんばつ☆てきめ~ん」ビシィ
男 「ギャーーーっ!!」バリバリバリ
自室
兄 「」グッタリ
妹 「朝だよお兄ちゃーん」
妹 「って大丈夫!?」
兄 「大丈夫ですはい…」
妹 「なにどうしたの頭痛いの死ぬの!?」
兄 「死なないって」
兄 (なんだあの天使雷なんか落としやがって…)
兄 (また死ぬかと思ったし…)
兄 「あー頭いてー…」
妹 「ご飯出来てるからねー」
妹 「あと天使ちゃんも来てるよ」
兄 「うーぃ…」
兄 「あん?」
兄 「」
天使 「妹ちゃんのお味噌汁は美味しいですね、良いお嫁さんになれますよ」
妹 「やぁだもう天使ちゃんったらぁ!」
兄 「」
天使 「どうしました兄、お箸が止まっています」
妹 「やっぱり頭が…」
兄 「」ズズ
兄 (あ、ありのまま今起こったことを話すぜ…)
兄 (朝起きたら家で天罰を下した天使が飯を食っていた…)
兄 (頭がどうにかなっていた…)
天使 「む、そろそろ時間ですね。行きましょうか兄」
兄 「」コクコク
妹 「もー朝からぼーっとしてー」
天使 「たまにはいいじゃないですか」
天使 「では行ってきますね」
妹 「いってらっしゃーい」
電車
兄 「おいお前」
天使 「なんです?」
兄 「なんです?じゃねーよなんのつもりだよおい」
天使 「色々あるのですよ、少し説明しましょう」
天使 「今の私は貴方の幼馴染みにしてハーフである天使ちゃんです」
兄 「は?」
天使 「正確にはそういう風に貴方以外の記憶を書き換えました」
兄 「天使ちゃんパワーで?」
天使 「はい」
天使 「なんでまたと貴方は尋ねたいでしょうけどちょっと黙って聞いててください」
兄 「あはい」
天使 「少し問題が起きました」
兄 「おぅ」
天使 「貴方は一度生き返った身」
天使 「自覚は無いと思いますがその身には主の多大なる御力が働いています」
兄 「天使ちゃんパワー?」
天使 「それとは比べ物にならないほどの大きな力です」
天使 「本来ならば蘇生の時に多少力を使えばよいのですが…」
天使 「貴方の場合魂の入れ換えを行った際の触媒として、主の御力が体に埋め込まれました」
兄 「はぁ…」
天使 「体内に主の御力を宿した言ってしまえば、今の貴方は主の模造品です」
兄 「マジで?」
天使 「まじです」
兄 「俺偽神様なの?」
天使 「はい」
天使 「問題はここからです」
天使 「貴方の中の御力を狙っている輩がいます」
兄 「悪魔的な?」
天使 「ニュアンスはそんな感じです」
天使 「なので私は貴方の身辺を御守りする為に降臨しました」
兄 「ファンタジー過ぎだろ…って俺が言えることじゃないな」
天使 「生き返ってますからね」
兄 「でも神様の力の一部がピンチだってのにお前一人ってのは少し寂しくないか?」
天使 「大丈夫です、私強いですから」
兄 「ほんとかよ」
天使 「そこらの下級悪魔どもが何匹こようと目じゃありません」
兄 「そうかよ」
兄 「ま、頼りにしてるぜ」
天使 「頼りにされます」
風呂とちょっと練ってきます
いってらっさい( ^ω^)ノ"
教室
兄 (超展開になったからとは言えいきなり厨二バトルが展開されるわけでもなく)
兄 (今日も昨日と同じように、兄としての一日が始まる)
女 「おはよーお二人ー!」
委員長 「相変わらず仲のいいことで」ムスッ
兄 「怒るなよ…」
女 「お熱いねー」ニヨニヨ
天使 「今日は涼しいと思いますが?」
兄 (天然かよ…)
委員長 「いいのよ別に、だって兄君と天使さんは毎朝一緒に登校してくるような仲良し幼馴染みだものね」
天使 「はいそうです」
兄 「はぁ…」
兄 (違うと言うわけにもいかず、かといって肯定もできず)
兄 「なんだこれ…」
女 「どしたの?」
兄 「なんでもねっす」
教師 「あいここは活用形が――」
兄 (やはり去年やったことをもう一度、というのは退屈で)
兄 (どうにもこうにも、手持ち無沙汰なのだ)
兄 「ふぁ…」
教師 (ぐぬぬ兄め成績がいいからと……)
委員長 「あくびしない」
兄 「ふぁい」
教師 (多少顔がいいからと…!)
兄 (にしても神様の力か…)
兄 (一部だけでもすげー力みたいなこと言ってたけど、なにかできんのかね…)
兄 (そうだ)
兄 「てんばつ☆てきめ~ん…」ボソッ
兄 (なーんちっ教師 「あああいあいあいあ!!」バリバリバリ
兄 「て」
教師 「」チーン
モブ 「先生が悲鳴をあげて倒れたぞ!」
モブ 「救急車を呼べー!」
モブ 「せんせー!せんせー!」
兄 (…妹よ、兄ちゃん殺っちまったよ…)
委員長 「どうしたのかしらね…」
兄 「さ、さぁ、どうしたんだろうな?」ウラゴエ
天使 「」シラー
兄 (めっちゃ見てるし…)
女 「自習? やったね!」
兄 (それでいいのか女よ…)
昼休み
兄 (先生は命に別状は無かった)
兄 (一言だけ、看護師に『もうやだ』と漏らしたらしい)
兄 (そして…)
天使 「兄、集合」
兄 「はい…」
委員長 「ご飯は?」
天使 「ちょっと手を借りていきますね、ジュースなにかいります?」
女 「あたしファンタ!」
委員長 「じゃあ私は爽健美茶で」
天使 「はーい」
屋上
天使 「なんの罪もない子羊に天罰を下すなんて、何を考えているのですか?」
兄 「できるとはおもわなんだ…」
天使 「私達にできるんですからできて当たり前でしょう」
天使 「今後軽々しい行動は慎むように」
兄 「はひ……」
天使 「それに、あまり力を使っては感づかれる可能性がありますから」ボソッ
兄 「う……」
天使 「個人の特定まではされていませんから、くれぐれも慎重に」
兄 「了解っす」
教室
兄 「ほれ、ファンタ」
女 「さんきゅー」
兄 「委員長もお茶」
委員長 「ありがと。天使さんは?」
兄 「パン買ってくるだと」
女 「天使ちゃんパン族だもんねぇ」
兄 「なにその部族」
女 「それよりも妹ちゃんの絶品おかずを分けてくれよボーイ!」
兄 「ほれ唐揚げ」
女 「ヒャッホイ!!」
委員長 「兄君って太っ腹よね」
女 「普通タダで唐揚げくれる男子高校生なんていないよね」
兄 「そうか?」
委員長 「そうよ」
兄 「まぁ妹の飯は家で食えるからな」
女 「うらやま」
委員長 (妹ちゃんが料理上手っていうのがなぁ…)
委員長 (ハードル高いんだよね…)
兄 「とは言え妹も受験だからこれから一年くらい家事は俺が持ってやらないとな」
女 「いい兄ちゃんや」
兄 「褒めるな褒めるな」
委員長 (これはチャンス!)
委員長 「わ、私も手伝ってあげるわよ」
兄 「え、面倒かけたくねーしいいよ」
女 「お馬鹿」バキィ
兄 「ごふ!」
天使 「女の敵」ズビシ
兄 「あばっ!」
兄 「よ、よろしくたのむ…」ボロッ
女・天使 「」グッ
委員長 (ありがとう…)
委員長 「任せてよ」
兄 「」ガクッ
女 「あらどうしたのかしら兄ったら」
天使 「昨日夜更かしでもしたのでしょう」
女・天使 「あはははははは」
放課後
兄 (あのバカどもめ…)
兄 (また死んだらどうしてくれんだよ)
天使 「帰りますよ、兄」
兄 「ちょっと本屋寄るから先帰ってろ」
委員長 「本屋なら私も行こうかしら」
兄 「ん、一緒行くか」
天使 「じゃあ私は妹ちゃんの勉強を見てあげます」
兄 「邪魔だけはしてやんなよ」
天使 「もちろんです」
本屋
兄 (よくわかる天使と悪魔…)
兄 (天上位階論、天使の階級…?)ペラ
兄 (あいつはなんて天使なんだろうか)
兄 (自分は強いとか言っていたが…)
兄 (熾天使、智天使、座天使…)
兄 (こいつらは六枚羽なのか…)
兄 (でもそんなスゲー天使が俺なんぞの為に来るのか…?)
委員長 「なに、天使の勉強?」
兄 「あー、ゲームで出てきたのか気になってな」
委員長 「ゲーム好きよね」
兄 「ガキっぽい?」
委員長 「好きなら別にいいんじゃない?」
委員長 「悪いこととは思わないわ」
兄 「そっか」
委員長 「じゃ私もうちょっと見てくるから」
兄 「おーう」
兄 (羽の数か…)
兄 (あいつもっといっぱいあったような気がするんだがなー)
兄 (あー、思い出せね)
兄 「ん…?」
兄 (生命の樹か…)ペラ
兄 (エヴァとかに出てくるやつだっけ…)
兄 (へー、天使っていっぱいいるんだな…)
兄 (あ、あいんからあいんそふであいんそふおうる?)
兄 (む、無限光?)
兄 (俺には早すぎたようだ…)
落ちていい?
いいと思うよ
兄 (駄目だ、こんなん読んでても気が狂うだけだな…)パタン
兄 (漫画でも見に行こう…)
兄 (お、ハヤテどうなったか…)ピト
兄 「あ゛」
幼馴染 「あ」
兄 「お久しぶりです…」
幼馴染 「お久しぶり」
兄 「漫画読むんすね」
兄 (漫画ばっか読んでとか言ってたくせに…)
幼馴染 「ん、最近になってちょっとね…」
兄 「………」
幼馴染 「男の奴が好きだったから、私も読んでみようかなって」
兄 「そうなんすか…」
兄 (やっぱ吹っ切れてるわけないよな…)
委員長 「調べものはいいの…って幼馴染先輩」
幼馴染 「あら委員長さん、兄君とは仲良くしてる?」
委員長 「なっ、仲良くって…//」
兄 「バッチリ仲良しっすよ」
委員長 「兄君っ!?」バシン
兄 「いてぇ」
幼馴染 「仲良さそうね」
幼馴染 「じゃあ私はお邪魔みたいだから帰るわね」
委員長 「お邪魔って」
兄 「さようならー」
幼馴染 「うん、ばいばい」
委員長 「さよなら~」
兄 (ばいばい、か…)
兄 (やっぱりあいつは…)
自室
tv 「デッドエンドシュート!!」
兄 「久保かっけぇ」
兄 (やはり幼馴染は俺が男だと気づいているのか)
兄 (本当なら俺は男なんだと言ってやりたいところだが)
兄 (かといってどうするわけでもないし、どうにもできないわけで)
兄 (俺は兄。そう、今俺は兄なのだから男にはなれない…)
天使 「ばらんどばん~」
兄 「おわ!?」
天使 「ゲームか考え事か、どちらかにしたらどうです?」
兄 「俺の勝手だろ…」
天使 「電力の無駄です」
兄 「第一なんで兄家にいる」
天使 「俺の家とは言わないのですね」
兄 「………」
天使 「帰国子女で一人暮らしの天使ちゃんは兄君の家に入り浸っているのです」
兄 「またギャルゲーみたいな設定を…」
天使 「お悩みごとなら天使ちゃんが聞いてあげます」
天使 「聞くだけですが」
兄 「解決はしてくれないのな」
天使 「勝手にやってください」
兄 「ですよね」
天使 「ほらかわいくて優しい天使ちゃんに質問かもん」
兄 「お前はなんて天使なんだ?」
天使 「いきなり核心ですね」
天使 「残念ですがお答えできません」
兄 「何故?」
天使 「察してください」
兄 「何をだよ」
天使 「軽々しく名を名乗れない立場なのです」
兄 「そうかよ…」
天使 「守護天使、とだけ言っておきます」
兄 「守護天使な…」
天使 「胡散臭いですか?」
兄 「生き返りとか悪魔とか言ってる地点で胡散臭さは限界突破してるんだがな」
兄 「現に生き返った身としては胡散臭いとか言ってられないわ」
天使 「ですね」
兄 「おまけに神様と来たもんだ」
兄 「まさかの超展開に着いていけてる自分が恐ろしいね」
天使 「適応力は高いみたいですね」
天使 「兄としての生活はどうです?」
兄 「充実してるよ」
兄 「リア充にランクアップできたわけだしな」
天使 「生前も十分リア充かと」
妹 「ご飯だよふたりともー」
兄 「あいよー」
天使 「今いきます」
兄 「俺にも記憶の書き換えってできるのか?」
天使 「多少コツは要りますが」
天使 「悪いことしちゃダメですよ?」
兄 「わーってるよ」
翌日 教室
女 「遊びに行こうぜ!」
兄 「ちょっと今日ヅャスコいかない?」
委員長 「なにか買うの?」
兄 「またまたちょっと用事でな」
女 「無視って一番の暴力だと思うの私」
天使 「じゃあまた私は妹ちゃんとあそ…勉強します」
兄 「遊んでたんだなお前」
天使 「いやいや全然」
兄 「正直に言え」
天使 「チャロンしてました」テヘペロ
兄 「お前は今日俺らに着いてこい」
天使 「はーい」シュン
女 「あたし泣きそう」
兄 「無視して悪かったよ」
ヅャスコ
兄 「ちょっと用を済ませてくる」
委員長 「いってらっしゃい」
女 「天使ちゃんクレープ食べようよ」
天使 「おいしそうですねぇ」
兄 (さて…)
携帯 「rrrrrr...」
兄 「もしもし」
? 『来ていただけたようですね』
兄 「そっちの条件に合わせてやったんだ、分かってるよな」
? 『えぇ、わかっております』
? 『お力になれるかは解りかねますが』
兄 「構わない、お前の話を聞かせてもらう」
? 『では、三階の喫茶店でお待ちしております』
兄 「わかった」ピッ
兄 (これで少しでも悪魔について分かればいいが…)
兄 (…オカルトはあまり好きじゃないんだがな…)
喫茶店
お嬢様 「ご機嫌よう」
兄 「おぅ」
店員 「ご注文はお決まりで?」
兄 「アメリカンで」
店員 「アメリカンですねー」
お嬢様 「わざわざこんなところまでお呼びしてすいません」
お嬢様 「わたくし馴染みの無いところは苦手でして」
兄 「ここは馴染みがあると?」
お嬢様 「お知り合いのお店なので」
兄 (目の前で優雅にお茶を飲むお嬢様)
兄 (ここらで有名な企業のご令嬢にしてオカルト研究会の唯一の部員にして部長である)
お嬢様 「それでお話とは? もしや愛の告白?」
兄 「んなわけあるか」
お嬢様 「まぁ残念です」
兄 「話を始めていいか?」
お嬢様 「えぇどうぞ」
兄 「悪魔について教えてくれないか?」
お嬢様 「オカ研に興味が湧きました?」
兄 「お前のお話によるかもな」
お嬢様 「それは俄然やる気が出てきましたね」
兄 「頑張ってくれ」
④
お嬢様 「まずは何からお話ししましょうか…」
お嬢様 「悪魔とは何か、分かります?」
兄 「哲学か?」
お嬢様 「えぇ、悪魔の概念とでもいいましょうか」
兄 「ゲームに出てくるような…そう、ソロモン王のやつみたいなやつじゃないのか?」
お嬢様 「よく知っていますね」
兄 「メガテンやってるからな」
支援 つかてんばつてきめーんってこち亀のやつかなんかであったな
お嬢様 「残念ですが違います」
お嬢様 「悪魔とは、想いそのものです」
兄 「想い…?」
お嬢様 「思念体、と言っても通じませんよね」
お嬢様 「何故伝承で悪魔達は姿を持っているのか」
お嬢様 「それは悪魔が人に乗り移るからです」
兄 (乗り移る…)
>>57
マジか
メガテンネタなんだが
お嬢様 「悪しき想いは人を唆し、その意識の自由を奪います」
お嬢様 「体を持たぬ悪魔は人を操り悪事を働く」
お嬢様 「悪魔とはそういうものなのです」
兄 「そういうものなのか」
お嬢様 「そもそも悪魔は天使などに比べて力がとても弱い」
お嬢様 「人を唆し、誑かすことで己の欲を満たすのです」
お嬢様 「お分かりいただけました?」
兄 「人を唆すというのは…」
お嬢様 「魔が射した、という言葉がありますよね」
お嬢様 「悪魔は人の心の隙間につけこみ中へと入り込んできます」
お嬢様 「心のの弱い人間ほど、悪魔にとり憑かれやすいのです」
兄 「そうか…」
お嬢様 「変わった方ですね」
お嬢様 「普通わたくしの話なんて鼻で笑って一蹴するのが普通でしょう?」
兄 「俺が普通じゃないと?」
お嬢様 「あ、いえそんなわけでは…」
兄 「いいさ、間違ってねーから」
兄 「ありがとよ、参考になった」
お嬢様 「お力になれれば幸いです」
兄 「あぁ、めっちゃ助かったよ」
兄 「そうだ、名前くらいなら貸してやるよ」
お嬢様 「へ…?」
兄 「部員あんただけなんだろ?」
兄 「名前なら貸してやる」
お嬢様 「ありがとうございます!」
兄 「あとは部室に入り浸ってもいいか?最近周りが喧しくて叶わねぇ」
お嬢様 「えぇもういつでも、お菓子を用意して待ってますから」
兄 「そこまでやんなくても…」
兄 「じゃ、また部室でな」
お嬢様 「あ、お送りしますね」
兄 「別にいいって…」
中年 「オォ…」
兄 「あん?」
中年 「ミィツケタ――」ニィ
お嬢様 「!?」
中年 「カーーーッ!!」ブワッ
兄 「おわ!?」
お嬢様 「タイムリーですね、あれが悪魔に憑かれた人間です」
兄 「あれが?」
お嬢様 「狙いはわたくしのはずですから、下がって…」
中年 「カッ!!」ブンッ
兄 「くっ―!」
お嬢様 「へ…?」
中年 「ミツケタミツケタカミノモゾウヒン―」
お嬢様 「一体何を…」
兄 「ここは…」
兄 (逃げるっ!)ダダダ
中年 「マテ!!」
兄 (警察は…俺が面倒にまきこまれそうだな…)
兄 (天使を探すか…)
中年 「オマエノタマシイハオレガイタダク!!」
兄 「それは困る!」
中年 「シルカ!!」
兄 (どうしよう…)
兄 (あ)
兄 (てんばつ…)
兄 「てきめんっ!!」バリバリバリ
中年 「グオォォォォ!!」
兄 「効いたか?」
中年 「フザケヤガッテ!!」
兄 (あんま効いてねー)
天使 「下がってください」フッ
中年 「オ?」
天使 「ふんっ」マワシゲリ
中年 「ゴウッ!?」
天使 「あまり天罰は使わないでと言ったはずですが」
兄 「仕方無かったんだよ」
天使 「威力が低いのですから無理はしないでください」
中年 「テンシガイヤガッタカ…」
天使 「いやがったのです」
天使 「下級悪魔ごときが人間界にのさばろうとは随分烏滸がましいですね」
中年 「シタニオリルテクルヨウナテンシゴトキガ、ナメルナヨ」
天使 「そうですか…」
中年 「ハハッ!キテミロヨ!」
天使 「行くまでもありません」
中年 「ハ…?」
天使 「神の代理人の代理人、小唯一神の名において命じます」
中年 「ナニッ!?」
天使 「死んでください」
兄 「なっ…?」
天使 「終わりました、みなさん待っていますよ」
兄 「お、終わりって…」
天使 「終わりです」
兄 (天使が一言告げただけで、中年の男の姿は消え去った)
兄 (そう、文字通り消え去ったのだ)
兄 「だってお前今のおっさん…」
天使 「悪魔が姿を偽っていただけです」
天使 「貴方が気にすることではありません」
兄 「そ、そっか…」
天使 「えぇ」
兄 (目が怖い…)
兄 (それにお嬢様は悪魔は人に入り込むものと言っていた)
兄 (だが天使は悪魔が化けていただけと言う)
兄 (どちらが正しいんだ…?)
落ちます
乙
なんかメガテン的な話になってきたな
いいぞもっとやれ
支援
自室
tv 「オレソーウナココロハー」
兄 「………」ボケー
兄 (悪魔か…)
兄 (もう何がなんだかわかんねぇや)
兄 (まぁ、あいつは助けてくれたわけだが…)
兄 (でもあのおっさんも見た目は人間だったわけだし…)
兄 「あーなんだよもー!」
兄 「そういや神の代理人がどうとか小唯一神だとか言ってたっけ」カタカタカタ
兄 「メタトロン…?」
兄 (世界の広さに等しい長身と36対の翼…?)
兄 (なぁにこれぇ?)
天使 「みーたーなー」
兄 「みゃーーーっ!?」
天使 「変な悲鳴をあげないでください」
兄 「お前メタトロン?」
天使 「まぁ名乗ってしまいましたからね、認めましょう」
兄 「翼72枚も翼あんの?」
天使 「えぇ」
兄 「身長=地球?」
天使 「流石にそれはないです」
支援
兄 「じゃあ目がいっぱいとかは…」
天使 「あるわけないですか気色悪い」
天使 「可愛いこの私をサウザンドアイズサクリファイス扱いですか?」
兄 「いや、別にそこまで言ってないけどさ」
兄 「じゃあなんで聖書では妙に脚色されてんだ?」
天使 「いやーそれは…」
兄 「言いづらいことなのか?」
天使 「いつの時代にもいるんですよ、中2って」
兄 「あー…」
天使 「特に聖書を書いたような連中ってどいつもこいつも邪気眼の塊みたいなやつらでしたから」
兄 「じゃあメタトロンになる前エノクが男なのは…」
天使 「『今時代は男装女子だっ!!』って…」シクシク
兄 (うわぁ…)
兄 「じゃあ天使ちゃんは生まれた時から女だったんだな」
天使 「あたりまえじゃないですかー!」
天使 「サイズも人間規格ですよぅ!」ウワーン
兄 「よしよし」ナデナデ
兄 (天使も苦労してんだなぁ…)
天使 「あ、悪魔は他にもいるようですから気を付けてくださいね?」
兄 「はいよ」
翌日 昼休み
オカ研部室
兄 「うーっす…」
お嬢様 「いらっしゃいませ兄さん」
お嬢様 「どうぞそちらにお掛けになって」
兄 「おぅ」
兄 (学校の一室にリクライニングソファーがある…)
お嬢様 「紅茶にします?それともコーヒー?」
兄 「あ、紅茶で」
お嬢様 「ダージリン?アッサム?あ、最近ちょっと珍しいグレープティーがあって…」
お嬢様 「ニルギリのミルクティーも美味しいですよ」
兄 (え、何語?)
兄 「任せるよ」
お嬢様 「はい。ではゆっくりなさってくださいね」
お嬢様 「熱いですからおきをつけて」コト
兄 「ありがとう」
兄 「しかし…」
お嬢様 「どうかなさいました?」
兄 「こざっぱりしてるな…」
お嬢様 「何か問題が?」
兄 「いや、オカ研っつったら怪しげな写真やら資料やらがあったり暗幕ひかれて壁に藁人形とか床に魔法陣とかがあるような感じがするじゃん」
お嬢様 「魔術が混ざっているようですが…」
お嬢様 「ここは普通の研究会の普通の部室ですよ」
兄 「あぁ、俺もゲームのやりすぎのようだな」
兄 「あ、パソコン使ってもいい?」
お嬢様 「ご自由にどうぞ」
兄 「さんきゅー」カタカタカタ
兄 (ふむ…)
お嬢様 「えっちなサイトはダメですよ?」
兄 「わかっとるわ」
兄 (仮にあの中年そのもなが悪魔だったとして)
兄 (天使の奴が使った力が退魔的なものだとしたらおっさんが消え去ったのも納得がいく)
兄 (天使の命令は『死んでくれ』)
兄 (ではこの命令をそこらの人間に使うとどうなる?)
兄 (そこらの奴、そうお嬢様にでも使ってみるか?)
兄 (怖くてできねー)
お嬢様 「なにかお悩みでも?」
兄 「人生についてな」
お嬢様 「壮大な悩みごとですね」
兄 「なんてったって思春期だからな」
お嬢様 「若いって大変ですね」
お嬢様 「ではわたくしに相談してみません?」
兄 「お前に?」
お嬢様 「わたくしこれでも聞き上手だと自負しておりますの」
兄 「ほんとかよ」
兄 「あなたの手元には絶対に人を殺せる銃があります」
お嬢様 「物騒な思春期ですね」
兄 「そして目の前に敵が現れました」
兄 「あなたは咄嗟に敵の胸を撃ち抜きました」
兄 「もちろん敵は死にました」
兄 「さてあなたはその銃が本当に必殺の銃だと断言できますか?」
お嬢様 「……?」
兄 「あー、なんて言えばいいか……」
兄 「本当はその銃はただの銃で、撃ち所がよくて一撃で殺せただけなのか」
兄 「それとも本当に必殺の銃なのか」
兄 「お前は証明できるかって話」
お嬢様 「あぁそういうことですか…」
お嬢様 「そりゃあ、他で試してみるとか?」
兄 「だよなー」
兄 (ただもちろん試すわけにはいかないわけで)
兄 「悪魔が人に化けてたりってするのか?」
お嬢様 「一部にはそういう悪魔もいますけど」
お嬢様 「そんな芸当をやってのけるのはごく一部、それも力の強い悪魔だけです」
兄 「そうか……」
兄 (やはり食い違う)
兄 (天使は中年を雑魚扱いしていた)
兄 (だが人に化ける悪魔は力の強いものだけ)
兄 (お嬢様の言うことが先人から学んだ脚色という可能性もあるが、それでもこの引っ掛かりはなんだ?)
自室
兄 「おい、天使」
天使 「なんですか?」
兄 「俺はお前より上なんだよな?」
天使 「えぇ、偽物とは言え神様ですから」
兄 「じゃあ俺がお前に死ねって言ったらお前は死ぬのか」
天使 「えぇ、力を使いこなせていれば」
兄 「あのおっさんと同じように?」
天使 「……何が言いたいのです?」
兄 「率直に訊く、あのときお前が殺したのは『人間』か『悪魔』か。どちらだ?」
天使 「もちろん『悪魔』です」
兄 「神に誓って?」
天使 「……嘘は通じなさそうですね」
天使 「そうです、私が殺したのは乗り移った悪魔と乗り移られた人間です」
兄 「そっか」
天使 「へ?」
兄 「そっかそっかスッキリしたわー」
兄 「やっぱお嬢様が言うのは正しかったんだなよかったよかった」
天使 「怒ったりとか、しないんです?」
兄 「は? なんで怒んの?」
天使 「私は貴方に嘘を吐いて人を殺したのですよ?」
兄 「あぁ、そだな」
天使 「そだなって……」
兄 「やらなきゃいけないことだったんだろ」
兄 「別にそれを責めたりしないよ」
天使 「……案外大人なんですね」
兄 「少年漫画じゃねーんだから聞き分けのねーこと言わないさ」
兄 「それにお前に守ってもらったわけだしな」
天使 「テクノブレイクのなんのでキョドっていた人とは思えませんね」
兄 「あの時は動転してたんだよ」
天使 「ふふ、そうですね」
兄 「あぁ、そうだな」
妹 「あーお兄ちゃん天使ちゃんとイチャイチャしたら委員長さんに言い付けるからね!」
兄 「やめろ」
翌日
天使 (そんなこんなで兄の疑念も無くなりまして)
天使 (距離が縮まったはずの2人なのですが)
兄 「おいはよ飯食え」
天使 「あ、はい!」
妹 「お兄ちゃん靴下無いよー」
兄 「ベランダはー?」
妹 「あ、あったー」
天使 「……もぐもぐ」チラ
兄 「おぅ?」
天使 「……もぐもぐ//」
天使 (今度はどうにも距離をとりづらいといいますか)
教室
女 「おっはよー」
兄 「おぅ、おはよう」
委員長 「おはよう」
天使 「お久しぶりですね」
委員長 「? 昨日も会ったじゃない」
天使 「そうでしたね」
お嬢様 「兄さーん」
兄 「おぅ?」
女 「誰? 新キャラ?」ボソボソ
天使 「お隣のクラスのお嬢様さんですよ」ボソボソ
女 「あぁあのオカ研の……」
委員長 「……」ムスー
お嬢様 「放課後少し用事があるので部室までお願いします」
兄 「あいよ」
女 「え、何あんたオカ研に入ったの?」
兄 「名ばかりだがな」
女 「ほぉー、流石断れない人」
兄 (そういやそんな設定あったなー)
女 「なに、いくら積まれたの?」
兄 「あのなぁ」
天使 「兄はいつのまにかオカルトにも興味を持ったようで」ジトー
委員長 「さぞかしおモテのよーで」ムスー
兄 「別にそんなんじゃねーよ」
女 (あちゃー、死亡フラグじゃないかなー)
兄 「じゃ天使、先に帰っててくれ」
天使 「いえ、私もオカ研さんに行きます」
委員長 「私も行くから。ね、女?」
女 「いや私はちょっと…」
委員長 「行くよね?」
女 「行くとも」
放課後
お嬢様 「えっと……」
兄 「来たぞ」
天使 「きたぞー」
お嬢様 「いらっしゃいませ……」
委員長 「テレビにソファーまであるわ」
女 「ちょっと帰ったがいいと思うよ私は」
兄 「用件は?」
お嬢様 「入部届けを書いてもらっていなかったので」
兄 「あぁそんなことな、すぐ書くよ」
風呂入ってきます
いてらー
支援
兄 「φ(..)」カキカキ
兄 「終わったぞ」
お嬢様 「はい、では顧問の先生に提出しておきます」
委員長 「オカ研って言うからにはもっと凄いものを想像していたけど…」
女 「マンションのモデルルームみたいですね」
天使 「このお菓子美味しいですね」モグモグ
お嬢様 「……」
兄 「ほら、迷惑だろ。帰るぞ」
帰り道
天使 「あんなに美味しいお菓子は初めて食べました」
兄 「少しは遠慮しろよ」
天使 「次からは気を付けます」
兄 (多分次は無いだろうな……)
幼馴染 「あら」
兄 「おっ」
天使 「むっ……」
幼馴染 「よく会うわね」
兄 「そっすね」
天使 「……」
幼馴染 「委員長さんとは別れちゃったの?」
兄 「こいつはただの幼馴染みっすよ」
幼馴染 「へぇ、そうなんだ」
兄 「こんな時間に珍しいですね」
幼馴染 「今日は生徒会休みなのよ」
兄 「そーだったんすかー」アハハ
幼馴染 「それじゃ私こっちだから」
兄 「はい、さようなら」
幼馴染 「またね」テクテク
兄 「どした、さっきから黙って」
天使 「いえ……」
天使 「貴方は女性の友人しかいないのですね」
兄 「……」
兄 (俺コミュ障だったのかー!)ズーン
天使 「言いたいことは違うのですがまぁ反省した方がいいと思います」
天使 (あの方は友人を失った上に兄の正体に気づいている……?)
天使 (よくないことが起きなければいいのですが……)
兄 「お、俺よく考えたら男友達がいない……」
天使 「きっとみなさんリア充爆発しろと思っているのでしょうね」
天使 (杞憂ですかね)
数日後
兄 (友人達に囲まれ、昼休みは優雅にお茶を飲み、休日は彼女とイチャイチャ)
兄 (17にして素晴らしいセカンドライフを送っている)
兄 (しかし、そんな平和な日々がそう長く続くわけもなく)
兄 (日常なんてものは、案外簡単に崩れさってしまうのだと)
兄 (俺は一つ、学ぶことになるのだった)
兄 「ん……?」
妹 「どうしたの?」
兄 「なんか雨降りそうだな」
妹 「天気予報は……あ、今日夕方から雨だよ」
兄 「そうか、傘忘れないようにな」
妹 「お兄ちゃんもね」
天使 「そろそろ行きますよー」
兄 「あいよー」
教室
サァァァァ
兄 (もう降ってきたか……)
委員長 「うわ、今日傘持って無いんだけど……」
兄 「持ってきてるよ」
委員長 「流石ね」
兄 「もっと褒めてもいいんだぜ」
委員長 「気分が乗ったらね」
兄 「なー天使よー」
天使 「なにか?」
兄 「神様パワーで天気の天気変えたりってできるの?」
天使 「できますよ」
兄 「ただし?」
天使 「えぇ、事象の根本を書き換えることになりますからかなり大変ですしリスクが付きまといます」
兄 「便利なようで不便だよなー神様って」
天使 「貴方は偽物ですけどね」
兄 「あ、お前傘持ってるよな?」
天使 「はい」
兄 「今日委員長送ってくから、お前先に帰っとくか?」
天使 「では女さんと遊ぶことにします」
兄 「おう、そうしろ」
放課後
シトシト
兄 「だいぶ弱まって来たな」
委員長 「えぇ、駅につく頃には止んでそうね」
兄 「駅まででいいのか、送るの」
委員長 「いいのよ」
兄 「そうかい」
委員長 「たまには雨もいわね」
兄 「そうだなー」
兄 「じゃこの辺で」
委員長 「うん、ありがとう」
兄 「どういたまして」
委員長 「噛んでるわよ」
兄 「うるせ」
委員長 「ふふふ、また明日ね」
兄 「あぁ、また明日」
委員長 「じゃ」
ザァァァァ
兄 「また強くなってきたなぁ……」
? 「みぃつけた……」
兄 「おぅ?」
幼馴染 「みつけた」ニタァ
兄 「幼馴染さん、どうし」パァン
兄 (な……傘が……?)
幼馴染 「やっとみつけたよ神様ぁ」
兄 「!?」
兄 (なんだこの感じ、まるであの時の……)
幼馴染 「探したよ、程よい心の隙間を持った人間と偽りの神様を」
幼馴染 「ずっとずっと探してたよ……」
兄 「まさかてめぇ幼馴染にっ……!」
幼馴染 「あぁそうだよ男君。君の中身を手に入れる為に幼馴染さんに付け入らせて貰ったよ」
兄 「てめぇ……」
幼馴染 「大丈夫、この子には手を出さないから」
幼馴染 「君がおとなしく死んでくれたら、ね?」バッ
兄 「うおっ!?」
兄 (なんだよあれ、影か?)
幼馴染 「よく避けたと言っておこうか。でもラッキーは続かないよ!」ババッ
兄 「くぅっ!」ズシャ
幼馴染 「左腕が潰れた!!」
兄 (クソ、どうする)
兄 (天使がいるならともかく今は俺だけ)
兄 (あの影からも逃げ切れる自信が無いそれに……)
幼馴染 「どうしたのかな男くぅん?」
兄 (とり憑かれたのが幼馴染じゃあ……!)
兄 (クソ、偉そうに割りきったつもりでいたのかよ俺は……!)
兄 (幼馴染を殺せるわけがないだろうが!!)
幼馴染 「そぉれっ!」バッ
兄 「つぅっ――!」
幼馴染 「ハハッ、今度は左足だ!」
お嬢様 『悪魔は人の心の隙間につけこみ中へと入り込んできます』
お嬢様 『心の弱い人間ほど、悪魔にとり憑かれやすいのです』
兄 (やっぱお前、俺のことに気づいてて……)
兄 (ずっと引きずってたんじゃねーかよ……)
兄 (そう、隙間を埋めてやればいい、そうすれば悪魔が付け入れなくなるはずだ)
兄 (それ以外にはねぇだろ)
兄 (でもどうやって……)
天使 『正確にはそういう風に貴方以外の記憶を書き換えました』
兄 (幼馴染の記憶を書き換える……?)
兄 (事故を無かったことにするか? いや、それでは俺が死んだこととの辻褄が合わなくなる)
兄 (幼馴染の記憶を変えるだけで、周りとも辻褄を合わせる方法を……)
幼馴染 「そら!!」バッ
兄 「がっ……!?」
幼馴染 「腹にモロじゃないか! もうろくに息も吸えないだろう?」
兄 (人が考えてんのをじゃますんじゃねーっつの……)
兄 (無かったこと、無かったこと……)
兄 (幼馴染の中での俺の大きさを無かったことにする……)
兄 (そうだ、これしかねぇ)
兄 (だけどこれはあいつの気持ちもそれに俺自身も……)
幼馴染 「どうしたのさ黙りこくってさぁ!!」
兄 (……はっ、俺一人の思いを殺すだけなら、あんな奴に乗っ取られるよりよっぽどマシか)
天使 『えぇ、事象の根本を書き換えることになりますからかなり大変ですしリスクが付きまといます』
兄 (いいさ、リスクくらい背負ってやる)
兄 (今は幼馴染を助けることだけを考える!)
幼馴染 「目を閉じて、お祈りかい? 辞世の句を詠まないならさっさと介錯してあげるよ!!」
兄 「偽りの神が命じる!」
幼馴染 「っ!?」
兄 「幼馴染よ、お前の中の俺を消せ!」
幼馴染 「な、にをいっ…て……?」ドサァ
兄 「幼馴染っ!」ダキッ
兄 「成功か……?」
幼馴染 「あ、あれ、あに…くん?」
兄 「良かった……」ギュウ
幼馴染 「あれ、びしょ濡れ…って君血まみれじゃない!!」
兄 「いや全然このてい、っ!?」ズキッ
兄 (頭痛……?)
幼馴染 「だ、大丈夫!? 救急車呼ぶからまだ頑張ってね!!」
兄 (あー、意識が……)ドサッ
兄 (お前の中の俺、ちゃんと殺せたかな―――)
今日はここまで
最後の方見返したらごちゃごちゃ…
正直委員長より幼馴染とくっついて欲しい
おつ
(;・ω・)ハードな展開になってきたな
幼馴染が不憫で不憫で…
数日後 病院
兄 「うぅん……」パチ
天使 「やっと起きましたね大馬鹿」
天使 「能力は使うなとあれだけ言っていたのに」
天使 「まぁ今回の場合は上手くいったようですからよかったですけど」
兄 「……」キョトン
天使 「どうしたのですかアホな顔して」
兄 「君は誰?」
天使 「君とかやめてください気色悪い」ゾワワッ
天使 「吐き気を催します」
兄 「ごめん……」
天使 「あ、あれ……?」
天使 (どこか妙に塩らしいというかなんというか……)
天使 「妹ちゃんはもう帰らせましたから」
天使 「大変だったのですよ、一日中泣きっぱなしで」
兄 「そうですか……」
天使 「一体どうしたのですか? いつものあなたなら軽く流すようなことなのに」
兄 「いつもの僕って、どんなだったんですかね?」
天使 (僕……?)
天使 「一つ尋ねます、貴方は誰ですか?」
兄 「僕は、僕は……」
天使 「あなたまさか……」
天使 (結論から言うと、兄は記憶を失っていました)
天使 (考えるに、幼馴染さんに使った書き換えの力が強すぎて、余計な分が自分に返ってきてしまったのでしょう)
天使 (男という人間の存在を書き換える力が)
天使 (今の幼馴染さんが男さんのことを友達程度にしか認識していないのもその力のせいでしょう)
妹 「もう、また入院なんて……」
兄 「ごめんね……」
妹 「いいの、生きててくれたから」
兄 「うん……」
兄 (目の前で泣いている女の子)
兄 (僕の妹らしい)
兄 (もちろん、覚えていないのだけれど)
兄 (でも、弱々しい彼女の笑顔に何故だか胸が小さく痛んだ)
兄 (まるで、僕が彼女に大きな嘘をついているかのように)
天使 (人は、誰しも傷と受けながら歩んでいく)
天使 (本当に些細なことから、命を脅かすような大きなことまで)
天使 (彼の場合はそれが後者で)
天使 (これからも、血だらけになりながら、傷だらけになりながら)
天使 (どこかへ向かって歩いて行くのでしょう)
天使 (偽物の兄となり、偽物の神となり、自分をまでをも殺した彼は)
天使 (他のどんな存在よりもどこまでも、偽物なのだから)
おわり
ごめん
幼馴染み救済ってこんなのしか思い付かなかったよ
( tдt)だめだよぅ…こんなのだめだよぅ…
ウウゥ…
(っωt)っ乙"
乙
…………。゚(゚´д`゚)゚。
むくわれねぇ…乙
乙
続くんだよな・・・な?続かないと報われないだろ・・・
乙!
是非とも続きを希望
乙
happyendはどうした ( ゚д゚)・ァ!!
大団円お願いします
てんばつ☆てきめ~ん
デビルサバイバーかデビルサバイバーオーバークロックに影響受けすぎだろ。
確かに面白かったけど!!
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