八幡(その日、俺は葉山に呼び出されていた)
葉山「どうやら、俺と君が好きな人は同じみたいだな」
八幡「!?」
八幡(な、なんだと…)
葉山「俺は君を出し抜いたりせずに、対等でいたい」
葉山「だから、俺は君に宣言する」
葉山「俺は近日中に告白する!」
八幡「っ!?」
八幡(ま、まさか…こいつ、戸塚の事を!?)
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知ってた
ホモの薫り
* * *
■部室
雪乃「…」
八幡(い、いや、冷静になって考えるんだ。比企谷八幡)
八幡(そもそも葉山が戸塚を好きなはずがない)
八幡(…そ、そうだ。そもそも戸塚と葉山は接点が少なすぎる)
雪乃「…」
八幡「ハッ!!!!」
雪乃「!?」ビクッ
八幡(そ、そういえば、職場見学…一緒の班だった…)
八幡(よくよく考えたら、葉山はなんで俺と戸塚の班に入ってきたんだ…)
八幡(ん?いや、俺と葉山のグループに嫉妬した戸塚が入ってきたんだっけ?)
八幡(…)
八幡(あの時のやきもち焼いた戸塚…可愛かったな…)ニヤニヤ
雪乃「…?」
八幡(って、そうじゃない。考え方を変えるんだ)
八幡(そもそも、戸塚は葉山の事を好きじゃない!これは確定のはずだ)
雪乃「…」
八幡(い、いや、『確定』って言えるのか?)
八幡(感情なんて一番計算できないもの…)
八幡(も、もももも、もし、戸塚が葉山の事を気にしていたら…ぐぐぐぐぐぐっ!)
八幡(よくよく考えたら、戸塚と葉山は部長…よって繋がりがある…)
八幡(なんてことだ。こんな重要な繋がりがあるなんて…)
八幡(お、俺は…どうすれば…)
八幡(…)
八幡(考えろ…考えるんだ俺。俺と戸塚の幸せな未来を)
八幡(…)
☆妄想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
戸塚「八幡…大切な話があるんだけど、今時間ある?」
八幡「もちろんいいぜっ」キリッ
戸塚「実は、ぼく…小町ちゃんと結婚することになったんだ」
八幡「な、なんだと…」
戸塚「だから、これからは八幡の事…『お兄ちゃん』って呼ぶね」
八幡「!?」
戸塚「これからよろしくね。お兄ちゃん」
八幡「うおおおおおおおお!弟最高ーーーーっ!!」
☆妄想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
八幡(なにそれ。すごくいい。はい。すごくいいです)ニヤニヤ
雪乃「はぁ…」
八幡「ん?」
雪乃「今日はどうかしたのかしら?いつも以上に気持ち悪い…いえ、形容しがたい…見るに耐えない表情をしているわよ?」
八幡「いや、ちょっと悩み事があってだな…」
雪乃「そう…」
八幡「…」
雪乃「…」ジー
八幡「…」
雪乃「…」ジー
八幡「…」
雪乃「悩み事があるのよね?」
八幡「ああ、そうだ」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「…」ソワソワ
八幡(なんでこいつソワソワしているんだ?)
雪乃「はぁ…ほら話をしてみなさい。部員が困ってるのなら、それを解決するのも部長の役目よ」
八幡「お前…部長って自覚あったんだな」
八幡(原作で絶対に言わないセリフだな…。まぁ、話ぐらいしてみるか)
* * *
八幡「…というわけだ」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「あ、あの、雪ノ下さん?」
雪乃(そ、そういえば、葉山くんから『明日、屋上で待ってます』的な手紙を貰ったわ…)
雪乃(ひきなんとかくんが話した内容から考えると…)
雪乃「…………………………」
雪乃「っ//」ボンッ
八幡「ど、どうした?風邪か?耳が真っ赤だぞ」
雪乃「い、いえ。どうということないわ」
八幡「そうか?」
雪乃(も、もももも、もしかしなくても…)
雪乃(比企谷くんは私の事が好きだというの!!!!!????)
雪乃(な、なんということ…。まさか私の事が好きだなんて…)
雪乃(そ、そうじゃないわ。まずは冷静になりなさい。比企谷雪乃)
雪乃(違う!そうじゃないわ!)
雪乃(やっぱり、家の事を考えて、雪ノ下八幡のほうがいいのかしら…?)
雪乃(これは一度姉さんに相談を…)
雪乃「って、そうじゃない!!」バンバン
八幡「っ!」ビクッ
雪乃「…」コホン
八幡「ど、どうかしたのか?」
雪乃(いきなり結婚の事とか…重い女がすることだわ)
雪乃(それよりも、まずはご家族にあいさつが基本よね)
雪乃(ええ、まずやる事は『ご家族にあいさつ』)
雪乃「ねえ。このことは小町さんは知っているの?」
八幡「いや、ついさっきの話だし…って、小町!?」
雪乃「ええ。やっぱり小町さんから話をするべきだと思って」
八幡「しまった。俺としたことが…葉山が小町の事を…くそっ。その可能性も考えるべきだった」ブツブツ
雪乃「?」
雪乃(ぶつぶつ何を言っているのかしら?)
八幡「…」ブツブツ
雪乃「…」
雪乃(って、そうじゃないわ!!!)
雪乃(そもそも、なんで私が比企谷くんを好きみたいな話になってるの!?)
八幡「…」ブツブツ
雪乃(くっ、この男。こう見えて案外策士ね。いつの間にか、私と比企谷くんが恋愛関係な話に誘導するなんて!)
八幡「…」ブツブツ
雪乃(そもそも比企谷くんを好きになるはずがないわ)
雪乃(そう…好きになんてなるはずがないのよ)
雪乃「…」
☆妄想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
八幡「ああ…人生おしまいだ…」
雪乃「どうしたの?比企谷くん?」キリッ
八幡「雪乃ちゃん…」
八幡「実は、就職に落ちちゃってな…。もうどこも就職できないんだ」
雪乃「あら?どこか忘れてないかしら?」キリリッ
八幡「え?」
雪乃「私のところで一生メイドをやりなさい。大丈夫。ずっと面倒を見てあげるわ」キリリリッ
八幡「雪乃様…」
☆妄想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
雪乃(メイド姿の比企谷くん…すごく気持ち悪いわね)
雪乃(ま、まぁ、あくまでも私は比企谷くんの事が好きではないし)
雪乃(私と一生一緒にいる…こういう人生も悪くないわね)
雪乃「…」
雪乃「ふふっ♪」
ガラララッ
結衣「やっはろー」
雪乃「こんにちは♪」
八幡「…うす」
結衣「なんかすごい逆な光景…ゆきのんはすごい幸せそうな表情で、ヒッキーは…なんというか目が魚みたいに死んでる」
雪乃「あら。それじゃいつも通りじゃない。魚に失礼よ」
結衣「そっかー。ヒッキーいつも通りだったね」
八幡「はぁ…」
結衣「…あ、あれ?ヒッキー大丈夫?」
八幡「あ、ああ。ちょっと疲れててな」
結衣「ご、ごめんなさい!あたし変なこと言っちゃって…」
八幡「いや、いい。気にしてないから」
結衣「本当にごめんね。ヒッキー」
八幡「大丈夫だ。気にすんな」
雪乃「…」
雪乃って原作で自分のこと部長部長って言いまくってるけど?
雪乃「…」コホン
雪乃「さっきの話の続きなんだけど」
結衣「え?」
八幡「ん?」
雪乃「比企谷くんが先にアタックすればいいと思うわ。きっと相手も待ってると思う」
結衣「え?アタック?ばれー?こうげき?」
雪乃(由比ヶ浜さんにわからないように、遠回しな言い方をしたのだけれど、さすがに『アタック』は知っていたわね)
八幡「いや、それはないだろ…」
雪乃「どういうことかしら?」
八幡「相手が俺を待ってるだと?それは可能性0だ。なんならマイナスで相手が逃げ出すまである」
結衣「そうだよ!ゆきのん!どんな理由があったって、誰かを攻撃なんかしちゃだめだよ!」
雪乃「ちょっとあなたは黙ってて」
結衣「えっ………あっ、はい」
雪乃(よくよく考えたら、『葉山くんが私に告白』しようとしているということを、比企谷くんは知らない)
雪乃(だから、『比企谷くんが雪ノ下雪乃を好き』という事実に)
雪乃(私が気付いている事を、比企谷くんは知らないのよね)
結衣「(´・ω・`)」
雪乃(なるほど、それで比企谷くんは告白を恐れているのね)
雪乃(まぁ、それも仕方ないことね)
雪乃(普通に考えて、彼が告白すればフラれるのは当然)
雪乃(でもね。あなたを受け入れる寛大な人だっているのよ?)
雪乃「」フフン
八幡「いや、なんでドヤ顔なんだよ…」
結衣「(´・ω・`)」
雪乃「大丈夫。絶対にうまくいくわ。だから試しにやってみなさい」
八幡「いやいや。なんでそんなに自信満々なんだよ。そもそも相手はあの葉山隼人だぞ。俺が勝てる道理はない」
結衣「(´・ω・`)!?」
結衣「ちょっと待って!ちょっと待って!どういうこと!?」
八幡「いや、別に…」
結衣「隼人くんとケンカするの!?駄目だよヒッキー!」
雪乃「ゆ、由比ヶ浜さん?」
結衣「男子同士にしかわからないこともあると思うけど、駄目だよ…。お願いだから、やめて…ね?ヒッキー」
八幡「いや、ケンカしねーし。お前の勘違いだよ」
結衣「どうしてもっていうなら、あたしを倒して………………………………………………………………え?」
* * *
結衣「ほへー」
八幡(由比ヶ浜に説明を行った…)
八幡(というか、なんで俺…奉仕部にこんな恥ずかしい恋愛話なんてしなきゃならんの!?)
雪乃「由比ヶ浜さん。事情はわかったかしら?」
結衣「え、えーと…それで…そのヒッキー…ううん、隼人くんの好きな人って…」
雪乃「そ、それは…その…あの…非常に言いにくいんだけど…」
八幡「小町だ」
雪乃「へ?」
八幡「いや、戸塚かもしれん…」
雪乃「は?」
結衣「そっかー。やっぱりそうなるよねー。あはははは…」
雪乃「…」プルプル
八幡(ん?雪ノ下が涙目でプルプルしてるぞ。どうしたんだ?こいつ)
結衣「…ゆきのん」
ダダダダダダ
八幡「雪ノ下!?」
結衣「ゆきのん!?廊下を走ってどこに行くの!?」
八幡(あいつ…泣いていた…?)
八幡「追いかけるぞ!由比ヶ浜!」
結衣「う、うん!」
雪乃「追ってこないで!!」
ダダダダダダ
ユキノシター ユキノンー
雪乃「あーもうっ!誰か殺して!!」
雪乃「やっぱり私の青春ラブコメはまちがってる!!!」
終わり
■後日談
八幡「…ということだ」
雪乃「…」
八幡「なんだかんだ、葉山は小町にも戸塚にも告白しなかった」
雪乃(くっ…この男…)
八幡「一体、何がしたかったんだ…あいつ…」
雪乃(なぜ、毎晩毎晩毎晩毎晩、夢の中に出てくるのよ)
八幡「…」
雪乃(ま、まさか、私は比企谷くんの事が好…………)
八幡「ないと思うが、葉山が俺の好きな人をまちがって、小町でも戸塚でもない人間に告白した…とか」
雪乃「それはないわ!」
八幡「そ、そうだよな」
雪乃(ええ、絶対にない!私がこの人を好きになるなんて…絶対に)
了
これにて終わりになります。
読んでくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします。
面白かったwww
乙
勘違いゆきのんかわいい
第一部終わりだよな
第二部はよ
屋上でずっと待ってたのかな…
本当に間違えた…乙です
自分大好き八幡君に告白するのかと思ったぜ
スピード感があって良かった
乙!
面白かった、乙
葉山の放置っぷりが可哀想すぎる(笑)
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