アルミン「僕は犯人じゃない!」 (22)
ユミル「おい、みんなちょっと聞いてくれ。」
エレン「どうしたユミル。」
ユミル「昨夜重大な事件が発生した。」
ライナー「重大?」
ユミル「ああ、クリスタ、話していいな?」
クリスタ「・・・うん。」
ユミル「実は昨夜、クリスタの下着が盗まれた。」
みんな「えええええええ!!」
ライナー「なんてことだ!」
コニー「そんなことするやつが、ここにいるのかよ!?」
ユミル「実際、下着が無くなっていたんだ、間違いない。」
エレン「それで、今から何しようってんだ?」
ユミル「犯人探しさ。」
エレン「この中にいるのか!?」
ユミル「外部犯にしては、手際がいい。兵舎内の構造を熟知しているとみていいだろう。」
ライナー「そうか・・・、この中に・・・。」
ユミル「そういうわけだ。みんな協力してくれ。」
アルミン「(・・・さて、どうする・・・?)」
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アルミン「(盗んだこと自体が知られるのは間違いないと思っていたが、まさか公言してくるとはな。)」
アルミン「(ユミルめ・・・、クリスタを苦しめてまで犯人を探し出すつもりか。)」
アルミン「(だが僕は捕まらないぞ。)」
ユミル「じゃあまず、昨夜のアリバイを聞いていこうか。」
エレン「昨夜って、みんなもうやすんでるんじゃないのか?訓練でくたくたなんだし。」
コニー「そうだよな。消灯時間にうろつけば怒られる。」
ユミル「ああ。だから犯人は用意周到に計画を立て、誰にも気づかれずに犯行を成し遂げたんだろう。」
ユミル「だが、犯人は1つミスを犯した。」
エレン「何だ?」
ユミル「サシャが見ていたんだ。」
アルミン「(何だと!?)」
ユミル「そうだな、サシャ?」
面白そう
サシャ「はい、あれは私が食料庫に盗み食いをしにいった時でした。」
サシャ「食料を盗み部屋に戻ろうとして扉を開けた時、誰かが窓から飛び降りたのが見えたんです。」
サシャ「その後、部屋を見回りましたが、全員寝ていましたので、あれは間違いなく男子です。」
ユミル「というわけだ。しかもそいつの特徴も覚えてるんだろう?」
サシャ「はい、髪は金髪でした。」
アルミン「(な!?)」
サシャ「暗かったので、明度や髪型までは分かりませんでしたけど。」
ユミル「よし、じゃあ金髪と野次馬以外はとっとといきな。」
アルミン「(まずいな・・・。半分ぐらいに減ってしまった・・・。)」
アルミン「(いや、まだ半分ある。そうさ、この中から僕を犯人だと突き止めるなんて不可能だ。)」
ジャン「おい、俺はぐっすり寝てたからよ。盗んじゃいねえぞ。」
ユミル「それを証明するものは?」
ジャン「いや、ないけどさ・・・。」
マルコ「そういえば、僕は夜中に目が覚めちゃってさ・・・。」
ジャン「マジかよ、マルコ!」
マルコ「うん。ジャンはぐっすり眠ってた。でも、少し音がしたんだ。」
ユミル「音?」
マルコ「うん。はしごを登るような音だった。」
ユミル「そうか・・・。じゃあ、そいつが犯人って可能性もあるな。」
ライナー「夜中に抜け出す奴なんて、そうそういないだろうしな。そいつは犯人と見ていいだろう。」
ベルトルト「そうだね。」
ユミル「よし、じゃあ、ハシゴを登る位置にベッドがある奴を重点的に調べていこう。」
アルミン「(おいおい、また減ったぞ。いや、まだ大丈夫だ。)」
ユミル「さあ、だいぶ減ったな。」
クリスタ「ねえ、ユミル、まだ続けるの?」
ユミル「当たり前だろ。お前の下着を盗んだんだぞ?」
クリスタ「・・・。」
ライナー「そんな奴は許しちゃいけないな。」
アニ「ねえ、窓から出たって言ったけどさ・・・。」
サシャ「はい。」
アニ「気づかれないためには、あまり大きく窓開けられないんじゃないの?」
ユミル「まあ、そうだろうな。」
アニ「じゃあ、ある程度体の小さい人じゃないと出来ないんじゃない?」
コニー「確かに!ライナーとかだと、動作がでかくて音もしそうだしな!」
ユミル「そうか・・・。確かに体が小さければ窓からの侵入が一番成功しやすいだろうしな・・・。」
ユミル「ってことは・・・。」
アルミン「・・・。」
エレン「おい!アルミンはやってねえよ!」
ユミル「誰もアルミンだなんて言ってないだろ。」
エレン「くっ・・・。」
ライナー「だが、アルミンである可能性が最も濃厚だな。」
ミカサ「そんな・・・。」
アルミン「(どうする?まさかこうなるなんて、思ってなかった。)」
アルミン「(いや、何とかして切り抜けるんだ。アルミン。君は頭がいいんだ!)」
ユミル「おい、アルミン、なんか言えよ。」
アルミン「(そうだ・・・。まだ証拠は十分じゃないんだ。)」
アルミン「ねえ、僕が犯人てさ・・・、本気で言ってるの?」
ユミル「ん?いや、まだ決まってはいないけどさ。」
アルミン「だよね?じゃあ僕を犯人みたいに見るのやめてくれるかな?」
エレン「そうだぞ!やめろ!」
ミカサ「アルミンが犯人なわけがない。」
アルミン「そうだよ。僕は犯人じゃない。」
アルミン「まずさ、サシャ、髪の色なんて暗い中わかるの?君寝ぼけてたんじゃないの?」
サシャ「えっ?いや、そんなことはないですよ。」
アルミン「どうかなー?だって夜中に食料庫に忍び込んだんだよ?普通じゃないよ。」
サシャ「うっ・・・。」
アルミン「マルコ、君だって寝ぼけてたんだよ。就寝時間中に抜け出すわけないだろ?」
マルコ「いや、僕は確かに聞いたよ!」
アルミン「だとしても、それが僕である証拠は無いよね?」
マルコ「む・・・。」
アルミン「それに、体が小さい方がいいって、それは成功確率が高いって話でしょ?」
アニ「そうだよ。」
アルミン「でもさ、ここまで証拠を残さないほどの犯人なら、体の大きさの問題ぐらい何とかしてるはずだよ。」
アニ「んー、そうか。」
アルミン「きっとこれは僕を陥れる罠だよ。」
ユミル「罠だと?」
アルミン「そうだ、僕は座学トップだから、僕を妬んだ人の犯行に違いない!」
エレン「そうだ!そうに違いない!」
ユミル「いや・・・、それはどうかと。」
アルミン「この名探偵アルミンが、必ず真犯人を突き止めてみせる!」
アルミン「まず、クリスタに対して最も好意を抱いているのは誰だい?」
ユミル「さあな、みんなだろ?」
アルミン「いや、一人いるんだ、クリスタと付き合いたいって思ってる人が・・・。」
ユミル「何!?」
クリスタ「!?」
アルミン「それは・・・、ライナーだ!」
ライナー「な!?」
アルミン「君はクリスタへの好意が抑えられず、行為に走ってしまったんだ。」
~~~~~
ライナー「クリスタ・・・。ハアハア。」
クリスタ「・・・。」
ライナー「よし、寝てるな・・・。」
ライナー「おお!これはクリスタの!ムフフ・・・。」
~~~~~
アルミン「・・・みたいな感じでね。」
ライナー「おい!俺はやってないぞ!」
アルミン「まあまあ、あくまで可能性の話だよ。」
アルミン「候補は他にもいる。マルコだ。」
マルコ「何?」
アルミン「君は自分で証言をすることで、自分自身は容疑者から外れようとしたんだ。」
アルミン「そしてアニ、君もだ。」
アニ「は?」
アルミン「君は体の小さい人が怪しいと言っていた。でも、これまでのことは君にも当てはまるんだよ。」
アニ「は?何で私がクリスタの下着なんて盗まなきゃいけないのさ?」
アルミン「さあね、あくまで可能性の話だから。」
アルミン「とまあ、考え出せばきりが無い。僕が犯人だなんて言いがかりはやめてくれよ。」
ユミル「ん・・・、そうだな。」
アルミン「そうだろ。全く、とんだとばっちりだよ。」
エレン「ホントだよな。」
ミカサ「さあ、アルミンはもう休んだほうがいい。」
アルミン「そうだね、そうするよ。」
エレン「ったくよ、訓練で疲れてるのに、勘弁してくれよなー。」
アルミン「そうだよ。僕がクリスタのパンツなんて盗むわけないんだよ。」
ユミル「・・・おいアルミン、今何て言った?」
アルミン「え?」
ユミル「クリスタのパンツ?誰もパンツだなんて言ってないだろ。」
アルミン「何言ってるんだ、最初からパンツって言ってるじゃないか。」
エレン「・・・いや、俺は知らないな。」
アルミン「え?」
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