短かい上に、ほぼ京ちゃんしかいないです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437917572
「暇だ……まじで暇だ……」
全国高等学校なんたらかんたら大会…通称インターハイ。略すと『インハイ』。
その麻雀大会に出場するために、俺たちは東京に来ていた。
とはいっても、俺はただの応援団。しかも一人。
インハイに出れない俺はアウトロー、とかいうネタを思い付いてみたけど、言う相手もいないので黙っておく。
清澄高校麻雀部は女子部員が5名に男が1。
俺以外はみんな、団体戦のメンバーだ。
当然、ほかのみんなと同じ部屋に泊まるわけにもいかず、わざわざ個室を用意してもらったわけだが…。
「暇すぎる……ホテルってマジでなんもねーのな…」
暇なんだ。
暇なんだ。
暇なんだ、本当に。
「昼間はまだしも、夜のこの時間だと外出すんのもあれだし。…咲辺りに電話でもしてみるか……いや、でも……」
俺と違って、みんなは真面目な理由で来てるわけだ。
きっと今も、対戦相手の研究やらなんやらで忙しいのだろう。
だから、メールや電話をするのも気が引ける。
お気楽なのは俺一人。それ以外はみんな真剣勝負に来ている。
「いっそ長野で留守番しとけばよかったなぁ…。でも、ハギヨシさんと仲良くなれたのは東京に来たからだし……」
同じ電車に乗っていても。同じ場所で飯食ってても。
どこか感じる、疎外感。
俺だけが感じる、疎外感。
みんなが俺の手の届かないところにいるような、そんな感覚。
「和はともかく、咲や優希まで遠い奴らになっちまったなぁ……」
劣等感や憧憬じゃない。
そんな感情は全くない。
ただ、遠い…そう思う。
「……それにしても…暇だ……」
物理的な距離じゃない。
意識が、遠い。
俺が理牌をする間、彼女たちは何を考えているのだろうか。
俺が河を見る間、彼女たちには何が見えているのだろうか。
きっと、認識している世界は違う。
おそらく、見えている景色は違う。
下から見上げる東京タワーと、スカイツリーから見下ろす東京タワーは、まったくの別物だ。
その景色の違いが、俺と彼女たちの距離。
だから、遠い。
かといって、何かできるわけでもなく。
することもなく、どうすることもできず。
考えても暗い気持ちになるだけなので、さっさと寝てしまおう。
……そう思い、布団を被った瞬間。
どぉん、という音が、微かに障子を揺らした。
「……花火?」
白い障子紙に映る、赤。緑。黄。青。
木の枠をずらすと、大輪の花。
時に重なり、時に連なり。
どぉんどぉんと空が鳴く。
「きれいだなぁ…」
考えず、意識すらせず、口からでた言葉。
「…やっぱ夏は花火だよなぁ……」
先ほどまでの憂鬱も忘れて、花火を眺める。
ふと気づくと、机が揺れる感覚。
花火とは違う、もっと別の振動。
「…電話。…咲から?」
それは、先ほど電話をしようとして、気が引けて結局掛けなかった相手の名前。
「もしもし、どうした?」
『もしもし!? 京ちゃん外見てる!? 花火だよ、花火!!』
「おう、こっからもよく見えるぞ」
『今日、花火大会だったんだって! ラッキーだね!!』
「夏だからな~。やっぱ夏は花火だよな」
『うんうん…あ!! 今の花火、花柄っ!!』
「そうだな。そっちはみんなで見てるのか?」
『うん! 和ちゃんが寝てたけど、さっき起きたよ。というか優希ちゃんが起こしてた。京ちゃんもこっち来なよ!!』
幼馴染からの魅力的な提案。
暇だ暇だと散々嘆いていた俺が出した答えは……。
「いや、いいや。俺は一人で見とくよ」
『え~? くればいいのに。部長や風越さんもいいって言ってるよ?』
「移動してる間に終わったら嫌だしな」
『あ…それもそっか』
「それに…そっちは優希が騒がしそうだ」
『ふふっ、よくわかったね。ずっとタマヤーって叫んでるよ』
「電話からこっちまで聞こえてきてるよ。花火の音よりでかいんじゃないか?」
『そうかもね』
電話で話す咲は、どこにでもいる、普通の女子高生で。
昔と変わらない、そう遠くもない、普通の女子高生で。
そうだ。
咲も、優希も、和も。
遠い場所にいるのかもしれない。
手の届かない場所にいるのかもしれない。
でも、ただの高校生だ。
でも、同じ麻雀部員だ。
でも、一般的な人間だ。
根本が変わってしまったわけじゃない。
届かなくても、同じ空の下にいる。
届かない、あの花火を見上げてる。
なら、寂しいことなんて何もない。
あいつらだって、上を見てる。
上を目指して、頑張っている。
立ってる場所は違っても。
見ている場所が同じなら。
「咲が見てる花火を、俺も見てるんだな」
『どうしたの? いきなり』
「いや、なんか不思議だなって。別の場所にいるのに、同じ景色を見てるって」
『? ロマンチスト京ちゃんの誕生?』
「……ロマンチストとロストマンって似てるよな」
『…へ? いきなりなんの話?』
「分かんねぇ。なんか、考えがまとまらない……ボーっとしてるっつうか……なのに変にドキドキしてるっつうか……」
『……変な京ちゃん』
「だな。…そろそろ通話料もアレだし、電話切るぞ」
『え? あ、うん。そだね』
「おやすみ」
『おやすみ』
そうだ。
きっと。 俺と咲は。 俺と優希は。 俺と和は。 そんなに違わない。
年齢だって一緒。学年だって一緒。学校だって一緒。生まれた国も、使う言葉も、住んでる県も。
どれだけ化け物みたいに思えても。
どれだけ遠い存在に感じても。
あいつらだって、俺みたいに。
空には、花火には、手は届かない。
なら、俺だってあいつらみたいになれる。
あいつらを抜かすことはできなくたって、追いかけることはできる。
あいつらと離されたって、同じ道を歩くことはできる。
あいつらに勝てなくたって、麻雀で強くなることはできる。
あいつらより弱くたって、麻雀を好きでいることはできる。
いいね
「…暇だなんて言ってる場合じゃないぞ。勉強しねえと」
「まずは牌効率か? オリ方か? いや、それ以前に向聴数の数え方を…」
とりあえずの目標。
再来年までに、自力でここに帰ってこよう。
そうと決まれば、花火なんて見てる場合じゃないな。
花火は来年か、再来年。
またここで見ればいい。
障子を閉めようと、木の枠に手をかけた、その刹那。
俺の決意を奮い立たせるように。
一際大きな火の花が。
高い高い、夜空に咲いた。
終わりです。
あ、あと咲日和のオープニングの京ちゃんかわいいですね。
スレタイは適当です。
乙です
さわやかだった
おつ
すばらな京ちゃんスレであった
可愛いんだけどねぇ……
本編で出てほしかった……
乙でした
新刊では京ちゃんの出番多くて嬉しい
5コマはあったよね?
ホテルこの童貞だけは死守する狙った獲物は逃さない
ホテルだけで須賀京太郎×弘世菫様を妄想する俺もう駄目かもしれない
結局結婚~須賀京太郎との間に娘が出来て幸せエンドを何回もしたキャラって弘世菫様以外少ないかな?
放火魔咲は放火事件でみなもちゃんを殺して弘世菫様の敵状態一時期菫←咲←照←菫のカップリングとはいったいなんだったんだ
もう覚醒した亦野誠子さん【大座化】のTDNモブ化されたモブ咲をwが介護するエンド確定w大勝利
ちなみにwは淫乱サイコクレイジーホモ(レズ)うちはマダラ様をホモにした淫乱ビッチピンクは淫乱の全ての元凶
こいつ【w】も覚醒した亦野誠子さん【大座化状態】に超能力麻雀バトルボコられエンドが見える
フェなんとか~咲-saki-~阿智賀編~シノハユは覚醒した亦野誠子さんに超能力麻雀バトルで精神を病んだ精神患者放火魔咲とwの物語と予想
須賀京太郎は何だかんだで弘世菫様と結婚娘の弘世蕾ちゃんが誕生パッピーエンド
いつになったら不死身のシャカ化&永水女子修行編開始するのかなこれだけは後十数年後確定?
先ずは真・全国編で白糸台無双会話永水女子が今年も全国団体戦2位でしたね
他校白糸台と永水女子の圧倒的力に絶望して無限月読の世界に突入←今の原作内容ここ
白糸台無双編と永水女子で不死身のシャカ化世界戦終了後白糸台と永水女子&須賀京太郎【不死身のシャカ】で超能力麻雀バトルで魑魅魍魎と超能力バトル
↑まで数十年は掛かるな誰か小林立先生に寿命を分けてあげてください
小林立先生の身体はボロボロです精神も糞編集部とオナニーのせいで病んでいます誰か小林立先生に感謝と慰めを
白糸台日和4巻今日で3冊買いましたもっと白糸台日和置けよ不細工エセはやりんやwなんて誰が買うかよブスが
乙乙
えがった
これはいい京ちゃんスレ
来年と言わず再来年と言うあたり京太郎だな
HTML化依頼出してきました~。
一応報告しときます。
このSSまとめへのコメント
こういうSS大好き