裕子「サイキック紅葉風呂!」ヘレン「その一言が始まりだったわ」 (26)

裕子「私の超能力で温泉がより風流に早変わりです!サイキック紅葉風呂!」

ヘレン「この日、超能力者裕子は露天風呂を紅葉でいっぱいにしようとして持ち前のサイキックを発動したわ。彼女なりに頑張ってはいたけれど、結局成功はしなかったの。だけどこの一言が、新たな世界レベルを生みだすきっかけとなる出来事だったのよ。」



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このとき超能力者裕子は紅葉を降らせるためにサイキックを使ったのだけれど、
正確には『物体を自分に向けて落下させる』というものだったわ

だけど、自分の力を把握出来ていない裕子は紅葉以外のものを落下させてしまったの


宇宙空間を漂う固体物資。そう、小惑星よ

この星は元々太陽系を漂う幾千の小惑星の一つに過ぎなかったのだけれど、
この瞬間から堀裕子に向けて音を超える速度で落下を始めたわ

この星を…そうね、仮にWと呼びましょうか。
勢い良く地球への旅に出たWだけれど落下中に生じた他の小惑星との接触や惑星の引力による軌道変化によってどんどん勢いを失くしていったの。

それでも半年を過ぎる頃にはなんとか火星付近にまで到達したわ。
そして最初の半分にも満たない速度になったWはここで地球への旅における最大の障害に遭遇するの。

Wの軌道と、火星の衛星フォボスの軌道が重なってしまったのよ。このまま進めば衝突は確実。

直径22kmもの大きさに億を軽く超える質量のフォボスとぶつかればWが一瞬で粉々になることは確実だったわ
だけどこのとき超能力者裕子がまたもやサイキックを発動させたの

裕子「アイドルサイキッカー、スペインにあらわる!!ではいきますよ!ムムムンッ!!このバラを曲げるんっ!…しおれた?」

スペインLIVEツアーに来ていた超能力者裕子はスペインに馴染みのあるものを使おうというサービス精神と
薔薇ならスプーンより曲げやすいだろうという下心から薔薇を曲げる超能力を発動させるの。

だけどその邪念が本来の意図とは違う結果を生み出したわ。

それは時間加速。色鮮やかだった薔薇は時間の波に呑まれてしおれ、
それと同時にWはフォボスが進路を塞ぐ前に通過することを可能にしたの

まじかよサイキックすげえな
みくにゃんのファンやめます

そしてその1年後、ついにWは地球の大気圏に突入していったわ。

光を散らしながら落ちるWは流れ星となってとある少女達の目と心にしっかりと刻みこまれたの。

誰にも存在を気にされないまま消えていくはずだった星を輝かせ人の心に残す。

その偉業は周りの子たちには知られていないけれど堀裕子という人物が歴史に名を残すことを示唆する出来事となったわ。
いずれ私を驚かせるようなことを成し遂げてくれるかもしれないわね。







…と、その時の私はそんなことを考えていたの。
けれど流れ星を見た少女の内の一人によってこの出来事が私の想像を上回る事態に発展したのよ。

>>8
なんでにゃ!

こずえ「…おねがいごとするのぉー?えっとー…こずえはぁー…」

流れ星を見ていたのは遊佐こずえ。まだ未熟ながらも世界レベルを超える可能性を内包した少女よ。

彼女はこの流れ星に向けて願い事を言おうとしていたの。

でも流れ星はそう長くは持たない。数秒もしない内に消えてしまったわ。

だけど流石と言ったところかしら。
彼女は「願い事を言う」という目的を達成するため、無意識のうちに事象の再試行を行ったの。

具体的には消滅した流れ星と同一の固体を何度も降らせ続けたわ。

確かにすごいことだけれどここまでなら驚くほどではないわね。


私が想定していなかった事態。それはこのタイミングで裕子がまたサイキックを発動させたことよ。

裕子「えいっ、さいきっくひよこテレキネシス!!…ムンッ!!」

サイキックをマジックに応用しようとしていた裕子がこのとき発動させたのは物体の複製よ。
マジックに使ったひよこの小物、輝子のキノコを増殖させると共に流れ星も複製させてしまったの。

複製と再試行。
相乗効果によってどんどん数を増していくそれはもはや流れ星で出来た滝のようだったわ。

私でもあれほどの絶景を見ることはそうそう叶わないレベルだったわね。

この流星群は30分近く降り続け、
後日世界中で話題となり「突如として現れた謎の流星群」として歴史に刻まれたわ。


無名だった星が歴史に名を残す…これは間違いなく世界レベルよ!
そして世界レベルを生み出した裕子とこずえもこの時点で正式な世界レベルとなったわ。

どちらが欠けてもこの偉業は為し得なかった。

誰かと共に大事を為す、それもまた世界レベルを高める要素でもあるのよ。

一連を通して偶然が重なりあった出来事だったけれど、
この2人にはこれからも世界レベルを磨き上げていってほしい。そう心から応援しているわ

ヘレン「…というのがこの話の顛末よ。あなたも彼女らに負けないくらいアイドルのあの子達を輝かせることね。…っと、いけないわ随分話し込んでしまったわね。さあ早く次の仕事へ向かうわよP!!」

…………

ヘレン「え?なぜそんな一部始終を知っているのかって?簡単なことよ」

ヘレン「世界レベルを名乗るには、世界を知っていなければならないでしょ?だから、そういうこと」

さすヘレ

以上となります。
初SSで至らないところもありましたが読んで下さった方ありがとうございます。

壮大過ぎワロタ

>>22
よさかな

いいssだった、かけ値なしに

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