久美子「麗奈遅れるんだ……ま、トランペットの練習が長引いたんなら仕方ないかな」
久美子「さて……とりあえず、どっかで時間でも潰そうかな……」
久美子「……………………あ」
~~~~~~
優子「全く……! 向こうから誘っといて寝坊ってどういうことよ!」
優子「はぁ~あ……もう帰ってやろうかしら……」
優子「……………………あ」
~~~~~~
晴香「香織との約束の時間よりも早く着いちゃったな~……」
晴香「まあ、お店見てたら三十分なんてすぐだよね」
晴香「……………………あ」
◇ ◇ ◇
久美子「…………」
優子「…………」
晴香「…………」
三人(…………どうしようっ……!)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436278092
久美子(と、とりあえず、外で会っても挨拶は基本だよね?)
優子(やっぱり、部長もいるし、挨拶はしとかないとね)
晴香(まさか後輩二人と会うなんて……もしかして二人、関わり無いように見えるけど仲良しなのかな?)
三人「こんに……!」
三人(かぶった~~~~~~!!!)
久美子「え、えと……吉川先輩、小笠原先輩、こんにちは」
久美子「き、奇遇ですね! 休みの日に会うなんて」
優子「そ、そうね! 小笠原先輩も、お買い物か何かですか?」
晴香「う、うん。ちょっと私だけ早く着いちゃったんだけど、香織と待ち合わせしてて」
優子「か お り せ ん ぱ い と ?」
晴香「え……う、うん」
久美子「ちょっとがっつき過ぎじゃないですかね~……」
久美子(ってまた余計なこと言った!)
優子「べ、別にがっついてなんか無いわよ!」
優子「そういう黄前さんはどうしたの?」
久美子「私は、麗奈と一緒に楽器店を見に行く予定でして……」
久美子「でも、ちょっと遅れるみたいなんです」
優子「ふ~ん……やっぱり高坂さんと仲良いんだ」
晴香「優子ちゃんは?」
優子「あたしは……ちょっと、友達と会う約束だったんですけど、寝坊したみたいで……」
晴香「ふ~ん……じゃあ二人共、予定は開いてるんだね」
二人「「えっ?」」
~~~カフェ~~~
優子「ちょっと黄前さん! どういうことよ!」ボソボソ
久美子「どうと言われましても……ああ言われて断れませんよ」ボソボソ
優子「そりゃ、あたしも同じよ?」ボソボソ
優子「ちょっと早く来すぎて暇だからお話しない? ってあんな可愛く言われたら断れないわよ!」ボソボソ
久美子「ですよね~……」ボソボソ
優子「でもそこで何か言って断るのがアンタの役目でしょ!」ボソボソ
久美子「そういう余計なことを言うのは吉川先輩の役目ですよ……」ボソボソ
優子「なんですってぇ! っていうかそういうのをあの時にね――」ボソボソ
晴香「お待たせ」
二人「「いえいえそんな」」
晴香「二人共、何話してたの?」
優子「いえ、そんな大した話では……」
久美子「小笠原部長に付いて行くのをどうして断らなかったんだって脅されてました」
優子「おいこら黄前ぇっ!」
晴香「えっ……」
優子「ち、違いますよ晴香先輩!」
晴香「そっか……優子ちゃんは迷惑だったんだね……」
優子「ほら私、この中だと真ん中なので、気を遣って疲れちゃうな~、とか、そんな感じで……」
晴香「あ、じゃあ私に対しては無礼講で良いよ」
優子「えぇっ!?」
晴香「誘ったのは私だし、敬語とか、無理して使わなくて良いから」
優子「いえ……まあ、敬語は使いますけど……」
晴香「黄前さんも、好きなように呼んでいいから」
久美子「それじゃあ、晴香先輩って呼んでも良いですか?」
晴香「もちろんだよ、黄前さん」
久美子「嬉しいなぁ……部長のこと晴香先輩って呼べるなんて」
晴香「そんな……大袈裟だよ」
久美子「でも晴香先輩、さっき言ったのは勘違いですよ?」
晴香「勘違い?」
久美子「吉川先輩は、晴香先輩と二人きりになりたかったのにどうして私までついて来たんだって脅してきたってことですから」
晴香「えぇっ!?」
優子「ちょっ……!」
久美子「…………」ニコ
優子(こ、この子……)
優子(本当にそう勘違いしてるっ!?)
晴香「そ、そうだったんだ……ごめんね、優子ちゃん」
晴香「それなのに私ったら、勝手に落ち込んで……」
優子「い、いえいえ、そんな……」
優子「でもそのおかげで、挟まれてることに緊張するってことも打ち明けられた訳ですし……」
晴香「そ、そっか~……てっきり優子ちゃんは、香織のことばかり見てると思ってたのに……」
優子「そ、そりゃ、香織先輩が一番ですよっ!?」
久美子「うわ~……空気読めないな~……」
優子「それをアンタが言うかっ!」
久美子(あ、また私……!)ムグッ
優子「……と、ともかくですね、香織先輩が一番なのは確かです」
優子「でもあたしは、去年晴香先輩も頑張ってくれてたの、知ってます」
優子「だから、嫌いとか、そういうのは絶対にありません」
晴香「優子ちゃん……」
久美子「晴香先輩って、彼氏とかいないんですか?」
晴香「きゅ、急にどうしたの!? 黄前さん」
久美子「いえ……頑張り屋でこんなに可愛かったら、いてもおかしくないなぁ……とふと思いまして」
晴香「そ、そんな……いる訳ないよ、私なんかに」
晴香「普通に考えたら、香織の方がいるんじゃないかな」
優子「確かに香織先輩は美人ですけど、晴香先輩も可愛いですよ」
晴香「も、もう! 優子ちゃんまで……っ!」
久美子「吹部の誰かに告られたりとかしないんですか?」
晴香「う、う~ん……それこそ香織とかあすかばっかりだし……」
晴香「中には二人の好きな人誰って聞かれたり、告白の中を取り持って欲しいとか言われたり……」
晴香「だから私に声かけてくるのって、なんだか“この子なら楽勝だろう”感出てる気がして……」
久美子「そうですか? むしろ敷居高いように思いますけど……」
晴香「そ、それを言い出したら、黄前さんはどうなの!?」
久美子「わ、私ですかっ!?」
本日ここまで。
やっぱ書き溜めないと時間掛かるね。
明日は書き溜めて一気に投下します。
面白い
期待
つい昨日終わったばっかなのにもう次スレ建てるとか無茶しすぎだろ…
再開します。
優子「そう言えば府大会の時、トロンボーンの子と拳突き合わせてたってのを聞いたけど?」
晴香「えっ、えっ!? 優子ちゃん、それってどういうことっ!?」
久美子「そんな食いつかないで下さいよ~、晴香先輩」
優子「どうって言われましても……そのままですよ」
優子「なんか仲良さそうにイチャイチャしてたって」
晴香「そうなのっ?」
久美子「いやいやそんなまさか過ぎますよ」
久美子「大体秀一とはそんなんじゃなくてただの幼馴染で……」
二人「「下の名前呼びっ!?」」
久美子「いやいやいやいや! ですから幼馴染だからそれぐらい当たり前で……!」
優子「で、その肝心の秀一ってどの子?」
晴香「ほら、よく滝先生に注意されてた……」
優子「あ~……」
久美子「正しいけどその覚えられ方はあまりにも可哀想」
優子「なんだ。アイツって結構カッコイイんじゃないの?」
久美子「え゛」
優子「な、なによ……」
久美子「いえ……吉川先輩から男の人の感想が出てくるとは思いませんでしたので……」
優子「アンタはあたしのことなんだと思ってるのよ」
久美子「香織先輩しか考えられない人かな~……と」
優子「そ、そんなことないわよっ!」
晴香「でも、優子ちゃんが好きな男子の話してるの聞いたこと無いかも」
優子「そりゃ……まあ、吹部にはロクなのいませんし」
優子「同級生も、なんだかガキっぽいですし」
久美子「吉川先輩がよく――っ!」ムグッ
優子「いやもうそこまで言ったら言ってるのと同じだからね?」
晴香「でも、ロクなのってどういうこと?」
優子「去年、香織先輩や晴香先輩ばっかりに気を遣わせて、特に何もしてなかったじゃないですか。内の男子って」
優子「それでちょっと見限ってるって言うか、楽器運びに便利な人員にしか見えないって言うか……」
久美子「じゃあ、後輩はどうなんですか?」
優子「それこそガキっぽいっての」
優子「っていうか一年生は全員香織先輩とかあすか先輩ばっかり見てるって言うか」
久美子「まあ吉川先輩の場合、香織先輩香織先輩言ってるのを見てるから余計に寄ってこないのかもしれないですけどね」
優子「その程度で寄ってこれないのならこっちから願い下げよ」
優子「あたし、付き合っても香織先輩一番は変えないからっ!」
晴香「堂々宣言だね……」
晴香「ん~……でも去年、男子も一応は何かしてた……と思うんだけどな~……」
晴香「……ダメだ。エピソードが出てこない」
久美子「まあ、男女感でのそういうのってあんまり伝わりませんからね~」
晴香「ってことは、そのせいで香織ばかり追いかけるようになったってこと?」
優子「ま、香織先輩より素晴らしい人はいなかったので、仕方がないんです!」
久美子「まあ、麗奈から話聞いてる感じ、香織先輩はいい人ですもんね」
優子「ちょっと待ってその香織先輩“は”って何よ“は”って」
久美子「あ」
優子「それってつまり、あたしとか他のペットパートはダメってこと?」
久美子「そんなことは一言も……」
久美子「あ、でも、夏紀先輩のことを良いねとは褒めてました」
久美子「誰かと比べて……とは言葉にしてませんでしたけど」
優子「それをわざわざ付け加えるってことはそういうニュアンスがあったってことよね~?」
久美子「あ」
優子「さっきからうっかり多いわよ黄前さん!」
晴香「…………ん~……」
晴香「さっき見かけた時、二人が実は仲良しかと思ってたけど……実はそうでもない?」
久美子「あ~……まあ……」
優子「……そう、ですね……」
晴香「あ、だからさっき帰らないのかって黄前さんを脅してたのかっ」ポン
晴香「でもそれって、イジメ、ってこと?」
優子「…………」
久美子「そんなはっきり言い過ぎですよ、晴香先輩」
久美子「まあでも、トランペットのソロオーディション以来、キチンと話しませんでしたからね」
優子「ん……まあね」
久美子「それでまあ、吉川先輩が気まずい気持ちもわかるので、さっきああ言われるのもまあ当然かなぁ、って私は思ってた訳で……」
晴香「つまり、イジメとかそういうのは無い、と」
久美子「吉川先輩は、そこまでのことしませんから」
久美子「そういうのが一番酷いってのを、知ってくれてますから」
優子「黄前さん……」
優子「っ!」
パシンッ!
二人「「えっ……?」」
優子「…………」ジンジン
晴香「ちょっ、優子ちゃん!? 急にどうしたのっ!?」
優子「ケジメみたいなものです」
久美子「えっ?」
優子「勝手に苦手意識持って、遠ざけてた自分が情けなくて……」
優子「黄前さんは、あたしのことそこまで分かってくれてたのに……」
優子「あたしは、何も知ろうとしなかった」
久美子「…………」
優子「……ねえ黄前さん」
優子「これから、久美子、って呼んで良い?」
久美子「えぇっ!?」
優子「……ダメ?」
久美子「いえダメってことは……ただ急に距離を詰められたのでどうしたら良いものかなぁって」
晴香「良いんじゃない?」
久美子「晴香先輩っ!?」
晴香「ついでに、私も久美子ちゃんって呼んじゃおうかな」
久美子「ちょっ、晴香先輩まで……!」
優子「あたしのこと、優子って呼んでも良いから」
久美子「えぇ~? ……ん~……じゃあ、優子先輩で」
優子「……ん。ありがと」
久美子「な、なんか調子狂うなぁ……」
久美子「そ、そういえば優子先輩は、どなたと遊ぶ約束をしてたんですか?」
優子「えぇっ!? い、いや~……誰でも良いんじゃない? そういうの」
晴香「ん?」
久美子「隠すって怪しいですね~……彼氏さんですか?」
優子「ち、違うわよっ。久美子が期待するようなことじゃないからっ」
晴香「昨日、夏紀ちゃんと話してたけど、それじゃないの?」
優子「ちょっ、晴香先輩!」
久美子「へ~……」
晴香「あれ? もしかして言っちゃダメだった?」
優子「ダメ……って訳ではないですけど~……」
久美子「なんだかんだでお二人、仲良いですよね」
優子「ほら~! こんなこと言われた~!」
晴香「いやでも、私もその通りだと思うし……」
優子「違いますよ~! ちょ~っとケーキバイキングに付き合ってくれって言われただけです!」
優子「梨子が行けないから変わりにアンタで良いや、みたいな感じですよ! もう!」
久美子「なんか、言葉だけ聞くと夏紀先輩のツンデレみたいに聞こえません?」
晴香「うん。確かに」
久美子「夏紀先輩が梨子先輩に事前に断ってもらうようお願いしてて……みたいな」
優子「その場で見てたらそんなこと言えないわよっ!」
久美子「だったら他に誘ったら良かったんじゃないですか?」
優子「それは……まあ、そうなんだけど……」
晴香「やっぱり夏紀ちゃんと二人きりが良かったんだね」ボソボソ
久美子「ですね」ボソボソ
優子「目の前で耳打ち会話されて聞こえないとでも?」
優子「いやもちろん、誘おうかなぁ、とは思ったんですよ?」
優子「でも割引チケットがペアだから他に呼ぶのはな~……って夏紀も考えたようで」
優子「渋々! 渋々ですよ! ここ重要なんですけど!」
優子「それで仕方なく、あたし一人を呼んだんですよ、うん」
久美子「でも本当にイヤだったら優子先輩以外を誘いません?」
晴香「それはあるね」
優子「だからそれも色々とややこしくて……ああもう面倒くさい!」
優子「夏紀が勝手にあたしのこと想ってる分には何も訂正しなくて良いやもう!」
久美子「でも正直な話、優子先輩は夏紀先輩との方がお似合いですよ?」
優子「止めて! 私には香織先輩がいるのっ!」
久美子「いや~……香織先輩は……」
優子「……なによ」
久美子「…………」
優子「なんで黙るのっ!?」
晴香「まあまあ」
晴香「でもお似合いって言うと、私は久美子ちゃんと高坂さんも十分お似合いだと思うよ?」
久美子「え、そうですか?」
晴香「うん」
久美子「う~ん……」
晴香「あれ? 嬉しくない?」
久美子「いえ、嬉しいんですけど……ほら、麗奈って綺麗じゃないですか」
久美子「それとお似合いって言われても違和感すごいって言うか……」
優子「はい惚気いただきました~!」
優子「あ~あ! あっついあっつい!」
久美子「の、惚気じゃないですって!」
久美子「大体! こんなのが惚気だったら優子先輩と夏紀先輩のバイキングデートも惚気ですよっ!?」
優子「だからデートじゃないって!」
二人「「晴香先輩はどう思いますっ!?」」
晴香「う~ん……どっちも惚気、かな」
二人「「ぐおおおお……!!」」
晴香「う~ん……二人共、相性は良いんだね」
晴香「もう一気に仲良くなってるし」
久美子「それは……まぁ、優子先輩ってなんだか先輩に見えませんし……」
優子「あれ? これ喧嘩売られてる?」
久美子「いえ、そういうことじゃなくて……その、こうして話をするまでは、やっぱり先輩としての壁があったんですけど……」
久美子「一度無くなると、優子先輩がこちらに合わせてくれるというか……うん」
久美子「つまり、優子先輩が優しいってことですよ」
晴香「優子ちゃんだけにね、ってことか」
二人「「えっ?」」
晴香「…………ごめん、忘れて」///
優子(照れた晴香先輩可愛いなぁ……)
久美子「照れた晴香先輩可愛いなぁ……」
晴香「えぇっ!?」///
久美子「あ」
晴香「そ、そんな……! 可愛いなんて……!」///
久美子「え~? でもこう、いつも香織先輩とあすか先輩と一緒にいますけど、あれ見てると絵になりますよ」
晴香「そ、それこそ言い過ぎだって……!」///
晴香「私、あの二人と比べられたら数段落ちちゃうし……!」///
晴香「もう地面にめり込む勢いだし……」///
久美子「そういう謙虚な所が良いんですよ~。ねえ優子先輩」
優子「ん~……まあ全面同意出来るんだけど」
久美子「ほら~」
晴香「う、うう~……」///
優子「ただ久美子、なんか晴香先輩をナンパしてる軽い男に見える」
久美子「うそっ!?」
優子「いや、ホントホント」
優子「まさに“なんだかこの子なら楽勝だろう感出てるから狙ってる”感が出てる」
久美子「そんな……!」
久美子「ただ純粋に思ったことを言っただけなのに……!」
久美子「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ……」
優子「…………」
晴香「…………」
久美子「…………」
三人(((誰も言わない……)))
優子「……さて、満遍なくスベった所で……」
久美子「ぐふっ!」
晴香「そろそろ時間かな……ってあれ? メール?」
優子「あれ? あたしのも」
久美子「ん? あれ? 私のもだ……」
三人「「「…………」」」
晴香「……なんか、それぞれ向こうも会っちゃったみたいだね」
優子「ですね。こんなことってあるんだって感じですね」
久美子「三人で向かうから、そこで待っててってきてますね」
晴香「あ、二人のもそんな感じ?」
晴香「だったら私が代表して香織に場所を送っておくね」
久美子「あ、お願いします」
優子「お手数かけます、晴香先輩」
晴香「いえいえ。これでも部長ですから」
本日ここまで。
本当は>>29の所で解散予定だったけどもうちょい書きたくなったので続けてみる。
キャラ崩壊し始めたけどそれでも良かったらもう少しお付き合いください。
面白い
久美子「やっぱ晴香先輩って頼りになりますよね~……」
久美子「あ、そういえば優子先輩は、香織先輩の連絡先って知らないんですか?」
優子「なに? 知りたいなら本人に聞きなさいよ」
久美子「いえ別に」
優子「はぁっ!? あの香織先輩の連絡先いらないって言うの!?」
久美子「うっわ面倒くさい……じゃなくて、そこまで香織先輩のことが好きなら、自分から連絡取ったりしてるのかなぁ、って」
優子「もちろんよ」
久美子「へぇ~……ちなみにどんなやり取りするんですか?」
優子「朝の練習時間の変更とか、個人練の時に気になったことを教えてくれたりとかよ」
久美子「……ん? 他には?」
優子「他?」
久美子「……もしかして優子先輩、それって業務連絡って言うんじゃないですか?」
優子「ち、違うわよ!」
久美子「いや違わないですよ……」
久美子「もっとこう、プライベートなやり取りしてないんですか?」
優子「や、やってるに決まってるでしょ!」
優子「今日も香織先輩可愛かったです、とか、ここが難しいんですけどどうすれば良いですか、とか」
久美子「……それって、ありがとう、とか、明日教えてあげる、で終わりません?」
優子「もしかして久美子あたしの携帯覗き見たのっ!?」
久美子「いやそれ誰でも分かりますよ……」
久美子「なんていうか優子先輩、メール下手ですよね」
優子「だって……だってだって! 香織先輩にメールなんてどう送ったら良いのか分かんないんだもん!」
久美子「もうちょっとこう、友達に送るみたいな……」
優子「そんなの香織先輩に失礼よ!」
久美子「ホント優子先輩って面倒くさいですね」
久美子「普通に私にしたみたいに距離を詰めれば良いじゃないですか」
優子「そ、そんなの無理よ!」
優子「なんだか馴れ馴れしすぎるじゃない!」
久美子「そこが優子先輩の良いところだと思いますけど……」
久美子「そんなんじゃ本当に好きな人が出来た時どうするんですか?」
優子「ど、どうもしないわよっ」
優子「向こうから来てくれるのを待つに決まってんじゃん!」
久美子「白馬の王子さま的なアレですね」
久美子「ということは、優子先輩の好みってグイグイ迫ってくるタイプですか?」
優子「そんな軽そうな男、こっちからゴメンだわ」
久美子「あれ? じゃあもう出会い自体が無くなるような……」
優子「そんなことないわよ」
優子「香織先輩みたいに素敵な人だったら私からグイグイ行くもの♪」
久美子「いや現に行ってないんじゃ……」
優子「ま、軽い男はゴメンだけど、あたしのことを静かに引っ張ってくれたり背中を押してくれたり、暴走しそうになったら止めてくれたり、そういう頼もしい人とか良いかな」
久美子「ん……?」
優子「香織先輩とか♪」
久美子「いやそれってモロに夏紀先輩じゃ……」
優子「はぁっ!? どこがっ!」
久美子「いや全部が……」
晴香「はぁ~……やっとメール送れた」
晴香「それで、何の話で盛り上がってたの?」
優子「ちょっと晴香先輩聞いて下さいよ~」
優子「久美子ったらあたしの好きな人のタイプが夏紀みたいだって言ってくるんですよ~」
久美子「っていうか晴香先輩、さっきまでの話聞いて無かったんですか?」
晴香「あ、ごめん。私、メール打ってる時って他のことに気が回らなくなって……」
久美子「なんだこの可愛い生き物」
晴香「もう……また久美子ちゃんは私をからかって」
久美子「いやもうさっきから本当のことを言ってるだけなんですけど……」
晴香「メール送るのが遅いって、あすかによくからかわれちゃうんだよね」
晴香「直したいんだけど、それを意識してるとどうしても他のことがさ」
久美子「どう思います? 優子先輩」
優子「これは確かに可愛いやつね」
優子「でも香織先輩みたいに早打ちなのもギャップがあって可愛いんですけどね♪」
久美子「あ~、それも分かるな~……」
晴香「も、もう! 二人して……」
久美子「ちなみに、晴香先輩の好きな男性のタイプはどんな人ですか?」
晴香「あれ? 優子ちゃんの話じゃなかったの?」
久美子「優子先輩のは夏紀先輩みたいなのってことで決着しましたので」
優子「おいこら久美子、してないわよそんな決着」
優子「ま、でも、晴香先輩のタイプの方が気にはなりますけどね」
晴香「ん~……タイプって言われても……優しい人、かなぁ……」
久美子「あれ? でも優しいってのは他に褒めるところが見つからない時に言う言葉なんですよね?」
晴香「……やっぱり久美子ちゃん、前のこと根に持ってるよね?」
久美子「い、いえいえ! 誤解! 誤解ですよそれはっ!」
晴香「でも……まあ確かに、特にこだわりはないかなぁ……」
晴香「あ、でも、他を切り捨ててまで何かに夢中になってる人とかかキュンってくるなぁ」
優子「…………ん?」
久美子「それって…………」
晴香「え?」
久美子「……優子先輩、どうぞ」
優子「えぇっ!? そこであたしに振るのっ!?」
久美子「多分、思ってることは同じなので、言っちゃって下さい」
優子「あ~……うん、まあ、アレですね。晴香先輩」
晴香「なに?」
優子「それ、香織先輩とあすか先輩を足したような人ってことですよね?」
晴香「うそっ!?」
久美子「いえ、本当ですよ」
晴香「あ~……でも、言われてみたらそうなのかも……」
久美子「もう二人共それぞれのタイプと付き合えば良いのに」
優子「香織先輩ならウェルカムだけど夏紀ならノーセンキュー」
晴香「私の場合二股みたいになるんだけど……」
優子「そういう久美子はどんな人がタイプなの?」
久美子「私は……特に」
晴香「ズルい!」
久美子「えぇっ!? まさか晴香先輩に怒られるとは……」
久美子「あ~……でも晴香先輩と似てるかな~……」
久美子「私は、頑張ってる人とか結構好きですね」
優子「頑張ってる人……」
晴香「あれ? それこそあの幼馴染って言ってた塚本くんになるんじゃないの?」
久美子「まあ、頑張ってた時は確かに良いと思いましたけど……」
優子「でも高坂さんも頑張ってる人よね?」
久美子「まあ、そうですね」
久美子「っていうか、優子先輩から見て麗奈が頑張ってるように見えてたとは……」
優子「あんなにペット上手なのに頑張ってなかったらむしろヘコむんだけど」
晴香「じゃあ、久美子ちゃんも高坂さんと付き合えるってこと?」
久美子「どうでしょう……というか、もう半ばそんな感じになってるというか……」
優子「ちょっ……」
晴香「えっ……」
久美子「いや、本当に付き合ってはないですよっ!?」
久美子「でもなんていうか……ここ最近麗奈の色に染まってきてるというか……」
優子「な、なにそれは……」
晴香「なんか、すごくやらしく聞こえるね……」
久美子「別に何もやらしくは……ただ、麗奈ってよく抱き付いてくるんですよ」
久美子「それはもう緑ちゃんみたいに」
優子「えぇ~? それって久美子だからじゃないの~?」
晴香「あぁ、心を許してるからこそ、ってやつだね」
久美子「本人もそう言ってますし、まあ嬉しいんですけど……」
久美子「でもそのせいで、ここ最近、その頑張ってる人を見ると女性なら抱きつきたくなるようになっちゃったっていうか……」
二人「「あ~……」」
久美子「さっきも言った緑ちゃんもそうだから、余計に進行度が……」
優子「さっきから出てるそのみどりって子は?」
晴香「ほらあの、聖女でコンバスやってたからって真っ先に手を挙げてあすかに口説かれてた……」
優子「あぁ、あの子……」
優子「ん~……ああいうチンマイ子がそういう抱きつく癖持ってても大丈夫なのに……」
優子「高坂さんや久美子が抱きつき癖ってなると……」
久美子「まあ優子先輩も十分チンマイですよね」
優子「んだとコラァっ!」
晴香「まあまあ。香織は優子ちゃんのこと、小さくて可愛いって昔言ってたこともあるし、きっとそのままで良いんだよ」
優子「本当ですかっ!?」
優子「うっし!」ガッツポ
久美子「おおよそ女の子らしくないポーズが目の前で……」
久美子「まあそんな訳で、ここ最近そのことばかり考えてるせいか、むしろ私は男よりも女の人に寄ってるのではと思う次第で……」
優子「まあでも、女の人を抱きしめたいってのは分かるけど」
晴香「まあ、確かにね」
久美子「……気を遣ってません?」
優子「今更久美子に気を遣ってどうすんのよ」
優子「ま、やっぱ女の子のほうが柔らかいだろうし」
優子「男の人って、もう手を見るだけでゴツゴツしてて固そうじゃない」
優子「だからま、それでもそういうのに抱き締められたい、って思う相手が、きっと運命の相手なのよ」
晴香「久美子ちゃんはどう? その塚本くんに抱き締められたいって思う?」
久美子「ん~……いや、今のところは特に」
久美子「というか、そんなことしてきたら顎に頭突きすると思います」
優子「ま、今のところはその悩みのことで一杯一杯ってことなのね」
久美子「まあ、はい」
優子「あ、じゃあさ、あたしなんかも抱きつきたいって思うの?」
久美子「優子先輩は……あ~……でも自分を抱きしめたらこんな感じか……」
優子「は? どゆこと?」
久美子「ぺった――いえ」
優子「さっきは晴香先輩が止めてくれたから無かったことにしてあげたけど、あたしアンタより胸あるからね?」
久美子「あ、その冗談は笑えますね」
優子「よっしゃその喧嘩買ったぁ!」
久美子「じゃあちょっとカップ数を……」
優子「な、なんでこんなところでそんな……!」
久美子「あれ? 自信無いんですか?」
優子「い、言うわよ! 言ってやるわよっ!」
~~~~~~
久美子「…………」
優子「…………」
晴香「…………」← 流れで言った人
久美子「……優子先輩」
優子「……なによ」
久美子「……無益な争い、でしたね」
優子「……そうね」
晴香「えっと……ほら、二人共、まだ大きくなるから」← 流れで言った人
二人「「この世には、夢も希望もない!!」」
晴香「そ、そんなことないよ! 大体、私だって香織やあすかに比べたらその……小さいし……」
優子「聞きました? 久美子さん」
久美子「えぇえぇ。その小さいのすら足元にも及ばないわたくし達に何かを仰ってらしてよ?」
晴香「そ、そんなつもりじゃなくて……」
優子「あぁ~あ……学校だったらな~……」
晴香「え?」
久美子「ですよね~……全力で抱きついたのに」
晴香「え、えぇっ!?」
優子「……今度だね」
久美子「……ですね」
晴香「うぅ……」ササッ///
二人((身体を隠す晴香先輩可愛い))
麗奈「久美子!」
久美子「あ、麗奈」
優子(あれ……?)
香織「おまたせ」
晴香「あれ? もしかして、迷っちゃった?」
夏紀「よっ、どしたの?」
優子「ううん……。……ねえ、もしかしてさっきまで隣の席にいた?」
夏紀「まさか」
香織「迷っては無いけど、ちょっと、三人で話し込んじゃって」
優子「……本当に? なんか隣から急に高坂さんが出てきたように見えたんだけど」
夏紀「だから、気のせいだって」
久美子「今日の服も似合ってるねぇ、麗奈は」
麗奈「そ、そう……?」
久美子「うん」
夏紀・香織「っ!」
優子「?」
麗奈「そ……その、ね、久美子」
久美子「ん?」
麗奈「久美子も……今日の服、可愛い」
久美子「え?」
麗奈「そ、それだけ……」
久美子「あ、そ、そう……ありがと」
優子「ねえ本当に隣にいなかった?」
夏紀「しつこいってば」
夏紀「それよりも、今日は香織先輩に挨拶いらないの?」
優子「バカね~。今話しかけたら晴香先輩に迷惑かけるでしょ?」
夏紀「ふ~ん。そういう気遣いはちゃんと出来るんだ」
優子「夏紀と一緒にしないでよねっ」
夏紀「あたしだって、それぐらい出来るっての」
香織「あ、そうだ晴香」
晴香「ん?」
香織「ちょっと、抱きしめても良い?」
晴香「えぇっ!?」
優子「おい夏紀絶対会話聞いてただろ」
夏紀「さぁて。なんのことやら」
夏紀「ま、胸の大きさなんて気にしない気にしない」
優子「やっぱ聞いてんじゃん!」
夏紀「それよりもほら、バイキング行くよ」
優子「……良いわ。そこで問い詰めてやるんだから」
夏紀「あ、良かったら皆さんも一緒にどうですか?」
優子「ちょっ」
久美子「え? 良いんですか?」
夏紀「うん。といっても、割引券はペア分しかないから、ほとんど自腹になると思いますけど」
久美子「でも……お邪魔じゃないですか?」
夏紀「邪魔じゃない邪魔じゃない。デートとかそんなんじゃないんだし」
久美子「ん~……麗奈はどうする?」
麗奈「楽器店行くだけだし、久美子が行きたいなら行く」
麗奈「それに……吉川先輩にも色々と聞きたいし」チラッ
優子「っ!」ビクッ
久美子「そっか。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」
夏紀「うん」
優子「あ……か、香織先輩と、晴香先輩はどうですかっ!?」
香織「ん~……私達は参考書とか問題集を見に行く予定だったし」
晴香「その後も、本当は勉強するつもりだったしね」
夏紀「あ、それなら先に参考書見に行きましょうか」
香織「え?」
晴香「良いの?」
夏紀「はい。黄前ちゃん達も、それで良いよね?」
久美子「私は構いませんよ。先輩たちの選ぶ参考書を参考にしたいですから」
麗奈「アタシも、構いません」
夏紀「勉強なら、先に糖分取ってからでも良いじゃないですか」
香織「ん~……」
晴香「良いんじゃない? 香織」
香織「……そうだね。たまにはね」
優子(やったっ!)
夏紀「感謝しなさいよ?」ボソッ
優子「う、うっさいっ!」ボソッ
優子「でも……ありがと」
夏紀「ん」
久美子「それじゃあ、移動しましょうか」
晴香「そうだね」
香織「なんだか、こんなに沢山の後輩と歩くのって、久しぶりかも」
優子「あたしも! 香織先輩と久しぶりに一緒できて嬉しいです♪」
久美子「でも、本当に良かったんですか?」
夏紀「遠慮しない遠慮しない。ま、奢ることは出来ないけど、それは許してね」
麗奈「中川先輩」
夏紀「ん?」
麗奈「ありがとうございます。色々、お話出来て楽しかったです」
夏紀「……それ、言うにはまだ早いよ」
夏紀「これからもっと楽しまないと、ね?」
麗奈「……はいっ」
終わり
以上。
なんとか今日中に終わらせれた。
おかげで見直し一つもしてないけどなっ!
ちなみに説明するまでも無いけど、麗奈と夏紀と香織は一堂に会して久美子達と同じように第一声が被って、その後隣の席で三人の会話を聞いていた中、麗奈が我慢できず飛び出してしまった、という流れがありました。
でも書きたかったのは久美子と優子と部長の本編で絡みが少ない三人の絡みだったので今回は見送りで。
面白い
乙!
乙
主人公と部長とデカリボン?だよな
乙~
>>58 そう。毒舌とはやみんと香織狂
依頼出すの忘れてた
これから依頼出す
…前に、ちょっとした続き投下する
正直原作4巻読んだ衝動で書いた
明日で完結させる予定
タイトル
優子「壁ドンされた」久美子「あ~……」晴香「壁ドン?」
晴香「ってなに?」
二人「「えっ?」」
~~~某ファストフード店~~~
優子「……ちょっと久美子、やってあげなさいよ」
久美子「えぇ~? ここではちょっと恥ずかしいですよ」
久美子「っていうかソファでやったら壁ドンにならないですし」
優子「細かいこと言うわねアンタ」
晴香「ねえねえ。壁ドンって何なの?」
優子「ん~……こう、壁に手をついて…………携帯で検索しよ」
久美子「あっさりと説明諦めましたね」
優子「実演できないんなら難しいんだししょうがないでしょ」
優子「えっと……」タプタプ
晴香「わぁ……優子ちゃんって携帯の操作早いね~……」
久美子「晴香先輩と比べたら大抵の人は早いですよ」
~~~説明終了~~~
晴香「なるほど……で、誰にされたの? 吹部の男子?」
優子「もしやってきてたら鳩尾に蹴り入れてます」
久美子「香織先輩ですよね?」
優子「そうなのっ!」パァッ
久美子「わっ」
晴香「眩しっ」
優子「こう、あすか先輩と何か話したと思ったら、急にあすか先輩に呼ばれて、壁にもたれてって言われて、そのまま……」
晴香「壁ドン?」
優子「はいっ」
久美子「うっわいい笑顔」
久美子「っていうかあすか先輩本当にやらせに行ったんだ……」
晴香「え?」
久美子「いえ、実はお昼休みの時、後藤先輩と梨子先輩がしてるのを見て、その後あすか先輩が梨子先輩に壁ドンしたんですよ」
晴香「へ~……私てっきり、壁ドンって男の人から女の人に対してするものだと思ってた」
久美子「まぁその認識は何も間違いじゃないと言いますか……今回のがちょっと異端と言いますか……」
久美子「ともかくですね、その後面白そうだから香織先輩に優子先輩相手にさせようって言って飛び出したんですよ」
久美子「葉月ちゃんが止めてたのに……まさか本当にやらせにいくなんて……」
優子「そうなんだっ。あすか先輩、ありがとうございます!」
久美子「この場にいないのにそんな元気よくお礼言っても」
晴香「で、されてどうだったの? 優子ちゃん」
優子「腰が砕けました」
久美子「だと思いました」
優子「その時『わっ、大丈夫っ?』って腰から抱きかかえられて、鼻血が出てきました」
晴香「容易に想像できるね」
優子「で、気絶しました」
久美子「やっぱりか~」
優子「それで、そこまで嬉しい事をしてくれた香織先輩に何かお礼をしたいんだけど……どうしたら良いと思う?」
晴香「まさかの締めだね」
晴香「優子ちゃん、気絶させられたのにお礼をするの?」
優子「むしろお礼をしないとバチが当たりません?」
久美子「その発想はどこから……」
優子「夢見心地っていうのは、ああいうのを言うんですね~♪」
晴香「あ、じゃあ壁ドンをやり返してあげたら?」
久美子「晴香先輩、そんなことしたら香織先輩の制服に優子先輩の鼻血が……」
晴香「あ~……」
優子「ぐっ……言い返せない……!」
久美子「恩を仇で返すのだけは止めましょう」
晴香「じゃあ、香織が壁ドンされて嬉しい人に頼むとか」
優子「香織先輩がされて嬉しい人……」
久美子「……あすか先輩?」
優子「あの人に言っても聞いてくれるとは思えないな~……」
晴香「確かに」
久美子「晴香先輩が頼んでもダメですか?」
晴香「その場で裸に剥かれる可能性があるからやりたくないなぁ……」
久美子「私の知ってるあすか先輩はそんなことしないよう記憶してるんですが」
優子「同じく」
晴香「そう? 体育の時間とか酷いもんだよ? セクハラの常習犯なんだから」
久美子「何故だろう。あっさりと受け入れられる」
優子「っていうか今までそういうことしないと思っていたことが不思議に思えてきた」
晴香「まあ、あすかも本気じゃないんだろうけどね」
久美子「あ、じゃあ晴香先輩が香織先輩にするのは?」
優子「お願いします晴香先輩。是非とも壁ドンをしてあげて下さい」
晴香「その流れでお願いされると私だと簡単に引き受けてくれるって言われてるみたいなんだけど……」
晴香「あ~……でも、たぶん私じゃ香織は喜ばないと思うな~……」
晴香「首を傾げて『? なに? どうかした?』とか平気で言い返してきそう」
久美子「じゃあ……同じパートの麗奈は?」
優子「高坂さんに頭下げるの~?」
久美子「香織先輩のソロをお願いする時にしたじゃないですか。あんな感じで」
優子「イヤなこと思い出させないでよ……」
優子「っていうか、高坂さんが香織先輩に壁ドンしたとして、香織先輩が喜ぶとは思えないんだけど」
久美子「まあ、一理ある」
久美子「でもアレだけ可愛い子に壁ドンされたら、やっぱ嬉しいんじゃないですか?」
優子「その気を抜いたら惚気を入れてくるのいい加減止めない?」
久美子「の、惚気とかそんなんじゃないですって!」
晴香「今のはどう聞いても惚気だよ……」
優子「晴香先輩判定は絶対なので、今のは惚気と判断されました!」
久美子「ぐおおおおお……!」
優子「全く……久美子が高坂さんに壁ドンされたいからって、その願望を溢れ出さないでよね」
久美子「別に麗奈に壁ドンされても……いつも抱きついてくるし」
優子「あ~あ~もうあっついあっつい!」
久美子「あ、あついってだから! そんなんじゃないんですって!」
久美子「大体なんか、最近は匂いも嗅がれてる気がするし……」
晴香「え~……」
優子「……なんか高坂さん、変態度上がってきてない?」
久美子「優子先輩が私のこと名前で呼ぶようになったのがどうも気になるみたいで……」
優子「そういえばこの前六人で出かけることになった時もなんかその話されたっけ……」
晴香「つまり、優子ちゃんへの嫉妬がそういう行動になって現れてるってこと?」
久美子「多分……」
優子「いやそれってあたし悪く無いよね?」
久美子「そりゃそうですけど……」
本日ここまで。
ありがとうございました。
乙
再開します。
久美子「でも考えて下さい? あの麗奈に壁ドンされて、本当になんとも思わないですか?」
優子「思わないわよ。自信ある」
久美子「真っ直ぐな瞳で真正面から見つめ、顔の横にある腕は少し汗ばんでいて、少し視線を落とせば大きな胸とそれを隠すための下着が透けて見える。つい、見てはいけないものを見たという背徳感から慌てて顔を上げると、鎖骨に伝わる汗が見え、相手も緊張しているのだろう唇の震えと上気して赤くなった頬が目に留ま――」
優子「アンタ壁ドンされたことあるでしょっ!?」///
久美子「いえまあ日頃から見てる麗奈からの想像ですけどね」
優子「想像しちゃったじゃない! 晴香先輩見てよほらっ!!」
晴香「…………」///
優子「顔真っ赤よ!」
久美子「優子先輩もですけどね」
優子「うっさい!」
久美子「でも分かりましたよね? 麗奈の破壊力が」
優子「というか、アンタに説明させたらなんでも照れちゃいそうなんだけど」
優子「これだともし夏紀が相手でも絶対照れる自信がある」
久美子「まあ、この前遊んだ五人なら日頃からよく見てるので、私も簡単に想像できますね」
優子「サラっととんでもないこと言うわね……」
晴香「久美子ちゃんの趣味って、女子の視姦か何かなの?」
久美子「どうして壁ドン知らないのにそんな言葉知ってんですか、晴香先輩」
晴香「あすかが教えてくれた」
久美子「歩くエロ教科書かあの人は」
優子「あ~……結局香織先輩のお礼が思いつかないな~……」
晴香「もう久美子ちゃんが香織に壁ドンするのはどう?」
久美子「あ~……でもそんなことして、怒られません?」
晴香「香織はそんなことで怒らないよ」
優子「でもそれって絶対喜びませんよね……?」
久美子「それにそのまま抱き付いちゃう自信があります」
優子「そこは制御しなさいよ……」
久美子「無理ですよ。だって香織先輩魅力的過ぎますし。ですよね?」
優子「分かる」
晴香「そこで同意を求められてもなぁ……」
晴香「もうこうなったら香織に直接聞くのが一番早いんじゃない? ちょっとメールしてあげる」
優子「サプライズにしたかったんだけどな~……」
久美子「でも晴香先輩が聞く分には悟られ辛いんじゃないですか?」
優子「そう?」
久美子「優子先輩次第になりますけど」
久美子「あ、じゃあ無理だ」
優子「否定早すぎない?」
久美子「だって優子先輩、香織先輩相手だと分かりやす過ぎますし……」
久美子「いや夏紀先輩相手でも同じか……」
優子「はぁっ!?」
久美子「だって優子先輩って夏紀先輩のことも好きですよね?」
優子「何その節操なし設定」
優子「っていうかアンタってよくあたしと夏紀をくっつけたがってない?」
久美子「周りから見える事実を言ってるだけですよ」
優子「はぁっ!?」
~~~~~~
晴香「ふぅ……やっとメール送れた……」
久美子「ほら、優子先輩。晴香先輩がメール終わりましたよ」
久美子「だからいい加減香織先輩がいかに素晴らしいかのお話止めてもらえません?」
優子「そう? ま、仕方ないわね」
優子「これで久美子もいかにあたしが香織先輩のこと好きか分かったでしょ?」
久美子「はい。最高のツンデレを見せてもらいました」
優子「アンタ本当何も分かってないわねっ!!」
晴香「? 何の話?」
久美子「優子先輩が夏紀先輩のことを好きだって話です」
晴香「あ~……」
優子「違います~! あたしが香織先輩のことを好きって話です~!」
晴香「あ、その香織から返信が来たよ」
優子「よっしゃ! 待ってました!」
久美子「それで、なんて書いてるんですか?」
晴香「えっとね……ん?」
久美子「どうしたんですか?」
晴香「んと……『優子ちゃんと高坂さんの壁ドンが見たい』……だって」
二人「「は?」」
晴香「そんな声を揃えられても……」
久美子「晴香先輩、香織先輩になんてメール送ったんですか?」
晴香「えっとね、『優子ちゃんが壁ドンのお礼をしたいらしいんだけど、何が良い?』って」
久美子「……それで麗奈と優子先輩の壁ドン?」
晴香「らしいけど……」
優子「……なるほど。分かったわ」
優子「つまり香織先輩は、あたしと高坂さんが仲直りした証を見たい訳よ」
優子「そこで今日した壁ドンに目をつけたのね」
久美子「……どう思います?」
晴香「う~ん……難しいね~……」
優子「あ、でも久美子、良いの?」
久美子「は? 何がです?」
優子「高坂さんに壁ドンなんかして」
久美子「はあ……まあ、別に構いませんよ」
優子「……ホント夏紀の言ってた通り、アンタって妙なところで冷めてるよね」
~~~麗奈サイド~~~
麗奈「香織先輩、中川先輩、相談があります」
夏紀「だろうね。この前交換した連絡先にいきなりメール来たんだもの。ビックリしたよ」
香織「それで、どうしたの? 高坂さん」
麗奈「今日の香織先輩と吉川先輩の壁ドンを見て、思ったんです」
夏紀(あすか先輩、本当にさせたんだ……)
麗奈「アタシも、久美子に壁ドンをしたいです」
麗奈「そのためにはどうしたら良いですか?」
夏紀「いやどうしたらも何も……したら良いんじゃないの?」
香織「だよね……特に、アドバイスと呼べるアドバイスは……」
麗奈「お話しによれば、中川先輩はあすか先輩が同じパートの人に壁ドンをする所を見たとか」
夏紀「まあ、確かに見てたよ」
麗奈「どう自然にやってました?」
夏紀「ん~……川島ちゃんが壁ドンの話しして、実際にやってみようって言ってすぐにやってたけど」
麗奈「なるほど……知らないフリをすれば……」
夏紀「いやそれって周りが話を振らないと成立しないんじゃない?」
麗奈「あ、そっか……」
香織「……なんだか意外」
麗奈「どうしました? 香織先輩」
香織「高坂さんって、もっと淡々と平気な顔でそういうことすると思ってたから」
麗奈「……久美子が相手だと、ちょっとそういうことが出来なくて……」
二人((あ、可愛い))
麗奈「素が出やすくなってしまって……その……」
夏紀「あ~……分かった分かった」
夏紀「そういえばこの前会話を盗み聞きしてた時も言ってたもんね」
香織「だね。黄前さん、毎回私服を褒めてくれるけど、同じことを言ってあげられないって」
香織「嘘をつかないからどうしてもそういうの照れてしまってそれで終わっちゃうんだよね?」
麗奈「……はい……」
夏紀「ん~……じゃあもう優子相手に壁ドンしてみたら?」
麗奈「は?」
夏紀「そんな心底理解できないみたいな表情浮かべないでよ……」
夏紀「ほら、アレよ」
夏紀「目の前で他人にすることで嫉妬させるのよ」
夏紀「黄前ちゃんって素直だから、すぐに表情に出るよ?」
夏紀「もしかしたら、向こうからしてくれるかも」
麗奈「それで行きましょう」
香織「わっ、即決」
麗奈「ありがとうございました。ではちょっとイメージトレーニングのために帰りますね」
夏紀「早いな……」
香織「ん?」
夏紀「どうしました? 香織先輩」
香織「あ、ううん。晴香からメールが来ただけ」
香織「あ、でもこれ……」
夏紀「え?」
香織「あ、ううん。その……晴香から『優子ちゃんが壁ドンのお礼をしたいらしいんだけど、何が良い?』ってメールが来て」
夏紀「へぇ~……あ、それじゃあ、こういうのはどうです?」
~~~翌日~~~
晴香「それでは、各自パート練習に移って下さい」
麗奈「っ!」ガタッ
優子「っ!」ガタッ
麗奈(吉川先輩に壁ドンするためには、吉川先輩を壁際に追い詰めないといけない)
優子(でも、あたしから壁ドンしたいからなんて言うのは難しい。っていうか、言うことを聞いてくれるとは思えない)
麗奈(だったら、吉川先輩が壁際に行くそのタイミングを外しちゃいけない)
優子(音楽室を出て行く僅かな時間が……勝負!)
麗奈「…………」チラッ、チラッ
優子「…………」ジリジリ…
久美子「……何やってんですか、アレ」
夏紀「ぷくくくく……さぁ、なんだろうね」
久美子(超笑ってる……)
終わり
以上。
ありがとうございました。
本当はもっと書きたいけど時間もネタもない。
今度こそ依頼出すのを忘れないようにします。
おつおつ
中々面白い組み合わせだった
乙
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