ラケル「螺旋の樹の中で…………アラガミが」
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前回まで
(ハルオミ「今のムーブメントはな……」)
のあらすじ
内なるアラガミが消え、シプレの製作者であることを明かしたラケル博士。
彼女は、
有人式神機兵の正式採用と配備、そして黒蛛病治療の研究に着手し、
家族として愛するブラッド隊、ひいては彼らが生きる世界の為に尽力せんとした。
しかしそんな折、
終末捕食を成す為、感応種アラガミの変異体<偶像種>が現れる。
多くのアラガミを支配、統率する偶像種に対抗し、フェンリルはアイドルユニット「IDOL E@TER」を結成。
歌による強力な感応波を、歌によって打ち消す策を講じる。
そして三体の偶像種が率いるアラガミの群れとの決戦時、ついに終末捕食が発動。
しかし黒蛛病患者から偏食因子を集め擬似特異点となったラケル博士も、同時に終末捕食を発動。
二つの終末捕食は互いを喰らい合い、拮抗しながら天に伸び、まるで世界樹のようにそびえた。
それが、螺旋の樹。
その樹の内部には、偶像種アラガミの一体と、ラケル博士。
そして、ラケル博士を最後まで守っていた、ブラッド隊、副隊長が取り込まれていた……
……樹形成から一か月
―螺旋の樹、内部
ラケル「また……行くつもり、ですか?」
ラケル「樹の外にアラガミが出ていったら大変……? あら、外で戦う仲間達を、信じていないのですか?」
ラケル「……ふふ、冗談です。少しイジワルでしたね」
ガション……
ラケル「無駄ですよ……あなたのその神機には、神機用の拘束具を取り付けてあります。接続し起動できなければ、神機はただのガラクタ同然。あなたは、戦うことはできません」
▶「どうして笑っているの?」
「レア博士も人形をとられたって言ってた」
ラケル「……これを、私が奪っていれば……近くにいてくれるでしょう……?」
ガバッ
ラケル「ぁっ……」
ドサッ
ラケル「……車椅子がないと、逃げることもかないませんね」
ラケル「ふふっ安心なさい……逃げる気はありません」
ラケル「…………おなかがすいたのでしょう……? ……いいのよ」
ラケル「私を、食べても……」
ラケル「さぁ……」
ペロッ
ラケル「んっ……」ピクッ
ペロペロ……
ラケル「ぁ……ん、ぅ…………私の頬の傷、そんなにおいしいのですか? まるで子犬のように……あっ」
ギュッ
ラケル「……逃げないと言っているのに……仕方のない子ね……」
ペロッ……ペローッ
ラケル「はっぁ! ……首、は」
ススッ……サワッ
ラケル「あっ……服が」
ペロペロ……
ラケル「ぅんんっんっ! はっ、そこ、は、だめっ……ぁ!」
カジッ
ラケル「ぁあっ! ……もうっ」
チュパッ……チュッ
ラケル「ぁっあっあ! あっはぁっんんっ……やっ」ビクンッ
スッ
ラケル「やめないで……行っては、いけません」ガシッ
ラケル(……ここで回収可能な素材やオラクル細胞で、急場しのぎの偏食因子投与を行ってはいるけれど……やはり完全な抽出は不可能)
ラケル(不純物のせいで、少しずつ起こる、アラガミ化が……。螺旋の樹に湧くアラガミと戦う度、体内と神機のオラクル細胞を活性化させる度に……さらに進行してしまう)
ラケル「……これ以上、あなたを戦わせるわけには……いかないのです」
……ペロッ
ラケル「んっ……わがまま、ですよね。……分かっています。私は、昔から……」
……
幼レア『なんでラケルは! いっつも私の人形を勝手に持っていくの!?』
どう話しかければいいか、分からなかった
どうすればかまってもらえるのか、分からなかった
幼レア『何か言いなさいよ! いっつも黙って……バカにしてるの!? してるんでしょ!』
人形をとれば、おねえさまは私のところへ来てくれた
うれしかった
幼レア『ラケル、どうして……あなた、どうして笑ってるの!? 信じらんない!』
おこってくれる
私を見てくれてる。それだけで……
ドンッ
ドサッ……
……
―フェンリル極東支部、会議室
レア「みんな、集まったわね」
ナナ「はーい! ブラッド隊、元気でーす」
リンドウ「クレイドルも、だいたい揃ってる」
コウタ「第一部隊、エリナとエミールは任務行ってる」
ハルオミ「防衛班のやつらも、樹の周辺に湧いたアラガミを狩ってるみたいだなぁ」
リンドウ「ま、樹の異変以降クソ忙しいってのに、これだけ召集できただけ、いいほうだろ?」
レア「……えぇ、今日集まってもらったのは、その、変質してしまった螺旋の樹についてよ」
シエル「! とうとう、内部調査の目途が」
ギル「焦るな。まず話を聞こう」
シエル「そう、ですね……すみません」
レア「いいのよ、シエル。……私も、気持ちは分かるから」
シエル「レア先生……」
レア「螺旋の樹の調査の為に、樹とその周囲を『聖域』として認定するセレモニーの最中……突如、樹は禍々しく変質してしまった。異変は内部からと見られている……つまり」
ジュリ「ラケル博士に、何かあった。……と」
レア「それは……」
ソーマ「それを確かめるための、内部調査だ」
ロミオ「けどさ、中はオラクルの暴風雨だし、樹の外側はめちゃくちゃ硬いしで、全然入れないんだろ? いったいどうやって……」
サカキ「それは、私から説明しよう」
コウタ「サカキ博士……」
サカキ「確かに、螺旋の樹を構成するオラクル細胞は、終末捕食が均衡を保った状態という、極めて特異なものだ。その結合は強固で、とうてい、通常の神機では、切り開くことはできない」
アリサ「じゃあ……」
サカキ「通常、神機にかかっているリミッターを解除して、ブラッドアーツによる一転集中の総攻撃でも掛けない限りは……」
シエル「しかしそれではっ」
リッカ「うん。当然、そんなことをすれば、アラガミ化は免れない。……普通ならね」
ジュリ「では、普通ではない何かが……?」
サカキ「その通りだ。……入ってきたまえ」
サカキ「…………おや、聞こえているかい? おーい。入ってきて、いいんだよ。ねぇ、ちょっと。おーい」
ソーマ「……こいつ、寝てやがる。おい起きろ」
「んぅ? ふぁ~……あふぅ。あ、おはようなの」
ソーマ「こっちへ来い」
「はぁい」
スタスタ……
アリサ「! その子はっ」
金髪の少女「あはっ、また会ったね。ミキだよ。みんな、よろしくね?」
ナナ「確か……偶像種の」
アリサ「アラガミっ……!」
ソーマ「身構えるな。こいつに、俺達と敵対する意志は、もうない」
ギル「……」
コウタ「うん。アラガミと仲良くなるって、前例がないわけじゃないしね。けどそれで、その子がどう関係してくるんだ?」
サカキ「このミキ君は、純粋なオラクル細胞……レトロオラクル細胞のみで構築されている」
リンドウ「レトロオラクル細胞……つまりそいつは」
ソーマ「そう……俺達が追っていた、純血のアラガミ……キュウビの偶像種と思われる」
コウタ「なんだって……!」
ソーマ「おそらく、赤い雨を浴びて変異し、その影響で外界へと出たところを」
ギル「理屈はいい。つまりこいつには、特別な能力がある。そういうことか」
シエル「見たところ、ただの、女の子ですが……」
ナナ「ミキちゃん、だっけ。なにか特別なの?」
金髪の少女「んー? えっとねー、ミキねー……おっぱいおっきいよ?」
アリサ「……」
リッカ「……」
ハルオミ「ほぉ……なるほどな」
ギル「ハルさん……」
ハルオミ「アラガミ少女……ありだな! こりゃ、再び聖なる探索の幕が開けそうだぜ……!」
ソーマ「……」
リンドウ「あー、ソーマ。そう怖い顔するな。ハルオミはあぁ見えて誠実なやつだ。他人の女にまでは、手は出さんさ」
ソーマ「……チッ」
リンドウ(……それに、ロリコンの気はないしな)
サカキ「……話を戻していいかい? ……ミキ君の偶像種としての特性は、『覚醒』とも呼ぶべきものでね。周囲のオラクル細胞を、限界を超えて活性化させるんだ」
リッカ「理論上は、血の力すらも、強制発動させられるよ」
ロミオ「じゃ、じゃあ!」
リッカ「ただし、その場限りの強制的なもので、永続的に習得できるわけじゃないし。増してや、自分の意志で制御できるか、ってなると……」
ロミオ「ですよね……」
リッカ「しかもさっき言ったように、下手すれば神機のリミッターを超えて、そのままアラガミ化……なんてことも有り得る」
ナナ「うわぁ……」
ギル「……で、そいつをどう使う。わざわざ長ったらしく講釈垂れたんだ。何か、手があるんだろ」
リッカ「さすがギル君。そう、察しての通り、『覚醒』の力を制御する手は、ある」
サカキ「偶像種アラガミは、そもそも三人ワンセットで行動していた。理由は、ミキ君の『覚醒』、そしてヒビキ君の『反逆』、二つの強すぎる感応波を、タカネ君の『統治』の力によって制御、コントロールしていたからだ」
ソーマ「だから、アラガミを暴走しない範囲で強化、統率、そしてこちらを弱体化することが出来た」
サカキ「『統治』の力は、ジュリウス君の『統制』よりずっと強制性の強い感応現象と言える。まさに、銀色の王女、だね」
サカキ「同じように、歌により広がる二人の感応波を、歌によって統率、制御することができれば……」
ナナ「なるほど!」
アリサ「でも、いったい誰が……」
ガチャッ
ロミオ「えっ……!?」
シエル「あなたは……」
ユノ「……私が、やります。……やらせて下さい」
ロミオ「ゆ、ユノさん!?」
サカキ「立候補してくれたこと、改めて感謝しよう。しかし……本当に、いいのかい? 二人と共に前線に出ることになるが……」
ユノ「はい。危険は承知の上です。私の身に何があっても、全て私自身が責任を負います。……私が歌うのは、誰かを、助けたいから。私の歌がみんなの助けになるなら、そこで歌わないわけには、いかないもの」
サカキ「そうか……ありがとう。よろしくお願いするよ」
リンドウ「しかし結局、アラガミさんが協力してくれる理由はなんなんだ?」
金髪の少女「……zzZ」
ソーマ「また寝てやがる……」
「それは、タカネを助けるためだぞ」
ナナ「あっ! また偶像種!」
黒髪の少女「ふん……自分はヒビキ。お前たち人間と違って、完璧なアラガミさー」
ナナ「タカネさん、って……ラケル博士と一緒に、樹の中に取り込まれた偶像種……だよね?」
黒髪の少女「……終末捕食も発動できない。タカネもいない。これじゃ何にも意味がないじゃないか……だから、タカネを助け出すまで、一時休戦……完璧な自分がお前たちに、ちょっとだけ手を貸してやるんだ」
サカキ「螺旋の樹の均衡を維持しているのは、おそらくタカネ君の『統治』の力だ。樹の内部で出会えたとして、素直に助け出せるかは……」
黒髪の少女「タカネは、きっとそのラケルってやつに騙されてるんだ。だから自分が目を覚まさせてやる」
コウタ「ま、まぁ、それは内部調査で確かめればいいとして、ひとまず、よろしくね」
黒髪の少女「馴れ合う気はないぞ……このヘンタイ神機使いども!」
ハルオミ「こりゃ酷い言われようだな」
ギル「……当然っスよ」
アリサ「そう言わないで。これから協力するんだから、仲良くしましょ? それにみんなヘンタイなんかじゃない。いい人た」
黒髪の少女「お前が一番ヘンタイだぞ! 下乳丸出し女!!」
アリサ「」
……
デコ出しクレイドル新人『このスーパーゴッドイーターの私が来たからには、大船に乗ったつもりでいなさい!』
アリサ『あの……すみません。どうしてそんなに前をはだけているんですか……?』
デコちゃん『? ……なに言ってんのよ、あんただってそうじゃない。これがクレイドルの制服の着方なんでしょ?』
アリサ『い、いえ、そういうわけでは……』
デコちゃん『!? な、なによ! じゃああんた、自らの意志で下乳を露出しているって言うの!? 変態! ド変態! EL変態!! 変態大人!!』
アリサ「いやぁああああ! 私は変態じゃない! 私はっ、わたし、は……」
……
アリサ『あの……リンドウさん、このクレイドルの制服、キツくて前が閉まらないんですけど』
リンドウ『ん? あぁ、そういうサイズだからな』
アリサ『……セクハラですか』
リンドウ『違う違う。だってお前、前々から服のサイズを言い訳にして下乳を露出してたろ? だからクレイドルの制服でも、ちゃんとサイズのせいにして下乳を晒せるようにだなぁ』
アリサ『』
アリサ『ちち違います!』
リンドウ『なんだ? サイズが合わないなら、服ぐらい用意できただろ? 支給もされるし、自分で合成したっていい。ゴッドイーターなんだからな。なのにずっと丸出しってことは、俺はてっきり……』
アリサ「ぁ……あぁ、私……わたしは……ヘン、タイ……?」
ポンッ
ハルオミ「……」
アリサ「……ハル、さん」
ハルオミ「安心しろよ……」
ハルオミ「人間はみんな、変態だ」グッ
アリサ「ぁぁぁぁ」ガクガクガク
ギル「なにやってんスか……みんなもう樹へ向かいましたよ」
ハルオミ「おぉ、んじゃ、俺達も向かうとするか」
ハルオミ「いざ、新しい聖なる探索へ……!」
ギル「違います」
アリサ「ぁぁ……ぁぁぁ……」ガクガク
……
―螺旋の樹、根本
フラン『……ゴッドイーター各員、配置につきました』
ヒバリ『防衛班、そちらはどうですか?』
タツミ『おう、樹に近づく敵影なし。このまま警戒任務を続行する』
サカキ『……では、開始してくれるかな』
サツキ『こっちも準備オッケーよ。ユノ、それからお二人さんも、よろしくねー』
ユノ「……はい。二人共、いい?」
金髪の少女「あふぅ……まぁ、やるだけやってみるの」
黒髪の少女「自分がいるんだ。失敗なんて絶対にないぞ」
ユノ「えぇ……必ず成功させましょう」
ユノ「……みんなに、力を……!」
――あなたの遺伝子が 呼んでる
~♪
ナナ「始まった……!」
ジュリ「行くぞ! みんな!」
ギル「ぅぉおお!」
シエル「はぁあああ……!」
――今こうして自分が ここにいるのが よく考えたら凄く不思議で
エリナ「すごい……力が溢れてくる!」
エミール「これがポラーシュターンの真の輝きか! これぞまさしく! 我が騎士道の求める、人々を守るための」
コウタ「いいから! ばかやってないで警戒! ……あれを開いて、鬼が出るか蛇が出るか、分からないんだからな……!」
――そこに存在意義を問う そんな幼い昔の自分の 記憶を辿る
カノン「敵……テキ……敵は、どこ?」
ハルオミ「おい、カノン……? 大丈夫か? リラックスしろよ、こういう時こそ」
――愛する人がいれば もう一人の自分を見つければ
――運命の時計の針 動き出してく
ジュリ「うぉおおおおおお!」キィイイン!
ナナ「やぁあああああ!!」キィイイン!
ギル「響け!」キィイイン!
シエル「そこっ!」キィイイン!
ロミオ「でっりゃぁああああああああ!!」
ズドガァアアアアアアアアッ!!!
バシュゥウウンッ
ギル「っ……はぁ、はっ……開いた!」
ジュリ「ブラッド隊、突入する!」
ナナ「あいあいさー!」
タッタッタッタ……
――離れていく螺旋の記憶が 時を越えて また二人巡り逢わせるまで
ガァアアアアアアアア!
グォオオオオオオオ!
エリナ「な、なんか、見たことないアラガミが!」
コウタ「やっぱり来たか……第一部隊、交戦に入る! ここで押さえるぞ!」
エミール「闇の眷属がこんなにも……! ええい恐れるなポラーシュターンよ! 今こそ我らの騎士道を示す時っ……騎士道ぉおおおおお!」
――憶えていたい二人いるだけで それが全て 満たされた幸せな日々を
ヒバリ『防衛班! 聞こえますか? 第一部隊の掩護を』
タツミ『っ……悪い、ヒバリちゃん。こっちもそれどころじゃなさそうだわ……』
グギャォオオ!
キィァアアア!
ブレンダン『なんだ……このアラガミの数はっ』
カレル『稼ぎ時だな……行くぞ』
ドゴォオン! バァン! バァン!
――忘れはしないキミの温もりと 偽りない真剣な眼差しを ずっと
フラン『クレイドル、応答願います。状況を』
リンドウ『あー、こちらクレイドル。突入したブラッドも、どーにもキツそうだ。そっちの背中守ってやることにする。それでいいか?』
フラン『はい。お願いします』
リンドウ『だそうだ。行くぞ、お前ら』
アリサ『はいっ!』
ソーマ『……やるしかないようだな』
……
ドゴォオン!
カノン「あはははは! みんなみんな! 穴だらけにしてあげる!!」
ドガァン! ガガァア!
ハルオミ「カノン! 出すぎだ! 一旦戻れ!」
カノン「もっと! もっと来なよ! あははははははは!」
ハルオミ「くそっ、聞こえてねぇ。ミキの感応波にあてられたか……!」
カノン「ほらほらぁ! もっと! もっとぉ!!」ボガァン! バァン!
グォオオオッ……!
ハルオミ「! 危ない! 後ろだ!!」
カノン「えっ……?」
ズギャアァアアアッ!
ハルオミ「ぐぉっ……っ」
カノン「!? は、ハルさん!?」
ハルオミ「……どっせぇええい!!」ブオンッ
バギィイイイッ!
グォァアアア……!
ドサァッ
ハルオミ「はぁ……はっ……ぁ」
カノン「ハルさん! しっかり! 今、回復弾をっ……!? オラクル残量がっ」
ハルオミ「だい、じょうぶだ……これぐらい、なんてこたない」
カノン「ごめんなさい……私の、せいで」
ハルオミ「気にしなさんな。……女の子守ってケガできるなんて、男冥利につきるってもんだ」
カノン「…………ハルさんは、ここからの狙撃に専念して下さい」
ハルオミ「カノン……?」
カノン「敵は、私が吹っ飛ばします! 大丈夫です。もう、自分を見失ったりしませんから。決して……!」
ハルオミ「……あぁ。頼むぜ……!」
……
螺旋の樹、内部
ナナ「やぁああ!」ドガァアン!
ジュリ「はぁっ!」ザシュッ! ズバァッ!
ギル「くっ……どうするジュリウス、これじゃキリがねぇぞ」
ゴォオオオオオオオッ!!
シエル「あぁあっ!」
ナナ「シエルちゃん!? 大丈夫!?」
ジュリ「オラクルの瘴気……!」
ギル「ちっ……ヒビキの感応波『反逆』の効果も、ここまで届かないのか」
ロミオ「みんな、下がってろ!」
ナナ「ロミオ先輩!?」
ロミオ「ここはオレが……オレが食い止める!! みんなはその隙にっ」
ギル「ばか言ってんじゃねぇ! お前にそんなことっ」
ロミオ「オレ……オレも、みんなの役に立ちたい……! 副隊長や、ラケル博士を助けるために…………オレも!!」
キィイイン……!
ジュリ「これはっ」
ロミオ「うぉおおおおおおおおお!!」グォオッ
ロミオ「でりゃぁああああ!!!」
ズガァアアアアアアン!!
シエル「瘴気が……止んだ……?」
ナナ「あっ……アラガミも逃げてくよ!」
タッタッタッタ……
金髪の少女「……感応波の外まで行こうとしてるから、急いで移動してきたけど」
黒髪の少女「すごいぞ……こっちにまで、はっきり聞こえてきた。神機を通して、声が、呼びかけてきた……!」
ロミオ「オレ……やったの……?」
シエル「はい……!」
ジュリ「ロミオ、お前の血の力だ」
ロミオ「! やった……! オレの」
黒髪の少女「呼ぶなら『対話』の力ってところか」
ロミオ「えぇー! もっとかっこいい名前がいい! 『圧殺』とかさぁ!」
ギル「そんなの似合わねぇだろ」
ロミオ「えぇー……」
ユノ「ふふっ『対話』の力……ロミオさんらしくて、素敵な力だと思うよ」
ロミオ「そ、そうかなぁ、あはは、いやー、ユノさんにそう言ってもらえるんだったらー」
ギル「……ったく」
ジュリ「先を急ぐぞ。副隊長と、ラケル博士は、おそらく樹の頂上だ」
シエル「はい!」
ナナ「うん! 急ごう!」
タッタッタッタ……
……
ラケル「……? どうしたの?」
ラケル「みんな……? ブラッドのみんなが、ここに……?」
ラケル「じゃあ、ちゃんとお出迎えしないと、……こんな格好は、見せられないものね」
ラケル「……ふふっ、冗談です」
ラケル「…………行くつもりですか」
バキィイッ
ラケル「神機拘束具を、いともたやすく……」
ラケル(……浸食……腕のアラガミ化がもう、こんなにも)
ラケル「いけません。これ以上戦えば」
▶「待っていて下さい」
「必ず帰ってきます」
ラケル「…………分かりました。……必ず、言わせて下さいね」
ラケル「おかえりなさい、……と」
……
ラケル「……行って、しまいましたね。そして……来ましたね」
ラケル「やはり、あなたでしたか」
幼ラケル「……」
ラケル「……私の体に集めていたはずの黒蛛病の偏食因子は消え……この樹の中にありながら、私は擬似特異点としての力を失った」
ラケル「本当は、終末捕食同士で対消滅を起こし、私もあなたも、消える予定だったというのに……」
幼ラケル「違うでしょ」
幼ラケル「本当の予定は、私が、私のジュリウスが終末捕食を起こして、新しい世界の王に……私は、新しい世界の母になるはずだった」
ラケル「偶像種アラガミは、ぶつかり合う終末捕食の中、私の意志を感じとり、その『統治』の力によって二つの終末捕食をまとめ上げ、均衡をとった」
幼ラケル「私はそんなの認めない。あなたの持っていた擬似特異点の力で、この樹を浸食して、再び終末捕食を始めるの」
ラケル「させないわ……私が、……私の子供達が、あなたを止めるから」
幼ラケル「…………ふぅん」
幼ラケル「やってみなよ」
……
――もし 目の前に 押せば過去へ戻るボタンが
――でも 分かってる それを押すことはできないと
グォオオオオッ!
ギル「まだ出やがるのかっ」
ロミオ「またオレの力で! ……っ」
シエル「ロミオ!?」
ナナ「ロミオ先輩!」
ジュリ「……『覚醒』の影響下での、無理矢理な目覚めだ。負担が大きい。連続で使うことはできないだろうな」
ロミオ「ちぇっ……カッコつけれると思ったのになぁ」
ギル「ばぁか、全員で支え合うのが、俺達ブラッドだろ」
ロミオ「へへっ……まぁな!」
――今 この時を 全力で生きて後悔しない
――あの日の自分 見つめて前を向くだけ
ラセツコンゴウ「ガァアアアアアッ」
ナナ「ええーい!!」ボガァアッ!
カリギュラ・ゼノ「グォオオオオオ!」
ギル「こいつぁ痛いぜ!」ズガァン! ズガァアン!
ムクロキュウビ「ケェエエン!」
シエル「狙い撃つ!」バァンバァン!
――どこまでも弱かった自分に 別れを告げたあの日から
――迷わずまっすぐ進んでる 大きなあのユグドラシルまで
マグナガウェイン「グゥウウウ……」
ジュリ「……行くぞ、ロミオ!」
ロミオ「あぁ……やろうぜ! ジュリウス!!」
ズガァアアアアアン!!
――決意を胸に走り出す 空へと伸ばされたこの手で
――引き寄せ 離さない あなたの側に居たいから
ギル「なんだ……こいつは!」
シエル「これは……!?」
世界を代える者「ユルサナイ……コノセカイヲ……コワス……ワタ、シガ……」
ナナ「なにこれっ……」
ロミオ「でっかい、ラケル博士!?」
ジュリ「いや違う……これは…………擬似特異点から生まれた、アラガミだ!」
世界代者「アァア、ア、アアアア」ズシィン……ズシィ……
ジュリ「来るぞ! 構えろ!」
ギル「ちっ……知った顔に似てると、やりづらいぜ」
ロミオ「槍だけに?」
ナナ「ロミオ先輩……シリアスな場面だから、私達は黙ってよう?」
世界代者「アァアアアア!!」
ドゴォオオオッ!!
……
幼ラケル「今更どうして? たくさんのものを利用して、ここまで来たのに」
ラケル「……」
幼ラケル「あなたは、自分の父親を殺したのに」
……
ジェフサ『適合者でもない子供達に偏食因子を投与するなど、人間の所業ではない!』
……なら、あなたは?
適合者でもない子供の私に、偏食因子を、
アラガミを植え付けた、あなたは
ラケル『ふふ……全て、おっしゃる通りですわ』
人間ではないものの子が、同じく人間でないのも、道理でしょう……?
ジェフサ『……よろしい。今からフェンリルの査問会に報告しに行く。ラケル、願わくば明日までに、もう少しマシな弁明を用意しておくように……!』
(あのお人形は、もういらないね?)
(こわしちゃおう……?)
えぇ……そうですね……
私の、新しいお人形で
私の手で
……
ギル「ぬぁああっ!」
ナナ「ギル!」
ロミオ「こいつ……強すぎだろ!」
世界代者「オォオオ……アァアアア」ズズゥン……
ジュリ「くっ……このままでは」
……
幼ラケル「たくさんの子供達を、犠牲にしてきた」
『せんせえ!』
『ラケルせんせえだ! わーい』
『ぼくね、おおきくなったら、せんせいとけっこんするんだ!』
『いたい……いたいよ……』
『くるしい……どうして、どうして、せんせぇ』
『ラケルせんせぃ……たすけて、せんせぃ……』
……
シエル「回復弾も、回復薬も、もうっ」
ナナ「うぐぅうっ……!」
世界代者「ォオアァアアア……」ズドオォ……ボガァアアアッ
ロミオ「どうする!? 一度退いて、立て直すか!?」
ジュリ「いや……そうもいかないようだ」
シルキー「……」
シルキー「……」
シルキー「……」
ロミオ「っ! なんだ、あの幽霊みたいなアラガミ……!」
シエル「退路を、塞がれてっ」
ドゴォオン! ドガァアアン!
ナナ「ぅぁああ!」
シエル「ぁあーっ!」
ジュリ「……ここまで、なのか…………」
シュッ
ザシュゥウウッ!!
世界代者「ギァアアアアァア!」
ナナ「え……? なに!?」
ロミオ「あれはっ……!」
シエル「副隊長!!」
ギル「! アラガミ化しかけてやがるぞ!」
ナナ「でも生きてる! 生きてたんだ!!」
世界代者「ォオオオオオッ……オォオオオオ!」ドガァ! ドガガァア!!
ジュリ「まずはヤツを倒す! 全てはそれからだ!」
ブラッド隊「あぁ!」「おう!」「はい!」「うん!」
ナナ「やぁあああ!!」
ロミオ「くらいやがれぇ!!」
ドガァアアアアアッ……!
……
幼ラケル「本物の家族も、偽物の家族も、都合のいい言葉だけを並べ立てて、利用してきた。だから……ほら、彼らも本当はもう気がついてる」
ナナ『……』
シエル『……』
ロミオ『……』
ジュリ『……』
ラケル「……ブラッドの、みんな」
ギル『……クソ野郎が。お前とはもう家族でもなんでもない。今すぐ殺してやる』
ラケル「っ……」
シエル『見損ないました。私が知る先生は、初めからどこにもいなかったのですね』
ラケル「シエル……」
ナナ『………………うそつき』
ロミオ『自分の頭のおかしさをアラガミのせいにしてさ、ただのクズじゃん』
ラケル「…………」
ジュリ『ラケル博士』
ラケル「……ジュリ、ウス」
ジュリ『あなたは、人でも、神でもない』
ジュリ『ただの悪魔だ』
やり直すつもりだった
壊れてしまった。 間違ってしまった。
世界を。 私を。
ゼロにして、 全ての出会いを。
新しい世界で、 新しい生き物の一部になったら、
きっと、 今度は、 みんなと仲良くできると
そう信じて……
ラケル「しかし、……それは間違いだったのです。終末捕食に頼っても、世界は」
幼ラケル「終末捕食は地球の再生。行き過ぎた進化のアポトーシス。全ての生命を再分配する神の御業」
幼ラケル「なのにあなたは何故、荒ぶる神の意志に逆らい、旧態依然とした無秩序を守ろうとするの……?」
ラケル「……確かに」
ラケル「この星で幾度となく繰り返されてきた終末捕食。それは……神の意志であり、星のためなのかもしれません」
幼ラケル「なら」
ラケル「けれど、神が正しいと誰が決めたのです」
幼ラケル「!」
ラケル「幾度となく繰り返しているということは、その度、失敗をも繰り返しているということ。……完全なリセットによる生命の再分配では、同じ滅びを辿るだけなのではありませんか?」
幼ラケル「そんなのっ」
ラケル「分かっています。これは、ただの屁理屈」
ラケル「私はただ、今、生きている人を死なせたくないだけ」
幼ラケル「……」
ラケル「被検体として使った子供達……私の手で殺害した実の父……利用した同僚や、姉…………私はそれら全てに、謝ることはしません。……赦しを乞う資格など、ないのですから」
ラケル「けれど、この身は全て……彼らへの償いのために、あらねばならないのです。だから」
幼ラケル「あなたは……!」
ラケル「共に消えてもらいます。今の……この世界のために……!」
ガシュンッ
幼ラケル「それはっ……」
ラケル「エメス装置……無人式神機兵の、制御装置。その、改造版。……これにより、暴走しかけている終末捕食を制御します」
ラケル「私と、あなたが……真の生贄です!」
ドゴォオオオン……!
ラケル「!? この音はっ……?」
ナナ『それは違うよ!!』
ラケル「…………ナ、ナ?」
シエル『そこにいるのですか! 先生!』
ロミオ『この樹の壁の向こうに!?』
ギル『待ってろ! すぐ行く!』
ラケル「……いけません」
ギル『なに……』
ラケル「今から、ここに極小の終末捕食を起こします」
ジュリ『なんだと……?』
ラケル「それで、しばらくの間、この世界は終末捕食の脅威から解放されるはずです」
ラケル「しかし、その爆心地となるここは、破壊と再生……生命の再分配により……」
ラケル「ですから、あなた達は今すぐここを離れ」
ギル『ばか野郎!!』ドガァッ
ラケル「! ……ギルバート」
ギル『なにを一人で背負い込もうとしてやがる!』
ナナ『そうだよ! 私達、家族なんでしょ!』
シエル『償いなら、生きて行うべきです。先生の力を必要とする人は世界中に大勢います!』
ロミオ『先生がいたからオレ達は生きてこれた! 先生がいたからオレ達は、こうして出会えたんだ!!』
ラケル「ロミオ……ナナ、シエル、ギル」
ジュリ『その通りだ。あなた自身の意志の力が、あなたの内なるアラガミを打ち破った』
ラケル「ジュリウス……」
ナナ『そうだよ! ラケル博士も! 一緒に戦ってきたんだよ! 私達と!』
シエル『帰りましょう! 一緒に!』
ラケル「…………みんな」
ポタッ……
ラケル「……? これは……」
ラケル「なみ……だ?」
ポタッ……ポタッ
ラケル「っ……これが、……なんて」
ラケル「なんて、あたたかい」
……
――時は刻む 同じ速さ
――新しい旅 僕等に告げたよ
ラケル『ぁむっ』パクッ
ナナ『おおっ!』
ラケル『意外とおいしいですね』
ナナ『あー! 今、意外とって言ったぁー!』
ラケル『ふふっ……』
――キミは笑顔だね 優しく手を振る
――たくさん想い出 零れてくるよ
ラケル『おんっなっのこは☆こいっのきかい♪』
ラケル『けーいーさー』
ロミオ『あとさー博士』ガチャッ
ラケル『ノックゥゥ!!!』
ロミオ『へっ!? あぁっすみません!!』
――リフレインする Memory
――キミは輝いてた 煌めいて キミがいた
――あたたかい ぬくもりを
ジュリ『頭のバナナをとろうとするゴリラの真似』ウホ? ウホウホホー??
ナナ『に、似てるぅー!! あはははは!!』
ロミオ『た、たいちょっお腹いたいお腹!! ははははは!』
ジュリ『ピクニックに赴くゴリラの真似』ウホー! ウホホホホーイ!
ナナ『も、もうやめてぇー! あははははは!』
シエル『きょ、きょうみ、ぶかっぶかか』
ギル『本当にやめてやれ。シエルが白目剥いてるぞ』
ジュリ『む……そうかウホッ』
ギル『やめろと言ってるんだ』ガシッ
――Ah- 瞬間を忘れないよ
――いつか どこか また逢えるから
……
ラケル「あぁ…………今やっと、分かりました」
ギル『何をっ……』
ラケル「私が、生まれた意味」
シエル『ラケル先生!』
ラケル「生きてきた意味」
ロミオ『だめだ! 先生ぇ!』
ギル『うぉおおお! 届けぇええ!』ズガァアアッ
ラケル「内側からアラガミに喰われ、終末捕食に取り込まれ、なお」
ラケル「こうして、生かされていた意味」
ドゴォオオン……!
ギル「!! 開いたっ」
ナナ「ラケル博士はっ?」
シエル「見て下さい! 神機兵がっ」
ジュリ「やめろぉお!」
ラケル『…………ありがとう。ごめんなさい。そして』
ラケル『さようなら』
……私の、大切な
大切な…………
??「逃げるな!!」
ラケル『っ!』
??「生きることから……逃げるな!」
ラケル『!!』
ズガァアアン!
黒髪の少女「いたっ……タカネ!」
金髪の少女「やっぱり……特異点として、樹のコアになってるの」
黒髪の少女「今助けてやるさー!」ガシッグイイッ
ラケル『いけないっ終末捕食が特異点を失っては……!』
リンドウ「諦めなけりゃ、奇跡は起こる……そんな簡単にはいかないかもしれないけどな。けど、諦めちまったやつのとこには、奇跡は決して起きない」
アリサ「その通りです! 絶対、諦めないで!」
ソーマ「後のことはこっちに任せて、全員、生きて帰ることだけ考えろ」
ラケル『……クレイドルの皆さん』
幼ラケル「させない……樹のコアは……特異点は私が!」
スタッ
ラケル『あなたは……!』
ザシュッ!
幼ラケル「っ……どう、して」
ドサッ……
ラケル『確かに……あなたほど、私の介錯を務める死神に相応しい者もいないでしょう…………リヴィ』
リヴィ「……勘違いするな」
ラケル『……』
リヴィ「私は……恨んでなどいない。あなたのことも、……この、世界のことも」
ガシュン……ガパッ
ラケル「……リヴィ」
リヴィ「さぁ、仕上げだ。……終末捕食を止めるぞ」
ラケル「しかし、特異点なしに、どうやって」
リヴィ「ロミオの神機に、全員の血の力を集めるんだ……!」
ロミオ「へっ……オレ!?」
銀髪の女「そうですか……なるほど。貴方の『対話』の力で」
黒髪の少女「! タカネ! 気がついたのか!」
銀髪の女「ヒビキ……心配をかけましたね。……さぁ、わたくし達も助力しましょう。この世界でまた、三人……笑い合う為に」
金髪の少女「まったく。タカネがそー言うなら、しょーがないの」
黒髪の少女「ほんとだぞ。あーもうっ」
ジュリ「全員……準備はいいか」
シエル「はい」
ナナ「うんっ」
ロミオ「いつでもいけるぜ!」
ギル「今度はスカるなよ」
ロミオ「ばっもう大丈夫だよ! ……絶対、成功させる!」
ギル「……あぁ。やるぞ!」
「はぁあああああ!」
「うぉおおおおおおおおお!!」
「届け!」 「届けぇ!」 「届け!!」 「届けっ!」
「「届けぇええええええええええええええ!!!」」
ズゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……
……
―聖域
ナナ「……あれ? ここ、どこ?」
シエル「青空……生い茂る草花……静かな場所ですね」
ロミオ「あぁっ! 見ろよ、腕輪がない!」
ナナ「うわぁほんとだ! ……ってことはここ、もしかして、天国? 私達、死んじゃったの……?」
ラケル「もしそうなら、私はここにいないでしょう? ナナ」
ナナ「あっ! ラケル博士!」
ギル「……副隊長のアラガミ化も、治ってるみたいだな」
ジュリ「オラクル細胞の活動が、停止……もしくは限りなく抑制されている、ということか」
シエル「では、アラガミは……」
響「ん……なんだ? ここ?」
貴音「……目を覚ましましたね、響」
響「あれ? 貴音? 自分……なんでこんなところにいるんだ? 確か、事務所で、ゲームしてて……うーん……?」
美希「zzZ……むにゃむにゃ…………おにぎり」
貴音「まぁ、よいではありませんか。……こうして、また三人、一緒にいられるのですから」
響「そうか? うーん……そう、かな。うん、なんくるないさー」
「……ただいま」
ラケル「……おかえりなさい。…………終わったのですね」
「あぁ、そして始まったんだ。俺達の…………明日が」
ラケル「えぇ……。……さぁ、帰りましょう。…………私達の、共に暮らす、世界へ」
END
<次回予告(嘘)>
グレム「再結成されたIDOL E@TER。そして、始動したプロジェクト・フェアリー」
グレム「三人ずつ、二組のアイドルユニットは、互いに切磋琢磨しながら、トップアイドルの高みを目指す!」
グレム「そして我がフライアは、神機兵とアイドルを運ぶ船となり、世界中を駆け巡ることとなった」
グレム「グッズやライブの収益、神機兵の普及による工場の収入……!」
グレム「がははははは! 左団扇が止まらんわい!」
グレム「おっと、予告だったな」
グレム「次回、THE IDOL E@TER。『激闘! フェンリル765支部!』」
グレム「む? 嘘予告だからどうせやらないだろう? だと?」
グレム「私は台本を渡され読んでいるだけだ! 私は被害者だぞ!?」
グレム「お前、失敬だな! おい! 名を名乗れ!」
ここまで読んで下さった方は、本当に有難うございます。
アイマスSSの方も、よろしければ。
貴音「ごっどいーたぁ?」
貴音「ごぉやいーたぁ?」
ラケル博士SSも、ぜひ。
ラケル博士「オンッナッノコハ コイッノキカイ……」(ゴッドイーター2)
ラケル博士「始まった、どきどき」(ゴッドイーター2)
では。
グレムww
乙
続編まってたぜ
乙!
バンナム同士だし、また組んでくれないかな
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