シンゲキロンパ CHAPTER 02 (577)

立て乙





ガチャ




ユミル『…何だよ、こんな時間に』

クリスタ『何だよって… 約束してたじゃない。
     今晩お泊まり会やろうって』

ユミル『………………』

クリスタ『サシャは来れないらしいから、
     結局2人だけになっちゃうけど…』

クリスタ『…もしかして忘れてた?』

ユミル『…………いや』







クリスタ『あっ、そっか… 今日、ユミルすごく飲んでたもんね。
     調子悪かったのかな?』

ユミル『…お前もかなり飲まされただろ』

クリスタ『私は大丈夫』

クリスタ『あっ、そうだ。ジャンの看病をしたときに、
     ライナーに【救命セット】を持ってきてもらったんだけど…』

クリスタ『その中に酔い止めの薬もあったんだ。結構効きそうなやつ』

クリスタ『よかったら持って来る?
     まだジャンの部屋にあるから…』

ユミル『…ああ、ヒストリア』











ユミル『やっぱりお前も戻っちまったな』







コニー「…クリスタ?」

クリスタ「!!」ビクッ

コニー「おい、大丈夫か? 死にそうな顔してるぞ?」

クリスタ「あっ…う、うん! 私は大丈夫…」

アニ「…さすがに飛躍しすぎじゃない?」

クリスタ「えっ…!?」

アニ「“ユミルが誰かに自分自身を殺させた”
   っていう推理が合っていたとしても…」

アニ「それが誰かを助けるためだとか、
   人類の命運を託すためだとか…」

アニ「ちょっと話が行き過ぎてるように思えるんだけど」

アルミン「…えっ」

アニ「そもそもさ… どうして誰かに託す必要があるの?」

アニ「【巨人に関する重大なヒミツ】を持って脱出すれば、
   生き残った人類を助けられるかもしれない」

アニ「本当にそう思うのなら、他人になんか任せずに
   自分でやればいいじゃない」

アルミン「…!」

アニ「ましてあのユミルなら、尚更そうすると思うけど」

アニ「いや、むしろ… “生き残った人類のため”だなんて、
   そんな殊勝な事考えると思う?」

アニ「逆に、あんたはどうして…」

アニ「“ユミルが自己を犠牲にしてまで他人を助けようとした”
   なんて思ったの?」

アルミン「それは…」

アニ「………………」




アルミン(…あれ?)

アルミン(言われてみれば、どうしてだろう)

アルミン(どうして僕は… そんな事を考えたんだろう)

アルミン(ユミルが誰かを助けて、
     人類の命運を託そうとしただなんて…)

今日はここまで

怒涛の展開
次回が楽しみ

アニ「………………」

アニ「…まあでも、心当たりが無い訳じゃないけどね」

ベルトルト「…?」

アニ「内容がどうであれ、
   ユミルに心境の変化があったのは本当かもしれない」

アニ「思い当たる節があるんだ」

アルミン(ユミルに起こった内面的な異変)

アルミン(僕にも思い当たる節がある)

アルミン(その時は気にも留めなかったけど…)

アルミン(あれはそう、確か…)









―  閃 き ア ナ グ ラ ム 開 始  ―









  も  な  ん  い  お


  い  な  お  も  ん


  い  も  お  な  ん








  い  も  お  ん  な








そうか わかったぞ!







今日はここまで

アルミン「アニが言ってるのって…
     サシャの呼び方の事だよね?」

サシャ「えっ!?」








ユミル『そうだよなぁ? 芋女』




ユミル『そうなんだろ? 芋女さんよぉ!』




ユミル『お前だってそうなんだろ、芋女』







アニ「…そう」

アニ「ユミルはずっとサシャの事を“芋女”と呼んでいた」

アニ「だけど、あの時…」








ユミル『開けてみろよ、サシャ』








アニ「あのパーティーの日…」

アニ「ユミルは初めて… サシャを名前で呼んだんだ」

クリスタ「…!!」

アニ「だから思ったんだよ。少なくともあの時点で、
   ユミルに何かが起こっていたんじゃないかってね」

サシャ「よ、よくそんなの気が付きましたね…
    私ですらピンと来なかったのに…」

ジャン「いや、でもよ… 何かが起こっていたって、
    単に呼び方が変わっただけだろ?」

ベルトルト「別に不自然ではないと思うけど…」

アルミン「…いや、今回に限っては
     不自然かもしれないんだ」

ベルトルト「…えっ」

アルミン「ユミルがサシャを名前で呼んだ…
     その事が、ある一つの可能性を示しているかもしれない」

ミカサ「…どういう事? アルミン」

今日はここまで

おぃぃぃぃぃ!
久しぶりの更新で超気になるところで終わりってそりゃないぜ!

超高校級の寸止め

アルミン(ユミルがサシャを名前で呼んだ)

アルミン(その事実が示す一つの可能性)

アルミン(今回の事件の動機に深く関わるもの)

アルミン(それは…)




【友情】
【憎悪】
▶【記憶】








これだ!







アルミン「記憶だよ」

ミカサ「…記憶?」

アルミン「思い出してみて。そもそも、モノクマが
     今回の事件の動機として提示したものは何だった?」








モノクマ『“オマエラの中の1人”の記憶を全部戻したの!』







ライナー「そういえば、俺たちの中の誰かの記憶を戻したとか…
     そんな事を言っていたな」

コニー「でも、結局誰も名乗り出なかったんだよな。
    この監禁生活の手がかりが掴めると思ったのによ…」




コニー『さあ、誰なんだ!? 教えてくれよ!』

コニー『どうして俺たちはこんな事に巻き込まれてんだ!?
    このだだっ広い施設は何なんだ!?』

コニー『モノクマの言ってた事は本当なのか!? もし本当だとしたら…』

コニー『俺の村は…俺の家族は無事なのか!?』



アルミン「その“記憶を戻された人”っていうのが
     ユミルだったとしたら?」

コニー「…は?」




モノクマ『つまり、オマエラの中の1人はもう全て思い出してるんだよ』

モノクマ『“本当の訓練生活”で学んだ立体機動のやり方も、
     そこで過ごした青春の日々も…』

モノクマ『失われた数年間の出来事も、そこで起こった
     “人類史上最大最悪の絶望的事件”のことも…』

モノクマ『そして、その人はちゃんと理解してるはずだよ』

モノクマ『ボクが言ってた事はウソじゃなかったって』




アルミン「僕らの知っているユミルは、
     サシャの事を“芋女”って呼んでいたけど…」

アルミン「僕らの知らないユミル…
     つまり、記憶を奪われる前のユミルが…」

アルミン「サシャの事を“サシャ”と呼んでいたとしたら?」

サシャ「じゃ、じゃあ…」

サシャ「あの時のユミルって…」








ユミル『開けてみろよ、サシャ』








アニ「…記憶を取り戻した状態だった」

サシャ「…!!」

アニ「モノクマは、失われた記憶を取り戻すことが
   今回の殺人の動機になると言っていた」

アニ「そして、もし…
   記憶が取り戻した人物がユミルであったのなら…」

アニ「今回の事件を企てたとしても不思議じゃない」





クリスタ『……な…』

クリスタ『なんで…?』

ユミル『………………』

クリスタ『その名前…』

クリスタ『一体どこで…!?』

ユミル『………………』

クリスタ『まさか…!』



今日はここまで

ジャン「い、いや、だけどよ…
    さすがに考え過ぎじゃねえか?」

ジャン「呼び方が変わっただけで記憶を取り戻したとか…
    それこそ話が飛躍しているように思えるぞ?」

アニ「…まあ確かに、根拠としては弱いかもね」

クリスタ「………………」

アルミン「だったらさ、この話は一旦置いておいて…
     他の事を議論してみない?」

コニー「他の事?」

アルミン「毒薬についてだよ」

アルミン「誰かがユミルにC粉を呑ませようが、
     ユミルが自分からC粉を呑もうが…」

アルミン「どちらにしろ、それだけでユミルは死なないよね?」





A-2 を摂取した場合:摂取直後に多臓器不全に陥ります。
B-2粉を摂取した場合:摂取後10~30分で多臓器不全に陥ります。




ベルトルト「ああ、うん… その上で、
      A-2かB-2粉を摂取する必要があるんだったよね?」

アルミン「うん。効果が現れる時間から考えても、
     ユミルはパーティー中にそれらを摂取してるはず。つまり…」

サシャ「パーティーの料理の中に仕組まれてたって事ですね!
    今までの話の通り!」

アルミン「おそらくね。だから今度は…」

アルミン「【どの料理に仕込まれていたか】…
     これをはっきりさせてみようよ」









―  議 論 開 始  ―




【肥大化した死体】
【肉のパイ包み】
▶【時間差】







今日はここまで

ユミルらしいっていうかなんというか
せつないな

アニ「仕込まれたのはやっぱり肉のパイ包みだと思うよ」

アニ「ユミルは【あれを食べた直後に倒れている】からね」

ライナー「となると…」

ライナー「仕込まれたのはA-2の方か」

ライナー「B-2粉の場合は【作用するまで10~30分かかる】はずだからな」

ベルトルト「だけど、あのパイのどの部分に仕込まれていたんだろう…」

ベルトルト「【パイ生地】…?」

ベルトルト「【デコレーション用のソース】…?」

ベルトルト「それとも【両方】に…?」

コニー「ダメだ!さっぱりわかんねーぞ!」




アルミン(ユミルは僕たちの議論を誘導しようとしている…)

アルミン(もし、その考えが合っているのなら、
     この議論もまた想定の範囲内だったんじゃないだろうか)

アルミン(ユミルの術中にまんまとはまっているのなら…)

アルミン(打破しないといけない。
     もっと根本的な部分から見直してみるんだ)

アニ「仕込まれたのはやっぱり肉のパイ包みだと思うよ」

アニ「ユミルは【あれを食べた直後に倒れている】








それは違うよ!







今日はここまで

アルミン「ユミルはあのパイを食べた直後に倒れた…
     本当にそうなのかな?」

アニ「…何を言ってるの?
   あんただって見てるじゃない」








ユミル『うぐっ…!?』




ドサッ




サシャ『?』

ベルトルト『…え?』




ユミル『…! …ッ!!』




クリスタ『ユミル…?』








アニ「ユミルがパイ包みを食べた後…」

アニ「みんなの目の前で息絶えたのを」

アルミン「確かに、ユミルが倒れたのはパイを食べた後だけど…」

アルミン「【食べた直後】とは言えるのかな?」

アニ「…え?」

ライナー「どういう事だ?」

アルミン「ユミルがパイを口にしてから倒れるまでは、
     少し間があったように思うんだ」

アルミン「そうだよね? ジャン」

なるほど

今日はここまで

ジャン「あ、ああ…」




ジャン『オレのパイには激辛スパイスが入ってて、
    食った直後に悶絶した訳だが…』

ジャン『ユミルが倒れたのは…
    それからしばらく後じゃなかったか?』

アルミン『…え?』





ジャン「アルミンには捜査のときに言ったんだけどよ…
    どうも引っかかったんだよな」

ジャン「あの時、オレは激辛スパイス入りのパイ切れを食べて
    悶絶した訳だが…」

ジャン「“あの瞬間”のユミルに異変は無かっただろ?」









ジャン『ガハッ…!?』




ドサッ




アルミン『…え?』

ジャン『~~っ! ~~~~っ!!』

クリスタ『ジャ、ジャン?』

ジャン『~~~~ッ!!』

コニー『お、おい! 大丈夫かよ!?』








ライナー「…確かに、“あの瞬間”に倒れたのはジャンだけだったな」

ライナー「のたうちまわるジャンをみんなで笑って…
     ユミルが倒れたのはその少し後だった」

アニ「………………」

ライナー「…ん? 待てよ?」

ライナー「だとすると、どうしてジャンとユミルで
     倒れるのに【時間差】があったんだ?」

アニ「…なるほどね」

アニ「【食べた直後】に毒が効いたというのなら、
   ユミルはジャンと一緒に悶え苦しんでいたはず」

アニ「だけど、2人が倒れるのに【時間差】があった以上、
   ユミルが倒れたのは【食べた直後】とは言えない」

アニ「…あんたはそう言いたいんだね?」

アルミン「うん、その通りだよ」

サシャ「で、でも… それってタイミングの問題じゃないんですか?
    ジャンよりもユミルの方がちょっと後に食べたとか…」

ベルトルト「…いや、それは考えられないよ」








ライナー『じゃあいくぞ… せーのっ』




パリッ







ベルトルト「あのパイは全員が一斉に口にしていたはずなんだ」

ベルトルト「現に僕は目の前で見てる。あの時…」








ユミル『じゃあベルトルさん、あーん』

ベルトルト『えっ… あ、あーん』








ベルトルト「あの時のユミルは確かに…
      同じタイミングでパイを口にしていた」

今日はここまで

アルミン「ジャンもユミルも同時にパイを口にしていた」

アルミン「そして、ジャンとユミルが倒れるのには【時間差】があった」

アルミン「それはすなわち… ユミルが倒れたのは
     パイを食べた直後ではないって事なんだ」

ライナー「となると…」

ライナー「まさか、料理に仕込まれていた毒というのは…」




【A-2】
▶【B-2粉】
【C-2】








これだ!







アルミン「B-2粉だろうね」




A-2 を摂取した場合:摂取直後に多臓器不全に陥ります。
B-2粉を摂取した場合:摂取後10~30分で多臓器不全に陥ります。




アルミン「仮にA-2の方だとしたら、
     摂取直後に症状が出るみたいだけど…」

アルミン「今の議論であった通り、
     食べた直後に倒れていないのなら…」

アルミン「その可能性は否定できるよね」

サシャ「そ、それなら…」

サシャ「毒が仕込まれたのは…」




【肉のパイ包み】
▶【肉のパイ包み以外の料理】
【料理には仕込まれていない】








これだ!







アルミン「肉のパイ包み以外の料理…という事になるね」

クリスタ「…!!」

アルミン「おそらくユミルは…」

アルミン「パイを口にする前に、予め
     毒入りの料理を食べていたんだ」

アルミン「そして効果発症時間である10~30分後に
     パイを使ったレクリエーションが行われ…」

アルミン「僕らはてっきり、ユミルはパイを食べて死んだと
     思い込んでしまった」

今日はここまで


なんとなく予測がついてしまった…世界って残酷

ジャン「な、なんつーややこしい事を…」

アルミン「そのややこしさこそがユミルの狙いだったんだよ」

アルミン「ユミルはレクリエーションが始まる時間を予測して、
     もしくは事前にライナー達と打ち合わせて…」

アルミン「そこから逆算して、狙った時間に
     毒入りの料理を食べたんじゃないかな」

ベルトルト「そうか… 効果が現れるのが10~30分後なら」

ベルトルト「【レクリエーションが始まる10~30分前】に
      毒入りの料理を食べればいいという事か…」

ライナー「だが… それにしては、
     やけにタイミングが良過ぎやしなかったか?」

ライナー「時間差があったと言っても、せいぜい数十秒程度だったろう。
     10~30分後という曖昧な時間で調整できるのか?」

アルミン「きっと、今回はたまたまタイミングが良かったんだよ」

アルミン「それにもし、あのタイミングで効果が現れなかったとしても、
     効果が現れるまでパイや他の料理を食べ続ければ…」

アルミン「似たような演出は期待できるよね?」

アルミン「もちろん、ユミルとしては、
     一口めで効果が現れた方が良かったとは思う」

アルミン「パイに毒が入ってると思わせる事ができるし、
     それによって他の議論を誘発する事もできる」

アルミン「例えば… 犯人はどうやって
     ユミルに毒入りのパイを取らせたんだろう、とか」

アルミン「パイ生地とソースのどちらに毒が入っていたんだろう、とか」

アルミン「パイ切れを直接食べさせたベルトルトがクロじゃないか…とかね」

コニー「俺たちがしてきた議論とそっくりだな!?」

サシャ「そっくりっていうか…そのまんまですよね」

ジャン「ま、まさか… あれも全部狙ってたってのか…!?」

ジャン「オレたちにそういう議論をさせるように…
    ユミルが狙って行動してたってのか!?」

アルミン「…僕の推理ではね」

今日はここまで

アルミン「ユミルの狙いは“僕たちを混乱させること”…」

アルミン「パイに毒が入っていると思われるもよし、
     毒入り料理以外の料理に毒が入っていたと思われるもよし」

アルミン「とにかくユミルは、僕らの議論を
     間違った方向に持って行きたかったんだ」

サシャ「ど、どうして…?」

サシャ「どうしてそこまでして…ユミルはそんな事を?」

ライナー「仕立て上げた犯人を守るため…か?
     さっきお前が言っていた…」

アルミン「…うん」




アルミン『裁判でクロが言い当てられなかった場合は、
     クロだけが卒業できる…』

アルミン『あの規則を利用して、ユミルは…
     その人を卒業させたかったんじゃないかな』




アルミン「アニには否定されちゃったけど…
     やっぱり僕には、どうしてもそう思えてならないんだ」

アルミン「自分でも不思議なんだけど…
     なんだか、確信にも近いような…」

アニ「………………」

今日はここまで

ミカサ「私はアルミンを信じる」

クリスタ「…!」

アルミン「ミカサ…」

ミカサ「なぜユミルが己を犠牲にしてまで、
    自分以外の人間を逃がそうとしたのか…」

ミカサ「謎は残るけれど、話の筋は通っている」

ミカサ「だけど… それなら1つ聞きたい」

ミカサ「今の話では、肉のパイ包みではなく
    他の料理に毒が入っていたという事だけれど…」

ミカサ「それは一体どの料理だったというの?」

アルミン「それなんだけど…」

コニー「…?」

アルミン「…実はまだわかってないんだ」

ジャン「はあ…!?」

アルミン「ユミルが【レクリエーションが始まる10~30分前】に
     毒入りの料理を食べた事は間違いないと思うんだけど…」

アルミン「それがどの料理だったかまでは、わかってなくて…」

ジャン「お、おいおい… またそのパターンかよ…!」

ライナー「誰か把握してる奴はいないのか?
     ユミルがその時間帯にどの料理を食べていたのか…」

サシャ「そ、そんなのわかる訳ありませんよ!
    あの時は食べるのに夢中でしたし…」

コニー「そもそも、みんな色んな料理に手出してたから、
    特定は難しいんじゃねーか?」

サシャ「…はっ! と、という事は…
    知らず知らずのうちに、私たちも毒入りの料理を!?」

アニ「確かに食べていたかもしれないけど、
   B-2粉単体では毒薬として作用しないはずだよ」

アニ「あれが効くのは、事前にC粉を服用していたユミルだけだから…」

ジャン「クソッ! それじゃあ、どの料理にB-2粉が仕込まれていたのか
    本気でわからねーじゃねえか…!」

アルミン(一つ謎を解けば、また新たな謎が現れる)

アルミン(考えれば考えるほどドツボにはまっていく)

アルミン(ユミルが命を賭して仕掛けた罠)

アルミン(やっぱり、そう簡単には解かせてくれない…)




アルミン「………………」




アルミン(ユミル、君は一体…)

アルミン(そこまでして、誰を守ろうとしてるんだ?)

クリスタ「…結局、また振り出しに戻っちゃったね」

ジャン「チクショウ! 一体どうなってんだよ!」

サシャ「な、何だかもう… 疲れてきました…
    早く帰って美味しい物食べたい…」

ライナー「…ここまで来たら、何でもいい」

ライナー「どんな些細な事でもいい。
     誰か気付いた事はないのか?」

ベルトルト「…そういえば」

ライナー「ん?」

ベルトルト「ちょっと話は逸れるかもしれないけど…」

ベルトルト「あれってどういう意味だったんだろう?」









ユミル『ヒ……スト……リ……』








ユミル『ァ……』








サシャ「それって…」

クリスタ「…!!」

ライナー「ああ、ユミルが死に際に言った言葉か…」

コニー「そんな事言ってたのかあいつ!?」

アニ「…あんたあの場にいたでしょ」

ライナー「言われてみれば、確かに気になるな…
     他の謎にかまけて全く考えてこなかったが」

コニー「でも、何て言ったんだそれ?
    意味わからなくねーか?」

サシャ「確かに意味不明ですけど…
    それって、重要な手がかりじゃないんですか!?」

アニ「…そうだね」

アニ「体が肥大化するような毒だから、相当苦しかったはず。
   そんな状況で、最後の力を振り絞って、何かを伝えようとした…」

アニ「…間違いなく重要な手がかりだろうね」









―  議 論 開 始  ―




▶【ヒストリア】







今日はここまで

ライナー「ユミルは何を伝えたかったんだ?」

ライナー「死の淵にいながら、最後の力を振り絞ってまで…」

サシャ「きっと【何かの呪文】ですよ!」

サシャ「それを唱えると毒が治るとか!」

アニ「真面目に考えなよ…」

クリスタ「でも、本当にわからないね…」

クリスタ「【ヒストリアって誰】の事なんだろう…」




アルミン(…あれ?)

アルミン(あの人の発言… 何か変だぞ)

ライナー「ユミルは何を伝えたかったんだ?」

ライナー「死の淵にいながら、最後の力を振り絞ってまで…」

サシャ「きっと【何かの呪文】ですよ!」

サシャ「それを唱えると毒が治るとか!」

アニ「真面目に考えなよ…」

クリスタ「でも、本当にわからないね…」

クリスタ「【ヒストリアって誰】








それは違うよ!







アルミン「クリスタ、今の発言は…おかしいよ」

クリスタ「え?」

アルミン「どうしてそれが人の名前だと思ったの?」

アルミン「いや、それ以前に…」

アルミン「どうして【ヒストリア】だと思ったの?」





アルミン『…もしかして、ユミルが死に際に遺した言葉のこと?』

ベルトルト『うん…』

ベルトルト『『ヒ…スト…リ…ア』って、確かに言ってたよね』

アルミン『やっぱりベルトルトにも心当たりが無いんだ?』

ベルトルト『全然…』




アルミン「あの時にユミルが言ったのは…」

アルミン「『ヒ・スト・リ・ア』って…
     すごく途切れ途切れの言葉だったよね?」

アルミン「その後すぐにユミルが死んじゃったから、
     僕はてっきり【何かを言ってる途中で力尽きた】と思ってたんだけど…」

アルミン「クリスタはどうして、
     それが【ヒストリア】っていう一続きの言葉で…」

アルミン「しかも、誰かの名前だなんて思ったのかな?」

今日はここまで

ああ……

クリスタ「そ、それは…」

アニ「………………」

ジャン「【ヒストリア】…? 本当に人の名前なのか?」

サシャ「解毒の呪文じゃないんですか?」

ライナー「俺は『歴史がどうたら…』だと思っていたが」

クリスタ「た…たまたまだよ!たまたま!」

クリスタ「何となく人の名前かなーって思って…
     そしたら、たまたま当たっちゃっただけ!」

コニー「え? たまたま当たった?
    まだそれが正解だなんてわからなくねーか?」

クリスタ「っ…!」

ミカサ「クリスタ、何か知っているの?」

クリスタ「し、知らない!知らないよ本当に!」

ジャン「…なんか、急に慌ててないか?」

クリスタ「な、何言ってるの!」

クリスタ「私は本当に、何となくそう思っただけで…!」

ライナー「んー… でも、実際どうなんだろうな?」

ライナー「人の名前だと言われれば、そんな気もするし…
     咎められるような事ではないと思うぞ?」

アニ「…あんたって本当にクリスタには甘いんだね」

アニ「【ヒストリア】なんて変わった名前聞いたことある?
   普通ならさっきのあんたみたいに『歴史』って捉えるよ」

アニ「そもそも、そんな名前の人間はここにいない」

アニ「ここにいない変わった名前の人間を死の間際に呼んだ。
   どうしてそんな突飛な推論にたどり着いたのか…アルミンはそう聞いてるんだよ」

今日はここまで

アルミン「どうなのかな? クリスタ」

クリスタ「……だ…」

クリスタ「だから…」

クリスタ「私は本当に…何となく…」

アニ「…埒が明かないね」

アニ「それならここで… 第二の証拠を提出させてもらうよ」

クリスタ「…!?」

ライナー「第二の証拠…?」

アニ「忘れたの?新しい証拠は2つあるって言ったはずだけど」








ライナー『新しい証拠だと…!?』

アニ『そう。私が後半の捜査で手に入れた2つの手がかり…』








アルミン『…ちなみに、それはどこで手に入れたの?』

アニ『1つは倉庫、そしてもう1つは書庫でね』

ベルトルト『え? 書庫?』

アニ『これらの証拠で全て説明できるんだ』

アニ『料理の持ち出しが規則違反にならなかった理由も、
   使われた薬品のビンが3つあった理由も…』

アニ『そして、この2つの手がかりこそが、
   今回の事件の重要な鍵になるはずだよ』







コニー「…そんな事言ってたっけか?」

ジャン「色々と忘れ過ぎだろお前…」

サシャ「えっと、確か… 2つの証拠のうちの1つが、
    書庫で見つかったという【倉庫の薬品図鑑】で…」

サシャ「倉庫で見つかったもう1つの証拠は…」

ベルトルト「…そういえば、まだ聞いていなかったね」

ミカサ「あの時の話では…」

ミカサ「その証拠が、料理の持ち出しが規則違反にならないとか、
    薬品のビンが3つあった理由の説明になるという事だったけれど」

ミカサ「今の話とも何か関係があるの?」

アニ「あるよ。大いにね」

クリスタ「…!」

アルミン「…聞かせてくれるかな」

今日はここまで

焦らしますな
もうクロはわかってるのにもどかすぃ

おお、久しぶりに来たら結構すすんでる

物品 救命セット

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 06 11:44
返却 DAY 08 15:21   


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 07 00:16
返却 DAY 07 02:30


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 08 00:12
返却 DAY 08 02:55


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 09 00:21
返却 DAY 09 02:57

ベルトルト「え? これって…」

ジャン「【倉庫の物品管理表】…だよな?」

アニ「そう」

ライナー「…? これのどこが新しい証拠なんだ?
     この管理表なら今まで散々…」

アニ「気が付かない? この管理表の不自然な点に」









―  閃 き ア ナ グ ラ ム 開 始  ―









  ジ  の  ー  え  ま  ペ


  ま  ジ  ー  ペ  の  え  


  ま  え  ペ  の  ー  ジ








  ま  え  の  ペ  ー  ジ








そうか わかったぞ!








アルミン「前のページが無い…」

サシャ「えっ…?」

アルミン「この管理表、6日目にライナーが借りた
     【救命セット】から始まってるけど…」

アルミン「それ以前のページが… 無くなってる」

ジャン「…! た、確かに…」

ジャン「この管理表には、【工具セット】を持ち出した
    オレの記載があったはずだぞ!?」

ライナー「…加えて、初日にショベルやつるはしを持ち出した
     俺の記録もあったはずだ」

サシャ「あれっ、言われてみれば… 私もこれより以前から
    【詰め合わせスペシャル】を持ち出してた気が…」

ベルトルト「それらは前回の裁判でも議論になったからね…
      よく憶えてるよ」

コニー「それなら、前のページはどこに行ったんだ?」

ミカサ「…モノクマが捨てたのではないの?
    ページがいっぱいになったからと言って」

モノクマ「ボクは何もしてませんよ?」

サシャ「いや、私、結構頻繁にあれ書いてますけど…」

サシャ「書けるスペースはまだ4分の3以上あったはずです!
    あれがいっぱいになったなんてあり得ませんよ!」

今日はここまで


前回もそうだったが今回も全くわからん
さすがだな

ジャン「じゃあ、なんで無くなってるんだ…?」

アニ「破り取られたのさ」

ベルトルト「や、破り取られた…?」

アニ「ここ見てよ。紙束を綴じてる紐に、
   小さな紙片が残されてる」

アニ「これはおそらく、前のページの切れ端。
   紐で綴じられた紙束から強引に破り取られたんだ」

サシャ「な、なんでそんな事を…」

アニ「決まってるでしょ。
   そこに“不都合な事”が書かれていたからだよ」

アニ「誰かさんにとって…とっても“不都合な事”がね」

クリスタ「…!!」

ライナー「まさか、新しい証拠というのは…」

アニ「そう… その破り取られたページさ」

今日はここまで

乙一

物品 ショベル、つるはし

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 01 11:54
返却 DAY 02 06:45  


物品 工具セット

名前 ジャン・キルシュタイン

持出 DAY 03 19:25
返却 DAY 04 00:20


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 04 00:20
返却 DAY 04 13:48


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 06 00:18
返却 DAY 06 02:48


物品 救命セット

名前 ■■■■■■■■  ヒストリア・

持出 DAY 06 11:
返却 

サシャ「うわっ、随分シワくちゃですね…」

アニ「クシャクシャに丸めてあったからね。
   倉庫の片隅で見つけたんだ」

ライナー「確かにそれは以前のページのようだが…ん?」




物品 救命セット

名前 ■■■■■■■■  ヒストリア・

持出 DAY 06 11:
返却 




ライナー「こ、これは…!」

ベルトルト「【ヒストリア】…!?」

アニ「明白だよね。これこそ【ヒストリア】が
   誰かの名前である事の証明さ」

ジャン「ちょ、ちょっと待て! 頭が混乱してきたぞ…」

ジャン「確かに、名前欄に【ヒストリア】って書かれてるのなら
    それは名前なんだろうが…」

ジャン「それはつまり… 【ヒストリア】っていう人間が
    書いたって事なんだろ…!?」

ジャン「おかしいじゃねーか! さっきお前も言ってただろ!?
    オレたちの中にそんな名前の奴はいねーぞ!?」

ライナー「それだけじゃない… 色々と妙だぞ」

ライナー「この管理表、未完成じゃないか。
     この【ヒストリア】って名前も、持出や返却時間も…」




ユミル『ちなみに聞いておくが…
    この表に虚偽の記載をした場合はどうなるんだ?』

モノクマ『そんなの決まってんじゃん!
     規則違反でおしおきだよ!』

モノクマ『ウソを書いた場合も、何も書かなかった場合も…』

モノクマ『初日のお芋さんと同じ運命を辿る事になりまーす!』




ライナー「虚偽の記載や無記載はアウト…
     今まで散々確認してきた事だ」

ライナー「だがこいつはそれを破ってる。
     これは一体…?」

サシャ「いるはずのない人間なんて…」

サシャ「ま、まさか… ゴース…」

アニ「ゴーストなんかじゃない」

サシャ「えっ…」

アニ「【ヒストリア】という名前の人間、管理表の不可解な記入…」

アニ「一見すると訳がわからないけど、
   これらを説明できる状況が1つだけある」

アニ「アルミン、あんたならわかるでしょ?」









―  閃 き ア ナ グ ラ ム 開 始  ―







今日はここまで

また気になるところで切られている…!
乙!



  め  い  ぎ


  め  ぎ  い  


  ぎ  い  め








  ぎ  め  い








そうか わかったぞ!








アルミン「そうか…! 偽名だ!」

ミカサ「偽名…?」

アルミン「僕らの中に“ウソの名前”を
     名乗ってる人間がいるんだよ!」

アルミン「“ウソの名前”を名乗っている
     【ヒストリア】っていう人間がね!」

ジャン「な、なんだって…?」

アルミン「この部分を見てよ」




物品 救命セット

名前 ■■■■■■■■  ヒストリア・

持出 DAY 06 11:
返却 




アルミン「【ヒストリア】っていう記入の前に、
     何かを塗りつぶしたような跡があるよね?」

ジャン「あ、ああ… 書き間違えたんじゃないのか?」

アルミン「いや、これはおそらく偽名を書いたんだと思う」

アルミン「書いた後で、それがルール違反である事に気付き…
     慌てて本名を書き直したんだ」





ユミル『ちなみに聞いておくが…
    この表に虚偽の記載をした場合はどうなるんだ?』

モノクマ『そんなの決まってんじゃん!
     規則違反でおしおきだよ!』

モノクマ『ウソを書いた場合も、何も書かなかった場合も…』

モノクマ『初日のお芋さんと同じ運命を辿る事になりまーす!』




ミカサ「…なるほど。虚偽の記載が規則違反なら、
    名前欄にも本名を書かなければいけなくなる」

ベルトルト「それでこんな風になったのか…」

コニー「…? じゃあどうして、
    そいつはページを破り取ったりしたんだ?」

コニー「わざわざ偽の名前を塗りつぶしてまで、本名を書いたのによ」

アルミン「多分、本名が明るみになるのを恐れたんじゃないかな」

アルミン「偽名では物品を借りられない。仕方がないから本名を書いたけど、
     これでは偽名を名乗っている事がバレてしまう」

アルミン「それに気付いたから、本名を書いてる途中でページを破って丸め、
     倉庫の片隅に放り投げた…そんなところだと思う」

今日はここまで

解決パートは気づいてなかった伏線も判明するから気持ちがいいね

ジャン「ってことは…結局そいつは物品を借りられなかったのか?」

アルミン「うん。本名を晒してまで
     借りようとは思わなかったんだろうね」

ライナー「なるほどな。そもそも物品を持ち出していないのなら、
     管理表の記入が途中で終わっていてもセーフってことか」

モノクマ「うぷぷ… まあ、そうだね」

コニー「それなら、俺らの中で偽の名前を名乗ってる
    【ヒストリア】ってのが誰なのか…それを当てればいいんだな!?」

アルミン「まず、ライナー、ジャン、サシャの3人は外れるね。
     この3人は他の項ですでに記入をしてるから」




物品 ショベル、つるはし

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 01 11:54
返却 DAY 02 06:45  


物品 工具セット

名前 ジャン・キルシュタイン

持出 DAY 03 19:25
返却 DAY 04 00:20


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 04 00:20
返却 DAY 04 13:48




サシャ「名前をそのまま書いてお咎め無しなら、
    それは紛れもなく本名… そういう事ですね!」

ミカサ「逆に言えば、管理表に記入をしたことのない、
    私を含めた6人が必然的に怪しくなる」

ジャン「ミカサ、ベルトルト、アニ、コニー、
    クリスタ、アルミン… この6人だな」

コニー「俺は違うぞ!?」

ベルトルト「僕だって違うよ…」

ライナー「【ヒストリア】… どちらかと言うと女性の名前っぽいが、
     男性の名前だと言われても不思議ではないな」

ジャン「全然絞れねえじゃねえか… どうすりゃいいんだよ」

アニ「簡単だよ」

ジャン「ああ…?」

アニ「【ヒストリア】が借りようとしてた物品を見ればいい」

ベルトルト「借りようとしてた物品? それって…」




物品 救命セット

名前 ■■■■■■■■  ヒストリア・

持出 DAY 06 11:
返却 




サシャ「【救命セット】ですね!」

アニ「その通り。そしてここには、
   持ち出そうとしていた日時も書き記されている」

コニー「んーと… 6日目の… 11時?」

アニ「そう。6日目の11時」

アニ「思い出してみて。6日目のその時間帯に、
   【救命セット】を借りたのは誰だったのか…」

物品 救命セット

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 06 11:44
返却 DAY 08 15:21   


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 07 00:16
返却 DAY 07 02:30


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 08 00:12
返却 DAY 08 02:55


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 09 00:21
返却 DAY 09 02:57

サシャ「…えっ?」

ベルトルト「ま、まさか…」




物品 救命セット

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 06 11:44
返却 DAY 08 15:21




コニー「ライナー…?」

ライナー「!?」

ライナー「ちょ、ちょっと待て! さっきと話が違うぞ!」

ライナー「俺はすでに管理表に記入してる!
     だから俺は候補から外れるんじゃなかったのか!?」

アニ「………………」

ライナー「それにだな! この【救命セット】は
     もともと俺が持ち出そうとした物じゃないぞ!?」

ライナー「この【救命セット】はな! クリスタに頼まれ…」

ライナー「……て…」




クリスタ「…っ」

今日はここまで

アルミン「…そもそもなぜ、【ヒストリア】は
     【救命セット】を必要としたのか」

アルミン「持ち出そうとしたのは6日目の11時。
     その日に何があったか、みんな憶えてる?」

サシャ「…あっ!」








クリスタ『ごぶっ…!? ごぼぼ…ごはっ…!』

ユミル『あんだよクリスタぁ~、遠慮すんなってぇ~』

クリスタ『うっ…げほっ、げほっ、げほっ!!』

ユミル『ん~? それとも何かぁ~』

ユミル『私の酒はぁ… 呑めねえってのかぁ~!?』

クリスタ『んんっ! んんん~っ!!』








サシャ「そ、そうか! そうですよ、その日の午前は…」

サシャ「“例の事件”があったんですよね! あのライブハウスで!」









ポタッ




コニー『なん…で…だよ…』

コニー『なんで…酒なんて飲んでいられるんだよ…』




ポタポタ




コニー『なんで…この状況で…』

コニー『笑っていられるんだよッ…!』








ジャン「…ああ、憶えてるぜ。
    みんなで酒飲んでぎゃーぎゃー騒いでたら…」

ジャン「急にコニーの奴がキレ出して、
    酒瓶で俺に殴り掛かってきたんだったな」

コニー「………………」

アルミン「あの時のジャンの傷はかなり酷かった」

アルミン「頭からはものすごく出血していて、
     すぐにでも治療が必要な状態だったんだ」

アルミン「そこで、ジャンを部屋に運んで、
     倉庫にあった【救命セット】で手当てをした」

アルミン「ジャンの治療とその後の定期的な看病。
     それらを自分から進んでやってくれたのが…」

アルミン「…君だったよね、クリスタ」

クリスタ「…っ」

アニ「…ねえ、教えてよクリスタ」

アニ「どうしてライナーに【救命セット】を取りに行かせたの?」

クリスタ「…!」

アニ「あんたは一度倉庫に行ったんだよね?
   ジャンをライブハウスから運び出す時に」








ジャン『んだよ!! 触るんじゃねー…つつっ』

アルミン『結構傷が深いね…血も止まらないよ』

アニ『重症だね。とりあえず部屋まで運び込もう』

クリスタ『ちょっと待ってて!
     私、倉庫に治療できるものがないか探してくる!』







アニ「それなのに、【救命セット】の持ち出し人が
   ライナーになってるのはなぜ?」

アニ「どうしてあんたが借りてないの?
   どうしてわざわざ別の人間に取りに行かせたの?」

クリスタ「そ、それは…」

アニ「単刀直入に聞くけど…」









アニ「あんたが【ヒストリア】なんじゃないの?」







今日はここまで

乙一

大詰めですな

ベルトルト「…!!」

ジャン「なっ…!?」

クリスタ「………………」

ライナー「ク、クリスタが…?」

ライナー「クリスタが…【ヒストリア】だっていうのか?」

アニ「ああ、そうさ」

きたか…

ライナー「ちょ、ちょっと待ってくれ…」

ライナー「確かに俺は、クリスタから【救命セット】を
     持ってくるように頼まれたが…」

アニ「へえ、どういう風に?」

ライナー「た、確か、ライブハウスから自室に戻るときに…」




クリスタ『ライナー!』

ライナー『んん…?』

クリスタ『ジャンの手当てのために、倉庫で
     【救命セット】を探してたんだけど…見つからないの!』

クリスタ『お願い!私の代わりに探してきてくれない!?』



ライナー「それで、倉庫から【救命セット】を見つけ出して
     ジャンの部屋に…」

アニ「へえ…『【救命セット】を探してた』…
   確かにそう言ったんだね?」

クリスタ「…!!」

アニ「クリスタ… あんたよく
   その物品名が【救命セット】だってわかったね」

アニ「見つけられなかったんじゃないの?」

コニー「…?? ど、どういう事だ?」

アニ「あの倉庫の物品には、一部を除いて
   その物品自体に名前が記載されているんだよ」

アニ「【ショベル】、【つるはし】、【工具セット】、
   【詰め合わせスペシャル】…」

アニ「それらの物品のいずれかの部分には必ず、
   その正式な名称が書かれていて…」

アニ「管理表の物品名の項目には、
   その名称を正確に記入する必要があるんだ」

サシャ「そ、そういえば…」

サシャ「私も初めて【詰め合わせスペシャル】を持ち出そうとしたとき、
    似たような事を言われた記憶が…」

モノクマ「みんなが思い思いに名前を付けちゃったら、
     何を借りたかわからなくなっちゃうからね」

モノクマ「初めて管理表への記入をする人に対しては、
     ボクが一言指導させてもらってます」

今日はここまで

乙一





クリスタ『ちょっと待ってて!
     私、倉庫に治療できるものがないか探してくる!』




アニ「倉庫に行く前は“治療できるもの”を探してくると
   言っていたあんたが…」




クリスタ『ジャンの手当てのために、倉庫で
     【救命セット】を探してたんだけど…見つからないの!』




アニ「ライナーに会ったときには
   【救命セット】を探してたと言っていた」

クリスタ「………………」

アニ「どうして呼び名が変わったのか」

アニ「どうして物品の正式名称を知っていたのか」

アニ「答えは簡単だよ…
   【救命セット】を見つけられなかったというのはウソだったからさ」

クリスタ「…ち、違う」

アニ「本当はちゃんと見つけていたんだ。
   だけど借りることができなかった」




物品 救命セット

名前 ■■■■■■■■  ヒストリア・

持出 DAY 06 11:
返却 




アニ「物品を借りると、自分の本名がバレてしまうから」

アニ「そこであんたは、自分の代わりに
   誰かを使って【救命セット】を借りることにしたんだ」

アニ「さっき言ってたような、もっともらしい理由を付けてね」

クリスタ「違う…!」

アニ「これこそが、私が見つけた第二の証拠が示す事実」

アニ「あんたが偽名を名乗っていること」

アニ「あんたの本名が【ヒストリア】であること」

アニ「そして… ユミルが死に際にあんたの名を」

クリスタ「違うッ!!」

今日はここまで

アニ「何がどう違うの?」

クリスタ「…っ」

ミカサ「………………」

サシャ「ク、クリスタ…?」

クリスタ「………………」

クリスタ「…違う」

クリスタ「【ヒストリア】は…私じゃない…」

アニ「そんなの通じないよ。この状況だと明白に…」

クリスタ「ユミル」

アニ「…え?」

クリスタ「ユミルが…」

クリスタ「ユミルが【ヒストリア】なんだよ」

ジャン「…はあ?」

クリスタ「あの時… ジャンの治療道具を探しに
     倉庫まで行ったとき…」

クリスタ「ユミルも一緒だったの。2人で倉庫内を探してた」

アニ「………………」

クリスタ「…ごめんね。アニの言う通り、【救命セット】を
     見つけられなかったっていうのは真っ赤なウソ」

クリスタ「本当は見つけられたんだけど、持ち出せなかったんだ」

クリスタ「…ユミルに止められたから」

ベルトルト「止められたって…どうして?」

クリスタ「あの時は、ユミルが管理表を書いてたんだけど…」

クリスタ「モノクマからの説明を受けて、いざ書こうってなったとき…
     ユミルの手がピタリと止まったの」

クリスタ「何かに気付いたようにハッとして…」

アニ「………………」

クリスタ「その後急に、ユミルが私に言ったんだ」

クリスタ「『【救命セット】は見つからなかったことにして、
     代わりに誰かに借りてもらえ』って」

クリスタ「それで私は、ユミルの言う通り、訳もわからずに
     倉庫の外に出て…」

クリスタ「たまたまライナーを見つけたから、
     【救命セット】を借りるように頼んだんだよ」

サシャ「そ、それって…」

クリスタ「…うん。今思えばだけど…
     ほとんどは、アニの言った推理の通り…」

クリスタ「ユミルの本名が【ヒストリア】で、
     ユミルはそれを隠したかったんじゃないかな」

クリスタ「だからあんな事を言ったんだと思う。
     …そうとしか考えられない」

アニ「…ウソだ」

クリスタ「…!」

アニ「そんなのおかしい。それならどうして
   ユミルはあんたに管理表を書かせなかったの?」

アニ「すぐ傍にいたあんたに借りさせればいい。
   わざわざ外の人間を連れてくる必要はない」

クリスタ「そ、そんなの知らないよ!
     そこまで頭が回らなかったんじゃないの!?」

アニ「ユミルならそのくらいの知恵は…」

クリスタ「あの時のユミルはお酒が入ってた上に、
     パニック気味だったんだよ!?」

クリスタ「ちょっとおかしな事を言ったとしても
     不思議じゃないよ!」

アニ「…ユミルがあんたと一緒に倉庫に行ったのを見たやつはいない。
   お酒が入ってたのなら尚更、すぐに部屋に戻って休もうとするはず」

クリスタ「じゃあ聞くけど!アニは見たの!?
     あの後ユミルが部屋に戻っていった姿を!」

クリスタ「証明できる!?私がユミルと一緒に倉庫に行ってないって!」

アニ「…ッ」

クリスタ「そ、それに… それに、この中でユミルだけが
     フルネームを明かしてない!」

クリスタ「偽名を疑うならそっちが先でしょ!?
     『ユミル』としか名乗ってないあの人の方が怪しいよ!」

アルミン「………………」

アルミン「…わかった」

クリスタ「…えっ?」

アルミン「アニの推理が正しいのか、クリスタの言う事が本当なのか…」

アルミン「クリスタの本名が【ヒストリア】なのか、
     ユミルの本名が【ヒストリア】なのか…」

アルミン「…答えは2つに1つだ」

アルミン「だったら、証明できるかもしれない」

アルミン「誰が偽名を名乗っているのか」

アルミン「誰が【ヒストリア】なのか」

アルミン「今ここで… 全てはっきりするかもしれない」

クリスタ「…!!」









―  マ シ ン ガ ン ト ー ク バ ト ル 開 始  ―







今日はここまで

乙です。もうそろそろクライマクッスかな…

クリスタ「【ヒストリア】は私じゃない!ユミルだよ!」

クリスタ「確かに私は、ジャンが血を流して運び出されたとき、
     倉庫に治療道具を探しに行った!」

クリスタ「だけど、その時はユミルも一緒だったんだよ!」

クリスタ「治療道具はすぐに見つけられたよ!?
     【救命セット】って大きく書かれたケースがあったからね!」

クリスタ「それを借りようとしたのはユミルだった!
     けれど、何故かユミルは管理表を書く手を途中で止めてこう言ったの!」

クリスタ「『【救命セット】は見つからなかったことにして、
     代わりに誰かに借りてもらえ』ってね!」

クリスタ「私だって意味がわからなかったよ!
     どうしてわざわざそんな事をする必要があるのか!」

クリスタ「でも、その時にちらっと見ちゃったんだ!
     ユミルが管理表の名前欄に【ヒストリア】って書いてるのを!」

クリスタ「そ、そうだよ!思い出した!
     混乱して忘れてたけど、私は確かにあの時に見た!」

クリスタ「私が【ヒストリア】っていう単語に心当たりがあったのも!
     それが誰かの名前だと思ったのも!」

クリスタ「全部あの時に見たせいだったんだ!」

クリスタ「きっとユミルの本名は【ヒストリア】で、
     ユミルはそれを隠したがっていたんだよ!」









クリスタ【私の名前はクリスタ・レンズ!偽名を名乗ってるのはユミルの方だよ!】








【訓練兵手帳】








これで証明するよ!







アルミン「だったらここで… 君の訓練兵手帳を見せてよ!」

クリスタ「…!!」

アルミン「君の言っている事が本当かウソか…」

アルミン「それで全部わかるはずだ!」

今日はここまで

コニー「…? なんで手帳が…」

ミカサ「…なるほど」




モノクマ『訓練兵手帳はここでの生活に欠かす事の出来ない
     必需品だから、絶対になくさないようにね!!』

モノクマ『それと、表紙の裏側に自分の本名が記載されてるから、
     ちゃんと確認しておいてね』

モノクマ『単なる手帳以外の使い道もあるんでね…』




ミカサ「モノクマが私たちに手帳を配ったとき…
    そこには自分の“本名”が記されていると言っていた」

ジャン「…!! ほ、本名ってことはつまり…」

ミカサ「私たちの中に【ヒストリア】がいるのなら、
    手帳を確認すれば一発でわかるはず」

アニ「…確かに、このまま水掛け論を続けるよりはよっぽど良いね」

クリスタ「………………」

アニ「じゃあみんな、さっそく手帳を見せ合おうじゃないか。
   自分の名前が記載されている表紙の裏側部分を」

アニ「先に言っておくけど…
   なくした、なんて言い訳はなしだよ」

クリスタ「………………」

ライナー「ク、クリスタ…」

クリスタ「…もういいよ」

サシャ「えっ…」

クリスタ「そうだよ… 私は“クリスタ・レンズ”じゃない」

クリスタ「本当の名前は【ヒストリア】…」

クリスタ「私が…」









クリスタ「私がユミルを殺したんだよ…」







今日はここまで


なんてこった…

乙ー
どうなるのか…

乙ー
どうなるのか…

ageんな

マジかよ

コニー「…!!」

ライナー「…っ」

サシャ「そ、そんな…」

サシャ「クリスタがクロ…?
    クリスタが…ユミルを殺した犯人…?」

クリスタ「…うん」

アルミン「………………」

クリスタ「…まあでも、この場合は」

クリスタ「“ユミルに殺させられた”って言った方が正しいのかな」

アニ「気付いてたんだね?ユミルの陰謀に」

クリスタ「…気付くのが遅すぎたけどね」

アニ「気付いたきっかけは…やっぱりあの時?」








ユミル『ヒ……スト……リ……』








ユミル『ァ……』







アニ「ユミルが口にした【ヒストリア】…」

アニ「記憶を取り戻した人間しか知り得ない
   あんたの本名を言ったから…」

クリスタ「…ううん。そこじゃない」

アニ「…?」

クリスタ「ユミルの様子がおかしいって思ったのは…」

クリスタ「もっとずっと前だった」





ガチャ




ユミル『…何だよ、こんな時間に』

クリスタ『何だよって… 約束してたじゃない。
     今晩お泊まり会やろうって』

ユミル『………………』

クリスタ『サシャは来れないらしいから、
     結局2人だけになっちゃうけど…』

クリスタ『…もしかして忘れてた?』

ユミル『…………いや』



クリスタ「ライブハウスで騒ぎがあった日の夜…」

クリスタ「その日のジャンの看病を終えた後、
     私はユミルの部屋に行ったの」

ジャン「…その“お泊まり会”ってやつの為にか?」

クリスタ「そう。私とユミルとサシャの3人で、
     ユミルの部屋に泊まろうって約束をしてた」

サシャ「私はケニー達の世話が忙しくて行けませんでしたけど…」

面白い

ベルトルト「そういえば… エレンが殺された前の夜も
      同じような事をやってたみたいだね」




ユミル『昨日の夜、私の部屋にいたのはクリスタだけじゃない』

ユミル『【そいつもいた】んだよ…途中までな』




クリスタ「私たち3人はよく、ユミルの部屋に集まって
     おしゃべりをしてたんだ」

クリスタ「私にとって、初めての友達だったから…
     こんな異常な状況の中での唯一の楽しみだった」

アニ「………………」

クリスタ「だけど、その日は結局お泊り会をやらなかった」

クリスタ「ユミルが明らかに変だったから…」





クリスタ『あっ、そっか… 今日、ユミルすごく飲んでたもんね。
     調子悪かったのかな?』

ユミル『…お前もかなり飲まされただろ』

クリスタ『私は大丈夫』

クリスタ『あっ、そうだ。ジャンの看病をしたときに、
     ライナーに【救命セット】を持ってきてもらったんだけど…』

クリスタ『その中に酔い止めの薬もあったんだ。結構効きそうなやつ』

クリスタ『よかったら持って来る?
     まだジャンの部屋にあるから…』

ユミル『…ああ、ヒストリア』











ユミル『やっぱりお前も戻っちまったな』







ジャン「“戻っちまった”? どういう意味だ?」

クリスタ「…わからない」

クリスタ「その言葉も気になってはいたんだけど…
     あの時の私はそれどころじゃなかった」

クリスタ「本当に…それどころじゃなかった」





クリスタ『……な…』

クリスタ『なんで…?』

ユミル『………………』

クリスタ『その名前…』

クリスタ『一体どこで…!?』

ユミル『………………』

クリスタ『まさか…!』



クリスタ「…心臓が張り裂けるかと思ったよ」

クリスタ「私は訳あって、
     【ヒストリア】っていう本当の名前をずっと隠してた」

クリスタ「知っているのはほんの一部の人間で、
     その人間はここにはいない」

クリスタ「誰も知らない。知ってるはずがない」

クリスタ「知ってるはずがないんだ…」

今日はここまで

追いついた
原作初プレイしてたとき並にわくわくする





ユミル『…手帳』

クリスタ『…え?』

ユミル『憶えてるか?初日に訓練兵手帳が手渡されたときの事を』

ユミル『モノクマは私たちに言ったよな?
    そこには私たちの“本名”が記されてるって』

クリスタ『…!!』

ユミル『お前はよく私の部屋に泊まりに来ていたからな…
    手帳を盗み見る機会なんていくらでもあった』

ユミル『…つまりそういう事だ』







ユミル『安心しろ…』

ユミル『誰にも話してないし
    この情報を売ったりしない』

クリスタ『………………』

ユミル『誰にでも隠し事の一つや二つあるもんさ。
    これ以上詮索する気もさらさら無い』

ユミル『ただな…』

クリスタ『…?』

ユミル『もう意味無いぞ。そんな嘘…』



クリスタ「ユミルはそれ以上何も言わなかった」

クリスタ「何か…言い出せないでいる感じだった」

クリスタ「結局、その日のお泊り会は中止になって
     私は自室に戻って1人で寝たよ」

クリスタ「ユミルの寂しそうな顔がちらついて…
     なかなか寝付けなかったけど」

アニ「………………」

クリスタ「でも翌日になると、ユミルは
     何事も無かったかのように私に接してきたから…」

クリスタ「私はそれ以上考えるのをやめて、
     パーティーの準備に専念することにしたんだ」

クリスタ「だけど…」








モノクマ『“オマエラの中の1人”の記憶を全部戻したの!』








クリスタ「モノクマからあの話を聞かされたとき、
     押し留めていた“くすぶり”が顔を出し始めた」

クリスタ「『もしかして…』そう思わずにはいられなかった」

クリスタ「そして…」









ユミル『ヒ……スト……リ……』








ユミル『ァ……』








クリスタ「あの光景を見て…」

クリスタ「全てを悟った」

今日はここまで

乙                                                                      クリスタが処刑されるのかな? 

ミカサ「………………」

クリスタ「不思議だよね。ユミルと出会ってから
     まだ1週間くらいしか経ってないのに…」

クリスタ「『ユミルは私の為に死んだ。
      ユミルは私を助けるために自分自身を殺させた』」

クリスタ「そう思えて仕方がなかったの…」

ベルトルト「クリスタ…」

アルミン「…ちょっといいかな、クリスタ」

クリスタ「うん?」

アルミン「君はどこで気が付いたの?自分がユミルを毒殺した事を」

クリスタ「…? だからそれは、今言ったように…」

アルミン「そうじゃなくてさ」

アルミン「“自分が料理にB-2粉を混ぜた事”を
     どの段階で気付いたの?」

今日はここまで

乙、あと少しか…

少し日が空きますが、続きは 12/27(日) に投下します

了解
待ってるよ

予告しておきながら大変心苦しいのですが、現在色々と立て込んでいるため
年内は投下できそうにありません

申し訳ありませんが、もう少々お待ちください

年末は忙しいからねえ

クリスタ「…これを見てくれる?」

アルミン「…? この紙屑は…」

クリスタ「ラベルだよ。薬品の」

ミカサ「…もしかして、アルミンたちが見つけた【空のビン】の?」

クリスタ「そうだよ。例のA粉、B粉、C粉のね」

クリスタ「実はこのA粉、B粉、C粉っていうのは俗称で、
     本当は別の名前があるのを知ってた?」

ライナー「なんだって…?」

クリスタ「このラベルを見ればわかるよ」









薬品 NO.22

モノクマ特製 ソースの素




薬品 NO.23

モノクマ特製 砂糖の素








ベルトルト「…! こ、これは…」

コニー「ソースの素と…砂糖の素…?」

サシャ「えっ、それって…」

クリスタ「…私はね」

クリスタ「この表記にまんまと騙されたんだよ」

アニ「どういう事?」

クリスタ「A粉とB粉は毒薬であると同時に
     調味料の素でもあったんだよ」

クリスタ「A粉はソースの素、B粉は砂糖の素だったんだ」

ジャン「な、なんてこった…
    それじゃあ、A粉とB粉から作られるA-2とB-2粉ってのは…」

クリスタ「ソースと砂糖ってことになるね」

コニー「ほ、本当なのか? 毒薬が調味料にもなるなんて…」

クリスタ「本当だよ。私は作ったことがあるからわかるけど、
     B粉は加熱すると黒から茶色に色が変わるんだ」

クリスタ「まるで砂糖みたいな綺麗な茶色にね。
     味だってちゃんと甘いんだよ?」

アニ「ソースと砂糖ね… なるほど。
   “毒にも薬にもなりません”とはよく言ったもんだ」

ライナー「ほう… なかなか面白いなこりゃ」

ライナー「このラベルによると、溶媒とする液体の種類によって
     作れるソースも変わるみたいだぜ」

ミカサ「でも、どうしてそれらの正体が毒薬であると気付いたの?」

ミカサ「このラベルの内容を読む限り、そんな記述は見られないけれど」

アルミン「多分、薬品番号だよ」

ミカサ「薬品番号?」








薬品 NO.22~24

モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)








アルミン「ほら、【倉庫の薬品図鑑】にある“モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)”の
     薬品番号は22~24で…」









薬品 NO.22

モノクマ特製 ソースの素




薬品 NO.23

モノクマ特製 砂糖の素








アルミン「そのラベルの薬品番号は22と23ってなってるでしょ?」

ライナー「なるほど… 図鑑に書いてある毒薬の番号と一致するわけか」

今日はここまで


あけおめ

クリスタ「…さっきも言った通り、私には
     『ユミルが私に自分自身を殺させた』という妙な確信があった」

クリスタ「モノクマファイルによればユミルは毒殺されている。
     だけど、もちろん私にそんな覚えは無い」

クリスタ「だとすると、私はいつユミルに毒を盛ったんだろう?」

クリスタ「思い当たるとしたら1つしかない。
     ケーキの砂糖が足りないからと言って、ユミルが私にさせたあの行動…」

アニ「なるほど… つまり、倉庫で砂糖を作らせたんだね?
   さっき言っていた“砂糖の素”を使って」

ジャン「ちょ、ちょっと待て!ケーキの砂糖ってことはつまり…」

クリスタ「そう、B-2粉が仕込まれていたのは
     あの大きなケーキだったんだよ…!」








アルミン⦅僕は目を見張った⦆

アルミン⦅彩り鮮やかなサラダに、バカみたいに大きな骨付き肉…⦆

アルミン⦅山のように盛られたバターロールに、
     巨大なケーキやフルーツポンチ…⦆

アルミン⦅普段の食事とは比べ物にならないごちそうが、
     ずらりとテーブルに並べられている⦆







クリスタ「…今考えれば少し変だった」

クリスタ「砂糖が足りなくなったのは確かだったけど、わざわざ薬品で
     疑似砂糖を作ってまでケーキを作る必要なんて無かったんだよ」

クリスタ「ユミルにはそう言ったんだけど、『一応サシャの誕生日会ってことに
     なってるんだから、ケーキが無いと格好付かねえだろ?』って…」

クリスタ「それもそうだとは思ったんだけど…
     あの時のユミルは異様なほど薬品で砂糖を作ることに固執してた」

クリスタ「そもそも、ユミルが言い訳にした“誕生日会”だって
     ユミルが言い出した事だったし…」

クリスタ「とにかく心に引っかかってたんだ」

今日はここまで

クリスタ「そこからは…わかるでしょ?」

クリスタ「書庫で【倉庫の薬品図鑑】を見つけた私は、
     以前使った“ソースの素”と“砂糖の素”が…」

クリスタ「…ユミルを死なせた毒薬だと気付いた」

アルミン「………………」

クリスタ「私はもう…どうしたらいいかわからなくなって…」

クリスタ「いっそこのままユミルの計画に便乗して、
     私だけ生き残ろうかとも考えたけど…」

クリスタ「…それももうおしまいだね」

クリスタ「ねえ、モノクマ」

モノクマ「?」

クリスタ「もう一度確認するけど、今回は
     【毒を混入させた人間がクロ】ってことでいいんだよね?」

モノクマ「もちろんですとも。計画を立ててC粉を服用したユミルさんでも、
     パイを直接食べさせたフーバーくんでもなく…」

モノクマ「この事件では【毒を混入させた人間がクロ】ってことになりますね。
     以前オマエラ2人に話した通り」

コニー「…? 以前話したって…」

はよはよ

アルミン「…あの時だね」




モノクマ『ていうかさぁ…
     少しは答えるボクの身にもなってよね』

モノクマ『その質問、今回で3回目なんだからさ…』




アルミン「捜査のとき、モノクマに『毒薬を他の物品に紛れ込ませて
     倉庫から運び出せるか』を聞いたことがあるんだけど…」

アルミン「モノクマはこの質問が来るのは3回目だと言っていた」

アルミン「つまり、あの時よりも前に同じ質問をした人間が
     2人いたという事…」

アルミン「もしかしてその2人っていうのは…
     ユミルとクリスタだったんじゃないの?」

クリスタ「はは… もう何でもお見通しなんだね」

クリスタ「その通りだよ。私も捜査のとき、
     アルミンよりも前に同じ質問をしたんだ」

クリスタ「そしてついでにこんな質問もした。
     『今回はどういう人間がクロになるの?』ってね」

アルミン「………………」

クリスタ「ユミルも同じ質問をしてたと知ったときは
     驚いたけど…」

クリスタ「でも当然だよね… ユミルの計画は【毒を混入させた人間がクロ】っていう
     前提があって初めて成り立つものだから」

クリスタ「その部分をはっきりさせておきたかったんだろうね」

クリスタ「…さあ、もう終わりにしようよ」

クリスタ「砂糖の代わりになるB-2粉を作ったのも
     ケーキに混ぜたのもこの私」

クリスタ「それが毒薬であると知らなかったとはいえ、
     【毒を混入させた人間がクロ】ときっぱり言われちゃね…」

ライナー「クリスタ…」

クリスタ「ごめんなさい、ライナー…
     あなたを利用するような真似をしてしまって」

クリスタ「他のみんなも…本当にごめん」

サシャ「ク、クリスタ… 私は…」

クリスタ「…これでよかったんだよ」

クリスタ「私ね… さっきも言った通り、
     一時は私だけが助かればいいって思ってた」

クリスタ「ユミルが私を助ける計画を立てたのなら、
     無理に抗うことはないって…」

ミカサ「………………」

クリスタ「でも、今は違う。私は…」

クリスタ「私は…みんなが助かるのなら…」

コニー「な…なんだよそれ…」

コニー「そんなのって…」

ライナー「…ッ!」

クリスタ「…さあ、アルミン」

クリスタ「もう終わらせよう…」









―  ク ラ イ マ ッ ク ス 推 理 開 始  ―















―  推 理 を 完 成 さ せ ろ  ―







今日はここまで

悲しいなあ
乙 最近更新多くて嬉しい

Act.1


(この事件の発端は?)



【パーティーの開催を宣言するサシャ】



(ユミルは何を考えた?)




Act.2


(ユミルは何に目を付けた?)



【誘拐されたエレン】



(ユミルは何をした?)




Act.3


(ユミルはクリスタに何をさせた?)



【自らC粉を服用するユミル】




Act.4


【B-2粉入りのケーキを食べるユミル】



【肉のパイ包みを使ったレクリエーション】



(ユミルが死に際に口にした言葉とは?)








【モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)】
【クリスタがユミルを殺す計画】
【飼育小屋の動物実験】
【B-2粉を使ったケーキ作り】
【記憶を取り戻したユミル】
【ヒストリア】







Act.1


【記憶を取り戻したユミル】



【パーティーの開催を宣言するサシャ】



【クリスタがユミルを殺す計画】




Act.2


【モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)】



【誘拐されたエレン】



【飼育小屋の動物実験】




Act.3


【B-2粉を使ったケーキ作り】



【自らC粉を服用するユミル】




Act.4


【B-2粉入りのケーキを食べるユミル】



【肉のパイ包みを使ったレクリエーション】



【ヒストリア】








犯人は、君なんだ!







アルミン「じゃあ、最初から事件を振り返ってみようか」




Act.1


【記憶を取り戻したユミル】




アルミン「この事件の発端は、ユミルが失われた記憶を取り戻したことだった」

アルミン「モノクマの話によると、僕たちは
     “本物の入団式”から数年間の記憶を無くしているらしい」

アルミン「そして事件前日… モノクマは
     “僕たちの中の1人”の記憶を全部戻したと言った」

アルミン「その人物こそが… 死んだユミルだったんだ」







【パーティーの開催を宣言するサシャ】




アルミン「一方、今回の事件の前に
     僕たちの間でちょっとしたトラブルが起きていた」

アルミン「みんながライブハウスにあったお酒で泥酔し、
     挙句の果てにコニーがジャンに酒瓶で殴り掛かったんだ」

アルミン「そんな一触即発の事態をなんとかしようと
     声を上げたのがサシャだった」

アルミン「『パーティーを開きましょう!!』ってね」







【クリスタがユミルを殺す計画】




アルミン「ところが、みんなを仲直りさせるための企画を
     全く別の事に利用しようとした人間がいた」

アルミン「…記憶を取り戻したユミルだ」

アルミン「どんな記憶だったのかは想像もつかないけど、
     それがユミルにとんでもない計画を思い付かせてしまった」

アルミン「クリスタに自分を殺させ、クロとなったクリスタを
     生き延びさせるという計画を…」

Act.2


【モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)】




アルミン「計画遂行のためにユミルが目を付けたのが
     とある薬品だった」

アルミン「単体では調味料の素として使えるけど、
     複合させると毒薬として作用する恐ろしい薬品…」

アルミン「その特性を知ったユミルは、
     薬品を使った犯行計画を練り上げ…」

アルミン「計画遂行のための準備を始めた」







【誘拐されたエレン】




アルミン「まず、ユミルは飼育小屋からエレン…
     つまりニワトリを倉庫まで攫ってきた」

アルミン「そしてC粉をニワトリに呑ませた後、
     倉庫内の精肉機にかけてミンチにしたんだ」

アルミン「こうすることで、体内にC粉を取り込む事でしか作れないC-2を
     人工的に作り出すことができ…」

アルミン「兵団規則に抵触することなく、毒薬を含んだ肉塊を
     倉庫の外に持ち出すこともできる」







【飼育小屋の動物実験】




アルミン「肉塊を持ち出したユミルは飼育小屋に向かった」

アルミン「C-2入りの肉塊を、同時に持ち出したA-2、B-2粉と一緒に
     動物たちに食べさせたんだ」

アルミン「この行為には2つの意味があった」

アルミン「1つは、毒薬の性能を確かめること」

アルミン「そしてもう1つは、『ユミルにC粉を呑ませずに済む方法』を
     示すことだった」

アルミン「これらの毒薬で誰かを殺す場合、
     あらかじめC粉を服用させておく必要がある」

アルミン「だけど、あえて別の可能性を示すことで…
     ユミルは僕たちの議論をかき乱そうとしたんだ」

今日はここまで

Act.3


【B-2粉を使ったケーキ作り】




アルミン「実験を終えたユミルは、計画を次のステップへと移した」

アルミン「同じ【調理係】だったクリスタに
     B-2粉を使ったケーキ作りをさせたんだ」

アルミン「B-2粉は砂糖の代わりになる上に、
     元となる薬品のラベルには“砂糖の素”としか書かれていない」

アルミン「つまり、それが毒薬であると疑われることなく
     ケーキに混入させることができるんだ」







【自らC粉を服用するユミル】




アルミン「そしてユミルは、クリスタが混入させたB-2粉を作用させるために
     自らC粉を服用した」

アルミン「【倉庫の薬品図鑑】によると、『服用後1時間~24時間』で
     “B-2粉が毒薬として作用する体”になるらしいから…」

アルミン「C粉を呑んだのは、遅くてもパーティーの前日だったはずだ」

アルミン「こうして仕込みを終えたユミルは
     本番のパーティーを待った」

Act.4


【B-2粉入りのケーキを食べるユミル】




アルミン「そしてパーティー当日…」

アルミン「みんなが思い思いに料理を食べる中で、
     ユミルはB-2粉入りのケーキを口にした」

アルミン「もちろん、実際にケーキを食べたのは
     ユミル以外にもたくさんいたと思う」

アルミン「だけど、それが毒物として作用するのは
     事前にC粉を服用していたユミルだけだったんだ」

今日はここまで







【肉のパイ包みを使ったレクリエーション】




アルミン「【倉庫の薬品図鑑】によると、B-2粉を摂取した場合、
     多臓器不全に陥るのは『摂取後10~30分』だ」

アルミン「ユミルは時間を計算して、ケーキを食べてから10分後に
     あるイベントを用意していた」

アルミン「【肉のパイ包み】を使ったレクリエーションだ」

アルミン「ユミルは、この企画の最中に死ぬことによって
     『パイに毒が入っている』と思わせようとしたんだ」

アルミン「さらに、僕たちはソースのデコレーションや
     パイ切れの食べさせ合いもしていたから…」

アルミン「『生地とソースのどちらに毒が入っていたのか』、
     『ソースに入っていたとしたら、デコレーションをした人間がクロなのか』」

アルミン「『それとも、パイを直接食べさせた人間がクロなのか』」

アルミン「…そういう議論を誘発させたかったんだと思う」







【ヒストリア】




アルミン「そして思惑通り、ユミルは
     パイを口にした“ほとんど”直後に倒れた」

アルミン「肉体を肥大化させるという毒に苦しみながら、
     ユミルは最後の力を振り絞り…」

アルミン「取り戻した記憶の中にあった
     クリスタの本名を…」









ユミル『ヒ……スト……リ……』








ユミル『ァ……』







アルミン「………………」

アニ「…?」

ライナー「…どうした? 急に黙り込んで」

アルミン「………………」

アルミン「やっぱり…」

アルミン「やっぱりおかしいよ」

コニー「…え?」

アルミン「どうしてユミルは死に際に
     クリスタの本名を口にしたんだ…?」

ジャン「…? そりゃあ、あれじゃねえか?
    ダイイングメッセージとか…」

アルミン「そんなの絶対に変だよ」

アルミン「だってユミルは、クリスタをクロとして卒業させる為に
     一連の計画を実行したんでしょ?」

アルミン「それなのに、『犯人はクリスタだ』なんて…
     明らかに矛盾してると思わない?」

ベルトルト「思わず言ってしまった…とか?
      ほら、ユミルってクリスタと仲が良かったし…」

アルミン「いや、あれは“思わず言ってしまった”っていうよりも
     “必死に何かを伝えようとしていた”感じだった」

アルミン「全身に毒が廻って、いつ死ぬかわからないっていう
     苦しみの中で…」

アルミン「やっとの思いで、あの言葉を紡ぎ出したんだ」

ミカサ「…そこまでして、何を伝えたかったの?
    どうしてクリスタを本名で呼んで…」

アルミン「そう、そこも引っかかるんだよ」

アルミン「ユミルはクリスタを偽名ではなく、
     “記憶を取り戻した人間しか知らないはずの”本名の方で呼んだんだ」

アルミン「これはかなりリスクのある行為だよ。自分が記憶を取り戻したことがバレて、
     最悪の場合、そこから犯行計画そのものが露呈してしまうかもしれない」

アルミン「事実、僕たちはあの発言から
     ここまでの推論にたどり着いたわけだしね」

クリスタ「…関係ないよ」

アルミン「…?」

クリスタ「さっき言ったでしょ。ユミルは
     私の訓練兵手帳を見たって言ったって」

クリスタ「もしあの事が本当だとしたら、私の本名は
     “記憶を取り戻した人間しか知らないはずの”とは言い切れないんだよ」

アルミン「………………」

クリスタ「それに… 死の間際の人間の気持ちなんて
     誰にもわからないんじゃないかな」

クリスタ「そんなの考えたって仕方ないよ」

アルミン「…クリスタ、おかしいのは君もだよ」

クリスタ「…え?」

アルミン「どうして君はそう簡単に罪を認めたの?」

クリスタ「どうしてって…
     それはアルミンの推理に追いつめられたから…」

アルミン「僕が推理したのは
     【ヒストリア】が君の本名だっていう事だけだよ」

アルミン「それだけなのに、君は観念したとばかりに
     ユミルを殺害を認めてしまった」

アルミン「今言ったように、ターゲットである君の名を
     ユミルが呼ぶのはそもそも不自然な行為なんだから」

アルミン「いくらでも言い逃れはできたはずだ」

今日はここまで

なんか裁判前のモノローグにあった「悪意」ワードの正体に近づきつつあるな

個人的にベルトルトが怪しい

クリスタ「………………」

クリスタ「…そうかもしれないね」

アルミン「…?」

クリスタ「確かに、それだけの根拠なら
     言い逃れはできたかもしれない」

クリスタ「でも… 言い逃れてどうするの?」

クリスタ「私が殺人を犯した事実に変わりはないし、
     そんな事したってユミルは戻って来ないんだよ?」

ライナー「…お前は殺人を犯したわけじゃない。
     ユミルの策略に嵌められただけだ」

クリスタ「同じ事だよ」

クリスタ「ユミルがこの計画を立てたのは
     私をここから逃がそうとしたから」

クリスタ「私という存在のせいで
     ユミルはそんな恐ろしい事を考えてしまった」

クリスタ「…名実ともに私が殺したんだよ」

サシャ「ク、クリスタ…」ガタガタ

クリスタ「ユミルは私のせいで死んでしまった」

クリスタ「そして… もし私がここで言い逃れたら、
     私以外の人間が死ぬ事になる」

クリスタ「…私にはそれが耐えられない」

コニー「クリスタ…」

クリスタ「もう嫌なんだよ… これ以上
     私のせいで大切な人が死ぬのは…」

クリスタ「私が生き残るために誰かが死ぬくらいなら…」

クリスタ「私が死んだ方がずっといい…!」

クリスタ「みんなのせいでもない、ユミルのせいでもない」

クリスタ「全て私のせいなの」

クリスタ「だからこれこそが… 私にできるせめてもの償い」

サシャ「そ… そんな…」ガタガタ

クリスタ「だからね、お願い」

クリスタ「私に投票して」

クリスタ「そして私たちの分まで… 精一杯生きて」









アルミン(クリスタはそう言って僕たちに微笑みかけた)

アルミン(その表情は、迷いや恐れなど微塵もない…)

アルミン(天使のような晴れやかな笑顔だった)















アルミン(天使のような笑顔)

アルミン(天使のような狂った笑顔)

アルミン(まるで、希望と絶望を
     グチャグチャに混ぜ合わせたような…)







アルミン(…違うよ、クリスタ)

アルミン(人はそこまで純粋にはなれない)








ミーナ『私はエレンの練習に付き合ってないっつーの!!』




ミーナ『無茶苦茶なのはどっちだよ!!
    無茶苦茶な論理押し付けて人を貶めてんのはどっちだよ!!』




ミーナ『あんたらが私を疑う理由は“訓練成績がトップだったから”ァ!?
    笑わせんじゃねーよ!!』







アルミン(君だって人間なんだ)

アルミン(人間臭い“欲”の1つや2つあるはず)




アルミン「………………」




アルミン(そう、まだ何かあるんだ…)

アルミン(何か…)

今日はここまで

アルミン「………………」

アルミン「…そういえば、ミカサ」

ミカサ「?」

アルミン「あの“調べ物”って何だったの?」

ミカサ「何の話?」

アルミン「ほら、捜査の時に言ってたじゃないか。
     『気になる事ができた』って…」








ミカサ『だけど、今の話で…
    ちょっと気になる事ができた』

アルミン『…え?』




タッ タッ タッ




アルミン『ミ、ミカサ? どこに行くの?』

ミカサ『私も調べ物に行ってくる』

アルミン『調べ物って…』

ミカサ『すぐに戻れる…と思う。多分』







ミカサ「…ああ」

アルミン「よかったら聞かせてくれないかな。
     ミカサが気になった事が何だったのか…」

ミカサ「別にいいけど…」

ミカサ「そんなに大したことじゃない」

今日はここまで

まさかここまできてどんでん返しがあるのか

ミカサ「私がアルミンの話で気になったのは
    【倉庫の保存環境】だった」




アニ『…あの倉庫ってそんなに環境がいいの?』

サシャ『は、はい… 物品のエリアに応じて
    温度や湿度が細かく調整せれてるとか何とか…』

サシャ『とにかく保存環境がいい事がわかったんで、
    作りかけのパーティー料理もあそこにしまうようにしてたんです』




ミカサ「私は最初の日に倉庫を調べたけど、
    そんな機能が備わっているとは知らなかったから…」

ミカサ「どういう仕組みになっているのか
    興味があって見に行っただけ」

コニー「よくわからんけど、あんまり事件とは関係なさそうだな」

ミカサ「だから大したことじゃないと言っている」

アルミン「それで、どうだったの?」

ミカサ「…結局、仕組みはわからずじまいだった」

ミカサ「ただ、保存に適した環境であることは間違いないみたい。
    ボウルの中の生地が水気を含んだ状態で残されていたから」

サシャ「ボ…ボウルの中の生地…?」ガタガタ

ミカサ「多分調理に使ったものだと思う。
    倉庫の隅の方に、何かの生地がこべり付いたボウルが置いてあった」

ミカサ「その生地を舐めてみたけど… ケーキのようだった」

ベルトルト「ケーキを作った時のボウルが…?」

ミカサ「普通なら、作りかけのケーキの生地を放置しておけば
    カピカピに乾燥してしまうはず」

ミカサ「だけど、あの生地は水気を含んでしっとりしていて、
    まるでさっきまで誰かが作っていたかのような新鮮さを保っていた」

ジャン「へぇ… そこまで保存環境がいいのか」

ライナー「…ん? ちょっと待てよ?」

ライナー「なんで調理用のボウルが倉庫で見つかってるんだ?
     パーティー用の料理は全て調理場で作ってたんじゃなかったのか?」

クリスタ「ケーキは倉庫でも作ってたんだよ」

ベルトルト「…? でも、ケーキって割と早い段階で完成してなかった?
      僕とライナーで完成品を倉庫まで運んだ記憶があるけど…」

クリスタ「手直しがあったんだよ、色々と。
     だから調理場から道具を持って来てたんだ」

クリスタ「ねえ、もうそんな話いいでしょ?
     早く投票を…」

ミカサ「…そういえば、もう1つ気になる事があった」

アルミン「気になる事?」

ミカサ「ライブハウスでアルミンの話を聞いていたとき、
    ふとバーカウンターにあったワインボトルに目が留まったのだけど…」

ミカサ「…色がおかしかった」

コニー「色…?」

ミカサ「ワインのボトルは緑がかっているから、
    普通ならその中のワインは黒っぽく見えるはず」

ミカサ「だけど私が見たあの色は… もっと済んだ色だった」

ジャン「確かに、ワインが赤いのならそう見えるんだろうけどよ…
    ワインなら全部赤いって訳でもないだろ?」

ジャン「透明なワインもあったはずだぜ。
    それと見間違えたんじゃないのか?」

ミカサ「…私もそう思って、その時はスルーしていた」

ミカサ「けれど、倉庫の調査を終えた後にどうしても気になって…」

ミカサ「ライブハウスに戻って、その中身を確かめてみた。
    そうしたら…」

今日はここまで

乙一
続きが凄く気になる

ベルトルト「…そうしたら?」

ミカサ「水だった」

ライナー「…は?」

ミカサ「ビンの中身は
    赤いワインでも透明なワインでもなく…」

ミカサ「ただの水だった」

アニ「なんだって…?」

ミカサ「もしやと思って、残りの酒瓶も調べてみたら…」

ミカサ「ワイン、エール、蜂蜜酒、蒸留酒…」

ミカサ「全て水だった」

コニー「…!?」

ミカサ「バーにあったお酒はどれも見た目だけ」

ミカサ「本物のお酒なんて1つも無かった」

ジャン「い、いや…」

ジャン「そんなはずねえぞ…!?」








ジャン『んあ…? おー、アッルミーン!』

ジャン『おいこらベルトルトぉ! アルミン様がお見えだぁ!』

ベルトルト『………………』ダラー

ジャン『もしもーし? ベルトルトさぁん?
    アルミンだぜアルミン、サシャとアニもいるぞぉ』

ベルトルト『………………』ダラー

ジャン『んー? あれー? エレンとミーナもいるぞぉ!?』

ジャン『お前ら死んだんじゃなかったのかよー、ぎゃははははは!!』








ジャン「あの時オレたちが飲んだのは
    確かに酒だったはずだ…」

ジャン「現にあんなに酔っ払って…」

ミカサ「…まあでも、これが事件に関係あるとは思えない」

ミカサ「問題の毒薬はケーキに含まれていたようだし…」




ライナー『ほう… なかなか面白いなこりゃ』

ライナー『このラベルによると、溶媒とする液体の種類によって
     作れるソースも変わるみたいだぜ』




アルミン「…!!」

ミカサ「…アルミン?」

アルミン「…ねえ、ライナー」

アルミン「さっきのラベル見せて」

ライナー「ん? あ、ああ…」

今日はここまで

更新来てた-
乙一









薬品 NO.22

モノクマ特製 ソースの素




単体では滋養強壮剤として機能しますが、特定の液体に
溶かすことによって様々なソースを作ることができます。

なお、溶媒とする液体の種類によって作れるソースが変わります。


(Ⅰ)水 … キャラメルソース

(Ⅱ)エタノール(純度50%以上) … ブラウンソース















薬品 NO.23

モノクマ特製 砂糖の素




単体では滋養強壮剤として機能しますが、5分間ビンのまま
加熱することによって砂糖のように甘い粉末へと変化します。











【ミカサの証言】

【薬品のラベル】




アルミン「………………」

ライナー「お、おい、一体どうしたんだ?」

アルミン「………………」

ミカサ「アルミン?」




アルミン(…まさか)

アルミン(この事件の真相って…)









―  ロ ジ カ ル ダ イ ブ 開 始  ―







今日はここまで









QUESTION 01


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       今回の事件を計画したのは誰?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【ミカサ・アッカーマン】
【ライナー・ブラウン】
【ベルトルト・フーバー】
【アニ・レオンハート】
【エレン・イェーガー】
【ジャン・キルシュタイン】
【コニー・スプリンガー】
【サシャ・ブラウス】
【クリスタ・レンズ】
【アルミン・アルレルト】
【ミーナ・カロライナ】
▶【ユミル】
















QUESTION 02


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       今回の事件で使われた毒薬は?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【物質A-2】
▶【B-2粉】
















QUESTION 03


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       今回の事件で使われるはずだった毒薬は?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




▶【物質A-2】
【B-2粉】
















QUESTION 04


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       ユミルが事実に気が付いたのはいつ?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【計画を立てたとき】
【C粉を呑んだとき】
▶【死の直前】
















DIVE RESULT




<1> 今回の事件を計画したのは誰?         【ユミル】

<2> 今回の事件で使われた毒薬は?         【B-2粉】

<3> 今回の事件で使われるはずだった毒薬は?    【物質A-2】

<4> ユミルが事実に気が付いたのはいつ?      【死の直前】








推理は繋がった!







ドキドキ

今日はここまで

もうずっと焦らされっぱなしですよ

アルミン「…なあ、モノクマ」

モノクマ「?」

アルミン「さっきお前が言った事…」

アルミン「もう1回聞かせてくれないか?」









―  議 論 開 始  ―




【モノクマファイル 2】
【肥大化した死体】
【肉のパイ包み】







モノクマ「さっきボクが言った事…?」

モノクマ「ボク何か言いましたっけ?」

ミカサ「あの事ではないの?」

ミカサ「さっきクリスタが…」

ミカサ「どういう人間がクロになるのかを確認した時の…」

モノクマ「ああ、あの時は確か…」

モノクマ「【計画を立ててC粉を服用したユミルさんでも】」

モノクマ「【パイを直接食べさせたフーバーくんでもなく…】」

モノクマ「【この事件では毒を混入させた人間がクロってことになりますね】」

モノクマ「【以前オマエラ2人に話した通り】」

モノクマ「…って言ったと思うけど?」




アルミン(…やっぱりそうだ)

アルミン(あの発言は明らかにおかしい)








▶【以前オマエラ2人に話した通り】







モノクマ「さっきボクが言った事…?」

モノクマ「ボク何か言いましたっけ?」

ミカサ「あの事ではないの?」

ミカサ「さっきクリスタが…」

ミカサ「どういう人間がクロになるのかを確認した時の…」

モノクマ「ああ、あの時は確か…」

モノクマ「【計画を立ててC粉を服用したユミルさんでも】」

モノクマ「【パイを直接食べさせたフーバーくんでもなく…】








それは違うよ!







今日はここまで

ベルトルトルト…

アルミン「モノクマ… その発言は不自然だよ」

モノクマ「は? 不自然?」

アルミン「【以前オマエラ2人に話した通り】の“2人”っていうのは
     ユミルとクリスタの事なんだよな?」

モノクマ「そうだけど? それのどこが不自然なの?」

モノクマ「ボクは確かにあの2人に…」

アルミン「そうじゃない」

アルミン「僕は不自然だって言ってるのは、その前の
     【パイを直接食べさせたフーバーくんでもなく…】っていう発言の方だ」

モノクマ「えっ…?」

アルミン「【計画を立ててC粉を服用したユミルさんでも】、
     【この事件では毒を混入させた人間がクロってことになりますね】」

アルミン「…この2つはまだわかるよ。
     どちらも計画の根幹に関わる重要な事だからね」

アルミン「だけど、どうしてあんな事まで言ったんだ?」

アルミン「【パイを直接食べさせたフーバーくんでもなく…】なんて」

モノクマ「どうしてって… それも重要な事だからだよ」

アルミン「そんなのおかしいよ」

アルミン「だって、ユミルが死ぬ原因になったB-2粉は
     ケーキに含まれていたんだろ?」

アルミン「だったら、パイは今回の事件に
     一切関係していないはずじゃないか」

アルミン「パイを直接食べさせたのがベルトルトかどうかなんて、
     全くどうでもいい事だったんじゃないの?」

モノクマ「………………」

アルミン「僕には不思議に思えて仕方が無いんだ。
     どうしてお前がわざわざそんな事を言ったのか」

アルミン「いや… どうして2人はその事を知りたがったのか」

モノクマ「………………」

アルミン「考えた末に、僕はある結論にたどり着いたんだ」

アルミン「もしかしたら、あのパイこそが
     今回の事件の肝だったんじゃないか…ってね」

ライナー「あのパイが…?」

アニ「…どういう事? まさか、ケーキじゃなくて
   あのパイに毒が含まれていたっていうの?」

アルミン「いや、毒が含まれていたのはケーキだと思うよ」

アルミン「パイには何も含まれていなかった…
     それは今までの議論の通りじゃないかな」

ベルトルト「…? 話が全く見えないんだけど…」

アルミン「…つまり僕はこう考えたんだ」

アルミン「当初の計画では、ユミルはパイに毒を仕込ませるはずだった」

アルミン「ところが、ユミルの知らないところでパイの毒が抜かれ、
     代わりにケーキに毒が仕込まれてしまった」

ミカサ「…! それって…」

アルミン「そう…」

誰かの仕業?









アルミン「誰かが毒をすり替えたんだよ」







今日はここまで

※まだ2章です

コニー「…は?」

クリスタ「…!!」

ジャン「はぁ!?」

ベルトルト「なっ…」

サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「そう考えれば例の件もしっくりくるんだ」

アルミン「どうしてユミルが死に際にあんな言葉を口にしたのか…」








ユミル『ヒ……スト……リ……』








ユミル『ァ……』








アルミン「ユミルはあの時に気付いてしまったんだ」

アルミン「パイに毒が仕掛けられていない事に」

アルミン「だって本来なら… ユミルは
     あのパイを食べた“直後”に倒れるはずだったんだからね」

ベルトルト「“直後”って…」

ベルトルト「それじゃあ、あのパイに仕込ませるはずだった
      毒薬っていうのは…」




▶【物質A-2】
【B-2粉】
【物質C-2】








これだ!







アルミン「物質A-2だよ」




A-2 を摂取した場合:摂取直後に多臓器不全に陥ります。
B-2粉を摂取した場合:摂取後10~30分で多臓器不全に陥ります。




アルミン「A-2はB-2粉と違って、摂取した直後に効き目があるんだ」

アルミン「だけどユミルは食べた直後に倒れなかった」




ジャン『オレのパイには激辛スパイスが入ってて、
    食った直後に悶絶した訳だが…』

ジャン『ユミルが倒れたのは…
    それからしばらく後じゃなかったか?』

アルミン『…え?』




アルミン「ユミルもあの【時間差】に気が付いたんだよ」

アルミン「ましてユミルは、動物実験までやって
     毒の性能を確認してるんだ」

アルミン「摂取直後に死ぬA-2の特性は
     この中の誰よりも理解していたはず…」

今日はここまで

当初の予定ではベルトルトを犯人にする予定だったのかな??
ベルトルトを[ピーーー]ならユミルだけでもやれるだろうし、他の人間皆殺しが目的?

うーむ、わからん。原作2-5より複雑じゃないか、これ

ミカサ「………………」

アルミン「計画では、ユミルはクリスタに仕掛けさせたA-2入りパイを
     食べた直後に死ぬはずだった」

アルミン「だけど、食べてもすぐには何も起こらなかった」

アルミン「…ユミルはかなり動揺したんじゃないかな」

サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「そして何故か、食べてから“しばらくして”
     毒の効き目が表れた」

アルミン「ユミルはその時に悟ったはずだ」

アルミン「この毒はパイに入っていたA-2じゃない…」

アルミン「10~30分前に食べた料理に仕込まれていた
     B-2粉だ…ってね」

アニ「つまり、あんたが言いたいのは…」

アニ「ユミルの計画にB-2粉は含まれていなかった…っていう事?」

アルミン「その通り。ユミルはあくまでA-2だけを使う予定だったんだ」

ベルトルト「で、でも… 実際にユミルは
      B-2粉で死んでるんだよね?」

アルミン「そう、今まで議論した通り、
     ユミルはB-2粉を呑んで死んでいる…」

アルミン「つまり、それを仕掛けた人こそが…」

アルミン「ユミルの知らない誰か…
     【今回のクロって事になる】








どうしてそうなるの!?







クリスタ「ちょ、ちょっと待ってよ、アルミン…」

クリスタ「さっきから何を言ってるの?
     突飛すぎてついていけないよ…」

アルミン「………………」

クリスタ「私はもう認めてるんだよ?」

クリスタ「私が…ユミルを殺したクロだって」









―  反 論 シ ョ ー ダ ウ ン 開 始  ―




【倉庫の物品管理表】
【空のビン】
【鳥の羽根】
【飼育小屋の動物】
【倉庫の保存環境】
▶【ミカサの証言】
▶【薬品のラベル】







今日はここまで

展開が焦らしプレイすぎるから1ヶ月くらい経ってからまとめて読もうと毎回思うのに上がってると読んじゃう悔しい



>>324
おま俺

クリスタ「ユミルはB-2粉で/
               /死んでるんでしょ?」

クリスタ「だったらクロは/
             /どう考えても私だよ」

クリスタ「さっきから言ってるけど/
                 /B-2粉は砂糖の代わりになるんだよ」

クリスタ「それを私が毒薬だと知らずに/
                   /ケーキの生地に混ぜちゃったんだ」

クリスタ「全てはユミルが/
             /企てた事だとしても…」

クリスタ「実行したのは/
            /この私なんだよ…!」









―  発 展  ―




アルミン「いや、ユミルが企てたのは…」

アルミン「A-2を使った自身の毒殺なんだ」







クリスタ「さっきから/
           /A-2A-2って…」

クリスタ「どうしてそこまで/
              /こだわろうとするの?」

クリスタ「大体、アルミンの/
              /言ってる推理って…」

クリスタ「【全部モノクマの発言からきてるもの】でしょ?」

クリスタ「そんなものを根拠にして/
                 /本当にいいのかな?」

クリスタ「だって、あの/
            /モノクマだよ?」




アルミン(モノクマの発言は単なるきっかけ…)

アルミン(根拠はちゃんと他にあったはずだ)

アルミン(それを示せば…)

クリスタ「さっきから/
           /A-2A-2って…」

クリスタ「どうしてそこまで/
              /こだわろうとするの?」

クリスタ「大体、アルミンの/
              /言ってる推理って…」

クリスタ「【全部モノクマの/
              /発言からきてるもの】








その言葉、斬らせてもらう!







アルミン「違うよクリスタ、ちゃんと他に根拠があるんだ」

アルミン「それも1つじゃなく、ね」

クリスタ「え…?」

アルミン「1つ目の根拠は
     【肉のパイ包み】に使われていたソースだよ」

アルミン「みんな、よく思い出してほしい。あのレクリエーションで
     僕たちがどんなソースを使っていたか…」

ジャン「どんなソースって…」








アルミン⦅ライナーの説明によると、どうやらこの絞り袋には
     クリーム状のソースが入っているらしい⦆

アルミン⦅パイはすでに10等分に切り分けられており、
     1人が1つを好きなようにデコレーションする…というものだった⦆




ライナー『いいか、使うのはあくまで自分の絞り袋だけだ。
     他人のを借りるのは無しだぞ』

ライナー『他人のパイ切れをデコレーションするのも禁止。
     それと、全員が作業を終えるまで食べるのもダメだからな』

コニー『なんだかよくわかんねーけど、面白そうだな』








ジャン「なんか絞り袋みたいなやつに入ってて…
    それをパイ切れにデコレーションしていったんだよな」

コニー「そうそう、クリーム状で茶色くて…」

コニー「すっげー甘ったるいソースだった」

クリスタ「…!!」

ミカサ「…そうなの? 【肉のパイ包み】っていうくらいだから、
    てっきり塩気の効いたソースかと」

コニー「ああ、そういやミカサは食べてないんだっけか」

コニー「そうなんだよ。俺も最初は『ん?』って思ったんだけどよ、
    意外とこれが肉の旨みとマッチしてて…」

コニー「めちゃくちゃ美味かったんだよな~!
    斬新な組み合わせでビックリしちまった!」

ライナー「…!!」

ライナー「ま、まさか…!」

アルミン「…気付いたみたいだね、ライナー」

ライナー「おいアルミン!さっきのラベルを!」

アルミン「うん…」









薬品 NO.22

モノクマ特製 ソースの素




単体では滋養強壮剤として機能しますが、特定の液体に
溶かすことによって様々なソースを作ることができます。

なお、溶媒とする液体の種類によって作れるソースが変わります。


(Ⅰ)水 … キャラメルソース

(Ⅱ)エタノール(純度50%以上) … ブラウンソース







ライナー「やっぱりそうか…!」

コニー「え…? やっぱりって何が…」

ライナー「なあ、アルミン…」

ライナー「あれは… キャラメルソースだったんだな?」

アルミン「…その通りだよ」

コニー「は? キャラメル?」

ミカサ「どういう事?」

サシャ「………………」ガタガタ

アニ「…ねえ」

アニ「私にもそのラベル見せてくれる?」









薬品 NO.22

モノクマ特製 ソースの素




単体では滋養強壮剤として機能しますが、特定の液体に
溶かすことによって様々なソースを作ることができます。

なお、溶媒とする液体の種類によって作れるソースが変わります。


(Ⅰ)水 … キャラメルソース

(Ⅱ)エタノール(純度50%以上) … ブラウンソース







アニ「…そういう事か」

ジャン「お、おい、どういう事だよ!?」

アニ「私たちが例のレクリエーションで
   パイ切れにデコレーションしたソース…」

アニ「あれは…A粉から作られたものだったんだ」

ベルトルト「えっ…?」

クリスタ「…っ!」

ベルトルト「ちょっと待って…」

ベルトルト「A粉って…」




A粉

純度50%以上のエタノールに溶かすことによって、物質A-2へと変化します。
A-2自体は毒にも薬にもなりませんが、C粉を摂取した状態で服用すれば
強力な毒薬として機能します。




ベルトルト「あの毒薬の…!?」

アルミン「そう、A粉は毒薬の原料…」

アルミン「それと同時にソースの素でもある」

アルミン「…そうだったよね? クリスタ」

クリスタ「………………」

アルミン「ユミルが君に作らせたのは
     B-2粉入りのケーキじゃない」

アルミン「本当は… A-2入りのソースだったんじゃないの?」

クリスタ「………………」

ジャン「…?? ちょ、ちょっと待ってくれ。
    ユミルはB-2粉で死んでるんだよな?」

ジャン「でも、クリスタが作らされたのは
    A-2入りのソースだっていうなら…」

アルミン「そう、問題はそこなんだ」

アルミン「クリスタが作ったのはA-2入りのソースなのに、
     どうしてB-2粉で死んでいるのか…」

アルミン「どうしてA-2入りのソースが
     毒として作用しなかったのか…」

アルミン「ここで出てくるのが【ミカサの証言】なんだ」








アニ『なんだって…?』

ミカサ『もしやと思って、残りの酒瓶も調べてみたら…』

ミカサ『ワイン、エール、蜂蜜酒、蒸留酒…』

ミカサ『全て水だった』

コニー『…!?』

ミカサ『バーにあったお酒はどれも見た目だけ』

ミカサ『本物のお酒なんて1つも無かった』








アルミン「ライブハウスにあった酒類が
     全て水に置き換わっていた…」

アルミン「…そうだったよね、ミカサ」

ミカサ「うん…」

アルミン「実はこの事が…」

アルミン「ユミルの計画を大きく狂わせてしまったんだよ」

コニー「…? 言ってる意味が…」

アニ「…まだわからないの?」

アニ「思い出してみなよ。そもそも
   毒薬であるA-2を作り出す条件は何だった?」

コニー「えーっと、確か…」




A粉

純度50%以上のエタノールに溶かすことによって、物質A-2へと変化します。
A-2自体は毒にも薬にもなりませんが、C粉を摂取した状態で服用すれば
強力な毒薬として機能します。




コニー「純度50%以上のエタノール…? に溶かすんだったよな?」

アニ「その“エタノール”って、お酒の主成分だって事は知ってる?」

コニー「えっ…」

アニ「………………」

コニー「そ、それじゃあ…」

アルミン「そう… ユミルはライブハウスにあったお酒を使って
     ソースを作らせたんだ」

アルミン「倉庫に酒類は置いてなかったからね…
     わざわざライブハウスから取って来たんだと思う」

ミカサ「でも、あそこのお酒は…」

アルミン「…そう、全て水だった」

アルミン「これが何を意味するのか…
     さすがにもうわかるんじゃないかな」

今日はここまで

サシャさんしゃべって!

ジャン「…!!」

ジャン「そうか… やっとわかったぞ…!」





(Ⅰ)水 … キャラメルソース

(Ⅱ)エタノール(純度50%以上) … ブラウンソース




ジャン「ユミルは元々ブラウンソースを作らせようとしてたんだ!」

ジャン「だが、酒が水に入れ替わっちまってたせいで
    キャラメルソースが出来てしまった…そういう事だな!?」

アルミン「うん、そういう事だよ」

クリスタ「………………」

アルミン「…もっと早くに気付くべきだった」

アルミン「普通なら、肉料理に
     甘ったるいソースなんて使わない」

アルミン「塩気の効いたソース… 例えば、
     ブラウンソースなんかを使おうとするのが自然なんだ」

コニー「そ、それって要するに、
    ユミルが酒と水を間違えたって事か?」

コニー「でも、そんな事ってあるか?
    中身に気付かずに別のソースを作っちまうなんて…」

アニ「あり得ない話じゃないよ」

アニ「純度50%以上のエタノールっていったら
   スピリッツ系なんかの相当強い酒だ」

アニ「スピリッツ系の酒は無色透明なものが一般的だからね…
   混ぜるだけなら、水と間違えても不思議じゃないよ」

アニ「ましてユミルは実際に一度飲んでるんだ。
   中身がすり替わってるなんて夢にも思わなかったろうさ」

アルミン「加えて、キャラメルソースとブラウンソースは
     色もそれほど変わらない」

アルミン「クリーム状にしてしまえば
     見た目もほとんどわからなくなる」

アルミン「味見でもしない限りは絶対に気が付かないよ」

アルミン「そう、味見でもしない限りは…」








ライナー『じゃあいくぞ… せーのっ』




パリッ








ベルトルト「…! そうか、じゃあ、あの時…」

アルミン「うん… ユミルは【時間差】だけじゃなくて、
     味の違いにも気が付いたんだ」

アルミン「ユミルはそこで初めて理解したんだよ。
     自らの計画に不都合が生じてしまった事に」




A粉

純度50%以上のエタノールに溶かすことによって、物質A-2へと変化します。
A-2自体は毒にも薬にもなりませんが、C粉を摂取した状態で服用すれば
強力な毒薬として機能します。




アルミン「だって、ソースの作製に
     エタノールが使われていないのなら…」

アルミン「【A粉は毒薬にならない】








いい加減にして!!







クリスタ「アルミン… その話はおかしいよ」

アルミン「えっ…」

クリスタ「今のアルミンの推理には決定的な穴がある」

クリスタ「これからそれを教えてあげるよ」

クリスタ「私が全部正してあげるから…!」









―  反 論 シ ョ ー ダ ウ ン 開 始  ―




【倉庫の物品管理表】
【空のビン】
【鳥の羽根】
【飼育小屋の動物】
【倉庫の保存環境】
【ミカサの証言】
▶【薬品のラベル】







今日はここまで

クリスタ「アルミンが言いたい事は/
                 /つまり…」

クリスタ「A粉がA-2に/
            /変化していなかったって事だよね?」

クリスタ「でもそれって/
            /おかしくない?」

クリスタ「A粉が変化して/
             /いなかったのなら」

クリスタ「どうやって倉庫から/
               /持ち出す事ができたの?」

クリスタ「だって、A粉のまま/
               /持ち出したら」

クリスタ「ルール違反に/
            /なっちゃうんだよ?」









―  発 展  ―




アルミン「クリスタが言ってるのって…」

アルミン「【倉庫の物品管理表】の事だよね?」







クリスタ「そうだよ。管理表には/
                /A粉を持ち出した記載が無かった」

クリスタ「アルミンは議論で/
              /言ってたよね?」

クリスタ「管理表への記載が/
              /無くても」

クリスタ「A-2っていう【別の物質に変えれば持ち出せた】って」

クリスタ「だけど、今の/
            /アルミンの推理では…」

クリスタ「【A粉はA粉のまま変わっていない】という事になる」

クリスタ「管理表への記載が無くて/
                 /別の物質にも変わっていないのなら」

クリスタ「A粉を倉庫の外へ/
              /持ち出す事は」

クリスタ「絶対に/
         /できないんだよ…!」




アルミン(…確かに、ソースの作製にエタノールが使われてないのなら
     A粉はA-2に変化していないって事になる)

アルミン(でも、だからと言って…
     A粉は何にも変化しなかったんだろうか?)

クリスタ「そうだよ。管理表には/
                /A粉を持ち出した記載が無かった」

クリスタ「アルミンは議論で/
              /言ってたよね?」

クリスタ「管理表への記載が/
              /無くても」

クリスタ「A-2っていう【別の物質に変えれば持ち出せた】って」

クリスタ「だけど、今の/
            /アルミンの推理では…」

クリスタ「【A粉はA粉のまま/
               /変わっていない】








その言葉、斬らせてもらう!







今日はここまで

アルミン「【倉庫の物品管理表】に記入をせずに
     物品を持ち出せる裏ワザ…」

アルミン「クリスタはその事を言ってるんだよね?」








アルミン『この薬品は、特定の処置を施すと
     それぞれ物質A-2、B-2、C-2へと変わる…』

アルミン『つまり、A粉、B粉、C粉とは
     “全く別の物質”に変わってしまうという事…』

アルミン『それらは“元々倉庫にあったもの”では
     なくなってしまう訳だから…』

アルミン『記入をせずに倉庫から持ち出したとしても、
     何の問題も無いって事だよ』








モノクマ『はい、その通りでございます!』

モノクマ『物品管理表に記入をしない場合、
     倉庫の毒薬が入った料理を持ち出す事は規則違反ですが…』

モノクマ『倉庫の毒薬を『その場で使って』
     “元々存在しない物品”に変えてしまえば…』

モノクマ『オールクリアー!ノープロブレムでーす!』







クリスタ「だ、だからそう言ってるでしょ?」

クリスタ「あれはA粉をA-2っていう毒薬に変えてこそ
     成り立つ話だよね?」




A粉

純度50%以上のエタノールに溶かすことによって、物質A-2へと変化します。
A-2自体は毒にも薬にもなりませんが、C粉を摂取した状態で服用すれば
強力な毒薬として機能します。




クリスタ「A粉をA-2に変えるにはエタノール…
     お酒に溶かす必要がある」

クリスタ「だけど、お酒じゃなくて水が使われたのなら…」

アルミン「…A粉はA-2に変わらない?」

クリスタ「…!」ビクッ

アルミン「確かに君の言う通りだね」

クリスタ「だったら…!」

アルミン「でも、それは問題ない」

アルミン「A粉は毒薬に変わっていなくても
     倉庫から持ち出せたんだよ」

クリスタ「…!? ど、どうして…」

アルミン「“全く別の物質”に変わっていたからさ」




(Ⅰ)水 … キャラメルソース

(Ⅱ)エタノール(純度50%以上) … ブラウンソース




アルミン「A粉はA粉のままじゃない…」

アルミン「キャラメルソースっていう
     “元々存在しない物品”に変化していたんだよ!」

クリスタ「…!!」

アルミン「だから、何も問題ないんだ!
     管理表に記載をせずに持ち出したとしてもね!」

ミカサ「…その辺はどうなの? モノクマ」

モノクマ「ええまあ、問題ありませんね」

モノクマ「以前オマエラ2人に話した通り…」

クリスタ「…っ!」

クリスタ「ちょ、ちょっと待ってよ…!」

クリスタ「じゃああれはどうなるの!?
     アルミンさっき説明してたじゃない!」

クリスタ「ユミルはB-2粉の効果が表れる時間を逆算して、
     【肉のパイ包み】を使ったレクリエーションを始めたって!」




アルミン『ユミルはレクリエーションが始まる時間を予測して、
     もしくは事前にライナー達と打ち合わせて…』

アルミン『そこから逆算して、狙った時間に
     毒入りの料理を食べたんじゃないかな』

ベルトルト『そうか… 効果が現れるのが10~30分後なら』

ベルトルト『【レクリエーションが始まる10~30分前】に
      毒入りの料理を食べればいいという事か…』




クリスタ「あれは何だったの!? 今の話とまるで違うじゃない!」

アルミン「…それも根拠の1つだよ」

クリスタ「は…!?」

アルミン「確かに、“B-2粉を使った計画なら”
     あの推理通りだと思う」

アルミン「だけど、あの推理を話したとき…
     ライナーはこう言ったよね?」





ライナー『だが… それにしては、
     やけにタイミングが良過ぎやしなかったか?』

ライナー『時間差があったと言っても、せいぜい数十秒程度だったろう。
     10~30分後という曖昧な時間で調整できるのか?』




アルミン「…言われてみればその通りなんだ」

アルミン「今回は本当にたまたまだったんだろうけど…
     “10~30分後”なんてあまりにも漠然としてる」

アルミン「あれだけ凝った計画を立てる人間が、
     そんな曖昧なものに頼ったりするんだろうか…」

アルミン「あのユミルが…」

アニ「………………」

アルミン「だから僕は考えたんだ」

アルミン「ユミルが使おうとしてたのは
     効果時間の曖昧なB-2粉じゃなく…」

アルミン「食べた直後、確実に効果が表れる
     A-2だったんじゃないかって」

アルミン「だって、もし効果が表れる前に
     パイを食べ終えてしまったら…」

アルミン「わざわざあんなレクリエーションを
     用意した意味が無くなるからね」

クリスタ「な、何なの、さっきから…」

クリスタ「私がクロだって言ってるじゃない!
     もういい加減に…」

アルミン「いい加減にするのは君の方だ!」

クリスタ「…!!」ビクッ

アルミン「僕にはもう想像がついてるんだ!」

アルミン「君が何をしようとしているのか…!」

ライナー「…? な、なんだ…?
     どういう事だ?」

アルミン「…ライナー」

アルミン「もし僕の推理通り、ユミルが
     A-2だけを使う計画を立てていたとしたら…どうなる?」

ライナー「どうなるって… 『ユミルに指示されてB-2粉を混ぜた』っていう
     クリスタの主張はウソ…って事になるな」

アルミン「じゃあなんで、そんなウソを吐く必要があったんだと思う?」

ライナー「えっ…」

アルミン「…言い方を変えようか」









アルミン「どうしてクリスタは、自分から罪をかぶろうとしてるんだと思う?」







ベルトルト「…え?」

サシャ「………………」ガタガタ

アニ「…まさか」

アルミン「そう… それがこの事件の答えなんだ」

アルミン「クリスタが罪をかぶろうとしていたのは
     全て“ある人物”のためだった」

アルミン「そして、その人物が誰なのか…
     僕にはおおよその見当がついてる」

ジャン「な、何だって…!?」

アルミン「その人はさっき…
     いや、正確には“ある時点”から」

アルミン「【とても不自然な言動】をしてるんだ」

アルミン「僕の考えが正しければ、その人こそが…」

アルミン「今回の事件の真のクロだよ」









―  人 物 を 指 名 し ろ  ―







今日はここまで

乙です そろそろ犯人がわかる!?





【ミカサ・アッカーマン】
【ライナー・ブラウン】
【ベルトルト・フーバー】
【アニ・レオンハート】
【エレン・イェーガー】
【ジャン・キルシュタイン】
【コニー・スプリンガー】
▶【サシャ・ブラウス】
【クリスタ・レンズ】
【アルミン・アルレルト】
【ミーナ・カロライナ】
【ユミル】








これが僕の答えだ!







アルミン「…サシャ」

サシャ「…!!」ビクッ

アルミン「君だよ、サシャ…」

アルミン「君こそが真のクロ…
     ユミルを殺した犯人なんだ」

コニー「………………」

コニー「…は?」

ライナー「…!!」

ベルトルト「え…!? ちょっと…」

ミカサ「………………」

クリスタ「……な…」

クリスタ「なん…で…」

アルミン「………………」

クリスタ「なんでここでサシャが出てくるの!?
     意味分かんないよ!!」

アルミン「…おかしかったんだ」

クリスタ「はあ!?」

アルミン「さっきからずっと…
     サシャの様子がおかしかったんだよ」

サシャ「………………」ガタガタ

ジャン「そ、そういやお前… さっきからどうしたんだ?
    急に黙り込んじまって…」

サシャ「え………ぁ………」ガタガタ

ジャン「すげえガタガタ震えて…
    顔も真っ白だぞ!?」

サシャ「あ…ぃや… ちちち違うんです…」ガタガタ

サシャ「こ、これは… ち、ちが…ちが…」ガタガタ

うわあ…

クリスタ「ま、まさか…」

クリスタ「それが根拠…!?」

アルミン「………………」

クリスタ「笑わせないでよ!
     様子がおかしいってだけで…」

アルミン「…もちろん、それだけじゃないよ」

アルミン「サシャは様子がおかしくなる直前に…
     少し引っ掛かる発言をしてたんだ」

アルミン「あれはそう…」

アルミン「クリスタがソースの素と
     砂糖の素について話してるときだった」




サシャ『えっ、それって…』




アルミン「サシャは確かにこう言ったんだ」

アルミン「これってまるで… この2つの薬品について
     心当たりがあるみたいな言い方じゃない?」

ベルトルト「なっ…」

アルミン「そしてそのしばらく後に…」

アルミン「サシャはこうも言った」




サシャ『ク、クリスタ… 私は…』




アルミン「サシャ、あれは一体何を言おうとしたの?」

アルミン「『私は…』の次は?」

サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「…僕の予想を言おうか」









アルミン「『私は… もしかしてユミルを殺してしまったんですか?』」







クリスタ「違うッ!!」

アルミン「………………」

クリスタ「さっきから聞いてれば
     勝手な事ばかり言って…!」

クリスタ「そんなのこじつけもいいところだよ!
     言いがかりにしたって酷すぎる!」

クリスタ「ユミルを殺したのはこの私!
     サシャは全く関係ない!!」

アルミン「…じゃあ聞くけど」

アルミン「どうして君はあんな事を言ったの?」




クリスタ『だからね、お願い』

クリスタ『私に投票して』

クリスタ『そして私たちの分まで… 精一杯生きて』




アルミン「あの“私たち”って… 誰の事なんだよ?」

クリスタ「そ、そんなの決まってるでしょ!
     私とユミルだよ!」

アルミン「いいや違う! あれは…」









アルミン「君を含めた僕たち8人の事だ!!」







今日はここまで

なんてこったい…

ああたしかにそうだ
だがよりにもよってサシャか…

そりゃ殺意ないパターンですよねー
オシオキされることを考えると既に胃が痛い…

CV小林ゆうは2章で生き残れなくなってしまうさだめなのか(絶望)

マジでこれ2章なん? ってぐらいの波乱っぷり

サシャは目立ってたから巻き込まれるんじゃないかと思ったが…

原作でも活躍したり目立ったりしたら死ぬのが基本だったからな…

クリスタ「…っ!!」

コニー「…? は、8人って… 何言ってんだ?
    俺たちは今、全員で9人…」

アニ「…なるほど」

アニ「ようやくわかったよ。あんたの真の狙いが」

コニー「は…?」

アニ「クリスタ… あんたは私たちを
   道連れにしようとしてたんだね?」

アニ「サシャただ1人を守るために…」

ジャン「み、道連れ…!? どういう事だ!?」

アニ「簡単な話さ」




9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。




アニ「サシャが真のクロだった場合、
   サシャに投票すればサシャは処刑されるけど…」

アニ「クリスタに投票すれば、正しいクロを指摘できなかったとして
   サシャ以外の全員が処刑される」

アニ「その結果、サシャの命は助けられる…
   そういう事でしょ?」

ジャン「な…何言ってんだよ!?
    そんな事したら俺たち全員…」

アニ「だから言ってるじゃない。それが狙いだったんだよ」

アニ「クリスタは、サシャの命と
   残りの全員の命を天秤にかけて前者を選んだんだ」

アニ「たとえ自分が殺されても、罪のない仲間を殺してでも、
   サシャの命だけは助けたい…」

アニ「…そんな風に考えたんでしょ?」

ジャン「な… なんだ…そりゃあ…」

クリスタ「…っ」

ジャン「お前正気かよ!? ふざけんじゃねえよ!」

ジャン「なんでオレたちが殺されなきゃならねえんだ!
    何の関係もないオレたちが…」

アルミン「ジャン!!」

ジャン「…!」ビクッ

アルミン「やめてくれ、ジャン…」

アルミン「それはきっと… サシャだって同じなんだ」

ジャン「…!? サシャも…!?」

サシャ「………………」ガタガタ

ミカサ「…じゃあ、まさか」

アルミン「そう…」

アルミン「サシャはユミルを殺すつもりなんてなかった」

アルミン「ユミルの計画に巻き込まれただけなんだよ…!」

今日はここまで

ジャン「なっ…!!」

サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「…この事件では“二重の誘導”がなされていたんだ」

アルミン「1つはもちろん、ユミルによる誘導」

アルミン「そしてもう1つは… クリスタによる誘導」

クリスタ「…っ」

アルミン「おそらくサシャは、何らかの理由でユミルの計画に巻き込まれ、
     ユミルを殺害してしまった…」

アルミン「そして、何らかの理由でクリスタがその事を知った」

アルミン「ユミルのターゲットだった自分はまだしも、
     無関係のサシャを巻き込んでしまった事は許されない」

アルミン「そんな風に引け目を感じたクリスタは、
     せめてもの償いとしてサシャを…」

クリスタ「違う違う違うッ!!」

サシャ「ク、クリスタ…」ガタガタ

クリスタ「一体何度言えばわかるの!?
     ユミルの計画に巻き込まれたのは私だよ!」

アルミン「違う! 巻き込まれたのはサシャだ!
     君が殺すはずだったのをサシャが殺してしまったんだ!」

クリスタ「違うッ!!」

アルミン「違わないッ!!」

クリスタ「…ッ!!」

アルミン「クリスタ、もうやめにしないか…!?」

アルミン「こんな事したって誰も救われない!」

アルミン「こんな事… ユミルもサシャも望んでない!!」

クリスタ「…ッ!」

サシャ「………………」ガタガタ

ライナー「…ちょっと待ってくれ、アルミン」

ライナー「俺にはどうも… お前が想像だけで
     ものを言っているように思える」

アニ「…ライナー」

ライナー「言っておくが、ひいき目なんかじゃないぞ。
     純粋に疑問を感じてるんだ」

アニ「………………」

ライナー「まず、サシャを疑う根拠…」

ライナー「お前はサシャの様子や発言が元だと言ったが…
     正直それだけでは弱すぎる」




サシャ『えっ、それって…』




サシャ『ク、クリスタ… 私は…』




ライナー「これらの発言はどうにでも捉えられるだろう?
     これでサシャを犯人呼ばわりするのは早計じゃないか?」

ライナー「それに… もしサシャがクロだったとしても、だ」

ライナー「それがさっきのお前の推理とどう繋がるんだ?
     ユミルはA粉を使うはずだったというあの推理と…」




アルミン『おそらくサシャは、何らかの理由でユミルの計画に巻き込まれ、
     ユミルを殺害してしまった…』

アルミン『そして、何らかの理由でクリスタがその事を知った』




ライナー「お前が今言った“何らかの理由”とは何だ?
     クリスタとサシャの間で何が起こった?」

ライナー「それらの謎を解かない限り…
     いたずらに結論なんて出せないぞ」

アルミン「…はじめに断っておくけど」

アルミン「僕の推理は、ほとんどが単なる想像だ。
     決定的な証拠は何もない」

アルミン「もしあったとしても… 
     既にユミルやクリスタに処分されているだろうからね」

クリスタ「…ッ」

アルミン「それでもよければ聞かせてあげるよ」

アルミン「僕が出した結論を」

アルミン「この事件の全てを…」









―  ク ラ イ マ ッ ク ス 推 理 開 始  ―















―  推 理 を 完 成 さ せ ろ  ―







今日はここまで

Act.1


【記憶を取り戻したユミル】



【パーティーの開催を宣言するサシャ】



【クリスタがユミルを殺す計画】



(ユミルの第一の誤算とは?)




Act.2


【モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)】



【誘拐されたエレン】



【飼育小屋の動物実験】




Act.3


(ユミルはクリスタに何をさせた?)



(ユミルの第二の誤算とは?)



【自らC粉を服用するユミル】




Act.4


【B-2粉入りのケーキを食べるユミル】



【肉のパイ包みを使ったレクリエーション】



【ヒストリア】








【B-2粉を使ったケーキ作り】
【物質A-2を使ったソース作り】
【酒と水の入れ替え】







Act.1


【記憶を取り戻したユミル】



【パーティーの開催を宣言するサシャ】



【クリスタがユミルを殺す計画】



【酒と水の入れ替え】




Act.2


【モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)】



【誘拐されたエレン】



【飼育小屋の動物実験】




Act.3


【物質A-2を使ったソース作り】



【B-2粉を使ったケーキ作り】



【自らC粉を服用するユミル】




Act.4


【B-2粉入りのケーキを食べるユミル】



【肉のパイ包みを使ったレクリエーション】



【ヒストリア】








犯人は、君なんだ!







今日はここまで

アルミン「それじゃあ、もう一度事件を振り返ってみるよ」




Act.1


【記憶を取り戻したユミル】




アルミン「この事件の発端は、ユミルが失われた記憶を取り戻したことだった」

アルミン「モノクマの話によると、僕たちは
     “本物の入団式”から数年間の記憶を無くしているらしい」

アルミン「そして事件前日… モノクマは
     “僕たちの中の1人”の記憶を全部戻したと言った」

アルミン「その人物こそが… 死んだユミルだったんだ」







【パーティーの開催を宣言するサシャ】




アルミン「一方、今回の事件の前に
     僕たちの間でちょっとしたトラブルが起きていた」

アルミン「みんながライブハウスにあったお酒で泥酔し、
     挙句の果てにコニーがジャンに酒瓶で殴り掛かったんだ」

アルミン「そんな一触即発の事態をなんとかしようと
     声を上げたのがサシャだった」

アルミン「『パーティーを開きましょう!!』ってね」

きてた







【クリスタがユミルを殺す計画】




アルミン「ところが、みんなを仲直りさせるための企画を
     全く別の事に利用しようとした人間がいた」

アルミン「…記憶を取り戻したユミルだ」

アルミン「どんな記憶だったのかは想像もつかないけど、
     それがユミルにとんでもない計画を思い付かせてしまった」

アルミン「クリスタに自分を殺させ、クロとなったクリスタを
     生き延びさせるという計画を…」







【酒と水の入れ替え】




アルミン「だけど、この時点で既に
     ユミルの計画が大きく狂い始めていた」

アルミン「ユミルの知らないところで、
     ライブハウス内の酒が全て水に入れ替えられてしまったんだ」

アルミン「それを行ったのはおそらくサシャだろう」

アルミン「ライブハウスでの騒動が二度と起きないように、
     原因となった酒類を全て排除しようとしたんだと思う」

アルミン「それが結果的に、事件の全容を
     大きく変えてしまう事になるんだ」

Act.2


【モノクマ特製魔法の粉(A~C粉)】




アルミン「計画遂行のためにユミルが目を付けたのが
     とある薬品だった」

アルミン「単体では調味料の素として使えるけど、
     複合させると毒薬として作用する恐ろしい薬品…」

アルミン「その特性を知ったユミルは、
     薬品を使った犯行計画を練り上げ…」

アルミン「計画遂行のための準備を始めた」







【誘拐されたエレン】




アルミン「まず、ユミルは飼育小屋からエレン…
     つまりニワトリを倉庫まで攫ってきた」

アルミン「そしてC粉をニワトリに呑ませた後、
     倉庫内の精肉機にかけてミンチにしたんだ」

アルミン「こうすることで、体内にC粉を取り込む事でしか作れないC-2を
     人工的に作り出すことができ…」

アルミン「兵団規則に抵触することなく、毒薬を含んだ肉塊を
     倉庫の外に持ち出すこともできる」







【飼育小屋の動物実験】




アルミン「肉塊を持ち出したユミルは飼育小屋に向かった」

アルミン「C-2入りの肉塊を、同時に持ち出したA-2、B-2粉と一緒に
     動物たちに食べさせたんだ」

アルミン「この行為には2つの意味があった」

アルミン「1つは、毒薬の性能を確かめること」

アルミン「そしてもう1つは、『ユミルにC粉を呑ませずに済む方法』を
     示すことだった」

アルミン「これらの毒薬で誰かを殺す場合、
     あらかじめC粉を服用させておく必要がある」

アルミン「だけど、あえて別の可能性を示すことで…
     ユミルは僕たちの議論をかき乱そうとしたんだ」

今日はここまで


サシャが不憫過ぎる…

未必の故意ですらないただの事故なんだよな

Act.3


【物質A-2を使ったソース作り】




アルミン「実験を終えたユミルは、計画を次のステップへと移した」

アルミン「同じ【調理係】だったクリスタに
     B-2粉…ではなく、A粉を使ったソース作りをさせたんだ」

アルミン「ここで使われたのがライブハウスのお酒だった」

アルミン「A粉は高純度のエタノールと混ぜるとブラウンソース…
     つまり毒性のある物質A-2に変化する」

アルミン「だけど知っての通り、ライブハウスのお酒は
     全て水に置き換えられていたから…」

アルミン「A粉はキャラメルソースに変化しただけで、
     毒薬に変わる事はなかった」

アルミン「こうして、ユミルの知らないところで
     毒薬の生成が阻止されてしまったんだ」







【B-2粉を使ったケーキ作り】




アルミン「さらにその後、ユミルにとって第二の誤算が起きた」

アルミン「サシャが倉庫にあったケーキを食べてしまったんだ」

アルミン「あの倉庫は保存環境が良かったから、調理済みのパーティー料理は
     全てあそこに保管されていた」

アルミン「サシャは【詰め合わせスペシャル】の持ち出しのために
     夜中にしょっちゅう出入りしていたみたいだから…」

アルミン「大きくて美味しそうなケーキに
     ついつい目が留まってしまったんじゃないかな」

アルミン「そして誘惑に勝てず、1人でケーキを平らげてしまった」

アルミン「だけど間の悪いことに、サシャはその瞬間を
     ある人物に見られてしまった」

アルミン「…偶然倉庫を訪れたクリスタだ」

アルミン「はじめは呆れ返っていたクリスタも、
     消えたケーキを何とかしなければならないと考えたんだろう」

アルミン「思案した挙げ句にたどり着いたのが、
     倉庫内でケーキを作り直すことだった」

アルミン「きっとサシャは… クリスタの指示のもと、
     疑似砂糖のB-2粉でケーキを作ったんじゃないかな」

アルミン「こうして、またしてもユミルの知らないところで…
     計画外の毒薬が使われてしまったんだ」







【自らC粉を服用するユミル】




アルミン「そしてユミルは、クリスタが混入させたA-2を作用させるために
     自らC粉を服用した」

アルミン「【倉庫の薬品図鑑】によると、『服用後1時間~24時間』で
     “A-2が毒薬として作用する体”になるらしいから…」

アルミン「C粉を呑んだのは、遅くてもパーティーの前日だったはずだ」

アルミン「こうして仕込みを終えたユミルは
     本番のパーティーを待った」

今日はここまで

ダンロン詳しくないんだがこのトリックって>>1のオリジナル?
それともゲームでこんな複雑なギミックが登場するの?

オリジナル

>>434
ありがとう
そいつは凄いな

Act.4


【B-2粉入りのケーキを食べるユミル】




アルミン「そしてパーティー当日…」

アルミン「みんなが思い思いに料理を食べる中で、
     ユミルはB-2粉入りのケーキを口にした」

アルミン「もちろん、実際にケーキを食べたのは
     ユミル以外にもたくさんいたと思う」

アルミン「だけど、それが毒物として作用するのは
     事前にC粉を服用していたユミルだけだったんだ」







【肉のパイ包みを使ったレクリエーション】




アルミン「そして、ユミル自身…
     その事には全く気が付いていなかった」

アルミン「なぜなら彼女の計画では、
     B-2粉ではなくA-2が…」

アルミン「ケーキではなく【肉のパイ包み】に
     仕掛けられるはずだったからだ」

アルミン「ユミルが【肉のパイ包み】を利用したイベントを
     用意していた理由もそこにある」

アルミン「僕たちはソースのデコレーションや
     パイ切れの食べさせ合いもしていたから…」

アルミン「『生地とソースのどちらに毒が入っていたのか』、
     『ソースに入っていたとしたら、デコレーションをした人間がクロなのか』」

アルミン「『それとも、パイを直接食べさせた人間がクロなのか』」

アルミン「…そういう議論を誘発させたかったんだと思う」

アルミン「だけど実際には、酒と水の入れ替えのせいで
     A-2は生成されず…」

アルミン「サシャのつまみ食いのせいで
     B-2粉入りのケーキが作られてしまった」

アルミン「ユミルが摂取していたC粉は
     A-2だけでなくB-2粉にも作用するから…」

アルミン「それがこの事件を複雑化させてしまったんだよ」







【ヒストリア】




アルミン「ユミルが計画の不備に気付いたのは
     毒に倒れた後だった」

アルミン「毒として作用するブラウンソースではなく
     無害のキャラメルソースが使われていたこと」

アルミン「パイを口にしてから倒れるまでに
     【時間差】があったこと」

アルミン「これらの要因から、ユミルは全てを悟ったんだ」

アルミン「何者かによってA-2が抜かれ、
     別の料理にB-2粉が仕掛けられていたことに」

アルミン「このままでは別の人間がクロになってしまう」

アルミン「クリスタを助けるはずの計画が
     クリスタを殺す計画になってしまう」

アルミン「そう焦りを感じたユミルは、最後の力を振り絞って
     クリスタの本名を口にしたんだ」

アルミン「記憶を取り戻した人間しか知らない情報を言うことで、
     自ら計画を破綻させ…」

アルミン「毒をすり替えた人物を
     クロとして告発しようとしたんだよ」

アルミン「そう、ユミルも最後までわからなかった
     今回のクロは…」









サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「サシャ・ブラウス… 君なんだ」







今日はここまで

かなしい乙

ジャン「なっ…」

サシャ「………………」ガタガタ

ジャン「なんてこった…」

ジャン「それじゃあ、本当にわざとじゃねえってのか…?」

ジャン「偶然に偶然が重なって、
    サシャがユミルを殺しちまったって…?」

アルミン「…うん」

アルミン「今言ったとおり、ユミルの計画には
     2つのアクシデントが起きていた」

アルミン「そして、そのアクシデントは両方とも…
     サシャによって引き起こされたものだった」

サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「1つは、酒と水の入れ替え」

アルミン「そしてもう1つは… ケーキの作り直し」

ライナー「1つ目のアクシデントについてだが…
     こうは考えられないのか?」

ライナー「例えば、ユミルの計画に勘付いたクリスタが
     毒薬の生成を阻止するために…」

ライナー「ユミルに気付かれないよう、意図的に
     中身を入れ替えた…とか」

アルミン「それなら全部入れ替える必要はないんじゃないかな」

アルミン「A粉に作用する純度の高いお酒だけでいいはずだよ。
     そう… 水とほとんど見分けがつかないスピリッツ系のお酒だけでね」

アルミン「わざわざ度数の低いお酒まで中身を入れ替える必要はないんだ。
     無駄な作業だし、ユミルに気付かれる可能性も高まってしまう」

アルミン「現にミカサは… ワインボトルの色の違いで
     今回の件に気が付いたわけだしね」

ミカサ「…なるほど、わざと入れ替えたのなら、
    度数の低いワインの中身まで替える必要はない」

アルミン「そう、つまりこれはわざとじゃないんだ」

アルミン「わざとじゃないのなら、一体誰が、
     何のためにそんな事をしたのか」

アルミン「…そう考えたときに思い浮かんだのが
     サシャだったんだ」








サシャ『互いが互いを疑って…』

サシャ『仲間を仲間と思えなくなって…
    そうやって人の道から外れるくらいなら…』








サシャ『それくらいなら…壁の中で巨人に怯えてる方がマシですよっ!!』








アルミン「人一倍仲間思いで、
     パーティーの開催宣言までしてたサシャなら…」

アルミン「パーティーの会場に、仲違いの原因になった
     酒類は放置しておかないんじゃないかって」

ベルトルト「…それなら、2つ目のアクシデントは?」

ベルトルト「確かに、倉庫でケーキが作り直されたのは本当だと思う。
      証拠のボウルも見つかっているからね」

ベルトルト「でも、夜中に作り直すなら誰にでもできたんじゃないか?
      いくらサシャが頻繁に倉庫に出入りしてたからって…」

アルミン「もちろん、根拠はそれだけじゃないよ」

アルミン「考えてみてほしい。ケーキが“作り直された”って事は
     元のケーキがあったはずだよね?」

アルミン「だけど、元のケーキはどこからも見つかっていない」

アルミン「一体どこに消えてしまったんだろうね?
     あんなに大きなケーキ…」

ジャン「…! まさか…」

アルミン「そう…」

アルミン「食べたんだよ」

サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「単純な話だったんだ」

アルミン「あれほどの大きさのケーキを
     夜中に全て平らげてしまう人物…」

アルミン「そんな人間は… サシャ以外に考えられない」

クリスタ「そ、それなら… 私がその場に
     居合わせたっていうのはどう説明するの!?」

クリスタ「それこそ完全にアルミンの想像じゃない!
     何の根拠もなしに…」

アルミン「それも簡単な話だ」

アルミン「パーティーのケーキは作り直されたものだという事を
     誰一人として疑わなかった。【調理係】のユミルでさえも…」

アルミン「そんな風にケーキを再現できたのは
     同じ【調理係】のクリスタ… 君しかいない」

アルミン「君があの場に居合わせたとしか考えられないんだ!」

クリスタ「…っ!!」

今日はここまで

サシャ・・・





ガチャ




クリスタ『…サシャ?』

サシャ『!?』

クリスタ『ちょっ… 何してるの!?』

サシャ『ク、クリスタ…?』

サシャ『あっ… い、いや、これはですね…』

クリスタ『…まさか』

クリスタ『食べちゃったの!? あれ全部!?』

サシャ『え、えーっと… その…』







サシャ『す、すみません! 美味しそうだったのでつい!』

クリスタ『あっきれた… ユミルと一緒に頑張って作ったのに』

サシャ『ひぃぃぃ! ご、ごめんなさああああい!』

クリスタ『…いずれにせよ、このままじゃまずいね』

クリスタ『私はともかく、ユミルが知ったらどんなに怒るか…』







サシャ『ど、どうすれば…』

クリスタ『…仕方ない』

クリスタ『作り直そう』

サシャ『えっ…』

サシャ『で、でも、今は夜中だから調理場には…』

クリスタ『大丈夫。幸い、残った材料も
     悪くならないようにここに運び込んであるから』

クリスタ『あっ、でも砂糖だけ足りないかな…
     …そうだ』







クリスタ『これを使おう』

サシャ『…?? そのビンは…』

クリスタ『『モノクマ特製 砂糖の素』!
     なんとこの粉、火にかけると砂糖になるらしいよ』

サシャ『…!?』

クリスタ『実は今日、ユミルに似たような薬品を使った
     料理用のソース作りをお願いされてさ』

クリスタ『その時に見つけたんだ、これ』



今日はここまで





クリスタ『ユミルも使わないって言ってたし、いいよね。
     これ全部使っちゃおう』

サシャ『あ、ありがとうございます!じゃあ早速…』

クリスタ『頑張ってね、サシャ』

サシャ『え!? …ま、まさか、私1人でやれと!?』

クリスタ『当たり前でしょ!
     そもそも悪いのはサシャなんだよ!?』

クリスタ『自分でパーティー開くとか言っておいて、
     料理つまみ食いするとかあり得ないでしょ!』

サシャ『うっ…』







クリスタ『…まあでも、さすがに作り方くらいは教えてあげるよ。
     同じように作らないとユミルにバレちゃうしね』

サシャ『………………』

クリスタ『ほら、朝にならないうちにやるよ!』

サシャ『はぁい…』



アルミン「…クリスタはさっきこう言ったよね」




クリスタ『もう嫌なんだよ… これ以上
     私のせいで大切な人が死ぬのは…』

クリスタ『私が生き残るために誰かが死ぬくらいなら…』

クリスタ『私が死んだ方がずっといい…!』




アルミン「あれはある意味で本当の事だったんだ」

アルミン「自分がサシャにケーキを作らせてしまったせいで、
     何も知らないサシャがクロになってしまった」

アルミン「もしこのまま真相が暴かれたら、
     全く無関係のサシャが殺される事になる」

アルミン「そんな事になるくらいなら… いっそ
     みんなを巻き添えにしてでもサシャを助けたい」

アルミン「…そう考えたからこそ、
     あんな行動に打って出たんだよね?」

クリスタ「…っ」

アルミン「僕の推理はこれで全部だ」

アルミン「クリスタ、何か言う事はあるかい?」

クリスタ「…っ!!」

アルミン「…サシャ」

アルミン「君はどうかな?」

サシャ「……………ぁ」ガタガタ

サシャ「あ…ぁの… ぇ…っと…」ガタガタ

コニー「ちょっと待てよ!!」

アルミン「…!」

ベルトルト「…コニー?」

コニー「アルミン、お前…」

コニー「お前… 自分が何やってるのかわかってんのか!?」

アルミン「何って…」

コニー「仮に… 仮にお前の推理が合っているなら…」

コニー「サシャには全く非がないって事じゃねーか!
    それなのになんでサシャが悪いみたいになってんだよ!」

ジャン「おい、コニー…」

コニー「お前はそうやってクリスタやサシャを
    追い詰めてるけどよ…」

コニー「そんな事したら… サシャが殺されちまうんだぞ!?」

ライナー「…確かに、アルミンの推理が合っているなら
     このままではサシャが処刑される事になる」

ライナー「だが、それを拒むなら…
     今度は俺たち全員が殺される事になるんだぞ?」

コニー「わかってる! そんな事はわかってんだよ!」

コニー「だけど、本当にこのままでいいのか!?
    他に方法はないのかよ!?」

コニー「だいたいな! サシャは俺たちのためを思って
    パーティーを開いてくれたんだぞ!?」

コニー「それなのに、それが原因で殺されちまうなんて…
    あんまりじゃねーか!!」

サシャ「……コ、コニー…」ガタガタ

コニー「なあ、どうなんだ!?」

コニー「このままサシャを見殺しにするのか!?
    お前ら本当にそれでいいのかよ!!」

アニ「コニー」

コニー「…!」

アニ「…あんたさぁ」




アニ「誰かに死ねって言われたら、死ぬの?」

コニー「えっ…」

アニ「サシャが殺人犯に仕立て上げられた。
   そんなの可哀想だから他の奴らが全員死ね」

アニ「あの女が言ってるのはそういう事だよ」

クリスタ「…っ!」

アニ「あんたはそれでいいの?今ここでクリスタの言う事を聞いたら…」




アニ「家族には二度と会えなくなるんだよ」

コニー「…!!」








コニー『帰らせてくれよ…会わせてくれよ…』

コニー『父ちゃん…母ちゃん…サニー…マーティン…』




コニー『あんな話ウソだって…確かめさせてくれよ…!』







ミカサ「…世界は残酷」

ミカサ「ずっと感じていた。ここは…そんな世界の縮図だと」

アニ「………………」

ミカサ「エレンが死んでから、私にはやるべき事がある」

ミカサ「今の私はその為だけに生きてる。だから、クリスタ」




ミカサ「ここであなたのエゴイズムに殺される訳にはいかない」

クリスタ「… さ…」

クリスタ「さっきから聞いてれば…何…」

アルミン「………………」

クリスタ「エゴイズムなんてない!私はみんなの為に言ってるんだよ!」

クリスタ「殺人犯に仕立て上げられたのは私!
     私に投票しなければみんなが処刑される!」

クリスタ「どうしてそんな簡単な事がわからないの!!」









―  マ シ ン ガ ン ト ー ク バ ト ル 開 始  ―







今日はここまで

論外
荒らすにも値せん

クリスタ「想像だけでよくそんな事まで言えるね!?」

クリスタ「お酒を入れ替えたのもケーキを作り直したのも
     全部サシャだなんて出来過ぎてるでしょ!?」

クリスタ「そもそも、ケーキが作り直されたものだっていう
     推理自体に無理がある!」

クリスタ「アルミン言ってたよね!? ユミルは
     ケーキの作り直しに気が付かなかったって!」

クリスタ「ユミルはただでさえ勘が鋭いんだよ!?
     全く気付かれずに作り直すなんて不可能だよ!」

クリスタ「もし本当に私がサシャに作り方を教えたとしても、
     前のものを完璧に再現するなんてできるわけない!」

クリスタ「それはつまり、パーティーのケーキは
     作り直されてなんかいないって事!」

クリスタ「アルミンの話が嘘っぱちって事だよ!!」









クリスタ【ケーキは作り直されてなんかいない!最初からケーキに毒が入ってたんだ!】








【ユミルの証言】








これで証明するよ!







アルミン「いや、あのケーキは確かに作り直されたものだったはずだ」

クリスタ「いい加減にしてよ!! 大した根拠もないくせに…」

アルミン「根拠ならある!!」

クリスタ「…!」ビクッ

アルミン「その根拠は他でもない…」

アルミン「ユミル自身が言ってた事なんだ!」

今日はここまで

ベルトルト「…ユミルが?」

アニ「………………」

ライナー「どういう事だ、アルミン」

アルミン「みんな、憶えてるかな?」

アルミン「ユミルがパーティーの時に言った言葉を…」





ユミル『おっと待ちな』

サシャ『?』

ユミル『勝負するのは構わないが、あのケーキだけは食べるなよ?』

ユミル『あれはクリスタ特製の塩まみれケーキだからな。卒倒するぞ』




クリスタ「…!!」

ジャン「ああ、そういや確かに言ってたな」

ジャン「クリスタが砂糖と塩を間違えたとか何とか…」




ユミル『くっくっ… クリスタって意外と不器用なのな。
    砂糖と塩を間違えてケーキの生地にドバーッと入れてやんの』

クリスタ『なっ…! あ、あれはユミルが変な事言うから…』



ジャン「…ん? 待てよ」

ジャン「オレもあのケーキは食べたが…」

ジャン「普通に美味かったぞ?」

サシャ「………………」ガタガタ

ミカサ「…塩まみれのケーキが?」

ジャン「ああ、全然しょっぱくなかったし…」

ジャン「別に卒倒するようなもんじゃなかったぜ」

今日はここまで

ミカサ「それじゃあ…」

アルミン「そう…」

アルミン「ユミルによれば、あのケーキは
     卒倒するほどしょっぱいものだったはずなんだ」

アルミン「“ユミルの知っているケーキ”はね」

クリスタ「…っ!」

アルミン「だけど、ジャンが言っていた通り、
     実際に食べたケーキは普通の味だった」

アルミン「この事が意味する事実は…1つしかない」

アルミン「“ユミルの知っているケーキ”と
     実際のケーキが別物だったって事だよ」

ジャン「ちょ、ちょっと待てよ!」

ジャン「ユミルはあのケーキを食べたせいで死んだんだよな?
    だったら…」

アルミン「うん… 気が付いただろうね」

アルミン「ケーキの味の違いに」

サシャ「………………」ガタガタ

アルミン「だけど、その時のユミルは
     あまり気に留めなかったんだろう」

アルミン「計画通り、そのまま
     例のレクリエーションを始めてしまった」

アルミン「その時にはもう、取り返しのつかない事に
     なっているとは知らずに…」

今日はここまで

クリスタ「………………」

アルミン「…これが根拠だ」

アルミン「ユミルの気付かないうちに
     ケーキが作り直された根拠…」

アルミン「これは『ケーキが作り直されていない』という
     君の主張とは矛盾する」

クリスタ「…っ!」

アルミン「つまり、ユミルは作り直されたケーキで死んだんだ」

アルミン「サシャによって作り直されたケーキで…」

サシャ「………………」

アルミン「…言いたいことは全て言ったよ」

アルミン「本当の本当にこれで全部だ」

クリスタ「…っ!!」

アルミン「…クリスタ」

アルミン「もう終わりにしよう」

クリスタ「…は…ははは」

クリスタ「な、何? 終わりって…」

クリスタ「そんな穴だらけの反論で… 納得させたつもり?」

サシャ「…クリスタ」

クリスタ「何が根拠だ! アルミンが言っているのは
     ケーキが作り直されたという事実だけ!」

クリスタ「サシャが作り直したなんて…
     本当に想像でしかないじゃない!!」

サシャ「もういいですよクリスタ」

クリスタ「その場にいた私が作り直した可能性はどうして考えないの!?」

クリスタ「そ、そうだよ…! あのケーキは私が作り直したんだ!
     作り方を知っている私が全部…」





サシャ「いいっちゅうとるやろが!!!!」




クリスタ「…!!」

サシャ「…もういいんですよ、クリスタ」

サシャ「これ以上議論を長引かせたって無意味です。
    みんなの考えはもう固まってますよ」

サシャ「私が… ユミルを殺したクロだって」

クリスタ「サシャ…!!」

サシャ「…おかしいとは思ったんです」

サシャ「ユミルが突然、飼育小屋の動物たちを
    世話したいなんて言い出したから…」

ミカサ「ユミルがそんな事を?」

ライナー「…動物実験のためか」

サシャ「はい… あの時は上手く言いくるめられてしまって…」

アニ「………………」

サシャ「ああ、どうして私、確認しなかったんだろう…」

サシャ「私が気付いていればユミルは…」

サシャ「すみません、クリスタ… せっかく庇ってくれたのに」

サシャ「でも、私もクリスタと同じですから…」




クリスタ『そして… もし私がここで言い逃れたら、
     私以外の人間が死ぬ事になる』

クリスタ『…私にはそれが耐えられない』




サシャ「みんなが死んで私だけが生き残るなんて…」

サシャ「そんなの絶対耐えられません」

サシャ「そんなの絶対…」

サシャ「絶対… 嫌ですから…」

クリスタ「…ど……」

クリスタ「どう…して…」









クリスタ「どうしてなの、ユミル!!!!」







モノクマ「うぷぷぷ…」

モノクマ「議論の結論が出たみたいですね。
     では、そろそろ投票タイムといきましょうか!」

モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票してくださーい!」

クリスタ「…ッ!!」

モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰か!?
     その答えは…正解なのか不正解なのかーーッ!?」

モノクマ「それでは、いってみよーーッ!!」









WHO IS FOUND GUILTY?

MONOKUMA




V O T E


【サシャ・ブラウス】
【サシャ・ブラウス】
【サシャ・ブラウス】


GUILTY







モノクマ「なんと! またまた大正解!」

モノクマ「今回、パーティーの料理に毒を盛って
     ユミルさんを殺したクロは…」

モノクマ「…サシャ・ブラウスさんでしたー!!」

今日はここまで

完全に騙されてたわ

ユミルサシャ退場でクリスタ以外女が居なくなるな
男だらけのホモコロシアイ生活が始まる…!?

アニ「」

ミカサ「」

ごめん>>496だけど
アニはツッコミ所として用意してたのにミカサは素で忘れてた
女だったな、そういえば…

進撃女子はイケメンばっかだからしゃーない

モノクマ「えー、ちなみに、
     投票は満場一致ではありませんでした」

モノクマ「約1名、不正解者がいました」

モノクマ「うぷぷ、危ないところでしたね。
     気をつけてくださいよっ、レンズさん」

モノクマ「いや… 『レイス』さん?」

クリスタ「…っ!」

ミカサ「………………」

ジャン「………………」

ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

モノクマ「…ってあれ? 何これ?
     絶望的に暗くね?」

モノクマ「事件の真相にたどり着いた割に、お通夜的な雰囲気じゃね?」

モノクマ「つって、お通夜なんか出た事ねーんだけどなぁ!
     イエス!!」

ライナー「………………」

アニ「………………」

モノクマ「それじゃあ、ただでさえ長ーい議論で
     時間も押しちゃってるんで…」

モノクマ「誰も何も言わないのなら、
     さっそく始めちゃいますか」

モノクマ「ワックワクのドッキドキ…」

モノクマ「おしおきタイムを!!!!」

アルミン「…!!」




ミーナ『お、おしおきって…!』

ミーナ『しょ、処刑……?』




コニー「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

モノクマ「はい?」

コニー「う、うまく言えねーんだけど…」

コニー「今回のクロは… 本当にサシャでいいのか!?」

モノクマ「…? 今更何を言っちゃってるの?」

モノクマ「当たり前じゃん。今回のクロは
     間違いなくブラウスさんだよ」

コニー「で、でもよ、おかしいだろ!?」

コニー「サシャはミーナみたいに
    直接誰かを殺した訳じゃないんだ!」

コニー「ユミルが仕向けたせいで、
    結果的に殺しちまっただけなんだ!」

コニー「い、いや… そもそも、
    あれは『殺した』って言えるのか!?」

コニー「サシャはケーキを作っただけなんだぞ!?
    何も知らずに…」

コニー「それに、サシャがB-2粉入りのケーキを作ったとしても、
    ユミルがC粉を呑んでなければ死ななかったんだ!」

コニー「そ、そうだ…! 今回のクロはユミルなんだ!
    だってあいつは自分が死ぬとわかっててC粉を…」





モノクマ「スターーーーーーーーップ!!」




コニー「…!!」ビクッ

モノクマ「まず1つ目」

モノクマ「キミは裁判前にボクがした話を憶えてるかな?」








モノクマ『というか、事故だって突き詰めれば
     【誰かの行動に起因した死】になるよね?』

モノクマ『それはそれでさ…
     れっきとした【殺人】だよね?』

ジャン『な、何だよそれ…』

モノクマ『普段はうやむやになって終わっちゃうけど、
     この兵団生活では白黒はっきりさせて貰います…』

モノクマ『この施設ではね、殺人以外の死なんて
     病死くらいしか存在しないんだよ』

モノクマ『ま、病死なんてほとんど心配しなくていいけどね。
     面倒見のいいボクがいるしね』







モノクマ「あの話の通り… この施設では、
     病死以外の死は全て【殺人】になります」

モノクマ「そして、ユミルさんの死はどう見たって病死ではないよね?」

モノクマ「つまり、ユミルさんの死はれっきとした殺人…
     【誰かの行動に起因した死】という事になる」

モノクマ「では、誰のせいで死んだのか…
     今回の場合、一体誰がクロになるのか」

モノクマ「それは、ユミルさんの計画を乗っ取り、
     ユミルさんが死ぬ原因となった毒薬を仕込んだ人物…」

モノクマ「ブラウスさんが一番“ふさわしい”のです」

モノクマ「そこに『知らなかった』とか『わざとじゃない』とかいう
     弁論が入る余地は1ミクロンたりともありはしない」

モノクマ「今回のクロは間違いなくブラウスさんです」

コニー「だ、だから、それはC粉を呑んだユミルが…」

モノクマ「2つ目」

モノクマ「今度はユミルさんが呑んだという
     C粉を性能を思い出してみようか」




この“魔法の粉”は非常に強力なので、取扱いにはご注意ください。
粉は全部で3種類あり、単体では滋養強壮剤として機能します。




モノクマ「忘れがちだけど、あの粉って元々は
     “滋養強壮剤”なんだよ?」

モノクマ「どうして滋養強壮剤を服用することが問題になるの?」

コニー「…!」

モノクマ「きっとあれだよ。いつもレンズさんと一緒に寝てたから
     ムラムラしちゃったんだよ」

モノクマ「それで今夜こそは一発ヤってやろうと…
     そんな風に思って呑んだんじゃない? 知らないけど」

コニー「そ、そんな屁理屈…」

モノクマ「3つ目」

モノクマ「正直、この事はあんまり言いたくなかったんだけど…
     あんまりしつこいから聞かせてあげるよ」

モノクマ「いいかい? ブラウスさんがクロであるという
     最大にして最強の理由…」

モノクマ「それはね…」




モノクマ「全てはボクのさじ加減だから!!!!」

コニー「なっ…!!」

モノクマ「だってぇ、ここでユミルさんクロにしたら
     純粋につまんないじゃーん?」

モノクマ「せっかくユミルさんが面白い計画を練ってくれたんだから、
     ちゃんとその意図は汲んでやらないと… ねえ?」

コニー「お、お前…!」

モノクマ「いいかい、スプリンガーくん。
     この施設では監督教官であるボクが絶対なんだ」

モノクマ「ボクが降れと言えば雨が降るし、
     噴けと言えば大地が火を噴く」

モノクマ「この世界では力こそが全て!
     力のある者が言う事は全部正しい!」

モノクマ「つまり… キミが何と言おうが、
     ブラウスさんがクロである事に変わりはないのだよ!」

コニー「…っ!!」

モノクマ「…まあ、それは半分冗談として」

モノクマ「ボクは事件前の段階から言っていたからね?
     『この事件では毒を混入させた人間がクロだ』って」

ライナー「事件前だと…? 記憶にないぞ」

モノクマ「だって聞かれなかったんだもん」

モノクマ「質問をした人にはちゃんと答えたよ?
     『この事件ではどういう人間がクロになるのか』って聞いた人にはね」

モノクマ「もっとも… そういう質問をしたのは
     ユミルさんとレンズさんだけだったけど」

コニー「だからって…」

サシャ「コニー!」

コニー「…!」ビクッ

サシャ「もういいんです、本当に」

サシャ「ここで私が犠牲になれば全て収まる…」

サシャ「だったらもう… それでいいじゃないですか」

クリスタ「サシャ…!!」

モノクマ「うぷぷぷぷ… いいね。
     聞き分けのいい子は好きだよ」

サシャ「………………」

モノクマ「今回はそんな、素直で食いしん坊のサシャ・ブラウスさんの為に、
     スペシャルなおしおきを用意させて頂きましたぞっ!!」

サシャ「みんな…」

サシャ「短い間でしたけど、本当にありがとうございました」

サシャ「どうか、私の分まで…」

サシャ「お、美味しいもの… いっぱい…」ガタガタ

モノクマ「では張り切っていきましょう! おしおきターイム!」









GAME OVER




ブラウスさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。







一旦中断します


オシオキ嫌だよぉ…

心の準備したいから
一時中断じゃなくて「今日はここまで」してくれても良いんですよ…?

申し訳ありませんが、やはり今日はここまでにします

サシャは塩まみれのケーキすら1人で完食してしまったのか…

血圧高そう

続きが楽しみなような見たくないような複雑な心境
ともかくこんな複雑なトリック考えた1乙

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
―――――――――
――――








エレン「はぁ……!?
    調査兵団にするって?」

エレン「コニー…
    お前8番だろ!?」

エレン「前は憲兵団に入るって…」

トーマス「お前の昨日の演説が効いたんだよ」

エレン「は!?」

コニー「イ…イヤ!! オレは…アレだ…
    そう! ジャンだ」

コニー「オレはアイツと
    同じ兵団に入りたくねぇだけだ!」

トーマス「調査兵団に入る説明になってないぞ…」

コニー「うっ…うるせぇ!!
    自分で決めてたんだよ!」

トーマス「そう照れるなよ。やるべきことはわかっていても
     踏ん切りがつかないこともあるさ」

トーマス「それにお前だけじゃ…」

サシャ「あのぅ、みなさん…」

サシャ「上官の食糧庫から
    お肉盗ってきました」

???「……!!」

???「サシャ… お前
    独房にぶち込まれたいのか…?」

???「お前…本当にバカなんだな」

???「バカって怖えぇ…」

サシャ「後で…みなさんで分けましょう。
    スライスしてパンに挟んで… むふふ…」

コニー「戻してこい」

???「そーだよ。土地が減ってから
    肉なんてすごく貴重になったんだから」

サシャ「……」

ンンーッ ンンー




サシャ「大丈夫ですよ」

サシャ「土地を奪還すればまた…」

サシャ「牛も羊も増えますから」

エレン「え?」

トーマス「なるほどな」

トーマス「ウォール・マリアを奪還する前祝いに
     頂こうってわけか」

トーマス「食ったからには
     腹括るしか無いもんな!!」

コニー「?」

エレン「……」

???「トーマス…」

ンンーッ ンンー




???「オレもその肉食う!!」

???「わ…私も食べるから!
    取っといてよ…!!」




ンンーッ ンンー




サシャ「いやいや! どうせなら
    今食べましょうよ!」

サシャ「せっかく新鮮なもの
    選んできたんですから!」

コニー「そ、そうだな…
    上官に見つかっちまう前に…」

???「食べちまうか… 新鮮なうちに」

???「食べよう! ここにいる全員で!」









サシャ「ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん~~~~!!!!」















ト  モ  グ  イ




席次9位

サシャ・ブラウス 処刑執行







アルミン(それは想像を絶するほどおぞましく)

アルミン(あまりにも惨たらしい光景だった)




ン゙ン゙ン゙ン゙ンンンンンンンン!!!!




アルミン(死んだはずのエレンが…)

アルミン(もう1人のサシャとコニーが…)

アルミン(そして、会ったこともない訓練兵たちが…)




ブチッ

クチャクチャ




アルミン(よってたかってサシャを喰らっていた)

ン゙ン゙ン゙ン゙ンンンンンンンン!!!!




アルミン(サシャは全裸の状態で
     体中にロープを巻きつけられていた)

アルミン(その姿は僕たちに
     縄で縛られたハム肉を連想させる)




ブチブチッ




アルミン(涙と鼻水を垂れ流し、咥えられたロープを
     千切らんばかりに噛みしめるサシャ)

アルミン(そんなサシャを気にも留めず、
     口の周りを真っ赤に染めながら談笑する訓練兵達)

アルミン(それらの対比があまりにも狂気じみていて…
     僕はただ目を見張ることしかできなかった)




クチャクチャ




アルミン(人間が人間を食べている)

アルミン(まるで巨人のように…)

コニー「な… なんで…」

コニー「なんで俺が… サシャを…」




ガシッ




クリスタ「今すぐ止めさせて!!」

モノクマ「は?」

クリスタ「今ならまだ助けられる!! だから…!」




ブチッ




サシャ「… ぁ…」




ベルトルト「うわああああああああ!!」

クリスタ「あああああああ!! お願い!!
     私でよければ何でもするから!!」









モノクマ「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」








クリスタ「…!!」

モノクマ「まだ助けられる…? まだ生きてるから?」

モノクマ「そりゃそうだよ。簡単には死なないように
     急所を外して食べさせてるから」

クリスタ「お…お願い!! 今すぐにサシャを…」

モノクマ「それって半殺しにしろって事?
     まあ確かに、それはそれで面白いかもね」

モノクマ「あのままだと1、2分くらいで逝っちゃうけど、
     今止めたら5、6分は苦しませられそうだからねぇ」

クリスタ「そ、そうじゃない! 私は…」




ブチブチッ!!




サシャ「………………」ピクピク




ジャン「うっ…!!」

クリスタ「いやああああああああ!!」

モノクマ「あらら、ありゃもうダメだわ」

モノクマ「余命20秒ってところかなあ?
     ちえっ、もう少し楽しませてくれると思ったのに…」

ガンッ!!




アルミン「………………」

モノクマ「?」

ミカサ「…アルミン?」

アルミン「許さない…」

アルミン「お前だけは… 絶対に許さない」

アニ「………………」

アルミン「どんな手を使ってでも、僕が必ず…!」

モノクマ「おーこわいこわい」

モノクマ「スローガンを掲げるのはいいけどさ、
     具体的にどんな手を使う気なの?」

モノクマ「わかってると思うけど、
     監督教官であるボクへの暴力は規則違反だからね?」




5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。




モノクマ「だからまあ、この場合は
     “ファイナルデッドルーム”での命がけのゲームに勝って…」

モノクマ「ボクを消すようにお願いするしかないんじゃない?」




9 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
 “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。




モノクマ「もっとも、その願いが聞き入れられたら…」

モノクマ「カロライナさんが言っていたような
     悲惨な未来が待っていると思うけどね」









【あんたを処刑する】




モノクマ『この願いが受け入れられたとしましょう』

モノクマ『その場合、キミは愛されマスコットNo.1のボクを
     殺すことができますが…』

モノクマ『この施設から出ることはできません』

モノクマ『それどころか、管理者が不在になるので、
     いずれ食糧の供給もストップし…』

モノクマ『キミはこの中で悲惨な最期を迎えるでしょう』







今日はここまで

むごいわぁ…

黒幕はサシャが焼き肉取ってきた一幕を知ってる人物ってことか…?

記憶消せるんなら記憶を読み取っててもおかしくはない

モノクマ「まあ、“ファイナルデッドルーム”での挑戦ができるのは
     成績最優秀者のみ…」

モノクマ「落ちこぼれのキミじゃ無理だろうけどねー!」

アルミン「…っ!」

モノクマ「アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

アルミン(2度目の裁判、2度目の処刑…)

アルミン(僕たちは改めて思い知る)

アルミン(ここでは…人の命は軽い…)

アルミン(頭がどうにかなってしまいそうなほど…)

アルミン(とてつもなく軽い…)

アルミン(僕たちはすっかり憔悴しきっていた)

アルミン(あたりに響き渡るのは、クリスタが泣き叫ぶ声と…)

アルミン(モノクマの邪悪な高笑い)




モノクマ「アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」




アルミン(だけど、それで終わりではなかった)

アルミン(次にモノクマが発する言葉で…)

アルミン(僕たちはさらに混乱の渦に巻き込まれることになる)

モノクマ「あー笑った笑った…うぷぷぷ…」

クリスタ「~~~~っ!!」

モノクマ「ところでさあ、裁判は無事に終わったわけだけど、
     まだ最大の謎が残ってるよね」

ライナー「…最大の謎?」

モノクマ「ユミルさんの動機だよ」

モノクマ「だって不思議じゃない?
     たかだか記憶を取り戻した程度で…」









モノクマ「どうしてレンズさん以外の全員を殺そうとしたんだろうね?」







クリスタ「………………」

クリスタ「…え?」

モノクマ「うぷぷ…」

ジャン「な…何言ってんだ…?
    あいつはクリスタを助けようとして…」

モノクマ「でも、視点を変えればそういう事でしょ?
     ユミルさんの目的はレンズさんをここから救い出す事ではなく…」

モノクマ「レンズさん以外の全員を根絶やしにする事だった…
     そうは考えられない?」

コニー「…!?」

モノクマ「しかしよく考えるよねー」




14 コロシアイ兵団生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。




モノクマ「ボクはクロによる皆殺しを防ぐために、
     ああいうルールを設けたつもりだったけど…」




10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。




モノクマ「まさか、既存の規則を逆手にとって
     皆殺しを達成しようとするだなんて…」

モノクマ「さすがのボクも予想GUUUUY!!」

アルミン(頭の回転が追いつかない)




アルミン「ユミルが僕たちを殺そうとした…?」

アルミン「それこそが…ユミルの真の目的…?」

モノクマ「うぷぷ…」

アルミン「な…なんでそうなるんだよ!
     どうして僕たちが殺されなくちゃならないんだ!」

モノクマ「それはボクに聞いても仕方ないでしょ?
     ユミルさん本人に聞かないと…」

モノクマ「あっ、そういえばもう死んでるんだっけ?
     じゃあもうわからないねぇ…ぶっひゃっひゃっひゃ!」

アルミン「こ…こんのッ…!」




ガシッ




アニ「落ち着きなよ」

アルミン「ア、アニ…?」

アニ「わからないの? モノクマは私たちを惑わそうとしているだけ」

アニ「ユミルの目的はクリスタをここから救い出す事…
   それ以上でもそれ以下でもないよ」

ミカサ「ねえ、モノクマ」

モノクマ「はいはい、何でしょう?」




モノクマ『オマエラは元々、全ての記憶が無い状態だったんだよ?』

モノクマ『それを心優しいボクが保護して、
     なんとか訓練兵団入団直前の記憶まで戻してあげたってわけ』

モノクマ『つまり、オマエラの記憶を奪ったのは【別の誰か】で、
     ボクはそんなオマエラを助けてあげたの。アンダスタン?』




ミカサ「もし、あなたの言ってた事が本当だとしたら…」

ミカサ「どうして私たちは記憶を奪われなければならなかったの?」

モノクマ「だからさあ、記憶を奪ったのはボクじゃないからね?
     それも本人に聞かないと…」

ミカサ「もし、ユミルの凶行の原因が
    失われた数年間の記憶にあるのだとしたら…」









ミカサ「その数年間で… 私たちに何があったの?」







モノクマ「………………」

モノクマ「それを知るのはきっと…」

モノクマ「“この訓練兵生活が終わりを迎える時”だろうね」

ミカサ「…? どういう事?」

モノクマ「でもまあ、そう心配する必要はないと思うよ」

モノクマ「きっとその時は… すぐにやってくるだろうから」

アルミン(モノクマはそれ以上何も答えなかった)

アルミン(僕たちはしばらく、不気味な静寂に包まれた
     裁判場に立ち尽くしていたが…)

アルミン(いつしか1人、また1人と、
     昇降機に向かってフラフラと帰路についたのだった)




ミカサ「………………」




アルミン(こうして… ユミルとサシャの裁判は幕を閉じた)

アルミン(後味の悪さと…)

アルミン(底知れぬ恐怖を残して…)

今日はここまで

原作的に考えてクリスタは次章あたりで…

アルミン(…これが結末)

アルミン(誰も予想できなかった、誰も望むことのなかった…)

アルミン(絶望的な結末)




アルミン「………………」




アルミン(でも、それだけでは終わらない)

アルミン(終わらせてくれない)

アルミン(最悪の絶望は僕たちを巻き込んで
     どんどん加速していく)

アルミン(それは、奈落に落ちた仔犬の方が
     まだ希望があると思えるほどの…)

アルミン(…最悪の絶望だったんだ)

CHAPTER 02 

DAY 9




アルミン(どれくらいの間、そうしていただろう)

アルミン(自室に戻った僕は、そのまま吸い込まれるように
     ベッドへと倒れ込んだ)

アルミン(そして… そのまま寝付けずに数時間が過ぎた)

アルミン(…クリスタは大丈夫だろうか)

アルミン(元凶がユミルであったとはいえ、結果的に
     サシャを死に追いやってしまったのはクリスタだ)

アルミン(きっと自分を責めているに違いない)

アルミン(さらに彼女は、サシャを庇うために
     僕たち全員を道連れにしようとした)

アルミン(果たしてみんなは… 明日以降の彼女を
     受け入れるだろうか)

アルミン(そして…)

アルミン(この生活は一体いつまで続くのだろうか)

アルミン(またあんな惨劇が起こるのだろうか。
     その度に誰かを責めて、死に追いやらなければいけないのだろうか)

アルミン(『もう嫌だ…』 そんな言葉が喉を突いて出そうになる)




アルミン「………………」




アルミン(…ダメだ)

アルミン(少し外を歩いてこよう)

― 訓練所 ―




アルミン(辺りはすっかり暗くなっていた)

アルミン(空気が肌を刺すように冷たい)

アルミン(訓練所まで来てみたはいいものの、
     僕はすでに真夜中の孤独感に蝕まれつつあった)




アルミン「…やっぱり戻ろうかな」

アルミン(そう言って寄宿舎に足を向けたときだった)




???「遅いぞ」

???「尾けられていないだろうね?」




アルミン(…? 誰かいる…)

アルミン(誰だろう、こんな時間に…)

ライナー「周りはどうだ?」

ベルトルト「大丈夫、誰もいなかった」




アルミン(あれは… ライナーとベルトルト?)

アルミン(それに…)




アニ「………………」




アルミン(…アニ?)

アニ「…それで、話って?」

ライナー「これからの件だ」

アニ「…これからの件?」

ライナー「これから、この限られた環境下で
     俺たちがどう動いていくか… そういう話だ」

アニ「………………」

ライナー「いいか、俺の予想では…」









ライナー「座標はあいつが持ってる」















第二章

君は希望という名の絶望に微笑む


END







生き残りメンバー 8人




 【ミカサ・アッカーマン】
 【ライナー・ブラウン】
 【ベルトルト・フーバー】
 【アニ・レオンハート】
×【エレン・イェーガー】
 【ジャン・キルシュタイン】
 【コニー・スプリンガー】
×【サシャ・ブラウス】
 【クリスタ・レンズ】
 【アルミン・アルレルト】
×【ミーナ・カロライナ】
×【ユミル】









To Be Continued







今日はここまで


次の章まではまた時間が空きます

楽しみにしてます


ここまで長かったなぁ


面白かった

一体全何章なんだろう…という保守。

0619

原作の方もなかなか絶望だな

またスレ立ててくれるよな?
待ってるからなー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月02日 (木) 17:53:23   ID: iNz3iFly

クリスタ?

2 :  SS好きの774さん   2015年10月03日 (土) 15:26:42   ID: FZ3ASnzW

おもしろいな

3 :  SS好きの774さん   2015年11月06日 (金) 23:44:51   ID: Vrd72Hk3

どんなお仕置きかな?

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