阿笠「たまにはスパイスを使ってカレーを作ってみようかのぉ」灰原「そうね」 (44)

灰原「良いアイディアだと思うわ」

灰原「いつも市販のルーで作るカレーじゃ、あの子達も飽きるでしょうし」

阿笠「そうじゃろ?」

灰原「ところで、どんなカレーを作るつもりなの?」

阿笠「いくつか候補はあるんじゃが……哀君はどれが良いと思うかのぉ?」


①ミックスベジタブルカレー
②鶏手羽元とトマトのカレー
③ほうれん草のミルクカレー


※上記3つのどれか一つを選んで下さい
※勝手に候補を増やさないようお願いします
>>2-10で一番得票が多いもので進めていきます

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回答ありがとうございます
では③のほうれん草のミルクカレーでいきます
ちょいと書き溜めしてきますので少々お待ちを

よかった…基地じゃなくて

まだわからんぞ

灰原「そうね……ほうれん草のミルクカレーが良いんじゃないかしら」

阿笠「おぉ、哀君もそう思うか」

灰原「ええ」

灰原「カレーのルーは茶色……なんて固定観念を取り払ってあげるのも、面白そうだもの」

灰原「それじゃ、早速買い物に行きましょう」

灰原「お昼には間に合うように作らないと、あの子達が拗ねてしまうわ」

阿笠「そうじゃの。スパイスは米花デパートの地下に、良いものを揃えておる店があるんじゃよ」

灰原「そういう情報を持ってるってことは、材料の入手方法や作り方まで、下調べも済んでるわけね?」

阿笠「フフ……実は前から計画しておったんじゃよ」

阿笠「……おっと、いかん。もう10時を過ぎておるわい」

灰原「あらあら。博士、早く車を」

阿笠「分かった。哀君、先に外で待っていてくれぃ」

――米花デパート・地下1階・スパイス専門店――

阿笠「この店じゃよ」

灰原「……随分と豊富な品揃えね」

阿笠「美人の女性オーナー自らが世界中を飛び回り、厳選したものだけを輸入しておるんじゃ」

灰原「ふ~ん」ジト…

阿笠「な、何じゃ。そんな目で見なくても、ワシはやましいことはしておらんぞい」

灰原「別に……」フイ

阿笠「え~と……財布に材料メモを入れたはずじゃったな」ゴソゴソ…ピラッ

阿笠「ほうれん草のミルクカレーに必要なのは、カイエンヌペッパーにホワイトペッパー」

阿笠「ターメリック、ガラムマサラ、それにクミンシードじゃの」

灰原「そんなにたくさん買って大丈夫なの? 博士……」

阿笠「あぁ、心配いらんよ。この店は必要な分量を伝えれば、量り売りしてくれるんじゃ」

阿笠「だから大きな瓶や袋を買って、残った分をダメにしてしまうようなことは無いんじゃよ」

灰原「へぇ……」

オーナー「いらっしゃいませ~」ヒョイ

阿笠「おぉ、こんにちは」

灰原「……どうも」

オーナー「こんにちは♪ お孫さんですか?」

灰原「違います」

阿笠「あ~……わけあって親戚の子を預かっておるんじゃよ」

オーナー「あら、そうなんですか」

オーナー「ところで、先程仰っていたのが聞こえたので、ご所望の品目は分かりましたけど」

オーナー「必要な分量を教えて下さいます? 」

阿笠「え?」

オーナー「ウチはお客様の要望に応じて、スパイスの調合もやってるんです」

オーナー「ご自宅でされるより、手間も省けて良いと思いますよ」

阿笠「おお、それは助かるのぉ。是非お願いします」

オーナー「はい♪」

灰原「……ねぇ、博士。そのメモだと、4人分の分量が書いてあるけど」

灰原「小嶋君が食いしん坊なことを考えると、倍は用意した方が良いんじゃない?」

阿笠「そうじゃなぁ……では、これの倍の分量で頼めるかの?」

阿笠「あぁ、クミンシードだけは別で」

オーナー「分かりました」

~5分経過~

オーナー「ありがとうございましたー♪」



阿笠「さて、次は具材を買いに行くとするかのぉ」スタスタ

灰原「そうね」スタスタ

―― 米花スーパー ――

灰原「まずは、ほうれん草ね」

灰原「葉っぱは肉厚で張りがあり、緑色が濃いものが良いわ」

阿笠「では、これ良いかのぉ」

灰原「待って、博士。根っこの部分が鮮やかな赤で、濃いものかどうかチェックしてちょうだい」

阿笠「ふむ……それじゃあ、こっちの方が良さそうじゃの」スッ

灰原「あと必要な野菜は……トマトに玉ネギ、ニンニク、ショウガ、シシトウガラシね」ポイポイポイ

阿笠「それに鶏のミンチ肉と牛乳があれば、材料は全て揃うのぉ」

灰原「案外、早く買い物が済んで良かったわ」

阿笠「哀君が良いものを素早く見極めてくれたおかげじゃよ」

阿笠「では会計をしたら、帰って調理開始じゃ!」

――午前11時20分・阿笠邸――

阿笠「哀君、準備はできたかの?」

灰原「ええ」


【ほうれん草のミルクカレー(8人分)】
鶏ミンチ肉:800g
ほうれん草:2束
トマト:3個
シシトウガラシ:10本
玉ネギ:2個
ニンニク(すり下ろし):大さじ1杯分
ショウガ(すり下ろし):大さじ1杯分
水:200ml
牛乳:1000ml
クミンシード:小さじ1杯
☆スパイス
 カイエンヌペッパー:小さじ2杯
 ホワイトペッパー(パウダー):小さじ2杯
 ターメリック:小さじ0.5杯
 ガラムマサラ:小さじ2杯
サラダ油:大さじ3杯
塩:適量

阿笠「さて。忘れん内に、炊飯器に米をセットしておかんとな」

ジャー…ザッザッザッ、ジャー…ザッザッザッ

ジャー…

ピコ♪

阿笠「これで良し」

灰原「こっちも始めましょうか」

灰原「まず、トマトは粗めのみじん切り、シシトウガラシは小口切りにする」トントントントン

灰原「博士。フードプロセッサーで玉ネギをみじん切りにしておいて」

灰原「あと、ニンニクとショウガの皮をむいて、すり下ろしてちょうだい」

阿笠「分かった」

阿笠「では、玉ネギをある程度刻んで……」トントントン

阿笠「フードプロセッサーに入れ、スイッチオンじゃ!」カチ、ギュイィィィン

阿笠「よし……こんなもんかのぉ」カチ

阿笠「ニンニクとショウガは、すり下ろして別々の小皿に入れておく」シャリシャリシャリシャリシャリ

灰原「博士。それが終わったら、玉ネギを炒めてくれる?」

阿笠「おぉ、良いぞぃ。鍋にサラダ油とクミンシードを入れ、弱火で熱して……と」

カチ、チチチ…ボッ

阿笠「香りが出てきたら玉ネギを入れ、黄金色になるまで強火で炒めるんじゃ」ザラザラ

ザッザッザッ

灰原「しっかり炒めてね。結構時間かかるわよ」

阿笠「心配いらんよ。任せてくれぃ」

灰原「それは頼もしいわね」フッ


~20分経過~

阿笠「フゥ……だいぶ腕が疲れてきたのぉ」ザッザッザッ

灰原「良い色合いね。そろそろ、ニンニクを入れましょうか」サッ

灰原「ここへショウガ、トマト、シシトウガラシを加えて……」ジュー…

阿笠「おぉっと……具材の量が多くなってきたから、混ぜづらいのぉ」ザッザッ

灰原「頑張って、博士」

ザッザッザッ

灰原「全体が馴染んだら、お店で調合してもらったスパイスを加えて、よく炒める」サッサッ

灰原「中火にして、鶏のミンチ肉を加えて……と。博士、腕が止まってるわよ」ジュー…

阿笠「フゥ……さすがに疲れるのぉ~」

キチガイじゃないとは
支援

昴「では、私が替わりましょうか?」

阿笠・灰原「「え?」」

灰原「……何で貴方がここに?」

昴「玄関、開いてましたよ?」

灰原「博士。また玄関に鍵を掛けてなかったの?」ジロッ

阿笠「す……すまん、哀君」ハハハ…

灰原「で? 何の用?」

昴「こちらで新しい発明品を見せてもらう約束を、博士としていたのですが……」

昴「時間を間違えてしまいましたか?」

阿笠「おっと……いかん。すっかり忘れておったわい」

昴「構いませんよ。それより博士、あとは私がやりましょうか?」

昴「このままだと、腕が筋肉痛になってしまいますよ?」

阿笠「おぉ、助かるわい」

昴「……次はどうすれば?」ニコッ

灰原「………………」フゥ

灰原「水、牛乳の順で、鍋に注ぎ入れて、弱火で15分以上煮込むの」

昴「分かった」ジャー…

灰原「じゃ、そっちはお願いね」

灰原「私はその間に、別のお鍋でほうれん草を茹でて刻んでおくから」

昴「あぁ」コトコトコト

灰原「ほうれん草は、サッと塩ゆでして」グツグツ

灰原「水気を絞って」ザーッ…ギュー

灰原「ざく切りにすればOKよ」トントントン


~15分経過~

昴「そろそろ良いかな?」コトコトコト

灰原「ええ。仕上げにほうれん草を加え、塩で味を調えれば……」ザラザラ…サッサッ

灰原「完成よ」カチ

昴「ふむ。食欲をそそる香りだ」

阿笠「……この匂い、たまらんのぉ~」クンクン

グゥゥ…

阿笠「あ……」

灰原「全く……おかわりは一度だけよ」

阿笠「おぉ、良いのか!?」

灰原「今回だけよ」

阿笠「やった~!」ヒャッホウ


ピーンポーン

元太「よぉ!」

光彦「来ましたよー」

歩美「お邪魔しまーす!」

昴「やぁ、君達」

歩美・光彦・元太「「「こんにちは~」」」

コナン「こんにちは、昴さん。博士達も」

灰原「いらっしゃい」

歩美「……あ。何か、良い匂い!」クンクン

元太「博士、何作ったんだ?」

阿笠「ホホッ、何だと思うかのぉ?」

光彦「これは……スパイスの香りでしょうか?」

歩美「じゃあ、もしかしてカレー?」

コナン「おいおい、またカレーかよ」

灰原「そう言うと思って、今日のは一捻りしてあるわ」

コナン「ん? ……へぇ、随分本格的なカレーに挑戦したんだな」

灰原「あら、匂いだけで分かるの?」

コナン「この店の袋だよ。米花デパートの地下にある、スパイス専門店のやつだろ?」

灰原「あのお店、貴方も知ってるの?」

コナン「あぁ。園子ん家の料理人も、あの店のスパイスを使ってるって聞いたからな」

コナン「天下の鈴木財閥が御用達にするトコだ。味は保証されてるも同然さ」

灰原「なるほどね」

元太「おぉっ? このカレー、茶色じゃねーぞ!?」

歩美「ホントだ! オレンジ色……が、近いかな?」

光彦「これは、こういう色のルーなんですよ」

元太「え、じゃあコレ食ったら辛いのか?」

光彦「ええ。スパイスや、入れる材料によって、カレーの色は変わるんです」

歩美「へぇ~。歩美、こんなの初めて見たよ」

光彦「この色合いからすると……ホワイトカレーでしょうか?」

灰原「惜しいわね。正解は、ほうれん草のミルクカレーよ」

元太「えぇっ!? カレーにほうれん草なんて、合うのかよ?」

灰原「文句あるなら食べなくて良いのよ?」ジロッ

元太「い、いえ……ありません」コキン


ピロリン、ピロリロリン♪

昴「ご飯も炊けましたし、時刻も12時過ぎ……早速食べましょうか」

歩美・光彦・元太「「「賛成~!」」」

コナン「オメーら。手を洗って準備を手伝おうぜ」

歩美・光彦・元太「「「ほーい!」」」


~10分経過~

阿笠「みんな席に着いたかのぉ?」

灰原「ええ」

コナン「そんじゃ……」

歩美・光彦・元太「「「いっただっきま~す!」」」

パク…モグモグモグモグ

…ゴクン

元太「……うんめぇ~!」

歩美「うん、美味しいね♪」

光彦「結構辛いけど、病み付きになりそうです!」

阿笠「それは良かったわい」ホッホッホ

灰原「……どう?」

コナン「あぁ、美味いぜ」モグモグ

昴「たまには、こういうのも良いですね」

阿笠(フッ……みんな喜んでくれて良かったわい)

阿笠「さてと。今日は哀君の許しもあることだし、おかわりさせてもらおうかの♪」ウキウキ

阿笠「……って、ありゃ!? ご飯が無い!!」カラッポ

光彦「元太君、食べるの早すぎですよ~」

歩美「それ、もう3杯目でしょ?」

元太「美味ぇんだから、しゃーねーだろ?」ガツガツ

歩美「ねぇ、元太君。早食いは食べ過ぎの元なんだよ?」

光彦「もっとよく噛んで食べた方が……」

元太「良いじゃねーか。固いこと言うなよ」ガツガツ

コナン「ハハハ……相変わらずの食いっぷりだな」

灰原「あらあら。博士、残念だったわね」

昴「すぐに追加でご飯を炊きますから。ちょっと待って下さいね」パタパタ

阿笠「……とほほぉ~」



【おわり】

博士と灰原のお料理を…というリクエストを頂いたので書いてみました
少しでも楽しんで下されば幸いです
>>2-10で素早く回答下さった皆様には改めてお礼申し上げます
ここまでお読み下さり、ありがとうございました(^^)

なんだろう普通にお料理SSで乙できるはずなのに
こうなんというか心の奥底で燻っているこの言い様のない感情はいったい…


光彦虐待はよ

乙、旨そう!
二人が台所に立ってるのを想像するとめっちゃ和む

乙、なんだろう、涙が出てきそう

リクエストに応えてくれてありがとう!
普通にホンワカ読んでたんだが、マジキチを読み慣れた人はハラハラしていたようだな、なんかすまんww

キチガイかと思ったらいつもの人か

光彦が活躍してない

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