【冴えない彼女の育てかた】 ぶれない婚後の過ごし方 (10)

初めてSSを書きます。
最初は加藤の黒疑惑を払拭する為の話を書こうとしたのですが、
気付いたら倫也も加藤も別の相手と結婚した後の話になってました(需要ねぇよ)
なのでタイトル詐欺な感は否めませんが、寝取られ要素とか鬱成分はゼロです(私見)
というか、
倫也と加藤の会話がほとんどで、相手はちょろっとしか出ません。
初心者らしく、適度なキャラと設定崩壊、適度にもたついた起承転結、適度に短いほのぼの風味の話なので、
暇潰しにでも流し読みしてくだされば幸いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427944467

(両方とも26歳くらい。サークル継続中)


倫也「さて加藤、今日のお前の任務だが」

加藤「もう何回このやりとりしたか分からないけど、名字変わってそろそろ2年になるのにわたしの呼び方変わる気配ないんだね」

倫也「もう何回このやりとりしたか分からんが、加藤の名字が藤崎になろうと岡崎になろうと大宇宙になろうと、どのように何回変わろうと」

加藤「何回も変わるのはさすがに困るけど」

倫也「俺のメインヒロインはあの坂で出会った『加藤恵』以外には存在しない!…これは俺がゲーム制作をやめるまで、何より俺がオタクをやめるまで永遠に変わる事のない約束事なんだ!」

加藤「……反論の余地がないってより、反論する意味がない大義名分で説得しようとするのは、ただの力技って言うんじゃないかな」

倫也「よし、快く了承してくれた所で加藤、今日のお前の任務だが…」

加藤「えっと…まぁいいや。その前にもう一ついいかな」

倫也「俺の名字は別に変わってないから今までと同じで構わないぞ」

加藤「……あのさ、わたし、結婚してからのこの2年間で安芸くんと過ごした時間と、旦那さんと過ごした時間との比率を計算してみたんだけれどね?」

倫也「大丈夫だ加藤。今の現実では結婚していないはずの人間が、それでも嫁と一日何時間も過ごしているという、夢のような…もとい、複雑怪奇な事案がそこかしこに存在している」

加藤「それは俗に言う『俺の嫁』って言うのはともかく、計算してみたんだけれどね?………安芸くんが2で、旦那さんが1っていう意外な結果が出てるんだけれど」

倫也「…….0(結婚してないのに):8(1日中嫁とイチャラブ)よりは間違いなく健全だ。何も問題はない」

加藤「だからそれは次元違いのお嫁さんっていうか、つまり安芸くんもわたしと現実のお嫁さんとでほとんど同じ比率になってるって事なんだけど。むしろあの人とかあの人とかともなんだかんだで結構会ってるし、わたしなんか足元にも及ばないくらいフラグ管理とか爆弾処理とか、大変な事になってるんじゃないかなぁ?」

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

倫也「……という訳で加藤、これが今月お前に協力してもらう仕事の内訳だ」

加藤「今日の任務って言ってたような気がするんだけど」

倫也「気のせいだ」

加藤「………週末はだいたい安芸くんと一緒だね、これ。というか先月とあんまり変わらないね、これ」

倫也「今回のゲームは、前回○○○本販売という偉大な結果を残した○○○より、更なる面白さとドキドキを秘めたゲームだと確信している。だから加藤!今回も、今回もよろしく頼む…!」

加藤「あ~、えっと……うん、まぁいいけど」

倫也「……このやりとりも2年前…というか出会った頃から何回したのか分からんが………いいんだ……」

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

加藤「出会った頃からといえば、わたし達、そろそろ初めて出会って…というか安芸くんが私を認識してからちょうど10年になるね」

倫也「ギャルゲーで考えればそういう台詞は、ヒロイン個別ルートを通ってグッドエンドを迎えたあとのエピローグの台詞だな…。お互い、相方差し置いて起きていいイベントじゃないっていうか。いや、俺が言うのもなんだけどさ」

加藤「ギャルゲーを意識してた訳じゃないんだけど…まぁでも、なんだかなぁ、かもね」

倫也「でも、この空気感とか安心感とか、今更遠慮して遠ざけていいもんじゃなくなってるんだよ。もうずっと前から、個別ルートとか関係なしにさ」

加藤「そういう台詞も相方を差し置いて言っていいものじゃないような気がするけど………まぁ、そうだね」

倫也「…………」

加藤「…………」

倫也「きょ、共通ルートでも良くあるだろ?イベントとイベントの間に同じ場所、同じキャラクターで他愛のない会話だとか、ギャグやったりとか、誰得な専門知識でユーザー置いてけぼりのマシンガンなトークを繰り広げたりとかさ。それで、何かの選択肢があっても大抵は掛け合いに多少変化があるだけで、大きな変化には繋がらなくて。でもそういう何気ない事の積み重ねが、その内プレイヤーにとって、なくてはならない安心感とか日常感を与えてくれるっていうか」

加藤「いきなり長々と、しかもあくまでギャルゲーで例えるのは説得力の置き場所として適当なのかなってのはともかく、言いたい事はわかってるよ」

倫也「……あのさ、加藤」

加藤「いいよ、言葉にしなくても、さ」

倫也「お、おう?」

加藤「だって、今の安芸くん、○○○○の主人公がヒロインの○○○○に覚悟を決めて少し恥ずかしい台詞を言おうとしてる時みたいな顔してるし、どうせその辺りと似たような台詞言おうとしてるだけっぽいし」

倫也「お前もギャルゲーで例えんのかい!いや知識量が増えたのは布教した人間としては喜ばしいけど、色々と台無しだよ!」

加藤「まぁ今更ってことだよ、安芸くん」

倫也「全く、相変わらずぶれないな、お前のフラット加減は…。もう少しで最終章直前、ヒロインと今後、熾烈を極める運命に立ち向かう覚悟を決める為の重大な選択肢が浮かんできそうだったのに」

加藤「そこまで重いシチュエーションじゃなかったような気がするんだけれど…あ、最近また周回したんだね、安芸くん」

倫也「ああ、昨日な。これで通算5周クリア。だから今日の俺はいつにも増して滾っている!さぁ、歩み出そうぜ加藤!俺と一緒に胸キュンと萌えに満ち満ちた最終章へと!」

加藤「何か話が壮大にズレてるような気がするってのはさておき、私と最終章を迎えたら色々と問題になるんじゃないかな」

倫也「……そういや、心配とかしてるかな、あいつら」

加藤「ここに来てようやくその意識に辿り着いたのは、既婚の人間として喜ばしい事なのか嘆かわしい事なのか議論の余地が…まぁないよね」

倫也「そういう意識に話の終盤まで辿り着けさせない、不扇情感の申し子みたいなやつが目の前に実在してるからな」

加藤「安芸くんのわたしに対するあんまりな姿勢も相変わらずぶれないね」

倫也「しかし、流石の俺もそろそろ気になってくるような気になってくるような気になってくる」

加藤「流石だよね。言うまでもなく悪い意味で」

倫也「うーむ」

加藤「う~ん、とは言っても前から知ってるし、さすがに今更変に深い事は考えてないんじゃないかなぁ」

倫也「そうだよな。まぁ、大丈夫だよな。だって…」

加藤「ま、大丈夫だね。だって…」


倫也「俺と加藤だしな」
加藤「わたしと安芸くんだしね」

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

(場所が変わって、倫也の嫁と加藤の旦那の会話)


倫也嫁「もう何回このやりとりしたのか分からないけれど、何であの二人、私達よりイベントCG枚数多い付き合い方してるの…?ついでに言えば、イベントの数だけじゃなくてエンディングの数も負けてるような気がするんだけど…」

加藤旦那「もう何回このやりとりしたのか分かりませんが、多分、何周しても解明できない永遠の謎です……」

倫也嫁「でも何でだろうね…」

加藤旦那「何ででしょうね…」

倫也嫁「ぜんっぜん、あの二人の危険な関係とかの想像ができないのよねぇ…」
加藤旦那「ですねぇ…」

という事で、終わりです(唐突)


こんな感じで、別の誰かとくっついても原作のような関係で居続けて周囲を困惑させるようなのも、ありなようなないような気がします。
メインヒロインが結婚したらメインヒロインとして見るの無理ゲーじゃね?とかは胸の奥にしまっておいてください(最重要)
お目汚し失礼しました。冴えカノ大好きです。これからSSが増える事を祈りつつ。

読んで頂きありがとうございました。


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乙です
アニメ終わっても冴えカノSSが増えるといいな

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