雲の中
「…………」
「ふっふっふ、見つけたわよお宝! フラップラーを出して!」
「了解です、お姉さま」
「ミサカも行きたい! ってミサカはミサカは―――」
「アンタはアイツの相手になっててあげなさい! きっとやる気出るでしょうから」
「うえぇ……」
「シャルル! ルイ! アンリ! んでフィリップとジャン! と私で行くわよ!!」
「「「「「ィエッ、ッサー!!!」」」」」
「マム、またはミズにしなさい!」
バチバチバチ ブブブブブブブブ ヂュインヂュインヂュヂュヂュ!!!!
「さあ待ってなさいお宝!!」
美琴「この美琴・御坂・ドーラが骨も残さず頂いてやるわっ!!」ニヤリ
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飛行船内
「…………」バクバクバクバク
「……次々持って来い」
「で、ですが他の乗客の食事が……」
「……構わん、責任は俺様、つまり政府がとる」
「権力という力の前には貴族共とて豚のように鳴くことしかできまい」
「か、かしこまりました」
「……さて」
「…………」バクバクバクバク
「食うのはいいが……そろそろ話してもらおうか」
「…………」バクバクバクバク
「ラピュタのことについてだが―――」
「…………」バクバクバクバク
「……おい」
「……ゴクン、何? 食べてもいいって言ったから食べてるんだよ?」
「いや、確かに食べてもいいとは言ったがだな―――」
「なら食べ終わるまでお話はできないんだよ、お行儀が悪いからね、あ、おかわりまだ?」
「……ちっ、さっさと備蓄を空にさせろ!」
「…………」バクバクバクバク
「(いつまで食べるんだ……あの量はどこに消える?)」
教えろ下さいスレにあった人かwwww
立て乙
「……まぁ、時間はいくらでもある」
「…………」バクバク
「ゆっくり聞かせてもらうとしよう……要塞の中ででも、な」
「…………」パク、パク
「ふふふ……」
ヂ……ッ……チ…ッヂ
「……?」
ヂヂ…ヂュヂュ…ヂヂジジジジヂヂヂヂヂヂヂ!!!!
「!!!!」
「なんだあの飛行物体は!?」
「っ海ぞっ、いや空ぞっ……海賊か!?」ガタッ
「あれは……『雷のドーラ一家』です!」
「ふん、ちんけな海賊一家風情が身の丈に合わぬ宝を狙いに来たか……」
美琴「ふふん、いたわね『白い修道服の少女』……さぁ! 侵入よ!!」
「合点、お姉さま」
「それでは……よっと」
バヂヂヂヂヂイヂイヂ!!!!!
「敵襲だーー!! いくつかの証明を落とされた!! くりかえぐへっ!!!」ドゴッ
美琴「もうバレてるっての、さあ行きなさい妹達!!」
「「「「「ィェッスゥァアー!!!!」」」」」
美琴「もういいっての!」
「おぉおおぉおお!!!」ドドドド
「吠えるのはコイヌやコネコだけでいいんです、うるさくて適いません」シュッシュッ
「同感ですね、カワイイ子猫ちゃんの泣き声ぐらいです、うるさいくらいのほうが良いものは」ドッゴォ!!
「やだ…カッコいい…。」
シャルルミサカ「と、ミサカはふと自らのシャルルという名の男らしさについて疑問に思います」ハテ
ルイミサカ「ホントに突然ですね、とミサカは姉の急な疑問に突っ込みます」
「くっ、止まれ止まれぇえー!!」バン! バン!!
「ノンノン、腰が引けてるぜルーキー、安全装置を外しゃあ打てるようになるわけじゃないんです」バチッ
「うぎゃっあ!!」
アンリミサカ「アンリ・御坂・ドーラ、お前を倒した者の名だ、とミサカはビギナーに名を語ります」ドヤァ
「あぁぁああ怖い怖い怖い、お姉さま何もミサカを連れてこなくても……」
「いたぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「ちょっ、いつの間にかミサカ一人に!?」
フィリップミサカ「お姉さまああ!! フィリップ・御坂・ドーラはここですー!! 助けて!!」バチバチッ!!
オネエサマー!! アー!!
美琴「……順調ね」グッ
美琴「変態、もといジャンここの部屋だったかしら?」
ジャンミサカ「ぐふふ、ミサカの嗅覚によればここからオンナノコの匂いが、とミサカは垂涎の思いでドアに手を―――!!」
ドッゴォッ!!!!!
美琴「―――ジャン!!」
ジャンミサカ「ぐふっ、な、なるほど……Mってこういう……」グフフ
美琴「無事ね! そのまま壁に張り付いて隠れてなさい!」
美琴「(それよりも……今の扉の向こうから攻撃……)」
美琴「(外から見たときは大砲なんて置いてなかった……というよりこんな壊し方をする兵器を知らない……)」
美琴「こりゃあまた軍が新兵器を作ったか、それとも……」
美琴「今回の『宝』が関係しているのかもね」ニヤァ
ジャンミサカ「いい……いい!」ゾクゾク
美琴「さっさと起きなさい!!」
ドッゴォッ!!!!!
「……素晴らしい、これが……ッ!!」
「…………ッ!」
「まだ不完全であるにしろこの威力……ふふ、素晴らしい!!」
「科学なんぞ優に超越した力……!!」
「た、大佐!」
「俺様は連絡することがある、お前らで食い止めておけ」
「ハッ!!」
「ふふふ……ようやく形として表れたか……」ピピピピーピピピピー
「……」
「これならば……ラピュタにも……」ピピピピーピピピピー
「……」スッ ヒョイパク
「あ、俺さ、いや、大佐です、はい、あの大t―――」
「えぇい!!!!」バリーン!!
美琴「くっ……またあの一撃がくるかもしれないけど……」
ジャンミサカ「ま、またあの衝撃が!?」ハァハァ
美琴「黙ってて、スゥー……ええい!女は度胸よ!!」バッ!!
「!! 撃てぇ!!!」ババンババンバンバン!!!
美琴「邪魔邪魔ぁ!!」バチバチチ!!
シャルルミサカ「お姉さまに続けー」バッ
ルイミサカ「合点」バッ
アンリミサカ「承知」バッ
美琴「うりゃぁあああ!!」ドッガン
美琴「っていない!? あの女の子は!?」
ジャンミサカ「!?!?!? ミサカが匂いを間違えた……だと?」ガクッ
シャルルミサカ「膝から崩れ落ちる程ですかこの変態」
ルイミサカ「お姉さま、大佐が伸びてます」
「」ダルーン
美琴「……気絶した大佐、空いた窓……まさか!!」ピコーン
アンリミサカ「いました、とミサカはかの少女を発見します」
「!!!」
美琴「ちょ、マジで飛行船の外にいるの!? 危ないわよ!!」
アンリミサカ「少女は右側に、ついでにフィリップが左にいます」
フィリップミサカ「助けてー!!!とミサカは応援の要請を―――」
美琴「ちょっとそこの子ー!! 危ないってば!! こっち捕まりなさい!!」
フィリップミサカ「ちょ」
「……」ブルブル
美琴「シャルル! 早く隣の部屋に!」
ジャンミサカ「悪いおじちゃん達はミサカ達が退治したから大丈夫ですよ、だからこっちにきてイイこと―――」
「―――あ」パッ
美琴「あ」
ジャンミサカ「あ」
美琴「ぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
ジャンミサカ「あわわわ、とミサカは可愛く慌てるふりを」
美琴「あんたが誘拐まがいの事いうから怖がって落ちちゃったじゃない!!」
アンリミサカ「実際誘拐するんですけどね」
シャルルミサカ「そういえばフィリップはどうしました? 一緒に落ちちゃいましたか?」
フィリップミサカ「ま、まだ落ちてないです!! は、はやく助けをとミサカは―――!」
美琴「…………ハァ」
ヒュォオオオオオオオオオオオオオオオ
「……ぁ」プツン
「…………」
「………………」
「………………―――」
「―――身の危険二位伴い『自動書記』で覚醒します」
「およそ二分で地上に落下し絶命するでしょう」
「『守りの呪文』詠唱」
「『 』」
とある鉱山町
「おっちゃん、肉団子を二つ……いや転ぶ可能性を考慮して四つください!」
「ははっ、元気はいいが言ってることが凄く後ろ向きだな、おまけだ六ついれとこう」
「サンキュー!! おっちゃん! これで残業にも力が入るよ!」
「ああ、頑張れよ、パズー」
上条「当麻・パズー・上条、無事肉団子を親方に届けて参ります!」ビシッ
「そっちもだけど……ま、頑張れよ」
上条「おっちゃんもなー! サービスありがと!!」
「ま、前見て歩くんだぞ!」
上条「親方もおっちゃんも心配しすぎだよな、いくら俺がよく不幸に見舞われるったって……て」
上条「ん?なんだあれ……流れ星、にしちゃ地上に落ちてきてるような……」
上条「……」
「―――け警告、落下地点に大きな穴……採掘場の様子、け、計算の誤差を―――」
上条「……人だ!?」
上条「っ……間に合えよ!」ダダダダ
「地表までの誤差を地下までに修正―――」
上条「くっ……」
「―――修正間に合わず、浮遊落下から自動落下に切り替わるまで、5」
「4」
「3」
上条「おぉおおおおおおおおおおお!!!!」
「2」
上条「ふんっ!!」
「1……0」
上条「うおっ、き急にじ、重力が……」グググ
「―――予想外の事態により危機を脱出、『自動書記』を終了します」
上条「お、おいアンタだいじょ―――って」
「スースー」
上条「寝て―――」
「ガバッ おいしそうな匂いがするんだよ! そのスープ!? くれないかな!?」
上条「え?え? あの」
「クー!! も、もう我慢できないかも! ごめんね! 起きたら謝って弁償するから―――いただきます!!」ガツガツ
上条「ちょ」
「ごちそうさま!! ぁ―――」コテン
上条「……」
上条「……なに今の、てかこの子、勝手にご飯食べるし、食べ終わったら寝るし……」
上条「……この服も……なんか見たことない服だな」
「スースー」
上条「名前も知らないまま寝ちまったし……」
上条「……とにかく場を整理すると」
上条「親方ぁ!! っ空から女の子が!!!」 禁書「スースー」
ここまでー
>>3
Yes ラピュタ見ながら書いてるよ
続き明日にでも投下ー
クロスじゃなくてただのパロね
まあ特に面白くはないな
俺は好きだぞ
頑張ってくれ
いや
これは新鮮
面白いよ
投下―
上条「親方ぁ!! っ空から女の子が!!!」
「二回も言わずとも聞こえているのである」
上条「アックア親方ぁ!! っ空から女の子が!!!」
アックア「名前を付ければ良いとかそういう問題ではないのである」
上条「親方ぁ!! っ空から女の子が!!!」
アックア「わ、分かった分かった、それよりも飯はどうした?」
上条「……親方ぁ!!」
アックア「……こぼしたのか」
上条「……すんません」
アックア「良い、その分今夜は飯抜きで残業である!」
上条「了解! それよりも親方ぁ!! 空から女の―――」
アックア「わ、分かっている、もう飯のことはいいから仕事を―――」
チーン チーン チーン
アックア「む……どうやら上がってくるようだ……当麻」
上条「!」
アックア「頼めるか?」
上条「はい!」
アックア「いいか、私の指示通りにやれば良い」
上条「はい」
アックア「……人命がかかっている、不幸を呼ぶなよ?」
上条「お、親方ビビらせないでくださいよ」
アックア「すまんな……」
上条「(あの子……目覚める様子はなかったけど)」
アックア「よし当麻ブレーキだ」
上条「(どこから来たんだ? まさか天使なんてことは……)」
アックア「当麻! ブレーキだ!」
上条「(んんーまぁ目が覚めたら聞いてみる―――)」
アックア「当麻ァ!!!! ブレーキを引くのである!!!!!」
上条「うおっとと!!!!」キキィィイ!!!
ブオーオオオ!!! キキィイ
上条「あ、あぶねー っいて!!」ゴン
アックア「集中を切らすでないのである」
上条「す、すいません」
アックア「騎士団長、どうであった?」
騎士団長「ウィリア……アックア、ダメだこの鉱山に資源はほとんど残っていない」
アックア「掘るだけ無駄である、か……」
上条「……」
騎士団長「いつまでもこんなささくれたオンボロ機械で、しかもほぼ人力で作業とはな」
騎士団長「全機械化が主流に成りつつあるだとか軍や政府は言っているが……」
アックア「……確かに、科学は発達しているのである」
アックア「しかし、こんな辺鄙な鉱山町にまで発展の恩恵は受けられるまい」
アックア「少なくとも、それで誤魔化しがきくと踏んでいるのであろう」
騎士団長「……軍や政府が技術を独占しているおかげだな」
アックア「……技術や資源を独占するのは強者の権利」
アックア「しかし、強者には弱者を守る義務がある」
騎士団長「その点では、やつらは権利ばかりを主張する腐ったやつらってことだな」
騎士団長「噂じゃ何十年も前から人体実験の成功例なんかも出てるらしいしな」
上条「(人体実験……?)」
アックア「……軍を抜けこんな貧乏町に来たことを後悔しているのであるか?」
騎士団長「まさか、それが嫌で軍を抜けたんじゃなかったか? 騎士様」
アックア「……ふっ、左様だったな」
騎士団長「とりあえずこの堀場は廃棄だな、皆今日は上がってくれ、ご苦労だった」
ワラワラゾロゾロ
アックア「当麻、残業はなしだ、今日はもう上がってくれ」
上条「……親方ぁ!! っ空から女の子が!!!」
アックア「思い出したように……そうだな、そんなことでも起きん限り景気はよくならないのである」スタスタ
上条「……」
アックア「ご苦労だったのである、今日は早く帰って休め」スタスタ
上条「お疲れ様、親方……」
上条「…………」
上条「……ッハァー」
上条「景気が悪い、か……嫌になるな、俺の不幸が移っちまったみたいだ」
上条「親方や鉱山夫のみんなは優しくしてくれるから、俺も頑張りたいんだけど……」
上条「科学やなんだ難しいことはよく分からねえからなぁ……」
上条「ハァ……魔法でも使えりゃあなぁ」トボトボ
上条「あんだけ親方に言ってたのに、この子置いて帰りそうになった……」アブネー
禁書「スースー」
ブブブブブブブブブブブブブ
シャルルミサカ「お姉さまダメです、暗くてよく見えません」
ルイミサカ「というかお腹すいたんで切りあがります、とミサカは本音を言い放ちます」
ジャンミサカ「お姉さま、ミサカの嗅覚でもオンナノコの匂いは見つかりませんでした」
美琴「せっかく変態がちょっとだけ責任感じてまじめに探してくれてるっていうのに……」
美琴「明日の朝一番から、出直すわよ!」
「「「「「「オー」」」」」」
朝 上条家
チュンチュン
上条「ん……朝チュンか……」
上条「まぁ紳士な上条さんは女の子にベッドを譲り地べたで寝てたわけですけど」
上条「決して一緒の布団で寝てみようとかそんなやましい考えは1分も考えませんでしたよ、ええ」
上条「……」ソー
「……スー」
上条「……っといかんいかん、ハト……はいいか、飯を作って出迎えてあげよう」
上条「ここで家事スキルが生きるってわけだな!!」
インさんがシータ役だと目玉焼きが………
上条「ふんふーんふふんふーんふふーんふふっふーん♪」
上条「ふむ、この少し痛んだ方は上条さんの方にしてこっちの新鮮な方をあの子にあげよう」
上条「上条さんってばなんて紳士なんでせう」
上条「♪~」ジャージャー
「……クンクン」
「ガバッ!! ごはんの匂いかも!!!」
上条「はやぁ……炒めはじめたばっかりなのに、ていうか炒め物ってこの国にあるの?」
「あ、昨日ご飯くれた人……ってそれ私のご飯!?」ワクワク
上条「あげたつもりはないんだけど……ってか状況分からないままぐいぐい来るなこの子」
上条「気分はどうだ? どこか痛いとか」
「お腹が減ってる以外は問題ないかも!」
上条「そ、そっかそれはよかった(?)」
上条「とりあえず、オホン 俺は当麻・パズー・上条 よろしくな」
「あ、よろしくなんだよ! 私は……―――」
禁書「インデックス・シータっていうんだよ!!」
上条「インデックスか、ちょっとまってな今ご飯作ってるから」
禁書「うん! おいしいごはん期待してるかも!!」
上条「ははは、そんな腕に自信はないけど……あ、下で顔洗うところあるから」
禁書「あ、それじゃあお借りしますかも!」タタタッ
上条「……人間だった」
上条「『天使かと思ったよ』なんて恥ずかしくて言えないもんなぁ……」
禁書「いい人そうかも! ご飯食べさせてくれるし!」タタッ
禁書「ん? この写真……」
上条「インデックスー? 場所分かったかー?」
禁書「……」
上条「……インデックス?」
禁書「とうま、これって……」
上条「あぁ……これはラピュタ、空にある城のことだよ」
禁書「これが……ラピュタ……」
上条「伝説って言われてたんだけど、俺の父さんは見たんだ」
上条「雲の中に存在したこの城を!!」
禁書「……」
上条「……まぁ、皆信じなかったけどな」
上条「証拠に撮った写真だって全景じゃないしさ」
上条「……父さん、それと母さんはここにはいない」
上条「冒険家夫婦だったから、詐欺師なんて汚名を着せられたままじゃいられなかったんだろうな」
上条「今度こそ完璧なラピュタの証拠を持って帰る、そういって母さんと一緒に出たっきりさ」
禁書「……とうま」
上条「でもさ、俺は悲しくなんかないぜ? 冒険家が夢を追うのは間違ってないし、俺も冒険家の子だ」
上条「いつか……いつか俺がラピュタを見つけて、どこかにいる父さんと母さんをびっくりさせてやるんだ」
上条「それが俺の夢、ま、要は父さんからの受け売りったやつだけどさ」
禁書「……ううん、立派な夢だと思うよ」
上条「……ま、息子に先行かれるようじゃ父さんも冒険家としてまだまだってことになるけどな!」ハハッ
禁書「……ふふっ、当麻だってまだ見つけてないかも!」
上条「こ、これからこれから!」
「うーん、買い出しって言われてもこの町のこと分からないから迷っちゃったってミサカはミサカは困り顔をしてみたり」
「ここどこなのかな? この辺にはなんにも……あ、あの小屋に人がいるかも!!」
上条「でさー、うわさじゃ父さんと母さんを見たって人は海賊と一緒にいたって……勘弁してくれよあの夫婦」
禁書「バクバク……ん、海賊……―――」
「ごめんくださーい!!」
上条「ん? 珍しいなこんなボロ屋敷に用事なんて」
上条「はいはい、どちら様―――」
「こんにちは!」
上条「こんにちは、ってかおはようだな お嬢ちゃん見ない顔だけどどうしたんだ?」
「旅の者です! ってミサカはミサカは一度は言ってみたいセリフを口にしてみたり!」
上条「そっか、旅の者かそれで何の用なんだお嬢ちゃん」
打ち止め「ミサカには打ち止めっていう名前がある! ってミサカはミサカは華やかに自己紹介してみたり!」
まさか海賊のじっちゃんもミサカ妹か
上条「はは…元気がよろしいな」
打ち止め「あのね、ミサカは買い物をしに来たんだけどね、どうも道に迷っちゃったらしくて」
打ち止め「ちょうど小屋が見えたから道を聞こうと思ったわけです、ってミサカはミサカは丁寧に説明してみたり!」
上条「ほほう、朝から買い物か偉いな打ち止めは」
打ち止め「できれば案内でもしてくれたらなーってミサカはミサカはちょっとお願いしてみたり」
上条「ははっ、そうだな」
上条「俺ももう少ししたら町に行く予定だったから一緒に行くか?」
打ち止め「ぜひそうして欲しいかも!ってミサカはミサカは頼み込んでみる!」
上条「よし、それなら茶でも出すから飲んで待っててくれ」
打ち止め「! 案内してくれる上にお茶までだしてくれるなんて……人間ができてるね!」
上条「ははは、年下に言われちゃ世話ないな」
打ち止め「おっじゃましまーす!」
禁書「ん、いらっしゃいかも」
打ち止め「誰!? 彼女さん!?」
上条・禁書「「違う違う」」ブンブン
禁書「私の名前はインデックス・シータ、えーっと……」
上条「ま、打ち止めと同じ旅の者ってことで」
打ち止め「へー、あなたも旅の者さんなの?」
禁書「あーまぁそうかも??」
打ち止め「ズバリ自分探しの旅!!」
禁書「それは違うと思うんだよ」
上条「インデックス、そこの旅の人打ち止めはどうやら買い物に行きたいらしいんだ」
上条「俺も町に行く予定があったから案内することにしたんだけど、インデックスはどうする?」
禁書「……一緒に行ってもいい、かな?」
上条「もちろん」
打ち止め「決まりだねっ、ってミサカはミサカはお買い物のメンバーが増えたことを喜んでみたり!」
上条「ほんと天真爛漫って感じだなぁ」
禁書「あれ、どこかで……?」ボソッ
完全記憶無いのか
打ち止め「あなたはどこから来たの、ってミサカはミサカは素朴な疑問を投げかけてみたり!」
禁書「うーん……あれどこからだっけ?」
上条「えーあなたは昨日上からやって参りました。」
禁書「上?」
打ち止め「上!! ミサカも上から来たんだよってミサカはミサカは舞い降りた天使の如く説明してみたり!」
禁書「……あなたは一人できたの? 親御さんや姉妹は?」
打ち止め「ミサカはここまでは一人だけど上からは6人の姉ともう一人と来たんだよ!」
打ち止め「パパとママはミサカが小さい時にどこかにいっちゃったみたいだけど……」
禁書「……」
上条「……そっか」
禁書「……私と同じだね」
上条「そうなのか?」
禁書「うん、私は物心ついたころにはおばあちゃんと暮らしてたから……」
禁書「あんまり両親のことは覚えてない、かな」
上条「……」
禁書「……あっ、でもでもおばあちゃんが優しかったから全然寂しくはなかったんだよ!?」アセアセ
打ち止め「うんうん、うちもお姉さま達がうるさ騒がしいから毎日楽しいよ、ってミサカはミサカは喧噪の毎日を思い浮かべる」
上条「そりゃ六人もいりゃぁな」ハハ
上条「さて、それじゃそろそろ行くとしますか」ガタッ
打ち止め「わーいわーい、お買い物の時間だ! ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」ピョンピョン
禁書「……おいしいものあるかなっ!?」ダラダラ
上条「よだれよだれ、うちの町に期待するようなもんな何もないと思うけど……」
上条「っとインデックス、その服はちょっとやめておいた方がいいかもな」
禁書「へ?」
上条「いや、うちみたいな貧しい町じゃそんな高価そうな服は悪目立ちしそうだからさ」
上条「これ、泥臭いけど着替えた方がいいかも」
禁書「……そうだね、うんそうかも、これ借りるね!」
上条「おう、脱衣所はあっちだから」
打ち止め「隠れて覗いちゃいましょう!」
上条「し、しません」
バタン
上条「それで打ち止めは何買うんだ?」
打ち止め「んーとね、食品衣料品消耗品!!」
上条「まとめりゃ消耗品ね」
禁書「とうまは何を買うの?」
上条「ん、俺はペンチとか―――」
ドンドン ギィイ
ジャンミサカ「おっじゃましまーす、とミサカは勢いよく不法侵入します」
フィリップミサカ「結構慎重にドア開けましたよね、とミサカは突っ込みます」
ジャンミサカ「しかし、誰もいないとはおかしいですね……この嗅覚が確かにオンナノコの匂いを捕えたはずなのに」
フィリップミサカ「最近その嗅覚に頼るべきか頼らぬべきか決めあぐねています、とミサカは言いにくい言葉を言い放ちます」
ジャンミサカ「クンクンクンックン」
フィリップミサカ「ちょ、同じ顔してるんでそんな格好で匂い嗅がないでください! 一応乙女なんですよ!」
ジャンミサカ「ミサカ達は海賊なんですよ! 泥臭いこと汗臭いことフヘヘやって当然でしょう、とミサカは正論を述べます」
フィリップミサカ「せ、正論かもしれませんけど……その乙女の尊厳というか」
ジャンミサカ「!! グフフ、フィリップ、見てください大当たりです!!」
フィリップミサカ「そ、それはあの子がきていた白い修道服!!」
ジャンミサカ「クンクンねクンクンやっぱりクンクンミサカの嗅クンクンは捨てたもんじゃないでしょう、とミサカは自慢げに言います!」フフン
フィリップミサカ「全然カッコよく見えないからクンクンするのをやめてください」
ジャンミサカ「クンクンそれとどうやらあの幼女もここにいた痕跡がありますね、とミサカは残り香を分析します」
フィリップミサカ「あの子が見つけ……ってあの子今回の宝もあの女の子のことも知りませんよね?」
ジャンミサカ「クンクン仲良く買い物でもしててくれれば逆に捕まえやすいです、さあ匂いを追いますよ!」
フィリップミサカ「うぅ……有能かもしれないけど一緒に歩きたくはない……あ、ミサカはお姉さまに報告してから行きますので……」
上条「予想はしてたけど……打ち止め、八人分買うのか?」
打ち止め「と、当然……こ、これはミサカに下された使命だ! ってミサカはミサカは……」プルプル
上条「ほらちょっともってやるから、てか姉ちゃん達も無茶さすなぁ」
禁書「私も持ってあげるんだよ!」
打ち止め「おぉ……持つべきものは旅の友かも! ってミサカはミサカは感じてみたり!」
上条「なんだそりゃ」ハハハ
禁書「とうま、次はどこに行くの?」
上条「あーちょっと親方んとこに用があるからよってもいいか?」
禁書「親方さん?」
上条「そう、俺の面倒を見てくれてる人」
禁書「それじゃ私からもよく言っておかないとね! なんちゃって!」エヘヘ
上条「はは、頼む おっ、あそこだ」
上条「親方ぁ、頼まれてたもん届けにきたぜ」
アックア「当麻、ご苦労なのである」
「あら、お疲れ様お茶でも飲んでく?」
上条「ヴィリアンさん、それじゃちょっとおじゃましようかな」
禁書「お、おじゃまします親方さん」
打ち止め「たのもーっ! 親方さん」
ヴィリアン「あらあら、随分お友達が増えたみたいねぇ」
上条「マッジ達は?」
ヴィリアン「遊びにいってるわ、最近やんちゃばかりして」
アックア「あの年頃は元気すぎるくらいがちょうどいいのである」
ヴィリアン「ふふ、そうかもね」
上条「……親方、あの鉱山なんだけど」
アックア「当麻」
上条「は、はい」
アックア「お前が心配するようなことはない、お前はしっかりしているがまだ子供だ」
アックア「政治や景気の心配するのは大人だけでいい」
アックア「子供は子供らしく、元気でいればそれでいい」
アックア「お前が一人前になるまでは私が面倒を見る、心配するな」
上条「……分かりました」
打ち止め「親方さん、渋いねぇ、ってミサカはミサカは大人の空気を感じてみる」
アックア「実際この町が貧しいことに変わりはない、だが今までなんとかやれていたのだ」
アックア「これからも、なんとかやっていく、それだけだ」
ヴィリアン「あなた……」
アックア「お前やマッジや当麻の心配には及ばん…・・・私は寝るとする」
禁書「……親方さん優しいんだね」
上条「……俺がもっとガキの頃からお世話になってる人だからな」
上条「俺の勝手かもしれないけど、あの人は俺の第二の父親みたいな人だから……」
ヴィリアン「勝手なんかじゃないわ、あの人あなたの事を本当の息子と思ってるんだから」
ヴィリアン「もちろん、私もよ」
上条「ヴィリアンさん……」
打ち止め「うんうん、貧乏な町だとしてもそこにはお金で買えない価値がある、プライスレス」
禁書「ど、どこでそんな言葉覚えるのかな?」
上条「お茶ごちそうさまでした、そろそろ行くよ」
禁書「ごちそうさまでしたかも!」
打ち止め「ごちそうさま!」
ヴィリアン「あら、そう? それじゃあね」
ガチャ
上条「お邪魔しまし―――ぅえ?」
シャルルミサカ「あー大変失礼ですが、少し聞きたいことがありましてですね」
上条「はぁ……」
禁書「―――ッ!!?」ササッ
打ち止め「あ、お姉さま!!」
禁書「!!!」
上条「ええ!? ってよく見たら似てる!!」
ルイミサカ「おや、こんなところで何を? とミサカは質問します」
打ち止め「あのね! ミサカのお買い物の案内とお手伝いをしてくれた人たちなんだよ!」
ルイミサカ「あ、あのワーストから頼まれた無茶ぶりの……」
打ち止め「え!?」
シャルルミサカ「これはこれは、末妹がご迷惑をお掛け致しまして……」
上条「いえいえ、ご迷惑だなんて……して聞きたいこととは?」
ルイミサカ「この辺でですね、髪がきれいで白くて高そうな服をきた少女を見ませんでしたか?」
禁書「……っ」ドキドキ
上条「え、それって―――」
ジャンミサカ「お姉さまー!!クンクン その家です! その家から幼女と少女の匂いがします!」ヘッヘッヘ
シャルルミサカ「あら変態、おかえりなさいとミサカは―――」
禁書「っ!!!」ダッ
上条「あっ、インデックス!!」
ルイミサカ「!!! あの子!! あの子です!!」ダッ
シャルルミサカ「!!コソコソ隠れていたのはそれが理由ですか」ダッ
打ち止め「え?え? どういう?」ワタワタ
上条「ちょ、インデックス! それにアンタらもどうした―――」
「「おっと待ちなよ、お二人さン」」ザッ
シャルルミサカ「ッ、どいてください、私たちは―――」ピタッ
「超分かってますよ、ドーラ一家でしょう」
上条「(ドーラ一家!? ってあの海賊の……てことは打ち止めも……」
ルイミサカ「分かっているなら痛い目を見ないうちに―――」
「痛い目? そりゃァ私らが見るのか? それともアンタら二人? いや三人かァ?」
ジャンミサカ「痛い目!? どうしようアレ以来ちょっとMッ気が……」
上条「マッジ!!??」
絹旗・黒夜「「この町のマッジシスターズに黙って問題ごとは起こさせねェ!!」」
絹旗「最愛・マッジ・絹旗と」
黒夜「海鳥・マッジ・黒夜が」
絹旗・黒夜「「お前たちを討つ!!」」ドドーン
シャルルミサカ「……」
ルイミサカ「……」
ジャンミサカ「ハァハァ」
絹旗「って超ノーコメント!?」
上条「何やってんだ……」
上条「っとインデックス!!」ダッ
シャルルミサカ「あ、ちょっと待―――!」
絹旗「おっと、当麻はともかく、あなたたちは通せませんねぇ」
ルイミサカ「中二病に付き合ってる暇はないのですよ、お嬢ちゃんたち、とミサカは相手を諌めます」シッシ
黒夜「中、二? わけわかンねェこと言ってねェで、ホラお姫様が逃げちまうぜェ?」
ジャンミサカ「生意気な小娘達ですね、フヒどれミサカが可愛がっ―――」ゴンッ!!
ルイミサカ「死亡フラグ回収はえぇ」
ジャンミサカ「」
黒夜「『窒素爆槍』見えたか? 高速で放つスコップを……」ゴゴゴ
シャルルミサカ「(迅い、あとイタい)」ゴクッ
黒夜「『雷のドーラ一家』たしか結構な賞金首だったよなァ」
絹旗「ちょうどいいことにこの町貧しいんですよねぇ」
ルイミサカ「……遊んでる暇はないんでチャチャっと終わらせますよお嬢ちゃん」
黒夜「上等だァ、一人ウン十万の首置いてけやァ!!!」ゴォオ
絹旗「超王道の展開は気に入りませんが、この町の肥やしになれェええェ!!」
ヤーヤー ヤッチマエー!! キャットファイトー!!
上条「インデックスー!! おーいってばー!!」
禁書「ッ……!!」ピタッ
上条「お、っと……インデックス一体これはどういう……」
禁書「……とうま、ごめんね、私黙ってた」
禁書「……いや、信じてもらえないかもだけど本当は忘れてたの」
上条「忘れてた?」
禁書「自分が昨日どうしてここに来たのか、どこから来たのかを……」
上条「え、昨日上から落ちてきた記憶がないって言うのか!?」
禁書「それどころかなんで落ちたかすら覚えてなかった」
上条「……記憶喪失とか?」
禁書「ううん、過去の記憶とかはしっかり覚えてたし、完全にすべての事を忘れてるわけじゃない」
禁書「多分一時的なショックで忘れてただけだと思う」
禁書「それでさっきの人たちを見て思い出した」
禁書「……あのね、とうま私海賊に追われてる身だったの」
上条「……ああ、なんとなくさっきので分かったよ」
禁書「打ち止めの顔見たときに引っかかってたんだよ、どこかで見たことがあるって」
上条「あの姉妹そっくりだったもんな」
禁書「追われてる理由も……多分、私が思ってる通りだと思う」
禁書「理由は……話せないんだけど」
上条「…………」
禁書「でね、本当の本当の本当に申し訳ないんだけど」
禁書「まだなんの恩返しもお礼も出来てないんだけど……」
禁書「私、海賊から逃げるためにこの町から出ていこうと思うんだよ」
上条「……」
禁書「ごめんね? 本当にまだなにもちゃんとしたお礼とかできないままに」
禁書「こんな危ない状況にまで巻き込んじゃって……迷惑だよね」
禁書「でも、このまま一緒にいるともっと迷惑をかけちゃうから……」
上条「インデックス……」
禁書「それで私のわがままで勝手に逃げるなんて言っちゃって……本当にごめん!!」
禁書「いつか……いつか絶対このお礼はする、から……」
禁書「だから今はここから逃げ―――」
上条「インデックス」
禁書「は、はい?」
上条「俺はさ、お前が海賊に目をつけられるような悪いことするような人だとは思えないんだ」
上条「だから狙われる理由もインデックスに非があるようなことじゃないって俺は思ってる」
上条「その話せない理由ってのも、多分また話せば俺が巻き込まれかねないと思ってるんだろ?」
禁書「……」
上条「大体さ、あの『雷のドーラ一家』が血眼になってインデックスのことを探せばきっといつか捕まっちまう」
上条「それだと……まぁ、その、俺にお礼を返すこともできなくなっちまうだろ?」
禁書「……どう、してくれるの?」
上条「……とりあえず、インデックスの安全を確保できる環境まで俺が守る」
禁書「相手は海賊なんだよ? そんな簡単に……」
上条「海賊がなんだ、俺はもっと伝説的なものを目標に生きてるんだ」
禁書「…………とうま」
上条「俺は冒険家の息子だ、挑戦することを諦めたらそこで終わり」
上条「たかが海賊からお宝〈女の子〉一人守れないようじゃ親父に笑われちまうよ」
禁書「……っ」
上条「さあ行こうぜインデックス、隣町の警備員までは俺がなんとか守ってみせる」
禁書「……っ、うん!」
明日の昼ぐらいに投下ー
思った以上に面白いぞ
支援&乙!
>>45
ありがとー
投下―
フィリップミサカ「と、まぁかくかくしかじかでして……」
美琴「なるほどねぇ……鉱山町に落ちてたわけか」
アンリミサカ「してお姉さま、町を一望できるこの地点からでもあの少女の姿は見受けられませんが……」
美琴「どれどれ……海賊の目はごまかせやしな……あそこ!」
フィリップミサカ「おやまぁ、線路の上を……」
アンリミサカ「あれは汽車に乗って隣町に逃亡するつもりですね、とミサカは推測します」
美琴「ふん、逃がしゃあしないわよ!」
美琴「オートモービルを出して!! 隣町にまで逃がすんじゃないわよ!」
アンリミサカ「了解です、しかしあの一緒にいる少年はどちら様でしょう?」
美琴「大方正義の味方っってトコでしょ、とにかくあの子だけは逃がさないように追っかけて!」
アンリミサカ「合点、ついでにシャルル達も拾っていきましょう、とミサカは姉妹の身を案じます」
美琴「『雷のドーラ一家』狙った獲物は逃がさないわよ!」
ワーワー ギャーギャー!!
シャルルミサカ「ッ……この非行少女ズ……思った以上にめんどくさいですね」
ルイミサカ「まぁ、もうそろそろ……」
黒夜「! 何……ッ!?」
絹旗「あれは……」
美琴「どけどけどけー!!! 怪我したくなきゃ引っ込んでなさい!!!」バチバチバチ
シャルルミサカ「さっすがお姉さま、ナイスタイミングです、とミサカは称賛の言葉を浴びせます」
絹旗「オ、オートモービル!? こんな町でみるなんて……」
黒夜「き、絹旗ちゃン避けろっ!!」バッ
絹旗「ッ!!」バッ
キキィイイイ!!
美琴「あんたたち! バカ騒ぎしてる暇ないわよ! さっさと乗って!」
ルイミサカ「ということは見つけたんですね、とミサカは少女を見逃したことを煙ににまこうとします」
美琴「乗った!? って打ち止め!? なんでこんなところに!?」
打ち止め「ミサカが……ミサカ」
シャルルミサカ「とりあえず、ここじゃあれなんで出してください、とミサカは非行少女を牽制しながら発進を促します」
アンリミサカ「それじゃあ発進」バリリ!
フィリップミサカ「あ、変態が……」
ジャンミサカ「ちょっとー!! 置いていくのは焦らしの一環ですか!? とミサカは身内からのプレ―――」ダダダッ
黒夜「ちっ、結局全員に逃げられちまった……二度と来ンじゃねェ!!」
絹旗「それにしても……私はじめてオートモービル見ましたよ!」ワクワク
黒夜「オートモービルねェ……本来ならこの町にもあっていいはずだがねェ」
絹旗「でもあのオートモービルどうやって動かしてるんですかね? 蒸気?」
黒夜「ンにゃあ、ありゃあどうやら電気で走ってるみたいだった」
絹旗「超電気で? そんなことできるんですか?」
黒夜「恐らく改造でもしてるンだろ、そンなことできる技術者がどこにいるのかは知らねェけど」
絹旗「黒夜……そもそもドーラ一家ってどうやって電気だしてるンですかね」
黒夜「そりゃ絹旗ちゃン……あれだよ、手だよ」
絹旗「そりゃ見れば超分かりますよ、でも黒夜手から超電気だせます?」
黒夜「いや出ないけどさ……あ」
絹旗「?」
黒夜「いや、ドーラ一家のただの噂なんだけどさ、思い出したンだ」
絹旗「どんな噂ですか?」
黒夜「いやァ、なンでも『雷のドーラ一家』って呼ばれる由来となった雷だけどさ」
黒夜「あれ実は人体実験で手に入れた能力なンだ、っていう噂」
絹旗「……まっさかぁ!」
黒夜「だよなァ、いくら科学が発達してるからって改造人間はないよなァ!」
絹旗「精々、電気で走るオートモービルを作るくらいが限界ですよねえ」
黒夜「まァ、それでも十分凄いと思うけどさァ」
絹旗「ですねぇ」
ガタンゴトン ガタンゴトン
上条「おーい!!」
上条「インデックス、乗って」
禁書「ん、んしょ!」
上条「よ、っと、よう」
「ん、サボりなのよな?」
上条「違ぇよ! この子海賊に追われてる、! あそこの!」ビシッ
「ありゃあ……ドーラ一家か!?」
上条「だから隣町まで乗せてってくれ、建宮!」
建宮「そんな事情が……おし、救われぬものに救いの手を! まかせとけ!」
上条「助かるよ!」
禁書「お、お世話になります、かも」ペコリ
建宮「あらめんこい」
上条「前見てくれ」
ジャンミサカ「ちょ、ちょっとマジで置いてくつもりだったでしょ!」ハァハァ
アンリミサカ「まさかまさか、ちょっとしたジョークですよ、ドーラリアンジョーク」ハッハッハ
打ち止め「……」ショボーン
シャルルミサカ「どうやらせっかく仲良くなったご友人を騙したみたいな形となってショックを受けているようですね」
ルイミサカ「とミサカは会話から分析します」
美琴「……打ち止め」
打ち止め「……」
美琴「あのね、私達は海賊なの、狙ったお宝は盗んで上等なのよ」
美琴「その……あの子が標的だったと知らなかったとはいえこんな騙した形になってしまったのは仕方ないわ」
打ち止め「……」
美琴「……」
美琴「……ごめんね、アンタぐらいの年なら友達だって欲しくなるわよね」
美琴「海賊なんてやってたら友達なんてできないわよね……」
シャルルミサカ「(……年で言えばお姉さまだって……)」
美琴「……今は、今は我慢してくれる? 打ち止め」
美琴「もし打ち止めが一人で生きていけるようになって、それで海賊をやりたくないなら」
美琴「その時は私達が精いっぱい打ち止めの好きなことさせてあげるから、ね?」
打ち止め「……お姉さま」
美琴「でも、今回は私たちにとってとっても大事なお宝があの子なの」
美琴「……私はどうしてもあの子が欲しい」
ジャンミサカ「ピクッ」
フィリップミサカ「(今は空気を読みましょうね)」
美琴「あの子はラピュタの…………マm―――いえ」
美琴「私は船長として、あのお宝を奪わなきゃいけない」
美琴「どうか、そのことを許してほしいの、いい? 打ち止め」
打ち止め「……うん、ミサカもドーラ一家だから」
打ち止め「船長のいう事に異論はないかもってミサカはミサカは……」
美琴「……ん、よし それじゃあ……」
美琴「行くわよ」ニィ
美琴「突っ込め!!」
アンリミサカ「あいあいさー」ギャリッ!!
ガガガガガガ
上条「マジかよ……建宮スピードこれ以上上がらねえのか!?」
上条「あいつら線路の上走ってきやがった!」
建宮「このオンボロじゃあ今がいっぱいいっぱいなのよな!」
禁書「……」オロオロ
上条「く……インデックス! 窯焚き変わってくれ!」パッ
禁書「かまたき……わ、わかったんだよ!」
建宮「! 後部車両の連結を離すのよな!」
上条「今、やって、る!」ググッ
美琴「いけいけいけいけぇ!!」
アンリミサカ「あいあいさー」
ルイミサカ「! 後部連結が切り離されて―――!」
ガンッ!!
シャルルミサカ「ぐっ……」クラッ
打ち止め「きゃっ!」クラッ
美琴「ま、け、るなぁあああああ!!!」バチバチ!!
アンリミサカ「ノープロブレム、このまま進めます」グググ
上条「ちょ」
ガガァン!!
上条「なんつー馬力だ! 押し戻されちまった」
建宮「このオンボロに欲しいエンジンなのよな」
上条「んなこと言ってる場合じゃねぇ!!」
禁書「うんせっ、うんせっ」ポイッポイッ
美琴「乗り込むわよ!!」
「「「「「オー」」」」」
上条「ま、まずい……くっ、なら!」
上条「(ブレーキを掛けりゃさすがに……ッ!!)」クルクル
美琴「! ブレーキよ!掛けさせるな!」
ジャンミサカ「させませんよ!」ピョーン
上条「(く、っそ!)」
ジャンミサカ「prprしちま―――」
禁書「えーいっ!!」バラッ!!
上条「え」
ジャンミサカ「あっ、あっづぁぁあああぁああああああああぁぁぃいいいいいいい!!!!いい!!!」ビクンビクン
シャルルミサカ「う、っわぁ……乙女がしちゃいけない顔と声してますよ……」
フィリップミサカ「つくづくよごれって大変だと思います、とミサカは心の声を漏らします」
上条「い、インデックス石炭を投げたのか……」クルクル
禁書「と、とうまが襲われそうだったから だ、だめだった?」
上条「い、今はいい!今は! こ、れ、でっ!」クルクル ガッ!!
キキィ!!
美琴「! まずい!」ダッ
美琴「まっ―――!!」スカッ
上条「あばよ!」ヒラヒラ
打ち止め「あ……」
美琴「……ッ!」
シャルルミサカ「……追いますか?」
美琴「当っ然よ! この邪魔な車両を谷底に突き落とすわよ!」
「「「「「オー!」」」」」
上条「ふーっ、危なかった」
建宮「へっへ、あの海賊達をまくたぁやるじゃねぇの!」
禁書「カッコよかったよ、とうま!」
上条「そ、そうか?」
禁書「ふー、安心したら力が抜けてお腹減ってきたんだよ」クゥー
上条「はっは、もしかしてインデックスは大食いキャラなのか?」
禁書「んー、そうなのかな?」エヘヘ
建宮「(お熱いねぇ……)」
美琴「そぉ、れぇええええええええええええ!!」ググググ
アンリミサカ「! この気配……お姉さま上です!」
美琴「上?……あれは軍隊の飛行艇……気づかれたみたいね」
シャルルミサカ「どうしますかお姉さま」
美琴「舐められたまま引き下がれないわ、すぐ出発よ!」
アンリミサカ「そぉれ、了解です」
ジャンミサカ「ハァハァハァ」
美琴「アンタはいつまでその状態なのよ!」
建宮「なっのよななっのよな~♪」
上条「なにそれ」
禁書「ごっはーんごっはーん♪」
上条「えぇ……?」
建宮「なっの……んん?」
上条「なんだあの線路の先にあるもの?」
建宮「こりゃおどろいた、ありゃ軍隊なのよな!」キキキィ
上条「こんなところに軍隊?」
建宮「おーい、この子達を保護してやってくんねぇか!」
上条「海賊に追われてるんだ!」
ガチャ
「……」スタッ
禁書「ッ!!」
上条「インデックス?」
禁書「―――ごめんっ!」ダッ
上条「なっ!」
「待て!」ダッ
上条「くっ、させるかっ!」ガッ
「足をッ!!」ドタッ
上条「インデックスー! 待ってくれ!!」ダッ
「くそっ!」スッ
建宮「その銃を下ろせ、間違っても子供に向けるようなものじゃないのよな」ギラッ
「くっ……フランベルジェだと!?」
上条「インデックス! どうして逃げるんだ!?」
禁書「あっ、あのねとうま私実は海賊に追われる前は―――」
美琴「いたいたいやがったわねー!!」バリリリリリ!!!
上条「!! もう追いついてきやがった! インデックスこっちだ!」グイッ
禁書「あっ……」グイッ
アンリミサカ「脇道にそれました」
美琴「そのまま進んで!」カチャ バン!!
バタン
シャルルミサカ「さすがお姉さま! バーを倒すことによって進路を二人の方に変えた、とミサカは解説気味に話します」
フィリップミサカ「さすおね」
上条「くそっ、このままじゃ―――」
ドンッ!!!!!!!
上条「はっ!?!?」グラッ
美琴「なっ!?!?」
シャルルミサカ「装甲車から発弾、線路橋が崩れます」
ルイミサカ「まさか撃ってくるなんて……とミサカは動揺します」
打ち止め「う、うわわ……」
美琴「くっ……走って!!! 全速力!!!」
アンリミサカ「了解」
ガラガラグラグラ
上条「インデックス!! 走れ走れ!!!」グイッ
禁書「と、とうま!は、はや!」
上条「くそっくそっ! なんで軍が!!」
ギャリリリリリリ!!!!
美琴「アンタ達!! 崩れるわよ!! 捕まって!!」
上条「捕まってだぁ!?!? 誰がおとなしく海賊に捕まるってんだ!!」
美琴「あー! そうじゃなくてこのままじゃアンタ達も谷底に―――!!」
上条「ああそうかい!!……なら、飛び込んでやるさ インデックス!!!」バッ!!
禁書「えっ!? あっ―――!!」バッ
ギャリリリリリ!!!!
美琴「やっ、ちょ、バカ!!!」キキィイ
アンリミサカ「渡りきることに成功です、とミサカは報告します」
ルイミサカ「ですが、あのお二人は……」
打ち止め「あ、危ないよ! そんな崩れかけの線路に捕まるなんて!!」
シャルルミサカ「それにあの男の人は片手で二人分を支えています、そう長くは持たな―――」
上条「くっ……」プラーン
美琴「……ギリッ」
美琴「~~~っ!!!! ああもう!!!」ダッ
ルイミサカ「お姉さま!?」
アンリミサカ「危険です! 崩れかけの線路に飛び込んでいくなんて!」
打ち止め「お姉さま!ダメ、戻って……助けて!!!」
美琴「んのバカぁああああああああああああああああああああ!!」ビリリダダダッ
グラグラ
上条「くっ……」プルプル
禁書「と、とうま……」
上条「悪いインデックス、これしか思い浮かばなかったけど……」
上条「よくよく考えたらまだ捕まってた方がよかったかもな……はは、ごめん」
禁書「ううん! とうまはがんばってくれたもん! どんな結果になったって……私は」
上条「はは、ありがとう……でも、手がもう限界だ」
禁書「……とうま」
上条「……けどさ、インデックス……俺が賭けたのは実はこっからなんだぜ」
禁書「え?」
ガラガラ
上条「さあ、俺の不幸かはたまたインデックスの加護か……」プルプル
グラグラ
上条「……ッ、どうだっ―――!!」パッ
禁書「ッ……!!」
美琴「ま、に、あえぇえええええええええええええ!!!!!」バッ!! バリリリリ!!!
上条「…………」
禁書「…………あれ?」
上条「……落ちてない」
美琴「ハァハァ……つ、捕まえた」バリリリ!!!!
上条「レールが……ドーラが操っているのか!?」
禁書「こんなことができるなんて……」
美琴「アンタたち! 動かないでよ!! こっちが崩れそうなんだから!!」グラグラ
上条「ああ!……さすがにもう飛び降りる勇気はないな」
禁書「だね……海賊に捕まっちゃったけど」
美琴「くっ、おっも、い……引き上げるのは、一人じゃ……」
シャルルミサカ「お姉さまー!! 今助けに行きます!!」
美琴「お願いー!! 誰か一人くらいならまだ―――!!」
シャルルミサカ「了解です、ならミサカが―――」
美琴「ダメ!!! 来るなぁ!!!!」
シャルルミサカ「え―――」
「さっさと次を撃て、あの薄汚い海賊風情に当てるつもりでな」
ドォォオオン!!!!
打ち止め「なっ―――」
アンリミサカ「二発目……ッお姉さま!!」
フィリップミサカ「お姉さま!! 大丈夫ですか!?」
ルイミサカ「は、橋が完全に崩れて……」
シャルルミサカ「!! いた! お姉さまと二人!!」
ジャンミサカ「お、落ちて行く……」
美琴「く、っそ……躱すためとはいえ自分から飛び降りることになるとはね……」
美琴「どうする……あの二人を助けようとすれば私が助からないかもしれない……」
美琴「三人分の重さを支える力は……」
美琴「(クソ、時間が……!!)」
上条「おい!!! 捕まれ!!!」
美琴「……え?」
上条「早く!! さっきみたいに電気やなんかでこっちにこい!」
美琴「で、でも―――!!」
上条「早く!!!」
美琴「っ!!」ジジジ
美琴「うわっ!」グイッ
上条「くそっ……頼む……」ギュッ
美琴「ちょちょちょ、ななに抱きしめてんのよ!」ワタワタ
上条「頼む……頼む」
美琴「……諦めなさい、なにに頼むっていうのよ」
禁書「……―――」
上条「頼む…………インデックス!!」
禁書「―――身の危険に伴い『自動書記』で覚醒します」
禁書「『守りの呪文』詠唱」
禁書「『 』」
美琴「こ、これが……この子の……」
上条「やっぱり、インデックスは……」
禁書「自重以上の過負荷により、減速力の低下」
禁書「このままでは時速20㎞/hほどで地面に衝突するでしょう」
美琴「そのぐらい速度が落ちてれば……あとは私がなんとかするわ」
上条「できるのか?」
美琴「アンタ、私を『雷のドーラ一家』の船長、美琴・御坂・ドーラと知ってて言ってんの?」
美琴「このぐらいなら……朝飯前よっ!!」ビリリッ!!
フワァ
上条「お、おおぅ、どういう原理か分からないけど……ちゃんと着地できた」ベチャ
美琴「それはちゃんと着地できているって言えるの? しりもちついてるけど」スタッ
美琴「それとね今のはこの辺の壁とかに含まれる砂鉄をこう磁力でちょちょいとね―――」フフン
上条「インデックス、大丈夫か?」
美琴「……」
禁書「……スースー」
上条「……また寝た」
美琴「……ハァ、妹達とは逸れちゃったし、結局助けたのか助けられたのか分からないし……」
美琴「踏んだり蹴ったりね」ハァ
上条「いや、すくなくともお前は俺達を助けようとしてくれたんだろ?」
美琴「ぐっ……」
美琴「(打ち止めにはああいったけど、私もまだまだ甘いわね)」ハァ
上条「ドーラ一家の船長も意外といいやつだと思ったよ、ありがとな」
美琴「べっ、別にただその子の次いでにアンタを助けようとしただけで特には―――」
上条「さて、ここからどうしようか……」
美琴「聞きなさいよ、話は、さっきから! ねえ!」
ここまでー
>>1のフラップラーはフラップターです すません
乙
おもすろい
あげちまった
一次までには投下―
投下しまーす
上条「というか……声は聞こえるから会話はできてたけど……」
美琴「ええ……まっくらでなにも見えないわね」
上条「あ、そういや俺のカバンにランプが……って俺のカバンどこいった?」
上条「確か落ちてきた時この辺に……」ゴソゴソ
上条「ん?」フニ
禁書「!!~~~~きゃぁあ!!//////」ガブ!!!
上条「ぎゃぁぁあああああああああああああああああ!!!!!痛い痛い痛い!!」
禁書「~~~っ、と、とうま!? ご、ごめんかも!」パッ
上条「あ、ああ……いや、俺が悪かった」
美琴「見えなかったけど大体想像ついたわ……ったく」
美琴「それ」ビリリ
上条「あった! 明かりサンキュー、ええとビリビリ?」
美琴「美琴・御坂・ドーラってちゃんとした名前があんのよ!」
上条「はいはい、わかったわかった、っと」シュボッ
禁書「あ、とうま……と海賊の人」
美琴「……どうも、お宝さん?」
上条「インデックス、どこも怪我してないか?」
禁書「うん、大丈夫なんだよ……それよりも」
禁書「私、昨日もこうして落ちてきたのかな……?」
上条「さっき落ちてきたことは覚えてるのか?」
禁書「うん、とうまが頼むインデックスって言ってたのが聞こえて、それで……」
禁書「私も助けて!って思ったらあんな変な感じになって……」
美琴「……」
上条「変な感じ?」
禁書「うん、私は間違いなく私なんだけど、こう、後ろから私を見てるみたいな……?」
上条「……すまん、よくわからないけど、とりあえず記憶はあるってことなんだよな?」
禁書「うん、とうまのことも昨日忘れてたこともちゃんと覚えてるかも」
上条「そっか、よかった」
美琴「……ねぇ、アンタここから出る道とか知ってたりするの?」
上条「いや、出口の位置は知らないがあることはある、このあたりは鉱山だらけだったからな」
美琴「こんなところに?」
上条「ああ、その前に……」ドッコイショ
美琴「? 何よ、座り込んで……」
上条「飯にしよう!」
禁書「わーい!」
美琴「……はぁ!?」
上条「パン」
禁書「うん」
上条「めだまやき」
禁書「うんうん」
上条「りんご!」
禁書「わーい!」
美琴「……いやいや、なんでこんなところでご飯なのよ、てかそのカバンなんでも入ってるわね」
禁書「魔法のかばんみたいだね!なんでもでてくるかも!」
上条「はは、まぁ打ち止めと俺達で昼ご飯でも食べようと思ってたからさ」
美琴「…………ふぅん」
上条「腹が減っては戦が出来ぬ、ってな」
禁書「いただきますなんだよ!」
上条「モグモグ……ん? ビリビリ、お前食べないのか?」
美琴「誰がビリビリよ!? というか戦が出来ぬってその戦相手があたしじゃない」
美琴「敵に塩を送るとはまさにこのことじゃない」
上条「敵か……まぁ、確かにそうかもしれないけど」
上条「今ぐらい、出口を見つけたい者同士仲良くしててもいいんじゃないか?」
上条「それにさっきだって助けようとしてくれたじゃないか」
美琴「……べ、別に私一人でも出口ぐらい見つけられるし? それにお腹も減ってn―――」クー
上条「……」
禁書「かわいい音がしたかも」
美琴「~~~ッ//////」
上条「そういや、インデックスは結局空から来る前はどこにいたんだ?」
禁書「ゴンドア、ここから結構北にある所かも」
禁書「両親はいないけど、平和なところで特に困ることもなく過ごしてたんだけど……」
美琴「軍の……いや、政府の連中が嗅ぎつけたってことね」
上条「政府? 軍隊とは違う恰好のやつらのことか?」
美琴「まぁ、そんなかんじ」
上条「……なぁ、こんなことを直接聞くのはどうかと思うが……」
上条「それにさっきも釘を刺されたばかりなんだけど……」
上条「どうしてインデックスを狙うんだ、ビリビ……御坂」
禁書「とうま!」
上条「さっきも言ったろ、巻き込まれても構わないってな」
上条「で、狙う理由はなんなんだ、御坂」
美琴「そりゃその子に狙うだけの価値があるからよ」
上条「さっきのような不思議な力のことか?」
美琴「どうかしら? その子も詳しくは言ってほしくないみたいだし」
禁書「……」
上条「……分かった、俺からはもう聞かないよ」
美琴「賢明ね、知らない方がいいこともあるものよ」
禁書「ごめんねとうま……」
上条「いいって、これも何かの縁だと思ってるしさ」
ザッザッ
上条「! 誰か来る!?」
美琴「(妹達かしら? いや……違うわね)」
「患者かな? 患者が三名いる気配がしたんだがね」
上条「冥土返し!?」
美琴「カエル顔っ!!?」
冥土返し「おや、よく知っている顔がいるようだね」
冥土返し「それに…………そうか」
上条「冥土返し、どうしてこんなところに!?」
冥土返し「なに、こんな地下に患者がいては困るからね、時々ここに降りてきているんだ」
冥土返し「ここは静かでリフレッシュできるからその意味もこめてね」
美琴「主にそっちメインでしょ」
上条「それじゃあ出口の場所を教えてほしいんだ」
上条「あの子が海賊と軍に追われていて、その隣が追っている海賊」
禁書「ど、どうも」
美琴「海賊でーす」
冥土返し「ふむ、中々に奇妙な構図だね」
上条「にしても冥土返しがこんなとこにいるなんて思わなかったよ」
冥土返し「僕はどこにでも現れるよ、患者がいるかぎりね」
上条「頼もしいな」
冥土返し「さて……ふう、少し疲れたね、ここで休憩しよう」
美琴「え、ここで?」
冥土返し「……それと、少し昔話をしてもいいかな?」
上条「え、ああ、いいけど、なんで急に?」
冥土返し「随分と……懐かしいことを思い出してね」ジィ
禁書「?」
美琴「?」
上条「?」
冥土返し「よいしょ、そうだね……まずは僕が軍医だったころの話でもしようかな」
上条「ええ!? 冥土返しが軍医!?」
冥土返し「昔の話さ、まぁ追放という形で追い出されたんだけどね」
禁書「なにか悪いことでもしたの?」
冥土返し「悪いことと言えばそうだね、ただ軍にとっては都合の悪いことだったんだ」
冥土返し「……人体実験の、失敗というのはね」
上条「!!!」
美琴「じ、人体実験の……失敗!?」
冥土返し「そうだ、もう数十年前の話だが、噂として消された事実なんだね」
冥土返し「科学の発展が目覚ましいと言われてはいるが……」
冥土返し「実は今の技術は数十年前からほとんど進化していない」
冥土返し「政府や軍が隠ぺいしているだけで、進化自体はもう止まってるんだ」
冥土返し「いや、突き詰めていえば進化させるつもりがない、といったところだね」
上条「と、止まってるって……なんで……」
冥土返し「それはおいおい、ね」
冥土返し「つまり、数十年前には既に人体実験が可能なレベルまできていたんだよ」
美琴「……でも、人体実験なんて、倫理的にどうなのよ」
冥土返し「そう、公に公表すれば猛烈な批判を浴びただろう」
冥土返し「だからこそ政府は内密にこの実験をすることにした」
冥土返し「詳しくは言えないが……いわばこの実験は人体の限界を超えるための実験だった」
冥土返し「言わば、改造人間や超能力者といったところだね?」
美琴「超能力……」
冥土返し「軍医だった僕はその執刀医になった、もちろん気は向かなかったがね」
冥土返し「ただ、僕は失敗する自信がなかったこと」
冥土返し「例え失敗したとしても患者に悪影響がでないことを分かっていたからね」
冥土返し「科学の発展と自分に言い聞かせ、わり切った気持ちで執刀に臨んだんだ」
上条「でも、結果は……」
冥土返し「そう、失敗したんだ」
冥土返し「失敗、それはすなわち被験者になんの変化も現れなかったということだね」
冥土返し「もちろん、失敗させるつまりなんてなかった、いくら気が向かないとはいえ僕は医者だ」
冥土返し「執刀には真摯に取り組んでいるつもりだった」
冥土返し「それから政府はすぐに人体実験の中止を命令、その実験は被験者一人の失敗という結果に終わった」
冥土返し「倫理に反している成功しない無駄な実験を続ける意味はないからね、すぐに中止になった」
冥土返し「そしてそのすべての実験の責任を背負った僕は追放という形で軍を去った」
禁書「その被験者の人はどうなったの?」
冥土返し「さあ、噂じゃ遠いところで平和に暮らしてるとでも」
冥土返し「人体実験は失敗で終わったから行ったという証拠がない以上、噂以上の広まりはなかったみたいだね」
美琴「……」
冥土返し「ただ……その噂を信じる人たちがいた」
冥土返し「どこで聞いたのか分からないが、軍を去った僕に人体実験をしてくれという人が現れたんだ」
冥土返し「色々あったんだけど、結局僕は執刀したんだ」
上条「結果は……?」
冥土返し「失敗した」
冥土返し「やはり能力の発現はなく、失敗という結果になった」
上条「……」
冥土返し「ただ……そこで僕はようやく気付いたんだ」
冥土返し「実験は成功しているんじゃないか、ということに―――」
上条「で、でも改造人間や超能力者になったわけじゃないんだろ?」
冥土返し「僕は失敗しない絶対の自信があったにも関わらず二度も失敗したことに疑問をもった」
冥土返し「さすがにおかしい、と これでも僕は結構腕の立つ医者だと思っていてね」
冥土返し「ただ、この失敗を成功と裏付ける証拠はない、僕の推測だからね」
禁書「推測って?」
冥土返し「遺伝だよ」
冥土返し「遺伝によって、埋め込まれた遺伝子情報が後世になればなるほど強くなる」
冥土返し「つまり、その被験者の子供、孫そのまた子となればなるほど」
冥土返し「超能力は強化されていく、と推測しているんだね」
冥土返し「ところで、数十年前に執刀した人の子ということは今はいくつくらいなんだろうね?」
禁書「少なくとも執刀後に生まれているわけだから……」
上条「冥土返しの年齢から考えて……俺らとあんまり変わんないんじゃないかなぁ?」
冥土返し「そうだね、だとしたら君の周りにいないかな? 僕の成功を裏付ける超能力者が―――」
上条「そんな人いな―――あ!」
美琴「なるほどね、それが私たちの能力のルーツってわけね」ビリビリ
美琴「その第二の被験者の名前は 美鈴・御坂・ドーラね?」
冥土返し「その通りなんだね、海賊らしく僕を強奪していったよ」
冥土返し「そして『私を超能力者にしてよぉううらぁいヒック』と言われたのを今でも忘れないんだね」ニコッ
美琴「なにやってんだか……」ハァ
美琴「でも、この力の秘密が知れてよかったわ、マm、母親はすごーすごーいとか言って説明しなかったけど」
上条「めっちゃはぐらかされてんな」
冥土返し「ところで旅掛君は元気かい?」
美琴「へっ?パp、ゴホン父親のことも知っているの!?」
冥土返し「そりゃあ彼も軍にいたことがあるからね」
美琴「……ぇぇえええええええええええええええええええええ!!」
美琴「海賊やる前は軍にいたの!? 何考えて海賊になったって言うのよ!!?」
冥土返し「元々美鈴君が海賊だったからね、それに旅掛君が乗っかったという事だ」
美琴「……惚れたからかしら?」
冥土返し「おそらくね」
上条「待てよ……という事は今のドーラ一家の前からドーラ一家はあったってことか?」
美琴「そりゃそうよ、言ってしまえば今は二代目ドーラ一家」
美琴「初代ドーラ一家はラピ―――今もお宝を探しにいってるわ」
美琴「まぁ、帰ってこないから私が二代目をやってるわけなんだけどね」
禁書「らすとーだーがそんなこと言ってたかも」
上条「あーそういえば」
冥土返し「その旅掛君にも軍にいた間、仲のいい友人がいてね」
美琴「あ、それは聞いたことあるわ確か……パズー」
上条「え?」
美琴「刀夜・パズー・上条だったかしら?」
冥土返し「うん、そのとおりだね」ニコニコ
上条「ぇぇぇええええええええええええええええええええええええ!?!?」
美琴「な、なによ?」
上条「それ、俺の父さんなんだけど……」
美琴「はぁああああ!? あ、アンタ名前は!?」
上条「当麻・パズー・上条……」
美琴「……聞かされたことあったわ、ちっちゃいころに」
上条「俺も旅掛って名前を聞いたことあるような……」
禁書「す、すごい縁かも……」
冥土返し「二人共軍を抜けたあとも親交があってね、よく会っていたみたいだね」
上条「そういやなんで父さんは軍に入ったのに冒険家になったんだ?」
上条「海賊になった旅掛さん? の理由は分かるけどさ」
冥土返し「まぁ……旅掛君の影響といってもいいことかもしれないな」
冥土返し「―――ラピュタ」
上条「!!」
禁書「!!」
上条「父さんが見つけた……」
美琴「……パパが探しているお宝よ」
上条「えっ!? じゃあ……」
禁書「…………」
冥土返し「そう、なんの巡りあわせであろう、ラピュタの巡りあわせ」
冥土返し「ラピュタに関わる者たちの子達が集まったのは」
冥土返し「実に奇妙な縁だね?」
ここまでー
冥土返しの話は続く。
乙なんだな
超支援
レスどうもー
0時ぐらいに投下しまーす
投下しまーす
禁書「……これ以上、黙っておくのはさすがに悪いかも」
冥土返し「おや、少し失言だったかな?」
禁書「ううん、でも話すきっかけにはなったかも」
禁書「とうま、私が海賊や軍に追われてる理由、やっぱり話すことにしたんだよ」
上条「別に無理して話す必要はないんだぞ? さっきもそう言っただろ?」
禁書「でも、ここまでついてきてくれたとうまに理由の説明もなく黙ったままって言うのはやっぱり駄目なんだよ」
禁書「それってとうまのことを信用していないみたいで嫌だから」
上条「……そっか、なら話してくるんだな……ビリビリや軍に追われる理由」
美琴「美琴・御坂・ドーラ!」
禁書「うん、大体察してるとは思うんだけど、私が追われているのはラピュタに関してなんだよ」
上条「ラピュタ……」
禁書「私の家では家を継ぐことになった時にある古い秘密の名前が継がれるの」
禁書「両親がなくなった今、私が家を継ぐことになった時に継いだ名は―――」
禁書「インデックス・リュシータ・トエル・ウル―――ラピュタ」
上条「ら、ラピュタだって!?」
禁書「うん、これが私の家で代々継がれてる名前……」
上条「代々って……ラピュタは父さんが見つけたんじゃ……」
冥土返し「刀夜君は偶然ラピュタを発見したんじゃない」
冥土返し「あるということを確信して、ラピュタを見つけに行ったんだ」
上条「それじゃあやっぱりラピュタの存在は昔からあったのか!?」
冥土返し「まぁ、おとぎ話を信用したということなんだけどね」
冥土返し「その昔ラピュタ人は……そうだね、『ある』事によって島を空に浮かべた」
冥土返し「それが刀夜君の見たラピュタ……こんなおとぎ話なら童話にでも乗っていたはずだよ?」
美琴「……『ある』事って?」
冥土返し「……それは、まぁおとぎ話の中でしか通じないようなことだよ」
上条「????」
冥土返し「まぁ、それはさておき、そのラピュタ人の末裔とも言える存在が彼女だったわけだ」
禁書「ごめんね、こんな大事なこと黙ってて」
上条「いや、まぁ確かに大事だけど、まさかラピュタなんて……」
美琴「私達はラピュタに行く手がかりとしてその子に情報を得ようとしてたってわけ」
美琴「パ、ゴホン両親も未だにラピュタを探してるみたいだから、両親の目指すトコを探せば、ってこと」
上条「……つまり、軍や海賊もラピュタの存在を確信してる、ってことか……」
冥土返し「ところで、さっき僕が科学の進化はもう止まっているといったことを覚えているかい?」
上条「ああ、数十年前から進化していないって……」
冥土返し「ここで聞くけど、なぜだかわかるかい?」
上条「何故って……うーん、もう進化の限界まで来てるから、とか?」
冥土返し「進化に限界はないよ、常に変化することこそが進化なのだから」
美琴「……科学に必要性を感じなくなったから?」
冥土返し「その通りだ」
上条「ちょ、ちょっと待ってくれよ、科学に必要性を感じない? 今この現状でか!?」
上条「ただでさえ俺の町なんか科学不足って感じで、ほとんど人力で仕事や生活してるんだぜ?」
上条「まだまだ科学の恩恵が行き渡ってない中で科学の必要性を感じなくなるなんて……勝手すぎる!」
冥土返し「……そうだね、間違っても軍の独断で市民の暮らしを脅かしてはいけないね」
冥土返し「ただ、彼らも夢を見たのかもしれない、いい言い方をすればね」
上条「夢?」
冥土返し「そう、君や君の父親と同じ夢を」
冥土返し「君の父親が撮ってきた写真によってね」
上条「……ラピュタ?」
冥土返し「そう……ラピュタには科学を超える力があるとされているんだ」
上条「科学を……超える?」
冥土返し「まぁ、おとぎ話の中ではね」
美琴「それがラピュタの宝ってこと?」
冥土返し「一概にそうは言えない、時代によって物の価値感なんてコロコロ変わるからね」
冥土返し「ただ、今の時代はラピュタに夢を見るぐらいには価値があるらしいね」
禁書「その、かがくを超える力ってなんなのかな?」
上条「インデックスも知らないのか?」
禁書「というより、私もラピュタについて知ったのはつい最近なんだよ」
禁書「だから自分にそんな秘密があったなんて知らなかったかも」
美琴「え、じゃあラピュタの場所とか行き方とか知らないの!?」
禁書「……知らないんだよ」
美琴「ええぇ……そんなぁ……」
冥土返し「科学を超える力、言わば『魔法』みたいなものだろう」
冥土返し「意のままに世界を統べる力、無限の財貨、神の創造性、色々言われているけどね」
上条「父さんの写真、軍は信用してたのか……?」
冥土返し「まぁ、確実にそれがラピュタの存在を示したわけではないと思うけどね」
冥土返し「軍は、ラピュタが存在するという証拠を別に持ってる、と考えられるね」
禁書「……私のこと、じゃないよね?」
冥土返し「君もその一つではあるが、確信というトコまではいかないと思うんだね?」
美琴「私の両親はおとぎ話一つでラピュタを探しているってのに……」
冥土返し「ん? 君の両親は刀夜君達と一緒にラピュタを見てるはずだよ?」
美琴「え、そうなの?」
上条「海賊となにやってんだあの両親!!!!」
冥土返し「刀夜君達の冒険に旅掛君達がついていった時の写真があの写真なんだよ」
上条「めっちゃ海賊と親交深い家だったんだ……俺の家……ん?」
上条「あれ? それじゃあ海賊といたっていう目撃情報は……」
美琴「うちの親、ってことね」
上条「よりにもよって『ドーラ一家』かぁ……しかも初代」ハァ
美琴「ちょっと! なに溜息ついてんのよ! それは海賊一家に対する宣戦布告!?」ビリビビリ
上条「こんな好戦的な海賊と仲いいって聞きゃそりゃ溜息の一つもでるわ!!」
美琴「あの有名な『ドーラ一家』の知り合いって誇ればいいでしょ!」
上条「悪名高いの間違いだ!! このビリビリ娘!!」
美琴「なんですってぇ!!」
ワーギャー!! ビリビリビリ!!!
禁書「あわわ、だ、大丈夫かなとうま」
冥土返し「なに、あの子はそんなやわな男じゃないさ、それより……」
冥土返し「君は、『霊装』と『儀式』も継いだのかい?」
禁書「!! やっぱりラピュタに関係が……」
冥土返し「いや、僕の推測に過ぎないがね、彼には話す話す必要もないだろう」
禁書「……詳しいんだね、ウチの家のこと」
冥土返し「なに、君のおばあさんと知り合いだっただけさ」
禁書「おばあちゃんを知ってるの!?」
冥土返し「元僕の患者の名前と顔は忘れないよ」
冥土返し「『霊装』は見当たらないようだけど、大丈夫かい?」
禁書「とうまの家にあるから大丈夫かも、心配してくれてありがとうなんだよ!」ニコッ
冥土返し「(……君の孫は優しい子に育ったようだね)」
冥土返し「(懐かしささえ覚えるよ……ローラ)」
冥土返し「さあ、ここが出口だ」
上条「サンキュー冥土返し!! 助かったよ!」
禁書「ありがとうなんだよ!」
美琴「助かったわ」
冥土返し「気をつけて、怪我だけはしないようにね」
禁書「うん! ありがとうかも!」
美琴「さて、とこれからどうしようかしら……」
上条「! またインデックスを狙うのか!?」サッ
美琴「狙わないわよ、その子が何も知らないってことを知っちゃったから」
上条「そ、そうか」ホッ
美琴「タブン」ボソッ
禁書「な、なんか嫌な一言が聞こえたんだよ」
オネエサマー!!
美琴「ん、この声は……」
シャルルミサカ「お姉さま、よくご無事で、とミサカは姉の身を案じます」
美琴「ありがと、まぁなんとかなったわ」
ルイミサカ「こっちはあの後装甲車に狙われるわ追いかけられるわでてんやわんやでしたよ」
アンリミサカ「あの汽車の操縦士さんが半数受け持ってくれなかったらやばかったですね、とミサカは戦場を振り返ります」
上条「建宮つえぇ」
禁書「あ、らすとおーだー」
打ち止め「!!」ササッ
フィリップミサカ「ミ、ミサカの後ろに隠れないでください、とミサカは他人の前に押し出されるのを拒みます」
美琴「……打ち止め、なにか言いたいことあるんでしょ?」
打ち止め「お、お姉さま……ってミサカはミサカは……」
美琴「さ、言ってきなさい」グィ
打ち止め「う、うわっ」
上条「よ、打ち止め、なんか言いたいことでもあるのか?」
打ち止め「! ま、まだ死にたくないー!ってミサカはミサカは残す言葉はあるかに対し恐怖を抱いてみたり!」
上条「そういう意味じゃなくてだな」
禁書「らすとおーだーどうかしたの? あんまり元気ないんだよ」
打ち止め「うぅ……」
美琴「……その子はね、アンタ達を騙したと思って元気なくしてるのよ」
打ち止め「お、お姉さま!」
上条「騙した? 何を?」
禁書「……もしかして、自分が海賊だったって言わなかったこと?」
打ち止め「……」
上条「あ、それで結果的にビリビリ達に追われることになった、っていうことについてか」
シャルルミサカ「ビリビリ?」
美琴「うんそうこれのことー」ビリビリ!!
上条「危ないっ!?!?」
打ち止め「……あの、旅の者さんたち」
打ち止め「ミサカが海賊だって黙っててごめんなさい、捕まる手引きみたいなことしてごめんなさい」
上条「そんなこと―――うぐっ!」グイッ
美琴「いいから、今は聞いてあげて、お願い」
禁書「……」
打ち止め「あの、言い訳に聞こえるかもしれないけど、ミサカはお姉さま達に捕まえさせるようにしたわけじゃないの」
打ち止め「ミサカ海賊だからあんまり、その友達とか仲良くなれた子って少なくて……」
上条「(あ、それであんな嬉しそうに……)」
美琴「……」
打ち止め「だから海賊だってことはぐらかすようにして、仲良くなろうと思って……」
打ち止め「ごめんなさい、本当に旅の者さんがお宝だって知らなかったから……ううん」
打ち止め「ミサカは旅の者さんがお宝だって分かってたら捕まえようとした」
美琴「…………」
打ち止め「ミサカだって海賊だ! お宝目の前にしておあずけなんてできないよ!」
打ち止め「確かに友達ができないのはちょっと寂しいけど、でも、ミサカにはお姉様たちがいるから」
打ち止め「海賊をやめたいなんて思ったことない! って、ミサカはミサカは本当のことを言ってみる!」
美琴「……打ち止め」
フィリップミサカ「……い、いい子ですね、グスンとミサカは身内の成長を喜びます」
打ち止め「知ってたら……知ってたら、その、捕まえようとは、した、よ」
禁書「……そっか」
打ち止め「……」
禁書「それで、どうしてらすとおーだーは落ち込んでいるの?」
打ち止め「……え?」
上条「そうだな、なんで元気がないんだ? 打ち止めは」
打ち止め「い、いやだから旅の者さんたちを騙したみたいになって……」
禁書「でも騙そうとしてやったわけじゃないんでしょ?」
打ち止め「そ、それは……うん」
上条「なら別に俺からはいう事はないな、インデックスからはどうだ?」
禁書「私からもない、かな」
打ち止め「な、なんで……お、怒ったりしないの?」
上条「怒る理由がない、だろ?」
禁書「悪気がない人を怒るなんてことできないかも!」
打ち止め「あ、あっあの……」
禁書「それに、私は別に海賊だからって友達にならなかったりしないかも」
禁書「もう追っかけないって言ってくれたしね?」
美琴「……」
シャルルミサカ「えっ、そうなんですか、とミサカは確認を取ります」
美琴「まぁ、一応……そうなるわね、あとで話すけど」
打ち止め「そ、それじゃあ、まだ友達でいてくれるのかな、ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみたり」
禁書「もちろん」
上条「当然」
打ち止め「……そ、それはとっても嬉しいかな! ってミサカはミサカは喜んでみたり!」パァア
美琴「さて、あの子がさっき言ったように私たちはもうあの子を追いかけないわ……今のトコ」ボソッ
上条「おい最後なんか言ったぞ」
美琴「ま、今後の事をおいおい話すとして……ここは一旦去りましょうか」
禁書「行っちゃうの?」
美琴「そりゃ私たちは海賊だし、お宝がアナタからラピュタに変わっただけよ」
上条「それじゃあ俺とも競争だな、どっちが先にラピュタを見つけるか」ニィ
美琴「上等……海賊相手に言うじゃない」ニィ
シャルルミサカ「(なんかあの人とお姉さまが仲良くなってるように見えるのは気のせいでしょうか、とミサカは―――)」
美琴「それじゃ行くわよ! と、その前に……」
ジャンミサカ「ハァハァハァハァ」
美琴「あんたその服あの子に返しときなさいよ……」ヒクッ
フィリップミサカ「喋らないと思っていたら……うわぁ」ヒクッ
上条「姉妹に引かれるってどうなんだ……うわぁ」ヒクッ
禁書「あ、あんまりかえされたくない……かも」ヒクッ
ルイミサカ「ハッ!」ビリリ
ジャンミサカ「ウッ……」ドタッ
ルイミサカ「これ以上この美しい服を変態で汚してはいけませんね、とミサカは持ち主へ返します」ハイ
アンリミサカ「やだ…かっこいい…。」
禁書「ど、どうもかも」
ジャンミサカ「……フゥ」ホッコリ
打ち止め「うわぁ……」ヒクッ
美琴「それじゃあ、会・え・た・ら ラピュタで会いましょ、冒険家さん?」
上条「ああ、先に待っとくからちゃんと来いよ、海賊さん?」
美琴「ふんっ、それじゃ!」
「「「「「さよならー!」」」」」
上条「嵐のような一家だな」
禁書「雷かも」
上条「言えてる」
上条「…………」
禁書「とうま?」
上条「……いやさ、父さんを信じてなかったわけじゃないけど」
上条「インデックスや冥土返しの話を聞いて、実感したよ」
上条「ラピュタは必ずある! ってさ」
禁書「うん、きっとあるんだよ!」
上条「だったら絶対に見つけてやる、確かに空に会ったことを証明するんだ!」
上条「やってやる……海賊や軍よりも先にラピュタを見つけてやるぞー!」
禁書「おーっ!!」
上条「おーっ! ってインデックスも―――!?」
「いたな、捕えろ ああ、手荒な真似はするな――――――王女にはな」
ここまでー
ここまでで映画の40分分、のこり約80分分
乙!続きが気になるんだよ!
0時ぐらいに投下―
投下―
上条「ってインデックスも―――!?」
禁書「ッ……あれって!?」
上条「ぐ、軍隊だ!! 走れインデックス!!」
禁書「う、うん!」
「待て!!」
上条「くそ!! まだウロウロしてやがったのか!!」
禁書「ハァ……ハァ!」
上条「インデックス!! 地下へ逃げろ!!」
禁書「と、とうまは!?」
上条「俺も行く!! だから早く!」
禁書「ッ……あっ!!」
上条「ッ囲まれた!!?」
「もう逃げられんぞ、動くな!」グイッ
禁書「……ッ!」
上条「何しやがる!!」バッ
上条「テメェら!!一体な―――ッッ!!?」ドカッ!!
禁書「!? とうまぁあ!!」
「動くんじゃない!」
禁書「ハァアガブ!!」
「ぐあっ!」
禁書「とうま! とうま!!」ユサユサ
上条「」
「騒ぐほどのことではない、ただ気絶しているだけだ」
禁書「……あなたはッ!」キッ!
「そう睨まれてもな、些か凄みにかける、とはいえ……」
フィアンマ「このフィアンマ・ムスカ大佐の前では皆平等に肉塊にすぎんがな」
禁書「……私たちをどうするつもり?」
フィアンマ「なに、乱暴なことをするつもりはない」
禁書「とうまにこんなことしたくせに!」
フィアンマ「少々手荒になったことについては謝罪しよう」
フィアンマ「しかし、我々とてこれ以上事を荒立てるのは望んでいない」
フィアンマ「落ち着いて話せるところまで同行していただかこうか」
フィアンマ「インデックス嬢?」
禁書「……とうまも連れて行って」
フィアンマ「それは構わないが……別室で待ってもらうことになるが?」
禁書「……もしとうまに危害を加えたと私が判断したら」
禁書「ラピュタを崩壊させた後に舌を噛み切るんだよ」
フィアンマ「…………ハッタリだな」
禁書「……」
フィアンマ「まぁ、もとより危害を加えるつもりなどはない、安心しろ」
フィアンマ「さて、それではいこうか俺様の城に、な」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
上条「」
上条「……ぅ」
上条「ッ……!!」ガバッ!!
上条「ここ、は……?」
上条「ッインデックスは!? ッおい、開けろ!!」バンバン
上条「……捕まっちまったみたいだな……インデックス」
「手ぇぬるぅい」
フィアンマ「手ぬるい?」
「初めから軍を動かしてればここまで時間はくぁからなかっただろう!」
フィアンマ「そう急くな、貴様の悪い癖だ」
「貴様ッ……ぅ私をだぁれだと思っているッ!!?」
フィアンマ「俺の前では貴様など肉塊にすぎん」
ビアージオ「私は将軍だ! かのビアージオ・ブゾーニ将軍に向かってなぁんたるっ―――!!」
フィアンマ「貴様が不用意に打った暗号が解読され海賊どもの強襲を受けたのだぞ?」
ビアージオ「ぬぁに!?」
フィアンマ「軍お抱えの貴様の自慢の部隊だかなんだか知らんが」
フィアンマ「俺の邪魔をするならば、それは政府に対する反抗意志として見受ける」
ビアージオ「くっ……」
フィアンマ「とまぁ、後ろ盾だけでも脅せるような連中にいちいち興味をもつようなこともない」
フィアンマ「邪魔させしなければ貴様らは貴様らでやりたいことをやればいいさ」
ビアージオ「この……ッ!!」
フィアンマ「それでは、精々がんばってくれ、将軍殿」ガタッ
ビアージオ「……ッ青二才がぁ!!」
禁書「……」
禁書「……とうま」
フィアンマ「ごきげんはいかがかな?」
禁書「ッ、とうまは!?」
フィアンマ「ふむ、俺様が選んだ服は気に入らなかったか?」
禁書「うん、とっても気に入らないかも」
フィアンマ「……」
禁書「私には自分の服があるから他のはいらないかも」
フィアンマ「……あの小僧の事なら安心しろ」
フィアンマ「俺様の頭よりも頑丈なようだからな」
禁書「……とうまに会わせて」
フィアンマ「もちろん、だがそれはこちらの用件が済んでからだ」
禁書「用件? またお話?」
フィアンマ「話もそうだが……見てもらうものがある」
禁書「見てもらうもの?」
フィアンマ「ラピュタの、手がかりとなりえるものだ」
禁書「!!」
禁書「(やっぱり……おじいさんがいってた証拠が軍にはあるんだ……」
フィアンマ「……」スタスタ
禁書「……」スタスタ
フィアンマ「……」
禁書「てがかりって、なにをみせるつもりなの?」
フィアンマ「……そうだな」
フィアンマ「言わばラピュタが作り出した新たな概念といったところか」
禁書「新たな概念……?」
フィアンマ「そうだ、この世界にはない新たな概念を形にしたようなもの……」
フィアンマ「ラピュタの共に天空へ上がった人間は偶像を崇めるといったことを行った」
フィアンマ「そして……それは科学という大いなる力さえも上回る新たな力を手に入れる手段となった」
禁書「(かがくが退廃した理由……!!)」
フィアンマ「偶像を崇め力を手に入れる手段の事を―――」
フィアンマ「『宗教』と名づけた」
禁書「しゅうきょう……?」
フィアンマ「ラピュタの文化ともいえるものだ」
フィアンマ「『神』といえる偶像を作り出し、崇める」
フィアンマ「『信仰』」
禁書「!!」
フィアンマ「どうやらこの言葉は聞いたことはあるようだな」
フィアンマ「奴ら……ラピュタ人は『宗教』という新たな文化を取り入れることにより力を得た」
フィアンマ「原理などは一切不明、科学の定義では測れないような力でラピュタを空へ飛ばした」
フィアンマ「そして地上にはラピュタ人が残した『宗教』や『信仰』といった言葉だけ……」
禁書「……」
フィアンマ「そんないい加減な言葉が書いてある資料などではラピュタの存在が認められるわけはない」
フィアンマ「事実、この世に『宗教』という概念は広まっておらず、ラピュタの存在は否定されている」
フィアンマ「……これから見せるのはそれを埋め合わせるほどの証拠だ」
フィアンマ「百聞は一見にしかず、見るがいい―――」
フィアンマ「ラピュタ人の『信仰』が生み出した―――『天使』を」
禁書「こ、これは……っ!?」
フィアンマ「『天使』とよばれる、文字通り天に使える者のことだ」
フィアンマ「葉脈上の翼に能面のような顔、体はなにで出来ているかも分からん」
フィアンマ「生物なのかそうでないのか……それすらも地上の科学力では分からない」
フィアンマ「故にこれが壊れているのか死んでいるのか……まぁ、どちらでもいいか」
禁書「……」
フィアンマ「この『天使』の存在によっていかに、この地上とラピュタとの乖離性が見て取れるだろう」
フィアンマ「はっきり言ってこの先、『科学』がラピュタに勝るようなことはないだろう」
禁書「……」
フィアンマ「さて……これでラピュタの存在は知ってもらえたと思うが……」
フィアンマ「我々にはラピュタの位置を知る術がない」
禁書「私だって知らないんだよ! 本当に!」
フィアンマ「なにか、教えてもらっているはずだ、そう例えば……」
フィアンマ「『信仰』の仕方……とかをな」
禁書「!!!」
禁書「……」
フィアンマ「インデックス嬢、我々がラピュタを探す理由を知ってもらいたい」
フィアンマ「先の説明の通り、ラピュタには地上には抵抗のできない恐るべき力がある」
フィアンマ「それが未だ空を浮遊していることが平和にとってどれほど危険なことかわかるだろう?」
禁書「……あなたたちがラピュタを手に入れたら世界をどうするの?」
フィアンマ「俺様は世界を救う」
フィアンマ「恐るべき力は戦争の抑止力となり、救われぬものを救う」
フィアンマ「救ってあげるんだよ、ラピュタで世界を」
禁書「……世界はそんな救われ方を望んでない」
フィアンマ「方法はどうあれ今この世界は救済を望んでいる」
フィアンマ「それに貴様もあの小僧が救われることを望んでいるだろう?」
フィアンマ「インデックス・リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」
禁書「!!!」
フィアンマ「ラピュタ語でウルは『王』を表わしトエルは『真』を表わす……」
フィアンマ「貴様はラピュタの正当な王位継承者、インデックス・リュシータ王女だ」
禁書「私、が……ラピュタの……?」
フィアンマ「貴様の一言でラピュタは姿を現す、また、貴様の一言で小僧は命を落とす」
フィアンマ「選べ、世界を救う手助けとなるか、一人の少年を見殺しにするか……」
禁書「そ、そんな……私……」
フィアンマ「しかし、ここまでラピュタについて知らなかったとは驚いた」
フィアンマ「大方、このままラピュタの存在を無にしようと考えたのだろうな」
禁書「……」
フィアンマ「さぁ王女よ、俺様にラピュタへの道を示してくれる気になったか?」
禁書「……」
フィアンマ「それとも……伝説とともに永遠に眠る覚悟ができたのか?」
禁書「…………」
禁書「私は――――――」
ここまでー
乙
乙乙!
続き待ってますねー
まだですかー?
まだですかー?
わたしまーつーわー♪
いつまでもまーつーわー♪
はよー
まだなのか
このスレに行くと楽しいよ
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しょうもない