【艦これ】艦娘「提督が寝てる……」 (38)

【加賀の場合】



「提督、失礼します」

「あら……寝ているの?」

「最近忙しかったものね……」

「……机の上では風邪をひいてしまうわ」

「毛布でもかけてあげましょうか」バサッ

「…………」

「本当に寝ているのかしら?」

「頬をつついてみましょうか……」ツンツン

「起きない……熟睡ね」

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「……提督を残してこのまま立ち去るのは少し気が引けるわね」

「暫く書類でも眺めながら様子を伺いますか」

「この書類はこうで……あら、ずいぶんと懐かしいものが出てきたわね」

「これは私が着任した時の頃のものかしら……あの頃は提督のことなんてただの人間としか思ってなかったわね」

「どうせ皆私を運用する、他の空母なんて使いもしなくなる……そう考えていたわ」

「でもあなたは違った」

「私より古株の五航戦や赤城さんをひたすら使い続け、私の出番なんてむしろなかった」

「驚いたわ。どこの提督も性能で艦娘を選んでいたから、こんな人は初めてだった」

「去年の春頃だったかしら、漸く私の強さに気が付いて運用し始めたわ」

「やっと私の強さに気が付いたわね、と思ったのも束の間……ここぞという時以外はやっぱり他の空母も均等にあなたは使った」

「それでも着実に戦果を挙げるあなたを、私はだんだんと目で追うようになった……」


「どうしてそこまで均等に使うの?強さだけならば私がいればいいのでは?いつの日かそう聞きました」

「そうしたら、『全員仲間だからに決まってるだろ』ですって……馬鹿みたい、ふふっ」

「空母や戦艦の大消費にも、『いっぱい食べる姿を見るのが楽しい』って言ったりね」

「あなたは欠点ではなく長所ばかりをみてくれる」

「一緒にいると楽しい、気分がいい」

「そう、そんなあなたが、私は……」

「…………」

「誰も見ていないわよね……?」

「…………」チュ

「…………いつまでもあなたの傍に」

「もちろん他の皆も一緒に、ね」


【青葉の場合】

「司令官!聞いてくださいよ!……ってあれ?」

「あちゃあ……寝ちゃってますね」

「司令官がこんなおおっぴらに寝てるのなんて初めて見ました」

「……寝顔写真、頂いちゃいましょうかね」

「どの角度で取りましょうかねぇ」

「うつ伏せでちょっと顔を横に向けてる感じですし、やや下から正面で行きますか」

「よーし、この位置ですね」

「……司令官って結構整った顔してますよね……」

「やたらいろんな方に間違われたりしてますけど百面相か何かなんですかね」

「……はいっチーズ」パシャ

期待してる

「この写真どうしましょうかねぇ」

「新聞に載せれば皆注目してくれるでしょうか」

「それとも単品で売りつけた方が儲かるかもしれませんね」

「うーん……」

「でも司令官の寝顔ってとっても貴重ですし……」

「青葉、正直独り占めしたいです」

「……よし、やっぱりこれは青葉専用にしましょう」

「司令官、このカメラにはたくさんの思い出が詰まってます」

「実は青葉、カメラが好きなのは直接自分の目で人を見るのが怖いからなんです」

「過去の自分の多くの失敗……それを思うと皆からの視線が怖いんです」

「でもレンズ越しなら自分の目じゃなくて、別の誰かの目で人を見れると考えた……」

「青葉は臆病者です」

「司令官はそんな青葉をずっと見ててくれますか?」

「青葉、ホントは司令官だけ見ていたいんだけどなあ……なんてね」

「ゆっくり休んでくださいね。青葉がこの目で司令官を見ていますから」

【夕立の場合】



「提督さん!!あーそーぼ!!」

「っぽい?寝てるっぽい……」

「えーっせっかく任務早く終わったのにぃ……」

「起こすのも気が引けるっぽい……」

「…………」

「うーっ……暇っぽい!!」

「何かないかな?」

「……提督さんの着替えが見つかったっぽい!!」

「くんくん……安心する匂いっぽい」

「…………」

「提督さんから直接だったらもっと……」

「すんすん……ふぁぁ~なんだかいい気分っぽい」

「あったかいし最高っぽい……」スリスリ

「提督さぁん……」

「夕立がこの姿になっても可愛いってずっと言ってくれた……」

「急に自分が変わっちゃって怖かったっぽい」

「でも提督さんがいたから他の皆とも楽しくやっていけてるっぽい」

「提督さんのためなら夕立、何でもするっぽい」

「提督さん大好き……これはぽいじゃないっぽい」

「……なんだか眠くなってきちゃった」

「……提督さんの布団、きっといい匂いに溢れてるっぽい」

「ついでに帽子も拝借して……」

「んん~~……」クンクンスリスリ

「…………zzz」



提督が起きた後めちゃくちゃ遊んだ

【大井の場合】



「提督?北上さん見ませんでした……って」

「寝てるのね……」

「普段ならこのタイミングで北上さんに会いに行くのだけれど、見つからないんじゃねぇ……」

「それにしてもこんな寒い時期に何も被らずに寝てたら風邪ひくんじゃないのかしら」

「…………」

「一応布団掛けてあげますか」バサッ

「はぁ……全くだらしがないわね」

「普段作戦指揮しているときはこんな隙見せないけど、結構この人目が離せないのよね」

「大体この前も北上さんの元に行きたいならいつでも行けばいいなんて言っちゃって……秘書艦が提督の傍を離れてどうするのよ」

「……まぁ、私も提督がこうやって寝てる間とかは北上さんのところに行ったりしてますけど」

「仕方ないわよね、北上さんが女神過ぎるんですもの!!」

「でもまぁ、提督のことも気になってはいますよ」

「本当に邪険に扱ってるなら酸素魚雷に触らせたりなんてするものですか」

「酸素魚雷は北上さんの次に大事なものなんですから」

「ただ、男の人ってどう扱えばいいかわからないのよね……」

「料理にちょっと愛情(薬)を入れたりもしたけど全然提督には効果なかったし……」

「……私だってもう練度が上がりきらないほどの古株なんだから、この胸にある気持ちには気づいていますよ」

「提督も愛していますっていう言葉も嘘じゃありません」

「あとはあなた次第……どういう選択をするのも構わないけれど、北上さんを悲しませることだけは許しませんからね?」

「それが私の気持ちです」

「はぁ……一人で何言ってるのかしら」

「さて、北上さんの居場所がわからないとはいえここで油を売ってるのもどうかと思うし、探すのを再開しましょうかね!」

「提督、それじゃあね」ガチャ、バタン


「ふぅ……北上さーん!!今大井が参りますねー!!」

【鈴谷の場合】



「チーッス、提督いるー?」

「起きてるぞ。こんな夜中にどうした」

「あれ!?なんで起きてんのさ!?」

「そりゃあここ最近昼寝ばっかりしていたら眠くならなくもなるさ」

「ええー……がっかりじゃん」

「なんでだ、起きていた方がいいだろうに。寝てたら何も話せないぞ?」

「そういうことじゃなくて……あーもういいや!!」

「変な奴だな」

「折角だから今日はオールナイトしちゃお!!」

「する意味が分からんのだが……」

「いいじゃんいいじゃん。提督だって夜型人間じゃんか」

「いや、単純にいつも仕事が終わらなくて徹夜してるだけなんだがな……今みたいに」

「じゃあそれ手伝うからさ、ね?」

「分かった分かった。じゃあこの計算から頼む」

「オッケィ!」

「提督ぅー、何かお腹すいてきたー」

「お前、今は夜の三時だぞ……」

「空くものはしょうがないじゃん……というわけでカレーを作りましょうか!」

「うわ、重っ」

「朝カレー昼カレー夜カレー、カレーはいつ食べてもおいしいじゃん?」

「まぁ否定はしない」

「でしょ?だから食べよ?」

「といっても間宮はもう閉まってるぞ?」

「じゃじゃじゃーん!レトルトカレー!あと○トウのご飯ー!」

「今どっから取り出したよお前」

「この四次元谷間に決まってるじゃん!提督も入ってみる?ほらほら」

「お断りだ。いいから作るなら作るんだな」

「ちぇっ、つれないなーもう」

「湯ならそこで沸かせる、電子レンジ……明石と夕張の合作だが、それも部屋の隅にしまってある」

「はーい。今から鈴谷が腕によりをかけて作っちゃうぞっ」

「レトルトで何言ってんだコイツ」

「…………」

「御馳走様……ふむ、この時間に食うカレーも悪くないな」

「うーん!!やっぱカレーは最高じゃん!!」

「しかし夜の4時か……朝飯食えるかねぇ」

「4時って夜なのか朝なのかよくわからなくなるよね」

「その辺は気分の問題だろう」

「くぁぁ~……ご飯食べたら眠くなってきたよ」

「先に寝るといい。俺はこの資料を片づけてからだ」

「ちょっと、そんな山どう考えても貫徹しなきゃ無理じゃん」

「仕方ないだろう」

「もうしょうがないな~……手伝ってあげるよ。最初に約束したし」

「いいんだぞ寝ても。乙女の肌には悪かろう」

「食べてすぐ寝たら牛になっちゃうよ。そっちの方が問題だっての」

「ふぅん……女ってのはよくわからんな」

「そんなんだからいつまでたっても誰とも一線を越えれないんじゃないの?」

「お前に言われる筋合いなんてないね」

「鈴谷が貰ってあげてもいいよぉ?」

「お前みたいな砂利ガキは死んでもお断りだ」

「ふん!男らしくない」

「ああったく……喋ってないで手を動かせ。このままだと二人でも貫徹だぞ」

「了解でーす。ぶーぶー」



(折角最近提督の寝顔が見れるって噂だったのに、意味ないじゃん……)

(でもまぁ、こういうのも悪くないかもね)

【潜水艦ズの場合】

人数多いから名前付ける




イク「提督!!艦隊帰投なのね!!」

ハチ「グーテンターク、提督」

ゴーヤ「今日のデイリー終わったでち!」

しおい「あれ、提督寝ちゃってるね」

イムヤ「今日結構早くこなせたから遊びに来たんだけど生憎だったわね」

ろー「ろーちゃんMVPだったのに……」

ゴーヤ「出直そっかぁ?」

イク「折角だから提督を観察するの!」

イムヤ「悪くないわね……どうせ暇だし」

ゴーヤ「賛成でち!」

ハチ「じゃあはっちゃん、部屋から本持ってくるね」

ろー「ろーちゃんはお菓子持ってくるねって!」

しおい「しおいは晴嵐さんの整備でもしよっかな~」

イク「提督の寝顔、可愛いのね!」

イムヤ(無言のスマホ撮影)

ゴーヤ「あっイムヤずるいでち!あとでゴーヤにもそのデータ頂戴?」

ろー「ろーちゃんにも!」

イムヤ「まぁいいけど」

ろー「ダンケ、ダンケ♪」

ハチ「この本、難しくてよくわからないね……」

しおい「どれどれ?」

イク「ドイツ語なの?」

ろー「ろーちゃんにお任せ!これはこうだなって」

ハチ「おおー流石本場の帰国子女だね」

しおい「かっこいいね!」

イムヤ「それにしても司令官、こんなに騒いでも起きないなんてそんなに疲れてたのかしら」

ハチ「昨日徹夜したらしいよ?」

しおい「なんか鈴谷さんと一緒に机で倒れてるのが発見されたらしいね」

ゴーヤ「あんまり無理しないでほしいでち……」

イク「提督はイク達に無理なことはさせないから好きなのね!」

イムヤ「そうね、同じようなクルージングは他の鎮守府でもやってるらしいけど、司令官は私たちの意見を第一に作戦を立ててくれるからね」

ハチ「いい鎮守府に着任できよねぇ」

ろー「ろーちゃんもみんなと提督のおかげですぐにここに馴染めたなって!」

しおい「馴染み過ぎな気もするけどね……」

イク「初めの頃のあの初々しさはもう残ってないのね」

ゴーヤ「日本について教えて、この鎮守府に慣れてもらおうとしていたのにいつの間にかこうなってたでち」

ろー「でっちもダンケ♪ありがとう♪」

ゴーヤ「だからでっちはやめるでち」

ろー「??でっちはでっちだなって」

ゴーヤ「ああもう面倒でち」

イムヤ「あはは、それだけ懐かれてるってことじゃない」

ハチ「お菓子美味しい。でもやっぱシュトーレンが一番かも」

しおい「しおいはお饅頭が好きだな」

ろー「ろーちゃんは提督が好きだなって!」

「「「「「!?」」」」」

ろー「良くしてくれるし、きっとろーちゃんは提督に会うためにここに来たんだなって!」

イムヤ「……負けないわ」

イク「早い者勝ちなのね」

ハチ「まぁ、好きにやってね」

ゴーヤ「そっけない振りして動転してるよぉ?」

しおい「本が逆だよはっちゃん……」

ハチ「……」

ろー「あ、提督が起きたよ!」

イムヤ(今思い切って告ろうかな)

ゴーヤ(先手必勝でち)

イク(イクの魚雷テクニックにかかれば提督もイチコロなのね)

しおい(あっ晴嵐さんの整備忘れてた)

ハチ(シュトーレン食べたいなぁ)

提督「ん?おお、帰投してたか。お疲れ様」








「「「「「「おはようございます提督(司令官)!!大好き(よ)(です)(でち)(なのね)(だなって)!!」」」」」」




















一方その頃


まるゆ「あわわわわ!!どんどん沈んじゃうよ!!助けてー!!」

【EX:卯月の場合】



「起きるぴょん司令官んんんんん!!」ダイナミックルパンダイブ


「ごっはぁぁぁぁァァァァァ!!!!」大破




終わり
もうちょっと書きたい艦いるけどネタ切れした
最近早朝にばかり投稿してる気がする
では読んでくれてありがとうございました

おつおつー

あ、まるゆはドッグにいるって設定で
海でおぼれかけを放置なんてしませんよ……ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから

おつ
大井が可愛いSSはいい物が多い

おつおつ


すばらしい


たった二行なのにこの卯月の可愛さ

乙乙
もしかしてこの大井事前登録の・・・

一言で言うとそびえ立つクソ

ただ、周りからボロクソ言われながら完結まで続けられるメンタルは素晴らしい

次はメアリー・スー系「以外」のSSをよく読んで出直してくれ

乙でした

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