【ラブライブ】~Side of A-RISE~ (8)


―――キラキラしていた。

このときの私は、誇張とか比喩とかじゃなく、本当に彼女たちが光を放っているように見えた。

私よりたった3つしか違わない彼女たち。しかし、その姿はとても大人びていて―
――

その日、いやな事があって、沈んでいた私は、彼女たちのパフォーマンスに圧倒され、自然と笑顔に、元気になれた。

しかし、それだけじゃない。

まるで恋に落ちたように、ドキドキと高鳴る鼓動。いや、実際私は一目ぼれしてしまった。
それはステージで踊り、歌を歌う彼女たちにではない。

高校生でありながら、人に元気を与える存在。

スクールアイドル、そのものに。


翌日、勢いよく職員室の扉を開け、くしゃくしゃになった進路志望の紙を担任の机の上に叩きつける。

「私、UTX学院にいきます!!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423564822

☆☆☆


───生徒会長さん、UTXに行くんだって

───あそこって入学金100万するらしいよ

───流石、天才の御令嬢様は違うわねー


「はぁ……」

ため息を一つ吐き、必要以上に机を強く叩いて席を立つと、忽ち教室は静寂に包まれる。

耳障りな小声が聞こえた辺りを睨むでもなく見つめると、その女子達はまるで警察から逃げる小悪党のように身を屈めて教室を出ていった。

………くだらない

鞄を肩に担ぎ、教室を後にする。

ほんと、どいつもこいつも馬鹿ばかりだ。
公立の、何の特色もない、小さな中学校。
生徒も教師も、張り合いの無いレベルの低い奴らばかり。

誰か、私をワクワクさせてくれる奴はいないのか?
なんて、安い少年漫画の悪役みたいな台詞を思いながら、ふと立ち止まり、鞄の中からパンフレットを取り出す。




あるいは、ここならば





私の世界を変えてくれるものが見つかるのだろうか………

☆☆☆



「奨学金?」

「はい、成績上位3名に入れば、入学金免除な上、申請さえすれば援助金がでるので、受けてみようかと」

「ここ結構遠いよ?通えるの?」

「いえ、受かったら一人暮らししようと思ってて……」

そう言うと、智花さんはすこし悲しそうな顔をした。私は構わず笑顔を貼り付けたまま続ける。

「学生向けの安いアパートも見つけましたし、お金のことで智花さんに迷惑かけることもありません」

「そんな……お金のことなら心配しなくても……」

しかし智花さんの返答は煮え切らない。初めて会った時より痩せこけ、目の下にクマが出来ている。当たり前だ。女手ひとつで四人の子供を育てるなんて、どれほど大変か……

「それに、別にお金のことだけじゃありません。私自身この学院に興味があるので」

「………そう、わかったわ」

そういう智花さんの笑顔はすこし寂しそうだった。「ごめんなさい」とまるで謝っているかのような表情にたまらず目を逸らし、逃げるようにリビングへと向かい、下の子達の遊びに参加する。


これでいいんだ。私がいなくなれば、かなり負担が減るはずなんだから。

小さなモグラ叩きにポツリと一粒雫が落ち、妹達に見られる前に慌てて目元を拭った。














―――これは、廃校を阻止しようと、一人の少女が立ち上がる数年前


夢を抱いた少女が、頂点へと上り詰めるまでの物語。



Love Live~Side of A-RISE~






期待

とりあえず衝動に任せて書いたプロローグなんで、書き溜めゼロです……

今月中にもう一回ぐらい更新できたらいいなぁ……

とりあえず乙


がんばれ

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