吹雪「……」
その人は白い上衣、白いスカート、黒のニーソックスという軍服姿でこちらを見て言った。
提督「君が吹雪か」
提督「話は秘書艦から聞いている。ようこそ、我が鎮守府へ」
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丸太のように太くて硬そうな足を揃え、同じく丸太のように太くて硬そうな腕を組み――
提督「私がこの鎮守府の提督であり、提・督(とく)型駆逐漢1番漢の提督だ。よろし――」
胸筋の厚みをアピールするようにサイドチェストを決めていた、
身長190以上はあろう女装した荒木絵のような顔をした大男と目が合った瞬間、
吹雪はそっと扉を閉めて部屋を出た。
――――――
――――
――
提督「……ふむ、失敗か?」
長門「失敗だな……やはり、基本姿勢であるリラックスポーズから順々に他のポージングへと入り」
長門「提督がどれほど強靭な肉体をお持ちかをアピールし不安を取り除くべきだった」
何となく、提督はサイドチェストからダブルバイセプスへとポーズを変える。
白いスカートがヒラリと揺れ、丸太の様にがっしりとした太ももがチラリと見えた。
提督「なるほど、一理ある。次からはその方針でいこう」
長門「そうだな」
!?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
――――――
――――
――
吹雪「…………」
吹雪(し、司令……官?)
吹雪(いやいやいやいや!!)
吹雪(あの人、女装してたから!)
吹雪(ありえないから、女装した提督とか!)
吹雪(そうだ、何かの間違いに違いない! そうに違いない!)
吹雪(よし! もう一度、確認するんだ!)
この提督さんヒューマンデストロイするぞとか言いそう
スコットランドでは男もスカート履くことあるから大丈夫だ
???「吹雪さん?」
吹雪「はへぇ!?」
吹雪「はっ、はいっ!! 吹雪であります!!」
背後から名前を呼ばれた吹雪が振り返る。
一人の少女が不思議そうな顔で吹雪を見ていた。
吹雪「……あれ?」
???「おりょ? 驚かせちゃいましたか?」
吹雪「い、いえ、大丈夫です」
???「よかった……あ、自己紹介がまだでした!」
睦月「睦月型1番艦、駆逐艦の睦月です」
吹雪「あ、私は……特型駆逐艦の1番艦、吹雪です!」
睦月「特型? 特型駆逐艦?」
吹雪「あ、はい」
睦月「うーん、特型駆逐艦って聞いてたので……」
吹雪「ん?」
睦月「てっきり、提・督(とく)型駆逐艦みたいな感じで」
睦月「提督の関係者だと思って、すごくマッチョな方だと思ってました」
吹雪「……」
吹雪「…………てい、とく?」
睦月「?」
吹雪「あの!」
睦月「おりょ? どうしましたー?」
吹雪「えっと、もしかして、この扉の向こうに居る人って……」
睦月「はい、この鎮守府の提督ですよー」
吹雪「……」
睦月の言葉を聞き、吹雪はその場で両膝と両手をついて絶望した。
とんだ変態鎮守府に着任してしまったと……。
ここまで続きは後日
これは スバラシイ
駆逐漢ワロタ
190以上はあろう偉丈夫なのに戦漢じゃなくて駆逐漢なのか…
ああ…例の漢隊これくしょんね…………
そらこんな姿お茶の間に流せんわな
どこぞのボディビルダー魔法少女かよ
女装かよ!↓まで予想してた俺の気持ちを返せ!
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46871504
――――――
――――
――
執務室から宿舎までは歩いて数分の所にある。
吹雪がこれから暮らす部屋までやってきた睦月は扉を開けて一言。
睦月「夕立ちゃん! マッチョじゃない吹雪ちゃん連れてきたんだよっ!」
吹雪「……」
あんまりな紹介をした。
部屋半分を占める大きさの高床式畳収納、その上に座っていた夕立が吹雪達を見て首を傾げた。
夕立「っぽい?」
読んでいた雑誌を閉じ、畳の上に置くと吹雪達の近くまで寄る。
夕立がじっと吹雪の顔を見つめる。
吹雪「えっと……」
夕立「うーん、あなたが特型駆逐艦?」
吹雪「あ、はいっ! 特型駆逐艦1番艦の吹雪です!」
夕立「あたしは白露型駆逐艦の4番艦、夕立。よろしくね!」
吹雪「はいっ! よろしくお願いします!」
睦月「むー、吹雪ちゃん少し硬すぎだよっ」
夕立「そうそう、硬いのは抜きっぽい!」
吹雪「えっと……うん、よろしく。睦月ちゃん、夕立ちゃん」
夕立「うん、よろしくね!」
――――――
――――
――
夕立「そうだ! これから予定あるっぽい?」
吹雪「えっと、散歩しながら鎮守府を見て回ろうかなって……」
睦月「なら、睦月たちが案内するよっ!」
――――――
――――
――
睦月「この大きな建物が工廠なんだよっ!」
吹雪「わぁ……大きい……」
工廠を見上げていると、青空に小さい何かが飛んでいるのが見えた。
吹雪「あれって……飛行機、かな?」
睦月「おりょ? 飛行機?」
睦月「うーん……あれは一航戦の先輩たちの艦載機かにゃっ?」
吹雪「一航戦?」
夕立「向こうに飛行場があるの。今、そこで練習してるっぽい?」
睦月「実際に行ってみるのが一番っ! いざ参りますよー!」
睦月が吹雪の右手を掴むと、夕立も続いて左手を掴んだ。
吹雪「へっ?」
睦月「うふふっ♪」
夕立「ぽーい♪」
吹雪「えっ!? わっ、わっ!?」
そして、飛行場の方へと吹雪を引っ張り歩いていく。
――――――
――――
――
やっぱ妖精さんも小さな巨漢なんかな
睦月「ここが飛行場だよっ」
吹雪「ここって……弓道場?」
夕立「空母や軽空母のイメージに合わせて建物のデザインをしてるっぽい?」
睦月「さぁさぁ、中に入るよぉー」
扉を開け、三人が建物の中へと入ると板張りの床の上で弓を引く、黒髪の女性の姿が見えた。
「弓を引いてる人が一航戦の赤城さん」と睦月が小声で教えてくれた。
赤城「……」
その視線は飛行場の向こうに広がる海の方へと向いていた。
吹雪が海の方を見ると60メートルほど先に小さな的が三つ見えた。
赤城が矢を放つ。
風を切り真っ直ぐ飛んでいった矢は60メートル先にある的の中心を射抜いた。
吹雪「……」
その一連の流れに吹雪は思わず見とれてしまう。
そのままの姿勢で一息置いた赤城が構えを解き、的から視線を動かした。
釣られて吹雪も赤城が見ている方向を見ると――
提督「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
――剛速球を投げる投手のように手に持った小さな木彫りの飛行機を全力で飛ばそうとする提督の姿があった。
白いスカートが捲れ、純白の下着が見えているのも構わずに提督は全力で木彫りの飛行機を投げる。
提督「私のッ!! ムァグナァァァァァムッ!!」
提督の手から放れた木彫りの飛行機はまるで弾丸のようなスピードで真っ直ぐ飛んでいくと、
60メートル先にある的を砕き、そのまま大空に向かって上昇し見えなくなった。
提督の後ろで正座し、その一部始終を見ていた加賀は立ち上がり言った。
加賀「さすが提督。無人機とは思えない素晴らしい発艦でした」
加賀「本来、艦載機の使用は駆逐艦…………いえ、駆逐漢には不可能なこと……」
加賀「……ここまで出来れば実戦投入は可能ですね」
提督「いや、まだ微妙に調整が必要だ……」
加賀「……何か問題でも?」
そのやり取りを見ていた赤城が二人に近づき言った。
赤城「慢心してはダメ。ということですね、提督」
提督「ああ、このレベルのことなら深海棲艦の駆逐イ級でも簡単に出来るだろうな……」
提督「そして、実戦投入したところで発艦時にいい的になるのがオチだ」
加賀「なるほど」
提督「それに……」
赤城「それに?」
提督「殴った方が早い」
加賀「確かに」
今日はここまで
乙
艦娘増やさず吹雪とグダクダ生活とか
誤爆すみません
駆逐漢も出撃するのかよww
そりゃそうよ、何の為に鍛えてるかと
>>25
ミクロマンみたいな言い方すんなwww
筋肉があればなんでもできる
第六駆逐隊も特型なんだよな
で睦月が特型だからマッチョだと思ったということは……
それいじょういけない
アメコミ風綾波か
やばい、戦姫とガチの殴り合いして
強敵と書いて友と呼ぶテロップを背景に
抱き合ってる絵図しか見えてこない
夕立「さすが提督さん、見事な発艦だよね!」
睦月「うんうん、吹雪ちゃんもそう思うよねっ!」
吹雪「…………」
睦月「おりょ、吹雪ちゃん?」
吹雪の思考は停止していた。
夕立「ぽかーんっとしてるっぽい?」
睦月「ううぅ……全然、聞いてなぃ~」
吹雪「……」
睦月「もう、吹雪ちゃんっ!」
吹雪「へ? は、はいっ!」
吹雪「って、あれ?」
睦月「……」
夕立「……」
吹雪「えーっと……」
睦月「……」
夕立「……」
吹雪「……ごめん、何の話かな?」
睦月「もぉう、全然聞いてないんだからぁー」
夕立「提督さん、すごいっぽいって話」
吹雪「あぁ、そう! いろんな意味ですごかったから唖然としたといか……」
吹雪「理解が追いつかなくて考えるのをやめたというか……」
睦月「そんなに提督のことが気になりますかぁー? うふふっ♪」
吹雪「へっ? いや、私は別にそう意味じゃなくて……憧れるなら赤城さんかなって……」
吹雪が否定するも睦月達は聞いていなかった。
睦月「うんうん、無理もないよっ!」
夕立「そうそう、何だって提督さんは――」
「――私達、全ての艦娘が憧れ目標とする存在」
不意に声をかけられた。
振り返ると赤城と加賀がこちらに向って歩いてくる姿がある。
赤城「――ですよね?」
睦月「はいっ!」
夕立「っぽい!」
加賀「断りもなく入って来ては駄目よ」
吹雪「す、すみません!」
赤城「――ところで……あなたが吹雪さんですか?」
吹雪「は、はい! 今日、着任しました特型駆逐艦1番艦の吹雪です!」
赤城「そう、あなたが……イメージと、少し違いますね。私はてっきり……」
吹雪「てっきり?」
赤城「いえ、気にしないで」
赤城「私は航空母艦、赤城です。こちらは……」
赤城が加賀の方を見る。
加賀「……航空母艦、加賀よ。よろしく」
吹雪「赤城さんと加賀さん……はい! 吹雪です! よろしくお願いします!」
赤城「それで確か……提督の話でしたね」
吹雪「はい」
赤城「出撃すれば誰一人犠牲になることなく必ず戦果を挙げて帰ってくる伝説の艦娘……いえ、正しくは漢娘ね」
加賀「戦場で戦うその姿がまるで水面を華麗に舞い踊る水の妖精みたいだったことから……」
加賀「通称『戦場の水の妖精(ウンディーネ)』と呼ばれているわ」
吹雪「ウンディーネ!?」
加賀「ええ、そう……戦場のウンディーネ……いい響きね」
吹雪「戦場のウンディーネ……」
吹雪は提督の方を見た。
提督「そぉぉぉぉぉい!!」
そこには雄叫びと共に木彫りの飛行機を全力で投げ飛ばし60メートル先にある的を破壊する、
身長195cmぐらいでジョースター家に居そうな顔の女装した大男の姿があった。
吹雪「えっ、いや……ウン、ディ……ネ……?」
――――――
――――
――
一方、東部オリョール海では……。
自作のオリョクルソングを歌いながら泳ぐ四つの影があった。
イムヤ「オリョクル♪オリョクル♪」
ゴーヤ「でち♪でち♪」
はち「Danke♪」
イク「なの♪なのね♪」
イク「……むっ、遠くの方に敵影発見なのね!」
イムヤ「さっ、辻魚雷撃つわよ!」
イク「辻るのね!」
ゴーヤ「辻るでち!」
はち「はっちゃん、やっちゃった……」
イムヤ、イク、ゴーヤ「「「……え?」」」
三人がはちを見る。
そして、敵影の方を見る。
遠くの海で大きな水柱が水柱が吹き上がった。
ゴーヤ「一人で辻られたよ……」
イク「はちはお手つきだから一回休み、次は参加できないのね」
はち「はっちゃん、残念……」
イムヤ「辻ったなら、さぁ行くわよ!」
イムヤ達が海に深く潜る。
そして、水柱があった遠くの海では……。
港湾棲姫「……」
北方棲姫「アブナカッタ……」
顔や真っ白な服の所々を黒くした港湾棲姫の姿。
港湾棲姫をデコイにすることで魚雷から逃れた北方棲姫の姿があった。
港湾棲姫「……オノレ……フイウチ……ヒキョウナ……」
港湾棲姫「ゼッタイニ……ユルサ……ナイ……」
北方棲姫「アレ……アッチ……カラ……キテタ……」
北方棲姫「タブン、チンジュフ……アル、ヨ……」
港湾棲姫「ユルサナイ……ゼッタイニ!」
港湾棲姫「チンジュフ……ツブス!」
北方棲姫「ゼロ……ウバウ!」
北方棲姫「レップウ……ウバウ!」
港湾棲姫「……」
港湾棲姫が北方棲姫を無言でじっと見る。
北方棲姫「エット……」
北方棲姫「チ、チンジュフ……イッショニ、ツブス!」
港湾棲姫「ヨシ……チンジュフ、ツブス!」
北方棲姫「……イッショニ、ツブス!」
港湾棲姫「ナカマハ……」
北方棲姫「……チカクニ……イル、ヨ……」
港湾棲姫「ナラ……ナカマノトコロニ……ムカッテカラ、ムカウ」
港湾棲姫が海を滑り始める。
北方棲姫も少し距離を置いてからその後を追うように海を滑り始め、
港湾棲姫に聞こえないぐらいの小声で北方棲姫はボソリと呟く。
北方棲姫「コッソリ……ゼロ……レップウ……サガス……」
今日はここまで
筋肉モリモリマッチョマンでその上変態か……。
怪しい動きだー!と通報されないだけの活躍をする提督……。
提督って何だ。
うん、やっぱり提督はこのくらい強くないとな!
あれ?陸上型に魚雷は効かないんじゃ・・・?
魚雷とか投げつければいいだろ!きくだろたぶん
間違いなくこの提督の声は若本さんで決定だろう
ヴルアアアアアって叫びながら敵を潰していく変態魔王
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