あずさ「赤い糸」(18)

学校であった怖い話とのクロス?です


伊織「アンタが新しいプロデューサー?」

赤羽根p「はい!今日からがんばります!」

伊織「・・・頑張るのはいいけどアンタに話しておくことがあるわ」

伊織「機密事項だから心して聞きなさい。」

赤羽根p「ゴクリ」

伊織「アンタ、赤い糸って信じる?」

赤羽根p「・・・は?」

伊織「運命の赤い糸ってやつよ、まぁ、信じるかどうかはどうでもいいわ」

赤羽根p「はぁ?」

伊織「今から話すのはそれ絡みの話よ。信じる信じないは置いておいて黙って聞きなさい」


当時、私の同僚に三浦あずさというアイドルがいたの

まあ、sランクアイドル入りして即引退してお騒がせしたから

世代じゃないアンタも名前くらいは聞いたことあるでしょ?

容姿端麗で気立ても良かったのよあずさ

そんなあずさは少し変わっていて結婚願望がとても強かった。

そして結婚相手の理想も変わっていたのよ

その条件は・・、名前、血液型、出身地、等々。

 容姿、性格といった一般的な見解は全く入らず

 生まれついたものを重要視していたの


何でも彼女が幼少の頃、著名な占い師に

二十歳までの間に運命的な出会いが起こると予言を受けたらしいわ

そのとき、占い師から聞いた運命の相手の詳細、

要は名前、血液型、出身地、等々に合致する人物が彼女の理想の男性だったの

彼女は二十歳までに運命の相手が見当たらなければ

結婚できないどころか、自分の命が失われてしまう

とさえ思い込み、必死になって理想の人を探し続けたわ

・・だけど、名前だけならともかく血液型や他の条件まで

完全に一致する男となると見当たらない。当たり前よね


中にはあずさの様子を面白がった者が

冗談で話を合わせたりもしたけど後でバレて半殺しにされたやつもいたらしいわ

それくらい彼女にとっては真剣で切実なことだったの

仕事関係外の男まで捜索するも成果があがらない中

運命の相手は意外な形で現れたわ


それは事務所に新しく入ってきたプロデューサー

そう、今のアンタみたいな感じでね

名は占い通り

だけど髪はボサボサ、太り気味の体型、

牛乳瓶みたいな眼鏡、と冴えない風貌の男性だったのに

あずさはそんなことに拘らなかったわ

要は占い師の予言に合致してさえいればよかったのね・・・


早速、そのプロデューサーに血液型、出身地、その他を聞くと

奇跡なのかなんなのか、全てが予言と一致していたの

運命の相手が見つかったと狂喜するあずさだったけど

当のプロデューサーには全く意味が理解できない

当たり前よね、急に初対面のアイドルに

「あなたこそ運命の人だわっ」

なんて泣かれて平静な対応なんてできっこないわよ

運命の人?占い師の予言?二十歳までに結婚できないと死ぬ?

彼にとっては到底受け入れることのできない話であり

年頃の少女がかかる妄想のようなものに思えたのね



愛を告白し結婚を申し込んでくる彼女に対し

「自分はプロデューサーで君はアイドルだ。スキャンダルだし到底無理」と説得を試みたの

が、結果、「トップアイドルになって引退すれば結婚する」と押し切られてしまう

「うそついたらはりせんぼん、のーます!」

説得するはずが逆に約束をするはめに陥り弱ったのはプロデューサーだけど

トップアイドルになったり引退までにはあずさも落ち着くだろうと考え様子を見ることに。

それからしばらくのあずさは幸せの絶頂って感じだったわね

あずさ「はい、お弁当です」って毎日甲斐甲斐しくお弁当を作ってきたり

あずさ「ふふっ、ネクタイ曲がってますよ」なんて世話を焼いたりね

すっかり女房気取りだったわ


でも、プロデューサーの考えは甘かったのよ

後日、社長に呼び出されたわ彼

どうやらあずさが方針相談の際にプロデューサーとの結婚をほのめかし

アイドルは続けないと言い張ったみたいね

これが本当なら問題だと言われ慌てるプロデューサー

その場しのぎの言い訳中につい本音を漏らしてしまったみたいね

「自分と三浦あずさは結婚するつもりはないし、

 三浦さんが何を言おうと自分には何の関係もない」と。

同僚の律子たちを納得させることはできたけど

何と当のあずさが影からその言葉を聞いていたの

今までの愛情たっぷりの表情が一変、

憎悪さえも伺える冷たい表情となったあずさは

突き刺すような視線のみでその場を去っていったわ・・・


もうどうしたらよいかわからなくなっちゃったのね彼・・・

あずさのことを気にしつつも帰宅し落ち着かない時間を過ごしていたの


と、そこへドアをノックする音が


───あずさだった



裏切りを責めるあずさに彼は必死に許しを請うたわ

やがてノックの乱打と責める声が止み去っていく足音・・・

その場しのぎに成功し安心しちゃった彼は疲労から眠りに落ちたの






そして目を覚ますと



三浦あずさが




目の前にいた





あずさは運命の婚約者宅のスペアキーを予め作っていたの

再度、許しを請うたわ彼

それこそ恥も外聞もなくみっともなくね


彼女は微笑みながら



あずさ「あらあら?約束を守ってもらえればそれでいいのよ~」




約束とは結婚






・・ではなく








「うそついたら、はりせんぼんの~ます!」


とても女とは思えぬ力に口をこじ開けられ



彼の口内に文字通りの千本の針が流し込まれる



肉が裂け、舌が貫かれ、針が頬を飛び出しても



あずさの罰を執行する手は収まらなかったわ



やがて彼は物言わぬ屍に成り果てた




あずさはそのことを理解できていたのかしら・・


あずさは針で自分の小指と○○の小指を抉り

神経の糸を抜き出し結びつけた

血塗れの神経を「運命の赤い糸」に例えるかのように

結局、運命の人になるはずのプロデューサーは死亡

その後も結婚できないままのあずさは二十歳を越えて

───はおらず、何と三年後の現在も十九歳のままでいるの


予言の力か、彼女自身の思い込みの力なのかしら

彼女は十九歳のまま運命の条件に合う男性を探し続けているの

伊織「と、いうわけなのよ。だからあずさにはちょっかい掛けないでね?」

赤羽根p「・・・・・・・」

伊織「それとも・・・運命の人に立候補しちゃう?にひひ」


ガチャ

オハヨウゴザイマス~

あずさ「あらあら~伊織ちゃん?そちらの方が新しいプロデューサーさん?」

伊織「あら?あずさおはよう。」

赤羽根p「ひぃぃぃぃぃ!?」シロメ

あずさ「あ、あらあら?なにかひどく脅えてるわぁ?」

伊織「」

小鳥「(ピヨ・・・面白いから黙って聞いてたけど本気にしたのかしら)」

社長「おはよう諸君!今日からあずさくんも復帰して賑やかになるねぇ!頑張ってくれたまえ!」

あずさ「あの、育児休暇から復帰した三浦あずさです。夫ともどもよろしくお願いしますね?」

赤羽根p「ガタガタガタ・・・え?夫?」

伊織「復帰早々のろけは勘弁してよね」



あずさ「あら?夫もあなたと同じプロデューサーなのよ会ってません?」

赤羽根p「あの、水瀬さん?」

伊織「熱々カップルに中てられないように気をつけなさいってことよっムキィー!」

イオリチャンオチツイテ!アバレナイデ!キャーキャー

あずさ「あらあら、おうちと変わらないくらい賑やかですね。ねぇアナタ?」



乙。プロデューサーは幸せに爆ぜろ。

中点じゃなくて三点リーダを使ったほうがいいぞ。
あと表記の揺らぎがちょっと気になった。

一応事実と伊織の嘘で呼び方変えるとか頑張った結果よくわからなくなってました

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