【安価で】コロシアイ合同合宿【ダンガンロンパ】 (604)

 ※注意です。
 登場キャラはオリキャラ。女主人公です。
 主人公、黒幕についてはキャラは決定済み。他15人のキャラは安価で募集です。
 トリックはうっすらな感じなので更新かなり遅め。
 推理ものは初めてなので、かなり分かりやすいか、分かり難いか、そもそも物理的におかしいかの三択。
 1はプレイ済み。2はプレイ途中。ということで、設定に矛盾が出るかも。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414417684

安価で決めるなら最初に一気に15人分才能決めるより、1人ずつ名前とかと同時に決めたほうが後から参加しやすくていいかと

でも最初に才能決めたほうが1としては話考えやすいんでない?1がやりやすいほうでいいよ

【PROLOGUE:絶望的合同合宿のはじまり】

???「ねぇ。君の夢は何?」

 声がした。
 私の頭に響く、不思議な声。
 少年のような、どこかか弱さを感じさせる、しかし芯が通った声。

???「君の希望は何?」

 だんだんとクリアになる声。
 彼は責めるように私へと問いかける。あくまで、冷静に、ただ、問いかける。

???「希望は前に進む」

???「絶望になんて負けはしない」

???「君もそれは分かっているでしょ?」

???「君は……どんな夢を、希望を望むの?」

 目を逸らしたくなるほど真っ直ぐな声。
 私はそれに答えることはできなかった。

???「君は……絶望と希望、どちらを望むの?」

 何故なら、私は……。私は。

【才能を駆使するのは難しいですし、とりあえずプロローグの区切りに才能を15人分募集したいと思います。
 才能を使うかどうかは、まぁトリックを思いついたか否かで。とりあえず才能を募集して、それから名前や性別、容姿や性格を決めたいと思いますー】

???「――っ!?」

 私は飛び跳ねるように起きた。
 身体を起こすと、そこは見知らぬ教室。
 黒板と机、椅子が並ぶ、教室といえば――な光景が広がっていた。

???「……あれ?」

 夢、だったのだろうか。
 私は誰か、少年のような声と話していて……何も言えずに目覚めた。
 状況を省みるに、おそらく夢。

???「……」

 椅子に座り、机に突っ伏して寝ていた……のだろう。
 頬がじんわりと痛い。自分の頬に触れつつ私は考える。

???「なんでこんなところに?」


 私は何故こんな教室のようなところにいるのだろうか。
 混乱しはじめた頭で、私はこれまでのことを省みる。

 私は夏才 紡紀(かさい つむぎ)。
 平凡な家庭に生まれ、そして――そして……。

紡紀「……な、なんで?」

 名前以外、私は何も思い出すことができなかった。
 何故ここにいるのか。私は生まれてから何をしてきたのか。全て思い出すことができない。
 思い出せることは先ほどの夢のみ。

???「やぁ、お目覚めみたいだね」

 混乱しはじめる私の前。教室の教卓の辺りから声が聞こえる。
 なんだろうと目を向けると――

???「よいしょっと」

 黒と白の奇妙なクマのぬいぐるみが教卓の上に飛び出た。

【今日は落ちま】


次の更新楽しみにしてる

 なんて言えばいいのだろう。
 夢のようで、夢ではない。目の前にいるそれは、間違いなく現実、日常にいない存在。
 けれども妙な現実味があった。例えるならば幽霊。ピエロ。
 ひょうきんで、それでいて不気味な声。可愛らしいのか怖いのかよく分からないデザイン。
 ギャグ的ともいえる場面で、私は呆然としてしまった。

???「おはようございます。夏才 紡紀さん。一番遅い起床だったね」

 何も言わない私へ、ぬいぐるみらしきものは言う。
 私の名前を知っている? それに『一番遅い起床』って……?

紡紀「あなたは、誰?」

???「その前におはようございます!」

紡紀「お、おはようございます」

 物凄い剣幕で怒られ、私は挨拶を返す。
 すごいぬいぐるみだ。言葉を発するだけでなく、動作まで。見た目の割にハイテクである。

???「うんうん。挨拶は大切だからね。しっかりしましょう」

 腕を組み、こくこくと頷くぬいぐるみ。

???「ボクはモノクマ。君が通う学園の学園長です」

 シンプルな台詞。だけどもその意味を理解するのに、私は暫しの時間を要した。

紡紀「――はい?」

 呆然とする私へ、モノクマは語る。
 希望峰学園のこと。私が希望峰学園という学園に入っていたこと。そして、今は学園の合同合宿の一日目、ということ。
 記憶を一切なくした私には、信じられない話だった。
 あの希望峰学園に、超高校級の才能を持つ人間しか入れない学園に私が入学しているとは。

モノクマ「ということで、紡紀さんにはこれから合同合宿に参加してもらいます」

紡紀「いや、参加と言われても私、何も覚えてなくて――」

モノクマ「もう来たんだから、あれこれ文句言わない。ちなみに終わるまで帰すこともできないからね」

紡紀「それはまぁ……。あの、私のことを教えてくれません?」

 帰るもなにも、帰るべき場所すらも分からないのだ。別段帰りたいという気持ちはわかなかった。
 それよりも今は、自分のこと。自分について何も知らないことが不安であった。

モノクマ「君のこと? もう、面倒だなぁ。じゃあ、これをあげます」

 学園長らしからぬ台詞を口にし、彼は一枚の紙をどこからともなく取り出す。
 そして私へと差し出した。

紡紀「どうも。ええと……」

 どうやらそれは学園に保存されている、生徒のプロフィールらしかった。
 名前は知っているし、年齢は……17。そして肝心の私の才能は――

紡紀「え?」

 思わぬ単語の登場に、私は硬直した。
 希望を育むとも言われる希望峰学園。その学園に入学することとなった私の才能は、あまりにも意外なものだった。

モノクマ「びっくりした? 紡紀さん、君の才能は――」

 いや、陳腐と言ってもいいかもしれない。
 モノクマは嘲笑するように笑い、高らかに私の才能を口にする。

モノクマ「超高校級の女色家!」

 女色家。聞いたことのない言葉だけども、なんとなく漢字で意味は分かった。
 いわゆるレズビアン、百合のことだろう。
 ――これは記憶を失って正解かもしれない。
 なんてことを、私は冷静に思うのだった。


 これから自己紹介へといきますので――

 登場するキャラについて安価で募集します。
 安価↓1~8まで男キャラの才能。名前や性格などの詳細も記載可。
 安価↓9~15まで女キャラ。

 容姿や性格などの記載がない場合、私が作ります。
 才能がかぶった場合や男キャラのところに女キャラの書き込みがあったりした場合は再安価。
 名前や性格、才能など、あまりにも書けないものだったりした場合も再安価でいきます。

闘牛士

セールスマン

冥川 外道 (めいかわ そとみち) 男
超高校級の撮り鉄
目的のためなら手段を選ばない。ピザ

霊媒師

議員

投資家

給食係

ボクサー
八代猛志 やつしろたけし

質実剛健、だけどキャパ超えると異常に焦る

スパイ

編みぐるみ作家

安南めぐる (あんな-)
かわいいものに目がない、ぼーっとしてる

超高校級のジャニーズアイドル
新士 時生(あらし ときお)
派手好き、遊び好きだが、何故か頭が良い

シスター
ルーシア=プリーテス
普段は気弱だかいざというときは行動力がある

サーカス団員
桃原 実咲 とうばる みさき

周りの人を楽しませることしか考えてない

超高校級の薬剤師

仁科志織 にしなしおり

功績…今まではどうしようも無かった病気に対する新薬の開発など

基本くっそ優しい、慈愛の塊。実は下ネタがっつりいけるクチ

メディナ=メディス
記者
ジャーナリストという名の変態

ピアニスト

爪弾奏
ツマビキカナデ

大人のおねえさん、面倒見がいい

仲居

>>14名前:緑川 青州 みどりかわ せいしゅう
性格:常に微笑みを浮かべている コミュ力が高い
本心を見せない 礼儀正しい

南 蒼(みなみ あおい)
超高校級の人形職人
澪田くらい明るいいいやつ

アーサーUマッカーサー
超高校級の元帥
高貴であり冷血、同じ帝王学を学んだ十神と違いかませになることはない
男に見えるが実は女

阿愁 摩凜 あしゅう まりん

超高校級の多言語話者(マルチリンガル)
冷静 寂しがりや 

【男子】
闘牛士
セールスマン
撮り鉄
霊媒師
議員
投資家
給食係
ボクサー

【女子】
スパイ
編みぐるみ作家
シスター
サーカス団員
薬剤師
記者

 以上が確定です。
 >>23は男子だと思われるため再安価にしますが――安価の範囲に入らなかった>>28から安価の範囲に入らなかった才能、およびキャラの中で参加してほしいキャラを選択してください。多数決です。

 安価↓1~5

>>32

仲居

元帥で

元帥

仲居

中居

元帥

3元帥2仲居で元帥か?

元帥ですね。
実在の人物の名前はどうかと思うので、フルネームはアーサーでいきます。
ではメンバーはこれで。

自己紹介の場面へ進みます

紡紀「女色家……」

 モノクマとの遭遇から数分。
 簡単な説明を終えた彼は、記憶喪失の私を放置して広間へ向かうよう言って消えた。
 なんでも、そこに私と同じく合宿に参加することになった生徒がいるらしい。
 色々と分からないことはある。だけども、一番気にかかるのが私の記憶についてだ。才能についてもすごく不安になるのだけども。

紡紀「考えても仕方ないわよね……」

 はぁ、と嘆息。
 モノクマが去り、教室に一人残された私は今、広間を目指している。
 何も憶えていないのは確かだけども、考えても思い出さないのもまた確かなこと。広間に行くしか選択肢はなかった。
 教室を出て、木製の建物らしき廊下を進むことしばらく。エントランス(広間)と書かれた表札が提げられたドアを発見。
 私は迷うことなく、そのドアを開いた。

紡紀「ほぇ……」

 テーブルに椅子、照明、その他豪華な家具の数々。つい感嘆をもらしてしまう私を出迎えたのは――15人の男女であった。

 年齢は皆同じくらい。
 だけども面白いくらい各々の放っている雰囲気は異なっていた。
 ドアを開いて広間へやって来た私。当然と言えば当然のことで、広間にいた全員の注目が一斉に集まった。

真面目そうな男「合同合宿の16人……最後の一人ですか」

 眼鏡をかけた、どこかの制服らしき物をきっちり身に付けた男が言う。
 全員の視線が集まる中、私はとりあえず会釈。何人かはしっかり返してくれた。

キザそうな男「お嬢様っぽいべっぴんさんだな」

ひょうきんそうな女性「美人さんだねー。そこはかとなく地味そうな感じもするけど」

偉そうな男?「外見はいいだろ。これから一緒に生活するんだ。自己紹介してもらおうか」

 偉そうに腕を組みつつ言う――男? が言うと、皆が思い出したかのように頷く。
 彼らがこれから合宿を行うメンバー……。男はともかく、女子は――美人揃いだ。じゅるり。
 ――あ、いや。私は何を考えているのだろうか。まさかこれが女色家たる所以……?
 とにかく、自己紹介の流れになったのだ。誰かに話しかけないと。

 選択
 誰に話しかけるか
1・キザそうな、細身の男性
2・笑顔の男性
3・車掌姿の太い男性
4・胡散臭い男性
5・きっちりとした服装の男性
6・今どきな優男
7・エプロン姿の男性
8・ワイルドな男性
9・不思議な雰囲気の女性
10・ぼんやりとした女性
11・おどおどとした女性
12・笑顔で落ち着きのない女性
13・笑顔の女性
14・メモを持っている女性
15・偉そうな男?

 安価↓1
 (一番最初に話しかける人物は好感度が上がりやすくなります)

8

2

 とりあえず、あの人にしよう。
 私は直感的に判断し、ワイルドそうに見える男性へと近づいた。
 彼以外は他のメンバーと会話をしたり、のんびりしはじめたのを見る辺り、やはり一対一の自己紹介をするつもりらしい。

紡紀「こんにちは」

ワイルドそうな男性「――うおっ、俺か。こんにちは」

 ベリーショートのさっぱりとした赤い髪。つんつんと跳ねたそれを撫で付け、男性はニッと気持ちのいいほど分かりやすい笑みを浮かべる。強面な見た目なのだが、その仕草に真面目で、優しい人柄を感じた。

ワイルドそうな男性「自己紹介だな。俺は八代 猛志。超高校級のボクサーって呼ばれてる」

 超高校級のボクサー。八代 猛志。
 親しみやすそうな人物であった。ノースリーブのシャツに長袖のジャケット。下はジーンズ。生徒かと言われれば微妙なラインなのだが、彼の才能ともよく似合っている格好だ。筋肉質なのが身体を見るだけで分かるし……かの学園に入れる才能は伊達ではないと。

紡紀「私は夏才 紡紀。好きに呼んでかまわないから」

猛志「そうか。なら夏才だな」

 ふむ、第一印象とちょっと違って真面目な感じの男性だ。
 好印象といえば好印象である。実直そうな、今どき珍しいスポーツマンみたいな。彼とは仲良くなれそうだ。


 選択
 誰に話しかけるか
1・キザそうな、細身の男性
2・笑顔の男性
3・車掌姿の太い男性
4・胡散臭い男性
5・きっちりとした服装の男性
6・今どきな優男
7・エプロン姿の男性
9・不思議な雰囲気の女性
10・ぼんやりとした女性
11・おどおどとした女性
12・笑顔で落ち着きのない女性
13・笑顔の女性
14・メモを持っている女性
15・偉そうな男?

 安価↓1

1

紡紀「次は……」

 猛志へ別れの挨拶をし、周囲を見回す私。
 次に目がついたのは、キザそうな細身の男性。
 シャツにネクタイ、上着と、なにやら闘牛士を彷彿とさせる姿をした彼は――どこを見ているのだろうか。
 ひょうひょうとした雰囲気で、髪は黒で肩につくほど。見た目は中性的で、それほど苦手意識もないのだけど、なんだか微妙に危機感というか異質な空気を感じる。

紡紀「……うん」

 無性に気になる。私は彼に近づいていき、声をかけ――

キザそうな男「やぁ、こんにちは」

 ようとした瞬間に彼が口を開いた。

乾世「僕は安藤 乾世(あんどう かわせ)。超高校級の闘牛士だ。お見知り置きを。美しいお嬢さん」

紡紀「は、はぁ……夏才 紡紀よ。よろしく」

 綺麗な姿勢でお辞儀をする乾世。
 苦手……ではないけど、なんだろう。このたった数秒で抱く違和感というか、疲労感は。

乾世「いやはや、ここは美男美女の集まりだな。紡紀さんもそう思うだろう?」

紡紀「そ、そうね。私もそう思うわ」

乾世「ちなみに紡紀さんは、女性の身体でどこが好きなんだい?」

紬紀「胸と脚ね」キッパリ

乾世「定番でありながら王道。なるほど。ふふ。まさかと思って訊いたが……仲良くなれそうだ」

 ……私も同意見である。

 選択
 誰に話しかけるか
2・笑顔の男性
3・車掌姿の太い男性
4・胡散臭い男性
5・きっちりとした服装の男性
6・今どきな優男
7・エプロン姿の男性
9・不思議な雰囲気の女性
10・ぼんやりとした女性
11・おどおどとした女性
12・笑顔で落ち着きのない女性
13・笑顔の女性
14・メモを持っている女性
15・偉そうな男?

 安価↓1

12

 さてと。まだまだメンバーはいる。
 ここで誰と話すべきかは――自分の直感に従うとしよう。
 私は適当に、にこにこ顔の落ち着きのない女性を選ぶ。大きなサイドポーチを背負った、天真爛漫そうな少女だ。

落ち着きのない女性「お、今度はあたし?」

 近づいてくる私へ笑顔を向ける少女。
 肩につかない程度の長さの薄茶色のショートヘア。片目が隠れた不思議な髪型をした彼女は、見えている片目をキラキラと輝かせて私を見る。
 一見する限り、普通の女の子だ。服装はセーターワンピースに、黒タイツ。スタイルは平均的な感じで、健康的というか、少女という単語が物凄く似合う容姿である。
 可愛い……と素直に思える。私の才能が関係しているのかもしれないが。

落ち着きのない女性「あたしの名前は桃原 実咲。よろしくね!」

 手を挙げて元気よく名乗る少女。

実咲「才能は超高校級のサーカス団員! 世界中の皆を楽しませるよ」

紡紀「ふむ。みんなを楽しませると……」

 できれば私個人がいい――って何を考えているのだ、私は。

紡紀「ごほん。私は夏才 紡紀。よろしくね」

実咲「紡紀ちゃんかぁ。いい名前だね」

実咲「紡紀……紡紀……いいギャグが思いつかない」ウーン

 サーカス団員がギャグ……どうなのだろうか。

実咲「とりあえずジャグリング見てく?」

紡紀「え、ええ……一応」

実咲「うおーっし、張り切っちゃうよー!」

 その後、数分間の間に開催されたジャグリングは、広間にいたほぼ全員が拍手するほど素晴らしいものだった。
 さすがは超高校級。名に恥じない技術である。


 選択
 誰に話しかけるか
2・笑顔の男性
3・車掌姿の太い男性
4・胡散臭い男性
5・きっちりとした服装の男性
6・今どきな優男
7・エプロン姿の男性
9・不思議な雰囲気の女性
10・ぼんやりとした女性
11・おどおどとした女性
13・笑顔の女性
14・メモを持っている女性
15・偉そうな男?

 安価↓1

【本日は落ちま】

11

紡紀「初めまして」

 次。私はおどおどとした印象の女性に声をかける。
 大人っぽい人だ。黒一色で、髪色は私と同じく金。ただし長さは彼女の方がはるかに長い。シスターのような格好をした彼女は、私に声をかけられると笑みを浮かべる。

おどおどとした女性「は、はじめまして。声をかけていただき、光栄です」

 お姉さんっぽい見た目で、物凄い下手にでて挨拶をするのものだ。

ルーシア「私はルーシア=プリーテスです。あなた様は?」

紡紀「夏才 紡紀。遠慮無く、呼び捨てでもアダ名でも」

ルーシア「アダ名ですか!? では……ええと」

 ほんの冗談のつもりで言ったのだが……彼女のぱあっと輝く顔を見るととてもそんなことは言えない。

ルーシア「つむつむさんで」

紡紀「つむつむ……」

 可愛いのか間抜けなのか。

ルーシア「これからよろしくお願いしますね、つむつむさん」

紡紀「ええ。よろしく、ルーシア」

 最初はどうなるかと思ったけど、仲良くできそうだ。私は笑顔を受かべ、他の人に挨拶するべくその場を離れる。

ルーシア「友達百人は無理でも、とりあえず15人の方とお友達に……」ボソッ

 ――可愛い人、なのかしら。


 選択
 誰に話しかけるか
2・笑顔の男性
3・車掌姿の太い男性
4・胡散臭い男性
5・きっちりとした服装の男性
6・今どきな優男
7・エプロン姿の男性
9・不思議な雰囲気の女性
11・おどおどとした女性
13・笑顔の女性
14・メモを持っている女性
15・偉そうな男?

 安価↓1

2

 そういえば、ルーシアの才能ってなんだったのだろうか。あだ名に圧倒されて聞くのを忘れてしまった。

笑顔の男性「初めまして、ですよね?」

 挨拶しようと次なる人物に近づくと、彼から声をかけてきた。
 嫌味のない、自然な人だ。常に笑顔を浮かべている割には、威圧感などはなくそれが営業スマイルなどの類いではないと思えた。
 黒髪、さらさらとした髪、平均的な身長。顔立ちもいいのだが――なんか印象に残らない。どっかの主人公みたいな人だ。よく見ると美形、的な設定の。

青州「緑川 青州です。よろしくおねがいします」

紡紀「よろしく。私は夏才 紡紀。あなたは……」

青州「超高校級のセールスマンです」

 セールスマン……。バイトとか、実家の手伝いだろうか。

紡紀「あ、ちなみに――」

青州「彼女は超高校級のシスターですよ。潰れかけの教会をたてなおし、数々の貧しい人々を救ってきたらしいです」

 尋ねない内から答えられた。
 相手の求めていることを瞬時に理解――これがセールスマンの才能?

青州「ふふ、大層なものでもないですよ。表情から予想しているだけです」

 全然大層なものなんだけど、彼が言うと本当になんともないことのように聞こえるから不思議だ。丁寧に礼をする彼と別れ、私は思う。表情から考えていることを予測なんて、私にはできそうもない。


 選択
 誰に話しかけるか
3・車掌姿の太い男性
4・胡散臭い男性
5・きっちりとした服装の男性
6・今どきな優男
7・エプロン姿の男性
9・不思議な雰囲気の女性
13・笑顔の女性
14・メモを持っている女性
15・偉そうな男?

 安価↓1

14

6

7

メモを持っている女性「ほうほう。夏才紡紀ちゃん、と」

 挨拶に回っていた私は、一人の女性に捕まった。
 メモを手にこちらにインタビューするかのように質問を投げかけてくるのは、メディス=メディナ。
 なんでも、超高校級の記者らしい。
 爛々と輝く笑顔とくりくりとした目。小さい子供のような容姿をしており、髪色はピンク。動く度にポーニーテールが揺れ、なんだか愛でたくなる子だ。
 服装は至って普通な制服を身に付けている。中学の制服だろうか。

メディス「いいとこのお嬢様なの? やっぱり」

紡紀「そんなことはないわ。むしろメディスちゃんのほうが――」

メディス「で、執事さんとか、お手伝いさん複数人と甘い生活とかしちゃったりなんてして。ひゃーっ、どきどきする」

紡紀「ないから安心して」

 若干印象が変わった。先ほどまでの無邪気な報道人とは違い、よだれを流しかねない邪悪な雰囲気で語る彼女へ、私は冷静に言う。

メディス「そなの? じゃあ、メイドさんとかとめくるめく日々を」

紡紀「それは理想的――あ、いや、それもないわね」

メディス「今何か言わなかった?」

紡紀「いえ何も」

 危なかった……危うく危ない本心をさらけ出すところであった。

メディス「……紡紀ちゃんも面白そうだね。うん! じゃ、他の人のとこ行ってくるねー!」

 手を振り、慌ただしく去っていくメディス。
 自分からやってきて、去る時もあの早さ……嵐みたいな子だ。

 選択
 誰に話しかけるか
3・車掌姿の太い男性
4・胡散臭い男性
5・きっちりとした服装の男性
6・今どきな優男
7・エプロン姿の男性
9・不思議な雰囲気の女性
13・笑顔の女性
15・偉そうな男?

 安価↓1

9

【長くなりそうなので、次から自動的に上から自己紹介していきます】

不思議な雰囲気の女性「……」

 ジッとし、どこかを見つめている女性。
 大人っぽい人だ。髪は白でショート。ボブカットというやつだろうか。しゃきっと切りそろえられた髪は、彼女のクールそうな印象によく似合っていた。スーツ姿で、ショートのスカートとタイツが中々……。

紡紀「こんにちは。何を見ているの?」

 彼女の姿を観察しつつ声をかけ、視線を彼女と同じ先へ。
 そこには、おかしなものがあった。
 木製らしきの建物の木の色をした壁に、カメラが掛けられていたのだ。

不思議な雰囲気の女性「……あんなもの、私達が16台の送迎車で着いた時はあったかしら。覚えている?」

紡紀「へっ? いや、全然……」

 送迎車? 思ったより普通な手段で私達はここに来たんだなぁ。16台っていうのは、豪華だけども。

不思議な雰囲気の女性「そうよね。まぁいいわ。自己紹介よね」

彩「私は彩(あや)。椿巳 彩(つばみ あや)。超高校級の……スパイよ」

紡紀「……」

 胡散臭い。本当のことなんだろうけど、スパイを真顔で自称する女性がここまでシュールに見えるとは。

彩「どうしたの?」

紡紀「いや……スパイって自分で言うのかなと」

彩「あ、なるほ……言うのよ」

紡紀「今『なるほど』って言おうとしたわよね?」

彩「……みんなのリアクションの理由が分かっただけ。特に感心もしてないわ」

 表情を変えず、淡々と答える彩。なるほどと言ったことを否定しない時点で、感心したことを認めたことになるのは……気づいていないらしい。
 こんな鈍いというか、人の悪意にさらされてなさそうな人がスパイ……それも超高校級の。
 世の中分からないものだ。

 次は車掌姿の男性に声をかけよう。
 私は一際目立つ彼へと近づいていく。

紡紀「初めまして」

車掌姿の男性「おや、初めまして。自己紹介だよね」

 丸々と、なんて言葉が似合いそうな太い身体に、車掌らしき服を着た男性。
 暑苦しい容姿をしている割には、かなりさわやかな口調で、彼は笑みを浮かべた。す、すごい……印象がすごくいい。なんでだろう。ぎゃっぷというやつか。

外道「僕は冥川 外道(めいかわ そとみち)。人は僕のことを超高校級の撮り鉄と呼ぶよ」

 ほほう、撮り鉄とは。中々興味深い才能だ。

紡紀「私は夏才 紡紀。――車掌なのかと思ったけど、違うのね」

外道「あくまで姿だけだよ。ものまねとかは、特には。撮り鉄だからね」

 うーん、大人しい口調。人畜無害とは彼のことを言うのだろう。
 撮り鉄に専念していたり、車掌の制服を着ていたり、楽しんでいる感じで好印象だ。

外道「鉄道はいい。時代を感じるよ。君も興味があったら今度写真を見せよう」

紡紀「ええ。是非見せて」

外道「嬉しいよ。では、僕はこれで」

 普通の人だ……。
 去っていく巨体を眺め、私は思う。
 撮り鉄のマナー云々という話があったことはなんとなく知識にある。そんな今だからこそ、彼のような撮り鉄が超高校級に選ばれたのかもしれない。
 なんてモノローグを心の中でちょいと。

 次は、あの人か。

紡紀「はじめまして」

 胡散臭い雰囲気の男性に話しかける。
 紺の着物のようなものを身に付けており、髪は黒で男性にしては長い。それを後ろへ流しており――なんだか、匠なんて言われても納得できそうな威厳があった。
 けれど顔が若々しいため、胡散臭いという印象の方が強い。
 無理して作ったような感じが否めないのだ。

胡散臭い男性「夏才 紡紀。……ふむ。それ以外は分からないか」

紡紀「え? なんで私の名前を?」

胡散臭い男性「ふっふっふ。俺は鵜都 火六(うず かむ)。超高校級の霊媒師……といえば、分かるか?」

紡紀「まさか霊的なもので、私の名前を――?」

 となれば、もしかしたら私の記憶に関して何か調べられるかもしれない。
 私は期待する。のだが。

火六「いや、さっき話してるのを聞いただけだぜ」ウインク

 初対面の見知らぬ人じゃなければ殴っているところだ。

火六「まぁまぁ、そんな顔すんなって。いつか力を見せてみせよう……ふふふ」

紡紀「そう。それじゃ」

火六「あ、ちょ! 初対面でそれはひどくない!?」

 後ろから声が聞こえたが、私は構わず退散。
 超高校級の霊媒師……果たして、それは本当のことなのだろうか。今の馬鹿っぽい人柄ではとても信じられない。

 胡散臭い霊媒師から逃げると、ちょうど前にきっちりとした服装の男性が。
 ビジネスマン的な男性だ。スーツ姿で、きっちりとしたネクタイは歪み一つない。眼鏡をかけていて……なんだか営業マンのようにも見えるが、頭髪は少し派手だった。紫色のくせっ毛で、あちこち跳ねており、顔は……正直怖い。強面というレベルを越えているような。

紡紀「あ、あのー」

きっちりとした服装の男性「おう、自己紹介だな」

 おずおず声をかけると、彼は意外にも普通に対応してくれた。

きっちりした服装の男性「俺は遊河 謙(ゆうが けん)。超高校級の議員……ってことで、この学園に入った」

紡紀「はい。えと、私は夏才 紡紀。よろしくね」

謙「お、おう。よろしく」

 目をふいっと逸らす謙。
 ふむ。こうして話している分にはなんてことはない。いい兄貴というか、親しみやすさの中にカリスマ的な何かがあるような。
 っていうか、議員……。学生で。アイドル的なノリで両立ってことだろうか。
 気になることは色々と尽きない。

今どきな優男「俺の名前は操写 敦(そうしゃ つとむ)。名前の由来は分からないけど、当たり障りのない名前って大事だと思わない? やっぱり平々凡々っていうのも大切だよね。超高校級の投資家として物事の境界線? タイミングっていうの? そういうのを見分けるために、平々凡々な点も重要だと思うんだよ」

 ……困った。なんだこの人。
 見た目に反して凄まじい速度で喋るぞ。
 挨拶しようと近づいたのが運の尽き。私が名前を名乗るとともに、目の前にいる彼はスイッチが入ったかのようにぺらぺらと話しはじめた。
 で、現在に至る。
 言葉を一方的にぶつけられるのって、結構精神的にくるものなのね……。
 私は適当に相槌を打ちつつ、彼の姿を観察する。
 服装はいまどき……といった感じだろうか。ジーンズにシャツ、お洒落なジャケット、ネックレス……なんともまぁ、いいセンスで。モデルみたいな人だ。
 ふんわりとした青色の髪もなんだか優雅というか、気品があるというか。
 投資家ってことだし、裕福なのだろう、きっと。

敦「ということで、これからよろしくね紡紀さん」

紡紀「へあっ!? あ、ええ。よろしく」

敦「よしよし。これは親睦の握手だ。さて、そろそろ他の人のところに行ったほうがいいよ。時間は大切だから。自分の長話に付き合っちゃすぐ日が暮れる」

 自分で言うんだ……。
 よく分からない人だ。首を捻りつつ、私は彼から離れ他の人を探した。


【落ちま】

主人公は誰にロックオンするのかな?
自分の才能のこと話したら距離置かれたりしそうだけど

 男子の最後は……この人か。

紡紀「はじめまして」

エプロン姿の男性「やっと来たね、紡紀さん」

 声をかけると男性は振り向く。大人しそうな人だ。
 身長は低めで、顔立ちもなんだか中性的。髪は紺で、短め。さっぱりとした清潔感のある少年……という感じ。

卓「俺の名前は御石 卓(おいし しょく)。超高校級の給食係と呼ばれている」

 給食係……高校で給食はあるのか分からないけれど、とりあえず合宿中に料理の心配をする必要はなさそうだ。

卓「ちなみに君は食事を毎日しっかりとっているか?」

紡紀「え? ええ、まぁ、多分」

 記憶がないのでさっぱりだが体調が悪いわけでもない。私は曖昧に返事をする。

卓「そんなことでは駄目だ!」

紡紀「ひいっ!?」

卓「――あ、いや。しっかり食べないと駄目だぞ、育ち盛りだからな」

 あははと苦笑して言う卓。一瞬凄まじい剣幕で怒ったけど……なんだったのだろう。

 次は……あのぼんやりした子だろうか。

紡紀「あの、いいですか?」

 ふわふわした印象の女性だ。
 髪は水色で二つのおさげが左右にちょこんと。薄手のカーディガンにワンピースと、ニーソにブーツ……街で見かけるようなよくある格好だ。
 ――描写したそこまでは。目立つのは服のポケットや片方の肩に提げるリュックから顔をだす編みぐるみ。色は様々。どれも動物を型どっていて、ふわふわしいた印象の彼女を更にメルヘンに見せている。

ぼんやりした女性「……あ、こんちは」

 私に気づくとこちらを向いて、ひょこっと頭を下げる。おさげと編みぐるみが揺れた。

めぐる「安南めぐるっす。よろしく」

 大人しく、静かに言う。ぼそっと素早く言うせいで、おそらく敬語なのだろうが妙な口調に聞こえた。

紡紀「よろしくね。私は夏才 紡紀」

めぐる「紡紀さんっすね。……お嬢様っぽいですね」

 私の格好を見てにへらと笑うめぐる。
 そんなにお嬢様っぽいだろうか。
 名簿で確認したときの私の顔は確か、びっくりするくらい冷たい顔をしていた。それなりに可愛い部類に入っているのに緊張なのか、それとも性格故か気難しそうな女性、といった印象だ。
 髪は金髪のセミロング。フリルのついたブラウスに赤いスカーフ、そして下は赤いロングのスカート。確かに服装はどこぞの外国の人形みたいだ。

めぐる「あ。そうだ。私は超高校級の編みぐるみ作家とか呼ばれてて……得意だから、何かあったらすぐ」

紡紀「ええ。頼りにしてるわ」

 頷いて笑う。
 ふむ、見た目と口調以外は普通の人そうだ。ちょっと安心した。

 すぐ隣の女性へ。
 すると私に気づいていたらしく、彼女は笑顔を浮かべる。人が好さそうな人だった。

笑顔の女性「こんにちは。はじめまして。紡紀ちゃん」

紡紀「うん、よろしく。あなたの名前は?」

志織「仁科 志織。薬剤師だよ」

 おっとりとした口調で、彼女は言う。
 薬剤師……それも超高校級の。頼りになりそうだ。
 髪は赤のロングヘア。白衣に眼鏡と、いかにもな格好である。

紡紀「なるほど……知的な感じ」

志織「あはは、ありがとう。嬉しいよ」

 言葉以上にものすごく嬉しそうな顔をして、満面の笑みを浮かべる志織。分かりやすいというか、なんというか。
 でも、いい人そうだ。安心した。

志織「ナース服のほうがエロいんだけどね」

紡紀「え?」

志織「なんにも言ってないよ」

 笑顔のまま首を傾げる志織。なにかおかしな言葉が聞こえたけど……なんだろう。

 最後は……この人か。

紡紀「私は夏才紡紀だけど、自己紹介……できる?」

 他の人と比べて一際強い威圧感を放つ男性――?
 きりりとした顔立ちに、黒い制服。身長は高めでスラリとした体格。全体的に凛々しくて、かっこいい男性……なのだが、何かがひっかかる。よく分からないけども。
 帽子をかぶっているし、よく見れば軍服なのかもしれない。そう考えると、強い威圧感の理由も納得だ。

偉そうな男?「言われずともできる」

アーサー「アーサーだ。超高校級の元帥と呼ばれている。俺に名乗ってもらえたことを光栄に思うんだな」

 超高校級の元帥。なるほど、見た目と雰囲気にぴったりだ。

紡紀「え? ええ、まぁ……」

アーサー「自分から名乗ったのは好印象だ。だが返事はいまいちだな」

紡紀「あ、そう……」

アーサー「……まぁいい。お前、自分の才能を言ってみろ」

紡紀「――じゃあまた!」

 私はすぐ逃げた。彼の人柄が苦手なのもそうだが、才能についてはタブーである。
 後ろから聞こえるため息に、私は不安を覚える。
 これから私は自分の才能を隠して、生活していけるのだろうか。

 これで全員だろうか。
 さすがは才能を持つ人間達。個性が強い。

アーサー「挨拶は済んだな」

猛志「みたいだな。この全員で合宿か……」

 全員が周囲を見回す。
 その殆どがこれからの生活に楽しみを感じているような顔だった。
 聞けば、この全員で合宿をするらしいし、うきうきする気持ちも分からなくはない。
 けど、事情を知らない私からしたら不安しかなかった。

アーサー「問題は……こいつだ」

 アーサーが私を見る。

ルーシア「つむつむさん……ですか?」

全員『……』

アーサー「そうだ。そいつだけ特殊すぎる」

卓「才能、ってこと?」

実咲「ああっ、確かに聞いてなかったかも」

 今度は全員の視線が私に向いた。

紡紀「……」

 なんて言うべきだろうか。私は超高校級の女色家ですー! なんて言えばどうなるか。大惨事は免れない。
 ここはみんなのため、私のため、優しい嘘を――

紡紀「実は超高校級のお嬢様で――」

モノクマ「うそうそ! 彼女は超高校級の女色家なのです!」

 聞き覚えのある暢気な声。それが不意に響いたと思うと、広間のテーブルにモノクマが現れる。

火六「な、なんだあのへんちょこりんは!」

メディス「くま?」

紡紀「学園長!」

アーサーと紡紀を除く全員『嘘ぉ!?』 

 ……あれ? みんな知らなかったの?

モノクマ「そうです、私が学園長のモノクマです」

外道「絶対嘘だ……」

めぐる「可愛くない」

 口々に皆モノクマに対して何か言うものの、ほとんどがそのデザインに対しての苦情であった。そして学園長にはとても見えないという当然の指摘も。

モノクマ「感心しないね。否定から入ることは、人間を小さくさせますよ」

謙「いや、代表者が人外っておかしいだろ、どう考えても」

モノクマ「考え方がアナログだよ! アナログ! ボクはそんなアナログなクマじゃないの!」

ルーシア「白黒のも、モノクロなのに?」

モノクマ「ボクのはあえてのアナログです。アンテナ生やしたクマとは違うんです」

 意味分からん。
 コントのようなやり取りに、真面目なメンバーは呆れた顔をする。

敦「なにこいつ? 外道くんのメカかなんか?」

外道「いや、知らないね。っていうか、僕は撮り鉄で、メカには詳しくないので」

卓「それよりも、学園長ってどういうことだ?」

 当然の疑問である。私も初めて彼を見た時は、呆気にとられたものだ。

モノクマ「そのままの意味だよ。オマエラの学園を支配した、学園長……それがボク。モノクマ」

 変わらなぬトーンで話す彼。だけども、何故か背筋がひんやりと冷える。

猛志「支配、だって?」

モノクマ「うん。だからオマエラにはこれからボクの命令に従ってもらいます。学園長と生徒、それが正当な関係だよね」

乾世「おだやかな話……には聞こえないね」

 本当のことか。ドッキリか。現実味はないものの、モノクマから放たれている不気味な雰囲気は妙な説得力があった。
 皆もそれは感じ取っているようで、警戒しているようだった。

モノクマ「うんうん。そうやって話を聞こうと、情報を集めようとすることが正しい姿だと思うよ」

モノクマ「うぷぷぷぷ」

 口元に手を当てて笑みをこぼすモノクマ。
 数秒笑い、彼はドアを指さした。

モノクマ「ちなみに、外に出られないことはもう気づいているかな?」

 何人かが反応を示す。アーサーをはじめとする何名かは、もう出られないことを知っているらしかった。
 私はといえば――あの教室で塞がれた窓を見ていたため、そうも予想外なことでもなかった。

実咲「通りで外に出られないと思った……」

火六「マジ!? わっ、本当だ! 出られねぇ!」

 慌ててドアへ駆け寄った火六だが、ドアはびくともしない。がたがたと音を立てるのみで開く気配はなかった。

アーサー「広間の閉鎖に監視カメラ……異常だとは思ったが」

彩「……モノクマのせい?」

モノクマ「うぷぷ。勘がいい人もいたみたいだね。そう! ボクの仕業だよ!」

 動揺が走る。私はドアを見てみた。一見すると普通のドアだ。鍵は一つだけ。鍵穴が見える。あれが開かないとなると、外から鍵をかけた……とか、そんなところだろうか。

敦「なんのためにそんなことを?」

モノクマ「いい質問だね。さすがは投資家。本質をついてくる」

モノクマ「ボクが望むのはただ1つ――」

 モノクマは告げる。相変わらずなひょうきんな声で、高らかに。

モノクマ「コロシアイ――コロシアイ合同合宿!」

 コロシアイ。殺し合い。
 生徒の間で、これほどまで不似合いな言葉がどこにあるのもか。

モノクマ「合宿の期限は無期限。この合宿所から出たければ、誰か他の生徒を殺す――それがコロシアイ合同合宿!」

モノクマ「オマエラにはこれからドキドキワクワクのコロシアイ合同合宿に参加してもらいます!」

モノクマ「これはお祝い。オマエラへの感謝の気持ちだよ」

謙「ふざけんな! 冗談にしてもタチが悪いぞ!」

モノクマ「冗談なんかじゃないよ。分かる人は分かるんじゃないかな? ボクの力を」

謙「知るか! 俺達は超高校級の――」

彩「……そうね。抵抗しないほうがいいんじゃないかしら」

 謙へ、冷静に告げる彩。
 彼女の視線はカメラへと向いていた。

彩「知らぬ間にカメラを設置、扉、窓を封鎖。普通では考えられないことだわ。なにかしらの強大な力があると見て妥当」

全員『……』

 私は記憶がないが、他の全員が押し黙るのを見ると、それは相当考えられない難度のことらしい。

モノクマ「あら? 誰も逆らってこないの?」

モノクマ「これがさとり世代……これはこれで怖いね」

モノクマ「まぁいいや。とりあえず、これ。重要品だから大切にね」

 テンションを落としたモノクマはひょこひょこ動いて、16人になにかを手渡す。
 薄く、固いそれは……。

紡紀「電子生徒手帳?」

モノクマ「そうです。生徒のプロフィールから合宿所のマップ。持ち物から校則まで幅広く取り揃えております」

モノクマ「とりあえず、コロシアイ合同合宿の校則を確認してみたらいいと思うよ」

 とりあず、起動してみる。
 私の名前が表示され、次にメニュー画面が映される。
 モノクマの言う通り、私は校則を確認することに。

 校則

1・生徒達はこの合宿所だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
2・夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。
3・就寝は設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。
4・学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
5・仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
6・希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
なお、校則は順次増えていく場合があります。

 ……5以外は、特に疑問はなかった。


【今日は落ちます。
そして主人公が誰に狙いを絞るとかはありません。安価により一番仲良しなのが女だったり男だったり……。フラグとかはないので、原作通り仲良くなっても容赦なく退場しますが】

モノクマ「どう? 卒業したかったら、誰かを殺さないといけない。他もシンプルなルールでしょ?」

アーサー「確かに、理解には困らないな」

実咲「でも異常だよ! なんでこんなことをさせるの!?」

モノクマ「楽しいからに決まってんじゃん。つまらないのにやらせる必要ある?」

 モノクマは私達へあっさり告げる。

モノクマ「超高校級の才能を持つ希望のオマエラが殺し合う……いいエンターテイメントだよね」

彩「……従わない、と言ったら?」

 物怖じしてしまう不気味な威圧感に対し、彩が静かに問いかけた。

モノクマ「そう言ってもオマエラ逆らう気はないんでしょ? ――しょうがないなぁ。それじゃ、一応警告代わりにボクの力を見せてあげます」

 モノクマが腕を上げる。そして指がないのにぱちんと音を鳴らした。
 すると床の一部が開き、なにやらモノクマの形をした人形が現れた。あっちは完全にぬいぐるみのようだ。棒に固定されており、床から出る際の動きで手や脚がぷらぷらと動く。

モノクマ「校則違反は……こうなります!」

 モノクマのジェスチャー。それとともにどこからか物騒な音が鳴り響き、モノクマ人形はあっというまに蜂の巣に。続いて鉄の棒が何本も突き刺さりボロボロになり――最後にモノクマ自ら人形へと走っていった。

モノクマ「さよならオマエラ」

 意味分からん。なんてツッコム間もなく、人形にぺたんとくっついて……爆発。
 突然のこと、予想をはるかに超える出来事に、私は目を白黒させる。
 閃光がおさまった後、モノクマとモノクマ人形があった場所にはなにも残らなかった。
 あれを人間相手にやれば、どうなるか。一目瞭然であった。

猛志「む、むちゃくちゃだ……」

 ぽつりと彼がもらした言葉に、きっと誰もが同意したと思う。
 無茶苦茶。それしかこの場に似合う言葉はなかった。皆が自己紹介をし、それなりになごやかに進んでいたはずなのに……そこを、モノクマがかき回した。無茶苦茶に。滅茶苦茶に。

モノクマ「どう? これで逆らったらどうなるか……わかったよね?」

 ひょっこりと、無傷の状態で現れるモノクマ。スペアがあるのだろう。ぴんぴんしている。
 監禁、コロシアイを強要されているというのに、騒ごうとする人はいない。恐怖。そして、状況を理解できない混乱。様々なものが混ざり、まともに動くこともできないのだろう。
 記憶がない私ですら、混乱しているのだ。帰る場所や、夢、大切なもの、やりたいこと、それらがある人間はこの場でどれだけ混乱することか。その心境は計り知れない。

紡紀「殺人……なんてすると思うの?」

モノクマ「するよ。絶対に。ここから出られないなんて嫌でしょ?」

モノクマ「勿論、衣食住、生活に不自由はさせないけどね」

モノクマ「卒業……ここから出るためには誰かを殺さないといけない。そう言えば、人間は絶対に殺すよ」

 断言するモノクマには妙な説得力があった。そしてそれを正論だと思う自分もいた。
 合宿所から出られない。広さはともかく、そんなの困る。
 出るために、誰かを殺す――自分の犯罪を正当化するのに充分な理由だ。仕方なかった、なんて思えるかもしれない。

モノクマ「それじゃ、頑張って。楽しい合宿を満喫してくれることを祈っているよ。うぷぷぷぷ!」

 笑い声を残し、消えていくモノクマ。
 私達はそれをただ無言で見ていた。
 まるで夢のような展開。脈絡のない話。だけどもこれはリアルで、どうしようもない現実だった。
 卒業。ここを出るためには誰かを殺さないといけない。
 私は出て行く理由も見つからないけど……他はどうだろう。
 知り合って間もない人間を切り捨てる。そんなことができる人間は、多分いくらでもいる。
 一触即発。互いが互いを疑う、居心地の悪い空気。
 私はそれを肌で感じ、小さく息を吐いた。
 コロシアイ合同合宿。目覚めた私を出迎えたのは、まさに絶望と呼ぶべき日だった。

【PROLOGUE:絶望的合同合宿のはじまり】

 END

 生き残りメンバー 16人

 To be continued


【本編開始前。ここで難易度の設定です】

【難易度は二つ】

【フツウとイジワルです】

【フツウではゲーム寄りのシステム】

【イジワルではコトダマ、コトノハ、閃きアナグラムなど、選択肢やヒントなどが排除され、流れと推理と会話のみで回答する形になります。ノンストップ議論では全てのコトダマからブレークできそうなコトダマをポイントを指定し選択……など、若干難しくなります】

 フツウかイジワルか。
 安価下1~4までで、多数決で決定します

イジワル

イジワル

フツウ

フツウ

イジワル

 【同点でしたが、次がイジワルでしたので、イジワルで】

 【それにともなって、スキルも若干変わります】

 【それでは、本編はじめます】

キャラのまとめを貼っといて欲しいな

 
 
 
【Chapter1:はじまった生活と終わったもの】


 モノクマが去った後の広間。
 沈黙で支配されるその場でまず口を開いたのは、実咲だった。

実咲「――出られるところを探そう」

 グッと両手を握りしめてガッツポーズする彼女。前向きな意見だったが……どのような結果になるのか。私はだいたい予想がついていた。

乾世「そう、だな……。大人しくしているわけにもいかない」

彩「勿論、殺しもね」

 ならば、やることは出る手段を探すこと。
 私達は顔を合わせて頷いた。
 ――そう。それが、『それしかできない』のだということは誰も言わない。言わずとも分かっていた。

アーサー「結果は分かっているだろうに、ご苦労な奴らだ」

メディス「でもやるしかないよね。ここのことを知るのは、いずれにせよ悪くはないことだから」

 そうだ。やるしかない。
 これからの生活のためにも、私達は止まるわけにはいかないのだ。

紡紀「やろう、みんな。行ける範囲で、脱出できる手がかりを探しに」

 アーサー以外の全員が頷く。
 探索――となれば、別れて行うのが定石だろうけど、誰かと一緒に行ってみようか。

 選択
 誰と探索に行くか

 安価↓1

撮り鉄

安藤

 あ、忘れましたが(非)日常編です。

 キャラのまとめ了解ですー。
 書きつつまとめておきます。

 彼にしようか。
 カメラを持っているだろうし、何か役立てるかもしれない。
 いざ探索と、あれこれ話していたり、電子生徒手帳を見ていたり、はたまたもう部屋を出ていたり――ざわざわしている室内の中で、私は目当ての人物に近づいていく。

紡紀「外道くん。一緒に行かない?」

外道「あぁ……大変なことに――え? 僕とかい?」

 頭を抱えていた彼だが、私に声をかけられるとこちらを向く。
 焦りはあるものの、落ち着いているようだ。

紡紀「ええ。落ち着いて探索できそうだし」

外道「なるほど。じゃあ、ご一緒しようかな」

 断られなくてよかった。
 さて、彼と行動を共にすることに決まったのだが――どこに行こうか。

 私は電子生徒手帳を開く。
 マップ画面を開くと、一階の地図が映し出された。
 一階にあるのは食堂、各自の部屋、広間、ランドリー、大浴場、教室……だいたいこんな感じか。
 どこを調べよう。

 選択↓1
 どこを調べるか


【外道の好感度が少し上がりました】

食堂

 食堂。
 広間から廊下へ出て少し進むと、すぐの位置にあるそれは、思ったよりも立派だった。
 バーカウンターのような円形のカウンターと、多くのテーブルと椅子。カウンターの奥は厨房になっているようだ。

外道「……確か、モノクマは生活に不自由はさせないと言っていたね」

紡紀「そうね。ちょっと厨房を見てみましょうか」

 食堂自体に問題はない。清潔で不自由はしなそうだ。
 とりあえず外道に写真を撮ってもらい、私達二人は厨房に入った。

 厨房の中に――誰かいるか。
 コンマ判定↓1

 コンマが偶数 誰かいる。会話イベント
 コンマが奇数 誰もいない(モノクマメダルゲット)

 誰がいるか指定も可

シスター

給食係

 無人の厨房を見て回る。
 特におかしな点はなかった。
 むしろ感心したくらいだ。どこぞのレストランにも負けず劣らずな設備で、冷蔵庫には各種食材。大層なケースには高級そうなお肉が並んでいた。

紡紀「これは……すごいわね」

外道「美味しそう……」

 コロシアイなどという事態におかれてもお腹は空くものだ。私達二人はお肉のケースに手をついて、まるでショーケース越しにトランペットを見つめる少年が如く一途さで霜降りのそれを見つめる。
 これを焼いたらどうなるか……ごくり。

外道「ステーキだね、これは」

紡紀「レアで塩コショウ、タレはワサビ醤油とか色々分けて、贅沢に――」

二人『うん!』

 無言で握手を交わす私達。
 ちなみに凶器になりそうな包丁などもあったが――後で一応報告したほうがいいだろう。

紡紀「じゃあ撮影よろしく。武器になりそうなものを重点的にね。もしものときの証拠になるから」

外道「うん、分かった。……こういうときに役立つとは、嬉しいのか悲しいのか」

 複雑そうな顔をしつつ写真を撮る外道。
 彼だけ動かすのも悪いため、私は再度チェックを行う。その際に、棚の端でちょこんと輝くメダルを見つけた。

紡紀「とっておこうかな……」

 何かの役に立つかもしれない。

【モノクマメダルを5枚手に入れました】

【モノクマメダルはゲームでの使用方法の他に、キャラの好感度、その最大値を調べることができます。お好きなタイミングで、安価に混じってご利用してください。安価が採用されたときだけ有効です】

 さて、食堂はこんなものか。
 あと一階にあるのは各自の部屋、広間、ランドリー、大浴場、教室……だいたいこんな感じか。

 選択
 どこを探索するか

 選択↓1

ランドリー

 ランドリーへやって来た。
 ここも厨房と同じく、窓は塞がれている。どう干せば乾かせるのかとも思ったが……。

外道「室内乾燥機が働いてるね」

 ……らしい。
 言われてみれば、空気が他と違うような。
 洗濯機が並ぶ中、洗濯が終わるのを待つ用だろう。ベンチと自動販売機が置かれていた。他には雑誌のようなものも。

紡紀「ここには、特になにもなさそうね」

外道「そうだね。写真も……いいかな。枚数大事だし」

 頷く。
 その後私達は室内を探索し、またメダルを発見した。

【モノクマメダルを三枚手に入れました】

 選択
 どこを探索するか

 選択↓1

各自の部屋

各個室

 またまた廊下を進んで少し。
 私達は個室が並ぶ道にやって来た。

紡紀「一人一部屋……」

外道「外から見た時も思ったけど、でかいよね、改めて」

 マップで見てもこの部屋の列がスペースをとっていた。
 木製だからロッジかと思ったけど……とてもロッジとは思えない広さだ。階段らしきものの見えたし、もしかしたら屋敷みたいな感じなのかもしれない。

紡紀「来たけどどうしようかしら」

 選択
 これからどうするか。
 1・自室を確認
 2・誰かの部屋を見てみる(会う人を記載)
 3・モノクマを呼んで質問(質問を記載)

 安価↓1

2シスター

紡紀「ここは誰かの部屋を見てみようかしら」

外道「な、なんで?」

紡紀「どうせ初日で変わりないなら、他の人の部屋の方がわくわくする」

外道「分かるような分からないような」

 苦笑する外道を連れ、私はルーシアの部屋の前にやって来る。
 彼女の顔が書かれた表札があったためすぐ分かった。
 インターホンを押す。本人がいるとはあまり思っていなかったが、少しすると中から声が上がる。

ルーシア「は、はーい。ちょっと待ってください」

 慌てた声とともに開くドア。
 ルーシアはドアを開き私達の顔を見ると、笑顔を浮かべた。

紡紀「や。ここにいたのね」

ルーシア「あ、つむつむさんに、そみさん」

 ぱあっと顔を輝かせるルーシア。

ルーシア「遊びに来てくれたんですか?」

外道「いや、今は捜索中だけど……」

ルーシア「あ、そうでした。えと、それだと……なんの用で?」

紡紀「部屋の調査をしようと思って。入ってもいいかしら?」

ルーシア「……? ど、どうぞ」

 一瞬意味が分からなそうな顔をしていたのものの、彼女はすんなり中に入れてくれた。

ルーシア「こうしてお友達を入れると、お二人が遊びに来たみたいで嬉しいです」

 にこにこと笑う彼女。
 広間では怯えていたのに……少しは、元気づけられただろうか。

【ルーシアの好感度が上がりました】

紡紀「何もなかったわね」

外道「元気は出たけど、収穫はゼロ」

 揃ってため息。ルーシアに会えたのは間違いなくいいことなのだが。

 廊下。私は次なる目的地へ思考を巡らせた。

 選択
 広間、大浴場、教室いずれかでどこにいくか

 安価↓1

広間

紡紀「犯人は現場に戻る」

外道「どゆこと?」

紡紀「取り敢えず、改めて広間を調べましょう」

 何か変わっているかもしれない。私達二人は広間へとむかった。


 で、広間。

モノクマ「あ、見つかった」

 そこには誰もいない代わりに、モノクマがいた。
 せこせこと彼は広間の玄関、外への出入口の横になにやら機械を配置している。

外道「何をしてるの?」

モノクマ「オマエラが娯楽に飢えると思って、マシーンを配置してたの」

 尋ねられると彼はマシーンの横へ行き、ポンと手をつける。
 大きなガチャガチャみたいなマシーンだった。中には様々な色のカプセルが入っていて、中々好奇心をそそられる。

紡紀「これは何が入ってるのかしら?」

モノクマ「玩具からゲーム、お菓子、飲み物まで幅広く入ってるよ。ただし回すにはモノクマメダルが必要だけどね」

モノクマ「初めてだから――はい。メダルを10枚プレゼントしてあげる」

 モノクマは私達へメダルを渡す。
 モノクマの顔が彫られたメダル。これまで見つけたものと同じ物だった。

モノクマ「ちなみに改良して新機能を取り入れてね。一枚使って回す普通のモードと、指定した誰かが絶対に喜ぶものが出るモードを用意したんだ。後者の方は一回5枚必要だけどね」

モノクマ「早速回してく?」

 選択
 回すか否か。
 モードも指定してください

 安価↓1

普通 4回

紡紀「回してくしかないわね……」

 とりあえず四回。四枚消費して残り14枚。
 ガチャガチャと。

 出たもの
 ・万能計算機 (足し算引き算割り算から果てに分数計算まで完全にこなせる計算機)
 ・黒いゲーム機 (様々なゲームが詰まったハイテク機)
 ・チョーカー (聖なる雰囲気満々な十字架の付いたチョーカー。おしゃれ)
 ・友達ミサンガ (これを渡した相手は親友――という親愛の証)

紡紀「お菓子とか食べ物が欲しかった……」

 出たものをポケットにつっこみ、私はぼやく。

外道「あはは……まぁ、こんなものだよ、ガチャガチャは」

モノクマ「欲しいものがあるなら根気が必要だよ。ま、頑張って。モノモノマシーンはここに置いておくから」

 モノクマはすぐに姿を消した。

紡紀「うぐぐ……これがガチャの魔力」

 食べ物が入っているなら引きたい。けれどとっておきたい気持ちもある。
 モノモノマシーンに未練を感じつつ、私はこの部屋の探索をした。
 玄関のドアが凄まじい頑丈さで閉じられていた以外、特になにも見つからなかった。

 選択
 どこに行くか
 大浴場、教室

 安価↓1

教室

 教室。机と椅子が並べられ、黒板がある一般的な教室……なのだが、横にある窓は綺麗に鉄板と物々しい金具などで閉じられていた。とても出られそうな場所はない。

紡紀「……うーん」

外道「どうしたの? 唸って」

紡紀「あ、いや、私はここで目覚めたから……何か手がかりがあるかなと」

外道「そうなんだ。僕らは……玄関から入ってきたけど」

紡紀「そうなの?」

 ……ふむ。アーサーが言うように、確かに私は特殊なのかもしれない。
 でもどこが特殊なのかはよく分からない。

外道「でも他の人は廊下とかから来た人もいるかもしれないね。僕がついたのは最後の方だったから」

 なるほどね……。
 ま、考えても今は分からないことだ。とにかく探索しないと。

 結局教室では何も見つからなかった。

 残った場所、大浴場に来た。
 脱衣室は銭湯のように広く、ロッカーは16人をゆうに超す数があり……鏡や洗面台など設備も充実しており、中々綺麗だった。
 どうも洗面台の蛇口は具合が悪いようで、使用禁止の張り紙が張ってあったのだが……それ以外は何も問題はない。あの部屋や廊下のあちこちにあった監視カメラも、さすがにここにはなかった。

紡紀「今日からここか部屋でお風呂、よね」

外道「広くていいお風呂だね。旅館みたいだ」

 脱衣所から浴室へ。そこは露天風呂。しかし外に出られそうにないくらい、周囲を囲んでいる壁は高い。
 開放的なのか、そうじゃないのか、微妙なラインだけども立派さは中々だ。

紡紀「だけど結局ここも」

外道「出られそうな場所はないね」

 これで全て回ってしまった。
 結果は、ここでの監禁生活は中々に居心地がよさろうだということが分かっただけ。監視カメラはあちこちにあったけど……。
 出口など皆無であった。

外道「広間に戻ろうか。みんなと報告しないと」

紡紀「そうね……」

 私達とみんなが見つけたことが変わりなければ……ここから出る方法はコロシアイに参加するしかなくなる。不安を感じつつ、私は広間へと向かった。

 広間では既に全員が集結していた。

アーサー「遅かったな。早く座れ」

紡紀「ええ。ごめんなさい」

 頷いて、空いている席へ。

乾世「さて。みんなの成果をさっそく聞こうか」

 話題はみなの調査の結果に。
 だが誰もが皆、私達と同等か、それ以下の情報量。
 結局わかったのは……。

志織「出られないってことだよね……」

 その事実。
 私達はコロシアイをしなければ、永遠にこの中で生活することになる。
 実感はないものの、背筋がぞくりとする寒気があった。

ルーシー「なんでこんなことに……」

謙「だな。だが嘆いていても何もならねぇ。これからどうする?」

めぐる「……ルール、を決めません?」

火六「コロシアイが起きないように、か?」

 めぐるは頷く。
 コロシアイ抑制のためのルール。私もその意見に異存はなかった。

アーサー「まずは夜時間の出歩き禁止だな」

卓「それと、凶器になりそうなものは没収しておこう」

ルーシア「ご、ご飯はみんなで食べましょう!」

 あれこれと、皆は話し合う。
 私はそれを聞きつつ、ある不安を抱いていた。
 人間を殺すのは、案外簡単だ。出歩き禁止、武器の没収。それだけで殺人を抑制できるのだろうか。
 かといって、それ以上の抑制はそれこそ引きこもり状態になってしまう。それこそ、避けるべき事態だ。
 理想は、皆が皆を監視し合う状態。誰かが誰かのアリバイ、行動を説明できる状態。
 でもそれは難しい。だから、今現在提案されているルールに賛同するしかない。
 ……なんだろう。このもやもやした感じ。
 誰かの思惑の中を、私達はまんまと進んでいる。そんな気がするのだ。

 夜。
 話し合いを終えるといつの間にか時刻は夕方。
 食事を終えて、私は自室へと戻ってきた。

モノクマ『オマエラ、夜10時になりました。明日の合宿のため、ゆっくり休みましょう。おやすみなさい!』

 部屋のモニターにハンモックで寝転がるモノクマが映り、そんなアナウンスがされた。

紡紀「コロシアイ……」

 信じられない。記憶を失ったかと思えば、いきなり生死をかけたふざけたゲームの渦中へ。
 今も混乱している。けれど、だからこそ助かっているのかもしれない。
 理解がしっかり追いつかない。だから私はまだ冷静でいられるのだ。

紡紀「はぁ……どうしたらいいのか」

 用意されていた寝間着でベッドに寝転がるものの、目は覚めたまま。
 落ち着かない。どこか、行ってみようか。

 選択
 どこに、誰と会うか(自由時間と同じく、仲が進展します)

 安価↓1

広場 サーカスの子

 なんとなく広間に行ってみると、そこでは実咲が何かをしていた。

実咲「よ! ほいっ! とうあっ!」

 バク転にバク宙、空中で身体を捻って着地。
 私服と違って、寝間着なのかシャツとショートパンツだったが、それでも彼女の姿はとても美しく見えた。

実咲「よしっ、相変わらずうまいな、あたし」

実咲「あ、紡紀ちゃん! どしたの? 寝ぼけた?」

紡紀「違うわ。ちょっと寝付けなくて。実咲ちゃんこそどうしたの? 飛び跳ねて」

 私が問いかけると、彼女は間近まで来てにっこりと微笑んだ。

実咲「あたしも寝付けなくて、身体を動かしてたんだ。どう? 一緒に」

 一緒に……ついていける自信はないが、身体を動かすことは悪くはないだろう。

 少しの間、実咲についていき運動をした。
 仲良くなった気がする。

【実咲の好感度が上がりました】

紡紀「……」

 何かプレゼントをあげようか……。

 選択
 何をあげるか。または、あげないか。

 安価↓1
 >>111の出たものの中から1つ選択

黒いゲーム機

紡紀「実咲ちゃん、これさっき手に入れたんだけど……あげるわ」

実咲「うん? おーっ! 楽しげなものだね! ありがと!」

紡紀(それなりに喜んでくれたかしら……)

【実咲の好感度が結構上がりました】

実咲「紡紀ちゃんって、超高校級の女色家なんだってね」

 不意に、本当になんの前触れもなく彼女は言った。

紡紀「え、ええ。まぁ……」

実咲「女色家かぁ……」

 値踏みするような視線が私に注がれる。何を言われるのだろうか。
 気持ち悪い、だなんて彼女は多分言わないと思うのだけども。

実咲「その意味って何? 楽しいこと?」

 私は多分、ずっこけたと思う。

紡紀「しょうがないわね……」

 恥ずかしいけど、彼女のためだ。私はその単語の意味を語った。
 段々と説明している内に理解してきたのか、実咲は赤くなってきて――

実咲「ごめんなさい」

 しまいには謝ってきた。多分私に口頭で説明させたことを謝っているのだろう。

実咲「まさかそんな意味だとは思わなかったよ」

紡紀「まぁそうよね。ちんけな才能だし」

実咲「そ、そんなことないよっ。女の子と仲良くなれるってことでしょ?」

実咲「あたしは、いい才能だと思うな。紡紀ちゃんといると楽しいし!」

 無邪気に笑う実咲。そう言ってくれると、私も少しは報われたような気もする。

【実咲のイベント進行。
通信簿に実咲の情報が追加されました】

 
 翌日。

モノクマ『オマエラ、おはようございます。朝になりました。今日も勉強にスポーツに親睦に、有意義な合宿を過ごしましょう!』

 モニターに本片手に機械の上を走るモノクマが映し出され、そんな台詞が放送される。
 一日経っても、最悪な状況に変化はなかったようだ。

紡紀「ふぁ……」

 既に身支度を終えていた私は、欠伸を1つ。朝の放送の時間に、食堂へ集合。それが私達の決めたルールの1つだった。

紡紀「守らないといけないわよね」

 下手な行動をして、怪しまれては厄介なことにしかならない。別に悪いことはしていないのだが、それでも人の疑いというのは怖いものだ。
 私は伸びをして、立ち上がると部屋から出た。

 食堂には既に他のメンバーが揃っていた。
 ――驚いた。みんな思ったよりしっかりしている。
 私は感心――しかけ、皆の顔に元気がないことに気付く。おそらくまともに寝られなかったのだろう。

紡紀(当然ね……)

 挨拶をかわしつつ、空いている席へ。
 朝食であるトーストと目玉焼きを口にしつつ、私は周囲を眺めた。
 疲弊して当たり前。私ですらまともに寝付けなかったのだ。のうのうと眠れるはずがない。
 暗い雰囲気だった。

ルーシア「あ、あの、女子の皆さん……いいですか?」

 男子がバー風のカウンターに座り、女子らはテーブル席に。
 性別で完全に別れた状態の中、ルーシアがおずおずと女子へ声をかける。

メディス「どうしたの?」

ルーシア「ち、ちょっと提案なんですけど……明後日の夜時間に、女子みんなで集まりませんか?」

 意外な提案だ。真面目な彼女ならば、夜時間の決まりは守りそうなものなのだが。

志織「ルールはいいの?」

ルーシア「誰かの部屋で集まれば、その、ルールを破っていることには……」

紡紀「ならない、ってことね。でも何をするの?」

ルーシア「お話したりして、あの、仲良くしたい、なぁ……と」

彩「……なるほど。いいんじゃない?」

めぐる「いいと思うっす」

実咲「あたしも賛成。暗くて気分が滅入っちゃうよ。ぱーっとやろうぱーっと!」

志織「女子だけでぱーっとヤる……ふふふ」

 皆、異論はないようだ。
 ルーシアはホッとしたように笑みを浮かべる。

ルーシア「本当ですかっ? えと、誰の部屋にします?」

 不安そうな様子から転じて、わくわくと期待を込めた目で皆を見るルーシア。
 誰の部屋、か。特に考えなくてもいいことだと思うけど。

紡紀「それなら私の部屋は? 誰の部屋でも同じだろうし」

 全員が首を縦に振る。それでいいらしい。

紡紀「ならそれで決まり。各自モノモノマシーンを頑張って。いいおやつが手に入るよう幸運を祈っているわ」

実咲「らじゃー! 隊長どの!」

ルーシア「ら、らじゃー!」

 和気あいあいと話す私達。そんな中、彩だけがいつもの表情を崩さずに何かを考えているようだった。

 朝食後。自室。

 さて。探索は無駄だと分かったし、とりあえずは現状維持しかないんだけど……ジッとするのも性に合わない。

紡紀「なにかしようかしら」

 自由時間開始。

 選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル14枚】

 安価↓1

【今日はここで落ちます】

1安藤

【主人公】
超高校級の女色家
 夏才 紡紀(かさい つむぎ)
 記憶の一切を失ったお嬢様っぽい少女。髪は金髪のセミロング。瞳の色は蒼。
 フリルのついたブラウスに、赤いスカーフ、赤いロングスカートという服装を好む。
 割と――というよりかなり普通の人間。食欲旺盛?

 ステータス(スキル効果も含めます)
 発言力 5
 精神力 5

 スキル
 なし


【男メンバー】

超高校級の闘牛士
 安藤 乾世(あんどう かわせ)
 ひょうひょうとした雰囲気の男性。
 シャツにネクタイ、上着、闘牛士を彷彿とさせる服を着ていて、髪は肩につくほどの長さで色は黒。見た目は中性的。

超高校級のセールスマン
 緑川 青州(みどりかわ せいしゅう)
 常に笑みを浮かべており、コミュ力が高い。本心を見せない。礼儀正しい。さらさらとした黒髪。平均的な身長。
 顔立ちはいいのだが、印象に残らない容姿をしている。

超高校級の撮り鉄
 冥川 外道(めいかわ そとみち)
 目的のためなら手段を選ばない。丸々と、なんて言葉が似合いそうなピザ。車掌らしき服を着ている。
 暑苦しい容姿の割にはかなりさわやかな人柄、口調。

超高校級の霊媒師
 鵜都 火六(うず かむ)
 紺の着物のようなものを身に付けており、髪は黒で男性にしては長い。
 それを後ろへ流しており――なんだか、匠なんて言われても納得できそうな威厳がある。
 けれど顔が若々しいため、胡散臭いという印象の方が強い。

超高校級の議員
 遊河 謙(ゆうが けん)
 スーツ姿で、きっちりとしたネクタイは歪み一つない。
 眼鏡をかけていて……なんだか営業マンのようにも見えるが、頭髪は少し派手。
 紫色のくせっ毛で、あちこち跳ねており、顔はかなり怖い。強面というレベルを越えているような感じ。

超高校級の投資家
 操写 敦(そうしゃ つとむ)
 服装はいまどきといった感じ。ジーンズにシャツ、お洒落なジャケット、ネックレスなど、モデルみたいな人。
 ふんわりとした青色の髪。スイッチが入るとぺらぺらと言葉で人をまくし立てる。その際自分でも長話だと認識している。

超高校級の給食係 
 御石 卓(おいし しょく)
 身長は低めで、顔立ちもなんだか中性的。髪は紺で、短め。
 さっぱりとした清潔感のある少年という感じ。ごはんは毎食しっかり食べて欲しいようだ。

超高校級のボクサー
 八代 猛志(やつしろ たけし)
 質実剛健。だけどキャパを超えると以上に焦る。
 ベリーショートのさっぱりとした赤い髪。ノースリーブのシャツに長袖のジャケット。下はジーンズ。
 この方も結構強面。

 【女性メンバー】

超高校級のスパイ
 椿巳 彩(つばみ あや)
 胡散臭い人その2。
 髪は白でショート。肩ほどでしゃきっと切りそろえられたボブカット。
 スーツ姿で、ショートのスカートと黒タイツ。クールそうな印象の少女だが、なんか抜けてる。

超高校級の編みぐるみ作家
 安南 めぐる(あんな めぐる)
 かわいいものに目がない。ぼーっとしている。ふわふわした印象の女性。
 髪は水色で二つのおさげが左右にちょこんと。薄手のカーディガンにワンピースと、ニーソにブーツ。
 目立つのは服のポケットや片方の肩に提げるリュックから顔をだす編みぐるみ。
 色は様々。どれも動物を型どっていて、ふわふわしいた印象の彼女を更にメルヘンに見せている。
 口調が独特。

超高校級のシスター
 ルーシア=プリーテス
 普段は気弱だがいざというときは行動力がある。
 大人っぽい人。服は黒一色で、髪色は金。長さ腰ほどまで。シスターらしく修道服のような格好をしている。
 変なアダ名をつける。友達がいっぱいほしいらしい。

超高校級のサーカス団員
 桃原 実咲 (とうばる みさき)
 周りの人を楽しませることしか考えてない少女。
 肩につかない程度の長さの薄茶色のショートヘア。片目が隠れた不思議な髪型。
 一見する限り、普通の女の子。服装はセーターワンピースに、黒タイツ。スタイルは平均的な感じ。
 【イベント進行 1】

薬剤師 仁科 志織 (にしな しおり)
 基本くっそ優しい慈愛の塊。実は下ネタがっつりいけるクチ。
 髪は赤のロングヘア。白衣に眼鏡と、いかにもな格好である。
 おっとりとした少女だが、現状紡紀よりも女色家の名が相応しい状態に。

超高校級の記者
 メディナ=メディス
 ジャーナリストという名の変態。
 爛々と輝くくりくりとした目。小さい子供のような容姿をしており、髪色はピンク。ポニーテール。
 服装はどこかの制服を着ている。

超高校級の元帥
 アーサー
 高貴であり冷血。同じ帝王学を学んだ十神と違いかませになることがない。男に見えるが実は女。
 きりりとした顔立ちに、黒い軍服のような制服、帽子。身長は高めでスラリとした体格。
 全体的に凛々しくて、かっこいい男性……なのだが、紡紀曰く何かがひっかかる。

 ちょっと遅れましたが一覧です。
 今後学級裁判の前には、コトダマも一覧にして書いておきます

 広間に彼はいた。

乾世「おや、おはよう。どうだい? 若い男女、親睦を深めるのは」

 紅茶だろうか。優雅にそれを飲んでいた彼は微笑み、近くへやって来た私へ声をかける。

紡紀「そうね。そうさせてもらおうかしら」

乾世「ふふ、冷たい対応だ。ちょっと待っててくれ。お茶を淹れてくる」

 そう言って、彼は席を立つ。キザな台詞に自然な気遣い……多分、モテる男性とはあんな感じなのだろう。
 私は午前の時間を乾世と過ごすことにした。
 ちょっとは仲良くなれた、と思う。

【乾世の好感度が上がりました】

紡紀(折角だし、何かプレゼントでもあげようか……?)

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。

 ・万能計算機 (足し算引き算割り算から果てに分数計算まで完全にこなせる計算機)
 ・チョーカー (聖なる雰囲気満々な十字架の付いたチョーカー。おしゃれ)
 ・友達ミサンガ

 安価↓1

・万能計算機 

友達ミサンガ

紡紀「乾世くん、これあげる」

 万能計算機……乾世にはあまり似合いそうもないけど、どうだろうか。

乾世「おや、ありがとう。中々シックな感じだね」

 それなりに……喜んでくれた、かしら。
 笑顔でお礼を口にする彼へ、私は笑みを返した。

【乾世の好感度が少し上がりました】



 自室。
 まだ時間はある。何をしようか。

 自由行動開始。

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル14枚】

 ※2、3は時間が進みません

 安価↓1

1安南

めぐる「あ、紡紀さん」

 めぐるの部屋。インターホンを押すと、彼女は顔を出した。

紡紀「こんにちは。お昼ごはんでも一緒にどう?」

めぐる「お昼? あ、もうそんな時間なんすね」

めぐる「いいっすよ。じゃあ行きましょうか」

 午後の時間をめぐると昼食、会話をして過ごした。
 ちょっとは仲良くなれたかしら。

【めぐるの好感度が上がりました】

紡紀(なにか贈ろうかしら……?)

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。

 ・チョーカー
 ・友達ミサンガ

 安価↓1

渡さない

紡紀(まぁ、また今度……かな)

 手持ちが少ないし、今あげる必要もないだろう。
 私はめぐるに別れを告げ、自室へと戻った。

モノクマ『オマエラ、夜10時になりました。明日の合宿のため、ゆっくり休みましょう。おやすみなさい!』

 あっという間に夜時間だ。
 初対面ということもあり、話題が尽きないため時間が過ぎるのも早い。
 私はすぐに過ぎていく一日に思いを馳せつつ、ベッドに座り考えた。
 夜時間は出歩きしないよう言われていたが……どこかに行こうか。

 選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル14枚】

 ※2、3は時間が進みません

 安価↓1

1うず

火六「おお、紡紀。洗濯か?」

 部屋から出歩いて、ランドリーの稼働する音に顔を出してみれば、そこにはあまり会いたくない人間がいた。
 鵜都 火六。胡散臭い霊媒師だ。

紡紀「違うわ。誰かいるみたいだったから」

火六「そうかそうか。ちょうどいいや、話し相手になってくれよ」

紡紀「ええ、いいけど」

 苦手と言えば苦手だが、それは彼が初対面でわかりにくいジョークを飛ばしてきたから。
 話をして理解を深めるのはいいかもしれない。
 私は頷く。

 夜のランドリー。がたごとうるさい室内で、火六と話した。結構楽しい。
 彼はメダルで自動販売機のジュースをおごってくれたり、なんだかんだよくしてくれた。
 少しは彼のことを理解できたかもしれない。

【火六の好感度が少し上がりました】


紡紀(何かお返ししようかしら)

選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。

 ・チョーカー
 ・友達ミサンガ

 安価↓1

友達ミサンガ

紡紀「火六、これあげるわ」

火六「なんだこれ?」

紡紀「友達の証、だって。特に意味はないけど」

火六「――へぇ、お前もかわいいとこあんのな」

 からかうような笑みに、うっさいと返しておく。
 それなりには喜んでくれたらしい。

【火六の好感度が結構上がりました】


火六「なぁ。すばり、紡紀は幽霊を信じてるか?」

紡紀「幽霊? どうしたのよ急に」

火六「まぁいいからいいから。オカルト全般、どうだ?」

紡紀「どうと言われても……」

 選択
 1・信じてない
 2・見たことないし分からない
 3・信じてる

 安価↓1

1

紡紀「まったく信じてない」

火六「あっはっは! そうか!」

 信じてないときっぱり言われた割には、彼は快活にむしろ楽しそうに笑った。

火六「正直でいいことだ。うん」

火六「俺としては信じてくれたほうがいいがな」

紡紀「で、何の意味があったのよ? 今の質問」

火六「ない。疑問に思っただけだ」

 あっけらかんと答える彼。

火六「ま、見てろ。超高校級の霊媒師、その力、いつか見せてやるから」

火六「信用してない奴にも認めさせてこそ、超高校級だからな」

 ポジティブ、なのかしら。
 でも断言する辺り、自信があるのかもしれない。

【火六の好感度が少し上がりました】


 翌朝。

モノクマ『オマエラ、おはようございます。朝になりました。今日も勉強にスポーツに親睦に、有意義な合宿を過ごしましょう!』

紡紀「さて……今日はどうしようか」

 朝食を食べて、その後は――

 自由行動開始。

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル14枚】

 ※2、3は時間が進みません

 安価↓1

1 メディナ

 【アナウンス忘れました】

 【鵜都 火六のイベントが進行しました。
 通信簿に火六の情報が追加されました】


 朝食を食べた後、私はメディスを探して合宿所を歩きまわった。
 そして見つけたのは――ランドリーのはじっこ。彼女はそこで何かメモのようなものを書いていた。

紡紀「メディスちゃん」

メディス「ほあっ。紡紀ちゃん。どしたん?」

 飛び跳ねる彼女は私の姿を見るとにっこり笑う。

紡紀「よかったらお話しない?」

メディス「お話? うん、いいよ。しよっか」

 あっさり承諾。彼女はここで何をしていたのだろうか。

 メディスとお話をして過ごした。
 ちょっとは仲良くなれただろう。

【メディスの好感度が少し上がりました】

紡紀「さて……」

 そろそろ別れようと思うが、何か渡そうか。

選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。

 ・チョーカー

 安価↓1

渡さない

紡紀「……メディスの趣味には合いそうもないわね」

 やめといた方がいいだろう。
 私はメディスに別れの挨拶をし、一旦自分の部屋に戻った。


 自室。
 時間はまだある。
 そういえば明日の夜は女子だけで集まる予定だった。
 忘れずに覚えておかねば。

 自由行動開始。

 選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル14枚】

 ※2、3は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1ルーシア

紡紀「ルーシア」

 ルーシアはすぐ見つかった。
 食堂。お昼時というのもあり、彼女は食堂で昼食を食べていた。
 卓が作ってくれたものだろう。ココアあげパンをもぐもぐと、牛乳と一緒に食している。

ルーシア「あ、こんにちは。つむつむさん」

 相変わらずなアダ名を嬉しそうに言い、彼女は新しく牛乳の瓶を左手で開ける。

ルーシア「ご飯ですか?」

紡紀「ええ。それと、ルーシアと遊ぼうかと思って」

ルーシア「ほ本当ですか!? ど、どうしましょう」

 物凄く動揺する彼女。私はそんなルーシアを宥めて、昼食をとることにした。

 食事の後、食堂でのんびり会話した。
 仲良くなった、と思う。

【ルーシアの好感度が少し上がりました】


紡紀「……」

 何かプレゼントでも渡そうか。

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。

 ・チョーカー

 安価↓1

チョーカーあげる

紡紀「これあげるわ」

 残り1つ。それにこのプレゼントは彼女にぴったりだろう。
 私は迷うことなく、彼女へとチョーカーを差し出した。

ルーシア「わぁ……す、素敵なものをありがとうございます!」

 かなり喜んでくれたようだ。うん、良かった。

【ルーシアの好感度がすごく上がりました】


ルーシア「……友達百人、できそうもないですね」

 ぽつりと、ルーシアはそんな言葉をもらした。

紡紀「……。人数ってそんなに大切?」

 コロシアイ。合宿所への監禁。友達百人できる環境ではないため、彼女の言葉は否定しない。
 けれど何故百人にこだわるのか、それが気になった。

ルーシア「私、貧しいのもあって、今までまともに同年代の子と話したことがないんです」

 あげたチョーカーを握りしめ、彼女は言う。

ルーシア「超高校級の才能もあって、教会のことに精一杯でしたから余計に」

ルーシア「だから学校に行けたときは、一杯友達を作ろうと思ったのですが――」

 なるほど。そういう理由か。
 私は少々考えた後に口を開く。

紡紀「それなら、ここの人達と百人分仲良くなればいいんじゃない?」

紡紀「私は大歓迎よ。もっと仲良くなりたいと思ってる」

ルーシア「つむつむさん……」

 微妙に面白いから、この場で言うのはやめていただきたい。

ルーシア「そ、そうですね。百人分……頑張ります!」

 グッと手を握り意気込む彼女。
 百人分……つまりは、全員と7人分は仲良くなれば目的は達成なわけだ。
 長い道のりだが、彼女ならばきっと大丈夫だろう。

【ルーシアのイベントが進行しました。
 おめでとうございます。ルーシアのイベントが50%完了しました。

 ルーシアの通信簿に情報が追加されました】


モノクマ『オマエラ、夜10時になりました。明日の合宿のため、ゆっくり休みましょう。おやすみなさい!』

 夜時間になった。
 本当にあっという間だ。今はそう感じているけど、これからそうもいかないのだろう。

紡紀「はぁ……」

 ため息を一つ。
 さて、夜時間はどうしようか。

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル14枚】

 ※2、3は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1 謙

紡紀「あ。謙くん」

 広間へ行くと、そこには謙がいた。
 グラス片手に何か本のようなものを読んでいる。

謙「よう。女が夜に寝間着で出歩きか?」

紡紀「寝られなくて。謙くんもそうでしょ?」

謙「まぁな。……座るか?」

紡紀「ええ。そうさせてもらうわ」

 成り行きで、彼と過ごすことに。
 話をして過ごした。
 沈黙が多かったけど、ちょっとは仲良くなれただろう。

【謙の好感度が少し上がりました】

紡紀「さて、おやすみなさい」

謙「おう、またな」

 ……そういえば彼、漫画を読んでいたような気がしたけど――気のせいだろう。


 朝。

モノクマ『オマエラ、おはようございます。朝になりました。今日も勉強にスポーツに親睦に、有意義な合宿を過ごしましょう!』

 いつのもモノクマの不快なアナウンスが流れる。
 今日は約束の日だ。女子だけが集まる会……楽しみである。

紡紀「今日動けるのは午前と午後、かしら」

 自由行動開始。

 選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル14枚】

 ※2、3は選んでも時間が進みません

 安価↓1

2

紡紀「仲良くなるために、自分のために……」

紡紀「私はこれを回す……!」

 朝。朝食をとると早速私は広間へとやって来た。
 モノモノマシーン……いざ勝負!

 選択
 プレイするモードは? 回数は?
 通常or高級(五枚消費で指定した人物が絶対に喜ぶものが出ます)
 通常と高級を合わせてプレイするのも可。
 ただし手持ちのメダルの枚数分しかできません。

 安価↓1

高級1回であと全部通常

通常9回に高級1回。
人物指定がないので、安価とります。

選択
高級は誰のものにするか

安価↓1

撮り鉄

紡紀「よし」

 大体決まった。
 まず通常9回で数を稼ぎ……高級を一回。
 最初に高級をしようか。メダル五枚を投入。外道の顔アイコンを押して、私はマシーンを回した。
 その後、通常を9回回す。

 出たもの
 【高級】
 ・鉄道模型(マイナーな鉄道を模型にしたレア物)

 【通常】
 ・熱血!ベースボール(レオンという主人公が登場する熱血スポーツ漫画)
 ・チャイナ服(セクシーな感じのチャイナドレス)
 ・チョコチップクッキー(名前の通り)
 ・綺麗なリング(キラキラと光る銀色の綺麗な指輪)
 ・プロテイン(万能薬とも言われる、スポーツ家愛用の品)
 ・かわいいリボン(赤いリボン)
 ・古いレコードプレーヤー(高級品、らしいボロいレコードプレーヤー)
 ・びっくり箱(モノクマが飛び出す不快といえば不快な箱)
 ・ポテトチップス(コンソメ味。パンチのきいた辛味が特徴的)

紡紀「うん! よく分からないけど、よさそうな物が沢山出た!」

 食べ物が出てきてくれて私としては嬉しい限りだ。
 うん、かぶりもないし上出来だろう。


選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル0枚】

 ※2、3は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1仁科


志織「紡紀ちゃーんっ。今日も麗しいね」

 志織と過ごそうと、彼女を探していたのだが……。
 廊下で背後から不意に抱きしめられた。

紡紀「わっ、びっくりするからやめて……」

 後ろを振り向けば、人懐っこい笑顔が。
 あと背中に柔らかい感触が……お姉さんぽい見た目に負けない立派なサイズである。

志織「ふふ、ごめんね。どうしたの? うろちょろしてたみたいだけど」

 私から離れて前に出てくる志織。彼女はにっこりと笑う。

紡紀「あなたを探してたの。一緒に話でもしない?」

志織「私と? いいよ、広間に行こうか」

 快諾。
 私と志織は広間で一緒に話をして過ごした。
 仲良くなったような気がする。

【志織の好感度が上がりました】

紡紀(仲良くなるために……)


 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。

 ・鉄道模型
 ・熱血!ベースボール
 ・チャイナ服
 ・チョコチップクッキー
 ・綺麗なリング
 ・プロテイン
 ・かわいいリボン
 ・古いレコードプレーヤー
 ・びっくり箱
 ・ポテトチップス

 安価↓1

・チャイナ服

紡紀「……これ、あげるわ」

 自分は何を考えているのだろうか。
 女性にチャイナ服をあげるとは。いや、男性にあげるのもそれはそれで問題にしかならないんだけど。
 こんなもので志織が喜ぶとは思えな――

志織「わ、可愛い。ありがとう」

志織「でも紡紀ちゃんが着てくれた方が嬉しいかな」

 喜んでる。可愛い物が好きなの……かしら。

【志織の好感度が結構上がりました】


志織「紡紀ちゃんはいい子だね」

 チャイナ服を大事そうに抱え、彼女は笑う。

紡紀「そうかしら? よく分からないけど」

志織「そうなんだよ。優しいし、こんな状況なのにしっかりしてるし」

志織「私なんて、不安で……って、そんなこと言っても仕方ないか」

 志織は苦笑する。
 明るい彼女が不安に……そんなこと、考えもしなかった。
 不安なのが当然。それを私は忘れていたのかもしれない。

【志織のイベントが進行しました。
 志織の通信簿に情報が追加されました】


 自室。
 まだまだ時間はある。これからどうしようか。

 自由行動開始。

 選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 【現在のモノクマメダル0枚】

 ※2、3は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1緑川

紡紀「青州くん」

青州「……おや、夏才さんですか。こんにちは」

 昼食後。広間で読書をしていた彼に声をかける。
 初対面の時と全然変わりない様子だ。笑顔で大人しく、嫌味のないさわやかさがある。

紡紀「読書?」

青州「ええ。セールスマンとして、勉強は欠かせません」

青州「できれば時事関係も学びたいんですけどね」

 真面目なものだ。
 こんな時でも学ぼうとする姿勢は素直に感心してしまう。
 それから私は本を読む彼に話しかけ、会話をして過ごした。
 多分、仲良くなっただろう。

【青州の好感度が上がりました】

紡紀(よし、仲良くなるために何か渡そうかな……)

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。

 ・鉄道模型
 ・熱血!ベースボール
 ・チョコチップクッキー
 ・綺麗なリング
 ・プロテイン
 ・かわいいリボン
 ・古いレコードプレーヤー
 ・びっくり箱
 ・ポテトチップス

 安価↓1

びっくり箱

紡紀「……これ、あげるわ」

青州「何ですか? これ」

 びっくり箱を受け取る青州。
 彼は四角形のそれを眺めると、おもむろにスイッチを押す。
 そしてピューッと、マヌケな音を出して飛び出すモノクマ。

青州「……面白いですね」

 彼は微動だにしなかった。
 表情は笑顔のままで、一言感想を口にする。

紡紀(何も思ってなさそう……)

 大して進展はなさそうだ。


モノクマ『オマエラ、夜10時になりました。明日の合宿のため、ゆっくり休みましょう。おやすみなさい!』

 夜時間になった。
 夕食は食べたし、服もいつもどおり。
 部屋は片付けたから……問題はない。

紡紀「女の子が全員……楽しみ」

 こういうふうにわくわくしている自分を自覚すると、女色家なのも案外間違いないのかもしれないと思ってしまう。
 期待に胸をおどらせて部屋の中をうろちょろと歩く。
 少ししてから、部屋のインターホンが鳴った。

紡紀「いらっしゃい!」

 小走りでドアへ。出迎えると、部屋の前には女子の全員が揃っていた。
 一人を除いて全員が寝間着姿で、いつもとはまた違う雰囲気。うん、素敵だ。
 それから私達は、各自モノモノマシーンで手に入れたものや料理してきたものを食べつつ、会話を楽しんだ。

【女子全員の好感度が上がりました】

 
 楽しい時間だった。
 コロシアイなんて言葉は頭からすっぽ抜け、みんながみんな笑顔を浮かべている。
 このまま、ここで生活していくのも悪くないかもしれない、なんてことすら私は思っていた。

実咲「ほいっと! よーし、志織ちゃんパス!」

志織「任せとき! 志織ちゃんがちょちょいの――へぶうっ」

 実咲がジャグリングしていたゴムボールを志織が受け取ろうとし、顔面へ直撃。
 一同は笑い、会話を再開する。なんだか飲み会みたいなノリである。防音性はいいらしいし、気にする必要はないのだが、ちょっと心配だ。

紡紀「あはは。あー……楽しい」

 大騒ぎする面々を横目に、私は飲み物を一口。
 部屋を見回し、ふと、ルーシアのことが目についた。
 彼女は楽しそうにしている面々を眺め、嬉しそうにし、そして目にうっすらと涙を浮かべていた。

紡紀(……あれが関係してるのかしら)

 今日のことも彼女が提案したことだ。
 ……楽しんでくれているといいけど。

紡紀(よし、私も頑張ろう)

紡紀「ルーシア、友達同士、遠慮なく行きましょ」

ルーシア「へっ? ええっ、私は目立つことは――」

 友達のためだ。思い出づくりのために頑張るとしよう。
 私はルーシアの手を引いて、実咲と志織の中へと出た。
 その後も騒ぎは続き――1時間ほど経った時だっただろうか。

紡紀「……あれ?」

 私はルーシアがいないことに気づいた。
 部屋にはルーシア以外の全員がいるのだが……ルーシアだけがいない。
 いつからいなくなったのだろうか。私がポテチを流し食いした時くらい? まずい、分からない。

メディス「どしたん? 紡紀ちゃん」

 私の様子に気づいたのか、全員がこちらを見る。皆特に何も心配そうな顔はしていない。

紡紀「ルーシアちゃんがいないような気がするんだけど……」

実咲「あぁ、それならお風呂に行ったんじゃないかな」

 お風呂? 首を傾げる私へ、女子一同は頷く。

彩「彼女は大きいお風呂が好きらしいの」

志織「でも恥ずかしいからいつもこの時間らしいんだよね。いいスタイルなのにもったいないっ!」

紡紀(だからルーシアはいつもの服だったのね……)

 なるほど、納得だ。
 お風呂、か。私もまだ入ってないし……裸の付き合いで、ちょっと話をするのもいいかもしれない。

紡紀「そか。それなら私も行ってくるわ」

メディス「女色家の本領発揮……」

志織「あつあつのお風呂でとろとろ――」

彩「やめなさい」

 まだテンションの高い彼女らの会話を背中に、私は部屋を出た。
 夜時間の廊下はひんやりしている。そういえば季節は今、どこらへんなのだろうか。皆長袖なのを見ると……秋、だろうか。
 私はのんびりと考えながら大浴場へと向かった。
 私はその時、コロシアイなんて単語を忘れていた。
 だけどもすぐに思い出すことになる。
 大浴場のドアを開き、目の前に飛び込んできた光景。
 ――そう。

 血を流し、倒れているルーシアを見た時、瞬時に。


【Chapter1:はじまった生活と終わったもの 非日常編】

 なにが起こっている。
 そこにある光景を、見ているものを、私はしばらく見つめていた。
 息が上がり、心臓が飛び跳ね、目眩を覚える。

 ルーシアが。
 さっきまで楽しそうにしていた彼女が……死んで――?

紡紀「っ!」

 私はすぐに走りだした。
 私では判断がつかないし、もし生きていたとしても助けられる自信はない。ただこのまま棒立ちしているのは愚策と言えた。
 真っ直ぐ走り、私の部屋へ。ドアを開いて中に入ると、私は大声で叫んだ。

紡紀「ルーシアが! 血を流して……っ!」

 きょとんとしていた女子達が顔を青ざめさせる。
 予想もできないことだ、無理もない。そんな中すぐさま動いたのは彩。

彩「行きましょう。助けに」

 冷静な声で、しかし表情には焦りを浮かべ彼女は言う。そしてまともに歩けない私に肩を貸して、彼女は部屋を出た。
 他の女子もその後に続く。
 小走りで向かい、私達は大浴場のドアを開き中へ入った。

実咲「ルーシア、ちゃん……!?」

志織「そんな、嘘……」

 やはり見間違いなどではなかった。
 さっき見た時と変わらず、ルーシアは床に倒れていた。
 ピーンポーンパーンポーン。
 それを全員が確認した時、場違いなチャイムの音が鳴り響く。そしてモニターに光が灯った。

モノクマ『死体が発見されました! 一定の捜査時間の後、学級裁判をはじめます!』

モノクマ『いよいよはじまったね、コロシアイ合同合宿! オマエラの楽しくなる活躍を期待してるよ?』

モノクマ『それじゃ、グッドラック!』

 死体。
 その言葉を耳にした時、私の身体から力が抜けた。
 組んでいた手が離れ、床に手をつき呆然とする。
 ――分かっていた。
 倒れている彼女の身体が少しも動いていないことは。
 けれどそれを認めたくはなかった。だって、認めれば……ルーシアは。
 誰も悲鳴をあげなかったのは、信じられなかったからだ。
 死んでいると一目で分からない状態。ならば希望を抱いて自然だ。
 短い時間の間に友人が死ぬことを信じるのは不可能だ。
 それをモノクマの放送が無理矢理認めさせた。
 私達は友人の死を悲しむことも、嘆くこともできず、叫ぶこともできずただ立っていた。
 まるで誰かに取り残されたかのように。

動機発表前かぁ
そういえば友達の話とかフラグ全開だった

猛志「お、おい! ここにいたのか! 死体が、って――うわあああ!?」

 ばたばたと騒がしい音。ドアが勢いよく開いたかと思えば、今度は絶叫。
 そしてまた足音は去っていき、今度は数を増して帰ってくる。

謙「これは……」

青州「まさかと思いましたが、ルーシアさんが」

外道「モノクマの嘘、ではなかったんだね」

 男性陣もアナウンスを聞いてやって来たようだ。いつの間にか大浴場の脱衣所にはアーサー以外の面々が集合していた。
 皆、ルーシアの死体を見て驚愕している。そこへあいつもやって来た。

モノクマ「失礼だなぁ、もう」

モノクマ「ボクが嘘を言うと思う?」

 こんな場でも、こいつはふざけたような態度で喋る。
 それが腹立たしくも、おそろしくもあった。

彩「……学級裁判ってなに?」

 間を少し空け、彩がモノクマへ問いかける。
 アナウンスでモノクマは言っていた。捜査の後に学級裁判を開くと。
 確かに、初めて聞くことだ。
 どういう意味なのだろうか。

モノクマ「うん、それを説明しにきたんだ。電子生徒手帳の校則を追加したから見てください」

校則

1・生徒達はこの合宿所だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
2・夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。
3・就寝は設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。
4・学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
5・仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
6・生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。
7・学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。
8・学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが卒業となり、残りの生徒は全員処刑されます。
6・希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
なお、校則は順次増えていく場合があります。

 震える手でなんとか確認すると、確かに増えていた。
 これが意味するのは……。

卓「犯人当てってこと……?」

 そう。生徒を殺した誰かを捜査で探し、指定するということ。

モノクマ「その通り! 校則通り誰にも知られず殺せたか、それを確認しないといけないからね。学級裁判はそのための論議の場です」

モノクマ「犯人は誰か。その証拠を探して、頑張ってクロを的中させてください」

モノクマ「もし当てればクロだけがオシオキ。間違えればクロは卒業。クロ以外がおしおき」

モノクマ「頑張るしかないよね。うぷぷぷ」

火六「ちなみに、だ。おしおきってなんだ?」

モノクマ「校則にもあるでしょ? 処刑だよ処刑。前に見せたモノクマ人形よりもひどいことになるかもね……うぷぷ」

 蜂の巣にされ、あちこちを刺され、爆死した人形。あれよりもひどいことに……。
 寒気がした。
 ルーシアのことを悲しんでいたのに、私の頭には死にたくないという想いがふっと生じる。

モノクマ「やる気出してくれた? 嬉しいよ。さて、それじゃ捜査時間が始まる前に……」

モノクマ「ザ・モノクマファイル!」

 どこからともなく、モノクマは何かの機械を取り出す。そしてそれを全員に配布していった。

モノクマ「ボクからオマエラへのサービスです」

彩「なるほど……」

 真っ先に操作した彩が頷く。どうやらタッチで操作するらしい。
 私も彼女にならって画面を操作。すると画面にある情報が映った。

【ルーシア=プリーテス】DEAD

 彼女の名前に、全身の写真。それに大きくDEADと書かれた文字が重なっている。
 その横には彼女のプロフィールが。
 画面を下にスクロールさせると、そのページには死体の状態について記載されていた。

乾世「これは……?」

モノクマ「オマエラは素人でしょ。死体の状況、死亡推定時刻、その他様々な情報を平等に裁判するために、記載してあるから……調査に役立ててください」

モノクマ「ただし事件の謎に繋がる、書いたらつまらなくなるようなことは伏せていますので、あしからず」

 つまりは公式なヒントか。
 嘘は書いていないだろうし、きちんと確認しておこう。

モノクマ「それじゃ、頑張ってね。学級裁判でクロが見つかるように……うぷぷ」

 不気味な笑みを残し、モノクマは去っていった。

彩「やりましょう、みんな」

 彩の言葉にみんなが頷く。
 ――やるしかない。私も、いつまでも悲しんでいるわけにはいかない。
 ルーシアのためにも。私達はクロを、仲間を殺した犯人を探さなければ。そうしなければ――私達が死ぬ。

紡紀(そう。見つけるしかない)

紡紀(やるしか、ない……!)

謙「捜査開始だな。現場はどうする?」

彩「まずは見張りを――」

 二人がてきぱきと指示しようとした瞬間、ドアが開く。
 まさかまたモノクマ――かと警戒したが、入ってきたのはアーサー。彼は特に驚いた顔もせず死体を見ると、鼻で笑う。

アーサー「ずさんだな。くだらない」

 ずさん……?
 腹が立つ前に、言葉の意味が気になった。

アーサー「捜査ははじまって――ないみたいだな。俺が現場の見張りをする。あとはお前」

猛志「お、俺か?」

 後からやって来て図々しく決めるアーサー。彼は自ら見張り役に名乗り出て、おそらく強さで選んだのだろう。猛志を指名する。
 急なことだったがみんなは特に文句はないらしい。ボクサーの猛志ならば見張り役にぴったりだろうし。

アーサー「モノクマから話は聞いた。さぁ、捜査するんだろう? さっさと始めたらどうだ?」

紡紀「……言われなくても」

 立ち止まっているのは終わりだ。
 私は立ち上がり、深呼吸。やるんだ。今はただそれだけ。頭をフル回転させて、クロを見つける。
 やがて脱衣所にいる皆は捜査を開始した。
 私も、はじめよう。

【捜査開始】

 まずはモノクマファイルの確認だ。

 情報は……。

【死亡推定時刻 0時40分
 被害者の手首には刃物で切った傷。頭に小さな切り傷。その他に目立った外傷はない】

紡紀「……これだけ?」

 あれこれ書いてあったが、要約するとその程度のことしか書いてなかった。
 これが果たしてヒントになるのだろうか。

コトダマ【モノクマファイル】を手に入れました。
 『死亡推定時刻0時40分。被害者の手首には刃物で切られた傷。頭には小さな傷があった』

 これだけで分かるほど簡単ではないということか。
 私はモノクマファイルをポケットにしまい、小さく息を吐いた。
 これが駄目となると、調べるべきは死体……だろうか。

 選択
 どこを調べるか
 1・死体
 2・脱衣所全体
 3・彩、アーサーどちらかに話しかける

 安価↓1

1

紡紀「ごめんなさい……」

 一言謝り、私は死体へ近づいた。
 驚くくらい寒く、あたたかさを感じさせない身体。死とはこれほどまで分かりやすいものか。私は悲しくなる。

彩「あまり触らないようにして頂戴」

 同じく死体を調べていた彩から声がかかる。
 死体はこの事件で重要なもの。彼女の言う通り、できるだけ干渉しないようにしなくては。
 私は頷いて、覚悟を決めた。

紡紀「……」

 死体は脱衣所のロッカーの前にあった。
 彼女はロッカーに背を預け、床に座った体勢でぐったりとしている。服は着たままだ。
 おそらく致命傷は手首の傷。左手の手首の裏、そこはすっぱりと切れており、血が流れていた。床には血だまりができている。そして右手には凶器らしき鋭利なカミソリが。

紡紀「……自殺?」

 考えられる可能性はそれだけ。
 けれど何かが引っかかった。おかしい気がする。

コトダマ【死体の状況】を手に入れました。
 『死体はロッカーの前。服を着たままロッカーに背を預け、座っていた。致命傷と思われるのは左手の手首の傷。右手には凶器らしき鋭利なカミソリがあった』

 選択
 死体のどこを調査するか

 1・上半身
 2・血だまり

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1

紡紀「次は……」

 上半身を確認する。
 頭には小さな傷があると言っていたが……。

紡紀「あれ?」

 頭に傷がないか確認しようと見てみれば、頭の被り物をとっている彼女の髪が、少し濡れていることに気がつく。
 首を傾げてちょっと下を見ると、身に付けている服も、上の部分がかすかに濡れていた。
 なんだろうか、これは。

 コトダマ【上半身の状況】を手に入れました。
 『死体の頭はかすかに濡れていた。服の上部分もまた湿っている』

 最後に死体周辺で気になったのは、血だまりだろうか。
 彼女の手首から出た血は、床に広がっている。特にそこにひっかかるところはない。

彩「この血が、何を示すか分かるかしら?」

 私が血溜まりを見ていると、隣の彩から声がかかる。
 この血が示すこと?

紡紀「血が、ルーシアちゃんから出てるってこと?」

彩「それも重要ね。けど、もっと重要なことがあるわ」

 そう言って彼女は血だまりを指差す。

彩「血の広がり方は至って自然。誰かが拭けば、こうも綺麗にならないわ」

彩「つまりこの死体は出血してから動いていないということ」

 出血してから動いてしない?
 それがなんだというのだろうか。

 コトダマ【血だまり】を手に入れました。
 『血の広がり方に不審な点はない。彩曰く、この死体は出血してから移動されていないらしい』

 死体で調べられることはこれくらいだろうか。
 あとは詳しそうな彩に任せておくとしよう。

次は……

 選択
 どこを調べるか
 2・脱衣所全体
 3・彩、アーサー、外道どちらかに話しかける

 安価↓1

2

 次は現場となった場所を調べておこう。
 この部屋はロッカー、洗面台、そして鏡など……まぁいわゆる銭湯の脱衣所、その典型だ。あとは露天風呂に続くドアがあるのだが……これは今回の事件とは大して関係がないだろう。

 さて、まずはロッカーか。
 私はロッカーに視線を向ける。するとすぐにそれは見つかった。
 ロッカーの一つ。ルーシアが倒れている列から、横に4つほどいった場所だろう。高さはちょうど彼女の胸から首らへんの高さ。手頃な位置だ。
 そのロッカーから、黒い布がちょこんと出ていた。
 布を落とさぬようロッカーを開く。
 すると中には、ルーシアがいつも頭にかぶっている頭巾が。
 彼女の衣服、それもこれだけがここに入っている。それが示す意味とは……。

 コトダマ【ロッカーの頭巾】を手に入れました。
 『彼女の死体から離れた位置にあるロッカー。その一つに彼女の頭巾だけが入っていた』

 続いて洗面台。
 これもまた至って普通のものだが……なんとなく、事件に関係しているような気がする。
 しっかり調べなくては。

 選択
 どこを調べるか
 1・流し
 2・棚

 安価↓1

1

紡紀「特になにもない……ん?」

 何個か並んでいる洗面台の流しを順番に見ていく。
 するとその一つに、赤い何かが付着しているのを見つけた。
 血――だろうか。小さいけど、これは何か大切な証拠になるような気が。

 コトダマ【洗面台の血】を手に入れました。
 『洗面台の流し、その水が当たらないような場所に血が付着していた』

 次は棚だ。
 一つ一つ確認していく。
 棚には化粧品や洗顔、歯磨きの道具など様々なものが入っており、その中にルーシアが握っていたカミソリと同じものもあった。
 きっと彼女、もしくは犯人はここからカミソリを持ち出したのだろう。
 でも、血が付着している洗面台とは違う洗面台の棚から持ちだしたみたいだ。

 コトダマ【洗面台の棚】を手に入れました。
 『ルーシアの持っているタイプと同じカミソリが洗面台の棚にあった。しかしカミソリが減っていたのは、血が付着していない洗面台の棚のみ』

 
 現場もこれくらいか。
 頑張って調べたけど、私は素人。
 あとで誰かに現場捜索の成果を聞いたほうがいい。

 次は、誰かに質問をしてみようか。
 とりあえず気になるのは彩、アーサー、外道だけど……他の人から話を訊くのもいいかもしれない。

 選択
 誰に話を訊くか

 安価↓1

紡紀「彩ちゃん、捜査はどう?」

 声をかける。なにかと詳しそうな彼女だ。
 何か重要なヒントが得られるかもしれない。

彩「……そうね。今のところは、気になることが一つ」

 死体と電子生徒手帳を交互に見て、彼女は言う。

彩「電子生徒手帳のプロフィールと死体を見比べると、違和感が」

紡紀「プロフィール?」

彩「ごめんなさい。今は忙しいから、自分で考えて頂戴」

 まだまだ意味は分からなかったが、プロフィールに何かあるらしい。
 私は早速電子生徒手帳のルーシアのプロフィールを確認。
 名前、年齢、性別、身長、体重、血液型、利き手、これまでの経歴、などなど様々なことが記されている。
 これを見て違和感……?

コトダマ【ルーシアのプロフィール】を手に入れました。
 『電子生徒手帳に記載されていたルーシアのプロフィール。年齢は17。身長160。体重51キロ。A型。左手。経歴に異常なし』

紡紀「……うーん」

 いまいち分からない。次に行くとしよう。


 選択
 誰に話を訊くか

 安価↓1

外道

 さっきから現場のあちこちを写真に収めている外道に話を訊くことに。
 見れば彼、現場や死体だけでなく人も撮っている。意味が分からなかった。

紡紀「なにしてるの?」

外道「あ、紡紀さん。実は彩さんから現場と、とあるものの撮影を頼まれて」

紡紀「とあるもの?」

外道「うん。全員の腕を撮ってほしいって」

 ……腕の写真? そんなもの、何の役に立つというのだろう。

 コトダマ【腕の写真】を手に入れました。
 『彩は外道に全員の腕の写真を撮るよう依頼したらしい』

 選択
 誰に話を訊くか

 安価↓1

紡紀「……ふむ」

 現場に残っていた敦を見かけ、私は声をかけようと考える。
 男子のアリバイがちょっと気になった。

紡紀「敦くん」

敦「紡紀さんか。どうしたの?」

紡紀「ちょっと気になったんだけど、男子のアリバイについて知ってる?」

敦「アリバイ……ね。僕も聞いてみたけど、男子は全滅だ。みんな自室や広間、食堂に行っていてアリバイがない」

紡紀「なるほど……」

 となると、怪しいのは男子。もしくは自殺。
 ……ということになる。

 コトダマ【敦の証言】を手に入れました。
 『夕食後から死体発見アナウンスの時間まで、男子全員には証明できるようなアリバイがなかった』


 選択
 誰に話を訊くか

 安価↓1

アーサー

安藤

 あまり気が進まないけど、行くとしよう。
 私はアーサーへと近づいた。

紡紀「アーサーくん。ちょっといいかしら?」

アーサー「……何だ?」

 威圧感がすごいけど、一応聞いてはくれるらしい。
 私はとりあえず、あの発言について尋ねてみた。

紡紀「ずさんだって言ってたけど……それってどういう意味?」

アーサー「そんなこと自分で考えろ。これは簡単な事件だ。それにもう分かっているんじゃないか?」

紡紀「いや、まださっぱり……」

アーサー「……ならヒントをやろう」

紡紀「ヒント?」

 意外だ。彼のことだから冷たく拒絶すると思っていたのに。

アーサー「ルーシアが風呂へ向かう時間。それを俺も聞いた。おそらく誰とも会わないためだろう、あいつはそれを複数人に話していた」

紡紀「ええ、そうみたいね」

 女子も知っていたし、多分そうなのだろう。

アーサー「その時間が0時30分だ」

紡紀「そうなの?」

アーサー「それがヒントだ」

紡紀「えっ!? それだけ?」

 重要なことかと思って身構えていれば、随分とあっさり終わってしまった。
 私は思わず訊くも、彼はため息を吐いて目を逸らすのみ。話は終わりらしい。そして呆れられてしまったようだ。

 コトダマ【お風呂に行く時間】を手に入れました。
 『ルーシアは毎晩、0時30分にお風呂へ向かっていたらしい』


紡紀「これで話を聞きたい、目ぼしい人のところには行ったかしら……」

 なんとなく、見えてきたような気もする。
 けど足りないことも多い。捜査も進展しただろうし、もう一度回っていくのがいいだろう。

 選択
 どこを調べるか。
 1・死体の調査結果を彩に尋ねる
 2・脱衣所の調査結果を誰かに尋ねる
 3・誰かに何かを訊く(誰に、何を質問するか詳細を指定)

 安価↓1

2

 とりあえずは脱衣所のことを誰かに聞いてみよう。
 私は近くにいためぐるへ声をかける。

紡紀「どう? 何か見つけた?」

めぐる「うん? ええと……ちょっとこっちに来てください」

 めぐるについていき、私は浴室へ繋がるドアの横に。

めぐる「ここに気になるものが一つ」

 そこには籠が置かれていた。確か最初にこの部屋を見た時も置かれていた。
 その中を見てみると、一枚のタオルが。ただし血がついている――なんてことはなく、ただ濡れているだけ。

めぐる「これも何か役立つと思います……?」

紡紀「分からないけど、覚えておこうかな」

 コトダマ【濡れたタオル】を手に入れました。
 『籠に入っていた一枚の濡れたタオル』

紡紀「他にはない?」

めぐる「あとは……これ」

 再び歩き出すめぐる。彼女は次に洗面台へとやって来た。

めぐる「これっす」

紡紀「使用禁止……」

 最初に来たときにもあった、洗面台の蛇口は使用禁止するという旨の張り紙。

紡紀「これがどうしたのかしら?」

めぐる「捻ってみてください」

 疑問を抱きつつ、蛇口を捻ってみる。
 すると、蛇口からは普通に水が出た。
 張り紙と違う結果。――ちょっと、不審かもしれない。

 コトダマ【洗面台のポスター】を手に入れました。
 『使用禁止のポスターが洗面台の近くに貼られていた。が、水は普通に流れる』

 選択
 どこを調べるか。
 1・死体の調査結果を彩に尋ねる
 3・誰かに何かを訊く(誰に、何を質問するか詳細を指定)

 安価↓1

1

紡紀「彩ちゃん、どう? 何か見つかった?」

彩「そうね……とりあえず、一つ」

 そう言って、彼女は指差す。
 その指が向いている先は手首。そして、彼女の身体。

彩「おかしな点があるわ。血がさっぱりついていないの」

彩「この状況で失血死するなら、相応の返り血もあるはず。だけど、血は彼女の服の袖、その内側くらいにしかついていない」

彩「これがどういうことか。分かるわよね?」

紡紀「ま、まぁ、なんとなく……」

 ここで分からないなんて言えるわけもなく、私は曖昧に頷いた。

 コトダマ【死体の状況】をアップデートしました。
 『死体はロッカーの前。服を着たままロッカーに背を預け、座っていた。致命傷と思われるのは左手の手首の傷。右手には凶器らしき鋭利なカミソリがあった。返り血は彼女の服の袖、裏側にしか付着していない』

キーンコーンカーンコーン

モノクマ『もう充分だよね?』

モノクマ『それじゃあ、学級裁判をはじめます』

モノクマ『生徒全員は捜査をやめ、一階の広間へ速やかに集まってください』

 チャイムに続いてモニターにモノクマの姿が映り、そして消えた。
 ついに学級裁判がはじまる。
 犯人はまだ分からない。事件の全貌すらも見えていない。
 それでもやるしかないのだ。
 私は最後にもう一度ルーシアを見て、頷く。
 そして広間へと歩いていった。

【今日はここで落ちます】

 広間には誰もいなかった。
 てっきりモノクマがいて大騒ぎしているものかと思ったけど……そんなことはないようだ。

メディス「あ、あれ何?」

 その代わり、おかしなものが現れていた。
 メディスの視線の先、みんなが見ているのは……広間の壁があった場所。
 だけども今そこには、巨大なエレベーターらしきものがあった。
 モノクマが装飾されたドア。他は飾りもなく、金属の色一色の、飾りげもないそれ。まるで牢屋だ。
 左右には、多分壁だったものが。カーテンのように開いたのだろう。ジャバラ状になっていた。

青州「乗れ、ということですかね」

猛志「はあぁ……やるしかないか」

 他になにもない。私達は次々とエレベーターに乗り込む。

紡紀「……はじめよう」

 私は最後にエレベーターへと乗り込んだ。
 エレベーターのドアが閉じる。そしてゆっくりと動きはじめた。下へ、下へ。微かな音を立ててエレベーターは下っていく。
 そして、止まる。
 緊張で乾いた口を開き、深呼吸。
 ドアが開くと私達はエレベーターの外へ向かった。

 エレベーターの外は別世界だった。
 円形の部屋の中心に16人分の証言台らしきもの。そしてそれを囲むようにして傍聴席らしきものが部屋の壁に沿って配置されている。学級裁判という名の通り、裁判所のような作りだった。

モノクマ「やぁやぁ。しっかり来たようだね」

 そして……部屋の奥。まるで王様が座るような大きな椅子に座っているのは、モノクマ。
 彼はやって来た私達を見て、楽しげな声をあげた。

モノクマ「学級裁判をはじめるから、各自自分の名前が書かれた席に立ってください」

 席に移動する私達。
 歩き、自分の席に到着してからも私は考えていた。

 これまで友人を作れなかったルーシア。
 多分他人を優先しすぎて、自分のことなど気にもかけてこなかったのだろう。
 彼女にもようやく友人をつくれる場が与えられた。それはすぐ殺し合いの場になってしまったけど……。
 でも、彼女は自分に友人ができたことを喜んでいた。
 そんな彼女が死んだ。
 短い時間の中で、あんなにもあっさりと。
 私はコロシアイをはじめたモノクマ、彼を操っている人物が許せない。
 しかしそれ以上に、自分のために仲間を殺したであろう誰かが許せなかった。
 ルーシアは自殺なんてしない。推測だけど、絶対にそうだと言い切れる。
 だから――裁こう。
 生きて償うことが許されないなら、せめて私達の手で裁く。
 そして、背負おう。
 ルーシアと、この14人の誰かの『クロ』の死を。
 それが私にできること。しなくてはならないこと。
 ――紡ごう。
 真実を。結末を。
 立ち止まるわけにはいかない。この学級裁判、乗り切ってみせる。

紡紀「……よし」

 希望は、前に進む……!

 裁判準備

 コトダマリスト

・【モノクマファイル】
 『死亡推定時刻0時40分。被害者の手首には刃物で切られた傷。頭には小さな傷があった』

・【死体の状況】
 『死体はロッカーの前。服を着たままロッカーに背を預け、座っていた。致命傷と思われるのは左手の手首の傷。右手には凶器らしき鋭利なカミソリがあった。返り血は彼女の服の袖、裏側にしか付着していない』

・【上半身の状況】
 『死体の頭はかすかに濡れていた。服の上部分もまた湿っている』

・【血だまり】
 『血の広がり方に不審な点はない。彩曰く、この死体は出血してから移動されていないらしい』

・【ロッカーの頭巾】
 『彼女の死体から離れた位置にあるロッカー。その一つに彼女の頭巾だけが入っていた』

・【洗面台の血】
 『洗面台の流し、その水が当たらないような場所に血が付着していた』

・【洗面台の棚】
 『ルーシアの持っているタイプと同じカミソリが洗面台の棚にあった。しかしカミソリが減っていたのは、血が付着していない洗面台の棚のみ』

・【ルーシアのプロフィール】
 『電子生徒手帳に記載されていたルーシアのプロフィール。年齢は17。身長160。体重51キロ。A型。左手。経歴に異常なし』

・【腕の写真】
 『彩は外道に全員の腕の写真を撮るよう依頼したらしい』

・【敦の証言】
 『夕食後から死体発見アナウンスの時間まで、男子全員には証明できるようなアリバイがなかった』

・【お風呂に行く時間】
 『ルーシアは毎晩、0時30分にお風呂へ向かっていたらしい』

・【濡れたタオル】
 『籠に入っていた一枚の濡れたタオル』



主人公のステータス(スキル効果も含めます)
 発言力 5
 精神力 5

 スキル
 なし


【大浴場。その脱衣所で起こった事件。ルーシアを殺したのは果たして誰なのか。
 初めての学級裁判が、今はじまる】

【ルール説明】

 学級裁判の基本はゲームと同じ。
 ノンストップ議論では【】で囲まれた部分がウィークポイント。
 複数あるポイントから矛盾していると思われるところを指定、それを証明するコトダマを指定、合っていれば論破、BREAKとなります。
 また、キャラの意見に『同意』することも可能です。発言が正しいと思ったポイントに、証明するコトダマを撃ち込み、それが合っていれば成功。
 失敗すれば発言力にダメージ。発言力がなくなるとゲームオーバー。ゲームオーバーしたところからやり直しとなります。
 【】内の台詞を利用し、それをコトダマとして撃つことも可能です。

 また、今作の主人公はわりかし喋ります。
 時には主人公の台詞にもウィークポイントが現れることもあるでしょう。
 それは間違っているかもしれませんし、正しいかもしれません。
 間違っている、正しいと思った言葉には上の説明と同じようにコトダマを撃ち込みましょう。
 そうすることで主人公が何かに気づき、議論が変化するかもしれません。
 頭の中で考えていることなので、このミスで発言力が減ることはありません。

 閃きアナグラム、ロジカルダイブ、その他要素もだいたいゲームと同じですが、難易度がイジワルであるため、それなりに難しくなっております。
 クライマックス推理は自動です。

 ゲームオーバーすると裁判後のモノクマメダルが一回につき三割減少します。

【学級裁判 開廷】

モノクマ「記念すべき第一回だね」

モノクマ「じゃあまずは簡単にルールを説明します」

モノクマ「学級裁判では誰がクロか? を議論し、その結果は生徒全員の投票で決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘できれば、クロだけがおしおき」

モノクマ「間違ったクロを指摘すれば、クロ以外の生徒がおしおきをされ――はれてクロだけが卒業となります」

モノクマ「ということで張り切っていきましょう!」

実咲「とは言っても……どうする? なにを話すべきなんだろう?」

敦「まず死因、はどう?」

志織「死因……って、どう見ても……」

猛志「自殺にしか見えなよな」

青州「ちなみにですが、自殺の場合は誰に投票すればよろしいのですか?」

モノクマ「自殺の場合は自殺した生徒に投票してください。自分を殺すというのも、一種の殺人ですので」

メディス「なら決まりだよね。投票行く?」

謙「いや早すぎんだろ!」

乾世「早計は禁物。命がかかっているんだ、慎重にやろう」

彩「そうね。まずは死因について議論してみましょう」

紡紀(黙っているだけじゃ駄目よね。議論に参加して、間違っているところはしっかり指摘しないと)

紡紀(会話しつつそれは難しいかもしれないけど……やらないといけない)

紡紀(死因……)

紡紀(一見すると自殺。でも、死体にはひっかかるところがいくつかあった)

紡紀(正しい意見には賛同。間違っているものには論破できるように、正しい証拠を提示しないと)


【議論開始】

彩「ルーシアさんの死因は自殺……」

彩「果たしてそれは、【事実】なのかしら?」

実咲「いや、どう考えても自殺だよ!」

紡紀「……どうして分かるの?」

卓「【一目見れば】……一目瞭然だよな?」

火六「そうだな。【自分で手首を切って】死んだ――」

敦「そういうふうにしか見えない」

猛志「よな」

めぐる「っすね」

志織「【コンビネーション】いいね、みんな……」

 【】内のウィークポイントへ>>211のコトダマ、記憶を利用し論破、同意

 安価↓1

【死体の状況】→【自分で手首を切って】

 【死体の状況】→【自分で手首を切って】 Near

 ※Near:不正解ではないですが、完全に論破ができていない状態です。更なるコトダマを追加する必要があります。

紡紀「――いや、死体の状態を考えると、それはないと思うわ」

火六「……? どういうことだ? どう見ても自分で切ったように見えるが」

紡紀「ええと……」

 おかしなところ。
 口を挟んだものの、直感的な判断なためはっきり答えることはできない。
 自殺。死体の状況。それらを考慮するとおかしい点。それはなんだろうか。

 正しいと思われるコトダマを一つ選択

 安価↓1

【モノクマファイル】

【モノクマファイル】

アーサー「疑問はあるが……自分で傷つけていない証明にはならないな」

紡紀(だよね……)

 冷ややかな視線が刺さる。自分に対しての印象が悪くなったようだ。
 発言力 5 → 4

紡紀(他の証拠で……)

紡紀(自分で手首を切っていないと証明できるもの)

紡紀(はっきりしたものがある……はず)

 コトダマを選択

 安価↓1

【ルーシアのプロフィール】

紡紀「これ……!」

【ルーシアのプロフィール】 正解

紡紀「おかしな点、それは彼女のプロフィールと死体の状況を見れば分かるわ」

猛志「電子生徒手帳のだよな」

志織「利き手……ってことかな?」

火六「確か死体は……覚えとらん」

謙「お前な……」

実咲「確か右手にカミソリを持ってたよね」

紡紀「ええ。自殺するならわざわざ利き手と逆の手で切る必要はない……というか、多分できないと思うわ」

紡紀「だから彼女は自殺じゃない……」

紡紀「誰かに殺されたの!」


乾世「ちょっと失礼」《反論》


乾世「利き手が逆……」

乾世「それだけで自殺だと言い切れるのか。疑問なのだが」

紡紀「いや……自殺じゃないはずよ」

乾世「それなら、根拠を示してもらおうか」

紡紀「……いいわ」

【反論ショーダウン 開始】

乾世「利き手が逆でも、切ることはできるはずだ」

乾世「結局は個人に差がある」

乾世「ルーシアさんがもし、【両手利き】なら」

乾世「問題なく切れたはず。可能性はゼロじゃない」

紡紀「【極論】ね」

乾世「極論でも事実さ」

乾世「あれは自殺。彼女の遺体には【工作の跡もなかった】」

乾世「どうだい? なにか反論はあるか?」

紡紀(クロの存在を示すもの……。彼女がする必要がなかったもの。それが彼女のごく近くに残されていたはず)

 【】内の言葉にコトノハ(コトダマと同じ)を指定し、論破

 安価↓1

【上半身の状況】→工作の跡もなかった

【上半身の状況】→【工作の跡もなかった】 正解

紡紀「――叩き斬る!」《論破》

 BREAK!!!

紡紀「工作の跡はあったわ」

乾世「……ふむ、教えてくれるかな?」

紡紀「ルーシアの上半身――よく見ると髪が濡れていて、服も上の方がちょっとだけ濡れてたの」

紡紀「自殺するつもりなら、やって来てすぐ手首を切るはず。水に濡れる必要なんてないわ」

乾世「なるほど……」

乾世「でもそれが工作だって、証明はできる?」

紡紀(工作だという証拠……それはある)

 コトダマを選択

 安価↓1

洗面台の血

乾世「……これがなんだと言うんだ?」

紡紀「あはは……。間違ったわ」

 手応えはない。おそらく間違えた。
 発言力 4 → 3

紡紀(濡れていたことが工作)

紡紀(でもそれはよく見ないと分からない状態……)

紡紀(つまり何らかの工作を――)

 コトダマを選択

 安価↓1

【濡れたタオル】

紡紀「これで証明するわ」

【濡れたタオル】 正解
 発言力 3 → 3.5

紡紀「籠に入っていたタオル。それが工作だと示す証拠よ」

紡紀「おそらくこれは、彼女か犯人が持ってきたもの」

紡紀「これで拭いたから、工作に気づき難い状態になった」

紡紀「そうは考えられない?」

青州「そうですね……あの時間に入浴をしようとしていた人間は彼女しかいない」

乾世「ふむ……納得、だな」

メディス「で、でも、自殺じゃないとなると死因って……?」

火六「それに犯人がそうした意味も分からないぞ」

紡紀(そう……それが問題よね)

紡紀(死因……自殺じゃないなら……それはなんなのだろう)

紡紀(拭いた意味も分からない)

謙「それを考えるための議論だ。はじめるぞ」

紡紀「……そうね。やりましょう」

 とにかく今は、考えるしかない。

【論議開始】

メディス「死因が自殺じゃないなら……」

メディス「ルーシアちゃんが【死んだ原因】って?」

火六「【出血死】には変わりないんじゃないか?」

アーサー「ふん、まだ分からないのか」

アーサー「出血死は【どう考えても不可能】」

アーサー「考えれば分かる。簡単なことだ」

紡紀(あの人の言葉を借りればきっと、あの矛盾を……)

 【】内のウィークポイントへ>>211のコトダマ、又は【】内の言葉を利用し論破、同意

 安価↓1

【出血死】←【お風呂に行く時間】

【出血死】←【お風呂に行く時間】 Near

紡紀「お風呂に行く時間……それを考えると出血死はあり得ない……」

紡紀「そうよね? アーサーくん」

卓「どういうことだ?」

志織「出血死じゃない理由があるんだよね?」

紡紀「ええ。勿論理由はあるわ」

 何故、出血死は有り得ないのか。回答を

 安価↓1

【今日は落ちます】

安価はここから↓1で

10分で死に至るほどの出血の量と傷の大きさじゃないから

 正解

紡紀「ルーシアがお風呂に行く時間は0時30分……多分今日もそうだったはず」

実咲「うん、間違いないよ。ずれてても数分かな」

紡紀「それで死体が死亡推定時刻が0時40分」

火六「10分しかなかったのか!?」

志織「あっ……すごく恥ずかしい」

紡紀「私も勘違いしてたけど、手首を切ってこの時間で死ねるはずがない」

紡紀「多分モノクマファイル、そして外傷に目がいきすぎたのね」

卓「確か事件の謎につながることは書かないと言ってたな」

謙「だから死因は書かれていなかった」

火六「それなのに見事傷が原因と勘違いしたと……うぐぐ」

紡紀「ええ」

紡紀「つまり死体を発見した時点で、何が死因かは分からなくても、何で死んでいないかはある程度絞れる……」

紡紀「だからずさんだなんて言ったのよ、アーサーくんは」

アーサー「少し合ってはいるが……違うな」

アーサー「お粗末な推理だ」

紡紀「え?」

アーサー「俺がずさんだと言ったのは、他にも理由がある」

アーサー「犯罪を行う際の、不確定要素の多さだ。今回のクロは必死になりすぎたようだな」

アーサー「例えば、あることが起きなければ今回の事件、不審な点が減っていただろう」

アーサー「今回の証拠は時間が立つと消えるものだからな」

紡紀「それって……」

 質問
 アーサーの言う『あること』とは

 安価↓1

ルーシアの上半身が濡れていたこと

紡紀「ルーシアさんが濡れていたこと……?」

アーサー「違うな。ルーシアが濡れていることは俺が言ったことが起きなければ消えるものだ」

紡紀(ばっさり……)

 発言力 3.5 → 2.5


 再回答

 安価↓1

紡紀が大浴場にいるルーシアに会いに行ったこと

紡紀「これね!」

【紡紀が大浴場へ行ったこと】正解

 発言力 2.5 → 3

紡紀「私が大浴場に行ったこと、よね?」

アーサー「ああ。工作をするなら、女子が集まっていたことも気をつけるべきだった。それに加えて、これは初めての殺人」

アーサー「クロはこれからどうなるか分からない筈――」

アーサー「そんな状況で殺人をするなど、ずさんと言うしかない」

猛志「……なんか、思ったよりも見ただけで分かることが多いみたいだな」

実咲「さっぱりだけど、アーサー君すごいねぇ……」

紡紀(本当にね……。アーサーくんは殆ど調査なんてしてなかったはずなのに)

紡紀(観察眼がすごいのか……)

紡紀(それとも犯人なのか……)

火六「っていうか俺、ルーシアがそんな時間に風呂入ってるの知らなかったぞ」

謙「俺もだな」

卓「あ、同じく」

猛志「そういえば俺もだな」

火六「知ってるなら言ってくれてもいいじゃないか!」

アーサー「言う必要なんてないだろ」

彩「……ただの会話は苦手」

紡紀(同じく説明しなかった私が言うのもあれだけど、協調性がまったくない……)

実咲「まぁまぁ、自殺、出血死っていうのが分かったからいいじゃん」

志織「だ、だよね。次は……」

敦「本当の死因、か」

紡紀(ルーシアが死んだ本当の死因……)

紡紀(外傷に出ず、すみやかに殺せる方法といえば――脱衣所なら、あれくらいよね?)

 質問
 ルーシアの死因は

 安価↓1

自殺、出血死 → 自殺、出血死じゃない

に訂正です。



 再安価↓1 で

溺死

窒息死?

窒息死

紡紀「これね!」

 【溺死】 正解
 発言力 3 → 3.5


紡紀「多分溺死よ」

彩「そう考えるのが自然ね。証拠もあるわ」

青州「死体の状況、ですね」

志織「頭と服が濡れてたんだよね?」

めぐる「すぐ手近でできる場所もある」

猛志「なら決まりか?」

紡紀「ええ。ルーシアちゃんは溺死で決まりよ」


メディス「発言の自由を今こそ!」《反論》


メディス「溺死……それは違うよ!」

紡紀「……ええと、メディスちゃん? 一応しょうこ」

メディス「黙って私の推理を聞きなさい!」

メディス「溺死が無理だという証拠もあるんだから」

紡紀(駄目だ聞いてもらえない……)

紡紀(矛盾点をしっかりついて証拠を提示……するべきかしら)

紡紀(……アーサー君と彩ちゃんが物凄く呆れてるし)

【反論ショーダウン 開始】

メディス「ルーシアちゃんが【溺死】?」

メディス「それは【あり得ない】よ!」

メディス「時間は十分程度……」

メディス「近場で済ます必要がある。でも」

メディス「脱衣所で【水が出る場所はない】」

メディス「しっかり調査したからね」

メディス「どう? 反論できる?」

紡紀(時間の無駄……言いたくないけど、そうなっちゃうわよね)

 コトノハを一個指定し、論破
 【なお、まことに申し訳ないのですが手違いでリストから抜けているコトノハであります】

 安価↓1

【水が出る場所はない】←【洗面台のポスター】

【水が出る場所はない】←【洗面台のポスター】 正解

紡紀「……反論ならあるわ」《論破》

 BREAK!!!

メディス「え? テンション低くない?」

紡紀「洗面台のポスター……実はこれも犯人の工作」

紡紀「実際は普通に水が出るのよ」

メディス「えええ!? 証拠は!?」

めぐる「私も見たから、じゃだめすか?」

メディス「ぐぐぐぐぐ」

アーサー「なにがしっかり調査だ。上辺だけが得意だなジャーナリスト」

メディス「ぐふっ。泣きたい……」

実咲「あーあ、ぐっさり」

紡紀「で、でも今の話にも重要な点があったわ」

火六「10分、近場、水……」

敦「となれば洗面台しかない」

彩「ええ。犯行が洗面台で行われたと思われる証拠もあるわ」

紡紀(洗面台で犯行が行われた証拠)

紡紀(あれしかない)

 コトダマから一つ選択し提示

 安価↓1

【洗面台の血】

紡紀「これ!」

【洗面台の血】 正解
 発言力 3.5 → 4

紡紀「これが証拠……よね」

彩「ええ。血が洗面台に。まったく死体に関係ない場所にあるの」

卓「なるほどな。……けど、死因が分かっても犯人が分からないぞ」

アーサー「いや、犯人を突き止める方法はある」

謙「……そこで言うのをやめるってことは」

志織「議論、だね」

紡紀(洗面台で行われた犯行……その『犯人を突き止める方法がある』?)

紡紀(犯人が分かっていると言い切らないところが不可解ね)

紡紀(もしかしたら、確認しないと分からないことなのかも)

【議論開始】

紡紀「犯人を突き止める方法……」

紡紀「それは多分、水に関係したこと」

敦「水に、ね……」

敦「でも、もしかしたら【死体】に関係しているかもしれないな」

メディス「あー……」

メディス「水に触れたのは死体に表れてるから……」

紡紀「……あ!」

紡紀「犯人にも【その証拠】は残る!」

卓「まぁそうだね。普通に考えたら」

志織「ううん……なにも思い浮かばない」

 【】内のウィークポイントへ>>211のコトダマ、もしくは【】内の言葉を記憶し使用して論破、同意

 安価↓1



《今日は落ちます》

【その証拠】←【腕の写真】で同意

【その証拠】←【腕の写真】 正解

紡紀「――そうよ!」《感取》

【議論中断】

紡紀「証拠は残る……」

紡紀「彩ちゃんが外道くんに依頼した、全員分の腕の写真」

紡紀「これを使えば、証明できるはずよ」

紡紀「それこそ、犯人を突き止める方法」

志織「腕の……?」

志織「あ! 濡れてるか見るんだね!」

卓「そうか。濡れていれば犯人……時間を考えると、着替える余裕もないだろう。勿論乾かす時間もない」

実咲「なるほどねー。今は長袖だし、濡れる可能性もあるよね」

外道「そんな意味があったのか! 僕も役立つ日がきたみたいだ」

猛志「で、だ。写真を見て分かったのか?」

彩「……服が濡れている人は皆無だったわ」

火六「ずこーっ!」

謙「結局証拠はなし、か」

紡紀「いや、分かることはあるわ……」

【再開 議題変更】

紡紀「誰も服を濡らしていない腕の写真」

紡紀「それでも【証明できること】がある!」

敦「――それって、なにかな?」

めぐる「【季節】?」

乾世「犯行時の【袖の状態】……?」

青州「【溺死】の可能性がないこと、ですかね」

火六「それともまた【別の殺人方法】か!?」

外道「僕の活躍はあるのかないのか……」

 【】内のウィークポイントへ>>211のコトダマ、もしくは【】内の言葉を記憶し使用して論破、同意

 安価↓1 です

【袖の状態】に濡れたタオルで同意

不正解

紡紀「これで――」

紡紀「証明できないわね」

 勿論みんなから呆れられた。
 発言力 4 → 3

紡紀(私の思う【証明できること】は……あの人の発言よね)

 再回答
 安価↓1

【袖の状態】←【証明できること】で同意

【袖の状態】←【証明できること】 正解

紡紀「その意見に賛成よ!」《同意》

 BREAK!!!

乾世「おや、僕の意見に同意してくれるのか」

紡紀「ええ。濡れていない腕の写真で証明できるのは、犯行時の袖の状態……」

紡紀「多分、ルーシアちゃんは溺死するまでもがいていたはず。頭の傷はその時犯人から押えられたもの」

紡紀「そんな状態で押さえても袖が濡れないのはあり得ない。しかし誰の袖も濡れていなかった」

紡紀「つまり犯人は犯行を行う際に、袖を捲っていたのよ。だから濡れていないんだわ」

火六「ふむ……」

メディス「でもそれで犯人が分かるの?」

紡紀「……分かるの? 彩ちゃん」

謙「自分で分かってないのかよ」

彩「分かるわ。誰が犯人か決定的な事実に繋がる事実が」

彩「というよりも、犯人の袖が濡れているなんてボロを出すとは思ってなかったわ」

青州「つまり写真はその決定的な事実のための念のための確認ということで?」

彩「ええ。犯行時袖がめくれている……そのことが重要なの」

紡紀(袖が……? いまいち分からないけど、何か思い当たるような気も)

彩「まず質問よ」

彩「ルーシアの濡れていた頭の傷……」

彩「その傷の血はどうなると思う?」

 質問に回答

 安価↓1

犯人の手に付着する

【犯人の手に付着する】 Near

紡紀「犯人の手につく……とか?」

彩「そうね。まぁ結局は水に流れるから、それでも間違いでもないわ」

彩「水で濡れている、もしくは濡れた頭についた血はどこかに跳ぶことはない。それは常識というか、考えれば分かることよね?」

彩「でもそれだとおかしなものがない?」

紡紀(おかしなもの……?)

 コトダマから一つを提示

 安価↓1

洗面台の血

紡紀「これね!」

【洗面台の血】 正解

紡紀「あれ? おかしいわよね……」

紡紀「洗面台についていた血は、みんな知ってる?」

めぐる「はい、見たすよ」

謙「だな。赤くて……すぐ目についたな」

紡紀「それがルーシアちゃんのものじゃないとしたら、なんなのか」

紡紀(ルーシアちゃんはもがいていた。外傷もないし、目立った証拠もない)

紡紀(意識がある状態で行われたと思って間違いない……となると)

紡紀「答えは」

 質問
 赤い血の正体とは。誰の、いつできた傷から洗面台についたのかを記載

 安価↓1

犯人の、ルーシアが抵抗したときにできた傷

紡紀「そうだ……!」

【犯人の、ルーシアが抵抗したときにできた傷】 正解

紡紀「それは犯人の血、よね?」

メディス「犯人の?」

アーサー「ルーシアが抵抗したときにできた傷の血……そう考えるのが自然だ」

青州「何も証拠はないですし、手を自由にさせていた可能性の方が高いですからね」

メディス「それくらいの傷ができても当然、と」

志織「工作をしていて気を遣うだけの時間がなかったりもしたんだろうね」

彩「そう。だから私の推理によると――腕に傷がある男性、が犯人よ」

紡紀(決定的だ。推理が間違っていなければ)

紡紀(それで推理通りの犯人が見つかれば、きっと……)

紡紀(でも、何か気にかかる。おかしなところが多すぎるような)

紡紀(証拠の多さだってそうだし、犯人があることを想定して行動しているのも奇妙よね。それでいて証拠を隠そうとはしなかった)

紡紀(それを追及する……必要はないかしら)

紡紀(うーん。事なかれ主義でいこうかしら。犯人が見つかるし)



【今日は落ちます

おつ

モノクマ「時間の問題、だね」

モノクマ「負けそうだと思ったら自白するのもありですよ」

紡紀「そう言われてする人が――」

敦「僕だ」

 いた。

 平然と手を挙げた敦に、場が静まる。

敦「推理通りなら――ほら、これが証拠だ」

 そして袖を捲り、傷を見せる。
 ちょうど肘と手首の中間辺り。そこに赤い跡と、爪で傷ついたらしき傷が幾つか。結構深いようで、傷はまだ完全には塞がっていない。

アーサー「……どういうつもりだ?」

実咲「そ、そうだよ! なんで名乗るの!?」

敦「もう逃げられないと思ってね」

敦「自首は罪を軽くするって言うから。まぁ、最後くらいは人らしく――ってことかな」

紡紀「……本当にあなたが犯人なの?」

敦「本当さ。証拠があるだろう?」

彩「こ、これは想定外……」

外道「よく平然としてるよね……」

青州「他の方は……傷などないみたいですね」

 男子、女子も皆腕を見せる。が、誰も傷はなかった。

モノクマ「決まった? それじゃ、投票タイムにいってもいい?」

 ワクワクした声で、急かすように言うモノクマ。
 他に犯人らしき人物はいない。これで決まりといえば決まりなのだが、なんだか釈然としなかった。

謙「ああ。早く終わらせよう。胸糞が悪い」

猛志「証拠もないしな……いくしかないだろ」

めぐる「っすね。いきましょう」

 穴のない推理。
 けれどもそれはいつしか頼りない、糸のように感じられた。
 それも犯人である敦の最後のあがきだと見れば納得できる。でも、ああも簡単に認めていてそれは効果があるのだろうか。

紡紀「ちょっとまって」

 不安に駆られた私は最後に事件の流れを整理することにした。

 
 
 

【クライマックス推理】

紡紀「まず事件の前から。犯人は大浴場の洗面台、そこに目星をつけてポスターを用意して貼った。単なる文字での警告だけれど、洗面台を使えないから困ることはあまりない。自室のものを使えばいいだけで、実際に水が出ないか試す人はそういない」

紡紀「実際、私も調査前までそうだった。犯人はそうして、被害者を溺死させ自殺に見せかける準備をしておいたの」

紡紀「で、事件当日。ルーシアの入浴時間を知った犯人は、彼女を洗面台の近くへ誘導し、水で殺害。溺死させた」

紡紀「その際に犯人は服の袖を濡れないよう捲っていた。それが原因で抵抗した彼女によって傷ができ、洗面台に血がついたの。それからルーシアを殺した犯人は彼女をロッカーの近くに座らせ、タオルで拭いた。そして返り血がつかないよう、彼女の服の袖を利用し、自殺に見かけた傷をつくった。彼女を拭いたタオルは籠に。カミソリは彼女の右手に握らせて、まるでルーシアが自殺したような現場を作り出そうとした」

紡紀「時間にして10分程度。私もその数分後には大浴場に入ったと思う。犯人は既にそのとき既に犯行を終えていた」

紡紀「その犯行の犯人こそが――」

紡紀「操写 敦……敦くん」

紡紀「……ということで間違いないわね」



敦「うん。間違いないな」

紡紀(……やっぱり、おかしい)

紡紀(どう考えても分からないことがある)

紡紀(10分程度の犯行。証拠だらけで、不確定要素を考慮していないという、ずさんなそれ)

紡紀(本当にずさんなのかしら……)

紡紀(彼に何か、訊くべきだろうか)

 敦への質問(展開に差はありません)

 安価↓1

洗面台の血には気が付かなかったのか

紡紀「ねぇ」

敦「うん?」

紡紀「洗面台の血には気付かなかったの?」

敦「気付かなかったさ。傷には気づいたけどね」

敦「まぁ気づいたところで、多分そんなに気にしないと思うよ」

火六「どうしたんだ? 紡紀。まさか犯人じゃないとか言い出さないよな?」

紡紀「そういうわけじゃないけど……ただ何か気になるの」

紡紀「だって初日から事前準備してた割には、本当におそまつで、私が来ることも分かってて――」

紡紀「――あれ?」

 今私はなんて言った?

モノクマ「では長々とした解説も終わったことだし……張り切ってテンション上げて行きましょう! 投票タイム!」

モノクマ「あ、ちなみに多数決で、投票してない人はおしおきだから」

メディス「すごく大事な説明をおまけみたいに話した!」

モノクマ「さぁさぁいくよ、お手元のスイッチでお願いしますー!」

紡紀(考えてる時間はない、か)

 とりあえず私はモノクマの言うようにスイッチを押した。
 これで人が死ぬ。いわば死刑執行のボタン。……震える手は、やはり押えられなかった。
 敦くん……せめて生きて罪を償うことができればよかったのだけれど、自分が生きるためにはこうするしかない。
 だから心の中でも謝らない。私は私の選択に自信を持つから。


モノクマ「投票が終了しました!」

モノクマ「犯人は……そう! オマエラの予想通り、操写 敦くん」

モノクマ「ルーシアさんを殺したクロは彼です!」

 正解した。
 私と、みんなの推理の果てにルーシアを殺した犯人をつきとめることができた。
 なのに私の気持ちは晴れることはない。

志織「なんで、ルーシアちゃんを、殺したの?」

敦「狙いやすそうだからだよ。それに僕は早くここから出たい」

敦「椅子が一つなら急ぐ……当然だろう?」

アーサー「正論といえば正論だな」

志織「アーサー君!? なんでそんなこと言うの!?」

実咲「どうどう。おちついて、志織ちゃん」

猛志「そうだ。どっちみちこいつは死ぬ……。何を言っても変わらねぇ」

メディア「なら、何を言っても無駄だよね」

謙「……だな」

 投資家。その才能故、だろうか。
 インターネットの環境すらもない場所に閉じ込められては、彼は不満なのだろう。
 だからといって犯罪を犯すなんて……警察に捕まる可能性も、モノクマが言うとおりにする可能性も曖昧なのに。
 彼になにがあって、犯罪をおかそうと思ったのだろうか。
 私達は疑問を抱いたはずなのに、何も言わずにいた。
 すぐに終わらせたかったのかもしれない。
 仲間の人間が死に、仲間がその犯人。思うよりも精神的にダメージがある。自分らが犯人探しをし、的中させているからこそ。
 とことん悪趣味だ。このコロシアイ合宿は。

モノクマ「それではおしおきタイムです」

モノクマ「超高校級の投資家である操写 敦くんに相応しい超VIPなおしおきを用意しました!」

敦「負け、みたいだね」

敦「では皆さん、僕は先に行くよ」

モノクマ「うぷぷぷぷ!」

 モノクマはスイッチのようなものをハンマーで叩く。
 するとそのスイッチの画面にドット状の映像が映った。

【ソウシャくんがクロにきまりました
    おしおきをかいしします】

 モノクマに連行される敦の映像。それが終わるや否や、敦の首に首輪が繋がれた。
 呆然とする私達の前、どこかへ連れて行かれる敦は笑顔を浮かべて手を振っている。

紡紀(おしおき……どんなものなんだろう)

 せめて倫理的に――なんて思うのは、馬鹿らしいか。
 あのモノクマのおしおきだ。絶対にろくなものではない。

 私はモニターに映しだされた映像に目を映した。

 映像に写っていたのは、個室に一人いる敦。
 彼はパソコンを懸命に操作していた。画面には現在の全財産の表示。投資家である彼だが、投資しても投資しても損ばかり。
 次第に大量のお金が降り、部屋が狭まっていく。それでも彼はパソコンを操作し続けた。彼も恐怖は感じているようで顔はどんどん青ざめていった。そして部屋がかなり狭まった時、彼はようやく儲けを出すが――急暴落。その瞬間画面にモノクマが映り、銃を敦へと構える。次の瞬間敦は口を小さく動かして何かを呟き――額に穴を空けて倒れた。
 それから休まず、おそらく彼が死にきらない内に金の山が降り……その間から血が流れた。
 どうなったかは……言わずとも分かるだろう。

 それが、はじめてのおしおき。
 超高校級の投資家である彼のプライドを叩き折った上での、あっさりとした死。
 これを仕組んだやつはどこまでも悪趣味で、くだらない人物なのだろう。そんな奴にそそのかされて敦は殺人を行い、ルーシアが死んだ。そう思うと腹立たしくて仕方がなかった。
 死を背負う。そんなことを思っていただけに、あんな命をもてあそぶような処刑は許すことができなかった。



【リザルト】

 ゲームオーバー 0回

 モノクマメダル 30枚 入手

 総評

敦「初めてにしては中々よかったと思うな。>>1も読者の皆様も。あとはコトダマが抜けたり、希望ヶ峰学園を希望峰学園とか言ってたりしたけど、これからもっとひどくなるかもしれない」

ルーシア「あ、あと、スキルは基本的にキャラのシナリオを最後まで進めると入手できる仕組みになっているらしいです。まんべんなくいくと、ヘタすると紡紀さんは最後までスキルなしの平凡人間……なんてことにもなるかも。救済措置はあるんですけど、メダルがたくさん必要ですし、仲良くなった方がお得です」


【今日は落ちます】

【今日は更新できないと思います】
【なので少し質問を】

【章ごとになにかやっていきたいと思うのですが、今のところ……】

【1・メディスがインタビュー
 2・原作キャラとの対話

 などを考えています】

【で、適当なところまでアンケートです】

【1か2を指定、それか自由になにか提案を】

2かな

1

2

【それでは原作キャラとの雑談で】

【早速誰と誰で会話するか決定したいと思います】

【安価↓1~4辺りで、メンバー決め。複数でも一人でも】

【あまりに多くなった場合は適当に分けたり選んだり】

安藤と桑田あたりで舞園さんあたりを口説く感じの対談

青州が葉隠に新しい水晶玉を売りつける

メディスがジェノサイダーに記者としてしつこく迫ってくる

【了解しました。全部書けるかはわかりませんが、いくつかは書こうかと】

謙「――あ、うああああ!?」

外道「い、今のは……ほ、本物?」

実咲「あ、あんた人の命をなんだと思って」

 おしおきが終わり、モニターからの映像も途切れる。
 みんな人が死ぬ瞬間など見たことないのだろう。騒がない人もいたのだが、その表情はどれも不安に染まっている。

モノクマ「いやーっ、エクストリーム!」

 そんな中、こいつだけは変わりなかった。

モノクマ「ちょっと軽めだったかな」

紡紀「お前――っ、軽めとか言うな!」

卓「そうだ! あんなことしておいて、殺人者が!」

モノクマ「殺人者? その殺人者のために怒ってるオマエラの方こそどうなの?」

モノクマ「あいつは人を殺したの。なら殺されても仕方ないでしょ?」

モノクマ「オマエラもそう思ったからスイッチを押したんだよね?」

猛志「強要されたからに決まってんだろうが!」

メディス「全部モノクマが悪いんじゃん!」

モノクマ「そっかそっか。でもオマエラが操写くんを殺した。その事実は変わりないよ」

モノクマ「でもそれは間違ったことでもない。だって人を殺したんだから」

モノクマ「面白いよね! 合宿所にいられるのに人を殺しちゃって! うぷぷぷぷ」

火六「お前が煽ったんだろ!」

彩「やめておきなさい」

 彩の凛とした一声。
 モノクマへ殺気立っていた面々がちょっとだけ落ち着きを取り戻した。

志織「そうだよ、みんな。敦君はなんとも言えないけど……ルーシアちゃんのためにもっと慎重になったほうが」

彩「それに相手は何をしてくるか分からない。力の大きさは今ので分かったでしょ? 無視するのが一番よ」

紡紀「……そう、よね」

 すっかりヒートアップしてしまった。
 私は反省しつつ、モノクマへ視線を向ける。口に手を当てて腹立たしい笑い声をもらしていた彼は、私達を見て首を傾げた。

モノクマ「あれ? もうみんな冷静になっちゃったの?」

モノクマ「とことんさとり世代だねぇー」

モノクマ「まぁいいや。ボクも痛いのは勘弁だからね。じゃあ、エレベーターからお帰りください」

 文句を呟く者、忌々しげにモノクマを見る者、怯えた様子の者。
 皆色々思うことがあるようだが――反抗する人はいなかった。みんなゆっくりとエレベーターに乗り込んでいく。
 ……私は、一刻も早くこの場から去りたかった。理不尽に死んでいった二人。その命を果たして私は背負っていけるのか。さっきまで確信を持てていたのに、今では揺らぎっぱなしだ。
 ただ、ここでモノクマに逆らって死ぬこと。それはないと断言できた。
 そう。ルーシアのためにも。

 夜。
 あれからみんなは自然と別れ、それぞれの部屋へと戻った。
 それは私も同じで、今はベッドの上であれこれと考えている。

 記憶がない状態でのコロシアイ合同合宿。
 ついに起きてしまった殺人。
 それはあまりにもあっさりしていて――今でも、夢なのかと思ってしまうほど絶望的だった。

紡紀「……」

 ルーシア。敦。
 昨日まで、いや今日いた友人らがいなくなった。信じられないことだ。

紡紀「出歩こう」

 夜時間のルールがあるけれど、無理して守る必要もない。
 覚めたままの頭でいつもどおりの結論を出すと、私は身体を起こした。
 さて、どこに行こうか。

 選択
 1・ルーシアの部屋へ
 2・敦の部屋へ

 安価↓1

2

 何故、私はここに来たのだろう。

紡紀「……よくわからない」

 敦の部屋の前、私は呟く。
 こんなところに来てもなにもないのに。

紡紀「帰ろう」

モノクマ「あらあら、帰っちゃうの?」

紡紀「へええっ!?」

 突然の声に飛び上がる。その方向を見れば、モノクマが立っていた。

紡紀「も、モノクマ……」

モノクマ「はいそうです、モノクマです」

 監視……しているお陰だろう。私はカメラをちらりと見て、思う。
 彼が神出鬼没なのも、カメラで監視し、どこかでモノクマを操作しているから。こうも自分の行動を把握されていると、なんだか不快だ。

モノクマ「入りたいなら入れさせてあげてもいいよ」

紡紀「え? なんで?」

モノクマ「もう部屋の主はいないし文句言う人もいないでしょ。入りたいって思う人も少なそうだし」

モノクマ「というわけで……ほいや!」

 モノクマが気合の入った掛け声とともに――普通に鍵で部屋を開けた。あの手でどうやってやったのだろう。

モノクマ「はいこれで入れるよ。感謝してよね、夏才さん」

紡紀「誰がお前に」

モノクマ「あらら冷たくしちゃって」

モノクマ「でもそんなのが良かったり」

 大袈裟にはぁはぁするモノクマを尻目に、私は敦の部屋に入った。

 
 敦の部屋は至って普通だった。
 おそらく彼の私物であろうノートパソコン、ベッドに棚にシャワールームにトイレ。
 殆どが私の部屋と変わらない。ただ、彼と話しているときに鼻に入ってくる香りとよく似たにおいがした。
 男らしいのにどこかさわやかな……落ち着く香りだ。

紡紀「――何しに来たんだろう」

 ふと冷静になる。
 男子の部屋に女子がたった一人でやってくるって、怪しまれても当然の状況である。
 帰ろうとする私。すると、テーブルの上にあるものが置かれていることに気づいた。

紡紀「うん?」

 封筒みたいだ。なんだろうか。
 私は無性に気になり、それを手に取り――開いた。

『俺達の中に黒幕に通じる内通者――裏切り者がいる。俺はそのせいで、犯罪に手を染めることになった。外の世界、自分たちのこと、すべてを知った俺は、そうせざるを得なかった』

 簡潔で、意味がよく分からない内容。封筒に入っていた紙には、たったそれだけが書かれていた。
 黒幕の内通者? 外の世界? みんなのこと?
 ……何か、私達の知っていることと違うのだろうか。

紡紀「みんなに見せようかしら……」

 封筒にしっかり紙を入れ、ポケットへ。敦に悪いけど、これは誰かに向けた手紙のようだし、持っていっても構わないのだろう。モノクマも止めにこないし。

紡紀「……」

 部屋に出て自室へ向かう間、私は考える。
 殺人を犯すのも辞さない事実とはなんだろうか。
 それを知ったら、みんなも殺人を犯そうと思ってしまうのだろうか。もしかしたら、私ですらも。

紡紀(そんなの……ない、わよね)

 断言できない。
 今日の出来事から、そう思ってしまう自分がいた。
 これからどうなるのか。
 何も起こらないのか、それとも誰か死んでしまうのか……私には分からなかった。
 自分が何者か断定できないように、みんなのこともそうだ。
 これから何があるのか、断言することはできない。
 私にできることは祈ること。ただ、それだけ。

【Chapter1:はじまった生活と終わったもの】

 END

 生き残りメンバー 残り 14人


 プレゼント『高性能ノートパソコン』を手に入れました


【おまけ】

桑田「というわけで、乾世、お前の評判のテクニックを見せてほしい」

乾世「ふむ……先輩にお願いされては仕方ない」

 希望ヶ峰学園。その食堂。男子生徒が二人、こそこそと話しあう。
 本人らは至って真面目だが、この台詞だけを聞くと怪しく聞こえなくもない。実際、昼食時に食堂の隅で肩を組んで話している二人は物凄く目立っていた。

朝比奈「なに話してるのかな? 珍しい組み合わせだけど」

霧切「隅でこそこそ、なにをしているの? あの二人」

紡紀「気にしなくて大丈夫ですよ男子なんて。それより霧切さん今夜空いてます?」ニッコリ

苗木「僕的にはこっちに自然といる紡紀さんの方が問題だと思うな。あとストレート過ぎ」

 それでも濃い面々はすぐ自分らの周りで手一杯になるのだが。

乾世「――で、何の話だったかな」

桑田「聞いてないで頷いてたのかよ」

乾世「男性とこんな密着して話をすると気が遠くなりそうで、まったく」

乾世「砂漠をさまよい、幻想のオアシスを遠くから見る旅人のような気持ちだった」

桑田「俺の話は砂漠ってか」

 遠い目をして苗木らのテーブルを見る乾世。桑田はため息混じりに彼のことを離す。そしてある人物を見た。

桑田「まぁあっちがオアシスだというのは納得だけどな」

乾世「……舞園さんか」

桑田「おわっ!? な、なんで分かった」

乾世「ただの勘さ」

 視線をたどれば簡単……なんてことは言うまい。

桑田「……そうだ。俺は舞園」

乾世「なるほど、彼女を口説いてこいと」

乾世「任せてくれ。想像以上の結果を出そう」

桑田「おいこら待て。もう既に想像以上だわ」ガシッ

乾世「なんだ違うのか。なにをすればいい?」

桑田「お前……。舞園を口説けるテクニックを教えてくれと頼んだんだ」

乾世「つまらない」

桑田「先輩だよな!? 俺先輩だよな!」

乾世「しかしまぁ、先輩にお願いされては仕方ない」

桑田「……で、何の話だ? なんて言わないよな」

乾世「読まれていたか」

桑田「ふざけてんだろ乾世!」

 ぎゃーぎゃー騒ぐ二人。

山田「あのお二人、仲がいいんですな」

大和田「性格は真逆に見えんけどな」

不二咲「仲良しなのはいいことだよ」

 対して、他の席はのほほんとしていた。

 昼休み。昼食をとってから二人は廊下へ。

桑田「それで、正直なところどうなんだ? テクニックとやらは」

乾世「特に僕は意識したことないんだが……そうだね、まずは容姿を褒めるのが定番か」

桑田「容姿か……恥ずかしくないか?」

乾世「簡単さ。美しい人に美しいと言う。自然なことだよ」

桑田「なんか乾世がモテ男と言われてるのが納得だわ……」

乾世「ふっ、惚れないでくれよ?」

桑田「ねーよ」

乾世「冗談だよ。――どうだい? できそう?」

桑田「褒めると言われてもなー。どうやって言えばいいんだ?」

桑田「あ、ならあいつにやってみてくれよ」

乾世「いいだろう。僕の力を――」

 桑田の視線を追い、ターゲットの姿を見つけた乾世は硬直する。
 そこを歩いていたのは紡紀。ナンパは上手くいっていないのか、そこはかとなく不機嫌そうだ。

桑田「清楚そうで、いい子だよな、あの子。舞園に似てんじゃねえか?」

乾世「全然似てない。舞園さんに失礼だよそれは」

桑田「ど、どうしたんだ乾世」

乾世「あの子はやめておきなさい。お母さん許しませんよ」

桑田「いや違うだろ色々と。真顔で何言ってんだ」

桑田「面白そうだからいいから行ってこいって。骨は拾ってやる」

乾世「くっ。失敗前提で行けと……」

 不服そうに、しかし桑田に背中を軽く押されると素直に向かう乾世。

桑田(こういうとこ真面目だな……)

桑田(頑張れ乾世――って、なんで俺は応援してるんだ)

乾世「紡紀さん」

紡紀「霧切さんガードやっぱ固いわね……あ、乾世くん。どうしたの?」

乾世「なに、日頃の思いを告げようと思ってね」

乾世「紡紀さん、今日も美しいね」

桑田(ストレートにいったー! すごいな、あんな自然に。むかつくが漫画みたいだ)

紡紀「……」

桑田(あれ? 反応無し?)

乾世「その蒼い瞳はまるで宝石のように僕――」

紡紀「乾世くん、そんなことより霧切さんの趣味とか知らない? 喜びそうなプレゼントとか」

桑田(ええええ!?)

乾世「はぁ……やはり駄目か。次は霧切さん狙いかい?」

紡紀「ええ。クールビューティーでさらさらした髪、凛とした雰囲気がすごくいいと思わない?」

紡紀「真面目そうなのにあんな短いスカートを穿いてて……ああ、太もも触りたい! 恥ずかしがるリアクションを見たい!」

桑田(なんとなく乾世が躊躇してた理由が分かった)

乾世「まったくだ!」グッ

桑田(そして何故お前はサムズアップして全力で同意してるんだ)

乾世「僕のリサーチによると彼女はコーヒーなどが好きなようだ」

桑田(すっげぇ生き生きしとる)

紡紀「コーヒー……なるほど。なら食堂とか喫茶店でデートね」

乾世「健闘を祈っているよ」

紡紀「ええ、ありがとう」

紡紀「あと私は男の子に興味ないから、ああいうことは他の人に言った方がいいわよ。嬉しかったけど」

紡紀「じゃあね」

乾世「ふぅ……。さて、どうだった? 僕のテクニックは」ドヤ

桑田「なんで満足げなんだよ!」

 謝りたい気持ちはあったが、とりあえずつっこんでおいた。

桑田「なんとなく何をすべきかはわかったけどな……」

桑田「あれで効果あるのか!?」

乾世「ひかれるか殴られるか、好意を持たれるかの三択だね」

桑田「3分の1かよ! 二択ですらない!」

乾世「いや、ひかれるというのは――」

桑田「あ、惹かれるほうか」

乾世「いや引かれるほうだ」

桑田「やっぱりダメだ!」

乾世「まぁまぁ、落ち着いて。成功する可能性は充分にある」

桑田「そうか? 三択だから三十%とかやめろよな」

乾世「いや、必勝法だ」

桑田「必勝法……」ゴクリ

乾世「それはだな……」

乾世「イケメンであることだ!」

桑田「元も子もねえな!」

乾世「その必勝法は満たしているから先輩は問題ないだろう」

桑田「え? そ、そうかっ?」

乾世「うむ。ちょっとちょろすぎて不安だが……容姿の心配はないだろう」

乾世「問題は舞園さんの容姿のよさ、そしてアイドルという職だ」

乾世「彼女自信のレベルの高さもあるし……容姿のいい男性と接触する機会も多いだろう」

桑田「な、なるほど……」

乾世「そこで今のアドバイスが光るわけだ。やはり印象というのは大切だからね」

乾世「ということでさぁ、行ってくるんだ桑田先輩!」バッ

桑田「おお! ちょうどいいタイミングで舞園が!」ダダダ

桑田「よーっし、行ってくるぜ!」

乾世(先輩ちょろい……)

乾世(まぁ、積極的にいかないと進展しないのも事実……ここは見守ろうか)

乾世(どうなるか。少し楽しみ――なのは内緒だ)

桑田「お、おう舞園――」

舞園「あ、桑田くん。何か用ですか?」ニコッ

桑田「ああ。あのな――」

舞園「……?」

桑田「舞園って……き、綺麗だな!」

舞園「へっ? あ、ありがとうございます?」キョトン

桑田「い、いや……」

舞園「急にどうしたんですか? ――あ、試験が近いからノート貸してほしい、とか?」

桑田「えっ!? そうじゃなくてな――あ、違う! そうだ! 勉強を教えてくれ! こ今度の休みとかどうだ?」

舞園「今度のお休みですね。いいですよ」

桑田「よっしゃー! ありがとな舞園!」

舞園「ふふ。いえ。じゃあ、約束忘れないでくださいね」

桑田「ああ! 絶対忘れないから安心しろ!」

 別れの挨拶を交わし、乾世の元に桑田が戻ってくる。
 満面の笑みを浮かべた彼は、満面の笑みを浮かべていた。

桑田「すげえな乾世! 成功したぜ!」

乾世「ああ。見ていたよ」

桑田「流石希望ヶ峰学園一のプレイボーイだな。お前に相談してよかったぜ」

乾世「桑田先輩……」

桑田「あん? どうした?」

乾世「師匠と呼ばせてくれ!」クワッ!

 とりあえず桑田は乾世の頭を叩いた。

【おまけ その1 完】

【おまけその2】

苗木「そういえば葉隠君のガラス――じゃなくて、水晶玉って二億で買ったものなんだよね?」

葉隠「ああ。これはあるセールスマンから買った自慢の品だべ」

苗木「そうなんだ。相当なやり手なんだね、その人って」

葉隠「うん、そうだな。かなりのやり手だべ」

苗木(ガラス玉を二億で買わせるなんて)
葉隠(それ以上の価値があるであろう物をその値段で交渉するなんて)

苗木「話術とか参考になりそうだなぁ」

苗木(葉隠君にとられそうになってる分とか取り戻せそうだし)

葉隠「それならこの学校にいるから会いに行ってみるか?」

苗木「え? この学校にいるの?」

葉隠「ああ。おれっちに水晶玉を売ってくれたのは超高校級のセールスマン……緑川 青州だべ!」

苗木「あ、最近入ってきた人の一人だね」

葉隠「ん。期待の新人、その中でもおれっちが一番期待している人材だべ」

苗木「それは会ってみたいな。紹介してくれたら……嬉しいけど」

葉隠「よし! 任せろ苗木っち! 今すぐ会いに行くべ」

苗木「本当に? ありがとう、葉隠君」

苗木(こういうところは本当にいい人なんだけどなぁ)



【今日は落ちま】

葉隠「ここだ。ここに青州っちがいる」

 やって来たのは最近増設された新たな教室。そこには少し大人しめであるものの、個性的な面々が揃っていた。

苗木「まぁ新入りさんならそうなるよね。……誰かな」

葉隠「ほれあれだ。真面目そうな、あんま印象に残らないやつ」

苗木(あの人……かな)

 若干失礼な言葉だったが、その通りの人物をすぐ見つける。
 制服よりもぴっしりとしたスーツに眼鏡、爽やかかつ整った顔立ち。真面目そうで、それでいて印象に残らない人物であった。

苗木「あのスーツ姿の人だよね?」

葉隠「うん、すぐ分かったな苗木っち」

苗木「あはは……なんていうか、不思議な人だったから」

葉隠「不思議か。そうだな、青州っちは中々ミステリアスだべ」

苗木「そうだね。――ん? あれは」

葉隠「なんだ? おお、お客さんか」

 教室の中を見ていると、苗木らとは逆のドアから誰かが入っていき、青州の前で立ち止まる。
 明るい色の着物を着たその人物は西園寺日寄子。ロリからちょっとお姉さんに急成長したという噂の人物だ。

苗木「西園寺先輩……」

葉隠「これは気になる組み合わせだべ……」

苗木「あっ、葉隠君。二人共話してるみたいだし、やめた方が――」

 止める間もなく葉隠は教室へと突撃。突然入ってきた個性的なヘアーの人物にクラスメイトの注目が集まる。

苗木「……聞かないよね」

 結局苗木も彼に続くことに。

葉隠「青州っち!」

苗木「こ、こんにちはー……」

 会話している二人に堂々と話しかける葉隠。その反対で、おずおず声をかける苗木。
 二人の声に青州と日寄子の顔がそちらに向いた。

青州「葉隠さん。何かご入用ですか?」

 話途中だったというのに、葉隠へ優しい笑顔を向ける青州。
 彼はその隣にいる苗木にもすぐ目を向けた。

青州「そちらは苗木さん。初めましてですね」

苗木「あ、うん。初めまして」

苗木(名前知ってたんだ……。セールスマンらしい、のかな。気になる……けど)

日寄子「……」

苗木(今は西園寺さんの物凄い嫌悪の視線が気になる)

苗木「西園寺先輩とも初めましてですよね」

 露骨なくらい嫌そうな顔をする西園寺に苗木は苦笑を浮かべつつ挨拶する。嫌われることをしたわけでもないのだが。
 おどおどしながら声を掛けると、西園寺は何故か笑顔を浮かべた。

日寄子「うっさい幸運」

苗木「へ――へええ!?」

 いきなりの暴言である。

日寄子「うわっ、本当うるさいんだけど。ちょっと黙ってて」

苗木(初対面の女子にここまで拒絶されると普通に泣きそう……)

青州「どうしました? 西園寺さん。あなたらし――いですけど、苗木さんは貴方が嫌いなタイプでもないでしょう」

日寄子「そうだけど、いまいち話す気になれないの」

葉隠「分かった! 苗木っちが小さいからかつての同族嫌悪だべ!」

日寄子「お前も黙ってて」

 西園寺にズバッと言われ、シュンとする苗木の隣に俯く葉隠が追加された。

日寄子「なーんか苦手な奴に似てるんだよね、その幸運」

日寄子「声とか、雰囲気……はそこはかとなくだけど」

青州「ああ、狛枝さんですね」

苗木「あ、そっか。僕……似てるかな?」

葉隠「声が特に似てるべ」

苗木「うーん……自分では分からないや」

西園寺「まぁいいや。で、何の用? 青州に用でしょ?」

【今日はここで落ちま】

葉隠「そうだった。苗木っちに青州っちを紹介しに来たんだべ」

青州「私をですか? おや、そういったねずみ的な阿漕な商売はしていないのですが」

葉隠「分かってるって。苗木っちから会いたいって言ったんだぞ」

青州「それは光栄ですね」

苗木「どんな人なのか気になってね。あの……水晶球を葉隠君に売ったんだよね?」

青州「ああ、あの二億円の」

西園寺「二億!? なんなのそれ!?」

青州「あれは入手にとても苦労した品です。超高校級の葉隠さんにぴったりの……大事に使っていますか?」

苗木(あれ? 思ったより反応が小さい)

葉隠「うむ、大事に使ってるべ」

西園寺「二億の水晶……。私の着物よりはるかに高いけど」

 ごそごそと懐から水晶を出す葉隠。が、その瞬間青州の笑顔が苦笑に変わった。

青州「それはおまけのガラス球では……」

苗木・西園寺『おいっ』

 同時にビシッと突っ込みが入る。

苗木(どおりで安っぽいと思ったら……なるほど、葉隠君らしいや)

葉隠「え? おおっ、うっかりしてた! じゃあ本物はロッカーに入ってるべ」

青州「大事は大事にしているようですね。安心しました。少しですけど」

西園寺「あ、ありえない……なんでこんなやつが二億円自由にできるの……」

苗木「……同意見です」

葉隠「なんだなんだ二人して。俺っちは意外にすごいんだぞ。三割だべ、三割」

西園寺「三割ってなにが?」

苗木「占いの的中率です」

西園寺「すごいようなすごくないような……微妙」

青州「すごいんですけど、数値で聞くとそう思えませんよね」

苗木「確かにすごいんだけどね……」

苗木(葉隠君本人を見てるとあまりそう思えないだけで。若干失礼だけど)

西園寺「大体、水晶球が本物かも分からないような奴が占いなんてできるの?」

苗木「あはは……でも、当たるときは本当に当たるんですよ」

青州「超高校級は伊達ではありませんね。私も葉隠さんの実力は、西園寺さんと動揺にお認めしていますよ」

西園寺「うえー……同じぃ?」

苗木(ものすごく嫌そう……)

苗木(話題を変えよう。空気に耐えられない)

苗木「え、えっと、西園寺さんは青州君と知り合いなんですよね?」

西園寺「そうだけど?」

苗木「何か買ったりしているんですか?」

西園寺「なに? お姉さんのプライバシー探ろうとしてるの?」

葉隠「ちょっと前までロリっ子だったらしい人が何を言うべ」

西園寺「葉隠ー? そんなに怒られたい?」

苗木「は、はい、気になるなーと」

西園寺「そっかそっか。うんうん、苗木はいい子だね。私の奴隷候補だよ」

苗木(嬉しくないことなんだけど……拒絶された後だと信じられないくらい嬉しい)

西園寺「青州とは昔から面識があって、いろいろ買わせてもらってるんだ。ねー? 青州」

青州「ええ。簪、着物の帯、その他装飾品や、時には着物もありましたね」

苗木「へー。超高校級の日本舞踏家の西園寺さんの……よっぽど信頼されてるんだね」

西園寺「うん。青州はそういうことでは信用できるからね。他は胡散臭いけど――さながら学園にコンビニが出来た気分だよ」

青州「ははは、利用していただけると、こちらとしてもありがたいです」

西園寺「クスクス。うんと利用してあげるから覚悟してね」

苗木(ある意味似た者同士……なのかな。本音的な意味で)

青州「コンビニといえばグミですけど、なにか要ります?」

西園寺「あっ、いるいる――要らない! そんな子供っぽくないし」

青州「おや、前は――」

西園寺「ダメだって! 後輩の前なんだから!」

青州「そうですか? 残念です」

苗木(青州さんの方が弱みを握ってる……のかな)

青州「それはそれとして、葉隠さん。新しい水晶に興味はありませんか?」

苗木(そして驚くくらい唐突にセールストークに入った!)

葉隠「新しい水晶?」

青州「ええ。今持っているのがおまけのガラス球……入学前に買ったガラス球をロッカーにしまっておく理由は本物のスペア――という目的ですよね?」

葉隠「おおっ、流石だな青州っち。その通りだべ。さすがに二億の水晶球は大切にしたくてな」

苗木・西園寺(だったら間違えるなと……)

青州「そんな葉隠さんにお買い得商品が」

葉隠「おおっ、どんな商品だべ?」

 青州はどこからともなく鞄を出し、そこからきれいな水晶球を出した。

青州「水晶球です」

苗木・西園寺(そのままだーっ!)

葉隠「なるほどなるほど……」

青州「二億のスペアとしていかがでしょうか。こちらも産地や加工、その他諸々、きちんと品質は保証しますよ」

葉隠「青州っちが言うなら間違いないな。値段は?」

青州「そうですね……1000万でいかかでしょう?」

苗木・西園寺(そして高い!)

葉隠「うーむ、1000万か。悩みどころだべ」

青州「ガラス球と交換すれば、きっと三割以上の結果を残すことも可能だと思いますよ。いかがです?」

葉隠「あー……でも」

青州「占い師としてさらに高みへ……登りたくはありませんか?」

葉隠「うーむ……」

苗木・西園寺(さすがに二度目はないか……)

青州「今ならそっくりのガラス球をおつけします」

葉隠「買った!」

苗木・西園寺(えええーっ!?)

青州「まいどありがとうございます」

葉隠「こっちこそありがとうだべ。これで俺っちももっと占いの腕が上がるな」

 和気あいあいと交渉を進める二人。それを見て、西園寺と苗木の二人は小さな声で会話する。

西園寺「青州が超高校級の理由が分かったような気がする」

苗木「僕もです……」

 その後、葉隠は二億の水晶、1000万の水晶、それからおまけの水晶二つの区別がつかなくなり真剣に困っていたそうな。

【おまけ その2 完】

【今日は落ちます】

乙 悪徳セールスマンじゃなくて良かった

【おまけ その3】

メディス「というわけで、どうですか腐川先輩! ジェノサイダーについて」

腐川「え? ええ、と……なんで私に、訊くのよ……」

 希望ヶ峰学園、その昇降口。人があまりいない場所で、腐川は小さな記者に質問で責められていた。

腐川「私は、ぜ全然関係ないわよ」

メディス「そんなわけないですよー。ほら、先輩どうですか?」

 悪気のない笑顔でぐいぐいとペンの押す先を押し付けてくるメディス。
 彼女の正体がジェノサイダー翔だと確信を得ている割には、その態度は堂々としており、恐れ知らずである。
 むしろターゲットが男性だと知っているから――なのだろうか。腐川はパニくり気味の頭で考えるも、さっぱり分からない。

メディス「やっぱり先輩がそうなんでしょっ?」

腐川「えええ!? そそそんなことないわよ。それじゃ」

 このままではまずい。そう判断し、腐川は歩いて去ろうとする。が、それよりもはるかに素早くメディスが前に出た。

メディス「どこに行くんですか?」

腐川「……教室で授業の準備を」

メディス「そんなの後でいいじゃないですかー! それよりも答えてくださいよー」

腐川「だ、だから何も知らないって言ってるでしょ?」

メディス「そんなわけないですって。もとはとれてるんですよ!」

腐川「むぐぐ……誰から?」

 頬をペンで押され、腐川は彼女の勢いに圧倒されつつ尋ねる。
 するとメディスはいい笑顔で答えた。

メディス「十神先輩です!」

腐川「びゃっ白夜様が!?」

メディス「御曹司として取材してたら、いきなり腐川先輩がジェノサイダーオタクだと言ってきて」

腐川「白夜様が!?」

メディス「うん、白夜様が」

 十中八九取材から逃れるため。それでも自分を頼ってくれたことは嬉しかった。

腐川「そ、そう……それなら特別に取材を受けてあげる」

メディス「そう? それじゃ早速――ジェノサイダー翔の正体は誰だと思います?」

腐川「っ!? げっほごっほ!」

メディス「……? どうしました?」

 まったく悪気がないメディスの態度。
 それを見て、腐川はなんとなく白夜が自分を犠牲にした理由が分かった。

腐川(これは逃げたくなるわ……)

 純粋な、まるで子供のような追及。
 苦手な人はとことん苦手だろう。腐川も勿論苦手な部類に入っている。が、これも白夜のため。腐川は決心し、彼女の質問に答え続けた。適当にだが……彼女の素直な反応に、でたらめで答えている自分が申し訳なくなったりもした。


【おまけ その3 完】

【これから本編のChapter2へ行きます】

 
 
 
 真っ暗な部屋。

 私はある一人の人物と向い合って立っていた。
 女か男かも分からない。
 ただ、長く黒い髪がまるで化け物のように無造作に伸びていて、彼が放つ雰囲気もまた化け物じみていた。
 彼は言う。そんな、化け物のような雰囲気とは違った、無感情な声で。

???「初めまして。あなたは……夏才 紡紀ですね」

???「あなたは……何を求めますか?」

紡紀「私は……」

 選択
 1・絶望
 2・希望
 3・可愛い女の子

 安価↓1

3

紡紀「可愛い女の子」

???「……」

 見知らぬ人物は驚いているようだった。
 それもそうだ。真面目そうな場所で、真面目な質問。その中で私が馬鹿な回答を迷うことなくしたのだ。
 戸惑うのも当然のこと。

???「ふふ、あなたは中々オモシロイ方だ」

???「超高校級の女色家……。女子に好かれる才能をもつことは勿論、本人も女性のことを大いに愛していると」

???「あなた以上に自分の才能を愛している人もいないでしょう……」

???「羨ましい――などと僕は思いもしませんが、希望ヶ峰学園の生徒は思うことでしょう」

???「僕にもあなたのような才能があれば、それほど突拍子もない返答をできるのでしょうか」

 見知らぬ人物はクスクスと笑う。顔は見えないけれど、楽しげであった。

???「夏才 紡紀さん。あなたは僕ですらも羨むかもしれない才能の持ち主です」

???「あなたが希望に染まるか、絶望に染まるのか――はたまた別の何かに成り果てるのか。僕は楽しみにしていますよ」

 見知らぬ人物は私の言葉などきかずに台詞を続ける。
 そして最後に、その人物の顔が見えた。
 長い黒髪の間から見えるぎらぎらと輝く瞳。恐怖すら感じるそれに、私は――



【Chapter2:開放されし合宿所、そして行き止まり (非)日常編】

 私は奇妙な夢から、騒音で目覚めた。
 音痴な歌声を間近で聞かされるような壮絶な騒音。
 私は飛び上がるように身体を起こした。

モノクマ「あ、起こしちゃった?」

 私のすぐ横にいたのはモノクマ。
 彼は大袈裟とも思えるドリルを手に、私の部屋を封じていた窓の金具を外していた。

モノクマ「いやー、ごめんね? 学級裁判を乗り越えたら新しい場所が開かれる仕組みだから、ボクも仕方なく朝からこうして仕事をしてるんだよね。恨みはないんだよ?」

紡紀「あ、新しい場所?」

モノクマ「はい、この巨大な合宿所の外です」

 そう言ってまたすぐドリルを動かしはじめるモノクマ。

紡紀「新しい場所……外!?」

モノクマ「うん。外はいいよー。健康的だよね」

紡紀「ま、まぁ……」

紡紀(外って言うけど、絶対に出られるわけではないよね。うん)

 誰かを殺して学級裁判を乗り切らねば外にでることはできない。それは嘘ではないのだろう。ならば、何かしら罠があるはず。
 とは思うものの、外に出られるのは嬉しかったりもする。
 まともに時間も分からなかったし……。

モノクマ「というわけで、散歩するなり調査するなり、合宿ライフをエンジョイしてください」

モノクマ「ボクはまだ作業してますので」

紡紀「あの、着替えは……」

モノクマ「監視カメラでしょっちゅう見てるから大丈夫だよ。気にしない気にしない」

紡紀「あのね……まぁいいわ」

紡紀「――まったく」

 ため息を一つ。私は仕方なくその場で服を脱ぎはじめる。

モノクマ「あ、そうだ。夏才さん」

紡紀「……なに?」

モノクマ「ボクも暇なときはあるから、そのときは誘っても大丈夫だよ」

モノクマ「生徒と仲良くするのも、学園長の務めだからね」

紡紀「……」
 
 なにを言っているのだろうか。
 こいつなど、頼まれても誘うものか。……いや、でも黒幕のことを知るためにはそれもいいのかもしれない。

【自由時間の際にモノクマと過ごせるようになりました】

紡紀(とは言っても、誘うかは分からないけど……)

 服を着替えつつ、私はのんびりと考える。
 外が開放されたことだし……誰かと散策するのもいいかもしれない。


 誰と散策するか

 安価↓1~2 モノクマを除く生存メンバーから一人ずつ指定

実咲

緑川

 朝食を終えてから、モノクマから既に話を聞いていた全員は探索に出ることになった。
 私も勿論探索に。その際に事前に適当な人物に声をかけておいた。
 その人物こそ――

実咲「よっし! 張り切って散策しよー」

青州「折角の新展開ですからね。念入りにいきましょう」

 この二人である。正反対な二人だからこそ、探索の結果に期待が持てるだろう。私の人選も中々なものだ。

【二人の好感度があがりました】

 さて、外へはエントランスのドアから向かえるらしいが――どうしようか。

選択
 1・外へ
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル30枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

2

紡紀「やっぱりここだよね……」

 学級裁判を乗り越え、メダルも手に入れた。それを活かすためにも私は回す……!
 後ろで二人が微妙に呆れていたけれど、仕方ないことなので我慢してもらおう。

【現在所持しているプレゼント】
 ・鉄道模型
 ・熱血!ベースボール
 ・チョコチップクッキー
 ・綺麗なリング
 ・プロテイン
 ・かわいいリボン
 ・古いレコードプレーヤー
 ・ポテトチップス

選択
 プレイするモードは? 回数は?
 通常or高級(五枚消費で指定した人物が絶対に喜ぶものが出ます)
 通常と高級を合わせてプレイするのも可。
 ただし手持ちのメダルの枚数分しかできません。

 安価↓1

高級 緑川と普通15回

【残りメダル10枚】

紡紀「よーし。これにしようっと」

 青州の高級を一回。それと普通を15回。
 合計メダル20。ほどほどな選択だろう。

 さて……何が出るかな。


 募集
 プレゼント――その中で、イベントが発生するものをそのイベントの内容ごと募集。
 今回は3つで。安価一つに一つずつ。
 プレゼント名と、発生するイベント内容をお答えくださいませ。いつイベント開始かは適当です

 ※それと、連取はご遠慮ください

 安価↓1~3

彩 バーローの全身黒タイツ
気に入ったのでしばらくそのまま行動する

シュールストレミング  異臭騒ぎが起こる

花火セット みんなで遊ぶ

 出たもの。
 【高級】
 眼鏡クリーナー(その名の通り眼鏡を綺麗にするための小さな布)

 【普通】
 ・牛の置物(デフォルメされた牛の置物。かわいい)
 ・編みぐるみの知識(編みぐるみ愛好家へおくる編みぐるみ専門雑誌)
 ・お清めの塩(本職の方にも人気な聖なるお塩。料理用としても優秀)
 ・くるっとシャーペン(芯が回って書き味が変わらない高性能ペン……と思いきや、クリップの部分が回転する)
 ・高級ワイン(アルコール成分なしのワイン――を模してつくられたジュース)
 ・バーローの全身黒タイツ(とある作品のコスプレが楽しめるタイツ。何故か目が見える)【重要アイテム】
 ・怪しい缶詰(英語で読めないが、おそらく魚、だろう)【重要アイテム】
 ・花火セット(大きな花火セット。一人でやるきるには一夏はかかるだろう)【重要アイテム】
 ・グラビア雑誌(制服姿のアイドル――舞園さやかが写った雑誌)
 ・音楽プレーヤー(そこそこ高音質な音楽プレーヤー)
 ・赤いネクタイ(きれいな色をした赤いネクタイ)
 ・ポテトチップ
 ・コーラ(どこ産かも分からない瓶に入ったコーラ)
 ・エンゲージリング(結婚指輪。そこはかとなくロマンチックな指輪だが、子供用の玩具)
 ・アンテナワックス(世の男性御用達のヘアワックス。そのキープ力は髪でアンテナを作れるほど)

紡紀「……ふむ」

 まぁほどほど? 中々いいんじゃないだろうか。
 かぶりがついに出てしまったけど、一個なら許容範囲だ。

【重要アイテムはプレゼントできません】

青州「あの、夏才さん。そろそろ行きましょう」

紡紀「あ、うん。ごめんなさい、待たせて」

 出たものを整理していると、声がかかる。
 やっておいてなんだけど、よく私の自分勝手な行動を見守っていてくれたものだ。

 
選択
 1・外へ
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル10枚】

 ※3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1

紡紀「行きましょう」

 いつまでも遊んでいるわけにもいかない。私は二人に声をかけて、すぐ近くのドアへと向き直った。
 前は開かなかったそれ。少し緊張しながらノブに手をかけて引けば、あっさりと開く。
 ドアの先は本当に屋外だった。ただ、『外』ではない。建物を出ても尚、私は開放された気など微塵もしなかった。
 その原因は前を見ればすぐ分かる。遠くに見える柵。私の身長、下手したらどこぞのビルよりもはるかに高い柵が周囲を囲むように立っていた。出られないと一目で理解できる。
 おそらく対空の攻撃手段だろう。柵の上には数々の兵器が並んでおり――素人目で見て隙がない。
 なんだろう、これは。なにかの要塞みたいだ。

実咲「おわーっ! 外だー! すっごい広い!」

 呆然と周囲を観察する私と青州。その横を駆け抜けて実咲がはしゃぎまわる。
 手を広げて幸せそうに笑う彼女。子供のような、散歩に出かける犬のようなはしゃぎように、私の頬は自然とゆるんだ。

青州「あ。危ないですよ。まだ何があるか分からないんですから」

 そして母親のようなことを言いながら彼女へと近づいていく青州。

実咲「いいじゃん、久しぶりの外なんだよ? もっと遊ぼうよ」

青州「遊ぶにしても遊び方があります」

紡紀(遊ぶことには反対しないんだ……)

 とは言っても、嬉しくなる気持ちも分かる。
 柵や物騒なものに囲まれていても、ここは外。少しはロッジ内よりもましな気がする。
 私は伸びを一つ。ロッジの周りは木々に囲まれており、自然も多い。この合宿所は山の中にあるのだろうか。だとしたら、美味しいものの一つや二つあるかもしれない。

紡紀(どこに行こうか……)

 選択
 1・前方の森の中
 2・ロッジの裏側
 3・適当に歩く

 安価↓1

1

3

 前方に広がる森の中へと進んでいく。

青州「……何もありませんね」

 が、森の中を進んでも何も見つからず、結局は囲いの前に来てしまった。

実咲「何もないことがわかったね! よかった……のかな」

紡紀「あはは……無駄ではなかったわね。多分」

 数分の手間。それほど無駄骨というわけでもない。正確な距離がつかめただけでも上出来だろう。

青州「そういえば途中できのこを見つけました」

紡紀「きのこっ?」

実咲「紡紀ちゃん反応いいね」

青州「ええ、きのこです。一個採取してきましたけど……食べられるようなものでもないようですね」

青州「香りを嗅いだだけでも意識が」

 なるほど、それは食べられそうにない。
 しかし香りを嗅いで意識がもってかれそうになるきのこって……。
 山の中に目立った食べ物はなし……冷蔵庫に一杯あるから、別に不自由はしてないんだけどね。やっぱり食材というのは手間がかかると旨味を増すものだと思うのだ。それが自分で採ったものならなおさら。だからちょっと残念だ。

実咲「思ったよりつまらない場所だね、ここ」

紡紀「ただの外だし、そういうものよ」

 もう飽きはじめているのか、実咲は頭の後ろで腕を組みつつ言う。
 遊ぶような施設があるわけでもないし、基本的に屋内と変わらない。今のところただ広いだけだ。

紡紀(これといったものはなし。はっきりした手柄はモノクマメダル――かしら)

【モノクマメダルを3枚手に入れました】

 選択
 2・ロッジの裏側
 3・適当に歩く

 安価↓

 次に私達は山の中を適当に歩くことに。
 木々がある中を進んでいき――石で実咲がジャグリングをしはじめた頃、不意に彼女が声を上げた。

実咲「あーっ!」

青州「どうしました?」

 声に反応する私と青州。彼女の見ている先へ視線を向ければ、そこにはぽつんと山小屋が。
 木々が並ぶ中一つあるそれは、とてつもなく怪しい。

紡紀「見るからになにかありそうね」

 シリアス顔で頷く二人。とは言っても青州は笑顔なのだが。

青州「私が行きましょう。男性ですからね」

紡紀「よっ! かっこいい!」
実咲「見てこい青州」

 彼がそう言うのだから任せることに。
 青州は私達へ軽く会釈すると山小屋へ。ドアを注意深く開いて中を覗く。
 その瞬間トラップが発動――するなんてことはなく、彼は左右を確認し中へ入ると私達へと手招き。

青州「普通の山小屋ですね。登山に必要なもの、暖をとるためのもの、仮眠用のベッドなんかもあります」

 私らも中へ。山小屋はそれなりに広く、快適そうだった。
 監視カメラはしっかりあるのだが。

実咲「ここもつまらなそうだねー。もっと楽しいのないのかな」

青州「山小屋にそういったものを求めるのはどうなのでしょうか」

 相変わらずな二人の会話を聞きつつ、私は山小屋をしっかり調査。
 特に問題ない。凶器になりそうなものもないし、変なところもない。メダルも見つけたし、上々だ。

【モノクマメダルを2枚手に入れました】

青州「ここはこれくらいですかね。他に行きましょう」

紡紀「そうね……」

 他、というと……ロッジの裏側だろうか。何かあるといいけど。

 ロッジの裏側へやって来た。
 ここはちょうど私達の部屋の窓がある側らしい。
 特になにもないのだろうと思っていたが、私達はすぐ目立つものを発見してしまった。

紡紀「あれなに?」

 一直線に、囲いにある門らしきものへと繋がる道。
 囲いよりは低いものの、道の左右には鉄の壁がそびえ立っている。そしてその前に立っているのが……ライオンのような奇妙な機械。あちこちにトゲやら刃物がついていて、誰かを殺してやろうという気で満ちている。殺意の塊みたいな物体だ。
 その物体の横には回転式のドア。よく遊園地とかで見るゲートのようなものである。他に道に入れそうな隙間はなく、門へ続く道を通るには、あのドアを通らねばならない。……正直、何がしたいのかよく分からない。何を目的としてこんなものを作ったのだろうか。

青州「近づかない方がよさそうですけど……」

実咲「でも行かないと何も分からないよ?」

青州「まぁ、そうですが」

紡紀「行くだけ行ってみましょ。危害を加えるのが目的なら、とっくのとうにロッジを襲ってるだろうし」

 あんなごつい機械なら木製ロッジなどあっという間に壊せそうだ。
 それをしてこないということは、おそらく危険性はない。断言できないのが怖いところではあるけれど。
 渋々頷いた青州に礼を言い、私達三人は警戒しつつドアへと近づいっていった。

 近づいても機械は動く気配すら見せなかった。
 ほっと安堵する私。すると機械の横、ちょうどドアのある辺だろうか。
 機械の身体になにか注意書きのようなものが記載してあった。

『このマシンは基本的には無害です。
 ただし横のドアを通り、門の取っ手に触れた者を容赦なく殺します。ご注意を』

 シンプルだ。危険性が分かりやすい。

紡紀「ええぇ……全然無害じゃないじゃない」

青州「皆さんに後で注意書きを見るよう言っておきましょうか」

実咲「なんていうか、これ必要あるの? って感じだよね」

紡紀「でも門が開いてて、それを守護しているなら、必要なのかも」

モノクマ「門は開いてないよ」

 ひょっこりと、どこからともなくモノクマが現れる。

モノクマ「開いてないから、あそこに行く必要もないと思うよ」

紡紀「嘘じゃないわよね?」

モノクマ「そんな嘘を言っても仕方ないよ。それにね、卒業しないと出られないって言ってるんだから、相応の準備というものもしてるんだよ? 少しは信用してほしいなぁ」

 確かに、この機械の仕組みを解いただけで出られるなんておかしい。こんな環境を整えた人物だ。抜かりはないはず。

紡紀「分かったわ。とりあえず信じてあげるから、帰りなさい」

モノクマ「おおう、夏才さんのツン期は長そうだね。じゃ、ボクは帰ります」

 素直にモノクマは退散。あっといまに消える。

青州「ここも結局進展はなさそうですね」

実咲「はーあ。マシンとか面白そうだったのに」

紡紀「壮大な無駄骨だったわね……」

 外へ行けたからといって、世界が広がったという実感はしなかった。
 むしろ逆。囲いを、行動の限界を示す境界を目にし、私は改めてここがビンの底なのだと思った。
 周囲を囲まれ、天には空。その中で私達は踊らされている。
 ――いけない。考えがネガティブになってきた。私は暗くなる気持ちを払うように頭を振り、息を吐く。

紡紀「エントランスに戻りましょ」

 私達はひとまず探索を終えた。

【今日は落ちますー】

 エントランスには他のメンバーが集合していた。
 それからみんなと話をしてみたけど、わかったことはほぼ同じだった。

彩「ふむ……結局なにもないのと同じね」

猛志「だな。あー、でも走れるのはいいかもな」

実咲「健康的な生活はできそうだよね」

火六「出られないけどな」

 昨日あんなことがあったわりにはみんな落ち着いている。
 いや、今は目的があるわけだし意識していないだけか。
 周囲のメンバーを眺め、私は一人頷く。あ、そういえば。

紡紀「アーサーくん。あの門に近づいたりしなかった?」

 私はアーサーへ顔を向ける。
 突然の質問に、みんながきょとんとした。

アーサー「何故俺に訊く?」

紡紀「なんとなくアーサーくんなら行きそうだなと思って。あと彩ちゃんとか」

 色々と鋭い彼らなら、おそらくあの場もチェックしているだろう。と思っての質問だが。

アーサー「……近づいたが、門には触れなかった」

卓「まぁ殺されるからな」

アーサー「だが見るだけで分かった。あの門は開かん」

彩「錠前と鎖、頑丈そうなものがいくつもかけられていたわ」

紡紀(やっぱり見に行ってたんだ……)

 危険なのによくできる。素直に感心だ。

乾世「やはりそう簡単には出られないか」

志織「だよね……」

 暗くなる室内の雰囲気。外が開放されたからといって、出られるわけでもない。
 私達は依然としてコロシアイを強要されているのだ。

メディス「まぁまぁ、暗くならないで頑張っていこうよ」

謙「だな。誰もコロシアイをしないで、過ごしていれば……」

 いつか。
 いつか何か起きる。それで開放される。そう思うしかない。

紡紀(楽観的だけど……それかしかないわよね)

 何もできないのだ、私達は。

【主人公】
超高校級の女色家
 夏才 紡紀(かさい つむぎ)
 記憶の一切を失ったお嬢様っぽい少女。髪は金髪のセミロング。瞳の色は蒼。
 フリルのついたブラウスに、赤いスカーフ、赤いロングスカートという服装を好む。
 割と――というよりかなり普通の人間。食欲旺盛?

 ステータス(スキル効果も含めます)
 発言力 5
 集中力 5

 スキル
 なし


【男メンバー】

超高校級の闘牛士
 安藤 乾世(あんどう かわせ)
 ひょうひょうとした雰囲気の男性。
 シャツにネクタイ、上着、闘牛士を彷彿とさせる服を着ていて、髪は肩につくほどの長さで色は黒。見た目は中性的。

超高校級のセールスマン
 緑川 青州(みどりかわ せいしゅう)
 常に笑みを浮かべており、コミュ力が高い。本心を見せない。礼儀正しい。さらさらとした黒髪。平均的な身長。
 顔立ちはいいのだが、印象に残らない容姿をしている。

超高校級の撮り鉄
 冥川 外道(めいかわ そとみち)
 目的のためなら手段を選ばない。丸々と、なんて言葉が似合いそうなピザ。車掌らしき服を着ている。
 暑苦しい容姿の割にはかなりさわやかな人柄、口調。

超高校級の霊媒師
 鵜都 火六(うず かむ)
 紺の着物のようなものを身に付けており、髪は黒で男性にしては長い。
 それを後ろへ流しており――なんだか、匠なんて言われても納得できそうな威厳がある。
 けれど顔が若々しいため、胡散臭いという印象の方が強い。
 【イベント進行 1】

超高校級の議員
 遊河 謙(ゆうが けん)
 スーツ姿で、きっちりとしたネクタイは歪み一つない。
 眼鏡をかけていて……なんだか営業マンのようにも見えるが、頭髪は少し派手。
 紫色のくせっ毛で、あちこち跳ねており、顔はかなり怖い。強面というレベルを越えているような感じ。

超高校級の投資家 【DEAD】
 操写 敦(そうしゃ つとむ)
 服装はいまどきといった感じ。ジーンズにシャツ、お洒落なジャケット、ネックレスなど、モデルみたいな人。
 ふんわりとした青色の髪。スイッチが入るとぺらぺらと言葉で人をまくし立てる。その際自分でも長話だと認識している。
 第一の事件のクロ

超高校級の給食係 
 御石 卓(おいし しょく)
 身長は低めで、顔立ちもなんだか中性的。髪は紺で、短め。
 さっぱりとした清潔感のある少年という感じ。ごはんは毎食しっかり食べて欲しいようだ。

超高校級のボクサー
 八代 猛志(やつしろ たけし)
 質実剛健。だけどキャパを超えると以上に焦る。
 ベリーショートのさっぱりとした赤い髪。ノースリーブのシャツに長袖のジャケット。下はジーンズ。
 この方も結構強面。

 【女性メンバー】

超高校級のスパイ
 椿巳 彩(つばみ あや)
 胡散臭い人その2。
 髪は白でショート。肩ほどでしゃきっと切りそろえられたボブカット。
 スーツ姿で、ショートのスカートと黒タイツ。クールそうな印象の少女だが、なんか抜けてる。

超高校級の編みぐるみ作家
 安南 めぐる(あんな めぐる)
 かわいいものに目がない。ぼーっとしている。ふわふわした印象の女性。
 髪は水色で二つのおさげが左右にちょこんと。薄手のカーディガンにワンピースと、ニーソにブーツ。
 目立つのは服のポケットや片方の肩に提げるリュックから顔をだす編みぐるみ。
 色は様々。どれも動物を型どっていて、ふわふわしいた印象の彼女を更にメルヘンに見せている。
 口調が独特。

超高校級のシスター 【DEAD】
 ルーシア=プリーテス
 普段は気弱だがいざというときは行動力がある。
 大人っぽい人。服は黒一色で、髪色は金。長さ腰ほどまで。シスターらしく修道服のような格好をしている。
 変なアダ名をつける。友達がいっぱいほしいらしい。
 第一の事件の犠牲者。
 【イベント進行 1】

超高校級のサーカス団員
 桃原 実咲 (とうばる みさき)
 周りの人を楽しませることしか考えてない少女。
 肩につかない程度の長さの薄茶色のショートヘア。片目が隠れた不思議な髪型。
 一見する限り、普通の女の子。服装はセーターワンピースに、黒タイツ。スタイルは平均的な感じ。
 【イベント進行 1】

薬剤師 仁科 志織 (にしな しおり)
 基本くっそ優しい慈愛の塊。実は下ネタがっつりいけるクチ。
 髪は赤のロングヘア。白衣に眼鏡と、いかにもな格好である。
 おっとりとした少女だが、現状紡紀よりも女色家の名が相応しい状態に。
 【イベント進行 1】

超高校級の記者
 メディナ=メディス
 ジャーナリストという名の変態。
 爛々と輝くくりくりとした目。小さい子供のような容姿をしており、髪色はピンク。ポニーテール。
 服装はどこかの制服を着ている。

超高校級の元帥
 アーサー
 高貴であり冷血。同じ帝王学を学んだ十神と違いかませになることがない。男に見えるが実は女。
 きりりとした顔立ちに、黒い軍服のような制服、帽子。身長は高めでスラリとした体格。
 全体的に凛々しくて、かっこいい男性……なのだが、紡紀曰く何かがひっかかる。

【プレゼントリスト】

 ・眼鏡クリーナー(その名の通り眼鏡を綺麗にするための小さな布)
 ・牛の置物(デフォルメされた牛の置物。かわいい)
 ・編みぐるみの知識(編みぐるみ愛好家へおくる編みぐるみ専門雑誌)
 ・お清めの塩(本職の方にも人気な聖なるお塩。料理用としても優秀)
 ・くるっとシャーペン(芯が回って書き味が変わらない高性能ペン……と思いきや、クリップの部分が回転する)
 ・高級ワイン(アルコール成分なしのワイン――を模してつくられたジュース)
 ・バーローの全身黒タイツ(とある作品のコスプレが楽しめるタイツ。何故か目が見える)【重要アイテム】
 ・怪しい缶詰(英語で読めないが、おそらく魚、だろう)【重要アイテム】
 ・花火セット(大きな花火セット。一人でやるきるには一夏はかかるだろう)【重要アイテム】
 ・グラビア雑誌(制服姿のアイドル――舞園さやかが写った雑誌)
 ・音楽プレーヤー(そこそこ高音質な音楽プレーヤー)
 ・赤いネクタイ(きれいな色をした赤いネクタイ)
 ・ポテトチップス (コンソメ味。パンチのきいた辛味が特徴的) ×2
 ・コーラ(どこ産かも分からない瓶に入ったコーラ)
 ・エンゲージリング(結婚指輪。そこはかとなくロマンチックな指輪だが、子供用の玩具)
 ・アンテナワックス(世の男性御用達のヘアワックス。そのキープ力は髪でアンテナを作れるほど)
 ・鉄道模型(マイナーな鉄道を模型にしたレア物)
 ・熱血!ベースボール(レオンという主人公が登場する熱血スポーツ漫画)
 ・チョコチップクッキー(名前の通り)
 ・綺麗なリング(キラキラと光る銀色の綺麗な指輪)
 ・プロテイン(万能薬とも言われる、スポーツ家愛用の品)
 ・かわいいリボン(赤いリボン)
 ・古いレコードプレーヤー(高級品、らしいボロいレコードプレーヤー)

 
 探索後。
 私達は昼食をとり、部屋に戻った。

 時刻は昼ちょっとすぎくらい。
 なにかする時間はゆうにあるだろう。

紡紀「無駄に過ごすのは感心しないしね……」

【自由行動開始】

 選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1安南

 外。ロッジから出てすぐの左手。
 大きなテラスに置かれたテーブル。その席でめぐるは編みぐるみを一心に作っていた。

紡紀「めぐるちゃん」

めぐる「……? 紡紀さん。こんにちはっす」

 声をかけると、彼女はのんびりとした動作でこちらを見る。

めぐる「お話します?」

 彼女の言葉に私は頷き、隣へと座った。

 午後の時間を、のんびり外で雑談をしつつめぐると過ごした。
 距離が縮まったと思う。

【めぐるの好感度が上がりました】

紡紀(折角だし何かあげようか……)

選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340

 安価↓1

編みぐるみの知識

紡紀「あの、めぐるちゃん。これ」

めぐる「んえ? ――おおっ! それは――!」

 ぼーっとしていた彼女の目が輝く。
 編みぐるみの知識。編みぐるみの専門雑誌である。
 超高校級の彼女からしたら今更な品かとも思ったけど、そんなことなかったらしい。

めぐる「くれるんすか?」

紡紀「ええ。どうぞ」

 そこまで喜んでくれると嬉しい。私は快く頷いて、彼女へとそれを手渡した。

めぐる「はあぁ……かわいいものが一杯す。ありがとうございます、紡紀さん」

【めぐるの好感度がかなり上がりました】

めぐる「紡紀さんは、女性ですよね」

めぐる「かわいいもの好きすか?」

 雑誌を眺めつつめぐるは問いかけてくる。

紡紀「まぁ、好きね。才能もあれだし」

めぐる「いいすよね。かわいいもの。メディスさんなんか、ちっちゃくて愛でたくなります」

めぐる「編みぐるみも、私大好きっす。頭の中のかわいいものをイメージして、それを形にできて」

めぐる「天職すね」

紡紀「……そう」

 本当に幸せそうなめぐるの顔。
 ぼんやりしてばかりの彼女だけど、編みぐるみは本気で好きそうだ。
 今度私もやってみようか――なんて気にもなってしまう。

【めぐるのイベントが進行しました。

 めぐるの通信簿に情報が追加されました】

 なんだかんだと夜。

紡紀「なんだか私、一番の不良のように思えてきた……」

 自室。いつものように私はどこかに出かける算段を立てていた。
 みんなの決めたルールがあるのだけど……もう今更か。
 さて、どこに行こうか。

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1安藤

乾世「紡紀さん、今夜も僕に会いに来てくれたのかい? 嬉しいな」

紡紀「やめて、変な言い方は」

 エントランスに行くと、乾世に遭遇した。
 微笑する彼は、手にしていたカップを軽く上げて真面目にくさいことを口にする。

乾世「冗談さ。会えたのは嬉しいが」

紡紀「……」

 なんか調子が狂う。照れくさいだとかいうのだろうか。

乾世「座ってくれ。ちょうど話をしたいと思っていたんだ」

紡紀「ええ。私も暇してたし……」

 彼のことは嫌いではない。私は頷いて、席に座った。
 夜の時間。静かに私達は会話を交わした。
 キザでも気遣いをしっかりしてくれて――会話の中でも、それはしっかり感じとれた。

【乾世の好感度があがりました】

紡紀(何かあげようかしら……)

紡紀(また何か言われそうだけど)

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340

 安価↓1

牛の置物

紡紀「乾世くん、これとか好き?」

乾世「美しい女性からのプレゼントなら――おや」

 乾世の視線が私がテーブルに置いた置物にとまる。

乾世「いいね。闘争心が蘇るようだよ」

紡紀「……これで?」

 正直、闘牛と全然関係なさそうなかわいい置物なのだが。

乾世「ありがとう。大事にさせてもらうよ」

 まぁ喜んでくれてるし、よしとしよう。

【乾世の好感度がすごく上がりました】

乾世「紡紀さんは僕に惚れているのかい?」

紡紀「……いきなり何言ってんのよ」

乾世「いや、甲斐甲斐しく会ってプレゼントをくれるものだから」

紡紀「乾世くん以外にもやってるわよ。残念でした」

乾世「そうか。残念だがそれはいいことだ」

紡紀「乾世くんはどうなの? 他のみんなと」

乾世「さっぱりだ。声をかけても効果がない」

紡紀「いや女子じゃなくて、男子とか」

乾世「……」

 尋ねると、彼は黙ってしまった。

紡紀「か、乾世くん?」

乾世「その――苦手なんだ、男子と話すのは」

乾世「それだけだ」

乾世「さぁ、愛を語ろうか」

紡紀「語らない」

 すぐいつもの調子に戻ったけど――あの一瞬の変化はなんだったのだろうか。

【乾世のイベントが進行しました。

 乾世の通信簿に情報が追加されました】

 翌朝。

モノクマ『オマエラ、おはようございます。朝になりました。今日も勉強にスポーツに親睦に、有意義な合宿を過ごしましょう!』

 今日も1日がはじまる。
 特にすべきこともないが、どうしようか。

【自由行動開始】

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1かむ

 なんとなく、山の中を進む。
 誰と会うつもりもなかった。ただ暇つぶしに歩いていただけなのだが――

火六「紡紀。奇遇だな」

 火六にエンカウントしてしまった。
 いやまぁ、別にいいんだけども。いいんだけど、なんで火六。
 奇遇で彼に会うと、ちょっと損をした気分。

紡紀「なにしてるの?」

火六「日課の精神統一だ。頭がしゃっきりして気持ちいいぞ」

紡紀「精神統一ね……」

 意外に霊媒師らしいこともしている。
 なんとなく興味を引かれた私は、彼に習って精神統一してみた。
 ちょっと仲良くなったかもしれない。

【火六の好感度が上がりました】

紡紀(しゃっきりした気分だ)

紡紀(なにかお礼でもしようか)

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみは使用済み】

 安価↓1

エンゲージリングでからかおう

お清めの塩

紡紀(……よし)

紡紀「火六くん、これあげる」

火六「……指輪?」

紡紀「ええ。エンゲージリング。この前マシーンで出たの」

火六「エンゲージ!? お、おま――出会ったばかりで」

 戸惑った様子の火六へ私は指輪を握らせる。

紡紀「あげるって言ってるの」

火六「お、おう……」

 受け取った指輪をまじまじと見る火六。
 ふむ、もっと慌てるかと思ったけど……結構落ち着いてる。

火六「……これ、深い意味はないよな? あるなら、その」

紡紀「――ええ、玩具だし」

火六「え? 玩具?」

紡紀「うん、玩具」

火六「……っ、お前なぁ」

 ぐったりとうなだれる火六。

火六「ドキドキした俺が馬鹿みたいになっただろ」

紡紀「ちょっとからかおうと思っただけよ」

火六「悪びれないのな」

火六「まぁいい。これはもらっとく」

紡紀「貰うの? 冗談だし他のに変えた方が……」

火六「いや、紡紀に貰ったと言えば、多分からかえる奴もいるからな」

 悪い笑みを見せる火六。自分がからかわれたことはあんまり気にしてなさそうだ。

【火六の好感度が上がりました】

火六「それにしても、ついに出たな……死人が」

 指輪をしまい、彼は真面目な顔で言った。
 急な雰囲気の変わり様に私は面食らう。

紡紀「そうね。まさかとは思ってたけど」

火六「俺もだ。まさか間近で死体を見る羽目になるとはな」

紡紀「……。そういえば、火六くんって霊媒師なのよね?」

火六「言っとくけど、そんなおいそれと喚べないからな」

紡紀「まぁそうよね」

 もしそれができるなら、調査の時になにかしらしていた筈だ。

火六「準備と、それとなにより霊の気持ちが大事なんだ。今は無理だ」

紡紀「……」

火六「……どうした? がっかりでもしたか?」

紡紀「いや真面目だなぁと」

火六「どういう意味だそれ!」

紡紀「ギャップがあってかっこいいってこと」

火六「そ、そうか」

紡紀(ちょっと単純……)

 かっこいいとは思ったけど、ここまであっさりと喜ばれるとなんか心配になってくる。
 ――ま、彼は霊媒師についての真面目さは本物。ちょっとは理解が深まったと思っておくことにしよう。

【火六のイベントが進行しました。

 火六の通信簿に情報が追加されました】

【イベント】

紡紀「うーん……」

 食堂。昼食を食べつつ、私は小さく唸る。
 あることがずっと気になってまともに食事も進まない。と言っても隣にいる女子メンバーよりはるかに早いペースで食べているのだけれど。

彩「……どうしたの? 何か悩み事?」

 よほど珍しいと思われたのだろう。普段は声をかけてこない彩が尋ねてくる。
 私は一度食事の手を止め、あのプレゼントを取り出した。

紡紀「あ、ええ。実は……」

 バーローの全身黒タイツ。
 全体的に意味が分からんプレゼントである。人にあげるのもあれな気がして持っていたけど……これって何に使う品なのだろう。

彩「それは……着るものよね」

紡紀「まぁそうだろうけど……」

 着るものだとはわかっている。けどこれを着てなにになるのか。

彩「要らないなら私にくれる? 興味があるの」

紡紀(ぜ、全身黒タイツに?)

紡紀「まぁいいけど……」

 女子の全身黒タイツというものにも興味がある。
 あげる機会もないだろうし、私は彩へとそれを手渡した。

彩「ありがとう。早速着てみるわ」

紡紀「うんうん――ええっ!?」

紡紀「ご飯中なのに!?」

彩「今全部食べたわ」

彩「早食いはスパイの基本よ」ドヤ

紡紀(スパイというものが分からない……)

 食堂で突然黒タイツを着始める彩。
 クールそうな彼女の、突然の奇行に食堂中の注目が集まった。

彩「……いいわね。フィットして、夜も目立たなそう」

 タイツを着て、顔も隠した彩。彼女はどことなく満足そうに言う。
 目と口が白く見え、なぜだか人相が悪そうな感じに見えた。
 確かに夜の暗闇の中なら目立たないだろうが、食事中の食堂にそんな人物が突っ立っていたらすごく目立つ。

メディス「なんでだろう、記者の血が騒ぐ……」

火六「なんかアホがいんぞ」

猛志「やめとけって火六」

謙「あれってあの漫画の……」

 みんながざわざわするのも仕方ないことであった。

彩「ありがとう、夏才さん。いい品だわ」

紡紀「え、ええ。どうも」

 なんか私が期待していたような感じではない。
 もっとボディーラインがはっきり表れて、ちょっといかがわしいようなものを想像していたんだけど、タイツってギャグにしかならないのね。ちょっと勉強になった。

彩「……」

 そのまま彩は食堂から出て行った。
 そこはかとなく満足そうな様子で。

実咲「彩ちゃんってかわいいんだね」

全員『……』

 異論なし。黒タイツではしゃいでいる彼女は可愛らしかった。
 ただ、今までの彼女のイメージからかけ離れすぎていて……大体の人が苦笑を浮かべていた。

 その後、アーサーくんにズバッと言われたらしく、涙目で彩ちゃんが戻ってきたりいろいろあったのだが……彩ちゃんは未だに黒タイツを愛用しているらしく、時たま夜に徘徊している黒タイツの人物が目撃されている。

 昼食後。

紡紀「彩ちゃん、なんか抜けてるわよね……やっぱり」

 まぁ喜んでいたし、いいだろう。そう思うことにしよう。

【自由行動開始】

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1卓

1外道

紡紀「卓くん」

 厨房。昼食の後片付けをしていた彼へ声をかける。
 いつも食事を作り、その後片付けもしている彼。彼がいないと私達はどうなることか。

卓「ああ、紡紀さん」

紡紀「こんにちは。ちょっとお話しない?」

卓「話? いいが、片付けがまだ終わってなくてな」

紡紀「なら私も一緒に。いいでしょ」

卓「紡紀さんがいいなら、助かるが」

 嬉しそうに笑う卓と一緒に片付けをしつつ雑談をした。
 ちょっと仲良くなったと思う。

【卓の好感度が上がりました】

紡紀(なにかあげようかしら……)

選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみ、エンゲージは使用済み】

 安価↓1

音楽プレーヤー

紡紀「これからよろしくということで……これ」

卓「ありがとう。申し訳ないな。女子の君から贈り物とは」

紡紀「気にしないで。私の気まぐれだから」

 それなりには喜んでくれたかしら……。

【卓の好感度が上がりました】

卓「……紡紀さん。俺の料理はどうだ?」

 片付けも終わり、厨房でお茶を飲みつつ語り合い。
 音楽プレーヤーを渡し、すこししたタイミングで卓が尋ねてきた。
 卓の料理、か。
 美味しいことはみんなの様子からわかっているだろうし……。

 選択
 1・量がちょうどいい
 2・ほっとする
 3・美味しい

 安価↓1

紡紀「ホッとする味……かしら」

卓「本当か? よかった」

 思ったことを直感的に言ったのだが、正しかったようだ。
 嬉しそうにする卓を前に、ちょっと安心。

卓「給食はやっぱりそういうものじゃないといけない」

卓「子供の頃はそうは思えないけど、卒業してから食べてホッとする味……」

卓「給食のいいところだな」

 なるほど。確かにそれは納得できる。

卓「紡紀さんがホッとすると言ってくれて嬉しい。ありがとう」

紡紀「こっちこそ。いつもありがとう、卓くん」

 笑い合い、お礼を言い合う私達。
 仲良くなれたことは間違いない。

【卓のイベントが進行しました。

 卓の通信簿に情報が追加されました】

※書き忘れ
【卓の好感度が上がりました】

モノクマ『オマエラ、夜10時になりました。明日の合宿のため、ゆっくり休みましょう。おやすみなさい!』

 自室。モノクマのアナウンスを聞き、私は欠伸を一つ。
 例のごとく何処かへ行こうか。

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
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 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
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 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1外道

 夜の廊下を進み、エントランスへ。
 すると窓の外に灯りが見えた。私はなんとんくそこへ向かって行くと――

外道「こんばんは。出歩きかな」

 外道がテラスにいた。
 灯りのランプをつけ、テーブルの席に座っている彼。
 どうやら写真を見ていたようだ。

紡紀「ええ。ちょっと眠れなくて」

外道「僕もだ。よかったら話していく?」

 人のいい笑顔を浮かべる彼。私は頷いて、彼の向かいへ座った。
 暗い中、外道と話して夜風に当たりつつ過ごした。

【外道の好感度が上がりました】

紡紀(なにかあげようか……)

選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみ、エンゲージ、音楽は使用済み】

 安価↓1

鉄道模型

紡紀「外道くん」

 名前を呼び、彼の前に鉄道模型を置く。

紡紀「これあげるわ」

 お世話になったし、仲良くなりたいし……鉄道模型なら彼も喜んでくれるだろう。

外道「これは……いいのかい? 貰っても」

紡紀「ええ。鉄道好きの外道くんなら喜んでくれると思って」

外道「――ありがとう。すごく嬉しいよ」

 リアクションは小さいけど、本当に嬉しそうだ。
 よかった。

【外道の好感度がすごく上がりました】


外道「君は珍しいね。僕と一緒にいるなんて」

 鉄道模型を興味深そうに見ていた彼は、ぽつりと呟くように言う。

紡紀「そうかしら? 落ち着いててリラックスできるけど」

外道「……」

外道「ああ。なんか、君は人に好かれそうだね」

外道「僕とは別世界にいるように思えるよ」

 一瞬の間が気になったけど、なんだろうか。

紡紀「外道くんだって。優しくていい人だと思うけど」

外道「……」

紡紀「外道くん?」

外道「ああ、ごめん。ぼんやりしていた」

外道「君の純粋さは眩しいね」

外道「やっぱり別世界だ」

 フッと笑う外道。なんとなく寂しげにも見えたけど……気のせいかしら。

【外道のイベントが進行しました。

 外道の通信簿に情報が追加されました】

 翌朝。

モノクマ『オマエラ、おはようございます。朝になりました。今日も勉強にスポーツに親睦に、有意義な合宿を過ごしましょう!』

 平和だ。
 みんなと話して楽しく過ごして――あんなことがなかったように。
 このままみんなと生活できたら……。

【自由行動開始】

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
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 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

【今日は落ちます】

1仁科

志織「あ、紡紀ちゃん」

 食堂に入ると、志織がノートらしきものを広げて席に座っていた。
 彼女は私が入った途端に気づき、笑顔を浮かべる。

志織「お話していく? 暇だったんだ」

紡紀「ええ。そうしようかしら」

志織「本当に? 嬉しいなぁ」

 相変わらずおっとりした様子で言う志織。
 彼女といると、自然と気持ちが落ち着いてくる。

 志織と一緒に午前の時間を過ごした。

【志織の好感度が上がりました】

紡紀(なにかあげようか……)

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみ、エンゲージ、音楽、模型は使用済み】

 安価↓1

・グラビア雑誌

紡紀「志織ちゃん、これあげるわ」

 ……私は、何を思ってこれを志織にあげるのだろう。
 あの可愛い女の子、雑誌によると舞園さやかという人らしいけど、彼女がうつったグラビア雑誌を女性にあげるとは。
 いや、別に私が持っていたいとかそんな話ではない。決して。

志織「これは……私がこれ好きだと思ったの?」

紡紀「嫌いだった?」

志織「大好き」

 そんないい笑顔できっぱりと……。

志織「可愛いよね……舞園さん。制服姿でポーズ決めてて……こっちを見てくれてる……」

志織「制服と学校っていい組み合わせだよね、まったく」

紡紀(分かってしまう自分が悲しい……)

【志織の好感度がすごく上がりました】

志織「……いなくなっちゃったね、二人」

 雑誌を置き、志織は不意に呟く。

紡紀「そうね」

志織「あんなに楽しかったのに、なんで殺し合いなんて起きるんだろう」

紡紀「……志織」

 悲しげな顔をする志織。
 何故コロシアイが……か。それは、きっと。

 選択
 1・モノクマのせい
 2・いろいろ理由がある
 3・考えない方がいい

 安価↓1

紡紀「色々な理由があるのよ」

紡紀「私達では考えも及ばないような」

志織「……うん」

志織「でもそれって、人を殺すような理由になるのかな」

 優しい彼女には、私の答えはあまり納得ができるものではなかったようだ。

志織「なにがあっても、人を殺す理由ってないと思うんだけど……」

志織「それっておかしいのかな」

 悲しげで、寂しげな言葉。
 人を殺す理由など、本来あるはずもない。
 それが生じてしまうのは現在の状況のせい。人の弱さと言ってしまえばそのとおりなのだけど……私達は今、そんな簡単な場に立たされてはいない。
 彼が人を殺した理由――果たしてそれはなんなのだろうか。
 そしてそれは納得できるほどのものなのだろうか。
 考えても分からない。
 ただ、悲しげな表情をする志織。彼女を見ていると、せめて何か理由があってほしい――そう思ってしまう私もいた。

【志織のイベントが進行しました。

 志織の通信簿に情報が追加されました】


 昼。
 私は昼食を食べ終えたあと、自室に戻った。

 時間はまだまだある。なにかをするのに申し分ない時間だ。


【自由行動開始】

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

【今日は落ちます】

1青州

1謙

紡紀「青州くん……なにしてるの?」

青州「夏才さん。準備体操です」

 青州と話をしようと探していると、ロッジから出てすぐそばで見つけた。
 スーツ姿の彼はそこでラジオ体操のようなことをしていた。

紡紀「へぇ……習慣なの?」

青州「ええ。きりっと立つことができる――気がします」

 彼も彼で人間らしいところもあるのだなぁ……と安心してしまう私である。

 午後の時間を青州と体操して過ごした。
 ちょっと仲良くなったかもしれない。

【青州の好感度が上がりました】

紡紀(彼になにかあげようかしら……)

紡紀(この前びっくり箱なんてあげちゃったし)

 選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみ、エンゲージ、音楽、模型、グラビアは使用済み】

 安価↓1

眼鏡クリーナー

紡紀「青州くん、これプレゼント」

青州「びっくり箱ですか――って、ありがとうございます」

青州「これは嬉しいですね。私個人に需要がありますから」

青州「大事に使わせていただきます」

紡紀(喜び方まで丁寧……)

【青州の好感度がすごく上がりました】

青州「夏才さんはショッピングお好きですか?」

紡紀「ショッピング? まぁ……でも、そうね。ガチャガチャ回す方が楽しいかも」

青州「なるほど。最近のトレンドでもありますしね」

青州「しかしガチャガチャで日用品から娯楽品まで出るなんて、斬新ですよね。あれは是非今度、商売に取り入れてみたい」

紡紀「現金だと苦情が出そうね……」

青州「なら、商品を買った際のおまけを集めてそれで……ああ、いいですね」

 真面目に考えているようで、青州はぽんぽんとあれこれ口にする。
 その一つ一つが私の考えもしないようなことで、流石だと言わざるをえない。

青州「――と、私としたことがヒートアップしてしまいましたね」

青州「ええと、そうです」

青州「ショッピングは楽しいですよ。外に出たら是非、私のカタログでもご覧に」

紡紀「結局商売の話なのね……」

青州「お近づきになりたいだけですよ。売ろうとは思ってません」

 うそ臭い……けど、本当のことを言っていると思ってしまう私もいる。
 恐るべし、超高校級のセールスマン。

【志織のイベントが進行しました。

 志織の通信簿に情報が追加されました】

やべえ志織のイベントが進行してる
志織は超高校級の詐欺師だったのか

すみません、コピペで失敗しました

正確には青州でしたね。

モノクマ「イベントを行います」

 夜時間の前。
 いつものように夕食を食べていると、不意にモノクマが現れた。

実咲「イベントっ?」

猛志「どうせろくでもないことだろ?」

 突然のモノクマの登場に、殺気に近い警戒を見せる面々。
 私もそうだ。モノクマが言うことにはろくなことがない。どうせここ数日殺人らしきものが起きていないから、なにか企んでいるのだろう。

モノクマ「ろくでもないことじゃないです」

モノクマ「ボクはみんながいい合宿ライフを過ごせるよう、三日三晩寝ずに昼寝して考えたのです」

謙「おい要らんところで寝てんぞ」

モノクマ「まぁ細かいところは置いておいて……」

モノクマ「ボクが考えたイベントとはこれです!」

 黒幕が考えたイベントとは

 選択(安価↓1~5辺りまで多数決で決定)
 1・秘湯で全員で水着入浴
 2・合コン
 3・屋外でバーベキュー

【早いですが今日は落ちま】

2

2

2

【多数決で合コンに】

モノクマ「合コンです!」

 モノクマの言葉とともにどこからともなく現れたくす玉が開く。
 派手な音を立てて、割れるくす玉。食事に入らないよう考慮してあるのだろう。部屋の隅っこで派手に開くくす玉はシュールであった。

紡紀「合コンって……」

 知識はある。確か若い人から大人の男女まで……楽しく飲んだり食べたりする出会いの場――みたいな感じだったはずだ。
 とてもコロシアイなんて場でやるものだとは思えない。

乾世「よしやろう」
実咲「よしやろー!」

火六「いきなりやる気だしたな!」

 けどここには女の子と楽しいことが好きな人がいるわけで……。
 それに言葉に出していないものの、そわそわしているメンバーも数人。
 私としては、やらないべきだと思う。だってモノクマ発案だし。

モノクマ「食事もそれらしいのを用意したから、オマエラ存分に楽しんでください」

紡紀「……」

 ぴくりと反応する私。
 合コンといえば飲み屋。飲み屋といえばお鍋やフライドポテトや唐揚げとかお刺身……卓の健康的な食べ物もいいけど、たまにはそんな食事もいいかもしれない。油を求める年齢なのだ私は。
 今ご飯食べてるけど別腹だ。

モノクマ「じゃあ二時間後にエントランスに集合ね。ボクは準備がありますので、あんまりエントランスに入ったり、時間になても来なかったりしないように」

アーサー「……厄介なことになったな」

彩「来ないとおしおき、なんて言いかねないわね」

 モノクマが去り、真面目に呟く二人。
 頭脳派らしい冷静な言葉であったが、彩は楽しみそうにしているのが表情とそわそわ動く身体に表れていた。

紡紀(この面子で合コン、か……)

 どうなるんだろうか。

 で、二時間後。

紡紀「うわ……すごいわね」

 自室から出てエントランスに入ると、そこはほんのすこし前に見た光景とものすごく変化していた。
 テーブルが並んでいた場所には、大きな長い机が一つ。おそらく男と女の二つで別れるのだろう。そしてテーブルには……。
 お鍋、唐揚げ、ポテトとサラダ、ハンバーガー、ドリンクにお菓子……うわぁ、すごい、男子よりこっちの方が楽しみ。
 さて……例によって私は最後に来たみたいだけど、誰かに声をかけようか。

 選択 誰に声をかけるか(好感度によってはイベント進行)

 安価↓1

アーサー

外道

紡紀「アーサーくん」

 部屋の隅で立っているアーサー。私の嗅覚が間違っていなければ――彼はあれなのだけど、どうなのだろうか。

アーサー「……お前、なんでこのタイミングで話しかけてくる」

紡紀「このタイミング?」

アーサー「……とぼけてるな。まったくいい性格だ」

 多分、私の予想は当たっているのだろう。
 笑顔で首を傾げる私を見て、彼は不機嫌そうに鼻を鳴らした。

アーサー「言っておくが、俺はこんなイベント参加する気はないぞ」

紡紀「分かってるわ。無駄に死ぬわけにもいかないものね」

紡紀「でもみんな喜ぶと思うわよ。アーサーくんと仲良くしたいと思ってるだろうし。私もだし」

アーサー「……駄目だ。お前が何を言っても、馬鹿にされてる気がしてきた」

 意外とナイーブなのかもしれない。なんて、額に手を当てる彼を見て思うものの、すぐどこかに行けと背中を押されてそれは違うのだと確信する。
 単に嫌なのだろう。うん。

【アーサーの好感度があがりました】


【今日は落ちま】


モノクマ「やぁやぁ皆さん、集まってくれましたね」

モノクマ「それじゃ、これから合コンはじめるけど……」

 ひょっこりと飛び出たモノクマが私のことを見る。

モノクマ「夏才さんどうする?」

紡紀「普通に女子として参加するわよ」

モノクマ「あ、そうなの? 分かりました。それでははじめましょう」

モノクマ「男子は右、女子は左ね」

乾世「ふっふっふ、血が騒ぐ……」

謙「なんでこんなこと……」

実咲「やー、楽しそう」

めぐる「ジャンクフード、ついに来ましたね」

 みんな口々になにかを呟き、席へ。
 そうして座った後、全員の視線が一点に集まった。

アーサー「……文句あるのか?」

 女子の席に座ったアーサーである。
 彼――改め、彼女は見てくる全員、特に男子へと鋭い視線を向ける。
 やっぱり女の子だったのね……。隠してるわけでもないみたいだけど。

猛志「アーサーってまさか……」

火六「おかま――」

 スパンといい音を立てて火六の頭が両サイドから叩かれた。謙と猛志だ。

モノクマ「はじめてもいい?」

アーサー「ああ。さっさとはじめてくれ」

モノクマ「では。これから合コンをはじめます!」

モノクマ「合宿が楽しくなるように――あ、飲み物とって」

卓「ぐだぐだだな……」

 飲み物を手にする私達。モノクマは咳払いした。

モノクマ「かんぱいー!」

全員『乾杯!』

 グラスを軽くぶつけあう。その涼やかな音に、私はふっと我に帰った。
 コロシアイの首謀者がいる場で合コン……冷静になると私は何をしているのだろうか。

モノクマ「じゃあボクは帰りますので、ごゆっくり」

 なんて、私の思考を読んだかのようにモノクマが去る。
 監視されているのには変わりないけれど、これでちょっとは安心できる。
 合コン、イベント自体は悪いことではないのだと思う。
 こんな状況だからこそ、気分転換というか、みんなと仲良くするのは大切なのだ。
 だから私は今ここを楽しむ……。

紡紀「うん、美味しい!」パクパク

めぐる「ジャンクフード最高すね」もぐもぐ

卓「ん、たまにはいいな」ガツガツ

外道「落ち着く味だね」むしゃむしゃ

猛志「おい、なにしに来た」

 ということで、合コンがはじまったわけだけど……これからどうしようか。

 選択 話題をどうするか
 1・自己紹介(ついでに女性陣のバストサイズでも安価で)
 2・何か質問(質問を口にする人物、内容を指定。質問者が男性ならば、質問の対象は女子になります。あまりに変なのは再安価します)

 安価↓2

1

1みんなの身長とかも知りたいな

【身長や体重など男性陣はイメージとこれまでしてきた描写で、女性陣は安価のスタイル、描写によって決めますね。男女の身長体重もよく知らないので、突っ込みどころ満載になる可能性もありですが】

紡紀「自己紹介はどう?」

 私はハンバーガー片手に提案する。

猛志「自己紹介ならしただろ?」

紡紀「いやいや、もっと詳しいものよ。例えばそう……胸の大きさとか」

アーサー「お前はそれに自分も含まれていることをわかっているのか」

メディス「なるほど! 色々想像が捗りそう……」

めぐる「でも自分の……その、サイズとか把握してるっすか?」

女性陣『……』

 そうだった。知らんかった。

モノクマ「ということでオマエラのモノクマ登場!」

モノクマ「こういうことになると思って事前にデータはとっておきました」

志織「こういうことになると思うって……どうなのかな?」

乾世「女子のデータ……是非とも譲ってほしいものだ」ウンウン

紡紀「まったくね」ウンウン

火六「おい」

モノクマ「まずはやっぱり女子だよね。うーんと……」

 誰か(下二桁の数字で大きさが順番付けされます。知識ないので正確な数値ではないですが、まぁ想像ということで)

 安価↓1

【今日は落ちま】

【誰か決めていないので、再安価でいきます】

安価↓1

 【よくよく考えると、全員分出さないと比較できないですよね。
 というわけで連取ありで、彩以外の安価とります】

紡紀   ↓1
めぐる  ↓2
ルーシア ↓3
実咲   ↓4
志織   ↓5
メディス ↓6
アーサー ↓7

で、お願いします

a

a

a

彩    56
紡紀   87
めぐる  87
ルーシア 58
実咲   70
志織   73
メディス 96
アーサー 54

メディス>紡紀=めぐる>志織>実咲>ルーシア>彩>アーサー

 胸の大きさはこんな感じ。体格の差もあるため、単純な大きさはメディスの方が小さいかも。
 99~80 かなり
 79~60 それなり
 59~40 普通
 と考えておりましたので、基本的に皆平均である50は越えているので発育よろしい感じです。
 スリーサイズは詳しい方、想像におまかせ。

モノクマ「なんとなく最初は椿巳さんから」

彩「……みんな途中でやめるなんて言わないように」

 無表情ながら、顔を赤らめた彩が立ち上がる。
 ポテトでも食べたのだろうか。口元にケチャップがついていた。

彩「私は椿巳彩……というのはもう知っているわね」

モノクマ「身長は165cm 体重44kg。スタイルは下から二番目くらいにいいのかな」

彩「下から二番目……!?」

 あ、微妙にショックを受けてる。

卓「身体が細いから、だろ? もっと食べるんだぞ」

志織「す、スレンダーで羨ましいー」

彩「……スパイはこれでいいのよ、これで。動きやすいし」

猛志「ものっそい悔しそうな顔だぞ」

モノクマ「ちなみに彩さんのはごくごく普通の数値です。体重以外」

火六「ちょっと待て、それで下から二番目って――」

謙「……言わなくてもだいたい分かるだろ」

外道「だね」

 男子が約一名を除いて、気まずそうに前から目を逸らす。
 うん、まぁ発育いいわよね女性陣。

モノクマ「じゃあちょっと気まずくなったところで合コン恒例の質問タイムいっちゃおうか!」

紡紀(気まずくさせたの誰だ)

 
 彩への質問 (質問をするキャラの名前を指定しても可)

 安価↓1

定番の好きの男性のタイプは?安藤あたりかな?

謙「こういうときの定番は……」

乾世「好きな異性のタイプ、とかだね。どうだい? 彩さん」

彩「す、好きな……?」

 尋ねられると顔を赤らめる彩。
 純粋だ。なんでこの人スパイの才能があるのだろうか、なんて思ってしまうほどに。

彩「そ、そうね……あんまり考えたことはないけれど」

彩「冷静で、洞察力があって、私を引っ張ってくれる人がいいかしら」

彩「その点、性格と性別以外は……まぁ」

 ちらりとアーサーを見る彩。

彩「そういうことよ」

火六「どういうことだ?」

メディス「馬鹿がいる……」

乾世「なるほど。僕もそう遠くはないんじゃないかな」

紡紀「すごい自信ね」

めぐる「いわゆるイケメンすからね。乾世さん」

乾世「ふっ、それほどでもない」

彩「あ。安藤くんは、別に」

 すっぱりである。かわいそうなくらい。なにも思ってなさそうな真顔で言われるとは。
 乾世はテーブルに突っ伏した。

乾世「いいさ、分かっていたさ。彩さんが僕に興味を持っていないなんてことは」

卓「泣かせたな」

火六「ちょっと女子ー! 乾世君泣いちゃったじゃない!」

乾世「そうだそうだ」

猛志「なんだこの茶番」

 乾世くん、意外にふざけるのね……。

彩「……私は終わり。質問にも答えたし」

モノクマ「そうだね。じゃあ次は……」

 女子の中で一人選択

 安価↓1

志織

モノクマ「二番目は仁科さんです」

志織「私? なんだか照れくさいね」

 はにかみつつ立ち上がる志織。

モノクマ「仁科さんは身長171cm。体重は52kg」

モノクマ「スタイルの良さは中の上あたり」

紡紀(結構大きいように思えるけど……志織ちゃんで中の上なんだ)

志織「えーと、前に言ってなかったことと言えば……」

志織「薬剤師だけど他に知識もあるし」

志織「困ったことがあったら気軽に来てね」

 にっこりと笑う志織。
 お姉さんだなぁ、やっぱり。

メディス「実は最近欲求が不満気味で」

謙「帰れ」


 志織への質問

 安価↓1

幽霊やオカルトの知識や経験はある?バイ火六

火六「はいはい! 質問!」

志織「うん、なに? 火六君」

火六「幽霊とか、オカルト関係の知識とか経験はあるか?」

外道「趣味丸出しだね」

火六「まぁまぁ。折角の機会だからな」

志織「オカルト……私自身特に知識も体験したことないけど、働いてる人達はよく言ってるかな」

実咲「病院関係だもんねー。よくありそう」

志織「だから私は信じてる方かな。でも自分から近づきたいとは思わないかも」

志織「怖くない幽霊なら、話してみたい気持ちもあるんだけど」

火六「なるほどな。どうでもいいとか言われなくて安心した」

 どことなく満足げな火六。
 私がすっぱりと信じてない発言をしたときは笑っていたけど……彼的にはどっちのほうが嬉しかったりするのだろうか。ちょっと気になる。

志織「どうでもよくなんてないよ。幽霊、オカルトと言えばエロネタの宝庫――」

彩「コラ。男子の前でやめなさい」

 拳をぐっと握り締めて力説しようとする志織へ制止が入る。

猛志「あん? なんて言ってたんだ?」

青州「八代さんには早い話かと」

卓「聞かないほうがいいな、うん」

紡紀「火六くん的には今のいいの?」

火六「……興味があることはいいことだ」

 寛大である。若干間があったけれど。


 次の自己紹介者を女子の中で一人

 安価↓1

めぐる

モノクマ「質問終わったし次にいきます」

モノクマ「安南めぐるさん」

めぐる「はいっす」

 志織と交代に、今度はめぐるが立ち上がる。

モノクマ「安南さんは身長162cm。体重47kg」

モノクマ「それで……いやぁ、安南さんはナンバー2だね」

 おお、大きいとは思っていたけど……そんなに。脚とかも触り心地よさそうだし、納得といえば納得である。

めぐる「私がナンバー2すか。意外すね」キョトン

火六「それほど意外でもない……よな?」

謙「な、なんで俺に振る」

彩「うぐぐ……」

紡紀「彩ちゃん。彩ちゃんだって魅力的よ」

彩「夏才さん……」

紡紀「どっちだって私、美味しくいただけると思うの」

彩「」

卓「ついに本性出したぞこいつ」

乾世「その意見に同意だ」《同意》
メディス「その意見に賛成!」《同意》
志織「その意見に賛成するよ!」《同意》

卓「もうやだこいつら」

外道「水を得た魚みたいにイキイキしている……」


 めぐるへの質問

 安価↓1

どうしたらそんなに大きくなるの?彩

彩「……質問」

 スッと彩が手を挙げる。
 神妙な面持ちで、未だケチャップがついたまま彼女は静かに問いかけた。

彩「どうしたらそんなに大きくなるのかしら?」

全員(切実だ……)

 なんか、可愛いを通りすぎて愛でたいというかなんていうか。言葉にできない。

めぐる「特に意識はしてないっす」

彩「意識してないで私はこの有り様よ」

アーサー「自虐か」

めぐる「そうすね……強いて言うなら、睡眠すかね」

めぐる「毎日ぐっすり寝てます」

 睡眠……確か、最近は栄養は勿論、睡眠時間が関係しているだとか言われていたような。
 あながち、めぐるの言うことは間違っていないのかも。
 私も並程度の睡眠はとっているし。

志織「なんだ、誰かにもんでもらったとかじゃないの……」ガッカリ

青州「もしそうだとしても絶対に口にしませんから、期待しないでください」

彩「なるほど、確かに私はよく寝ていなかったわ……」

彩「そのツケが来たということね」

 なんだか物語ラストの主人公のような悟った目である。

【またまた時間がかかりそうなので、これから自己紹介する人物は自動で決定しますー】

モノクマ「じゃあ次は桃原実咲さん」

実咲「ほいほい! あたしだね!」

 元気よく立ち上がる実咲。

モノクマ「身長165cm。体重49kg」

モノクマ「仁科さんの下、だけど並以上。すごいねみんな」

実咲「あ。あたしもそうなんだ」

 えへへと笑う実咲。彼女もまた、見れば分かるくらいいいスタイルをしている。セーターワンピースを着ているから、身体のラインもはっきり分かって……めぐるよりも見た目はあれかもしれない。タイツもポイントが高い。

乾世「天真爛漫な性格、大人びた身体……相反した要素。うん、素晴らしい」

外道「間違ってはないんだけど、すごくいかがわしい響きになってるからね」


 実咲への質問

 安価↓1



もし人以外に変身するなら何になりたい?

乾世「では今度は僕が質問しようか」

猛志「変な質問はよせよ?」

乾世「ふふ、わかっているさ」

乾世「実咲さん。もし人以外で変身できるなら何になりたい?」

 うん、まともだ。まともというかメルヘンチックだ。

実咲「断然、ライオンっ」

外道「即答だね」

実咲「ん。サーカスの大事な家族の一員だからね。一回会話してみたいなぁって」

乾世「なるほどね。気持ちは分かるな。僕も大切な友人がいるから」

 頷く乾世。友人――流れ的に何かの動物だろう。

実咲「そうなの? 気が合うね」

乾世「ああ、そうだね。どうだい? もしよかったら、今度二人きりでそれについて話でも」

実咲「それは別にいいかなー」

乾世「……くっ」

 なんだかいい話的な雰囲気になっていたのだが……なんとなく彼の思惑が分かってしまった。

紡紀「乾世くん、もしかしてこの質問それを狙ってたの?」

乾世「おや、もしかして嫉妬かい?」

紡紀「ない」

乾世「断言されると悲しいものがあるな……」

モノクマ「ではでは、次はメディナ=メディスさん。どうぞー」

メディス「お手柔らかにねー」

モノクマ「メディナさんの身長は143cm。体重は39kg」

モノクマ「身長などを考慮すると、一番のナイスバディさんです」

メディス「――え?」

 モノクマが何を言っているか分からない。そんな様子を見せるメディス。
 けど私達はそんな彼女に『え?』と言いたかった。制服の上から窺えるそれは、明らかに身長とは見合っていないサイズだし。本人もそれを自覚しているものだと思っていた。

謙「分かってなかった……のか?」

志織「メディスちゃんみたいな人をロリ巨乳っていうのかな」

実咲「ストレートに言うね、志織ちゃん」

メディス「えええ!? 私小さいのに!?」

卓「小さいからこそ、だな。普通は」


 メディスへの質問

 安価↓1

【今日は落ちます】

ナイスバディーで流石な体系だな!食生活をきちんとしているだろう?卓

卓「身長は小さいが、流石な体型だな。食生活は勿論きちんとしているんだろ?」

 質問、なのだろうか。卓がメディスへ問いかける。
 食事。メディスのスタイルならば、確かにしっかりしてそうだ。
 ――と思ったのだけど、尋ねられたメディスは気まずそうに目をそらした。

メディス「ええと……ここに来るまでは携帯食料とサプリメントが主だったかな。取材に係るとどうしても」

志織「……健康にすごく悪くない?」

彩「けれど美味しいわよ、あれも。私も好んで食べて――たけど、なんで私はこのスタイルなのかしら」

卓「なんだと……それはよくないな。今後メディスさんのメニューはよく考えておかなければ」

 真面目に返事をし、メモを書きはじめる卓。

火六「だがそんな食事でこんなスタイルになるんだな」

実咲「色々あるからねー人によって」

メディス「あの……あんまり凝視されると興奮するからやめて」

謙「お前がやめろ」

 ブレないな……メディス。それに謙も。

モノクマ「じゃあ次です。アーサーさん」

アーサー「……」

 静かに立ち上がるアーサー。
 あまり乗り気ではないのだろう。その表情はちょっと険しい。

アーサー「アーサーだ。超高校級の元帥。女性」

紡紀(箇条書き……)

 らしいと言えばらしい。

モノクマ「アーサーさんの身長は173cm。体重は50kg」

モノクマ「スタイル的には一番下です」

火六「まぁ男と思われるくらいだし――」

アーサー「……何か意見か?」

火六「なんでもないです」

乾世「しかし女性と分かれば、親しみがわくじゃないか。どうだい? デートでも」

アーサー「……」

乾世「無視も堪える……」

 相手にされないだろうし、言わなければいいのに。


 アーサーへの質問

 安価↓1

ボクシングとかつよいのか?猛志

猛志「俺が質問してもいいか?」

 誰もなにも言わない中、猛志がふと何かを思いついたかのように手を挙げた。
 彼は特に恐れてもいない様子で、顔には笑顔めいたものすら浮かべている。

アーサー「構わん。ルールだからな」

猛志「なら質問だ。ボクシングとか強いのか?」

 彼らしいといえばらしい質問だ。
 そういえば帝王学って、正確な定義がないんだっけ。もしかしたら誰にも、何にも負けないような教育をされていて、猛志に負けないくらい強いのかもしれない。

アーサー「ボクシング、ではお前に敵わないだろうな」

アーサー「ただ手段を問わないならばそれなりに相手もできる。どうなるかは分からんが」

 それは意外であって――けれど、納得のできる答えであった。
 説得力があるとでも言うのだろうか。普段偉そうにしている彼から、断言のない言葉を聞くと、なんだか妙に納得できてしまうのだ。私が単純なのかもしれないが。

アーサー「まずボクシングでは敵わないな」

猛志「そ、そうか。おうっ、そう言われんと嬉しいな」

 冷静で観察力があって油断もない――改めて、アーサーくんって優秀だ。
 場の空気がすっかり真面目になってしまったのを感じつつ、私は思った。

モノクマ「最後は夏才紡紀さんです」

紡紀「ええ。分かったわ」

 アーサーと交代に、私は立ち上がる。

モノクマ「夏才さん。身長160cm。体重45kg」

モノクマ「スタイルはめぐるさんとほぼ同レベルかな。二人目のナンバー2です」

紡紀「……そうなのね」

 全然分からなかった。そりゃ、彩とかと比べると大きいとは思っていたけど。基本自分より他人だからだろうか。考えもしなかった。

火六「意外そうな顔だな」

めぐる「自覚してなかったと見ます」

外道「無防備なところあるからね……」

 メンバーから私に向けられる複雑そうな視線。
 なんだこれは。まるで心配される子供みたいじゃないか。


 紡紀への質問

 安価↓1

男子の中でこの人と付き合うならどの人?
これもちろん男子にもありますよね?

【二行目はよくわかりませんが、男子の自己紹介もありますよ。質問も】

乾世「質問、いいかい?」

 釈然としない気持ちでこれまでの私の行動を省みていると、乾世が手を挙げた。
 彼はうっすらと笑みを浮かべて、問いかける。

乾世「男子の中で付き合うなら、誰がいい?」

 定番の質問だ。
 付き合うなら、か……ううむ。どう答えたものか。


 質問の答え。男子の中から一人選択

 安価↓1

青州

紡紀「青州くんかしら」

 悩んだ後に出した結論はそれ。
 真面目で堅実な彼となら、なんとなくうまくやっていけるような気がする。

青州「私ですか……光栄です」

 青州はいつもの笑顔のままお礼を口にする。
 嬉しく思ってくれてる……のかしら。いまいち分からない。

【青州の好感度が上がりました】

火六「……」
乾世「……また対象外か」

 なにやら視線を感じるけれど、気のせい。うん。

モノクマ「これで女子は全員です」

モノクマ「次は男子だね」

乾世「……やる必要あるのかい?」

彩「やりなさい」

実咲「折角体重とか身長とか公表したんだしね」

猛志「まぁ、そうなるだろうな」

謙「仕方ねぇことだ」

モノクマ「ではでは、まずは安藤乾世くん」

乾世「いきなり主役登場か」

 乾世が何か言いつつ立ち上がる。

モノクマ「安藤くんは身長180cm。68kg」

モノクマ「モデルさんだよねー」

 確かに、身長を考えるとかなり細いような気がする。

めぐる「羨ましい身体っす」

彩「あてつけかしら……」

 恨めしげにめぐるを見る彩。クールなんて言葉は今の彼女に欠片もない。



 乾世への質問

 安価↓1

いっつも女子をいいくるめてるけれどどこまでを求めているの?志織

志織「乾世君っていっつも女子を口説いてるけど……」

志織「どこまでを求めてるのかな?」

 質問だろう。志織は小首を傾げた。
 どこまで……? そんなの、考えているのだろうか。

志織「例えば、ピンク色な関係とか」ハァハァ

メディス「それは気になりますなっ。どうなの? 乾世君!」

 とりあえず女子がくいつくような話題ではないと思うのだけど。

乾世「当然、お付き合いから最後までさ」

志織「おつきあい?」

彩「なんとなく何を言いたいか分かったから黙っておきなさい」

乾世「愛してもらいたいし、愛したい……だからいつでも君たちがその気になるのを待っているよ」

 ここで一人を指名したりしない辺り、彼らしい。
 誠意がないわけでもないようだ。ただ対象が広いだけで。
 ……ん? 対象が広いのが、不真面目だとか誠意がないとか言われているような。
 そこら辺はよく分からないけど、『女性に対して誠実』これは確実に事実なのだろう。なんだか憎めない人だ。

モノクマ「次は緑川 青州くんです」

青州「私ですか」

 青州がしゃっきりとした動作で立ち上がる。

モノクマ「緑川くんは身長178cm。66kg」

モノクマ「同じく細身、長身の男の子だねー」

青州「見た目には気を遣ってますから」

火六「しゃきっとした見た目だよな」

彩「そうね。でもあんまり印象に残らないわ」

謙「少なくとも乾世よりは真面目そうだ」

乾世「ふむ、否定しないよ」

卓「っていうか、この中の全員の中で真面目そうだよな」


 青州への質問

 安価↓1

さっき紡紀から指名あったけれどどうよ?
安藤あたりがいいそう

青州「では質問は――」

 笑顔のまま周囲を見回す彼。すると突然一人、不意に口を開いた。

乾世「……紡紀さんから指名があったが、どうだい?」

 乾世だ。薄い笑みを浮かべつつ、彼は静かに問う。
 なんだか微妙にいつもと雰囲気が違うような……。気のせい?

火六「あっ、それは俺も気になるな。どうなんだ?」

 そしてなんでここで火六も食いつくのか。

女性陣『……』

 加えて、何故アーサーを除く女性陣はわくわくした目で乾世、火六、青州、私を見てくるのだろうか。

青州「どうだい、とはどういう意味ですか?」

乾世「いやなに、君の感想を聞いていないと思ってね。お礼しか言ってないじゃないか」

乾世「女性に好意を告げられたら、それ相応の返答を……とは思わないかい?」

紡紀「白菜とキノコ――うん?」

 話をBGMに鍋のおかわりを茶碗へと持っていた私は、そこで疑問を抱いた。
 私は別に付き合うなら誰かを答えただけで、好意を持っているとは言っていないような。
 なにか言うべきだろうか。


 選択
 1・「それは違うわ!」  好意は告げていないと反論
 2・「……」  静観
 3・「私のために争わないで!」  ヒロインアピール

 安価↓1

 ふむ、ここは合コン。
 ノリというものが大切だろう。私は決意し、がたっと席を立つ。

紡紀「私のために争わないで!」

 そして大声で言った。

全員『……』

 で、空気が死んだ。
 静止したみんなを見て、私はついに時間停止の能力を身に付けたのかと思ったくらいだ。

紡紀「な、なーんて……」アハハ

乾世「……君はつくづくあれだな」

乾世「――変わってる。僕は感想を求めていただけだろう?」

乾世「争ってなんていない」

 安心しろと言うように、彼は首を横に振り優しげに言う。

火六「そうだぞ。紡紀のために争ったりなんてするわけないだろ」

青州「私も特には。それに、安藤さんの問いにも答えようとも思っていました」

乾世「僕は紡紀さんのためならいつでも争う心構えだよ」

火六「あ、きたねーぞ!」

青州「あはは……」

青州「あの、夏才さん。あなたが選んでくれて、例え恋愛対象でなくとも、私は嬉しかったですよ」

紡紀「え、ええ。ありがとう」

 真面目にまっすぐ言われると照れる。私は頷いて、お礼を口にした。
 丸く解決。私が凍結させた空気も解凍されたのだが――最後、ぽつりと乾世が小さな声で呟いた。

乾世「それが本心か否か問いかけたんだけど……まぁいいか」

モノクマ「珍しくラブコメ? みたいな空気になったけど、みんな青春してますねー」

モノクマ「うぷぷ。学園長としては嬉しい限りです」

モノクマ「次は冥川 外道くん」

外道「この流れで僕……」

 苦笑を浮かべ、外道が立ち上がる。

モノクマ「身長は176cm。体重は161kg」

モノクマ「健康が心配ですね」

卓「まったくだ。彼のメニューも考えておかないと……」

外道「あはは……ありがとう、卓君」


 外道への質問

 安価↓1


【今日はここで落ちます】

ぶっちゃけ女の子に興味があるの?彩

彩「じゃあ質問は私で」

外道「彩さんが? いいけど……なんの質問?」

彩「冥川君は男女両方に紳士だけれど、女性に興味はあるのかしら?」

謙「微妙に失礼に聞こえるが……まぁ、分かるな」

猛志「趣味一筋って感じはするしな」

 頷く男性陣。確かにそれは私も納得できる。外道くんいい人だけど、たまによく分からないところがあるし。

外道「僕的には普通にしていたつもりだけど」

外道「まぁ、女子には普通に興味があるよ」

彩「……なるほど。参考になるわ」

 何の参考になるというのだろう。あまりに真面目な顔で言うものだから、ツッコミしづらい。

外道「女子のみんなは可愛くて、緊張するよ」

外道「僕には縁がない話だとは思うけどね」

 苦笑しつつ言う外道。あっさりと可愛いだとか言う辺り、わりとモテると思うのだが……どうなのだろう。

モノクマ「次は鵜都 火六くんです」

火六「真打ち登場ってやつだな」

 にっこりと笑い、火六が立ち上がる。

モノクマ「鵜都くんの身長は173cm。体重は63kg。平均的だね」

 大体見た目通りの数値だ。健康的である。

実咲「いつもはつっこみどころ満載なのに、わりと普通なんだよね」

卓「だな。なにも言えん」

火六「もっと言うことあるだろっ。素敵だとかイケメンだとか」

乾世「素敵だよ」

火六「やめろ!」

 ……相変わらずだ。


 火六への質問

 安価↓1

定番の女性陣のなかだと誰が好き?志織

志織「はいはいっ。女子の中だと誰のことが好き?」

 元気よく手を挙げた志織。彼女が質問を口にする。
 定番……なのだが、一部の男子が硬直してしまった。

乾世「酷な質問をする……」

アーサー「散々くいついてたいたのだがな。のほほん女は気づかなかったか」

 なんだろう。気の毒そうな目で火六を見る人が多いような。

紡紀「あ、付き合うなら、とかじゃなくて好きな人、だから?」

火六「んっぐ!?」

乾世「追い打ちをかけたな……ますます気の毒だ」

 よく言っている意味は分からないけど、私が言ったことはなにかまずかったらしい。

火六「俺は……だな」

火六「その……」

紡紀「頑張って、火六くん」

火六「……紡紀」ボソッ

紡紀「え? あ、ごめん。言い難いわよね。黙ってるわ」

火六「ああもう……紡紀だって言ってんだ!」

紡紀「そうなの? ありがとう」ホホエミ-

火六「……」

謙「火六がテーブルに突っ伏した!」

卓「あれは……きついな」

乾世「同情する」

 ……なんだ、この私を悪人のように見る視線の数々は。

モノクマ「ではでは、お次は遊河 謙くん」

謙「……ああ」

 突っ伏した謙を気の毒そうに見て、立ち上がる彼。

モノクマ「遊河くんは身長185cm。体重75kg」

モノクマ「高身長で羨ましいよね」

 乾世と並んで、モデルなんかしていても不思議ではない。

めぐる「高い身長で、美形っす」

志織「強面なのに真面目で、かっこいいよね」

火六「おまえら、俺と露骨に反応が違うぞ」

乾世「僕のときともだ」

紡紀「これが普段の行いよ」


 謙への質問

 安価↓1

一体今までどんなことをしてきたのか?アーサー
ちなみにこの流れだから恋愛経験があるのか?めぐる

アーサー「質問は俺がしよう」

 あら珍しい。
 手を挙げたのはアーサー。彼女はクールそうな顔をしたまま、表情を変えずに問いかける。

アーサー「超高校級の議員と呼ばれているが……実際にはなにをしてきたんだ?」

 ふむ。それは気になる。

謙「そうだな。とりあえず選挙には勝たないといけない。最年少で、かつ認知度がない状態で俺は活動して――それで、議員になった」

卓「その時点ですさまじいような気がするな」

謙「その後は、地元の復興を主に活動して――気づいたら、超高校級の議員なんて呼ばれてたな」

 ううむ。こうして聞いていると、改めて私がいるような学園ではないのだと思う。

メディス「記者としては気になる話だね……」

謙「そう言ってくれんのは、それなりに嬉しいな」

メディス「スキャンダル的な感じで」

謙「おい」

 政治家といえばスキャンダル……って、おい。

めぐる「スキャンダルといえば……恋愛経験はあります?」

謙「……あ、ある。いや、ない。俺は議員だぞ。ないに決まってる」

 途端に挙動不審になり、しどろもどろな感じで答える謙。
 これは……恋愛経験などないのかもしれない。
 そういえば初めて会った時は彼、私の目を見てくれなかったし。今もめぐるから目を逸らしているし。
 まるで初な中学生だ。純粋、とも言えるだろう。なんだか好感がもてる人物だ。

火六「なんだ。仲間だな、謙」

女性陣『それはない』

火六「そろそろショック死するぞ俺」

モノクマ「次は御石 卓くん」

卓「ああ。わかった」

 すたっと、至って普通の動作で立ち上がる卓。

モノクマ「御石くんの身長は170。体重60kg。健康的な体格だね」

モノクマ「流石は給食係」

卓「当然だ。体調管理は俺がきちんとしておかないとな」

実咲「微妙に堅苦しいよね、卓くん」

メディス「でも助かってるのも事実だよねー」

火六「鯨の竜田揚げは感動した……」

乾世「あれはよかったね……逸品だよ」

 確かにあれは美味しかった。記憶のない私でも感動を催すほど懐かしい味で――嗚呼、もう一回食べたい。


 卓への質問

 安価↓1

【今日は落ちます】

こんなに料理上手いなら、将来は働きたいの?今どきの男子家事の方をやるの?メディス
この際だからこの中で付き合うとしたら?火六

メディス「質問! 料理上手だけど、卓君って将来は働くの? それとも主夫?」

 メディスが元気良く手を挙げる。
 主夫……今どきな感じだけど、卓ならばできそうな気がする。
 エプロン姿だし、家に帰ってきた奥さんを出迎える卓……うん、わりといいイメージ。その後に美味しい料理が待っているのだから言うことなしだ。

卓「実は仕事はもうしている」

卓「給食食堂といって、昔ながらの食べ物を様々な年代から選んで食べることができる店だ」

 ……現役学生なのにすごい。もう店を持っているのか。
 それにその食堂、すごく興味がひかれる。ソフト麺とか食べたい。

卓「だが主夫もいいかもしれないな。大変だが楽しそうだ」

めぐる「絶対モテる……」

メディス「でも健康管理とか細かそう」

 一長一短ということか。でも卓はいい人だし、間違いなくモテるだろう。

火六「折角だし、この中で付き合うとしたら誰か……答えてもらおうか」

猛志「やつあたりだな」

火六「うっさいやい。さぁ、答えてもらうぞ」

卓「付き合うとしたら、か」


 選択 卓が選んだのは誰か(好感度の上下はありません)

 安価↓1

実咲

卓「実咲さんだな」

実咲「おっ、あたし? ありがとうっ」

 意外な選択である。
 健康だとか、そういう点では志織とかきそうだなぁと思っていたんだけど。

卓「明るくて、活発的で、いい子だし、文句なしだ」

実咲「いやー照れちゃうな」

火六「……くっ、火傷なしか」

乾世「多分君以上はいないんじゃないかな」

紡紀「なにかあったの? 火六くん。はぐっ」モグモグ

青州「よく食べますね……夏才さん」

卓「というわけで、俺は座っておこう」

 特に問題もなく、卓は席に座る。
 やっぱりいい人なんだなぁ。しみじみ思う。

モノクマ「最後です。八代 猛志くん」

猛志「最後ってなんかやだな」

 やれやれといった様子で猛志が立ち上がる。

モノクマ「八代くんは身長179cm。体重69kg」

モノクマ「筋肉多そうだよね」

猛志「なんだその感想」

実咲「謙君に続くツッコミ役だよね」

めぐる「貴重すね」

青州「頑張ってほしいですね」

猛志「お前らなんの期待してんだ」


 猛志への質問

 安価↓1

モノクマとお前はどっちが強いんだ?アーサー
やっぱりつき合うとしたら?火六

アーサー「質問だ」

アーサー「お前とモノクマ、どっちが強いんだ?」

 これまたアーサーが質問を行う。
 モノクマと猛志。どちらが強いかと訊かれれば、無論猛志なのだが。

猛志「モノクマと? そら、俺だろ? こんなやつに負けたくないし」
モノクマ「うぷぷぷ。ボクに決まってるでしょ?」

 同時に答える二人。互いに自分が勝つと堂々と宣言していた。

モノクマ「あれあれ? 自信過剰だね。勝てるなんて思うなんて」

猛志「それはこっちの台詞だ。お前みたいな奴が勝てるわけないだろ」

 猛志が言うと同時に、モノクマが指を鳴らす。
 瞬間、誰もいないエントランスの一角に銃弾が降り注いだ。

モノクマ「召喚術を使えるボクに勝てるとでも?」

猛志「ごめんなさい」

 ……決着はあっという間についた。
 まぁあれは勝てない。

火六「……で、お前は付き合うとしたら誰だ?」

 彼の何がそうさせているのだろうか。
 同じ質問を投げかけている火六にはなにか執念めいたものを感じる。

猛志「俺にも訊くのか」

実咲「火六君、なんか可哀想……」

火六「哀れむのはやめろ!」

乾世「素敵だよ」

火六「それもやめろ!」


 猛志の答え

 安価↓1

アーサー

猛志「付き合うとしたら……アーサーだな」

アーサー「ないな」

猛志「凄まじいはやさで振られたが……ま、付き合うとしたらアーサーだな」

火六「超高校級の男色家か」

 すぱーんと、勢い良く火六の頭が後ろから叩かれた。

猛志「そりゃ女だってつい最近まで知らなかったけどな」

猛志「でも見た目はいいし、それなりに強いみたいだからな……」

猛志「やっぱり遠慮なく付き合えるのがいいよな」

 遠慮無く、か。確かにアーサーなら力とかあまり気にしなくてもいいのかもしれない。

アーサー「ないな」

 肝心の相手はまったくの脈なしだけれど。真顔で言うのだからすごい。

火六「ダメージは中々か……最後で救われた感じだ」

猛志「……なんか納得いかねぇ」

 こうして、自己紹介は終わった。

 さて、この後は……。


 選択
 1・王様ゲーム
 2・席を立って自由にお話(話をする人物を指定)
 3・その他(なにをするか記載)

 安価↓1

1

実咲「こういう時って王様ゲームやるんだよね」

 いつの間にかいなくなったモノクマを探していると、不意に実咲がテンションを上げて言った。

彩「王様ゲーム……普通の若者っぽい遊びね」ソワソワ

乾世「ここにちょうどよく道具も置いてあった」

メディス「するっきゃないよね!」

 どうやらこれはする流れらしい。
 ふむ、まぁ別にいいのだが……これは、どんなことになるやら。


 最初の王様(コンマの数だけランダム抽選を回すため、完全ランダムであります)

 安価↓1

安藤こい!

 くじを引く。
 王様になっても特にお願いごともないため、私は適当に引いた。
 っていうか、単純に運だし。

 割り箸がちょうど14本刺さったケースからそれぞれ引いていくと……

彩「私が赤いものを引いたわね」

彩「王様……普段影にいる私にはめったにない機会だわ」

 なんと最初の王様は彩だった。
 得意げな顔をした彼女は、なにを命令しようかと考えているようだった。


 彩の命令の内容(対象指定必須。過激なものは再安価でー)

 安価↓2

恥ずかしい話をする
メディナ

火六が紡紀のほっぺにちゅーあたり?ダメならてをつなぐ
火六が可哀想になってきたからww

バーローの全身黒タイツを着る アーサー

彩「ふふふ……」

彩「決めたわ、私――いや、王様の命令」

 なんだか怪しげな顔をして笑う彩。
 彼女はくすくすと笑い、そして棒を勢い良く前に出した。

彩「10番が6番に――口付くぇ――キス!」

 噛んだ。多分恥ずかしかったのだろう。
 キス――定番といえば定番。だけども一瞬ぽかんとしてしまった。
 なんせ私がその6番だったからだ。

火六「まさか彩がそんなこと言うなんてな……やれやれだ」

 呆れたように言う火六。しかし次の瞬間、彼はいきいきとした表情を作る。

火六「俺が10番だ! 6番は女子だよな!?」

謙「もはや清々しいなお前」

 火六か……ということは、そうなるということ。
 考えて、私は苦笑した。最初からこれとは先が思いやられる。

紡紀「6番は私よ」

 スッと、私は手を挙げた。

乾世「おや」

火六「あれっ? 猛志10番じゃないか!」

猛志「いやいやいや。お前何言ってんだ」

火六「ま、まじなのかこの展開……」

青州「ロマンチックではないですか」ニコッ

火六「間違いなく悪魔が微笑んでるわ!」

志織「ひゅーひゅー」

火六「そして今もよく状況分かってないだろお前!」

 ぎゃーぎゃーとツッコミをいれる火六。
 何を言いたいかよく分からないけれど……。

紡紀「嫌だったら、ほっぺたとかでいいんじゃないの?」

彩「ええ。それでもいいわ。唇同士とか、不純だもの……」

謙「おい発案者」

紡紀「だって。火六くん」

火六「別に嫌というわけでは……」

実咲「だったら早くしちゃいなよー! 唇に! さぁ!」

メディス「ディープなのもありだよ!」

外道「そ、そうなの!?」

めぐる「モノクマも止めにこないすし……いいんじゃないすか?」

火六「ああもう……お前ら黙ってろ!」

全員『……』シーン

火六「それはそれで困る!」

 賑やかね……。

紡紀「さて……この辺り?」

 私は席を立ち、長方形のテーブルの上、モノクマがいた辺りに移動。
 火六がやって来るのを待つ。

火六「ああ。そこでいい」

 火六もやってきて、私の前に立つ。

紡紀「それじゃ、よろしく」

火六「……っていうか、お前なんでそんなに落ち着いてるんだよ」

火六「女色家だろ?」

紡紀「女子のことは好きだけど、それって今回のことと関係あるかしら?」

火六「特にないが……相手俺だぞ? 嫌じゃないのか?」

火六「その……青州が良かったとか」ゴニョゴニョ

紡紀「大丈夫。火六くんなら、別にいいわ」

火六「別にいいっていうのが気にかかるが――」

火六「嬉しいな」

乾世「いちゃついてないで、早くしたまえ」

火六「うっせ。……するぞ、紡紀」

紡紀「え、ええ」

 火六の手が軽く私へと回される。
 あまり嫌われないよう平然を装っていたけど……すさまじく恥ずかしい。
 目をつぶる私。少しして、ちょこんと触れる程度の口づけ……だろうか。目をつぶっていたためよく分からなかったが、おそらくそうだろう。目を開くと、彼は顔を真っ赤にして目を逸らしていた。
 えっと……こういう時って何を言ったらいいのだろう。
 よし、ゲームに付き合ってくれたわけだし……。

紡紀「……ありがとう、火六くん」

火六「――ごふっ」

 何故か火六くんが倒れた。


【今日は落ちます】

志織「いやー……初々しくてよかったね」

実咲「だね。火六くんの反応も楽しかったし……」

メディス「でももっと大胆でも」

卓「女性陣の方が積極的ってどうよ」

乾世「そそるね」

謙「お前な」

 男子らが席に火六を座らせて、王様ゲーム続行。
 まだゲームを続けるようで、割り箸を戻すと実咲ははしゃいだ様子でそれをみんなへ回す。
 次はどうなることやら。とりあえず、平和に終わりたいものだ。

 次の王様 (前回とおなじくランダム抽選)

 安価↓1

a

メディス「私だーっ!」

全員『うげっ』

 全員がすさまじく嫌そうな顔をする。
 次の王様はメディス。それからいいことを想像する人間などいないだろう。独裁国家の誕生を私は予感する。

メディス「うへへ、どうしようかなー」

メディス「楽しみだなー」

紡紀(嫌な予感しかしない……)


 メディスの命令(れいのごとく前回と同じ条件)

 安価↓1

アーサーと謙の真面目コンビで漫才をする

おっぱいを揉ませろ めぐる

メディス「アーサーと謙で漫才!」

二人除く全員『えええええ!?』

 色々と予想外であった。
 メディスがそんなこと言うのもあれだし、アーサーと謙、それも漫才だなんて……どうなるのだ。

アーサー「くだらん。そんなことやらないぞ、俺は」

謙「……そんなこと言うと、モノクマに爆撃されるぞ」

 露骨なくらい嫌そうな顔をする二人。だが、寮の部屋がある廊下へと進むエントランスのドアからモノクマがちょこんと顔を出しているのを見て、彼らは覚悟を決めたようだ。

アーサー「くそ……恨むからな、上辺ジャーナリスト」

謙「お前の取材は金輪際お断りだ」

メディス「えへへー、知らん」

 恨めしげに見てくる二人へきっぱり告げ、メディスは楽しそうに食べ物をつまむ。
 二人の漫才……興味はひかれるけど、あとが怖いなぁ。

モノクマ「ということで、遊河くんとアーサーさんの漫才です」

 いつの間にか配置されていた簡易のステージの上。モノクマがマイクを手に司会する。

メディス「いえー!」
実咲「やいのやいの!」

 二人は盛り上がっているけれど……正直、私達はあとのことを考えるのが怖い。関係ない私達にすら何かがやってきそうで。

二人「はいどうもどうもー」

 が、棒読み気味で入ってきた二人を見た時、そんな考えは吹っ飛んだ。
 とにかく笑わないように。それだけを考えて、私達は目を逸そうとする。
 きっちりした格好の二人だが、こうした場に立っているとそういうふうに見えるから不思議だ。

謙「謙です」

アーサー「アーサーだ」

二人「謙&アーサーです(だ)」

 そのまますぎる! なんてツッコミをメディスが。

アーサー「しかし、最近は寒くなってきたな」

謙「季節はわかりませんけど、確かにそうですね」

謙「寒くて――つい」

 ぬぎぬぎと上着をぬぎはじめる謙。

アーサー「――やはりこのネタはやめる」

謙「厚着を――って、脱ぎ損! てか、そんな話聞いてねえぞ!」

アーサー「そういえば謙、お前は議員らしいな」

謙「スルー……ああ、議員だ」

アーサー「議員、といえば……あれだな」

謙「なんだ? 選挙とかか?」

アーサー「いや違う」

アーサー「選挙ポスターだ」

謙「議員といえばなのかそれ」

アーサー「そうだろう。あの煽り文と大きな自分の写真……あれを衆人の目に晒そうとする人種は中々いない」

謙「議員全員ナルシストみたいな言い方はやめろ」

アーサー「それで本題に入るが……あれ、写っているのは本人ではないだろう」

謙「いや、本人だろ。何言ってんだ」

アーサー「本人なら、あそこに書かれていることを果たすべきだろう。努力くらいはするはずだ。それなのに何故あいつらは何もしない」

謙「……」

謙「わりと重くてびっくりした」

謙「なにもしないわけじゃないんだ。努力は間違いなくしているはずで――」

アーサー「疑問に思った俺は事務所に文句の電話をかけた」

謙「なにしてんの!?」

アーサー「ちなみにそいつが努力しているかは今も分からん」キリッ

謙「ただのクレーマーだ……議員さんも迷惑だろ」

アーサー「ちなみに議員側はポスターは別人だと言っていた」

謙「なんでそんな分かりやすい嘘を!」

謙「……で、お前はどうしたんだ?」

アーサー「納得した」

謙「なんでだよっ!」

アーサー「別人なら約束を守らないのも納得だからな……」

アーサー「むしろそう思っていた方が我々も楽なのかもしれない」

アーサー「彼を選んだ人間も、誰とも分からない人間で、偽物なのかもしれないからな……」

謙「……」

謙「これ漫才だよな?」

アーサー「オチはないぞ」キリッ

謙「いい加減にしろ――あ。そういうことか」

二人「ありがとうございました」

 ぺこりと頭を下げてステージから去る二人。
 ……リアクションがし辛いクオリティだ。まぁとりあえず沈黙に包まれたり、黙ったりしなかったりしなかったし……かなり上出来な方ではないだろうか。

【落ちま。 合コン編終了します。物足りないという場合は、章終わりのおまけで。次からは動機提示。

 ※次回の裁判からNearを無くします。選択の幅が広くなりすぎるので】

 
 その後もなんだかんだと王様ゲームは続き……そろそろ終わりかという空気になってきた。

紡紀「ジャンクな味にも飽きてきたわね……」

 数日分のジャンク分は確保できただろう。
 適当にだらだらと過ごしている面々を見て、私はのんびり考える。
 もう王様ゲームもしていないし、誰かと適当に話してみるのもいいかもしれない。


 誰と話すか(好感度によってイベント進行あり)

 安価↓1

八代

紡紀「猛志くん」

 なんとなく、彼に声をかけてみる。
 特に理由はない。

猛志「よ、紡紀」

猛志「黒幕に強制されたみたいなイベントだったけど……割りと気分転換にはなったかもな」

 ニッと笑い、彼は人のいい笑顔を浮かべる。
 自分が遠慮なく振られたというのに、なんて偉い人だ。

猛志「なんか変なこと考えてるか?」

紡紀「――いや全然」

紡紀「楽しかったわね。こういうのもいいんじゃないかしら」

紡紀「監視とかコロシアイだとかがなければもっといいんだけど」

 二人揃ってため息。どんなに楽しもうと思っても、この状況ではそれは不可能。

猛志「難儀だよな……ほんと」

 だからこそ忘れようと盛り上がっていたのだが――やはり終わりというものはくるもので。
 せめて私達全員に終わりがこないといいのだが。

【猛志の好感度がすごく上がりました】

【短いですが今日は落ちま】

モノクマ「あーあー。注目してください!」

 解散ムードが漂ってきてから数十分は経っただろうか。
 適当なメンバーと話していると、不意にモノクマがステージの上に出てきた。

モノクマ「今からメインイベントを行います!」

 なんのイベントのメインなのか。それを口にしていないことに、私はなんとなくだけど嫌な予感がした。
 普通に考えれば合コンイベントのメインなんだけど……。そうじゃないような。

モノクマ「オマエラ最近コロシアイしないから――」

モノクマ「思わず殺りたくなっちゃうような動機をプレゼントしちゃいます」

 瞬間、空気が揺れた。皆の動揺だろう。

猛志「動機だって?」

志織「ど、どういう……こと?」

モノクマ「だから、動機。人を殺そうと思う理由。それをあげるって言ってんの」

 意味は分かるがさっぱり理解できない。
 いったいどうしたらそんなものを人にあげることができるのだろうか。

モノクマ「ではテンション上がってきたところで、はいどーん!」

 モノクマが一枚のボードを取り出し、前に置く。
 巨大なそれには一列の文字たちが。

『自分たちの持つ記憶よりも実際は数年経過している』

 今度こそみんなはざわつきはじめた。

メディス「え? なにそれ? 嘘だよね」

外道「そ、そうだよね。なんでそんなことが……」

彩「でも、嘘だって言えるのかしら」

アーサー「……そうだな」

 そんな中、やはりあの二人は冷静だ。
 私も割りかし落ち着いている。記憶がもとからないからだろう。

乾世「それはまた、どういう理由だ?」

彩「私達がモノクマと会った日……。その時、私達はすでにおかしな点を見つけていたはずよ」

彩「一つは、玄関、個室への廊下、その他の部屋があるドア。……それらから別々にみんなが集合したこと」

 淡々と、小さな声で言っていく彩。

アーサー「もう一つは監視カメラとロッジの封鎖だ」

アーサー「あんなもの、俺の記憶にはなかった。ロッジは普通。カメラなどもなかったはずだ」

アーサー「それに……どうにも黒幕は大勢だとは思えない」

彩「大人数でいるなら監視カメラも必要ないだろうし……見つからないためとも思えるけど」

アーサー「とにかく、あの状況を作り出すには時間が必要ということだ」

火六「……えー、と。つまり俺らが初日だと思っていたあれは何年も経っていて、その間に黒幕は準備を整えたと」

アーサー「お前にしてはやるじゃないか」

謙「け、けどよ、そんなこと不可能だろ。無力化はともかく、記憶を操作されてるってことになるんだぞ?」

モノクマ「可能です。クマの技術をあなどらないでください」

卓「川で鮭をとるくらいの技術しか知らん」

めぐる「クマを過信しすぎす」

モノクマ「細かいことはいいの! オマエラの記憶は失われて、数年経った今、コロシアイ合宿に参加することになった……」

モノクマ「これは事実です。どう? 動機になるよね?」

猛志「ありえないだろ、そんなの……」

実咲「ほ、本当なら……証拠! 証拠は!?」

モノクマ「オマエラの記憶の曖昧さが証拠。色々思い当たると思うけど」

モノクマ「あと……おかしいと思わなかった? 希望ヶ峰学園の合同合宿で、16人丸々全員が全員と面識がないなんて」

 全員が黙ってしまう。
 ある人は冷静に長考をはじめ、ある人は顔を青ざめさせて……。多分、事実なのだろう、モノクマが言っていることは。反論が出ないことがなによりの証拠。

モノクマ「ということで、外のことが知りたかったら……卒業」

モノクマ「それしかないよね。うぷぷぷ」

 動機とはこういう意味だったのか。
 動揺している面々を見ると、確かにこれは効果があるように思える。
 でも私は記憶がないし殺しをしようだなんて思わない――などと考えたところで、モノクマが私を見た。

モノクマ「それともう一つ。これです!」

 モノクマが何かを取り出す。
 私はそれを見た瞬間、背筋が震えるのを感じた。
 一枚の封筒。やたら見覚えのあるそれは……私が失くしたと思っていたもの。晃が遺した内通者について記載された紙だ。
 どこでこれを……。てっきり紛失したとばかり思っていたのに……まさかモノクマに盗られていた?
 有り得る。証拠がないのに変なこと言って怪しまれるのは、なんて考えずにみんなに言っておくんだった。

モノクマ「はいこれ読んでって」

 モノクマがコピーでもとったのか、全員にそれを回していく。
 私の手元へもきた。
 間違いなく、あの手紙の文面そのまま。加工された気配はない。

アーサー「内通者、だと?」

乾世「モノクマの話に一致している内容だね」

火六「け、けど、これがどうしったってんだ」

モノクマ「それは夏才さんのゴミ箱に入っていたものです」

紡紀「――なぁっ!?」

 まさかな言葉に、私は驚きの声を上げる。

 そんなことを言えば私が内通者みたいじゃないか。
 ――いや、それはないか。そう思わせることをモノクマが言う理由が理解できない。わざわざ内通者をみんなに教えているようなものだ。

全員『……』

 けど疑われるのは当然のことで……みなさんの視線が痛いであります。

モノクマ「さて、いい感じでギスギスしてきましたね」

モノクマ「ではでは、ボクはこれで。期待してるよー」

 楽しげに笑い、モノクマは去っていった。

紡紀「あ、あのね、みんな。私がゴミ箱に捨てたなんてことはなくて、気づいたらどっかいってて」

アーサー「……正直なところ、今は本当か、よく分からん」

乾世「情報が少なすぎるね」

実咲「う、疑うのはよくないよね。うん」

志織「そうだよ。そんなこと忘れて、平和に、ね?」

火六「……。今日は解散するか。休むべきだろ」

 疑っていない。そうは言っても疑うことはやめられない。
 重い空気の中、火六の一言を皮切りに私達は解散することになった。
 みんな動揺している。疑っている。
 いつ殺人が起こっても……なんてことすらも頭に。
 さっきまでの楽しげな雰囲気など、もうどこにもなかった。

モノクマ『オマエラ、おはようございます。朝になりました。今日も勉強にスポーツに親睦に、有意義な合宿を過ごしましょう!』

 翌朝。
 珍しく夜は早く寝たのに、疲れがとれなかった。

紡紀「はぁ……」

 今日は……どうしようか。

【自由行動開始】

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1.モノクマ

紡紀「……モノクマ」

 着替えた後、廊下に出ると私は彼を呼んだ。
 今の状況の原因。諸悪の根源とも言える彼のことを。

モノクマ「はいはい、何? 夏才さん」

 やはり監視していたのだろう。モノクマが顔を出す。心なしか、呼ばれて嬉しそうにしている。

紡紀「一緒に話でもどう?」

モノクマ「うん、いいですよ。学園長として、仲良くしておかないとね」

 昨日の今日で私はなにをしているのだろうか。
 そう思わざるを得ないけれど――今は少しでも情報がほしい。
 エントランスでモノクマと話をして過ごした。
 結局ボロを出すようなことはなく、ただ雑談をしただけだった。

【モノクマの好感度が上がりました】

モノクマ「なにかあげようか……」

紡紀「……何言ってるの?」

モノクマ「考えてそうだったから」

紡紀(……なにかあげようかしら)


選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみ、エンゲージ、音楽、模型、グラビア、クリーナーは使用済み】

 安価↓1

【下げになってました】

安価はここから↓1

モノクマなんかにあげないよ!

紡紀「じゃ、さよなら」

モノクマ「あれぇ!? まさかの放置プレイ!?」

モノクマ「これはこれで……はぁはぁ」

 やっぱり何もあげないのが一番よね。
 仲良くなるのも困るし。
 息を荒げるモノクマを置いて、私は去った。

 昼。
 自室に戻った私は何をしようか考えていた。
 時間はまだある。


【自由行動開始】

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1火六
一番裏切り者じゃないって信じてくれそう

紡紀「あ、火六くん」

 自室を出て外を歩いていると、またまた彼に遭遇した。
 損だな、なんて思った日もあったが、彼のなんともなさそうな顔を見ていると、ちょっと安心する私もいる。

火六「よ、紡紀。どうかしたのか? なんか、機嫌窺うような顔してるが」

火六「っていうか、上目遣いはやめなさい」

紡紀「あ、ごめん。ぶりっ子すぎたわね」

火六「そういうことじゃなくてだな……」

火六「気にしてんのか? 昨日のこと」

紡紀「まぁ、それなりに」

火六「大丈夫だ。信用がない、信じられてない。人間、それがデフォだしな」

火六「お前も超高校級の人間だ。信じられてなくてももっと堂々としろ、俺のように」

紡紀「――ええ、そうね」

 女色家じゃなければなぁ……。

 火六と話をして昼を過ごした。

【火六の好感度が上がりました】

紡紀(……さて)


選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみ、エンゲージ、音楽、模型、グラビア、クリーナーは使用済み】

 安価↓1

お清めの塩

紡紀「火六くん、これあげる」

火六「ん? おお、これはいいな」

 塩を受け取り、彼は笑顔を見せる。

火六「仕事が楽になる」

火六「ありがとな、紡紀」

【火六の好感度がすごく上がりました】


 霊媒師について質問をしていると、火六はこんな話をはじめた。

火六「故人の思っていることが分かる……」

火六「霊媒ってのは、結構頼りにされることが多いんだ」

火六「まぁそれは分かるだろ?」

紡紀「ええ。知りたいって思う人も多いだろうし」

 死んだ人と話せるなら、大金だってつめる――そんな人もいるだろう。

火六「で、狙われることも多い……」

紡紀「それも分かるわ」

火六「気持ちは分かるけどな。人間が一番怖いっていうのも納得だわ」

火六「けど……そういう時、俺は少し悔しく思うんだ」

紡紀「悔しく?」

火六「――ああ、いや、なんでもない。気にしないでくれ」

 なにかあったのは明らかなんだけど……追及する間もなく彼は別の話をはじめてしまった。
 狙われて、悔しい。まったく関係なさそうな感情だけど……。

【火六のイベントが進行しました。
 おめでとうございます。火六のイベントが50%完了しました。

 火六の通信簿に情報が追加されました】

モノクマ『オマエラ、夜10時になりました。明日の合宿のため、ゆっくり休みましょう。おやすみなさい!』

 いつものアナウンスを聞きながら、私は妙な胸騒ぎを覚えていた。
 ……なにか、嫌な予感がする。


【自由行動開始】

選択
 1・誰かと過ごす(人物指定)
 2・モノモノマシーンを回す
 3・好感度を調べる(一人につき一枚メダル消費。複数人表示可能)
 4・???へ
 【現在のモノクマメダル15枚】

 ※2、3、4は選んでも時間が進みません

 安価↓1

1志織

 
 自室を出ると、たまたま同じタイミングで志織が部屋から顔を出した。

志織「あ……紡紀ちゃん。こんばんは」

紡紀「ええ。……えと、夜更かし?」

志織「そんなに気にしなくて大丈夫だよ、紡紀ちゃん。私内通者とか気にしてないから」

 ニッコリと笑って志織が言う。彼女はそのまま私に近づくと、私の手をとった。

志織「一緒に夜更かししよっか?」

 なんかエロい――じゃなくて、私は笑顔を返して頷く。
 夜の時間、一時間にも満たないけど、志織と過ごした。

【志織の好感度が上がりました】

紡紀(なにかあげようかしら)


選択
 プレゼントをあげるか否か。または何を渡すか。 リストは>>340
 【置物、編みぐるみ、エンゲージ、音楽、模型、グラビア、クリーナー、塩は使用済み】

 安価↓1

リボン

紡紀「志織ちゃん、これ」

 話が一区切りしたところで私はリボンを差し出す。

志織「くれるの? ありがとう、紡紀ちゃん」

志織「わー、可愛いリボンだね」

 にこにこと笑い、リボンを眺める志織。
 ちょっとは喜んでくれたかしら。

【志織の好感度が少し上がりました】

志織「私って役に立ててるのかな?」

紡紀「……どうしたの? 急に」

志織「なんか……なにもできてないような気がして」

志織「薬とかないし、私には何もできない状況で悔しくて」

紡紀「役に立ててるわよ。少なくとも、私は志織ちゃんに癒やされてるし、助けられてるから」

志織「う……あ、ありがとう」

 ほんのりと赤くなり、彼女はお礼を言う。

志織「……紡紀ちゃんの才能、なんとなく実感したかも」

志織「でもさ、やっぱり自分の才能を活用して役に立ちたいよね……」

志織「今度使えそうな野草でも探してみようかな」

 ……ちょっとは私も志織の役に立てているだろうか。
 元気を取り戻したように見えた志織を見やり、私は思った。

【志織のイベントが進行しました。
 おめでとうございます。志織のイベントが50%完了しました。

 志織の通信簿に情報が追加されました】

紡紀「……むにゃ」

 朝。日の光りを受け、私は寝返りを打つ。
 その拍子だろうか。元から不安で眠りが浅いのもあり、目が覚めてしまった。
 時刻は朝のアナウンスがある一時間ほど前。

紡紀「二度寝……かしら」

 健康のためにも寝ておいた方がいいだろう。
 私は思い、再びベッドの中に潜る。
 するとその瞬間、あれが響いた。
 チャイムが鳴り響く。

モノクマ『死体が発見されました! 一定の捜査時間の後、学級裁判をはじめます!』

 再び、チャイムの音。

モノクマ『死体が発見されました! 一定の捜査時間の後、学級裁判をはじめます!』

 二度のチャイムに二度の死体発見アナウンス。
 それが何を意味するのか、予想はついたけれど信じたくはなかった。
 けど信じるか信じないかの話ではない。
 ――誰か、死んだ。そして誰かが殺した。
 寝ている場合ではない。私は慌てて簡単な身支度をはじめた。

誰だ..火六と志織ちゃんと猛志と安藤生きてくれ

 エントランスに出ると、ちょうど外に向かうところだったらしい外道に会った。

紡紀「外道くん!」

外道「紡紀さん。聞いたよね?」

紡紀「ええ。早く探しましょ」

外道「中にはなにもなかったから、多分外だと思う」

 外、か。外といえば……心当たりはあれだろう。
 私と外道はまっすぐ、ロッジの裏へと向かった。

 ロッジの裏。
 あの巨大な機械の周囲にはすでに他のメンバーが揃っていた。

紡紀「みんな!」

 必死に走り、みんなの近くで立ち止まる。
 アーサーを除き、そこにいる人達は皆、顔を青くさせていた。

実咲「紡紀ちゃん、外道くん。寝坊助さん……だね」

猛志「なんで……こんなことが起こるんだよ」

アーサー「お前らか。――見るといい」

 走って切れた息。動悸と息苦しさの中、それでも私はみんなの視線が向かっている先を見ようと顔を向けた。
 ゲートの向こう。門のすぐ近くにいたのは――無残な姿で立ち、倒れている二人。
 謙と……彩だった。

【Chapter2:開放されし合宿所、そして行き止まり 非日常編】




【今日はここで落ちます】

2人も…謙も彩もいいキャラで好きだったのに…

謙と彩か...
謙は漫才、彩は小さいキャラとキスの時噛むという目立つポイントが最後になるとは...

 わけが分からなかった。
 たった一日前はみんなで、あんなに騒いでいたというのに……今、少し遠くには動かなくなった仲間が二人も。
 なにがどうなれば、こんなことが。

モノクマ「起きてしまいましたねー。第二の殺人事件」

モノクマ「動機は効果バツグンだったみたいだね。うぷぷぷ」

 ひょっこりとモノクマが現れて、神経を逆撫でするようなひょうきんな声をだす。
 思わずカッとなる私だが……落ち着けと自分に言い聞かせる。
 起きてしまったなら、今は解決するだけ。冷静に周りを見ないと。

卓「……これは、事故とかじゃないのか?」

モノクマ「事故じゃないです殺人です。それはすぐ分かるでしょ?」

アーサー「……自分か、それとも他人か」

 いずれにせよ、殺人。

乾世「――やろうか。それしか手はないんだ」

紡紀「ええ。そうね」

メディス「……真実を」

 青い顔のみんな。私も多分そうなのだろう。
 まだ状況を認められない。でも、止まってもいられない。
 けれど、進むしかないのだ。
 それが残された私達の役割だから。

猛志「今回は俺と……」

志織「私がするよ。見張りだよね?」

アーサー「俺は調査する。しっかり役割を果たせよ」

紡紀(……落ち着いて、証拠を見つけよう)

【調査開始】

モノクマ「ではモノクマファイル2、3――と同時に校則追加ー!」

 モノクマが端末を手渡す……前に、なにやら奇妙なポーズをとった。
 校則追加? となると電子生徒手帳だろうか。
 私は端末を受け取ると、とりあえず手帳を確認した。

『コロシアイ学園生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします』

モノクマ「皆殺しにできたらただの殺戮ゲームだからね。その防衛策です」

 安心できるような安心できないような。
 ため息を吐いて、私はモノクマファイルを確認した。

【モノクマファイル2】 遊河 謙(ゆうが けん)【DEAD】
【死亡推定時刻 6時頃】

【モノクマファイル3】 椿巳 彩(つばみ あや)【DEAD】
【死亡推定時刻 6時頃】

紡紀「……これだけ?」

 細かなプロフィールを除くと、記載されているのはそれのみだった。
 これを情報と果たして呼べるのだろうか。
 ……今のところは分からない。

コトダマ【モノクマファイル2、3】を手に入れました。
 『二人とも死亡推定時刻は6時。情報はそれだけ』

 これだけで事件を解決できるわけがない。
 けれど何を調べるべきだろうか。

 選択
 1・ゲート前のアーサーとモノクマ
 2・機械の後ろにいる卓
 3・死体(謙か彩)
 4・誰かと話す

 安価↓1

3

1

紡紀「……気になるのはそれよね」

 殺人事件なのだ。調べるべきはおそらく死体。
 怖いけどやるしかない。彩もいなくなってしまったし……自分でするしかないのだ。
 私はゲートを通り死体へと近づいていった。

紡紀「……」

 彩の死体は明らかに誰かが彼女を殺そうとしていたことが窺える。
 門、それにつけられている錠前の鎖にロープで手足を磔にされており、身体のあちこちに刃物がささったような傷跡が窺えた。
 多分、機械に刺されたのだろう。
 謙の死体は……多分、彩と同じ死因だろう。彩の隣、ちょうど門の取っ手がある前に倒れている。傷はあちこちにあって、こちらも悲惨な状態だ。

 どちらも気になるが、先に――どちらを調べようか。

 安価↓1

紡紀「……ごめんね」

 一言謝り、私は彩の死体を調べることにした。
 死体は門の錠前の鎖にロープで手足を磔にされていて、身体のあちこちには傷がある。
 大きいし、多分致命傷はこの傷だろう。他に目立った傷もない。

コトダマ【彩の死体】を手に入れました。
 『彩の死体は門の鎖に磔にされていた。致命傷はあきらかに身体の傷。他に目立った外傷はない』

紡紀「次は……」

 死体を磔にしている道具。おそらくロープだろう。
 多分、山小屋にあるはずのものだ。

コトダマ【磔のロープ】を手に入れました。
 『彩を磔にしていたロープ。おそらく山小屋のもの』

紡紀「……調べるべき、よね」

 決心し、私はさらに彼女へ近づいて、身体に触れる。
 彼女が何か持っているかもしれない。そんな希望を抱いて。

紡紀「……うん?」

 虱潰し的な発想だったが、どうやらビンゴらしい。
 スーツの内ポケット、その更に内側、隠してあるのだろう。そこに一枚の紙が入っていた。
 中を見てみると――

『彩へ。
 門を守っている機械について重要な情報を手に入れた。明日の朝、5時門の前で待つ。 アーサー』

 何かで印刷したかのような無機質な文字でこんな文章が書かれている。
 『アーサー』?
 まさか彼女が彩をここに? ……これは重要そうな証拠だ。

コトダマ『彩への手紙』を手に入れました。
 『彩を呼び出す文面の、アーサーらしい人物からの手紙。集合時間は5時。集合場所は門の前』

 とりあえず気になることはこれくらいだろうか。
 今のところ分かるものはないし、他の仲間が調査した後の進展を待つ限りか。
 次に行くとしよう。

選択
 1・ゲート前のアーサーとモノクマ
 2・機械の後ろにいる卓
 3・死体(謙)
 4・誰かと話す

 安価↓1

紡紀「……調べるわね」

 続いて私は謙の死体を調べることに決めた。
 ぺこりと頭を下げてから、彼の死体に近づく。
 彩と対照的に、彼はどこにも磔にされておらず、うつ伏せになって、門の近くに倒れていた。
 致命傷は……分からない。頭にも身体にも傷が見えていて、なにでどう死んだのかさっぱりだ。

コトダマ【謙の死体】を入手しました。
 『門の近くに倒れていた。致命傷は不明。身体のあちこちに傷があった』

 あと気になるのは……これ、だろうか。
 私は彼の身体に手を当てて、何か持っていないか探る。
 彩の件もある。彼がなにか証拠を持っている可能性も否定できないのだ。
 ――が、何も出てこなかった。

紡紀「うーん……」

 うめきつつ私は視線を彼のちょっと上、門の取っ手へと向けた。
 そこには血が付いていて――そこに誰かが触れたことを示していた。
 確か説明文にもあったはずだ。ゲートを通り、取っ手に触れた者を殺すと。
 ならば取っ手に証拠が残っているのも納得なのだが――何か、おかしな気がした。
 疑問に首を傾げつつ、私は足元の謙へ視線を向ける。彼の手には血がべったりと付着していた。彩の手にはついていないし、多分彼が触れたのだろう。

コトダマ【門の取っ手】を手に入れました。
 『門の取っ手には血が付着していた。謙の手が血で濡れていたため、彼が触れたのだと予想できる』

 今のところはこれくらいか。次に行こう。

選択
 1・ゲート前のアーサーとモノクマ
 2・機械の後ろにいる卓
 4・誰かと話す (人物を指定)

 安価↓1

2

 次に気になるのは……彼か。

紡紀「卓くん」

 物々しい機械の後ろにいる卓。彼がなにか気づいているような気がする。
 声を掛けると、彼はこちらへと振り向いた。

卓「おお、紡紀さん」

紡紀「……何か気になることがあったの?」

卓「うむ。少しな」

 そう言って、彼は機械の上を見た。

卓「機械の上、あそこだ」

 彼に習って私も上を見る。すると、彼が言っているらしきものを見つけた。
 機械の上――から少し後ろ。ロッジに近い位置の太い木の枝に、白い布のような物が巻きつけられている。
 ふらふらと風に揺れるそれは、不自然だった。

卓「あれがなんなのか気になってな」

 確かに、あんなものなかったような気がする。
 単に見ていなかっただけかもしれないけど……でも、あんなもの普通は木に枝に巻き付ける必要もないだろう。

コトダマ『枝の布』を手に入れました。
 『機械からちょっとロッジに寄った木の枝に白い布が巻きつけられていた』 

選択
 1・ゲート前のアーサーとモノクマ
 4・誰かと話す (人物を指定)

 安価↓1


【今日は落ちます】

1

紡紀「なにしてるの?」

 ゲート前。そこで話しているアーサーとモノクマに声をかける。
 モノクマに何か質問だろうか。

アーサー「……いいところに来た。お前も聞いておけ」

 聞く? と首を傾げる私。彼女の視線の先、モノクマは小さく頷くと話し始めた。

モノクマ「このライオンマシンって決まりがあるんだよね」

 モノクマはあの声で語り始める。

1・ゲートを通るとスイッチがオン・オフ切り替わる(出る場合も同様)
2・オンの時に扉の取っ手に触れるとライオンが走り出す
3・誰か一人を殺すまでマシンは止まらない
4・マシンが止まったあとはスイッチはオフになる

 要約すると、そんな感じだろうか。

コトダマ【マシンのルール】を手に入れました。
 『1・ゲートを通るとスイッチがオン・オフ切り替わる(出る場合も同様)
  2・オンの時に扉の取っ手に触れるとライオンが走り出す
  3・誰か一人を殺すまでマシンは止まらない
  4・マシンが止まったあとはスイッチはオフになる』

アーサー「そして、俺達が入る前……スイッチはオンになっていた」

アーサー「これは有力な情報だろう」

 スイッチがオンに……?

コトダマ【入る前のゲートスイッチ】を手に入れました。
 『全員が現場に到着したとき、スイッチはオンになっていた』

紡紀「まだピンとはこないけど……」

紡紀「アーサーちゃん、これに見覚えある?」

アーサー「ちゃんは違和感が……なんだこれは」

 ぶつぶつと言いつつ、私が手渡した彩への手紙を読む彼女。

アーサー「……これはどこに?」

紡紀「彩ちゃんのポケットに」

アーサー「――そうか。俺はこんな手紙、彩に出していない」

紡紀「そうなの?」

アーサー「きっと誘うために書いたんだ。俺の名前なら信用するだろう」

 ううむ、自信満々なのが引っかかるけど、確かにそうだ。アーサーからの手紙にそんなことが書いてあれば、信用するかもしれない。

コトダマ【彩への手紙】を更新しました。
  『彩を呼び出す文面の、アーサーらしい人物からの手紙。集合時間は5時。集合場所は門の前。差出人はアーサーだが、彼女は出していないらしい』

アーサー「犯人はわかっているが……いまいち、犯行の手口が分からないな」

紡紀「え? もうわかってるの?」

 彼女の言葉に私は尋ねるも、アーサーは無視。考えこんでしまう。
 答える気はないようだ。

 これくらい、か。
 現場で現在得られる情報は今のところないだろう。
 他を探してもいいかもしれない。

 選択 どこを調査するか
 1・山小屋
 2・山の中
 3・ロッジ内
 4・誰かと話す

 安価↓1

1

 山小屋の中へやって来た。
 中には――

メディス「あ、紡紀ちゃん」

 メディスがいた。

メディス「彩ちゃんを縛ってたロープ……あれ、やっぱり山小屋の物だったよ」

メディス「そのために来たんでしょ?」

紡紀「ええ。他にロープっぽいものとかある?」

メディス「特には。山小屋の中も変わりないし」

 山小屋のもの、と確定した――だけか。
 特にこれといって決定打になるようなものではない。

コトダマ【磔のロープ】を更新しました。
 『彩を磔にしていたロープ。山小屋のもの』

 選択 どこを調査するのか
 2・山の中
 3・ロッジ内
 4・誰かと話す

 安価↓1

2

紡紀「……ここに何があるのかしら」

 ため息。何かあると思って山の中に来たけど……なにがあるかは分からない。
 いっそ他の場所を探しに行こうか。なんて思っていると、ある人物に出くわす。

青州「夏才さん。どうしてこちらに?」

 青州だ。彼は私がここに来たことに少し驚いているようだった。

紡紀「まぁ、なんとなく……かしら」

紡紀「青州くんは?」

青州「私はこれを調べていました」

 そう言って、彼はきのこを取り出した。
 至って普通のきのこだが――フッと、それを見て数日前の出来事が頭によぎった。
 確か意識をもってかれそうになったきのこがあったとかなんとか。

紡紀「まさかそれは――」

青州「ええ。前に採ったものです」

青州「その日に仁科さんに伺いましたが――この香りには、麻酔の効果があるらしいです」

紡紀「危険物じゃない、間違いなく」

 そんな反則的な物質があるなんて……この山はどうなっているのだろう。

青州「ええ。そしてこれが……今回の事件に使われたようです」

紡紀「――ええっ? ……あ」

 一瞬驚くも、私は思い返す。確かに二人の服に、このきのこの色に似た粉みたいなのがついていたような。胞子というやつだろうか。
 このきのこが使われた……それは、どういう意味を持つのだろうか。

コトダマ【麻酔のきのこ】を手に入れました。
 『山で採れるきのこ。香りには麻酔効果があるらしい』

 選択 どこを調査するのか
 3・ロッジ内
 4・誰かと話す

 安価↓1

3

 ロッジ内に入る。
 入り口からドアをくぐると――

乾世「やぁ、紡紀さん」

 乾世がいた。
 真面目な顔をした彼は、私へと手招き。どうやら何か伝えたいことがあるらしい。

紡紀「なにか分かったの?」

乾世「分かった、というよりは分かっていた……というのが正しいな」

 意味深な発言をする彼。

乾世「僕は今朝、エントランスでお茶を飲んでいたんだ」

乾世「事件が起こる、その前までね」

 ――思ったよりも、重要そうな情報だ。
 私は彼の話に意識を傾ける。

乾世「エントランスにいた僕のアリバイの証明は他の人に聞けば分かる」

乾世「で、本題のアリバイだが……朝出て行った彩と謙以外、全員が自室にいた」

 だよね……普通そうだ。

紡紀「うん? でも乾世くんがここにいたことを証明できる人がいるんだよね?」

乾世「ああ。厨房へ寄りに来たアーサーさんと、事件の直前に来た青州くんだ」

 アーサーと青州……共にちょっと怪しいと思っていた人物だけど、彼の話しによると結局は彼らはロッジの自室がある廊下へと戻っていったらしい。外へ続くドアはエントランスにある一つだけ。ならば、他の人間のアリバイは証明されたことになる。
 ううむ……アーサーと青州の来訪時間が空いているなら、一番怪しいのは乾世なのだけど。

コトダマ【全員のアリバイ】を手に入れました。
 『事件までの時刻、全員のアリバイは証明されている』

 さて。
 これで目ぼしいところは調べただろうか。
 時間もほどほどに経ったし……他に行くべきところは。

 選択
 1・死体について、他の仲間の報告を聞く
 2・ロッジ内について以下同文
 3・被害者二人の部屋を調査(彩か謙を指定)

 安価↓1

1

 再び、門の前。
 そこへやって来ると火六が彩の死体をじーっと見つめていた。

紡紀「……どうしたの?」

火六「――お前か。これだ。これが気になってな」

 彼が見ていたのは、彩の手。縛られて固定されているそれは、門の取っ手と限りなく近い距離で結ばれていた。

火六「なんか、引っかかるような気がすんだよな……」

 門が機械の起動の鍵。となれば、これもまた大切なような気がする。

コトダマ【彩の手】を手に入れました。
 『磔にされた彩の手。彼女の手は門の取っ手に近い位置で縛られていた』

志織「あ、紡紀ちゃん。ちょっといい?」

 考えこんでいると、志織から声がかかる。
 見張りを申し出たはずの彼女だが――何故か謙の死体の状況を見ていた。
 まぁ猛志がいるから大丈夫だとは思うが。

紡紀「なに?」

志織「謙くんの身体を見てたんだけど……死因が轢死みたい」

紡紀「――轢死?」

 状況を見る辺り、機械にひかれて死んだわけだから――そうなのだろう。

志織「うん。お腹に轢かれたような痕があって」

紡紀「お腹に……?」

 轢死、となれば当然。でも――なにかおかしな気が。

志織「あとは、刃物の傷が一切なかったね。打撲だけで」

コトダマ【謙の傷】を手にいてました。
 『謙の身体には轢死らしい。そして身体には刃物の傷が一切なかった』

 中々情報が集まったような気がする。
 次は……

選択
 2・ロッジ内について以下同文
 3・被害者二人の部屋を調査(彩か謙を指定)

 安価↓1

3謙

 謙の部屋にやってきた。
 鍵は開いていて、中には誰もいない。

紡紀「証拠……証拠」

 自分なりに何かないか探していると、すぐそれは見つかった。
 テーブルの上。放置されているそれは、彩が持っていた手紙によく似ていた。
 私はそれを手に取り、目を通す。

『門を守っている機械について重要な情報を手に入れました。明日の朝、5時30分門の前で待ちます。 彩』

 文面はだいたい同じだが、時刻が30分違った。それと差出人は彩になっている。
 アーサーと彩が同じ手紙を出しあったことになるが……それが何故、謙のもとに届いたのだろうか。

コトダマ【謙への手紙】を手に入れました。
 『謙の部屋にあった手紙。5時30分門の前で待ち合わせする内容。差出人は彩』

 さて、これで終わっただろうか。あとは現場の状況でも――

外道「おや、紡紀さん」

 などと思って謙の部屋から出ると、外道と出くわした。

紡紀「あら。外道くん、何か見つかった?」

外道「そうだね……特に目立ったことはないけど、一つわかったことがあるよ」

外道「ロッジの個室は完全防音だね。機械が発動した時、乾世君は音を聞いたらしいけど、自室にいたみんなは聞こえなかったらしい。音が一回だけだから――というのも関係なさそうだ」

 ロッジは完全防音……。そういえば、外が開放された日、私は自分の部屋で作業するモノクマの音で目がさめたっけ。
 他の部屋から音が聞こえてくるなら、もっと早く起きていたはずだ。
 ――となると、部屋が防音であることは疑いようがない。
 実際、アナウンスがあるまで気付かなかったし。

コトダマ【防音の部屋】を手に入れました。
 『ロッジの各自室は完全防音』

コトダマ【聞こえた音】を手に入れました。
 『機械が発動した音は一回のみ』

 これも、なんとなくだけど重要な気がする。

 キーンコーンカーンコーン。
 チャイムが鳴り響き、モニターにモノクマの姿が映し出される。

モノクマ『そろそろ時間だと思って――というのは建前で、飽きたから、そろそろ調査を止めてはじめたいと思います』

モノクマ『生徒全員は捜査をやめ、一階の広間へ速やかに集まってください』

 ――まだ、犯人が分かっていないというのに、時間切れ。
 不安はある。けれど、モノクマが始めると言ったら、あとはやるしかない。
 アーサーは言っていた。犯人はすでにわかっていると。
 冷静に考えればきっと、今の状態でも犯人を割り出せるのだ。
 ならば議論をすれば自ずと――そう思うしかない。

紡紀(乗り切るしかない、のよね)

 私は頷いて、エントランスへと歩いていった。


【今日は落ちます】

 エントランスで少し待つと、他のメンバーもほどなくして揃った。

青州「……これから、はじまるのですね」

猛志「まぁな……」

実咲「不安だよね。彩ちゃん、謙くんがいないと……」

メディス「推理的な意味で、だね」

 彩は推理で。謙は話をきちんとした方向にもっていくこと……それぞれ、議論での役割を持っていた。
 その二人がいなくなってしまったことは大きいだろう。

モノクマ「いやいや、まさか二回目で複数人殺人とは……ボクは驚きです」

 いつの間にかいたモノクマが明るい口調で言う。

モノクマ「動機が効果あったみたいで、ボクも嬉しいよ」

乾世「御託はいい、さっさとはじめよう」

めぐる「っすね。エレベーターすよね」

 全員、モノクマを無視してエレベーターへ。
 恐怖はあるようだが、やはりモノクマを相手にする気にはなれないようだ。
 勿論私もそうで、すぐエレベーターに乗った。

モノクマ「――はぁ、次の事件にはまた時間がかかりそう。じゃ、ボクは下で待ってるから」

 エレベーターのドアが閉じる。そしてゆっくりと動きはじめた。下へ、下へ。微かな音を立ててエレベーターは下っていく。
 そして長い時間の後、止まる。
 緊張で乾いた口を開き、深呼吸。
 まだ、この感覚になれることはできない。
 ドアが開くと私達はエレベーターの外へ向かった。

 地下の裁判所はリニューアルされていた。
 前回の法廷のような雰囲気から、自然感あふれる風景に。
 普通なら感心するところだけど、こういう場でそれをやられるとむっとくる。

モノクマ「いらっしゃーい。自然感満載で、癒やし空間をつくってみました」

モノクマ「さぁさぁ、席へどうぞ」

 四人分、席に置かれた亡くなった人物の写真にバッテンがつけられたそれを見つつ、私は席へ。
 ――かなり、少なくなったような気がする。
 席に座った面々を眺め、私は寂しい思いにとらわれる。

紡紀「はぁ……」

 謙。
 いつも真面目で、みんなを正しく導いていた彼。
 彩。
 冷製で、それでいてちょっと抜けていて――最初の事件では彼女がいなかったらどうなっていたことか。

 大切な二人の仲間。そんな彼らが誰かに殺された。
 この12人の誰かに……。
 悔やんでも、恨んでもなんにもならない。
 私にできることは犯人を、真実をつきとめるだけ。
 ――紡いでみせる。
 二人の、みんなのためにも真相を。

紡紀(前に進む……!)

 さぁ、はじめよう。

裁判準備

コトダマリスト

・【モノクマファイル2、3】
 『二人とも死亡推定時刻は6時。情報はそれだけ』


・【彩の死体】
 『彩の死体は門の鎖に磔にされていた。致命傷はあきらかに身体の傷。他に目立った外傷はない』

・【磔のロープ】
 『彩を磔にしていたロープ。山小屋のもの』

・【彩への手紙】
 『彩を呼び出す文面の、アーサーらしい人物からの手紙。集合時間は5時。集合場所は門の前。差出人はアーサーだが、彼女は出していないらしい』

・【謙の死体】
 『門の近くに倒れていた。致命傷は不明。身体のあちこちに傷があった』

・【門の取っ手】
 『門の取っ手には血が付着していた。謙の手が血で濡れていたため、彼が触れたのだと予想できる』

・『枝の布』
 『機械からちょっとロッジに寄った木の枝に白い布が巻きつけられていた』 

・【マシンのルール】
 『1・ゲートを通るとスイッチがオン・オフ切り替わる(出る場合も同様)
  2・オンの時に扉の取っ手に触れるとライオンが走り出す
  3・誰か一人を殺すまでマシンは止まらない
  4・マシンが止まったあとはスイッチはオフになる』

・【入る前のゲートスイッチ】
 『全員が現場に到着したとき、スイッチはオンになっていた』

・【麻酔のきのこ】
 『山で採れるきのこ。香りには麻酔効果があるらしい』

・【全員のアリバイ】
 『事件までの時刻、全員のアリバイは証明されている』

・【彩の手】
 『磔にされた彩の手。彼女の手は門の取っ手に近い位置で縛られていた』

・【謙の傷】
 『謙の死因は轢死らしい。そして身体には刃物の傷が一切なかった』

・【謙への手紙】
 『謙の部屋にあった手紙。5時30分門の前で待ち合わせする内容。差出人は彩』

・【防音の部屋】
 『ロッジの各自室は完全防音』

・【聞こえた音】
 『機械が発動した音は一回のみ』


 主人公のステータス(スキル効果も含めます)
 発言力 5
 精神力 5

 スキル
 なし

【第二の殺人事件は二人の彩と謙、二人の被害者が出た。全員がアリバイを持つ状況で、クロは果たしてどうのように犯行を行ったのか。そもそもこれは、殺人なのか。二回目の学級裁判が今、はじまる】

【学級裁判 開廷】

モノクマ「まずは簡単にルールを説明します」

モノクマ「学級裁判では誰がクロか? を議論し、その結果は生徒全員の投票で決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘できれば、クロだけがおしおき」

モノクマ「間違ったクロを指摘すれば、クロ以外の生徒がおしおきをされ――はれてクロだけが卒業となります」

モノクマ「ということで第二回目。頑張っていきましょう!」

猛志「どうする? まずは死因か、犯人か」

外道「一回目の流れからだと、まず死因だよね」

乾世「そうだね。まずそれから――」

メディス「ちょっと待って!」

メディス「今回って……謙くんが犯人だよね」

紡紀(――ん?)

メディス「だって、他に外に行ってる人はいないし、中はマシンが起動すれば逃げられない……」

メディス「マシンのことはモノクマに聞いたけど、それなら犯人なんて謙くんしかいないと思う」

メディス「きっと色々準備をしている途中で失敗して死んじゃったんだよ」

青州「確かに、状況だけ見ればそうですね」

 私も、そこは同意だ。
 しかし、そう思わない証拠はある。
 ここは議論、だろうか。

【議論開始】

メディス「犯人は謙くんだよ!」

メディス「だって他に【怪しい人はいない】もん!」

卓「……実際のところどうなんだ?」

実咲「うーん……証拠あるかな?」

志織「特に何もなかったような」

乾世「けれど不審な点があるのも確かだ」

猛志「謙が【犯人】……」

火六「そう思いたくないが」

火六「【出入りの証拠はない】しな……」

アーサー「……調査していないのか、した上で言っているのか」


 【】内のウィークポイントへ>>543のコトダマ、もしくは【】内の言葉を記憶し使用して論破、同意

 安価↓1

【出入りの証拠はない】←【入る前のゲートスイッチ】 で論破

【出入りの証拠はない】←【入る前のゲートスイッチ】  正解

紡紀「それは違うわ!」《論破》

 BREAK!!!

紡紀「第三者の存在、その証拠は確かにあるわ」

紡紀「私達が入る前のゲートのスイッチ……これがそうよ」

火六「ん? スイッチがどうかしたのか?」

紡紀「私達が入る前、スイッチはオンだった。でもそれは、おかしいの」

紡紀(おかしなところ……それはこれ)

 コトダマリスト>>543から証拠、そのおかしな点の詳細を提示

 安価↓1

【マシンのルール】の4

紡紀「これよ!」

【マシンのルール】の4 正解

紡紀「マシンのルール、その一つにこんなルールがあるの」

紡紀「マシンの起動後はスイッチがオフになる、って」

紡紀「マシンが起動して、二人が死んだ――なのにオンになってるっておかしいと思わない?」

乾世「なるほど……それは確かに」

紡紀「だから二人とは別に三人目が――」


青州「ほつれ目は見逃せません」《反論》


紡紀「……青州くん」

青州「疑問に思いましたので」

青州「三人目の人物が現場にいた。しかし、私達全員にはアリバイがあります」

青州「それに、現場には遊河さんが残したと思われる証拠もありました」

紡紀「それって――」

 コトダマリスト>>543から謙が残したと思われる証拠を提示

 安価↓1

門の取っ手

紡紀「これよね」

【門の取っ手】 正解

紡紀「門の取っ手についていた血……のことよね?」

青州「ええ。それを考慮すると、まだ遊河さんの失敗と考えた方がいいかと」

紡紀(ゆずる気はなさそう……)

紡紀(ここは真っ向から、否定しないと)


【反論ショーダウン 開始】

紡紀「謙が門に触れて死んだ」

紡紀「それは絶対に違うと断言できるわ」

青州「どうやってですか?」

青州「マシンは【一度しか】起動していない」

青州「モノクマファイルには二人の【死亡時刻】が同じように記載されています」

青州「二人の【死因は同じ】……ならば」

青州「遊河さんが門に触れて、椿巳さんと【一緒に死んだ】――そうとしか思えません」

 【】内のウィークポイントへ>>543のコトノハを利用し論破

 安価↓1

【死因は同じ】←【謙の傷】

【死因は同じ】←【謙の傷】 正解
(※正解が二つになってしまいましたが進行します)

紡紀「叩き斬る!」《論破》

 BREAK!!!

紡紀「二人の死因は違うわ」

青州「……え?」

紡紀「彩ちゃんは刺傷――多分、マシンについてる刃物」

紡紀「それで、謙の死因は……志織ちゃんが教えてくれたわ」

志織「う、うん。謙くんは……多分、轢死だと思う」

 死体のことを思い出したのか、志織は顔を青くさせながら語った。

青州「……なるほど。証拠があるのでは、反論できませんね」

めぐる「――でも、そうなるとどうやって殺されたのか、分からなくなりますね」

 そうだ。問題はそれ。
 どうやって二人が殺されたのか――それは私にも分からない。
 だから、議論だ。

【議論開始】

卓「【二人】がどうやって殺された、か」

実咲「やっぱり、なにかしらトリックがあるのかな」

実咲「【死亡時刻】も同じくらいだし」

乾世「なんにせよ、さっぱりだね」

乾世「【起動が一回】なのは分かるが」

火六「だが死因は別なんだろ?」

火六「意味がわからないな」

紡紀「そうね」

紡紀「……あれ? なにか【おかしい】わよね……?」

メディス「うぐぐ……わかり難い……」

メディス「なんか進展がないと頭がついてかないよー!」

【】内のウィークポイントへ>>543のコトダマ、もしくは【】内の言葉を記憶し使用して論破、同意

 安価↓1

【起動が一回】←【おかしい】で論破

【起動が一回】←【おかしい】 正解

紡紀「ちょっと待って!」《論破》

 BREAK!!!

紡紀「考えてみたんだけど……起動が一回っておかしいわよね」

外道「え? そうかな」

メディス「なにもおかしくないよね」

紡紀「いや、おかしいわ。だって――」

 コトダマリスト>>543から証拠、そのおかしな点の詳細を提示

 安価↓1

【マシンのルール】の3

紡紀「矛盾してるわ!」

【マシンのルール】の3 正解

紡紀「マシンのルールなんだけど、このマシンって一人を殺すまで止まらないのよ」

乾世「ふむ……」

猛志「つまり、一人を殺せば止まるってことか」

外道「確かにおかしいね。ルールに反してる」

アーサー「――ふぅ。黙って見ていたが」

アーサー「ようやくここまで話が進んだか」

火六「いや生死がかかってるんだから参加しろよ」

メディス「せいし」
志織「せいし」

めぐる「困ったことに制止役がいません」

卓「うまいこと言ったみたいな顔しなくていい」

アーサー「一回の起動で二人がどうやって殺されたか」

アーサー「ポイントはルールだ」

アーサー「よく考えてみろ」

紡紀(怠け者がなにか言ってるけど……)

紡紀(彼女に頼りっぱなしっていうのもあれよね)

紡紀(――考えてみよう)

【ロジカルダイブ 開始】

 まず、一つ目。
 二人はどうやって殺されたのか……。

 Question 1
 『二人はどう殺された?』
 1・同時にマシンで
 2・マシン以外で
 3・実は二回マシンが発動していた

 安価↓1

3

3・実は二回マシンが発動していた 不正解

紡紀(これは違うわね……)

紡紀(音があったかは乾世くんが聞いている)

紡紀(手紙の時刻の間はいたみたいだし……なにせ二人が出て行くのを乾世が目撃している)

 発言力 5 → 4

Question 1
 『二人はどう殺された?』
 1・同時にマシンで
 2・マシン以外で

 安価↓1

2

2・マシン以外で 不正解

紡紀(マシン以外の証拠はない)

紡紀(となれば……マシンで同時に殺されたのが妥当かしら)

 発言力 4 → 3

 二人は一回の起動で殺された。
 その証拠は音。まずこれに間違いないはず。
 ならおかしい点が出てくる。それがルールだ。
 一人を殺すまで止まらない。しかし実際に二人死んでいる。その言葉の意味は……。

 Question 2
 『一人を殺すまで止まらない、ルール3のその意味とは』
 1・見境なく一人殺す
 2・実際二人でも殺す
 3・一人を刺し殺すまで止まらない

 安価↓1

3

3・一人を刺し殺すまで止まらない 正解

 刺し殺すまで止まらない。
 あのマシンは取っ手に触れて起動するもの。なら、目的は触れた人物を殺すことのはず。
 触れた人物は門の前に立っている……なら、導き出せる結論は一つ。

 Question 3
 『二人はどうマシンに殺されたか』
 1・彩はマシンに刺され、謙は轢かれた
 2・同時に二人刺された

 安価↓1

1

1・彩はマシンに刺され、謙は轢かれた 正解

紡紀「答えは紡がれたわ……!」

 COMPLETE!

紡紀「……そうだ」

紡紀「そもそもの認識が誤っていたら、すべてが証拠通り収まる」

実咲「え? どういうことかな」

紡紀「マシンのルール。その一つが誰かを刺し殺すまで、と考えれば二人が一度の起動で死んだわけも説明できるでしょ?」

乾世「……謙君の死因は轢死。マシンに殺されたとみなされなかったから――」

猛志「その奥にいた彩が刺されて殺された」

外道「確かに、それなら死因と重なるね」

志織「ああっ、そうだね」

火六「だが、それだとまたわからないことが出てくるぞ」

卓「どうやってマシンを起動したのか、か?」

猛志「うおっ、そういえばそうだな」

紡紀「それについては大体予想がついてるわ」

 コトダマリスト>>543から証拠を提示

 安価↓1

門の取っ手

紡紀「この門の取っ手の血が――」

アーサー「違う」

 ばっさりだ……。

 発言力 3 → 2

 再度コトダマリスト>>543から証拠を提示

 安価↓1

【彩の手】

紡紀「これね!」

【彩の手】 正解

紡紀「多分、彩がマシンを起動したのよ」

乾世「彼女の手は取っ手に近いところにあった。触れるなら彼女しかない」

猛志「起動すれば逃げ場がないわけだしな」

メディス「でもちょっと待って」

火六「あん? どうした」

メディス「それだと、取っ手についてた血の説明はどうなるのかな?」

卓「そうだな。あれは謙が触れた証拠だ」

紡紀「うーん……」

アーサー「まだそんなこと言っているのか」

アーサー「よく考えてみろ。轢死ならマシンの起動時、体はどこにあると思う」

紡紀「死体の場所?」

 マシン起動時、謙はどこにいたか

 安価↓1

マシンの足元

紡紀「これよね」

【マシンの足元】 正解

 発言力 2 → 3(前回分含む)

紡紀「マシンの足元……とか?」

アーサー「別に足元だけには限らないが……そうだな」

実咲「少なくとも通り道、刺されないように倒されてたり」

志織「ふむ……そうなると、あの証拠はおかしいね」

外道「うん。あり得ない証拠だ」

アーサー「――というか、だ。まずあり得ないだろう」

アーサー「取っ手に謙が触れたときの血がつくなど不自然過ぎる」

紡紀(……不自然?)

 何が不自然か

 安価↓1

出血した状態で取っ手に触れていること

紡紀「そうだ……!」

【出血した状態で取っ手に触れていること】 正解

 発言力 3 → 3.5

紡紀「出血した状態で取っ手に触れる――あり得ないわよね」

志織「え? ――ぁ」

外道「すっかり見落としてたね」

実咲「え? どゆこと?」

紡紀「取っ手に触れるときは、血が出ていないときじゃないと不自然なのよ」

紡紀「怪我してるわけじゃないんだから」

青州「順番もなにもかもおかしいということですね」

乾世「……ふむ」

乾世「では本格的に第三者の殺害というわけか」

実咲「となると気になるのは……」

猛志「どうやって殺すまでの状況を作ったか――」

めぐる「っすね」

紡紀(殺しまでの過程。証拠は見つけられたはず。推理もできるはずよね)

紡紀「さぁ、議論ね」

【議論開始】

紡紀「彩ちゃんは磔にされていた」

紡紀「【取っ手】に近いところに手を固定されて――で、触れてしまった可能性が高いわ」

青州「目覚めて【状況を確認】する間に触れてしまうのも無理はないですからね」

猛志「ん?」

猛志「まさか彩……寝てたのか?」

アーサー「違うだろう」

志織「【意識が混濁してた】筈だから――寝るとはまた違うんじゃないかな」

火六「寝てたんじゃないのか……」

アーサー「……」

 【】内のウィークポイントへ>>543のコトダマ、もしくは【】内の言葉を記憶し使用して論破、同意

 安価↓1

【意識が混濁してた】←【麻酔のきのこ】で同意

【意識が混濁してた】←【麻酔のきのこ】で同意 正解

紡紀「それしかないわ」《同意》

 BREAK!!!

紡紀「麻酔効果のあるきのこ……犯人はそれを使ったに違いないわ」

火六「麻酔効果のあるきのこ? なんだそりゃ」

実咲「あれ、だよね? 青州君が見つけてた」

青州「ええ。みたいです。あのきのこが使用された痕跡も二人に残っていました」

志織「あれを使われて目が覚めて――取っ手に触れるのも無理ないよね」

乾世「そんな危険物があったのか……」

卓「食材として、美味しくはありそうだな」

志織「使用方法を間違えなければ、いい医療道具になるんだけど」

猛志「それを使って、彩と謙は無力化されて、あの状況に――ってことだな」

猛志「けど、肝心のそれまでの過程がわからないな」

めぐる「次の話題はそれすかね」

【議論開始】

外道「どうやって【あの状況】にもっていったか……」

外道「僕はわからないな」

乾世「僕もだね」

火六「えーと……【彩はたまたま】調査のためにその場所に向かって」

志織「【麻酔きのこ】を使われたんだよね」

めぐる「彩さんに香りをかがせたってことすよね」

めぐる「彩さんは【身体能力】すごそうっすし……」

めぐる「犯人もすごそうっすね」

猛志「そんな奴ここにいるか?」

 【】内のウィークポイントへ>>543のコトダマ、もしくは【】内の言葉を記憶し使用して論破、同意

 安価↓1

【彩はたまたま】←【彩への手紙】で論破

【彩はたまたま】←【彩への手紙】 正解

紡紀「それは違うわ!」《論破》

 BREAK!!!

紡紀「彩があの時間にあの場所に向かった理由ははっきり判明しているわ」

アーサー「あの手紙だな」

実咲「手紙?」

紡紀「ええ。彩を呼び出した手紙。差出人はアーサーになっているけど、彼女は出した覚えがないと語っているわ」

乾世「それが嘘か否かは……今後の話しによるということか」

紡紀「そうね。あと……もう一つ、被害者を現場に集めたと思われる証拠があるわ」

コトダマリスト>>543から証拠を提示

 安価↓1

【謙への手紙】

紡紀「これよ!」

【謙への手紙】 正解

 発言力 3.5 → 4

紡紀「謙くんへも同じような手紙が届いていたの」

紡紀「差出人は彩ちゃんで」

火六「ん? それっておかしくないか?」

紡紀「ええ。お互いがお互いを同じ理由で呼び出している。違和感しかないわよね」

めぐる「そうすね。おかしいとしか」

乾世「ちょっといいかい?」

紡紀「――どうしたの? 乾世くん」

乾世「……今気づいたのだが、この手紙、同じようで異なる点がある」

卓「異なる点? 集合時刻とかか?」

アーサー「もっと違うところがあるだろう。ないところ、とも言えるか」

紡紀(違うところ?)

 二つの手紙を比較し、異なる点、ない点を一つ指摘せよ

 安価↓1

謙への手紙には謙の名前が書かれていない

紡紀「これね!」

【謙への手紙には謙の名前が書かれていない】 正解 

発言力 4 → 4.5

紡紀「あ……」

紡紀「そういえば謙の手紙には、謙へ宛てた手紙だと書かれてないわね」

志織「あ、そうだね。なんでだろう?」

めぐる「……不自然すね」

紡紀(謙へ届いた手紙……差出人のないそれは、多分謙へと確実に届けられて、その後は何も工作されなかったはずだ)

紡紀(だって事件後に謙から回収して、部屋に置くなんて不可能だから)

紡紀(となると、それ以外の何かトリックのようなものがあった……?)

【議論開始】

めぐる「謙さんへの手紙に【宛先が書かれていなかった原因】」

めぐる「それってなんすかね」

紡紀「【手紙】が二人を集める役割があった場合……」

紡紀「――わからないわね。なんで、わざわざ犯人はそんな回りくどい方法を――まさか、【犯人以外が工作】を?」

乾世「単に【忘れているだけ】かもしれないよ」

火六「いや、それは多分ないだろ」

アーサー「念入りに計【画していた】のは確かだ。そんな短絡的な手段はとらないだろう」

【】内のウィークポイントへ>>543のコトダマ、もしくは【】内の言葉を記憶し使用して論破、同意

 安価↓1

計画していた←手紙で同意

【計画していた】←【手紙】 不正解

紡紀「そうね、念入りに計画していたはずだわ」

アーサー「……それで、どうしたんだ?」

紡紀「念入りに計画していたなーと」

全員『……』

 視線が痛い!

 発言力 4.5 →3.5

 再安価↓1

【今日は落ちます】

宛先が書かれていなかった原因←【犯人以外が工作】

【宛先が書かれていなかった原因】←【犯人以外が工作】正解

紡紀「こうよね……」《同意》

 BREAK!!!

紡紀「多分、犯人以外が工作したんだわ」

青州「犯人以外、ですか?」

紡紀「ええ。差出人は書かれていなくても部屋に届ければ、誰への手紙かは分かる」

志織「だからこそ、他人の入り込む余地があった――ってことだね」

紡紀「そうね。というか、宛先を消す利点なんて、それくらいしか思い浮かばないの。差出人ならともかく」

紡紀「犯人にも、受け取った人にもいいことなんてないもの。だから――」


卓「疑問をご馳走しよう!」《反論》


卓「犯人以外が工作した」

卓「紡紀さんはそう言っていたな」

紡紀「え、ええ。言ったけど――」

卓「だがそれはあくまで仮定の話――推測だろう?」

卓「犯人や受け取った人が消した可能性もある」

紡紀「……」

紡紀(確かに、その可能性もある)

紡紀(でも、そうでないと断言できる証拠もある)

紡紀(反論するなら、受けて立とう)

【反論ショーダウン 開始】

卓「手紙の工作――」

卓「いや、まず【工作が行われたのか自体が怪しい】」

卓「工作が行われたとしても、【誰が行ったか判断することは不可能】だ」

卓「分かるだろ?」

卓「工作することに対して、【利点がある人物は事件に関わった全員】」

卓「被害者の謙君にすら利点はある」

紡紀(いや、違う……少なくとも犯人、謙くんは手紙の差出人なんて気にしていなかった)

紡紀(工作した人物もそれを分かってた上で利用したんだ)

紡紀(謙くんが差出人を気にしていない理由を、示そう……)

【】内のウィークポイントへ>>543のコトノハを利用し論破

 安価↓1

【利点がある人物は事件に関わった全員】←【全員のアリバイ】

【※間違いがあったため、訂します
  差出人 → 宛先】

>>590
紡紀「ええ。差出人は書かれていなくても部屋に届ければ、誰への手紙かは分かる」 → 紡紀「ええ。宛先は書かれていなくても部屋に届ければ、誰への手紙かは分かる」

ちなみに【利点がある人物は事件に関わった全員】←【全員のアリバイ】は不正解です。


 ということで改めて

【反論ショーダウン 開始】


卓「手紙の工作――」

卓「いや、まず【工作が行われたのか自体が怪しい】」

卓「工作が行われたとしても、【誰が行ったか判断することは不可能】だ」

卓「分かるだろ?」

卓「工作することに対して、【利点がある人物は事件に関わった全員】」

卓「被害者の謙君にすら利点はある」

紡紀(いや、違う……少なくとも犯人、謙くんは手紙の宛先なんて気にしていなかった)

紡紀(工作した人物もそれを分かってた上で利用したんだ)

紡紀(謙くんが宛先を気にしていない理由を、示そう……)

【】内のウィークポイントへ>>543のコトノハを利用し論破

 安価↓1

【誰が行ったか判断することは不可能】←【謙への手紙】

【誰が行ったか判断することは不可能】←【謙への手紙】 不正解

紡紀「これで証明して――できないわね」

 発言力 3.5 → 2.5

 再安価↓1

まだ?

【利点がある人物は事件に関わった全員】←【謙への手紙】

【利点がある人物は事件に関わった全員】←【謙への手紙】 正解

紡紀「矛盾――斬り伏せる!」《論破》

 BREAK!!!


紡紀「利点は少なくとも、謙くんにはなかったはずよ」

卓「――なんでだ?」

紡紀「彼の行動を思い出して」

紡紀「謙くんは手紙を読み、そして現場に向かった」

紡紀「その時手紙はどうしたと思う?」

卓「部屋に置いて――たんだよな」

紡紀「鍵がかかっている部屋にあれば、それが自分に宛てられたものだと分かってしまう。それなのに彼は部屋に置きっぱなしにしていった」

紡紀「これって、彼が工作していない証明にならない?」

卓「……確かに。しかしそれ以外の人物が工作した可能性も――」

紡紀「犯人も、少なくとも工作はしていないはずよ」

紡紀「手紙を届けて、その後どうなるかなんて予想できないはずだもの」

紡紀「どうなってもいいように考えているのが普通のこと」

紡紀「となると、考えられる可能性は犯人、被害者以外の誰かなのよ」

卓「それなら、たまたま犯人が片方の手紙の宛先を消した――」

紡紀「それもないわ」

卓「……なんで言い切れる?」

紡紀「決定的に――というのは過言かもしれないけど、怪しい人がいるから」

紡紀(手紙の宛先。それを工作した第三者)

紡紀(怪しいのは――あの人だ)


 怪しい人物を指定しろ

 安価↓1

【本当短いですが、今日は落ちま】

アーサー

【アーサー】 正解

紡紀「あなた……よね」

紡紀「アーサーちゃん」

アーサー「……」

青州「アーサーさんが?」

実咲「意外だね。でもなんで?」

紡紀「名前が片方の手紙に出ているし――もう片方の手紙にはアーサーちゃんの名前が書かれていた」

紡紀「そう考えるのが自然だと思うの」

乾世「他の誰でもできる――しかし一番可能性が高いのはアーサーさん」

火六「まぁ納得はできるな」

アーサー「いや、それはおかしい」

アーサー「俺は言ったはずだ。手紙について尋ねられたとき、出した覚えはないと」

外道「え? ならなんで紡紀さんは彼女を疑っているんだい?」

紡紀「簡単なことよ」

 アーサーが疑わしい理由は……?

 安価↓1

朝に食堂に寄ってるから?
全然わからないからヒント欲しい

もしかして安価待ち?

もしかして全然来なかったからやめちゃった?

後一週間だよ

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