射精管理お姉さんって何だよ…
もはやセピア色に褪せてしまった80年代のことだ。
高校生だった俺には双子の弟がいた。
あいつは2ゲットで日本中に名を轟かせた若手のエースだった。
天才と呼ばれ続けても決して驕らず努力を重ねる奴だった。
いずれはメジャーに行って世界一の2ゲッターとなり、 俺たち兄弟の幼馴染の南と結婚して幸せな人生を送るはずだった。
少なくとも周りはそう信じて疑わなかった。
けどあいつはその日を待たずに逝っちまった。
甲子園を目の前にした試合会場にあいつは現れなかった。
もしあの試合であいつが2ゲットできていれば俺たちは今とは全然違う未来を生きていたんだろう。
でもあいつは試合に行く途中で車にはねられちまった。
いま、俺は2ゲッターとして世界を相手に戦っている。
苦しい時もあいつが陰で見守ってくれていると信じているから乗り切れる。
南は言う。「タッちゃんはカッちゃんの代わりなんかじゃない。」
でも違うんだ。
あいつがあの時逝ったりしなければ俺は2ゲッターになんかなってない。
今日も俺はあと一歩で果たせなかったあいつの夢を追いかける。
あいつもきっと天国で見てくれているだろう。
高校生のまま時を止めたあいつと共にここに宣言する。
「2get」と。
射精管理局射精管理課第45係所属地方公務員
竹井10日乙
洗剤かよ
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