・パトレイバーと艦これのクロスSSです
・作中に原作には無い設定が出てきますが、御容赦ください(例、携帯電話など)
・双方の原作にいないキャラが都合上出てきます
・提督着任してまだ2カ月なので、艦娘の口調などが把握できてない場合があります。
それでも構わないという方は、どうぞ。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1412132678
~特車二課、課長室~
後藤「はあ……私が海軍に出向……ですか」
福島「不服かね?」
後藤「課長、エイプリルフールはとうに過ぎておりますが……」
福島「これは冗談ではない、この通り、正式な指令書もある」
後藤「はあ……しかし、畑違いの私が軍に行ったところで、物の役に立たないでしょう?」
福島「ともかく、君は日本海軍鹿屋基地の『艦娘』の提督として配属される事となった」
後藤「……はぁ」
福島「復唱したまえ」
後藤「ハッ! 後藤喜一警部補、命令により、日本海軍鹿屋基地に出向いたします!」
福島「……うむ」
課長室から退出しようとする後藤を、福島課長はふと呼び止めた。
福島「これは私の独り言だが……」
後藤「……」
福島「今回の出向の件、私は大いに疑問を持っているよ」
後藤「はぁ……」
福島「出来るだけ上の意向を調べてみよう」
後藤「はい」
福島「君の後任人事については任せる」
後藤「ハッ! では、後藤、退出します」
~隊長室~
南雲「それで、ほいほい引き受けちゃったって訳?」
後藤「しょうがないでしょ、しのぶさん、俺たちゃ所詮組織のコマだし、上の意向にはへー
こらしなきゃいけないわけよ」
南雲「それにしても、『艦娘』ねぇ……」
後藤「……」
南雲「海軍が保有する『対深海棲艦兵器』……艦娘という呼称だけは公表されてるけど、そ
の実態は極秘とされてる筈よね……後藤さんなんかに見せちゃって大丈夫なのかし
ら?」
後藤「その事だけどね、しのぶさん」
南雲「なぁに?」
後藤「しのぶさんの友人にいるでしょ、海軍じゃなくて、陸自の人。
その人と会える席を設けてくんないかな?」
南雲「いいけど……環生も所詮、陸自の人間だし、海軍の事情に通じてるとは限らないわ
よ?」
後藤「未知の分野に足を踏み入れる訳だからね~、課長も力になってくれるって言ったけど、
やっぱり、課長も公務員だからね、自分で動くしかないわけよ」
南雲「わかったわ、連絡は取ってみるけど、あまり期待しないでよ?」
~第二小隊、ハンガー~
野明「あっ! 来た!」
太田「隊長! 海軍に出向とは本当でありますか!?」
後藤「なんだなんだ、これしきの事で騒いで……それにしても耳が早いね~」
篠原「すみません、実家のツテで偶然聞いてしまいまして……」
野明「これしきの事じゃないよ~! 隊長がいなくなったら私達、これからどうすればいい
んですか~!?」
後藤「お前達もそれなりに場数は踏んで来たろうに……だいじょぶだよ、俺がいなくても
上手くやってけるさ」
篠原「それで、後任の隊長は誰になるんスか?」
後藤「それなんだがな、熊耳に頼もうと思ってる」
熊耳「私ですか?」
後藤「復帰したばかりのトコ、悪いが、第二小隊を守ってやってくれ」
熊耳「ハッ! 熊耳武緒、第二小隊隊長職を拝領します!」
後藤「うんうん、気楽にな」
野明「でも、それだと二号機のバックアップが空きますよね? 誰がやるんですか?」
後藤「あ~……それな~……悪いけど、進士、頼むわ」
進士「えっ!? ボ、ボクですかぁ!?」
太田「何だ! 進士! 俺のバックアップが不服か!?」
進士「い、いえ、そういう訳では……」(トホホ……また胃薬の日々が始まる……)
後藤「熊耳もいるし、そう気を落とすな」
進士「は、はい……」
カミソリ後藤か、超期待
篠原「それで、隊長は何処にさせ……あ、いや、配属になったんですか?」
後藤「気を遣わなくていいよ、ホントに左遷みたいなモンだから」
篠原「は、はあ……スンマセン、それで、何処の基地へ?」
後藤「鹿屋基地だ」
野明「鹿屋?」
山崎「鹿児島県の、大隅半島にある基地でしたね」
野明「そっか、ひろみちゃん、沖縄出身だから近いね」
熊耳「遠いわね……」
後藤「ま、所詮俺たちゃ小役人だから。
上の言うまま、地の果てまでってやつだよ」
篠原「それにしても、隊長、今度はあの深海棲艦? ってヤツをあいてにするんですか?」
野明「一回、東京湾にはぐれて来たやつとやりあったよね、あの深海魚みたいなヤツ……」
太田「おお! あの時の相手か! いやぁ、あの時は参ったぞ! いくら銃弾をぶち込んで
もちっとも堪えんでなぁ!」
篠原「通常兵器が効かないってホントだったんだよなぁ……」
野明「結局、あの時は水中用レイバーまで動員して何とか湾の外に追い出したんでしたっけ」
後藤「はいはい、俺はそんなのを相手にしなきゃならなくなったから、後の事は頼んだぞ
俺の帰る場所が無くなった、なんて事にならないようにな」
一同「ハッ!」
太田「ブツブツ」(いいなぁ……隊長、未知の怪物相手に思いきり銃をぶっ放せるなんて……)
後藤(とか思ってんだろうなぁ……俺がいなくてだいじょぶかね? この隊は……)
~とある居酒屋の一室~
南雲「遅いわね、環生……」
後藤「ま、こちらが無理言って来てもらうんだから、忙しいんでしょ、陸自も」
パタパタ……
南雲「あ、来たみたいね」
ガラッ
不破「遅れてゴメンね、しのぶ、それでこちらが……?」
南雲「ええ、第二小隊の後藤喜一隊長よ」
不破「初めまして、陸上自衛隊、空挺レイバー隊所属、不破環生二尉です」
後藤「どうも、後藤です、しのぶさんには、いつもお世話になっております」
不破「は、はぁ……」(話には聞いてたが、飄々とした人だな……)
後藤「とりあえず、ビールでいいですか?」
不破「は、はい、何でも結構です」
後藤「ま、この場はオフレコって事で、砕けて行きましょうや」
程よく酔いが回って来た頃、不破は本題に取り掛かる事にした。
不破「それで、私に聞きたい事とは、何ですか?」
後藤「そうですね~、私、今度から艦娘の指揮を執ることになったんで、色々聞きたいんで
すよ、艦娘の事とか、海軍の成り立ちとか、諸々を」
不破「艦娘の事については、私も詳しくは知りません、ただ、深海棲艦には艦娘の攻撃しか
通用しないというぐらいですね……」
後藤「深海棲艦には、私達も立ち会った事があるんですが、あれ、レイバーと比べても相当
小さいですよね?」
不破「はい、それに対する艦娘も、相当小さい様です……又聞きですが、人間大だとか……」
南雲「人間大?」
不破「……これは絶対オフレコにしてね?」
後藤「約束します」
不破「……生体兵器……らしいわ、それ以上の事はトップシークレットよ」
南雲「生体兵器ですって!?」
後藤「……」
後藤「……次は、海軍の成り立ちについて聞かせてもらってもよろしいですか?」
不破「ええ……ご存知のように、今、この国には海自と海軍が並立しています」
後藤「そうですね~……日本はあくまで専守防衛、ただし、海上の脅威となる深海棲艦に
対してだけは海軍が当たると……確かそんな感じでしたよね?」
不破「はい、海軍は深海棲艦が出現し始めた10年前に再び設立されました」
南雲「でも、10年前って言ったら、まだまだ左翼勢力が力を持ってた時期よね?
よく海軍の設立なんて案件が通ったわね?」
不破「そうね、でも深海棲艦の脅威は国際問題だったし、米国の強力な後押しもあったわ」
後藤(10年前……10年前って言ったら……やっぱ『アレ』かなぁ……いや、まだ真相は
雲の中だ……)
不破「それに、深海棲艦に対して艦娘の攻撃が有効だっていうのが立証された事も海軍設立
に拍車をかけたわ」
後藤(……)
南雲「海自が艦娘を管理するのじゃいけなかったの?」
不破「それが……どうも艦娘自体が軍制を希望したみたいなのよ」
南雲「艦娘が……? ちょ、ちょっと待って、艦娘は自由意志をもっているの!?」
不破「又聞きだけどね」
後藤(やれやれ……俺はどうやら厄介なモンに首を突っ込まされるみたいだな……)
不破「それでは、私は明日も任務なのでこれで失礼します」
後藤「いやぁ、お忙しい所お時間を取らせてしまって、大変申し訳ありませんでした」
不破「いえ、それじゃ、しのぶ、また飲みに行きましょうね」
南雲「ええ、帰り道、気を付けてね」
不破が店を出てから、後藤は一枚の名刺をテーブルの上に置いた。
後藤「しのぶさん、念の為に、これ持っててくれる?」
南雲「これ……あなたの友人の番号?」
後藤「万が一の為にね、連絡は密にしておいた方がいいと思うワケよ」
南雲「分かったわ……それにしても、『上』はどこまで関わってるのかしら?」
後藤「さあねえ……」
南雲「来週、赴任するのよね? ホントに大丈夫?」
後藤「鬼が出るか蛇が出るか……ま、行けば分かるでしょ」
今日はここまでです
艦娘出せなかった…
こんな感じでちょこちょこ更新していきます
次回は鹿屋基地に隊長が着任します
それでは、また
乙、これは期待しかない
乙
好きな作品のクロスがあると嬉しくなる
乙
好きな作品のクロスがあると嬉しくなる
陸自と海軍が併設される世界観なのん?
これは期待。艦これ知らんけど
廃棄物13号とかはないかね
乙
だから遅すぎると言ったんだ期待
これは久々に期待
ブクマしとかなければ
このクロスは期待せざるを得ない
深海棲艦の影響でバビロンプロジェクトとか停滞していそうだが、海の家の連中は海軍に反発してテロってそうだな
この世界の海軍は何処の特生自衛隊ですか?
篠原重工が出した結論 究極のレイバーは人造人間を作り出す事ってアニメ版であったな
篠原でなくシャフトがその結論出してきたのかしらん
漫画しか読んでないけど期待
こういう時舞台となるのが自分の鎮守府だと少し嬉しいかも
乙
幻の襲撃とかあるのかな
後藤さんは艦これ提督をやらせてみたいキャラの上位ですから期待してます。
皆で幸せになれるなww
ありがとう!オッサンにはたまらん内容だ
~1週間後、鹿屋市~
後藤「は~るばる~来たぜ、鹿児島~♪ ときたもんだ」
ジリジリ……
後藤「それにしても暑いね~、さすが南国」
後藤(大きくもなく、小さくもない、標準的な地方都市ってトコロかな……)
後藤「ヘイ、タクシー!」
キキッ
運転手「どうぞ、お客さん、どちらまで?」
後藤「鹿屋基地まで頼むよ」
運転手「基地っていうと、海自の方? それとも海軍?」
後藤「海軍の方」
運転手「ああ、艦娘さん達のいる方ね、了解」
後藤(ん……?)
後藤(地元民が艦娘の存在を知っている……? どういうことだ? 機密じゃないのか?)
後藤「ねえ、運ちゃん、地元の人は艦娘の事良く知ってるの?」
運転手「あ、いけねっ! 秘密なんだっけ?」
後藤「いや、俺、今度艦娘の指揮を執ることになってさ、色々事前に知っておきたいワケよ」
運転手「う~ん……そう言われてもなぁ……」
後藤「色々聞けたら俺の財布の紐も緩くなっちゃうかもね~」
運転手「へへっ、そうかい?」
運転手「っつっても、俺も詳しく知ってるワケじゃないんだよ、艦娘の子がよく地元の商
店街に買い出しに来るのを見かけるぐらいでさ」
後藤「へぇ~……怖くないの? 一応、兵器なんでしょ?」
運転手「基地が出来た頃は地元の人も警戒してたけど、みんないい子だからね、すぐに馴染
んだよ。
それに、ギソー?っつーの? 大きい艦娘さんは外してくるし、小さい艦娘さん
は用心の為に着けて来るけど、あれって人間相手にはあまり効果が無いって話だ
しねぇ」
後藤「へぇ……小さい子もいるの?」(ギソー? 艤装の事か……?)
運転手「俺の娘っ子みたいなちっちゃい子もたくさんいるよ」
後藤「ほぉ……運ちゃんの話は面白いね、もっと聞かせてよ」
運転手「え~っと、他にはねー……」
~鹿屋基地前~
運転手「着いたよ、お客さん」
後藤「ん、あんがと、釣りはいらないから、これで旨いモンでも食べてよ」
運転手「こんなに!? なんだかかえって悪いねぇ」
後藤「興味深い話を聞けたからね、ま、気にしないでよ」
運転手「はいよ、また利用してね~」ブロロロロ……
後藤「さて、と……」
後藤は眼の前にある建物をしばらく眺めた。
高い塀に囲まれた敷地の中に、煉瓦で外装を包まれた前時代的な建物と、いくつかのクレー
ン、小さな港が併設されている。
しばらくぼうっとそれを眺めた後、門をくぐろうとしたその時、凛とした声に呼び止められた。
??「待て、ここは一般人は立ち入り禁止だぞ」
後藤が声をかけてきた方を見ると、そこには一般的概念から遠くかけ離れた女性が立っていた。
まず目を引くのは、腰部を囲むように着けられた、巨大な艤装、物騒な砲塔まで付いている。
それと、黒く、艶やかな長いロングヘアに、頭の上に立っている二本のアンテナ状の物体、
それになんといっても、露出度が高い白いビキニとスカート……。
コスプレにしては物騒な格好だ。
後藤(これが艦娘……か)
長門「おい、聞いているのか? ここは関係者以外立ち入り禁止だ」
後藤「ああ、すまないね、俺も一応関係者なんだよ」
長門「む?」
??「長門さーん! その人はいいんだお!」パタパタ
長門「准尉? どういう事だ?」
??「ハアハア……お、お待ちしておりましたお! 私がこの鹿屋基地で副提督を務めておりま
す、日本海軍鹿屋基地所属、入速出やる夫准尉ですお!」ビシッ
後藤「お?」
やる夫「あ、これは口癖のような物で……気にしないでくださいお」
後藤「これは失礼……日本海軍中佐、後藤喜一、本日、平成三十六年七月二十八日をもちま
して、鹿屋基地に着任しました」ビシッ
長門「中佐だと……? 准尉、まさかこの人が……?」
やる夫「本日付けを以て提督として着任されました、後藤中佐ですお。
くれぐれも無礼の無いようにお願いしますお」
長門「提督か……フン、その男もどれほどの男やら、せいぜい私達の足を引っ張らないよう
にな」
やる夫「長門さん!」
長門「私は自主訓練があるので失礼する」スタスタ……
後藤「行っちゃったねぇ……嫌われたかな?」
やる夫「いえ、彼女は前任者のせいで提督という物に対して不信感を抱いてるだけですお。
お気になさらずに……」
後藤「……何があったのか聞いても構わないかな?」
やる夫「は、はぁ……」
やる夫「事の起こりは、大型建造が開放されたせいですお」
後藤「大型建造?」
やる夫「おいおい説明しますお、それで、開放されたとたん、前任者が……」
??「戦艦っていったら大艦巨砲主義だろjk」
やる夫「とか言って、資材も潤沢でないのに大和型を狙ったんですお」
後藤「大和型、ねぇ……」(運ちゃんの言ってた通り、艦娘には戦艦の名前が付けられてる
んだな……)
やる夫「その結果出てきたのが長門さんだったもんですから、前任者が……」
??「チッ、ハズレかよ」
やる夫「なんて言ったもんですから、世界のビッグ7としての矜持に触れて……とにかく、
前任者との関係が最悪だったんですお」
後藤「世界のビッグ7か……まるで本物の戦艦みたいな事を言うんだねぇ」
やる夫「……いえ、やる夫は彼女達の事を本物の戦艦だと思っていますお」
後藤「ん? どういう事?」
やる夫「それは、彼女達とコミュニケーションしたり、戦闘の様子を見てもらったりすれば
分かってもらえると思いますお」
後藤「ふーん……ま、それは置いといて、来て早々になんだけど、俺の仕事場に案内してく
んない? え~っと……入速出准尉」
やる夫「あ、呼びにくいでしょうし、やる夫の事は呼び捨てで構いませんお」
後藤「それじゃ、やる夫君、さっそく頼むよ、何しろ、警察からの出向だからいろいろ勝手
が分からんもんでねぇ……」
やる夫「ハッ! それでは執務室に御案内いたしますお!」
~執務室~
やる夫「ここが提督が執務をされる部屋ですお」
後藤「へぇ……立派なモンだ、前居たトコとはえらい違いだねぇ」
やる夫「仕事について説明しますかお?」
後藤「頼むよ、俺、あんまり頭が良くないから、簡潔にね」
やる夫「了解ですお、提督の仕事は大きく分けて、7つに分類されますお。
任務、編成、改装、補給、入渠、工廠、出撃……」
やる夫「……とまあ、簡単に言うと、こんな感じですお」
後藤「……なるほどね、一つ、質問いいかな?」
やる夫「何ですお?」
後藤「……『工廠』についてだけど……」
やる夫「はい、あらかじめ資源量を決めていただければ、そのバランスに応じた艦娘が軍部
から配属されて来ますお」
後藤「鋼材や燃料でねぇ……そんなんで艦娘が出来るの?」
やる夫「は、はぁ……艤装などに資源は使いますから……やる夫の様な末端には、軍部の機
密は分かりませんお……」
後藤(何やらこの青年にも思う所はありそうだな……ちょいとカマかけてみるか)
後藤「いや~、それにしても海軍の技術は凄いね~」
やる夫「そ、そうですか?」テレテレ
後藤「彼女達、まるで本物の人間にしか見えないもの」
やる夫「それはそうですお、彼女達はもともと普通の人間ですから」
後藤「……やはりか」
やる夫「あっ……!」
やる夫「い、今のは忘れてくださいお!」
後藤「そうはいかないな~、君の持ってる情報次第では口外しないって約束するけど?」
やる夫「カンベンしてくださいお……やる夫は命が惜しいですお……」
後藤「そう警戒するなよ……もう俺達仲間じゃない?」
やる夫「……」
後藤「君を正義感に溢れる青年と見込んで頼んでるんだけど?」
やる夫「……絶対に口外しないって約束しますかお?」
後藤「するする、もー、俺ってば口が固いので有名なんだから」
やる夫「彼女達は、適性がある事を理由に孤児院や海自、海軍から集められて来るんですお」
後藤「ふむふむ」
やる夫「集められた後は軍部の工廠に送られて……そこで艦娘として生まれ変わるんです
お」
後藤「生まれ変わる?」
やる夫「はい、艦娘達は艦娘になる以前の記憶を持っていません……文字通り、軍艦として
『生まれ変わる』んですお……」
後藤「軍艦として、か……」
やる夫「その代わり、艦名になった艦の『記憶』を受け継ぐんですお」
後藤「さっきの長門さんみたいにか……」
やる夫「はい……これ以上の事は、やる夫の様な末端には知らされておりませんお」
後藤「……君はこれが正しい行いだと思っているのかい? 率直な意見を聞かせてくれな
いか?」
やる夫「そ、それは……」
??「准尉、ちょっといいかしら? 今日の分の建造についてだけど……あら、お客さん?」
やる夫(助かったお!)「い、いや、千歳さん、今、新任の提督を案内していた所だお!」
千歳「新しい提督さん? 大変! みんなに知らせないと……!」
後藤「あ~……悪いけど、その『提督』っていうの、止めてくれないかな」
千歳「え?」
後藤「どうにもケツの座りが悪いもんで……呼ぶなら、『隊長』って呼んでくれ、前の職場
でそう呼ばれ慣れてたから」
千歳「隊長……ですか? ふふっ、何だか変ですね?」
後藤「他の子達にもそう伝えといてよ……え~と、千歳さん」
千歳「分かりました、私や他の子も呼び捨てで構いませんよ? 『さん』付けなんて、距離
を置かれてるみたいで寂しいですから」
後藤「はいよ、了解」
千歳「では、私はこれで失礼しますね」
後藤「彼女も艦娘?」
やる夫「はい、軽空母の千歳さんですお」
後藤「何というか……色っぽいね~、胸も大きいし」
やる夫「……一つ言っておきますが、艦娘に手を出したら一発でクビですお」
後藤「あったりまえでしょーが」
やる夫「……では、次は酒保を案内しますお、何かと厄介になるでしょうから」
~酒保~
明石「いらっしゃい、准尉! そちらが噂の『隊長さん』?」
やる夫「そうですお、後藤隊長ですお」
後藤「いや~……色々揃ってるんんだね~、みんな、ここで買い物を?」
明石「はい、男性用の日用品も取り揃えていますから、ご心配なく」
後藤「マイセン売ってる?」
明石「マイセン……ああ、マイルドセブンですか、今は在庫がありませんが、御要望があれ
ば取り寄せますよ?」
後藤「頼むよ……ん?」
後藤は酒保の陰からこちらを窺う4つの視線に気付いた。
見つかったと悟った少女達はパタパタとこちらに駆け寄ってきた。
暁「初めまして! あなたが新しい提督さん?」
響「暁、提督じゃなくて隊長だよ」
電「あうあう……よろしくなのです」
雷「よろしくね! いつでも私達を頼っていいのよ?」
後藤「初めまして……やる夫君、この子達も艦娘……?」
やる夫「はい、第六駆逐隊の面々ですお」
後藤「ちょうど酒保もあるし、お菓子でも奢ってあげようか?」
暁「お、お菓子なんかで懐柔されないわ! 私は一人前のレディーですもの!」
後藤「これはこれは失礼……今後ともよろしく」
暁「わ、分かればいいのよ!」
雷「ちょっと! 暁! 明石さんの所にお煎餅買いに行くついでに新しい隊長の顔を見て
みようっていったの貴女じゃない!」
暁「う、うるさいわね!」
響「……Слишком хорошо(もったいない)」
電「あうあう……」
結局第六駆逐隊は後藤に饅頭を買ってもらって嬉しそうに走り去って行った。
やる夫「すみませんお、隊長、無駄な出費をさせてしまって……」
後藤(……あんな幼い子供まで戦線に立たせるのか……)
やる夫「隊長?」
後藤(こんな事は絶対間違っている……)
やる夫(……きっと義憤に駆られてるんだお……やる夫もそうだったから……)
この瞬間、入速出やる夫は後藤隊長が信頼に値する人物である事を確信したのである。
今日はここまでです
狂言回しとしてやる夫を登場させてみました
賛否両論あるかとは思いますが、これで通したいと思います
次回の更新で後藤隊長が初出撃します
それでは、また
モブ役とはいえ名前くらいもっと捻った方がよかったんじゃねぇかなぁ
しかしいきなり中佐とは大出世だな
そっちのほうがいいんじゃないw
やる夫を知らないのか…
立場が上になろうと、やりたい事と思えないのなら……
裏で人体改造とか色々されてる所で働くって正直ちょっと
後藤さん以外、見事にだだ滑りだなぁ……
期待
期待
シゲさんによく似た別人とかのほうがそれっぽかったかも
まあ期待
艦これは設定が史実の艦隊が元ネタであること以外スカスカで味付けしにくいからシリアス系統の良作が殆ど無いんだよなあ
このSSには期待
元の娘達の人権云々は展開を待つとして。
たかが准尉ごときが副提督を務められる理由と、
陸と海で階級呼称が違うことに説明が欲しい。
>>1
小うるさい奴増えそうだけど頑張れ。
パトレイバーにもたまにオカルト回あったし、多少は親和性あるのかもね
めんどくさすぎワロタ
>>60
説明もなにも陸は自衛隊だけど後藤隊長の居る海は海自じゃなくて海軍ですし
すみません、今日の更新は出来るかどうか分かりません
あったとしても多分夜になると思います
それでは大和のブックカバー貰いに行ってきます
AAスレ以外でやる夫使用したSSは初めて見たw
他のパトレイバーキャラのそっくりさんを出さずに話をまわすならこの人くらいしかおらんわな。
しかし、現状対抗策は結局艦娘しか無いという
やる夫じゃなくてふつうに階級呼びとかでよかったんじゃないか?
やる夫だとどうしても違和感ある
急に読者様が沸いたね。気に入らないなら閉じればいいのに。
>>1さんの書きたいようにどうぞ。剃刀後藤の指揮が楽しみです。
シリアスに書き始めるとクソ面倒な連中がドヤ顔でぐちぐち言うからな。
だからギャグ路線になるかエタる。
>>1
気にするなよ
~執務室~
やる夫「……とまあ、ざっと案内しましたが、どうでしたかお?」
後藤「ん~……設備が充実してて羨ましく思ったよ」
やる夫「艦娘の印象はどうでしたか?」
後藤「いや~……いろんな子がいるもんだね~……会っていきなり「俺が怖いか?」なんて
聞いてくる娘もいるかと思えば、いきなり今日は何の日か聞いてくる子もいたり、自
称アイドルの娘もいたり……ちょっと賑やかすぎて混乱しそうだよ」
やる夫「ハハ……慣れればこの賑やかさが癖になりますお」
後藤(……本当に若い娘達しかいなかった……彼女達を戦わせるのか……)
後藤「んで? まず俺は何をすればいいワケ?」
やる夫「まずは彼女の話を聞いてくださいお」
大淀「初めまして、大淀です、主に任務の受理や整理をしております」
後藤「どうも……任務を受ける時は彼女に言えばいいのかい?」
やる夫「はいですお、受領した任務が達成されたら大淀さんが軍部に報告して、任務達成報
酬として資材が受け取れますお」
後藤「ふ~ん……ちょっと任務表を見せてくれるかな?」
大淀「はい、こちらになります」
後藤「……どれどれ……ん?」
やる夫「何か気になる事でもありましたかお?」
後藤「この、『近代化改修』とか『解体』ってどういうことだい?」
大淀「近代化改修は改修対象の艦に他の艦の力を吸収させ、強化する事です。吸収された艦
は基地からいなくなるので、御注意を。
それと、解体は文字通り、解体です、不要な艦を引退させ、艤装を資源化します」
後藤「……吸収されたり、引退した子達はどうなるのかな?」
やる夫「基本的に、普通の人間に戻るものだと考えてくださいお。
艦娘でなくなった子は艦娘として活動していた時期の記憶を失いますが、艦娘に
なる前の記憶を取り戻し、一定期間監視された後、元の海自や海軍、孤児だった子
は国の保護下に置かれますお」
後藤「……へぇ……それは確かな情報かい?」
やる夫「もちろんですお、やる夫がこの目で確かめ……あっ! い、今のは忘れてください
お……!」
後藤「……ふーん……」(この青年も軍部の事をあまり信用していないようだな……)
後藤「ともかく、改修や解体をすれば普通の生活に戻れる子が増えるって事だね?」
やる夫「……気持ちは分からなくもないですが、改修はともかく、無用な解体は避けてくだ
さいお。
艦娘達の動揺を招きかねませんお」
後藤「へいへい……ところで、さっき聞いて疑問に思ったんだけど、『力を吸収する』って
どういう事?」
やる夫「……隊長はオカルトを信じますかお?」
後藤「ん? 何だい、急に……、まあ、前の仕事でもいろいろ不思議な事件が起こったりし
たし、理解はあるつもりだよ?」
やる夫「隊長もご覧になったとおり、艦娘達の装備は35.6センチ砲などの名称は付いて
いますが、実際の大きさは小さな物ですお。
それでも艦娘の攻撃が深海棲艦に通用するのは、彼女達の攻撃に一種の『念』がこ
もっている為とやる夫は考えていますお」
後藤「……『念』ねぇ……」
やる夫「実際、軽空母の艦娘の中には、式神を使って艦載機を飛ばす娘もいますお」
後藤「式神、ねぇ……ホントにオカルトだね~」
後藤「つまり、改修ってのは、艦娘に艦娘の不思議な力を吸収させる事と考えていいのか
な?」
やる夫「そう捉えてくださって構いませんお」
後藤「際限なく強くなるワケ?」
大淀「いえ、艦によって改修によって上がる能力の上限値は決まっております」
後藤「ふーん……大体分かった、それで、どの任務から手を付ければいいのかな?」
大淀「あ、任務に取りかかる前に、まずは秘書艦を決めてくださいませんか?」
後藤「秘書艦?」
大淀「はい、隊長の実務を補佐する艦です」
後藤「よく分からないけど、それって大淀さんややる夫君じゃ駄目なの?」
大淀「私は任務の関係で軍部と往来したりしなければなりませんから……。
それに、これは艦とのコミュニケーションも兼ねていますし、秘書艦は第一艦隊の
旗艦も兼任しますから」
やる夫「どうしますかお? 何なら、艦娘の事が良く分かるまで時間を置いても……」
後藤「出撃時の秘書艦は長門、雑務をこなしてる時の秘書艦は千歳にしよう」
やる夫「……」
後藤「……いや、下心は無いよ?」
やる夫「……そうですかお?」
後藤「最初の方に会ったのも何かの縁だしね、そういうコトだから、2名を呼んできてくれ
るかな?」
やる夫「ハッ!」
~5分後~
千歳「千歳、入ります」
長門「長門、入る……さっそくだが、秘書艦が2名とはどういう事だ?」
後藤「書類仕事、得意かい?」
長門「うっ……ま、まあ、得意ではないが……」
千歳「私は、お手伝い程度ならなんとか……」
後藤「そゆこと、戦闘では頼りにしてるよ?」
長門「……言われるまでもない、ビッグ7の力、見せてやろう」
後藤(……大型戦艦としての誇りか……本当に艦の記憶を受け継いでいるんだな……。
いかんなぁ……)
後藤「さっそくだけど、秘書艦としての最初のお仕事。
この基地の現状を教えてくれるかな?」
千歳「それは……」
長門「最悪、の一言だ」
後藤「ほう」
長門「主に前任者のせいだがな」
後藤「詳しく教えてくれるかな? 前任者の轍は踏みたくないんでね」
千歳「……そうですね、まずは、資材の乱費です」
長門「大型建造や、戦艦や空母を狙った建造の乱発、大型砲を狙った開発の繰り返し……」
千歳「おかげで、出撃にまで影響が出るようになってしまいました……」
長門「それでも強硬に出撃を繰り返し、上手く戦果が上がらないと艦に八つ当たりし、気に
入らない艦は解体……」
後藤(うわぁ……)
長門「おまけに、セクハラまでする始末だ」
千歳「それが上層部にバレて、この基地は問題があるとして、供与される資材の量が他の基
地の二分の一にまで制限されてしまいました……」
後藤「やれやれ……頭が痛いね……」
後藤「ちなみに、主にセクハラされてた艦娘って誰だか分かる?」
長門「金剛と榛名が主に被害を受けていたようだ」
千歳「金剛さんは、そのせいで軽い人間不信に陥って、部屋に閉じこもっています……」
後藤「なるほど……ここでの話が終わったら、フォローしに行くか……」
千歳「是非そうしてあげてください」
後藤「ちなみに、その問題の前任者の名前は?」
やる夫「美府出やらない夫元少佐ですお」
後藤「その元少佐は、今何してんの?」
やる夫「降格されて、今は大湊警備府で漁船の護衛任務に就いていると風の噂で聞きました
お」
長門「フン……今ごろマグロ漁船でこき使われているだろうな」
後藤「なるほどねー……」(海軍って怖いねぇ……)
後藤「そんじゃ、艦娘の戦い方とか見てみたいから、明日にでも出撃してみたいと思うんだ
けど、どこを攻めればいいのかな?」
長門「……今攻略しているのは、南西諸島海域の沖ノ島海域だ」
やる夫「ここを攻め落とせば、北方海域、西方海域への出撃許可が下りますお」
後藤「ん? そこんトコロをもう少し詳しく」
やる夫「あ、言い忘れてましたお。
各鎮守府は、その戦績によって出撃できる海域が決められてるんですお。
実績を出せば、軍部から認められて、段階的に活動範囲が広がりますお」
後藤「へぇ……」(まるで深海棲艦の方からは攻めて来ないとあらかじめ知っている様なシ
ステムだな……考えすぎか?)
後藤「んで、その沖ノ島海域には何回ぐらい出撃したの?」
長門「……30回を越えてからは数えていない……」
後藤「ありゃま」
やる夫「決して長門さんたちの実力不足ではありませんお……沖ノ島海域はこれまでの海
域とは敵のレベルも違う上に、海流も複雑でなかなか敵主力部隊の居る場所まで
辿りつけないんですお」
長門「練度は足りているのだ!! 海流さえ味方に付ければ鹿屋基地の艦ここにありと誇
れる事が出来るのに……!」
千歳「長門さん、落ち着いて……」
後藤(こりゃちょっと危ういな……)
後藤「ま、突破出来たら御の字ぐらいに考えて、明日出撃してみようや、これまでと同じ
編成でね」
長門「同じ編成? そこは新隊長の腕の見せ所ではないのか?」
後藤「俺は艦娘に関してはド素人だし、実際にこの目で見なければ戦闘の妙も分からないし、
何がいけなかったのかも見極めなくちゃいかんからね」
長門「ふむ、なるほど……」
後藤「それで、編成はどんな感じだったの?」
長門「私、金剛、榛名、伊勢、赤城、千歳の6名だ」
後藤「6名? もっと多くの艦で行けないのかい?」
やる夫「何故か、艦隊の定員は6名と決まってるんですお、それ以上になると、艦娘の『念』
の力が大幅に弱まるようで……これは深海棲艦側も同じですお」
後藤「ほう……」(敵側と同じか……それにしても沖ノ島海域か……ある意味、重要なシー
レーンからは外れた、どうでもいい海域だが……)
千歳「隊長? どうかなさいましたか?」
後藤「いや、なーんでもない、それより、出撃メンバーに入ってるなら、なおさら金剛と
榛名のケアをしなきゃいかんね」
~金剛の私室~
金剛「……」
榛名「姉様……今日はお外がいい天気ですよ? ちょっと外に出てみませんか?」
金剛「……いいデース……」
榛名「姉様……」
金剛「ワタシが馬鹿だったネー……あんな男に僅かでも気を許したセイで……」
榛名「いい加減、あんな男のことは忘れませんか? 新しい提督も来たみたいですし……
あ、いえ、隊長でしたっけ」
金剛「……榛名は強いネー……」
榛名「榛名は大丈夫です……でも姉様がそんなんじゃ……」
金剛「……」
コンコン
後藤「あ~……金剛さん? 新隊長の後藤です、入ってもいいかな?」
金剛「!……ワ、ワタシはイマセーン!」
後藤「千歳も一緒だから安心してくれ、何かあったら撃っても構わんから……」
金剛「……」
榛名「姉様……」
金剛「……少しでも変な事したらブチ殺しますヨー!?」
後藤「了解……それじゃ失礼します……」
金剛「……」
後藤「金剛さん、前任者のせいで、済まなかった。
入ったばかりだが、海軍を代表してお詫びをする」ペコリ
金剛「!……」
榛名「そんな……て、いや、隊長がそんな簡単に頭を下げちゃダメです!」
後藤「それでも、お詫びをしたい。
その代わりと言ってはなんだが、これからの俺を見ていてはくれないだろうか?」
金剛「これからの……タイチョー……?」
後藤「ああ、新任の俺をすぐに信頼してくれなんて無茶は言わない。
ただ、これからの俺の行いを見て、信頼に足るヤツかどうか自分で見極めてほしい」
金剛「……」
後藤「俺から言えるのはそれだけだ、明日の出撃のメンバーに二人とも入っているから、大
丈夫なようなら出撃してくれ……無茶を言っているのは承知だ」
金剛「……」
後藤「……『カラ元気も元気』という言葉がある……それじゃ、失礼した」
そう言い残し、後藤は千歳と共に部屋を出て行った。
榛名「姉様……」
金剛「チョットだけ……チョットだけなら信じてみてもいい気がしマース……榛名は、平気
ですか?」
榛名「は、ハイ! 榛名は(隊長が冴えないオッサンでもイケる口なので)大丈夫です!」
金剛「……何か邪念があったような気がしマスが……それにしても……フフッ」
榛名「姉様?」
金剛「……『カラ元気でも元気』……いい言葉ネー……」
榛名「……ハイッ!」
~翌日、港~
後藤「おお~……立派な艦だね~」
やる夫「はい、隊長はこの海自から供与された輸送艦「おおすみ」で現場まで行ってもらい
ますお」
後藤「ここから指揮を執ればいいんだね?」
やる夫「はい、艦娘たちの耳にはレシーバーが付いていますから、ここから指示を飛ばして
くださいお」
後藤「今回は艦娘達に任せるけど、気をつけなきゃいかん事とかってある?」
やる夫「あ……一つ重要な事を言うのを忘れてましたお!」
後藤「?」
やる夫「大破した状態での進軍は絶対に避けてくださいお!」
後藤「そりゃまたなんで?」
やる夫「艦娘達は、一回の戦闘では沈むことはありませんお……何か不思議な力が働いて
いるようで……ただし、大破した状態で進軍して攻撃を受けた場合だけ、轟沈の
危険がありますお……実際、そのような報告がありますお」
後藤「轟沈っていうと……」
やる夫「その名のとおりですお、失った艦娘は二度と戻りませんお……」
後藤「……あー、あー、マイクテス、マイクテス、今の、聞いてたね? 轟沈だけは絶対に
避けるように」
長門『……言われるまでもない』
後藤「それでは、第一艦隊、出撃!」
金剛「久し振りに本気出すネー!!」
榛名「榛名、出撃します!!」
伊勢「新任の隊長にいいトコ見せなきゃね、行くよ!!」
赤城「一航戦、赤城、出ます!!」
千歳「絶対に生きて帰るんだから! 千歳、出ます!!」
長門「……今度こそ……今度こそビッグ7の誇りを見せてやる! 長門、出撃する!!」
後藤「おお~……海上をスケーティングしていく……」(これが……艦娘か……)
やる夫「驚いたでしょう?」
後藤「まあね~、長生きはしてみるもんだ」
後藤(さて……深海棲艦……艦娘……俺は、どう動けばいいかな? ま、なるようになるか)
今日の更新はここまでです
やらない夫が好きな方、ごめんなさい
版権キャラを憎まれ役にするわけにはいかないのでこういう形になりました
次回の更新で沖ノ島海域に決着がつく……予定です
それにしても、角川の商品を買わなきゃブックカバー貰えないなんて……商売上手ですねー
それでは、また
後藤隊長の乗艦はおおすみか……
海自の艦艇、これから他にも出てくるかな?
乙!
流石に軍だし、結構な野心家とは言え忍さんも乗り込んで来られなさそうね
乙です。
表面上は飄々としてる後藤隊長が心中では忸怩たる思いを持っている状況は、劇場版2でお偉方相手にキレた時を思い出します。
榛名wwwwwwwwwwww
~沖ノ島海域~
やる夫「沖ノ島海域に到着! これより深海棲艦掃討作戦を開始しますお!」
後藤「くれぐれも、無理はしないようにな」
赤城『了解! 開幕爆撃開始します!』
後藤「おお……? 矢が小さな戦闘機に変化した……?」
やる夫「驚かれましたかお?」
後藤「なるほどねー……こりゃたしかにオカルトだ……」
~初戦突破後~
後藤『あー、あー、被害報告を報告せよ』
榛名「伊勢さんが少しダメージを受けましたが、我々の勝利です!」
後藤『……大丈夫?』
伊勢「こんなのダメージの内に入らないさ、小破にも届いてないよ!」
後藤『では進軍せよ。 決して油断しないように』
後藤「ん……? 皆、北東に針路を変えたな……」
やる夫「変えたと言うより、変えられたと言う方が正しいですお……艦娘は所詮人間大なの
で、海流の影響をダイレクトに受けてしまうんですお」
後藤「そうか……で、このルートはどうなの?」
やる夫「何事も無ければ、敵主力部隊の居る位置まで辿りつけるはずですお」
後藤「ふーむ……」
~2戦目~
伊勢「くっ!」ドォン
やる夫『伊勢、小破!』
榛名「きゃあっ!!」ドォン
やる夫『榛名、小破!』
赤城「い、一航戦の誇り……!」ドォン
やる夫『あ、赤城、中破!』
長門「おのれ……! くらえ!! 46センチ砲の威力を!!」ドゴォン
やる夫『敵部隊沈黙……』
後藤「あー……まだやれるかい? 赤城」
赤城『だ、大丈夫です……戦闘中の攻撃は出来なくなりましたが、開幕爆撃は可能ですから
……』
後藤「……」
赤城『それに、デコイぐらいにはなれます!』
後藤「無茶しちゃいかんよ、一つしかない命なんだから」
赤城『ありがとうございます……大破はしていないので進軍可能です』
後藤「……それでは、進軍せよ」
後藤「……(マイクを外して)中破になると服が破けてしまうんだねぇ……」
やる夫「……変な目で見てはいけませんお?」
後藤「ハラハラし通しでそんな余裕無いよ……胃に悪いねぇ……」
~分岐点~
長門「くっ……! 海流に……流される……!」
金剛「長門、マズイネー! このままだと……!」
やる夫『北ルートに流されてますお……マズいですお……!』
後藤『……? あっちになにかあんの?』
千歳「来ます! 敵フラグシップ級空母です!」
後藤(人型……!? あれも深海棲艦なのか……?)
やる夫『てぃ、T字不利ですお!!』
赤城「く……せめて開幕爆撃で……!」
深海棲艦「…………」ズドォン
やる夫『制空権喪失!!』
後藤『……』
長門「ひるむなぁっ!! ヤツの攻撃まで時間がある! 攻撃を集中して沈めるぞ!!」
金剛「あ、当たらないネー!?」ドゴォン
伊勢「く……せめて随伴艦だけでも!!」ドゴォン
榛名「キャアアッ!!」ズドォン
やる夫『榛名、中破!!』
千歳「あ……! 敵空母攻撃、来ます!!」
ドッゴーン
長門「くああああっ!!」
やる夫『な、長門、大破!!』
後藤『一撃でか……? ここまでだな……』
やる夫『戦闘終了……戦術的敗北ですお』
長門「く……くそっ!!」
後藤『よし……大破した艦がいる以上、これ以上の進撃は認められない、帰投するぞ』
長門「ま、まだだ……」
やる夫『な、長門さん?』
長門「ここを過ぎれば敵主力に届く!! そうすれば海域突破も……!」
後藤『長門ッ!!』
長門「う……?」
後藤『隊長命令だ、撤退せよ。
なお、この命令に背いた場合、例え生きて帰った場合でも解体処分とする』
長門「な……!? ……くっ……!」
後藤『全艦、この海域より離脱する、命令は以上だ』
~鹿屋基地、執務室~
長門「何故撤退命令を出したッ!!」バァン
長門は執務テーブルを叩いて怒りを露わにした。
後藤「……」
長門「例え私が轟沈しても、敵主力さえ倒せばこの基地の名誉も回復できた筈だ!! その
為なら……私の命など……」
後藤「フーッ……名誉ねぇ……」
後藤は溜息をついて立ち上がり、長門の肩を掴んだ。
長門「な、何を……!?」
長門は抗議しようとしたが、後藤の鋭い眼に射竦められて言葉を飲んだ。
榛名(……怖っ!)
後藤「お前さん、自分の仕事を勘違いしてやしないかい?」
長門「な……何……?」
後藤「長門、お前の仕事は何だ、言ってみろ」
長門「それは……深海棲艦を殲滅する事……」
後藤「入速出准尉、我々の任務は何か、簡潔に述べよ」
やる夫「ハッ! 深海棲艦の脅威から国民の生命、財産を守る事でありますお!」
長門「……!」
後藤「そういうこった、国民の税金を投入されたお前達も、国民の財産の一部なんだ……
それが失われるという事は、敗北したのと同じ意味なんだよ」
長門「……」
そこまで言うと、後藤はようやく長門の肩を離した。
長門「くっ……!」ポロポロ
長門はいつの間にか涙を流していた。その涙の意味も分からずに……。
伊勢「隊長、女を泣かせちゃいけないよ……」
後藤「そうだな……お詫びにちょっといい話をしよう」
長門「……?」グスッ
後藤「俺は警察出身だが、警察と自衛隊と軍隊には共通点がある」
千歳「……? 何ですか、それは?」
後藤「俺達の仕事は、基本的に、負け戦なんだよ」
やる夫「負け戦……ですかお?」
後藤「そうだ、俺達は基本的に『何かあってから』でないと仕事が出来ない……その時点で
負け戦なんだよ」
長門「……」
後藤「同じ負け戦なら、せいぜい生きあがこうじゃないか」
金剛「タイチョー……」
後藤「長門、分かったか?」
長門「……納得は出来ない……だが、理解はしたつもりだ……」
後藤「今はそれでいい……さ、分かったら順番に入渠してこい、目の毒だ」
榛名「了解です……さ、長門さん、行きましょう?」
長門「ああ……」
そうして、執務室には後藤とやる夫、そして奇跡的に無傷だった千歳が残された。
千歳「隊長、きっと長門さんは分かってくれますよ……」
後藤「だといいね~」
やる夫「それで隊長、初出撃の感想はいかがでしたお?」
後藤「そうだな……何も分からんという事が分かった」
やる夫「ちょっ……!」
後藤「な~に、分からん時は分かるヤツに聞けばいいのさ」ニヤリ
千歳「?」
後藤「一つ聞きたいんだが、この周辺で日帰りできる他の基地って何処?」
やる夫「日帰りですかお? おおすみの移動力なら、大抵の場所には行けますが、近くと
なると、岩川基地、宿毛湾泊地、佐世保鎮守府などがありますお」
後藤「その中で、一番古い基地って何処かな?」
やる夫「佐世保鎮守府ですお」
後藤「そこの提督さんの人となりとか、分かる?」
やる夫「人となりですかお? 海自出身の老提督だ、ぐらいしか分かりませんお……」
千歳「相当のお酒好きとか聞いたことありますけど……」
後藤「それだけわかれば、じゅーぶん、じゅーぶん♪」
やる夫(な、なんか……)
千歳(悪い顔してるなぁ……)
今日の更新はここまでです……
沖ノ島攻略まで書こうと思っていましたが、途中で力尽きました
次回の更新で、たぶん沖ノ島攻略です
それでは、また
乙です!
パトレイバーあまり詳しく見たこと無いけど、後藤さんいいキャラだな
おつー
乙
海軍でもカミソリ後藤の切れ味は健在だった
乙!
カミソリを本格的に発揮するのは、もっと後なんだろうけどねぇ
乙です。
これはいいですね。続きも楽しみです。
乙
後藤隊長の更なる活躍に期待
乙
最近好き作品の艦これコラボ増えたな…。
艦これ側の設定確認しとくか…。つかキャラのビジュアルがわかんねーわ。
やる夫が細身で脳内で喋ってるから違和感だ。なんかこのやる夫はかっこいい
顔だけつぶれ饅頭みたいな感じ
つぶれ餡饅? まっしらけ?
乙です。
そういえば、今ちょうどGyaoでNEW ONAの後藤隊長と南雲さんの話が無料配信されてるね。
乙
名前はともかくシリアスシーンでおっおっ言われると草生える
シリアスで重くなりすぎないようにする為のいい感じのクッションになってんね
准尉ってことは海曹士からの叩き上げか…
乙
艦これはよく知らないけど後藤さん主人公というだけで読んだ
所々少しだけ後藤さんの話し方がイメージと合わない部分があるけど雰囲気は合ってるし面白いね 続きに期待
今一番心配なこと(特車二科
~3日後、佐世保鎮守府、港湾演習区域~
後藤「どうも、鹿屋基地に新しく着任した後藤です。
この度は、急な交流演習を引き受けていただき、誠にありがとうございます」ビシッ
老提督「お前さんが警察から出向してきたという変わり種か……まあ、海軍も慢性的な人手
不足じゃからな」
後藤「ええ、勝手が違う物で、どうにも二進も三進もいかなくって」
老提督「フン……」
後藤「これは、お近づきのしるしに……」
老提督「袖の下は受けんぞ」
後藤「まあまあ、そう言わず……お好きでしょう?」
老提督「ム……?」
老提督「こ、これは……! 森伊蔵、魔王、村尾! 薩摩が誇る3Mではないか!?」
後藤「いやー、手に入れるのに苦労しました」
老提督「ムホホ……いや、こういう贈り物なら大歓迎じゃ。
おぬしもイケる口かな?」
後藤「ええ、まあ……前の職場でも、何だかんだで飲む機会が多かったですから」
老提督「どうじゃな? 親睦を兼ねて、カラスミをつまみにして……」
後藤「いいですなぁ……お~い、やる夫君!」
やる夫「何ですお?」バタバタ
後藤「俺はこちらの提督さんと打ち合わせがあるから、演習が終わったら、皆を連れて帰っ
てくれない? 俺は電車で帰るからさ」
やる夫「は、はあ……了解しましたお」
老提督「お、そう言ってる間に演習が終わったようじゃの」
後藤「そうですねー……ウチの戦術的敗北ってトコですかね? いやー、やっぱり練度が違
いますね」
老提督「あれくらいの練度ならば、十分沖ノ島攻略も可能じゃろう……装備が悪いのかの?」
後藤「そこんトコロも、飲みながらでも、じっくりお話を伺いたいものですね……いやー、
それにしても、沖ノ島から帰って来て、吹っ飛んだ資材量を見て、目の玉が飛び出そ
うになりましたよ」
老提督「お前さんの基地は資材供与量を制限されとるからの……戦艦や空母を連続運用す
るのは厳しかろうて」
後藤「そういえば、私は聞かされていないんですが、基地への資材って、どこから調達して
るんですか?」
老提督「む……たしか、篠原重化学工業、四菱化学、シャフト石油あたりじゃったかの?
寡占状態という訳ではないようじゃが……」
後藤「へぇ……」
~1週間後、鹿屋基地、談話室~
長門「隊長は今日も佐鎮の老人と飲み会かっ!! どうなっているのだ! 准尉!!」
やる夫「そんなこと言われても……やる夫にどうしろって言うんですお……?」コロコロ
長門「コロコロをいじるな! うっとうしい!」
千歳「まあまあ、落ち着いて、長門さん……資材も回復するのを待たなきゃいけないし……
どっちみち、今は出撃は出来ないわよ」
長門「むぅ……」
天龍「しっかし、どうにも分かんねー隊長さんだよなー、なんつーの? 飄々としてるっつ
-か、掴みどころが無いっつーか……」
青葉「エヘヘ……青葉、調べちゃいました!」
長門「青葉?」
青葉「なんでも、あの隊長さん、警視庁時代は「カミソリ後藤」とか呼ばれた切れ者だった
みたいですよ?」
千歳「カミソリ?」
青葉「ええ、あまりにも切れすぎるみたいだから上層部に睨まれて、前の職場の特車二課に
島流しになったみたいです!」
天龍「とてもそうは見えねーけどなー……どう見ても冴えねーオッサンだぜ?」
長門「ムッ……」ギロッ
天龍(えっ……? 何で長門の姐さんがこっち睨んでんの……?)
青葉「その特車二課でも、『黒いレイバー事件』への陣頭指揮を執って、成果を上げたみた
いです!」
やる夫「黒いレイバー……ああ、あの」
長門「何か知っているのか? 准尉」
やる夫「一時期、大きな話題になりましたから……もしそれが本当なら……」
千歳「本当なら?」
やる夫「我々の隊長は相当な修羅場をくぐってきた、という事になりますお」
長門「……」
~同時刻、基地正門~
後藤「う~い、ただいま~っとくら~」
伊勢「隊長、おかえり」
後藤「おお、伊勢、夜の見回り? ご苦労様~」
伊勢「飲み会で親睦を深めるのもいいけどさー、こう連日だと、皆呆れてるよ?」
後藤「だいじょぶ、だいじょぶ、今日で終わりだから」バサッ
伊勢「あ、なんか落としたよ、えーと……『佐鎮虎の巻』……!?」
後藤「あ、やべ、それ返して、お願い」
伊勢「隊長、これどういう事?」
後藤「いや~……経験っていいよね~、こうして人に伝える事が出来るんだから」ヒック
伊勢「……」
後藤「明日から沖ノ島攻略の為の体制に移るから、皆にもそう伝えておいてね~」
伊勢「……良い隊長……なのかな?」
~隊長私室~
後藤「ふー……少し酔い覚まししないといかんな……」
プルルルッ プルルルッ
後藤「ん? ケータイ……あ、しのぶさんからだ」
後藤「もしもし、しのぶさん?」ヒック
南雲『もしもし……って、ひょっとして酔ってる?』
後藤「まあね~、ちょっと付き合いでね~」
南雲『想像以上に馴染んでるみたいでなによりだわ……ハァ……』
後藤「んで、そっちの具合はどうよ?」
南雲『大丈夫よ、誰かさんが居なくても』
後藤「ハハ……熊耳はどんな感じ?」
南雲『良くやってくれてるわよ、少し柔軟性に欠ける嫌いはあるから、大きな事件が起きた
らと思うとちょっと不安だけど、第二小隊の皆がいるから、大丈夫でしょ』
後藤「どんどん俺の居場所が無くなっちゃうなー」
南雲『冗談言ってないで早くケリをつけて戻ってきなさいよ、シゲさんが寂しがってたわよ』
後藤「出来ればそうしてるよー……」
後藤「そういえば、課長の調査はどうなってんの? あんまし期待してないけど」
南雲『駄目みたいね、本庁のそうとうな上が関わってる、ぐらいしか分からないみたい』
後藤「上ってーと……総監クラス?」
南雲『もっと上かもね、正直、分かんないわ』
後藤「ふーん……」(それより上となると……法務大臣か……大臣クラスを動かせるとなる
と……)
南雲『それよりも、実際赴任してみて、どう感じたのよ?』
後藤「これは俺の勘なんだけどね? どうも私怨臭いねー……」
南雲『私怨?』
後藤「わざわざ低評価されてる基地に配属させたりね、それが俺個人に対する怨みなのか、
それとも第二小隊の代表としてなのか、そこまでは分からんけどね」
南雲『身に覚えは?』
後藤「あり過ぎて困るねー……ん?」
プツ……プツ……
後藤(盗聴されている?)
南雲『……』
後藤(しのぶさんも気付いたな……)
後藤「そうそう、俺の『友達』によろしく言っといてよ、こっちに来たら歓迎するってね」
南雲『……あなたの『友人』ね、伝えておくわ』
後藤「それと……」
コンコン
後藤「ん? 誰か来たみたい、ちょっと待っててね」
後藤「はいはーい、どなたー?」
鳳翔「あ、隊長さん、これ、里芋の煮っ転がし多めに作ってしまったので、もし良かったら
と思いまして……お口に合うかどうか分かりませんけど……」
後藤「あ、鳳翔さん、これはすいませんなぁ……ありがたくいただきますよ」
鳳翔「フフ……お酒もほどほどにしてくださいね?」
後藤「気をつけます……それじゃ、おやすみなさい」
後藤「しのぶさん、お待たせ、それでね……」
南雲『私生活が充実してるようで何よりだわ、じゃあね』ブツッ
後藤「しのぶさん? 誤解だってば……まいったな……」
~翌日、執務室……のドアを勢いよく開ける長門~
長門「隊長! どういう事だ! 私を秘書艦から外すとは!!」
赤城「あ、長門さん」
後藤「怒鳴らないでよ……二日酔いで頭が痛いんだからさー……」
長門「自業自得だろう! それより、新しい秘書艦とは、赤城、お前か!?」
赤城「私も、今お話を伺ったばかりで……」
後藤「開発の間だけだよ」
長門「開発?」
後藤「そ、艦載機を作ろうと思ってね、空母が秘書艦だと良い艦載機が出やすいみたいだか
ら……どういう理屈か知らんけど」
長門「な、なんだ……そういう事か……」
赤城「それで、どんな艦載機を作るのですか?」
後藤「烈風ってのを狙おうと思っている」
赤城「烈風……? 知らない子ですね……?」
後藤「なんでも、佐世保の老人の話だと、制空値に優れた艦載機らしい」
長門「制空……」
後藤「今日から出撃と演習に影響が出ない範囲で開発を回す。
幸い、前任者が大艦巨砲主義だったから砲関係は間に合っているからな」
赤城「了解しました」
後藤「このレシピで回してね~」
長門「便利だな、その佐鎮の虎の巻とやらは」
後藤「まあね~」
~同日、港湾区域~
後藤「というわけで、資材の供給が見込めない以上、遠征を多くして資材確保に務めてもら
う」
電「は、はい」
叢雲「頑張るわ、まあ、せいぜい見てなさい」
後藤「第二艦隊の旗艦は那珂」
那珂「はーい、那珂ちゃん、巡業も頑張るよーっ!」
後藤「はいはい……第三艦隊の旗艦は夕立」
夕立「夕立、がんばるっぽい!」
後藤「短時間の遠征だが、何度も繰り返し行ってもらうので、思わぬ事故に気を付けるよう
に、以上だ」
~3日後~
赤城「何とか、2機の烈風が出来ました!」
後藤「よしよし……」
赤城「あと、何だか特殊な偵察機の様ですが、彩雲も1機出ました」
後藤「上出来、上出来」
赤城「これ以上の開発は出撃に影響が出るので無理ですが……」
後藤「優秀な艦攻や艦爆も揃ったんだろ?」
赤城「はい、十分すぎる程」
後藤「なら良し、3日間、秘書艦、お疲れ、後は長門に代わってくれ」
赤城「了解」
後藤「明日、沖ノ島海域へ出撃するから、今晩、大会議室に全員を集めてくれや」
赤城「は、はい!」
~その晩、大会議室~
ザワザワ……
後藤「あー……静粛に、これより、沖ノ島攻略の為の編成、及び作戦内容などを伝える」
ピタッ
後藤「まずは編成、長門、金剛、榛名、赤城、千歳、北上」
北上「え? アタシ? ……あ~何となくそんな予感はしてたんだよな~……ここ数日、
近代化改修が多かったから……」
長門「しかし、雷巡の北上では火力不足では?」
後藤「そうでもない……北上、甲標的を装備していくように」
北上「甲標的? あ~……千歳さんが前に装備してたヤツ?」
後藤「それによって先制雷撃が可能になる……今の北上の雷装値なら、開幕で敵1体は確実
に潰せる筈だ」
北上「マジ? アタシってば、実はスゴかったんだね~」
後藤「次に、長門、金剛、榛名は主砲の他に、偵察機、副砲を装備して弾着観測射撃を狙う
ように」
榛名「弾着観測射撃?」
伊勢「そういえば、偵察機を装備してた時、初戦辺りでそんなのが出来た気が……」
金剛「アレって狙って出せる物だったのデスネー?」
後藤「こちらが航空優勢以上の場合に限るがな」
長門「その為に烈風を開発したのか……なるほど」
後藤「作戦内容をまとめる。
まずは偵察機「彩雲」でT字不利を排除、その後、彗星、流星などの爆撃と甲標的
の先制雷撃で敵勢力を漸減、烈風によって得た制空権で弾着観測射撃を行い、敵を
掃討。
これを基本戦術とする、以上」
神通「T字不利排除!?」
羽黒「そ、そんな事が出来るのですか……!?」
長門「静粛に! ……では隊長、訓示をお願いします」
後藤「作戦は立てたが、敵主力の位置まで行けるかどうかは海流次第だ……例え明日失敗し
たとしても、運が悪かったと思って、諦めないように。
……資源に余裕がある限り、何度でも挑戦するぞ……今夜は、明日に備えてゆっくり
休むように、以上、解散!」
ザワザワ……
榛名「な、何だかいけそうな気がしてきました……」
赤城「慢心は禁物……気を引き締めていきましょう!」
~翌日、沖ノ島海域~
後藤『よーし、まずは初戦だ、作戦が通用するか確かめてくれ』
千歳「了解……敵艦隊、来ます!」
榛名「勝手は! 榛名が! 許しません!!」
~初戦後~
後藤『勝ったな……手ごたえはどんな感じだ?』
長門「大勝だ!」
金剛「スゴイネー! こんなスムーズに勝てたの初めてかもしれマセーン!」
後藤『勝って兜の緒を締めよ……油断だけはしないようにな』
赤城「了解です!」
後藤『それでは、進軍!』
後藤「ん……また北東に流れたな……」
やる夫「これで、大破さえしなければ敵主力の所まで行けますお!」
後藤「冷静にな……装甲の薄い北上が加わってるんだから、油断しないように」
北上『アタシならまだダメージ負ってないから大丈夫だよ~……それにしても、先制雷撃っ
て、スゴイね!』
やる夫「あれで的が確実に一つ減りますからね……」
後藤「何度も言うが、油断しないように」
赤城『了解です!』
~2戦目終了~
後藤『被害状況は?』
千歳「榛名さんが小破しましたが、他は無事です!」
後藤『榛名、いける?』
榛名「はい、榛名は大丈夫です!」
後藤『……それでは、進軍』
長門「了解!」
~分岐点~
金剛「くっ……また北に流されるネー!!」
長門「恐れるな! 大破さえしなければ大丈夫だ!」
後藤『前回と全く同じルートか……』
やる夫『……大丈夫でしょうか?』
後藤『油断は禁物だが、弱気も禁物だよ』
赤城「敵フラグシップ級空母、来ます!」
赤城「開幕爆撃、行きます!」
深海棲艦「…………!」
やる夫『航空優勢ですお!』
北上「まー、アタシは基本、雷撃だから……これもついでに持って行きなって!!」
ドッゴォーン
やる夫『敵フラグシップ級空母、中破! T字有利ですお!!』
長門「よし! これでヤツは無力化した! 後は無理せず、随伴艦を狙え!!」
金剛「了解ネー! 全砲門、Fire!」
~3戦目終了後~
後藤『被害状況は?』
長門「千歳が中破だ……あとは、細かいダメージをそれぞれ負っているな」
後藤『どう? 行けそう?』
千歳「大丈夫です! 開幕爆撃には参加できます!」
後藤『それでは、進軍! 沖ノ島攻略を終わらせよう』
長門「無論だ!」
~敵主力海域~
赤城「開幕爆撃、行きます!!」
北上「こいつもついでに持って行っちゃってーっ!!」
ドッゴォーン
深海棲艦「…………」
北上「げっ……! カスダメージ!?」
やる夫『制空権確保! 反航戦ですお!』
後藤『敵旗艦は段違いの強さだな……無理せず、随伴艦狙いに切り替えろ!』
長門「りょうか……!!」ズドォン
やる夫『て、敵フラグシップ級戦艦の砲撃、長門に直撃!!』
後藤『長門、いけるか?』
長門「フ……!」
長門「長門型の装甲は伊達では無い! 全主砲、斉射、てぇーーーーっ!!」
やる夫『長門、小破に押えましたお!』
後藤『よし! 残敵掃討に移れ!』
~昼戦終了後~
長門「ハア……ハア……や、やったぞ!」
後藤『やる夫君、戦況は?』
やる夫『ギリギリこちらの戦術的勝利確定ですお!』
長門「どうする、隊長? 夜戦に持ち込めば敵旗艦も倒せるかもしれんぞ?」
後藤『いや……十分だ、夜戦で万が一戦況をひっくり返されても困るしね』
長門「そうか……まあ、これで良しとしようか……」
金剛「何言ってるネー!? 長門、大勝利ネー!!」
赤城「敵戦艦、撤退していきます……」
後藤『お疲れさん、帰ってゆっくり風呂にでも入りな』
長門「了解!」
~その夜、鹿屋基地~
隼鷹「ヒャッハー! 隊長、もっと飲みなってー!」
ドンチャン、ドンチャン
後藤「アルハラはいかんよ、アルハラは……」
千歳「ふふ……私にもお酌させてくださいね、た・い・ちょ・う?」
後藤「……千歳、もしかしてかなり酔ってる?」
千歳「え~、酔ってまへんよ~……」
後藤(……だめだこりゃ……)
足柄「いちばーん! 足柄! モノマネしまーす! 妙高姉さんの中破ポーズ!!」
ドッ アハハ
妙高「……」ピキピキ
長門「フッ……」
長門は、酔い覚ましに外に出た。それを見た金剛がそっと後を追う。
長門「……」
金剛「長門、いい風ネー……」
長門「金剛か……そうだな……」
金剛「……今度の隊長さんは優しくて、とてもいい人ネー」
長門「ふ……惚れたか?」
金剛「カモネー?」
長門「……」
金剛「そういう長門は、どうネー?」
長門「……私か? 私は色恋沙汰などには、無縁だよ……」
金剛(長門も、素直じゃないネー……)
長門「……ふん……」
~翌日、執務室~
後藤「ドロップ艦? ……何それ?」アイテテテ
やる夫「……大丈夫ですかお?」
後藤「さすがに飲み過ぎたな……んで、ドロップ艦って何?」
やる夫「言い忘れてたんですが、敵艦隊に勝つと、軍部からその戦績に応じた艦娘が送られ
てくる事があるんですお」
後藤「あ、そうなの、んで、今回送られてきた艦娘さんは?」
やる夫「入ってきてくださいお」
山城「初めまして、超弩級戦艦、妹の方、山城です……あの……扶桑姉さま、見ませんでし
たか?」
後藤「どうも……アレ? でも扶桑も山城も、もう居るよね?」
やる夫「ダブりましたね……」
後藤「……んじゃ、装備取って近代化改修要員って事で」
山城「不幸だわ……」
今日の更新はここまでです
2-4苦労したので覚えてると思ったんですけど、意外と覚えてないものですね
私が2-4攻略した時はこんなオーバーキルな装備もってませんでしたが、後藤隊長の有能さを表現する為こうしてみました
なお、佐鎮の老提督には特定のモデルはいません
あえて言うと、wikiです
それでは、また
乙!
wikiとはまた心強い
乙ー。
物語が回りだすとワクワクするね。
乙~
ゲームシステムをメタ発言させずにSSで描写するのは大変だな
ギャグじゃないから尚更だ
乙
メタ無しでの説明の上手さは是非とも見習いたい
乙
今でこそ攻略情報は出揃ってるけど、何の知識もなく突っ込んだら最初のようになるよなあ
そういや後藤隊長ってバツイチだったよな。奥さんとは死別だけど
乙です。
キレ行灯が遺憾なく発揮されてますね。
これは期待ww
このスレ見つけてから劇場版パトレイバー1見たわ
後藤さんかっこよすぎ
乙
後藤隊長は漫画版準拠なのかな?
TV版とか映画版とかミックス?
おはようございます
ここの後藤隊長は、基本的に漫画版準拠です
パトレイバーはメディアミックスなので全てのメディアを網羅するのは大変ですよね……
今日の更新は都合により出来ないかもしれません
あったとしても、夜になります
それでは、また
乙
ダブりにも五分の魂
>>168
小説でそんな話あったな…
あとアルハラワロタw進士さんめっちゃ絡み酒だったな
なんとか少しだけ書き溜め出来ました
20:00頃から更新始めたいと思います
それでは、夕食食べて午後の分の演習やってきます
~3日後、執務室~
大淀「失礼します……隊長、軍部から北方海域と西方海域への出撃許可が下りました」
後藤「あ、そう、報告ご苦労さん」
やる夫「それで、どちらから手を付けますかお?」
後藤は手元の佐鎮虎の巻にちらりと目を落とした。
後藤「……北方海域を先に片付けてしまおうか」
長門「了解、それではモーレイ海攻略の準備に取りかかる」
千歳「あ、あの……その事なんだけど……」
後藤「ん? どしたの?」
千歳「資材が枯渇していて……連続出撃は無理そうです」
後藤「そんなにひどいの?」
千歳「1回や2回の出撃なら大丈夫ですけど……今までのように、戦艦や空母を集中活用
するのは無理そうです」
長門「まったく……沖ノ島を攻略したというのに、資材供給量は前のまま据え置きとは……
軍部はいったい何を考えているのだ!」
後藤「1回勝ったぐらいで信用を取り戻せるワケないでしょーが……焦っちゃいかんよ」
長門「むぅ……」
後藤(ま、俺への嫌がらせも兼ねてるんだろうが……それを言うと士気に関わるしな)
やる夫「それでは、どうしますかお? 遠征班の運んでくる資材に期待して、長期戦で挑み
ますかお?」
後藤「それでもいいが……ここは一つ、見方を変えてみようか」
千歳「見方を?」
後藤「貧者には貧者の戦い方があるってね……ま、なんとかなるだろ」
後藤は佐鎮の虎の巻が入ったファイルでパタパタと顔をあおいだ。
長門「?」
~翌日、執務室……のドアを勢いよく開ける長門~
長門「また私を秘書艦から外すとはどういうことだ! 隊長!!」
後藤「今日も長門は元気だね~……」ヌリヌリ
長門「ええい! 水虫の薬を塗りながら人の話を聞くな!」
後藤「いや、なに、対潜特化艦隊を編成しようと思ってねー」
長門「対潜?」
後藤「そ、戦艦は潜水艦に攻撃できないんでしょ?」
長門「ま、まあ……水中の敵には砲撃が届かんが……」
後藤「そういうワケだから、このリストに載ってる艦を連れてきてね~」
長門「む?」
長門「千歳、伊勢、五十鈴、由良……戦艦の伊勢がメンバーに入ってるのはどういう事だ?
それなら私が……」
後藤「伊勢は戦艦は戦艦でも航空戦艦。
偵察機、『瑞雲』を使えるから、潜水艦に攻撃できるしね~」
長門「むぅ……」
後藤「戦艦が入れば戦闘海域の海流が安定して攻撃の手数が増えるじゃない?」
長門「それでこの編成か……」
後藤「てなワケだから、さっそく連れてきてよ」ヌリヌリ
長門「……了解」ブスー……
後藤(何で不機嫌になるんだか……戦闘狂というワケじゃないみたいだが……)
~10分後~
長門「連れて来たぞ、隊長」
後藤「はい、ご苦労さん、今日からここにいる4名は、鎮守府近海対潜哨戒の任に就いても
らう」
伊勢「対潜哨戒?」
五十鈴「よく分からないけど、水雷戦なら、五十鈴におまかせよ!」
由良「由良のいいトコ、見せちゃおっかなー……」
千歳「旗艦はお任せください!」
後藤「頼りにしてるよー」
長門「……」ブスー……
五十鈴「それで、いつまでその任務を続ければいいの? 隊長」
後藤「んー……味方潜水艦の数が揃うまで」
由良「味方潜水艦?」
後藤「これによれば、この任務をこなすことで、潜水艦が軍部から送られてくる事があるら
しいんだわ」
伊勢「へぇ……佐鎮の虎の巻にはそんな事も書いてあるのかい?」
後藤「まあね~」
千歳「それにしても、潜水艦なんてどうするんですか? あれって、たしか雷撃しか出来な
いでしょう?」
後藤「それは潜水艦が揃ってからのお楽しみ……さっそく、任に就くように」
4名「了解!」
~1週間後~
168「伊168です! イムヤって呼んでください!」
58「ゴーヤでち!」
19「イクなの~」
後藤「着任お疲れさま~、いや~、もっと時間かかると思ってたけど、案外早く揃ったね~」
後藤(なんで学校指定水着なんだろね~……? 潜水艦だから? 軍部の考える事は意味
不明だね~……)
長門「……それで、この子達に何をさせるつもりなのだ? 隊長」
後藤「それはそれとして……君達、仕事は好きかい?」
58「はい、ゴーヤ、お仕事大好きでち!」
後藤「そうかそうか……」
後藤「ある程度演習して、練度が上がったら、さっそく出撃してもらうよ」
168「はい! どこの海域ですか?」
後藤「オ リョ - ル 海」
19「オリョール海、なの~?」
長門(なんでいまさら攻略済みの海域を……?)
後藤「……みんなで幸せになろうよ?」ニタァ
168「な、なんか……」
58「悪い予感がするでち……」
~2週間後~
19「た、ただいまなの~……」
168「つ、疲れた……」
58「ろーどーきじゅんほーいはんでち! 訴えるでち!」
那智「お前達は今日もオリョール海周回か……疲れただろう、ゆっくり休め」
58「疲労がとれたら、またどーせオリョール出撃でち……」
天龍「隊長も案外えげつないよなー……」
天龍「しっかし、よく考えたもんだよなー」
龍田「そうね~、オリョール海には敵補給艦や軽空母がいるから、任務達成にはもってこい
だものね~」
那智「しかも、オリョール海の敵は、初戦を除いて、ほとんどが潜水艦に攻撃することが出
来ない……安全に任務をこなすことができるな」
19「それでも、攻撃が当たる時には当たるの~……」
天龍「でも、お前ら、入渠時間はすっげー短いんだろ?」
龍田「燃費も、格段に良いしね~」
那智「オリョール海には、簡易補給部隊の数も多い……出撃すれば、必ず燃料の支給部隊と
どのルートを通っても遭遇する……出撃するたび燃料が増えるなどと、我々の構成
では考えられない事だぞ?」
168「辞表の書き方って、どうやるのかしら?」
天龍「まあまあ……」
那智「任務達成報酬と、遠征艦隊が持ち帰る資材で、我々の基地の資材も潤沢になった……
これなら、いくら出撃しても大丈夫そうだな」
58「今からでも他の基地に行きたいでち……」
青葉「青葉、調べちゃいました!」
天龍「青葉? 何をだよ?」
青葉「なんでも、潜水艦を使った資材確保は、何処の鎮守府でもやってるそうですよ?」
龍田「あらあら~、そうなの~?」
青葉「しかも、場所によっては、疲労してても構わずに周回させるとか……ここの基地は、
疲労が取れるまで待つ分だけ、ホワイトみたいです」
58「救いは無いんでちか……?」
後藤「お、ここにいたか、お前達」
58「げ」
168「た、隊長……」
19「ちょっとは休ませて、なの~……」
後藤「うんうん、疲労が取れたら、もう何回かオリョール海、行ってきてね~。
あと一回、敵主力に勝利したら、任務達成だから、それが終わったら休んでいいぞ~」
天龍「なんつーか……鬼だな……」
58「も、もうオリョール海は嫌でち~~~~~~~っ!!」
本日も、58の悲痛な叫び声が基地内に響き渡ったという……。
58「救いはないんでちか?」→「そんなものはない」
以上ブラ鎮より中継でした。
今日の更新はここまでです
というわけで、今日は資材確保の為のオリョクル回でした
ベタですが、これをやっとかないといつまでたっても貧乏鎮守府なもので……
次回の更新は、今日書ききれなかった小ネタになる予定です
みなさんも、たまには潜水艦に休暇を与えてくださいね?
私も、今はオリョクル中止して、8ちゃんと一緒に遠征に行かせてます
「48時間のヤツ」
それでは、また
可哀想だけどクソワロタ
そうなんだなぁーwww
続きも期待してるけどリアル大事にな
乙
乙
やっぱりオリョクルだったか
ながもん、後藤さんには南雲さんがおるんや…
みんなで幸せになろうよ。
頂きました!
オリョクルわろた
Wikiの万能っぷりが凄い
アンサイクロの方にはどんな事が書かれてるんだろうか、艦これ
>>194
映画で振られてたやん
ゴーヤ、今おまえは「呪ってやる~~~~~!!」と叫んでいいぞ。
すみません
所用があるので、たぶん土曜までは更新無理そうです
それまでに書き溜めが出来たら更新するつもりなので、焦らずお待ちください
それでは、また
待ってます。
度々予定を変更してすみません
予定外に用事が早く終わって書き溜め出来たので、20:00頃から更新始めます、たぶん
今回は小ネタ2本です
大歓迎です!
~3日後、モーレイ海海域~
長門「初戦突破だ!」
後藤『ご苦労さん、被害状況教えて』
千歳「細かいダメージはそれぞれ負っていますが……小破の艦もいません、まだまだいけま
す」
後藤『ん、じゃあ進軍』
長門「了解した!」
~2戦目~
千歳『きゃあっ!』
やる夫「千歳、中破!」
千歳『やだ……大切な飛行甲板が……』
やる夫「ブッ!!」
後藤「ん? どったの、やる夫君?」
やる夫「な……なんでもありまへんお……」ポタポタ
後藤「……(マイクを外して)ほい、ティッシュ、鼻に詰めときなさい」
やる夫「す、すびばせんお……」
後藤(やる夫君も若いしねぇ……今の環境は生殺しみたいなもんだし、いろいろ我慢して
るんだろうねぇ……)
長門『隊長? 何かあったのか?』
後藤「いや、な~んも、それより、勝ったみたいだね」
長門『ああ、千歳が中破したが、我々の勝利だ。
それより、海流が激しくて、ここから先には行けなさそうだ』
後藤「そこから敵主力部隊のいる場所へは行けそうもない?」
北上『海流で遮断されてるから無理そうだね~、ここで行き止まりだよ』
後藤「ハズレルートを引いたか……お疲れさん、一旦帰投しよう」
長門『了解!』
~執務室~
後藤「今日はお疲れさん」
長門「それはいいが……准尉はどうかしたのか?」
後藤「なに、ちょっと転んで鼻を打ってね……気にしない、気にしない」
やる夫(隊長……すみませんお)
後藤「それより、モーレイ海の手ごたえはどうだった?」
長門「千歳が中破はしたものの……沖ノ島程の脅威は感じなかったな」
後藤「ふむ」
赤城「決して慢心している訳ではありませんが……あれなら、海流さえ味方に付ければ、海
域突破もすぐにできると思います」
北上「沖ノ島みたいな複雑な海流でもないしね~」
後藤「だいたい分かった……それでも、油断だけはしないように、では、ダメージの大きい
順に入渠してくるように」
長門「了解」
後藤「あ、やる夫君は残ってね~、ちょっと話があるから」
やる夫「は、はいですお」
長門「?」
艦娘達がドックに向かった後、やる夫は後藤に頭を下げた。
やる夫「すみませんでしたお、隊長……無様な姿をお見せしてしまって……」
後藤「いいの、いいの、それより、今夜、一緒に飲みに行かないかい?」
やる夫「……や、やる夫はお酒はあんまり強くない方で……」
後藤「やる夫君も、いろいろ日頃の鬱憤が溜まってるだろうしさ……天文館辺りで、キレイ
なお姉ちゃんに囲まれて、泡の出るお酒でも……どうだい?」
やる夫「き、キレイなお姉さん……」ゴクリ
後藤「どう? 奢るよ?」
やる夫「そ、そんな、悪いですお……」
後藤「金の心配ならするなって……俺、出向だけど階級は拍付けで上がったから、給料はそ
れなりに貰ってるんだよね~……ええと、ひー、ふー、みー、よー……」
後藤は財布の中身を指で数えた。
後藤「……泡の出るお風呂でもいいかな~……」
やる夫「ぜひお供させてくださいお!」ビシッ
後藤「うんうん、素直でよろしい、じゃ、今夜、艦娘達に気付かれないようにな……」
その時、後藤も多少浮かれていたので、ドアの外の気配に気づかなかった。
青葉(……青葉、聞いちゃいました!)
~その夜、基地正門付近~
やる夫「隊長、お待たせしましたお……」ヒソヒソ
後藤「うん、じゃあ行こうか」ヒソヒソ
??「何処へ行こうというのだ? 二人とも」ガサッ
やる夫「な、長門さん……!」
長門「……」
後藤「いや、これは部下との交流というか、飲みニケーションというか……見逃してよ、お
願いだからさー……」
長門「……」ドドドドド
後藤(あー……こりゃダメだわ、相当怒ってらっしゃる……)
那智「夜間の無断外出は禁じられている……部屋に戻れ、隊長」ガサッ
やる夫(げえっ! 鬼の風紀番長、那智さん!)
那智「隊長自らが風紀を乱すのは感心しないな……長門が暴れない内に、戻った方が身の為
だぞ?」
長門「……」ドドドド
後藤「まいったなー……」ポリポリ
鳳翔「お酒の肴なら、私が作ってさしあげますから……」ガサッ
やる夫(艦隊のお艦、鳳翔さんまで……!)
後藤「……ちなみに聞くけど、今回の話って、ドコまで広まってんの?」
那智「青葉が基地中に触れ回った……駆逐艦の子達には教育上、悪影響があるから、箝口令
を敷いたがな」
後藤「そりゃどーも……」
後藤「諦めて、鳳翔さんの料理で宅飲みしようか、やる夫君?」
やる夫「は、はいですお……」トホホ
長門「……バカ」ボソッ
後藤「ん? なんか言った?」
長門「な、なんでもない!! 早く部屋に戻れ!!」
後藤「へいへい……」
それから数日の間、後藤とやる夫は軽巡以上の年の娘達から白い眼で見られたとさ。
~1週間後、執務室~
後藤「赤城の暴食を治してくれ? そりゃまたなんで?」
千歳「はい、沖ノ島とモーレイ海を攻略して気が緩んだのか、赤城さん、以前にも増して食
べる量が増えて……」
長門「我々戦艦も燃費が悪いほうだが……あれはいくらなんでも食べ過ぎだ、食料の在庫量
にも、そんなに余裕がある訳ではないしな、何とかしろ、隊長」
後藤「俺は直に見たことないけど……そんなにひどいワケ?」
長門「ひどいなんてもんじゃない、あれならイナゴの方がまだマシだ」
後藤「仲間のお前さん方が言ったらどうなのさ、そんな事……」
長門「言っても聞かんから、こうして隊長に頼んでいる」
後藤「へいへい……それじゃ、まずは実態調査してみましょうかね……」
千歳「お願いします、隊長」
~その夜、間宮食堂~
赤城「あ、隊長、お先に頂いています」モグモグ……
後藤「おう、赤城」
間宮「あら、隊長さん、食堂に来るなんて珍しいですね?」
後藤「ま、たまにはね~、間宮さん、今日のオススメ、一つちょうだい」
間宮「はい、今日のオススメは、豚の生姜焼き定食ですよ~」
後藤「……赤城はラーメンか?」
赤城「? いえ、隊長と同じメニューですけど……」
後藤「ん? だが、そのラーメン丼ぶり……」
赤城「あ、間宮さん、ご飯おかわりお願いします」
そう言って赤城は丼ぶりを差し出した。
後藤「……」
間宮「はい、赤城さん、どうぞ~」
赤城「? どうかしましたか? 隊長」モグモグ
後藤「……いつもそんなに食べるワケ?」
赤城「そうですね……最近、特に、演習の後なんかお腹が空いちゃって」モグモグ
後藤「……」
赤城「あ、間宮さん、ご飯おかわりおねがいします」
間宮「は~い」
後藤「……ちなみに、それ、何杯目?」
赤城「? 七杯目ですけど?」
後藤「なるほど……」(こりゃひどい……)
~翌日、大会議室~
ザワザワ……
後藤「あ~、静粛に、これより、不足しがちな食糧備蓄の増産のために、自給自足作戦を開
始する」
羽黒「自給自足作戦……ですか?」
龍驤「そないに逼迫してるんでっか?」
後藤「これはあくまで、万が一に備えた作戦である……本日より、ビニールハウスを設置し、
ビタミン補給の為に野菜を植える……それでは、自給自足作戦の班長を決める」
シーン
後藤「赤城、お前に班長を任せる」
赤城「私ですか?」
ザワザワ……!
後藤「あ~、静粛に」
龍驤「そないな事言うたかて……班長が赤城はんやと、実が生った片っ端から食われてしま
いまっせ!?」
後藤「これは決定事項である、赤城班長のもと、各員は手の空いている者が交替で作業し、
増産に励むように……以上、解散」
ザワザワ……
~翌日、基地空き地~
後藤「おー、こりゃまた立派なビニールハウスが出来たもんだね」
赤城「はい、手の空いてる子が総がかりでやってくれました」
後藤「そんじゃ、今日にも苗を注文するから、届いたら植えてね~」
~その翌日~
赤城「苗が届きました! さっそく手分けして植えます!」
後藤「がんばってね~」
赤城「明日にも収穫できるでしょうか?」ワクワク
後藤「んなワケないでしょ……水やりは適度にね~」
赤城「は、はあ……」
~そのまた翌日~
後藤「精が出るね~、赤城」
赤城「はい、実が生るのが楽しみで……明日には収穫できるでしょうか?」
後藤「バカな事を言うんじゃないよ……雑草取りはしっかりね~」
赤城「……はあ」
~1週間後~
後藤「ん? どったの? 赤城、ビニールハウスをじっとみつめて……」
赤城「あ、隊長……野菜を育てるのって、大変なんですね……」
後藤「そうだね~、農家の方々に感謝しなきゃね~」
赤城「……」
後藤「んじゃ、俺は雑務があるから、執務室に戻るわ」
~その夜、間宮食堂~
間宮「今日のオススメは、夏野菜のカレーと、トマトとキュウリのサラダですよ~」
赤城「! ま、まさか、誰かが勝手に収穫して……!」
後藤「んなワケないでしょ、普通に農家から仕入れた野菜だよ」
赤城「あ、隊長……」
間宮「赤城さん、いつも通り、丼ぶり盛りですね?」
赤城「あ、い、いえ……ふ、普通盛りでお願いします……」
ザワッ
赤城のその発言に、食堂にいる全員が目を丸くした。
間宮「はい、カレー、どうぞ~」
赤城「あ、はい……」
後藤「すまないね、間宮さん、さて、食うか」
赤城「……」
後藤「ん? どったの? 赤城、食べないのか?」
赤城「あ、いえ……い、いただきます……」
後藤「そうそう、農家の皆さんに感謝しながらいただくように」
赤城「ふぁ、ふぁい……」ポロポロ
赤城は、スプーンを口に運びながら涙をこぼしていた。
後藤「……うまいか? 赤城……」
赤城「ふぁい……おいひいでふ……」ポロポロ
~翌日、執務室~
後藤「これで赤城も、食い物のありがたみを知っただろ」
長門「何というか……婉曲的なやり方だな……」
後藤「ガツンと言ったところで、喉元を過ぎたら熱さを忘れちゃうからね~」
千歳「戦艦や空母達も、今回の件でそれぞれ考える事があったようです」
後藤「そりゃ良かった……さて、ちょっと独りにさせてくんない?」
後藤は、手元の佐鎮虎の巻に目を落とした後、煙草に火を点けた。
長門「……? 何故だ?」
後藤「俺だって独りで考え事したい時もあんの……隊長命令だ」
千歳「は、はあ……了解です」
二人が出て行ってから、後藤は窓の側に立って物思いを始めた。
後藤(……気は進まんが……やるしかあるまい……)
フーッと煙を吐き出す。
後藤(キス島か……長門は、怒るだろうな……)
今日の更新はここまでです
というわけで、今回は小ネタでした
次回の更新からシリアスモードに戻ります
それでは、また
乙
救出作戦か、それとも潜水艦デコイレベリングか
乙です。
後藤隊長の緩急が良いですね。
乙
これはハゼ回も期待していいんですね!?
乙
自給自足作戦といわれてハゼ釣りに行くのかと期待してしまった
乙
ハゼ回ではなかったか 次の小ネタ回を大人しく待とう
ああは言われても、悶々問題は避けられない事柄だろうよな。軍人なら特に……
なんか、ハゼネタが期待されてるみたいですね
ですが、このSS書き始めてから「艦これ 後藤」で検索してみたのですが
渋で後藤提督のハゼネタが既にあるようなので、ハゼ回はやりません
今日の更新は出来るかどうか微妙なところです
焦らずお待ちください
乙です。
待ってます。
後藤提督ハゼネタって、同人誌の予告漫画が一つあるだけですやん。
省略しないでやって欲しいなぁ。
あと今晩は深夜からニコ生でパトレイバーNGやるから忘れないようにカキコ。
間宮さんも鳳翔さんもいるから上海亭ネタは無いだろうなぁww
話題に出して上海亭が引かれるってネタがあるだろ。あそこの労働環境を鑑みればどっこいどっこいとも考えられるが
乙~
特車二課も立地と食を除けば普通の職場環境だけどな
ギリギリ書き溜め出来ました
20:00頃から更新始めます
>241
了解!
全裸で待機します
~翌日、執務室~
長門はいつにも増して凄い形相で執務室の扉を乱暴に開けた。
長門「電が第一艦隊の旗艦とはどういうことだ隊長!! あの子はまだ子供だぞ!!」
やる夫「な、長門さん、落ち着いて……!」
後藤「……」
長門「いつものように韜晦して誤魔化そうとしてもそうはいかんぞ!!
返答次第では、隊長といえども、ただではおかん!!」
後藤「……キス島方面作戦だ」
長門「何!?」
後藤「……キス島方面海域は、特殊で激しい海流が流れている為、軽量、高速の駆逐艦の
みの編成でないと、敵主力の元まで辿りつくことができない……」
長門「だ、だが駆逐艦達はまだ幼い! 子供を戦場に送る事に良心の呵責は無いのか!?」
後藤「無いワケ無いだろーが……」
長門「だったら! そんな海域放っておいて先に西方海域を攻略するとか、やりようはある
はずだ!」
後藤「フーッ……」
後藤は溜息を一つつき、煙草に火を点けた。
後藤「知っての通り、俺は警察からの出向組だ」
長門「知っている! それがどうした!」
後藤「言わば、バーの雇われマダムみたいなもんだ……いつ呼び戻されるか分からん」
長門「え……?」
長門は、その言葉に不意討ちをくらって言葉を詰まらせた。
後藤「だから、後進の為に、こういう気の進まない仕事は片付けておきたいと思うワケよ」
やる夫「隊長……それで北方海域を先に……?」
長門「……」
後藤「まあね……長門、聞いてる?」
長門「……! あ、ああ……聞いている……」
後藤「俺の後任が、必ずしも善人とは限らん……もしかしたら、大破進撃を駆逐艦達に命じ
るかもしれん」
長門「……!」
後藤「だから、できれば俺の目の届く内にキス島攻略は済ませておきたい……長門、分かっ
たか?」
長門「納得は出来ないが理解した……その代わり! 隊長が妙な真似をしないか、監視させ
てもらうからな!!」
後藤「どーぞ」
長門「まず、駆逐艦隊と言っても、編成はどうするつもりだ?」
やる夫「電、雪風、響、夕立、時雨、綾波の6名ですお。
これは当人達にも伝達済みですお……」
長門「……何故、その6名なのだ?」
後藤「電、雪風は今の駆逐艦達の中で最も練度が高い……残りの4名は、さらなる改装の可
能性がある」
長門「さらなる改装? 千歳や北上のようにか?」
後藤「そういうコト……さっきも言ったが、後の事も考えておかにゃならんのでな」
長門「……」
長門「……大体の事情は分かった、だが、キス島が駆逐艦のみで戦う海域なら、何故他の艦
種が混ざっている第一艦隊の旗艦に据えたのだ?」
後藤「さっきも言ったが、キス島海域の海流は特殊だ……艦隊に駆逐艦以外の艦種が入って
いると、必ず北方向に針路が反れる。
これを利用し、わざと混成艦隊で出撃し、初戦勝利後に撤退を繰り返し、旗艦の駆逐
艦に経験を積ませ、可能な限り練度を上げる」
やる夫「なるほど……」
後藤「さらに、演習、近代化改修などを最大限活用し、駆逐艦達の安全性を高める……方針
は、以上だ……第一艦隊には、長門、お前も入れておいた……あの子達を守ってやれ」
長門「……無論だ!」
~2週間後、執務室~
やる夫「失礼しますお……隊長、軍部から艦娘が送られて来ましたお」
後藤「ああ、いつものキス島北方面の艦隊の撃破報酬ね、いつも通り、装備を取ったら、電
達の近代化改修に回しておいて……」
やる夫「今回は、新顔ですお」
後藤「ん?」
やる夫「入ってくださいお」
比叡「比叡、入ります! 金剛お姉さまに少しでも近づけるよう、頑張ります!」
霧島「霧島です、艦隊の頭脳と呼ばれるよう、頑張りますね?」
後藤「……ああ、金剛型の残りの娘たちだっけ……」
比叡(アレ?)
やる夫「金剛型四姉妹が揃った事で、第四艦隊が開放されますお」
後藤「……ああ、これで遠征艦隊が一層充実するな……着任お疲れ、他の娘達に挨拶してお
いで……」
霧島「は、はぁ……」
後藤(彼女達はもちろん、実の姉妹ではない……にも関わらず、艦の記憶に引きずられて、
まるで本当の肉親であるかのように振る舞う……歪だな……。
いや、いかんな、今はキス島攻略に神経を注がねば……)
~金剛の私室~
比叡「金剛姉さま、なんだかあの隊長さん、ずいぶん覇気の無い方ですね?」
金剛「そんなコトないネー、ただ、今はチョット参ってるだけネー」
霧島「参っている?」
榛名「駆逐艦達を前線に出している事に罪悪感を感じてらっしゃるようで……いつもは、気
配りのできる、優しい隊長さんなんですけど……」
霧島「そうなんですか?」
金剛「こればっかりは仕方ないネー、ワタシ達は手出しが出来ないから、後は作戦が上手く
いくように祈るだけヨ?」
比叡「はぁ……」
~1週間後~
後藤「これまでの作戦により、お前達の練度は上がった、近代化改修も可能な限り行った。
軍部からも催促が来ていて、これ以上の作戦引き延ばしは出来ない……いけるか?」
電「は、はい、大丈夫なのです」
雪風「雪風も大丈夫です!」
響「……問題ないよ、隊長」
夕立「ワタシ、強くなったっぽい!」
時雨「やるさ、見ててよ、隊長」
綾波「がんばりますね?」
後藤「……では、これより、キス島攻略作戦を開始する」
~一回目、初戦終了後~
後藤『被害状況を報告せよ』
時雨「夕立と響が中破……ちょっとマズいね……」
夕立「ワタシ、まだ戦えるっぽい!」
響「……問題ないよ」
後藤『……では、進撃、決して無理はするな』
電「了解なのです!」
やる夫「初めて南ルートに行きましたね……やっぱり、駆逐艦だけじゃないと無理みたい
ですお」
長門「……」ハラハラ
後藤「暴れるなよ、長門、特例としておおすみに乗せてやってるんだから……」
長門「わ、分かっている!」
やる夫「そろそろ次の敵艦隊と触接しますお……こ、これは!」
長門「どうした! 准尉!?」
やる夫「敵エリート級戦艦確認! ほ、他の敵も、重巡など、全てエリート級ですお!」
後藤「マズいな……よし、勝てなくてもいい! 単横陣で回避、防御を優先して突破を図
れ!」
電『りょ、了解なのです!』
雪風「あうっ!」ドォン
やる夫『雪風、大破!』
綾波「きゃあっ!」ドォン
やる夫『綾波、大破!』
時雨「くっ!」ドォン
やる夫『時雨、大破!』
後藤『……戦闘終了後、即時撤退!』
電「は、はいっ!」
~執務室~
電「隊長……ゴメンなさいなのです……」ボロッ
後藤「謝らなくていい……順番に入渠してきなさい」
綾波「は、はい……」トボトボ
駆逐艦達が執務室から出た後、後藤は大きく溜息を吐いた。
後藤「分かっていた……分かっていたが……」
長門「隊長……」
後藤「精神的に、相当キツイな、こりゃ」
~10日後、作戦9回目終了後、執務室~
雪風「ゴメンなさい……隊長……また失敗です……」
綾波「うぅ……」グスン
後藤「……気にしなくていい、順番に入渠したら、今日はもう休みなさい」
時雨「うん……」
駆逐艦達が執務室から出ると、後藤は椅子に身体を預けて溜息を吐いた。
後藤「けっこう詰んでるなー、こりゃ……」
長門「気持ちは分からんでもないが……隊長が弱音を吐くな、士気に関わる」
後藤「そうは言うがねー……子供達が戦場でボロボロになっていくのを、こうも毎日見せら
れると……自分の非力さを痛感するね……」
千歳「とりあえず、これまでの戦いを振り返ってみませんか? 何か見えてくるかもしれま
せんよ?」
後藤「戦況分析か……そうだな」
長門「まずは、最初の分岐点から北に反れるルートだが……これは論外だな、海流で遮断さ
れ、絶対に敵主力の元へは行けん」
千歳「次に、東へ進むルートですが、このルートは、敵主力まで行くのに2戦で済む利点が
あります」
後藤「その代わり、分岐点から北に反れればフラグシップ級空母が待ち構えている上、同じ
ように敵主力には行けない……」
やる夫「南に反れれば、無傷で敵主力前のあの艦隊に挑むことが出来ますお」
長門「その敵主力前の艦隊が問題だな……フラグシップ級には劣るとはいえ、エリート級戦
艦など、そもそもが火力の低い駆逐艦では倒すのは困難だ……」
千歳「例えエリート級の攻撃を中破以下に抑えたとしても、さらにその先に分岐があります
……実際、2回ほど敵主力前の艦隊を中破以下で突破しましたが、2回とも行き止ま
りの場所へ流されてしまいました……」
後藤「これは、完全に運試しだな……一番南のルートは敵主力前の艦隊に確実に当たるが、
敵主力艦隊を含めて3戦しなければならない……その分、大破率も上がる」
やる夫「いまだ、敵主力艦隊に到達していないので、その戦力が測れないのも不安材料です
お」
後藤「……」
千歳「考えれば考える程頭が痛くなってくるわね……」
長門「隊長、何か起死回生の策は無いのか?」
後藤「……策はある……というか、一つしか無い」
やる夫「本当ですかお!?」
長門「策があるならば、もっと早くに言え!!」
後藤「……だが、これを使っていいものかどうか……できれば、後進の為に残しておきたい
んだがなー……」
長門「?」
~翌日、執務室~
電「応急修理装備?」
後藤「そ、いわゆるダメコンってヤツ」
夕立「応急修理装備って何だったっけ?」
後藤「これを装備していけば、大破で進撃して攻撃をくらったとしても、轟沈を一回だけ防
ぐ事が出来る……使い捨てだがな」
響「……ダメコンはこの基地に6つしか無かったはず……」
後藤「それを、お前達全員に装備してもらう」
時雨「でも、それじゃ、この先何かあった時に困るんじゃ……?」
後藤「俺も相当悩んだが……これ以上、お前達が傷つくのを見たくない」
6人「!」
雪風「大破さえしなければ……」
後藤「ん?」
雪風「大破さえしなければいいんですよね、隊長!?」
後藤「まあ……そうだが……」
綾波「大破しなければダメコンを消費しなくてすみます……」
時雨「……やるさ!」
雪風「幸運艦の二つ名は伊達じゃありません! 雪風、頑張ります!」
後藤「……分かった、ダメコンの積み忘れは無いようにな?」
電「はいなのです!」
駆逐艦達が勇んで執務室から出て行くと、長門が小さく笑った。
後藤「……何?」
長門「いや、子供達にはまっすぐに話すんだなと思ってな……」
後藤「子供相手にひねくれた言いかたしたって、通じないでしょーが……」
長門「そうだな……」
長門は、窓の外から差し込んで来る陽の光を眩しそうに見上げた。
長門「……キス島、攻略できるといいな……」
後藤「ああ……」
~作戦10回目、キス島海域~
後藤「よし、作戦開始!」
電『了解! なのです!』
やる夫「駆逐隊、東に流されていきますお!」
後藤「東ルートか……あとは運だな」
長門「……」
~分岐点~
時雨「南に海流が流れているよ、隊長!」
夕立「今日の海流はよさげっぽい!」
後藤『よし……戦闘に備えよ!』
綾波「了解です!」
やる夫『敵エリート部隊と触接しますお!』
後藤『勝たなくてもいい! いつも通り、単横陣で乗り切れ!』
響「了解……!」
~対エリート戦~
雪風「あうっ!」ドォン
やる夫『敵エリート戦艦の砲撃、雪風に着弾!』
後藤『被害状況知らせ!』
雪風「ゆ……雪風は……雪風は沈みませんっ!」
やる夫『雪風、中破で抑えましたお!』
後藤『よし! あと少しだ! 乗り切れ!』
時雨「了解!」
~エリート戦、終了後~
夕立「敵艦隊、撤退するっぽい!」
後藤『よし……被害状況は?』
響「……雪風と夕立が中破、電が小破……大丈夫、いけるよ」
後藤『よくやった……海流はどうだ?』
電「まっすぐ流れてるのです! 敵主力の方へいけるのです!」
後藤『……では、進撃!』
雪風「了解です!」
後藤「さて……後は、敵戦力がいかほどの物か……」
やる夫「まもなく触接しますお……こ、これは!」
長門「どうした! 准尉! 強力な艦隊なのか!?」
やる夫「いえ! フラグシップ級の軽巡と、エリート級の軽巡、駆逐、残りは補給艦です
お! いけますお!」
夕立『あれなら、勝てるっぽい!』
後藤「よし、補給艦は攻撃してこない! 夜戦に持ち込んでもいいから、確実に潰して終わ
らせよう!」
6人『了解!』
~明け方~
電『敵殲滅、なのです!』
夕立『やった~~~~~!』
響『……ハラショー』
後藤「よくやった……帰投の準備に移れ」
時雨『了解だよ、隊長!』
後藤はマイクを外し、大きく息を吐いた。
後藤「ふい~、もう、こんな胃に悪い戦いは御免だな……」
長門「そうだな……正直、自分が戦うより辛かった……隊長は、いつもこんな思いをしてい
るのか?」
後藤「さあね~?」
長門「それにしても……本当にダメコンを使わずに勝ってしまうとは……驚いたよ」
後藤「そうだね~、やっぱり、小さくても、女性は怖いね~。
思い込んだら一途なんだもの」
やる夫「同感ですお……」
長門「フフ……帰ったら、皆をねぎらってやれ、隊長」
後藤「そうだね~……俺のツケで、間宮さんのところの最高級パフェでも奢ってやってよ」
綾波『聞こえてますよ、隊長? ホントですか?』
後藤「あ、ヤベ」
夕立『帰ったら、パフェパーティーっぽい!』
6人『ワーッ!!』
後藤「やれやれ……ま、いいか」
長門「フフ……」
今日の更新はここまでです
今回、あまりネタを仕込めませんでしたが、それだけ後藤さんも追い込まれていたという事で…
皆さんも御存知の通り、3-2の作戦名は「キス島撤退作戦」ですが、その通りにすると物語がややこしくなるのであえてこうしました
キス島の描写は、ほとんど実際のプレイの通りです
いろいろ試してダメだったのでダメコン積んでいったのですが、一つも使わないでクリアしてしまいました
次回の更新は、短めですが、シリアス回です
って言うか、ちょっと重くなる予定です
それでは、また
乙
ちょっと重くなるだって? むしろドンと来いってもんです
乙
ダメコン積んだら何故か大破しなくなる現象あるある
乙、後藤さんやっぱいい上司だな
二課の時は打ち上げ費用課長に出させてたけど
乙
秘書役がやる夫ってどうなの?とか思ってたが、パトレイバーでいう遊馬枠というがそういうのがいると話が回しやすいんだな。
書き溜めできたので20:00頃から更新します
今回はシリアス2本です
~1週間後、夜、長門の私室~
ピカッ、ゴロゴロ……
長門「う……うぅ……」
長門は、寝苦しい夜にうなされていた……。
ウッヒョー待ってました!
艦これはよく知らないけど
パトレイバー好きで読み始めたら
面白い面白い…
正座待機
莫大な熱量の光……人知を超えた光と衝撃が長門を襲う……。
長門「ぐ、ぐうううううぅっ!! さ、酒匂! 大丈夫か!?」
酒匂「ぴゃあ……な、長門さん……酒匂は……も、もうダメです……」
長門「な、何を言う! しっかりしろ! 酒匂!!」
酒匂「……出来る……こと……なら……平和な……時代に……生まれ……たかった……」
長門「酒匂! お、おい、酒匂―――――――っ!!!!」
ガバッ
長門は、布団を跳ね除けて夢から覚めた。
長門「ハァ、ハァ……さ、酒匂……!」
気が付くと、寝汗をびっしょりかいている。
長門「……また、この夢か……」
外では雷雨が続いていた……。
~翌朝、基地内廊下~
後藤「おお、長門、おはようさん、昨夜は凄い雨だったな」
長門「……ああ、なんだ……隊長か……」
後藤(ん?)
後藤「どしたの? 元気ないね~、いかんよ、若いモンがそんな事じゃ」
長門「……悪いが、今は軽口に付き合ってる気分じゃない……」
後藤(長門は、たまにこういう雰囲気の時があるな……艦娘にもブルーデーがあるのか?
なんて言ったら殴られそうだな……)
後藤「……アルフォンシーノ海域への出撃も近い。
体調は整えておくように」
長門「出撃への影響は出さない……今は、そっとしておいてくれ……」
後藤「……ならいいが……」
長門はトボトボと廊下の奥に消えて行った。
後藤(……なんだろね~?)
伊勢「ああ、隊長、おはよ」
後藤「ああ、伊勢、おはよう……なぁ、長門が元気ないみたいだが、原因とか知らんか?」
伊勢「……あー……たぶん、また夢を見たんだろうね」
後藤「……夢?」
伊勢「……」
後藤「何か知ってるなら教えてくれんか? 部下のケアも上司の仕事だ」
伊勢「……これは、アタシが言ったって、絶対言わないでおくれよ?」
後藤「無論だ」
伊勢「隊長も知ってると思うけど、アタシ達は軍艦の記憶を引き継いでいる」
後藤「ああ」
伊勢「……つまり、沈んだ時の記憶も、それぞれ持ってるってコトさ……」
後藤「……ある程度は想像できていたが……」(……最悪だ……)
伊勢「アタシにも、呉で浮き砲台になって、後で解体された時の記憶がある……」
後藤「そうか……」
伊勢「長門は、特に……」
後藤「……ん? ちょっと待て、戦艦長門の最期ってたしか……」
伊勢「そう……」
伊勢は目を伏せた。
伊勢「……クロスロード作戦、だよ……」
後藤「……」(核、か……)
~1週間後、深夜、執務室~
後藤は山積みになった雑務を独りでこなしていた。
後藤「仕事が遅いと、やんなるね~っと」
つい、独り言も口を突いて出る。
後藤「キス島に続いて、アルフォンシーノ海域も攻略完了っと」
後藤(それにしても、沖ノ島、モーレイ海、キス島、アルフォンシーノ海域……いずれもシ
-レーンからは外れた海域だ……これは……)
ピカッ、ゴロゴロ……
後藤「今夜も雷雨か……」
その時、後藤はドアの向こうに誰かが立っているのに気付いた。
後藤「……誰だい? そんなトコに立ってないで、入りな」
長門「……隊長……」
後藤「ん? ……長門?」
見ると、長門が艤装を外して、寝間着のままそこに立ち尽くしていた。
よく見ると、涙を流してしゃくりあげている。
後藤「……どうした、長門……?」
長門「酒匂が……酒匂が……」ヒックヒック
後藤「酒匂……?」(酒匂って……たしか、クロスロード作戦で……)
長門「酒匂が……何処を探してもいないんだ……」ヒックヒック
後藤「……」
長門「う、うわあああああぁっ!」
長門は泣きじゃくり、後藤の胸の中に飛び込んで来た。手を背中に回し、キツく後藤を抱き
しめる。
後藤「……よしよし、辛かったな……」
後藤は長門の背中をポンポンと叩き、幼児をあやすように、泣き止むのを辛抱強く待つことにした。
長門「……」グスッ
後藤「……落ち着いたか?」
長門「……」フルフル
長門は後藤の胸の中で首を横に振った。
後藤「……酒匂が、どの海域を落とせば来るのか、それは分からんが……」
長門「……」
後藤「俺の着任期間中の間は、探すようにはしてやるから……」
その言葉に、長門はビクリと身体を震わせた。
長門「……隊長、やっぱり、いつかはここから出て行ってしまうのか……?」
後藤「……たぶんな……」
長門「……嫌、だ……」グスッ
背中に回された手に、ギュッと力が入る。
後藤「……」
どれくらいの時間、そうしていただろうか……長門が、顔を伏せたまま言葉を紡いだ。
長門「……あの、な? 隊長……」
後藤「……ん?」
長門「私達艦娘は、艤装を着けている間は、人間を超えた力を出せるけれど……」
後藤「……」
長門「艤装を外すと、普通の人間と変わらない力しか……出せない……」
後藤「……」
長門「……い、今なら、何をされても、抵抗できない……かも……」
後藤「……部下に手を出したら、俺、クビになっちゃうよ……」
長門「……そんなの嫌だ……!」
長門は、さらに後藤を抱きしめる腕に力を込める。
後藤「どっちなんだよ……やれやれ……」
後藤は一つ溜息を吐いた。
後藤「それに……青葉がドアの陰から覗いてるぞ?」
長門「!」
長門は顔を真っ赤にして後藤から身を離す。
長門「あ、青葉ッ!!」
青葉「青葉、見ちゃいました! あ、私に気兼ねなく、続きをどうぞ!」
長門「で、出来るかっ!! この……!」
青葉「エヘヘ……失礼しまーす!」ダダッ
長門「待て! 逃げるな!」
後藤「やれやれ……もう、大丈夫かい?」
長門「う……」
後藤「また心細くなったら、添い寝ぐらいはいつでもしてやるから」
長門「う、うるさい!! さっきのは忘れろ! あれは一時の気の迷いだ!」
後藤「へいへい……」
長門「……わ、私はもう寝る! 邪魔したな」
そう言うと、長門はなるべく顔を見せないようにして執務室から立ち去った。
後藤「ふーっ……」
後藤は大きく溜息を吐くと、雑念を振り払うかのように再び雑務に取りかかった。
~3日後、夕刻、基地正門前~
長門「おい! そこの男! 止まれ! ここは関係者以外立ち入り禁止だ」
??「ああ、すまないね、アンタ、後藤さんの部下かい?」
長門「? 隊長の知り合いか? それでも、ここを通す訳にはいかん!」
??「そう言わずに……わざわざ東京から鹿児島まで来たんだから」
長門「何と言われようと駄目な物は駄目だ!」
後藤「あ~、長門、その人はいいの、お通しして」
長門「隊長? いや、しかし……」
後藤「松井さん、よく来てくれたね~、鹿児島くんだりまで」
松井「まったくだよ……鹿児島県警にちょうど用事があったから良かったものの……」
長門「……警察関係者か?」
後藤「そ、これから大人の大事なお話があるから、ここは大目に見てよ」
長門「しかし……機密保持の為……」
後藤「なるべく、機密部分には近寄らないようにするからさ……これは、今後に関わる大事
な会合なんだよ」
長門「……分かった、だが、なるべく他の子には近寄らせないようにしてくれ」
後藤「りょーかい、さ、松井さん、鹿児島名産で、黒霧島でも飲みながらお話しましょーよ」
松井「お、後藤さん、焼酎派に転向かい?」
後藤「まあね~、こっちに来てから、いろいろウマい焼酎に出会っちゃってさー……」
長門(……飲み会がしたいだけじゃないのか?)
~後藤の私室~
鳳翔「はい、こちら黒豚の角煮です」
後藤「すまないね、鳳翔さん、ちょっと大事なお話があるから、しばらく誰もこの部屋に近
づけないでね~」
鳳翔「はい、分かりました、おつまみが足りなくなったら、いつでも呼んでくださいね?」
後藤「あいよ~」
鳳翔が部屋から出て行くと、松井は声を潜めた。
松井「後藤さん……彼女も艦娘ってヤツかい?」
後藤「ん~? そうだよ~、ナイショにしてね」
松井「どう見ても、小料理屋の若女将にしか見えんが……」
後藤「あんな見た目だけど、みんな強いんだよー、俺達なんか、一捻りにできるぐらいに」
松井「本当かよ……?」
松井「ところで……ケータイ、盗聴されたって本当かい?」
後藤「まあね~」
松井「この部屋は大丈夫かい?」
後藤「クリーニング済み……盗聴器は出て来なかったよ、俺の執務室にもね」
松井「そうか……」
後藤「それで、わざわざこっちに来たって事は、黒幕の目星がついたってトコ?」
松井「一応、な、その前に、後藤さんは今回の首謀者に、どんなイメージを持ってるか、聞
いてもいいかい?」
後藤「そうだな……小物臭いって印象を受けるな~」
松井「ほう……」
後藤「松井さん、内海……リチャード・王の事は覚えているかい?」
松井「忘れようったって忘れられないよ……あれだけ大きなヤマは、そうそう無いからな」
後藤「内海は、敵ながら、手強い相手だったよ。
無駄な人殺しや流血は好まないし、こちらが弱い部分を的確に突いてくる……劇場
型とはいえ、こういうのも変だが、実にスマートな犯罪者だった」
松井「そうだな……」
後藤「それに比べて、今回の黒幕は、政治家に圧力をかけたり、わざわざ僻地に左遷させた
り、ワザとバレやすい方法で盗聴してこちらによけいな真似をしないように警告し
てみたり……やる事が、いちいち前時代的なんだよね~。
そのへんが小物臭い印象かな」
松井「ああ、やっぱり警告だったんだ」
後藤「そゆこと、んで、黒幕の正体は?」
松井「シャフト・エンタープライズ・ジャパンの元専務、徳永だよ」
まさかの徳永さん
後藤「徳永……ああ、内海の上司の、確か、裁判終わったんだっけ?」
松井「ああ、執行猶予がついて、今はシャフト・ジャパンの孫会社のシャフト重機の取締役
として出向している……懲罰人事だ、表向きはな……」
後藤「実際のトコロは?」
松井「出向されても、徳永のシャフト・ジャパン本社通いは止められていない……コイツが、
シャフト・ジャパンの政治家への献金の総元締めをやっている」
後藤「違法なヤツ?」
松井「いや、いたって合法的に献金している」
後藤「グリフォン事件は、社内でも徳永を引き摺り下ろすチャンスだったろーに……」
松井「それがな、どうやら徳永は、レイバー関連だけでなく、艦娘システムについても
草創期から関わっていたらしい……いまだに社内に影響力があるのは、そのためだ」
後藤「ほう……」
松井「艦娘システムが出来上がった10年前から、シャフト、篠原、四菱などの重化学部門
からの献金が大幅に増額されている……徳永は、その頃から艦娘に関わっていたと
見るべきだな」
後藤「……徳永に絞った理由は?」
松井「後藤さんが出向させられるちょっと前に、シャフトからの献金がわずかに増額されて
いた……後は、第二小隊を逆恨みしてるだろう奴に目星をつけたってトコ」
後藤「その、わずかな献金で飛ばされるんだから、公僕は辛いね~」
松井「……」
後藤「ん? どったの?」
松井「後藤さん、これから後の話は、オフレコで頼むよ?」
後藤「……何?」
松井「南雲さんと会ったんだが、彼女の友人の陸自の人からの極秘情報によれば、現在、
陸自でも独自に艦娘を開発中らしい……」
後藤「陸自で艦娘を?」
松井「それに合わせて、陸軍の創設も極秘に検討されているとか……これをどう思う?」
後藤「よろしくない風潮だねー……」
松井「後藤さん、徳永は小物かもしれんが、この事案の闇は、相当深いよ……俺は嫌だぜ、
友人がある日南の海に浮かんでた、なんて事は……」
後藤「ま、気をつけましょ、お互いに」
松井「それで、カミソリ後藤には事案の全貌が見えてきているのかい?」
後藤「ん~……今の情報を含めて、三分の一ってトコかな……徳永を恫喝するには、あと一
押し、材料が足りないね~……」
松井「おいおい……現役の刑事の前で、恫喝するなんて物騒な話、よしとくれよ」
後藤「それもそうだ」
二人は顔を見合わせて笑い、その夜は心ゆくまで痛飲した。
今日の更新はここまでです
というわけで、長門ヒロイン回と松井さん回でした。
次回の更新は、みんなのトラウマ、3-4回です
それでは、また
乙
押し入れから漫画出して読もうかな
乙
正月に兄貴から漫画貸して貰ってみるわ
乙
あれ、発砲バカの太田と夜戦バカの川内が同時に騒ぐシーンとかないの?
ついでに足柄さんも試し撃ちに参加させよう
乙です。
松井さんはどこにでもいるオッサンのような顔してるけど頼りになるなあ。
専務あれだけの事件の関係者なのに未だに影響力があるのか
乙です
>>307
その御蔭で松井さん危うく劇場版2では殺されかけたんだよな…
タイミング悪かったら東京湾いきだったよ…
すみません
今日、うっかり寝てしまったので書き溜めできてません
今書いてますが、今日の更新は無理かもしれません
あったとしても深夜になります
乙です。
焦らずにお書きください。
やっと今日の分書けました
10分後くらいから更新はじめます
~3日後、執務室~
後藤は執務室に沖ノ島攻略メンバー、すなわち長門、金剛、榛名、赤城、千歳、北上を呼び
寄せた。
長門「隊長、全員集まったぞ」
後藤「うん、それじゃ、本日より「北方海域艦隊決戦」攻略の為の体制に移る」
榛名「北方海域……」
赤城「艦隊決戦……」
後藤「そ、沖ノ島よりも数段難しい任務として知られている……この任務に、数十回も挑ん
では、跳ね返された鎮守府もあるそうだ……」
千歳「あの沖ノ島より……?」
後藤「ああ、だから、一発で成功しろなんてことは言わん。
ここにいる、我が基地最強のメンバーで長期戦を挑む」
金剛「長期戦?」
後藤「そう、演習で可能な限り練度を上げつつ、潜水艦達のオリョール周回で出撃の為の
資材を確保、準備が整い次第、何回でも挑戦する……いいな?」
長門「了解した……だが、潜水艦達は適度に休ませてやれ、この間、58が泣きそうになっ
ていたぞ」
後藤「そうだね~、後で、俺の自腹で間宮さんのトコロのアイスでも奢ってやるか」
北上「……それ、よけいに泣くと思うけど……」
後藤「とにかく、戦術はいつも通りにするから、各員の奮闘を期待する、以上」
6人「了解!」
後藤「大淀さん、軍部にもいつも通りそう伝えといてね~」
大淀「はい、了解です」
後藤「頼むよ……」
大淀「?」
後藤(さて、どう出てくるか……)
~1週間後、執務室~
執務室に、出撃予定のメンバー全員が詰め寄せていた。
長門「どういう事だ、隊長!! 明日の初出撃にTV局が帯同するとは!!」
赤城「私達は、極秘兵器ではなかったのですか!?」
後藤「……」
やる夫「お、落ち着いてくださいお、皆さん……我々も今朝しらされたばかりで……」
北上「TV局が来るってホント? ヤバいね~、ちょっとは化粧しておいた方がいいかな?」
長門「黙ってろ! 北上! で、どういう事だ!?」
後藤「……まあ、大体の見当はつく」
金剛「どういうことネー?」
後藤「艦娘の実態調査が完了して、プロパガンダに使おうという魂胆と、後は、俺への嫌が
らせも混じってるんだろうね~」
榛名「プロパガンダ?」
後藤「そう……軍部は、好きでお前らの事を極秘にしていた訳じゃない……恐らく、発表
したくても、できなかったんだろう」
千歳「それは……どういう……」
後藤「艦娘には霊的な力が備わっている……この、未知の力を解明するまでは、不安定すぎ
て国民への説明責任が上手く果たせない……10年かけて、ようやくその存在を公
表できる所まで研究が進んだんだろうな」
赤城「それはいいですが……プロパガンダとは?」
後藤「謎の敵から国民を守るうら若き女性兵器達……国威発揚にはもってこいの存在だ」
長門「!……我々は見世物になる為に戦っている訳ではないぞっ!!」
後藤「分かってるよ、んな事……だからさ、お前達は普段通り戦っていればいいの、上の都
合なんて、末端には知ったこっちゃないんだからさ」
榛名「取材を断る事は出来ないんですか?」
やる夫「残念ながら、軍上層部の決定ですお……覆すのは無理そうですお……」
金剛「気は進まないケド、やるしかなさそうネー……」
長門「あと、聞き捨てならない事を言ったな? 隊長への嫌がらせとはどういう事だ?」
後藤「……まあ、今なら言ってもいいか……」
長門「何だ?」
後藤「軍部とつるんで、俺を貶めようとしている奴がいる……評価の低い基地に出向させた
りな」
赤城「何ですって!?」
後藤「いまだに資材供給量が制限されているのも俺への嫌がらせだろう……皆には迷惑を
かけて、すまないと思っている……」
長門「そんな事はどうでもいい! それより、TV局の取材とは、まさか……」
後藤「艦娘を撮るついでに、難海域に出撃させて、俺が無様に指揮を失敗する所を映そうっ
て魂胆でしょーよ……」
全員「!」
金剛「そんなのにワザワザ付き合ってやる必要はないネー!」
榛名「そうです! 何も、北方海域艦隊決戦でなくても……TVに流すだけなら、オリョー
ル海でも、バシー島でもいいじゃないですか!?」
後藤「残念ながら、北方海域にTVクルーを乗せていくのは決定事項……軍部命令だ」
長門「みすみす醜態を晒せというのか!?」
後藤「おい、戦う前から敗北宣言かい?」
長門「そうではない! そうではないが……!」
後藤「あのな」
後藤は6人の方へずいっと身を乗り出した。
後藤「俺は絶対「勝て」なんて無茶は言わないよ……だがな、このメンバーなら「やれる」
と思ったから編成したんだ」
長門「……」
後藤「配役にミスキャストがあったら、監督は降りるぜ」
やる夫「隊長……」
後藤「お前達が無事に帰ってくるのが俺にとっての一番の戦果だ……その為なら、泥ぐらい、
いくらでも被ってやるよ……それが上司の役目だ」
6人「!」
後藤「分かったら、午後の分の演習行ってこい」
長門「了解!! 気合入れていくぞ、お前達!!」
全員「了解!!」
6人が執務室から出て行くと、後藤は苦虫を噛み潰したような顔で煙草に火を点けた。
やる夫「隊長……士気は十分に上がったと思いますお……少なくとも、無様な真似にはなり
ませんお、練度も上がっていますし……」
後藤「……俺は薄汚い、小ズルい男だよ……それを分かってやったんだからな……」
やる夫「……」
後藤「やる夫君、君は俺のような人間になるなよ」
やる夫「……善処しますお」
やる夫(それでも……やる夫だけじゃなく、皆、隊長の事を尊敬していますお……)
~翌日、港湾区域~
リポーター「TVの前の皆さん、こんにちは、今日は、海軍の対深海棲艦秘密兵器、「艦娘」
の実態を、ここ、鹿屋基地からお届けします」
後藤「……」
リポーター「もちろんこれは、TV初公開の映像となります。
それでは、後藤さん、よろしくお願いします」
後藤「ハッ! ただいま御紹介に預かりました、日本海軍、鹿屋基地所属、後藤喜一中佐で
あります」
リポーター「TVの前の皆さんには、後藤中佐の顔を覚えていらっしゃる方もおられるでし
ょうが、実は、後藤中佐はこの基地に出向するまでは「あの」特車二課のレイ
バー隊を率いてらっしゃいました」
後藤「……」(やはり俺が標的か……)
リポーター「その後藤中佐が、環境を変えた中でどのような指揮を執るのか、そこにも注目
していきたいと思います」
リポーター「それでは後藤さん、本日出撃する艦娘を紹介してください」
後藤「はい、右から、長門、金剛、榛名、赤城、千歳、北上です」
長門「……」
リポーター「なるほど、軍艦の名前で呼ばれてるんですね? ……それにしても、見たとこ
ろ、普通の女性達ですね……本当に彼女達で深海棲艦に太刀打ちできるんで
すか?」
ドォン
リポーター「ひいっ!!」
長門「失礼……うっかり副砲が暴発した」
北上(……ざーとらしいよ、長門さん)
後藤「あ~……不用意な発言は慎んでくださいね? 彼女達は誇り高い精鋭ですから」
リポーター「は、はひ……」
後藤「それではこれから出撃しますので、おおすみに搭乗してください」
~北方海域~
後藤「これより作戦を開始します、ヘルメットは着用しましたね?」
リポーター「はい……後藤さん、この北方海域とは、どんな海域なんですか?」
後藤「はい、北方海域艦隊決戦は非常に難易度の高い作戦として知られ、複雑な海流と強力
な敵艦隊が相まって、勝利を困難な物としております」
リポーター「なるほど……その作戦にこれから初出撃なさる訳ですね、元特車二課部隊長の
敏腕の見せ所ですね」
やる夫(……何を白々しい……)
リポーター「何か策でもおありで?」
後藤「策などありませんな」
リポーター「は?」
後藤「私はただ、あの子達を信じて、後は天に祈るだけです」
リポーター「はあ……」
やる夫「艦隊、配置につきましたお!」
後藤「よし……出撃!」
全員『了解!』
やる夫「東に海流流れていきますお!」
後藤「まずは初戦……焦らず、いつも通りの戦法で行け」
長門『ああ!』
やる夫「敵前衛艦隊と触接しますお!」
~初戦終了後~
金剛『完勝ネー!』
後藤「被害状況は?」
北上『カスダメが少しだけだよ~』
後藤「よし……進撃せよ、油断するなよ」
ディレクター「……チッ」
後藤「……何か?」
ディレクター「いえいえ、何でもありません……」
千歳『海流、北に流れています!』
後藤「分かった、次戦に備えよ」
長門『了解!』
~2戦目~
やる夫『敵フラグシップ級戦艦1隻確認!』
長門「2戦目でこれか……さすが今までの海域とは違うな……」
後藤『お前達は沖ノ島の時よりも練度が上がっている、恐れず、いつも通りの戦術でいけ』
赤城「了解! 開幕爆撃、いきます!」
やる夫『航空優勢、反航戦ですお!』
長門「よし、潰すぞ!」
全員「おおっ!!」
~2戦目終了後~
後藤「被害状況知らせ」
長門『榛名が小破……あとは皆大丈夫だ』
後藤「海流は?」
榛名『東に長く流れています』
後藤「どうも敵主力方面に向かってるっぽいな、こりゃ……よし、索敵しつつ進撃せよ」
金剛『了解ネー!』
~3戦目~
やる夫「まもなく敵に触接しますお……こ、これは!?」
後藤「どうした?」
やる夫「敵フラグシップ級戦艦2隻! エリート級戦艦2隻確認!」
金剛『チョットマズいカモネー……』
後藤「恐れるな! 制空値はこちらの方が上だ、1隻ずつ潰していけ!」
長門『了解した!』
リポーター「……どうかしたんですか?」
後藤「なに、ちょっと強い敵と当たりましてね……うろちょろしてると死ぬ事になるかもし
れませんなー」
リポーター「! ひゃ、ひゃい!」
後藤(……ま、敵がおおすみに攻撃してきた事は無いんだけどねー……)
赤城「開幕爆撃! いきます!」
北上「雷撃! いくよーっ!」
ドッゴーン
やる夫『敵エリート級戦艦、1隻撃沈! 制空権確保! T字有利ですお!』
後藤『よし! T字有利を活かして、1隻ずつ潰していけ!』
長門「了解! 全砲門斉射! てえーーーーーっ!!」
ズドォン
~3戦目終了後~
後藤『被害状況は?』
長門「私と金剛が小破、榛名、千歳が中破だ、いけるぞ!」
後藤『海流は?』
赤城「北東へ流れています……恐らく、この先が敵主力です!」
後藤『よし……進撃!』
金剛「了解ネー!!」
~敵主力戦~
やる夫「敵フラグシップ級空母2隻確認!」
後藤「戦艦は?」
やる夫「いませんお!」
後藤「よし! 空母は夜戦で攻撃できない! 随伴艦を撃破して、夜戦でしとめろ!」
全員『了解!!』
~明け方~
長門『敵殲滅だ! 勝ったぞ! 隊長!!』
後藤「お疲れさん……帰ったら、宴会でもやるか……」
金剛『飲み過ぎはNo! なんだからね、隊長!』
後藤「へいへい……」
リポーター「え~っと……勝利、ですか……?」
後藤「ん? そうですが、何か?」
リポーター「こ、今回の勝因は、ズバリ、何でしょう、後藤さん?」
後藤「そうですな……」
後藤はカメラに向かってニヤリと笑った。
後藤「あいつらが、『Right Stuff』だった……ただ、それだけですよ」
~その夜、鹿屋基地~
ドンチャン、ドンチャン
隼鷹「飲め飲めーっ! ヒャッハー!」
足柄「いちばーん、足柄、火を吹きまーす!!」
後藤(やれやれ……結局こうなるのね……)
天龍「おっ、隊長! 飲んでるかー?」
後藤「まあ、ボチボチな」
天龍「それにしても、あの難海域を一発で攻略とは、恐れ入ったぜ! さすが『カミソリ後
藤』だな!」
後藤「ん……? それ、どっから聞いたの? 俺は自分で言ってないはずだけど」
天龍「青葉のヤツが調べたとか言ったなー、なんでも、『はっきんぐ』とかいうやつで」
後藤「へー……」(そいつはいい事を聞いた……)
~翌日、執務室~
青葉「青葉、入ります! それで、極秘任務とは何でしょうか?」
後藤「よく来た……調べ物、得意なんだって?」
青葉「ええ、まあ……」テレテレ
後藤「ハッキングも出来るみたいじゃない?」
青葉「ま、まあ、嗜む程度には……」
後藤「発言は正確に」
青葉「大得意であります!」ビシッ
後藤「官公庁とかには、入れる?」
青葉「軍部は少し難しいですけど……官公庁のPCなんて、ガバガバですよ!」エッヘン
後藤「それじゃあさ、足跡を残さずに、俺が指定する場所を、キーワードを使って検索する
……なんて事、出来るかな?」
青葉「はあ……大丈夫ですけど……」
~1時間後~
青葉「あ、あの……隊長……」ガクガク
後藤「……」
青葉「こ、このデータは、ちょっと青葉には荷が重いっていうか、あの、その……」
後藤「……今日、ここで見た事は記憶から抹消するように」
青葉「えと、その……」
後藤「この情報が僅かでも漏れた場合、お前を解体処分とする。
この決定は、俺が解任されたとしても引き継がせるから、そのつもりで」
青葉「りょ、了解です!!」
後藤(これで点と線は繋がった……次は、こちらから攻めてみるか……)
今日の更新はここまでです
3-4がこんなに簡単にクリアできるワケがない! とおっしゃる方もいると思いますが
「実際のプレイで一発でクリア」してしまったので、こうなりました
順調に行けば、次の更新でラストです
それでは、また
乙
難関海域だぞーって驚かされてても案外すんなり行っちゃう事ってあるよね
乙です。
今だと、弾着観測がありますし羅針盤がそれなきゃそういう事もあるかもですね。5-5ですら無傷でボスに行く事ありますし。
次で終わり、次の作品の予定などがあったら楽しみです。
青葉ちゃん不憫な子www
そして難しい海域でも流れと相手が良ければなんとかなるんだな
乙
次回最後か…。寂しくなるが期待して待ってる
「鹿屋基地壊滅す」はやらんのかwww
>>340
『アレ』は鳳翔さんと間宮さんがいる限り絶対起こりえないだろww
・・・二人が風邪で休むとかない限り(チラッ
あれ、レポーターってTV版のあのねーちゃんじゃないの?
食中毒ネタと火の七日間は見たいなww
香貫花レポートみたいなの艦娘でできない?
乙
次で終わるかもなのか
後藤さんが艦娘を屋台に連れてく話やって欲しいなぁ
超絡み酒とか泣き上戸とか見たいw
ラストまで書き溜めできました
20:00頃からラスト更新いきます
乙です。
楽しみですが残念です。
~3日後、鹿屋基地正門前~
後藤「それじゃ、東京に出張してくる、留守は任せたぞ」
やる夫「了解ですお!」
大淀「何も隊長自ら軍部に報告に行かなくても……私が行きましたのに」
後藤「なに、たまには大淀さんにも休んでもらわないとね~……野暮用もあるし」
大淀「?」
金剛「ソレにしても……」
金剛は後藤に帯同する長門をジロジロ眺めた。
長門は、いつもの艤装を外してビジネススーツを着込んでいる。
長門「……何だ? 金剛……」
金剛「馬子にも衣裳ネー」
長門「う、うるさい!」
後藤「んじゃ、たぶん攻めて来ないと思うけど、万が一深海棲艦が攻めてきたら、いつも通
りにな」
やる夫「はいですお!」
後藤「あ、そうそう、出かける前に、長門に渡しときたい物があるんだが……」
長門「?」
~その日の夕刻、シャフト重機、受付~
後藤達は、軍部への報告を早々に終え、ここ、シャフト・エンタープライズ・ジャパンの孫
会社を訪問していた。
後藤「あ~、君、ちょっといいかな? 取締役の徳永さんにお目にかかりたいんだが……」
受付嬢「はい、アポイントメントはお持ちですか?」
後藤「そんなもん無いよ」
受付嬢「申し訳ありませんが、アポイントメントの無い方は、お通しいたしかねます」
後藤「鹿屋基地の後藤が来たって伝えてよ、俺達、知らない仲でもないからさ」
受付嬢「は、はあ……一応、問い合わせてみます、少々お待ちください」
受付嬢は内線電話で上に問い合わせる。
受付嬢「申し訳ありませんが、鹿屋基地の後藤様なら、余計にお会いする必要は無いそうで
す」
後藤「あっそ……じゃあ、こう伝えてよ」
後藤は声を潜めた。
後藤「……『イスラム国』……会ってくれない場合、これを信頼できる海外マスコミにリー
クする、とね」
受付嬢「は、はあ……しょ、少々お待ちください」
長門「?」
受付で待たされている間、後藤は長門に耳元で注意した。
後藤「長門……いいか、これからお前は、社会の裏面や、大人の薄汚さを目の当たりにする
事になる」
長門「……」
後藤「何があっても、決して暴走せず、『次に俺がお前の名を呼ぶまで』暴れるんじゃない
ぞ……分かったな?」
長門「了解した……」
10分後、受付嬢がパタパタと慌てた風に戻って来た。
受付嬢「お、お待たせしました、徳永がお会いになるそうです」
後藤「そりゃどうも」
受付嬢「そちらの女性は艦娘ですよね? 申し訳ありませんが、艤装を身体に付けていない
か、女性によるボディチェックをさせていただいてもよろしいでしょうか?」
後藤「……いいか?」
長門「構わん」
ボディチェック終了後、後藤と長門は徳永のいる重役室へ通された。
後藤「これはこれは、徳永さん、こうしてお会いするのは初めてでしたな」
徳永「ふん……警察畑の人間が何の用だ? また私を逮捕でもしに来たのか?」
後藤「御冗談を……今の私に捜査権が無いのは御存知でしょう? 私はただ、世間話をしに
来ただけですよ」
徳永「……まあ、かけたまえ」
徳永に促されて、来客用のソファに対面になって座る。
長門(……これが、隊長を貶めようとした男か……)
心中に怒りはあるが、先程後藤に言われた通り、できるだけ平静さを保つ。
徳永「それよりも、受付で何やら聞き捨てならない事を喋ったそうだな?」
後藤「ああ、あれですか……」
後藤「……『イスラム国』……」
徳永「……」
徳永の眉が、ピクリと動いた。
後藤「10年前の2014年頃、中東で猛威を振るいましたな?」
徳永「……それがどうした」
後藤「当初、事態を楽観視していた国際社会は初動が遅れ、慌てた米軍が急遽空爆に踏み切
る事になりました……」
徳永「……」
後藤「空爆は行われましたが、成果は上がらず、イスラム国軍兵士は次第にゲリラ化……多
くの血が流れる事態になった……」
長門(何だ……? 隊長はいったい何の話をしているんだ?)
後藤「当時、外交で失政続きだったアメリカは、なんとしてもイスラム国を殲滅したい……
だが、ゲリラ戦で兵士を失う事は国内の反戦派が許さない……」
徳永「……」
後藤「ベトナムのような泥沼に嵌る事はなんとしても避けたいアメリカ政府は、多国籍企業、
シャフト・エンタープライズと共同で「ある物」を開発した」
徳永「……」
後藤「……対ゲリラ戦用生体兵器、『GIシリーズ』だ」
徳永「……むぅ……」
長門(生体兵器……だと……? それではまるで……)
後藤「ところでね、徳永さん、私は以前、幽霊とチャンバラした事があるんですよ」
長門「?」
徳永「……? 何の話だ、急に?」
後藤「いやね、霊や魂といった物に対して、一定の理解があるということです」
徳永「それとこれとに、何の関係が……」
後藤「アメリカとシャフトが共同開発したGIシリーズは完成したものの、兵器として不完
全だった……兵士としての魂……いわば、PCで言うソフトが欠けていた……」
徳永「……」
後藤「焦っていたアメリカは、「とある物」に目を付けた……」
徳永「……」
後藤「そうだ、兵士の魂ならいくらでもあるじゃないか……」
徳永「……」
後藤「こうして、『第二次世界大戦で戦没した兵士達の魂』がGIシリーズに投入され、戦
線に送られた」
徳永「……む……う……」
後藤「投入されたGIシリーズは続々と戦果を上げ始めた……だが、これが新たな脅威を産
み出す事となった」
徳永「……」
後藤「戦没者たちの魂の軽率な利用……それが、『第二次世界大戦』の『怨念』を呼び覚ま
してしまった……」
長門(……まさか……)
後藤「海上に漂う怨念……『深海棲艦』の出現だ」
徳永「ぐ……」
長門「!」
後藤「窮したアメリカ政府は日本政府に協力を要請……シャフト、篠原、四菱などと共同で
対深海棲艦用兵器の開発に当たった……」
徳永「う……」
後藤「幸い、と言っては変だが、GIシリーズという前例がある……そこから『艦娘』とい
う兵器を作り出すのに時間はかからなかった……」
徳永「……」
後藤「言わば、深海棲艦は第二次世界大戦が残した『負』の魂……それに対して、艦娘は誇
り高く戦った『正』の魂の具現化……つまり、深海棲艦も、艦娘も、元をたどれば同
じ物だ」
長門「!!」
徳永「……まあ、話としては面白いがね、どういう経緯からそのような結論に至ったか、参
考までに聞かせてもらおうか……」
後藤「いやね、初出撃した時から疑問に思ってたんですよ」
徳永「むう?」
後藤「深海棲艦は、絶対に私の乗る、海自から供与された輸送艦には攻撃してこない」
徳永「……それがどうした」
後藤「世界的に見ても、深海棲艦が民間船を攻撃した例は少ない……深海棲艦は、必ず
『軍』を襲っている……時おり、タンカーが撃沈されたりして国際問題になりますが、
あれはきっとタンカーを空母と誤認したんでしょうな」
徳永「……」
後藤「まるで、深海棲艦が、戦争を起こす『軍』を憎んでいるような……そんな気がしたん
ですよ」
後藤「それにですね」
徳永「まだ何かあるのか」
後藤「まあ、お聞きなさいな……深海棲艦が出現する海域は、現代の重要なシーレーンから
は外れ、第二次世界大戦の激戦区だった地域に限られている……。
おかしいですよね? だったら、軍がその海域を避けて進めばいいだけの話だ。
にも関わらず、艦娘には深海棲艦の掃討命令が出されている……これが何を意味す
るか……」
徳永「……何が言いたい」イライラ
後藤「答えは簡単だ、艦娘と深海棲艦の戦いは、GIシリーズへのデータ取りに最適だから
だ」
徳永「ぐ……!」
長門(わ、私達の戦いの理由が、単なるデータ取りだと……!?)
徳永「……君の主張が真実だったとしようとも、実際に深海棲艦には艦娘の攻撃しか通用し
ないのは、事実ではないか?」
後藤「ええ、腹の立つ事にね」
徳永「だったらこの話はこれで終わりだ、深海棲艦の脅威は現実に存在するのだからな」
後藤「御自分のやった事をお認めにならないのですかな?」
徳永「君の話が事実だったとしても、全てはアメリカ主導で行われた事だ、一企業がどうこ
うできる話ではないよ」
長門(何だと……!)
後藤「……鷹巣大油田」ボソッ
長門「?」
徳永「うっ……!」
徳永の額に汗が浮かんだ。
長門(隊長……何の話しだ……?)
後藤「他にも、白山大鉄鉱、富士五湖周辺レアメタル鉱山群……いやー、2014年末は
ゴールドラッシュでしたな」
徳永「そ、それが……なんだというのだ……」
後藤「おかげで、日本は資源輸入国から、一大資源自給国へと変貌した」
徳永「……」
後藤「しかし、その代償として日本は、周辺国からの脅威を跳ね除けるため、再軍備を急ぐ
必要に駆られた」
徳永「……む……ぐぅ……」
後藤「そこに降って湧いた『艦娘システム』……これは、再軍備の口実に最適だった……」
長門(……な……!)
後藤「ここにおいて、日本政府と、シャフト、篠原、四菱などの重化学部門が、後ろ暗い協
定を結んだ……」
徳永「……」
後藤「艦娘による軍備の正当化……仮想敵の設置によるスムーズな日本の軍国化……それ
によってもたらされる軍事特需の分配……」
徳永「……」
後藤「要するに、艦娘と深海棲艦の戦いってのはね、新しい生体兵器の為のデータ取りと、
日本の軍国化の為の壮大な『八百長試合』って事ですよ」
長門「!!」
後藤「死亡例も出ている、危険な八百長試合ですがね」
徳永「……そこまで知っているなら、君達を生かして帰す訳にはいかんな……」
徳永は、卓上の呼び鈴を鳴らした。
その音を聞きつけ、身長180センチ以上の黒服の大男が5,6人重役室に入ってくる。
徳永「君達は知り過ぎた……東京湾で魚の餌になってもらおうか」
後藤「……『長門』、殺すなよ……」
長門「……! 了解!! さっきからムカッ腹が立っていたところだ!!」
長門が拳を構える。
徳永「何を……艤装の無い艦娘など、一般人と変わらん! 殺せ!!」
徳永の号令と共にこちらに向かってくる黒服達に、長門は突撃していった。
長門「うおおおおおおおおおおっ!!」
ドカバキグシャ
死屍累々……黒服達は長門によって散々に叩きのめされた
徳永「な……! 何で……!」
長門「フ……」
長門は、徳永に見えるように自分の左手の甲を見せた。
その薬指には、燦然と輝く指輪が嵌められていた。
徳永「そ、それはまさか……!」
長門「そう、ケッコンカッコカリ指輪だ」
後藤「これもある意味艤装の一種だからね~、敵陣に乗り込むのに、何も用意してないワケ
ないでしょ」
徳永「ぐ……!」
後藤「……俺の身に万が一の事があれば、今の話のバックアップが海外の信頼できるマスコ
ミにリークされるようになっている……無駄な事をなさいましたな、徳永さんよ」
徳永は膝から崩れ落ちた。
徳永「な、何が……何が、望みだ……」
後藤「いやね、本当のところを言うと、俺は日本が軍国化しようが、それで甘い蜜を吸う人
間がいようが、どうでもいいんだよ」
徳永「な……ならば、何故……?」
後藤「ただね、徳永さん」
後藤はうずくまる徳永を睨みつけ、声を張り上げた。
後藤「自分たちの都合のためなら、若い娘の心や体を弄んでも平気な、その根性が気に入ら
ないんだよッ!!!!」
徳永は、その気迫に、魂を抜かれた様になった。
徳永「わ、私に……ど、どうしろと……」
後藤「経緯がどうであろうと、艦娘の力が必要なのは事実だ……」
後藤はそう言うと、ニヤリと笑った。
後藤「だからね、徳永さん、ここは一つ、取引といきましょうや」
長門(あ……凄い悪い顔だ……)
二人がシャフト重機のビルから出ると、時刻はすっかり夕刻になっていた。
長門「……あの男をあのままにして、本当によかったのか?」
後藤「悪党をいちいち時代劇みたいに成敗してたら、キリがないでしょ」
長門「……」
後藤「それにね、世の中、ああいう小悪党がいないと、上手く回らないようになってんの」
長門「……そうか」
後藤「そうよ」
長門「……以前、隊長が言った言葉」
後藤「ん?」
長門「私達の仕事は基本的に負け戦だと……今なら、素直に納得できるような気がするよ」
後藤「……そうか」
二人は連れ立って雑踏の中を歩きながら、話を続ける。
長門「それにしても……よくあれだけの重要な情報を集められたものだな?」
後藤「そうね~、松井さんの話と、青葉のハッキングで全体の半分くらい、あとは推測、か
な?」
長門「推測半分であそこまで徳永を恫喝したというのか!?」
後藤「まあね~」
長門「呆れたものだ……隊長の方こそ、大悪党と言うべきだな」
後藤「そうかい?」
長門「そうさ……それにしても……」
後藤「ん?」
長門は左手のケッコンカッコカリ指輪を夕日に翳している。
長門「……艦娘憧れのケッコン指輪も、私にとっては、結局こういう扱い、という事か……」
後藤「……あ~……」
後藤は首筋をポリポリ掻いた。
後藤「俺はよくいい加減な男とは言われるが……」
長門「?」
後藤「嫌いなヤツに指輪を贈るほど、無神経な男ではないよ」
長門「隊長……」
後藤「お前さんみたいな、まっすぐなヤツ、嫌いじゃないよ」
長門「……部下として、か?」
後藤「さあね~」
長門「フフ……まあいいさ」
後藤「さて、これからは別行動だ、土産代は出すから、駆逐艦達に、なにか買っていってや
りな」
長門「……? まだ、何かあるのか?」
後藤「まあね~、ちょっと汚いお仕事が」
長門「……付いて行かなくて大丈夫か?」
後藤「平気、平気、それより、集合時間に遅れないようにな」
長門「あ、ああ……」
~1時間後、都内某所~
後藤「久し振りだな、篠原」
篠原「隊長も、お元気そうで何よりです!」
後藤「今回は、嫌な仕事に付き合わせる事になるが……大丈夫か?」
篠原「そりゃまあ、実家を脅すなんて、できればしたくないッスけど……」
遊馬は、愉快そうに笑った。
篠原「親父の鼻を明かせるなんて、痛快ですからね!」
後藤「そうか……じゃ、行くか」
篠原「了解です!」
そして二人は、篠原重工本社ビルの中へと消えていった……。
~2週間後、鹿屋基地~
千歳「隊長! 資材供給量が、制限される前の倍になりました! 制限されてた時と比べて、
4倍ですよ! 4倍!」
後藤「あらそ~、良かったね~」
赤城「入渠ドッグも二つ解放されました……これで入渠待ちをしなくてすみます!」
後藤「うんうん」
那珂「母港もめいっぱい拡張されたよーっ! これで解体に怯えなくてすむよーっ!!」
後藤「もう心配しなくていいからね~」
金剛「タイチョー! どんなMagicを使ったネー?」
後藤「それは秘密」
長門「フフ……」
皆で喜んでいる所に、やる夫が転がり込んで来た。
やる夫「た、隊長! た、大変ですお!!」
長門「どうした、准尉?」
やる夫「じ、辞令ですお!」
千歳「辞令?」
後藤「あ~、やっぱそう来たか~、思ってたより早かったな」
榛名「辞令って、何の辞令ですか?」
長門「……准尉、読み上げてみろ」
やる夫「は、はい……鹿屋基地所属、後藤喜一中佐は、2週間以内に原隊復帰し、特車二課
第二小隊隊長に復職する事……い、以上ですお……」
千歳「え……?」
全員「ええええええええええ~っ!!!!」
長門「……」
未プレイだけど後藤さんの名前見かけたから読み始めたらこれはいい作品に当たったな。
艦これもやってみるかなあ
~1週間後、夜、鹿屋基地~
引き継ぎも終わり、荷物の整理も一段落し、後藤は基地の外に出て一服していた。
そこに、一つの影が近づいた。
後藤「……長門か?」
長門「ああ……」
二人は何故か、顔を合わせない。
長門「やはり行くのか……?」
後藤「まあね……所詮俺は雇われ提督、上に戻れと言われたら、戻らにゃならんのさ」
長門「そうか……」
長門「後任は誰になる予定だ?」
後藤「軍部にはやる夫君を推薦しておいたよ……ま、今なら大抵の事は通るだろうから、特
進して、彼が提督になるだろうな」
長門「そうか……」
後藤「彼はきっと、良い提督になるよ」
長門「隊長がそう言うのなら、きっとそうなんだろうな……」
後藤「……用はそれだけ?」
長門「……青葉が調べたんだがな、内閣は極秘で、艦娘を徴兵制から、完全志願制にするよ
う、閣議決定したそうだ」
後藤「ほ……そりゃまた良かった」
長門「……隊長が何かしたのか?」
後藤「さあね~」
長門「フ……」
秋の風が冷たく吹き抜ける。
後藤「寒いな……そろそろ戻るか」
長門「隊長」
後藤「ん?」
長門「隊長に、私の本当の名前を知っていてもらいたい」
後藤が驚いて振り向くと、長門が穏やかに笑っていた。
後藤「長門……お前さん、記憶が……」
長門「艦娘には、まだ未知の部分も多い……時には、昔の記憶が甦るヤツだっているさ」
後藤「そうか……」
長門「私の本当の名前は……」
その時、一陣の風が吹き抜け、一つの季節の終わりを告げて行った……。
あぁ後藤さんだわこりゃあwwww
~1週間後、特車二課ハンガー~
後藤「ただいま~、おやっさん、いる?」
シゲオ「後藤さ~~~~~~~~ん!! 会いたかったよ~~~~~~~~っ!!」
榊「おう、戻って来たか、御苦労だったな」
後藤「長い事留守にしてすみませんでした、いろいろ焼酎見繕ってきましたんで、後で一緒
に飲みましょうや」
榊「そんな事はいいから、てめえの後ろにいる奴等に、早く挨拶をしてやんな」
後藤「はあ……」
カッコカリとはいえうら若き女性に指輪を渡すとは…
あ~あ南雲さんに怒られる~
熊耳「隊長、お疲れ様です!」
野明「隊長が戻って来た~~~っ!! やったね!」
篠原「お疲れ様ッス! 隊長!」
太田「隊長……お会いしとうございました~~~~~っ!!」
進士「これで胃薬の日々から解放される……良かった……ホントに良かった……!」
山崎「お帰りなさい、隊長、皆で待ってましたよ」
後藤「お前らは変わらないねぇ……ホントに」
南雲「お帰りなさい、後藤さん、早速だけど、仕事よ」
後藤「しのぶさ~ん、ちょっとは休ませてよ~」
南雲「そうはいかないのよ……海軍との合同演習だから、相手方の都合もあるし」
後藤「へ? 合同演習?」
??「1週間ぶりですお、隊長!」
後藤「やる夫君……提督になったんでしょ? ダメじゃない、こんなトコ来ちゃ」
やる夫「いえ、この入速出やる夫中尉、隊長の薫陶を受けた身として、是非隊長の育てた特
車二課の皆さんと演習をさせてほしかったんですお!」ビシッ
野明「ふえ~……隊長、向こうでも尊敬されてたんだね~」
篠原「よっ! 憎いね! この人たらし!」
後藤「茶化すな、篠原……それより、演習って、まさか……」
長門「おーーーーーーい!! 隊長―っ!!」
埋立地に向かって、海上をスケーティングする一団があった。
野明「わあ~っ!! あれが艦娘か~、TVで見たとおり、ホントに海の上を滑ってるよ
~!」
太田「むむむ……奇怪な……」
艦娘達は、海上から後藤を呼ぶ。
金剛「Hey! タイチョー! 逃げようったって、そうはいかないネー!!」
千歳「隊長―っ!! お元気ですかーっ!!」
長門「我々は何処に居ても、常に一心同体だぞ!! 我が『伴侶』よ!!」
そう言って、長門はケッコン指輪を高く掲げる。
野明「隊長……向こうで何やってたんですか……?」
篠原「よっ! 憎いね! この女たらし! 人類の敵!」
南雲「へー、ほー、ふーん……」
後藤「いや、あのね、違うんだよ、これは、しのぶさん」
南雲「しーらないっと」
後藤「し、しのぶさ~~~ん」
特車二課は、今日も平和であった。
この物語はフィクションである
……が、10年後においては、その限りではない
(完)
これでこのSSは終わりです
たくさんの「乙」励みになりました
ありがとうございました
それでは、またどこかで
乙ー!
サクッと楽しめる良SSでした
おっ、完結乙ぅー!
やっぱり…後藤さんの居る特車二課は…最高やな!
乙です。乙です。
後藤隊長のキレキレ具合がたまりませんでした。
この世界なら南雲さんと一緒になれなくても更に賑やかになりそうですね。
年代が2014年以降か……
みんな何歳なんだろなぁ
乙です。
>>390
またどこかでって事は期待していいですか?良いですよね?させて下さい。
乙
展開や設定のまとめ方がとても良かった 後藤さんの良さが上手く出てて満足 やっぱり漫画版の後藤さんはカッコイイね
乙です
パトレイバーも艦これも いいぞ。
一気読みしてきたいい後藤さんだった乙
ゲームシステムに納得いく説明を付けて綺麗にまとめたなあ
乙でした!
投下乙でした
綺麗に纏まっていて実に面白かった!
流石は後藤隊長△
やっぱり後藤隊長好きだわーw
だからこそ実写映画版の落ちぶれ設定が気に入らない
素晴らしい纏め方だった
艦これマジで始めようかと思う。
長門いいなぁ
あと青葉
乙
>>394
それ以上いけない
バビロンプロジェクトは21世紀への挑戦とかそんなことはなかった、いいね?
とにかくお疲れ、本当に面白かったよ
やっぱ後藤さん好きだわ
良いものを読ませてもらいました
ありがとう
乙
次回作も楽しみにさせていただきます
いーもん読ませていただきました。
>>401
実写版でのあの末路は確かに無いですよね。
まあ、あの実写映画版は、IFとでも言うべき劇場版の未来図なワケだけど、
このSSはどちらかと言えば漫画版の未来(後藤さんの在り方的に)にも見えるけどどうなんかな?
>>1乙。
面白かったです
乙でした。
徳永の前で艦娘システムの裏事情を暴くシーンを読みながら
劇パト2で荒川の正体を見破るシーンを思い出したぞ。
乙でした。
このSSまとめへのコメント
とてもいい話でした。
パトレイバーとは同年代の生まれなので
とても想像しやすかったです!
完結してしまったのが惜しいくらいだ