憎い。
ニートが憎い。
この国に蔓延る、ニートという名の害虫が憎い。
俺は、毎日必死に働いている。
朝は5時に起き、誰よりも早く職場に着き、
終電が出るギリギリまで仕事をしている。
それはそうだ。俺がいないとあの仕事は回らない。
俺は社会に必要な人間なんだ。社会が俺を必要としているんだ。
だからこそ俺は、私生活を犠牲にして働く。
俺も30歳になったが学生のとき以来、恋人はできていない。
いや、そもそも学生時代の友人とは、今は誰とも連絡を取っていない。
休日が少ないのだ。疎遠になるのは当然とも言えるだろう。
だが、俺はそれが誇らしい。
しるか
職人気質かな?
SSかー
期待
俺はそれだけ社会に貢献している。
働いて結果を出せば、それだけ社会に貢献しているのだ.
だからこそ、私生活を犠牲にすればするほど、
俺は社会人として完成されていくことを感じる。
だがニートという害虫は何も生まない。
私生活を犠牲にするどころか、仕事を一切しない。
この身を犠牲にして働いてこそ、社会に存在することが許されるのに、
奴らは働いていないことを当然の権利のようにのたまい、
自らを正当化する。
終いには、自分がニートなのは社会が悪い、親が悪い、
つまりは環境が悪いなどという戯言をぬかす。
ふざけるな。
貴様らに生きる価値などない。
この社会に身を粉にして貢献していくのが、社会人としてあるべき姿だ。
前にss書いてた人かな
どんなのかは忘れちゃったけど
社畜ももう死語になりつつあるな
だからこそ、ニートは駆除しなければならない。
俺はネットで、ニートだと思われる書き込みには、
「社会のために、今すぐ自殺しろ」という書き込みを返している。
社会人として、当然の善行だ。
そう、ニートを自殺に追い込む度に、社会人としてのステータスが上がると感じている。
だが、ネットでは相手が本当にニートかどうかの確信が持てない。
だからこそ、俺はハローワークに足を運ぶことにした。
ハローワークにいる、いかにも引きこもりのような外見の人物を見つけ、声をかける。
ニートなわけだから、こちらが言葉を掛けると、挙動不審な言動・行動をとり、
口をモゴモゴと動かす。
それを見て、俺は相手がニートだと確信し、同時に社会に必要のない害虫だと認識する。
完全俺ルールな件
これ犯罪者になってしまうストーリーかな?
ニートがログインしました
よめね
俺はそいつを逃がさないように、飲み物を奢って相手を油断させる。
そして、ハローワークの近くにある公園のベンチに二人で座る。
ニートはこちらと決して目を合わさず、飲み物をチビチビ飲んでいた。
そして俺は、行動に移る。
「あんた、今は何をしているんだ?」
「え……あの……高校を卒業して……それからずっと、家にいて……」
「えぇ! まさかこれまで働いたことがないのか!?」
「あ……う……」
わかっていたことだが、俺はわざと大声を出して、相手を威圧する。
これは同時に、相手に自分の罪深さを思い知らせるためでもある。
「働いていない」ということが、いかに異常かということを思い知らせるためである。
来年から頑張るから許してチョンマゲwwwwwwwwwwwwww
>>14
内定どこ?
「今まで何をしていたんだ? なぜ働いていないんだ?」
「え……いや、祖父の介護とかを……」
「介護しながらだって、職は探せただろう? なぜそれをしなかったんだ?」
「いや……大変で……その……」
「言い訳するな!」
「ひいっ!」
「介護が大変だと!? そんなもの、両親や介護士などと交代でやればいいだろう!
お前は祖父の介護を建前に、社会から逃げていただけだ!」
「そ、そんな……ちが……」
「そうに決まっている! おおかたお前みたいなやつは、
学校でもいじめを受けて満足に通えていなかったのだろう!?
それで、社会に出るのを恐れていたんだろう!?」
図星だったのか、ニートは涙目になりながら俯いている。
俺氏暇過ぎだろww
「それになんだ、その服装は!? 碌にサイズも合ってないし、毛玉だらけだ!
自分で服も買えないのか!?」
「い、いやこれは、お金がなくて忙しかったからで……」
「ふざけるな! 祖父の介護だけでそんな忙しいわけあるか!」
「ほ、本当なんです。僕は片親で、母親がパートに行っているから……」
「言い訳をするんじゃない! いいか!? お前は社会に出ない限り、クズの底辺なんだ!
就職しないかぎり、お前は存在してはいけない人間なんだ!」
「そ、そんな、僕だって就職活動をしてるけど、どこも雇ってくれなくて……」
「当たり前だ! お前みたいなクズを雇う企業がどこにある!?
お前は失敗作なんだ! 社会のゴミだ!」
「ひ、ひどい……」
さて、これだけ言えばいいだろうか。
こういう時に、決して「自殺しろ」という直接的なワードを出してはならない。
自殺教唆になってしまうからな。
あくまで俺は社会人。法律に背いてはならない。
だが、ニートを自殺させるのは大いに社会貢献になる。
こうやってニートを自殺させていけば、俺はより社会人として……
「そこまでにしておきなよ」
>>15
おいおいwwwww何を言ってるんだよwwwwwwwwwww
追い詰めるのって人間として酷い事してるよな
本当のエリートは一日仕事してなくても国のためになってる人
>>21
誰だよwwwww
>>22 普通の名無しだけど あくまで僕個人の意見で押し付けるつもりもない
その声に反応して、顔を前に向ける。
そこにいたのは、先ほどハローワークにいた求職者だった。
見るからに清潔そうな顔立ちをして、スーツを着ていることから、
どうやら転職活動をしているのだろう。だから、駆除対象からは外していた。
だが何だ? こいつも社会人なら、俺の行動を止める理由は何だ?
「先ほどから見ていたが、見るに堪えない。君の行動に何ら意味を見いだせなかった」
何だこいつは? 俺の行動に意味がないだと?
「あんた、こいつの味方をする気か? もしかして、あんたもニートなのか?」
「ちがうよ。僕は外回りの間に、こっそりハローワークに通っている単なる会社員さ」
「社会人なんだな? だったら、あんただってこいつに生きる価値などないことがわかるだろう!
それとも何だ? 社会人っていうのは嘘なのか?」
『』シリーズの人か
期待
>>23
エリートの例を挙げて欲しかったwwwすまんかったwww
俺の言葉に対し、スーツの男は大きなため息をついた。
「……君、すごく視野が狭いんだね。自分に反対したり、都合の悪いことを言う人間は、
全てニートだと思っているのかい?」
「視野が狭いだと!? 俺の言っていることはどう考えても正しいだろう!
こいつは社会に出ようとしないクズだ!」
その言葉に、ニートは耳を塞いだ。
「見ろ! 俺の言葉が図星だから、こうした反応を見せるんだ!
こいつは社会から逃げているんだ!」
「じゃあ聞くけど。君は家族の介護をしながら就職活動が出来るのかい?」
「……なんだと?」
「確かに個人差はあるだろう。だが、彼は経済的な理由からおじいさんを施設に入れたり、
ホームヘルパーを雇うことが出来なかった。だから、彼ひとりで介護をせざるを得なかった。
そんな状況がどういうものなのか想像もせずに、一方的に言葉を押し付けるのは、どうかと思うな」
「ふざけるな!」
「なぜ俺が、そんなことを考えなければならない!」
そうだ、ニートは問答無用でクズだ。社会のゴミだ。そんな奴の環境など考えたくもない。
「ニートはクズだ! 社会に必要ないんだ! 俺はそんな奴にはならない!
だからこいつの状況など想像する必要などない!」
「……なにそれ?」
「ああ!?」
「じゃあ、君はさ……」
「自分は絶対ニートにはならないから、ニートには何をしてもいいと考えているの?」
ふむ
「当たり前だ! 俺がニートなんかに……」
「なら、聞くけどさ……」
「なんで君は、毎日ハローワークに通っているの?」
「……え?」
「僕は週一回のペースでハローワークに来ているけど、必ず君を見ている気がするんだよね。
職員の人に聞いたら、毎日、ほぼ一日中、入り浸っているそうじゃない?
しかも、仕事を探すのでもなく、ニートみたいな人を探しているみたいだって言っていた」
「そ、それは……」
「もしかして、君は仕事をしていないのかい? だから君は……」
「違う! 俺は社会人だ! 俺は社会に必要な人間なんだ!」
「さっきから、気になっていたんだけどさ」
「君の言う、『社会』ってなんだい?」
スレタイktkr
「……なに?」
「君は『社会』という言葉を連呼しているけどさ。君の言う『社会』とは何だ?」
「決まっている! それは……」
それは……何だ? あれ?
「君は『社会』、言うなれば周りの目を気にして生きているように見える。
だからこそ、自分を必死に社会人として位置づけようとしていた。
そして、ニートを罵倒することで、自分が社会に必要な人間だと思い込もうとしていた」
「思い込んでいるんじゃない! 俺は社会人だ!」
「仕事を失ったのは、俺の重要さに気づかないバカが力を持っているせいだ!」
「だからこそ、俺はそんなバカが力を持たないように、こうしてニートを……」
「それがさあ!」
「それが、意味がないっていっているんだよ」
スレタイの時点で脳内映像がペコポン人スーツ着たキュゥべえなんだけど
意味がない? 俺の行動に意味がない?
馬鹿な! 俺はこの世からニートを排除しているんだ!
社会もそれを認めてくれるはずだ!
俺の偉業を!
「俺がしているのは、社会貢献だ! 俺は社会人だ!」
「だったら、君はなぜ仕事を探そうとしない?
仕事を持っているならば、誰もが君を社会人だと認めるはずだ」
「それよりも先に、ニートの排除だ! そうしないとまた……」
「また、君は仕事を失うって? つまり君はさ……」
「それを理由に、社会から逃げているんだね」
見てるよ
俺が社会から……逃げている?
「そうだろう? 君も人のことは言えない。自分より弱い存在を見下すことは出来ても、
自分を高めようとはしない。自分の身の程を知るのが怖いからだ」
「お、俺は……」
「もうやめるんだ。君のしていることは無意味にもほどがある。
誰も幸せにならないからだ。そこの彼も、もちろん君も」
「だからと言って! 今更……」
今更……俺に何が出来る!?
30歳の俺に再就職なんて……
「君は自分を追い詰め過ぎなんだ。ニートを見下すことで精神を保っていたから、
自分が無職になったことが堪えられなかったんだ。
でも、社会は四六時中、君を見張っているわけじゃない」
「いつだって、君を攻撃しているわけじゃない」
俺は、いつのまにか涙を流していた。
自分の状況をようやく認めることが出来た。
そうだ、俺は自分より下を見ることしか出来なかった。
自分より下の存在に対して、攻撃的になっていたから、
自分がそうなった時に、周りが全て敵に見えていたんだ。
「僕も、仕事しながら転職先を探している。良かったら、僕ら三人で一緒に活動しないか?」
「え、僕も……いいんですか?」
「もちろんだよ。一人だと気が滅入るからね」
「俺も……いいのか?」
「まあ、ギクシャクするかもしれないけど、まずはさ……」
そして俺は、ニートだと思っていた男に土下座して謝った。
その後、スーツの男の仕事が終わるのを待って、三人で呑んだ。
俺は社会は厳しいと思い込むことで、自分を守っていたのかもしれない。
そう思い込いこまないと、社会だ認めてくれないと思っていたのかもしれない。
実際、社会は厳しいのだろう。だとしても……
常時、俺を攻撃してくるわけではないのかもしれない。
完
おつ!
今回も鋭くて良かった
終わり!
こういう終わり方もある。
そうか、そう言えばバッドエンドばかりだったもんな
おつおつ
>>41
まあそうだな。
>>43
少しパターン化してたからそいういのだろうと読んでた
今までのもいいけどこれも嫌いじゃない
みんな語る語る楽しい
乙!
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