リーネ「サーニャちゃんとの何でもない休日」 (24)




501基地 食堂

芳佳「んっ! 私、そろそろ行かなくちゃ」

リーネ「もうこんな時間。遅れちゃうね」

芳佳「走ればまだ間に合う! ……そうだ、リーネちゃんは今日どうするの?」

リーネ「私? まだ時間も早いから洗濯とか終わらせて、町にでも行こうかな。お茶葉も買いたいし」

芳佳「そっか。新しい紅茶楽しみにしてるよ。じゃあ行ってくるね」

リーネ「うん。頑張ってね」

芳佳「ばいばーい」タッタッタッ

リーネ「……」ノシ フリフリ

リーネ(えーっと、あと買うモノは……)

リーネ「ん?」

サーニャ「……」ボーッ テクテクテク

リーネ「おはよう、サーニャちゃん」

サーニャ「おはようございます、リーネさん……」

リーネ「今朝食……昼食だね。用意するから、待っててね」

サーニャ「ありがとう、ございます……」ボーッ



リーネ「ウィルマお姉ちゃんへ」
リーネ「ウィルマお姉ちゃんへ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409922015/)

前スレと関係あるかは尻ません。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410528168




サーニャ「もぐもぐ……」カチャカチャ

リーネ「……」ザーッ ゴシゴシゴシ

サーニャ「……」

リーネ(気まずい……私、あんまりサーニャちゃんとお話したこと無いから、どうしよう……)

リーネ「サーニャちゃん、今日は非番なの?」

サーニャ「……はい、そうなんです」

リーネ「そっかー。夜間哨戒大変だもんね、ゆっくり休まないと」

サーニャ「はい、そうします」

リーネ「……」

サーニャ「……」パクパク

リーネ(会話が続かないよぉ……)





リーネ「サーニャちゃんって、休みの日はいつも何してるの?」

サーニャ「エイラがいない日は、ほとんど寝てます」

リーネ「そうなんだ……」

サーニャ「……」パクパク

リーネ「……」

リーネ(私が芳佳ちゃんならもっと色々話が出来るのに。はぁ……)

サーニャ「……」ガタッ テクテク

サーニャ「ごちそうさまでした……」

リーネ「あ、いいよいいよ。食器、私が洗っておくから。疲れてるでしょ? 寝てきていいよ」

サーニャ「いいえ……。これくらいは」ザーッ ゴシゴシゴシ

リーネ「う、うん……」





サーニャ「……」ゴシゴシゴシ

リーネ「……」ポツン

サーニャ「……」キュッキュッ カタン

リーネ「ありがとう、助かっちゃった」

サーニャ「……」首フリフリ

サーニャ「おやすみなさい……」テクテクテク....

リーネ「うん、おやすみ」

リーネ「……」

リーネ(なんだか気を使わせちゃったかな……)





501基地 中庭

リーネ(ほんと、良いお天気……。それに涼しくて、気持ちのいい風……)

リーネ(早めに洗濯物干して買出しに行こう。そろそろ温かい紅茶が欲しくなる季節だから……)

リーネ(あ……みんなに欲しいもの聞いておけばよかった。気が利かないな、ホント)

リーネ(……今日はこの近くでの空域で訓練らしいけど……ここからじゃ全然見えないなぁ)パンパンッ

リーネ「んーっ……はぁー」グイーッ

リーネ(よし、終わった! 皆のお昼ごはんも作ってきたし、掃除も終わってるし、ささっと町に行って……)

サーニャ「……」テクテクテク

リーネ「あれ、サーニャちゃん?」

サーニャ「リーネさん……」

リーネ「どうしたの? 眠れないの?」

サーニャ「はい、最近眠りが浅くて……。少し散歩してから寝ようかなって」

リーネ「ふぅん、そっかぁ」





サーニャ「もし、もしよかったら……」

リーネ「うん?」

サーニャ「リーネさんも……一緒にします? お散歩」

リーネ「私? 私は……」

リーネ(町での買出しはそんなにかからないし……何よりサーニャちゃんがせっかく誘ってくれてるし……)

リーネ(たぶん、あまり係わり合いの無い私だから、勇気を出してるんだよね……また気を使わせちゃってるな……)

リーネ「うん。私も、行こうかな」

サーニャ「そうですか。良かった……。こっちです」

リーネ「こっち?」

サーニャ「いつも私が通る散歩のコースがあるんです」

リーネ(へぇ……サーニャちゃん、結構散歩するんだ……知らなかったな)






サーニャ「この道の先には花壇が並んでるんです」

リーネ「わぁ、ほんとだ! もう秋だから……これはコスモスかな?」

サーニャ「そうです。これがキクで、こっちが……」

リーネ「キンモクセイだね。良い香りがするよ」

サーニャ「これはオシロイバナ、そしてキキョウ。……私もあんまり詳しいわけではないのですが」

リーネ「あっちはシクラメンにハイビスカス。そしてこれは……」

サーニャ「マリーゴールドです」

リーネ「もしかしてサーニャちゃんって、お花好き?」

サーニャ「そうですね。オラーシャの家の周りによく花を植えていましたから」

リーネ「私もね、ブリタニアの家ではよく育ててたんだ」






リーネ「いつか私の家の周りに大きな花壇を作って花に囲まれた生活をしたいなって」

サーニャ「へぇ、そうなんですか。ステキですね」

リーネ「将来はお花屋さんでもいいし、迷っちゃうね。えへへ」

サーニャ「もしよかったら、いつか……百合も扱ってください」

リーネ「そうだね、うん。そうするよ。キレイだもんね」

サーニャ「あの……あっちに魚がよく見えるスポットがあるんです」

リーネ「魚?」

サーニャ「あとは貝とか、浅瀬に住んでいる生き物です。珍しい生き物もたまにいるんです」

リーネ「あぁ、潮の満ち引きで取り残されちゃった子達かぁ」

サーニャ「基地の裏側にはキレイな川もあって、あとはたまに鳥も……」





1時間後 501基地 木陰

リーネ「この基地に、こんなに知らないことがまだまだあったなんて、私驚いちゃった」

サーニャ「そうですね。たまに散歩に出ると、そういう発見ができるんです」

リーネ「いつも一人で歩いているの?」

サーニャ「エイラがいると、いつも一緒に何かをしてるから……たまに一人でいたいときはここに」

リーネ「ふぅん……。私もお休みの日には基地の周りを歩いてみようかな」

サーニャ「はい、ぜひ……ふぁぁ……」

リーネ「眠い?」

サーニャ「……少しだけ」ゴロン

リーネ「ちょ、ちょっとサーニャちゃん、そんなところで横になったら痛いよ?」

サーニャ「はい……Zzz」






リーネ「はい、じゃなくて……サーニャちゃん? ベッドで寝なきゃ……」

サーニャ「くー……くー……」

リーネ「……いつもみんなが寝ている時に飛んでいるんだもんね……エライね」ナデナデ

サーニャ「Zzz……んっ……」

リーネ「あぁ、そろそろ町に行かなきゃ。でも……」チラッ

リーネ「このままにはさすがに……いつもそうなのかもしれないけど、うーん……」

リーネ「まぁ……いっか」

サーニャ「すー……すー……」





リーネ「よいしょっと」

リーネ(膝枕なんてしたの、いつ以来だろう……あ、サーニャちゃんの髪の毛、サラサラ……)

リーネ(……あどけない横顔、すっと通った鼻先。線は細く、儚さはまるで百合のよう……)

リーネ(なるほど、エイラさんがお熱なのも少し分かっちゃうな)

リーネ「ふふっ、おやすみ。サーニャちゃん」

リーネ(さぁ、私は何をしよう……。木にもたれかかって寝てみようかな)

リーネ(目を閉じてみるだけで、まるで別世界にいるみたい)

リーネ(木陰。気持ちのいい風と、草木の香り。心地いい重さと、秋のお昼寝……)






夕方 501基地 木陰

サーニャ「Zzz……はっ……ん……」コシコシ

リーネ「起こしちゃった? ぐっすり寝てたね、サーニャちゃん」

サーニャ「あれ、あの……ごめんなさい、私リーネさんに……」

リーネ「ううん、いいの。私も少し眠っちゃったから」

サーニャ「そうですか……」

リーネ「お休みの日に、何も予定を入れないでこうやってのんびりするのって、気持ちがいいね」

リーネ「私、久しぶりにこうやって何もしないお休みの日を過ごしたよ」

サーニャ「趣味に没頭しなくても、町に行かなくても。休日を充実させるのってどこでも出来るんだと思います」

リーネ「うんっ、そうだね。今度芳佳ちゃんにも教えてあげよーっと」

リーネ(でも、それはもう少し先。これはサーニャちゃんと私の秘密の共有……になるのかな?)






サーニャ「私の頭、重くなかったですか?」

リーネ「ううん。すっごく軽かったよ。ねぇ……私の脚は、寝やすかった?」

サーニャ「えーっと……はい、とても」

リーネ「そう、良かった」

サーニャ「……あの、ごめんなさい」

リーネ「どうしたの?」

サーニャ「もしかして、今日何か予定が……」

リーネ「いいの。別に大した用事じゃなかったから」

サーニャ「やっぱり……ごめんなさい」

リーネ「謝らなくていいんだよ。ほんと、いつでもできることだったから」






リーネ「さぁ、そろそろ洗濯物を取り入れて……あ、でも中途半端に時間余っちゃったなぁ」

リーネ「サーニャちゃんは他に何かするの? 夕食までまだ時間あるからもう一眠りする?」

サーニャ「えーっと……もしよかったら。私のピアノ、聴きますか?」

リーネ「えっ?」

サーニャ「大したモノじゃないですけど、暇つぶしくらいには……」

リーネ「暇つぶしだなんて、そんな」

サーニャ「……普段、エイラにもあまり聴かせないんです」

リーネ「どうして?」

サーニャ「聴いて聴いてってせがむのがあまり得意じゃなくて」

サーニャ「それで、一人で弾いてるのですが……たまには感想が欲しくって」

リーネ「そういうことなら聴かせてもらおうかな」

サーニャ「はいっ」パァァ






501基地 談話室

サーニャ「♪~」ポロロンポロロン

リーネ(そういえば。サーニャちゃんがピアノを弾いてるのを見るのって、これが2回目かも)

リーネ(あの時はミーナ中佐の歌声ばかり聴いていたからわからなかったけど)

リーネ(サーニャちゃんのピアノも、上手……)

サーニャ「どうでしたか……?」

リーネ「うまく言えないんだけど、とっても上手だと思うよ。私、もっと聴きたいな」

サーニャ「ほんとですか? じゃあ、もう一曲」

サーニャ「……♪♪~」ポロロン....

リーネ(夕暮れ。赤い色に染まる部屋に、私とサーニャちゃん)

リーネ(エイラさんが知ったらどんな顔をするのかな)






リーネ「やっぱり上手だね、サーニャちゃん。私、たまにでいいから聴きたいな」

サーニャ「あの、ありがとうございます……//////」

リーネ「週一回、サーニャちゃんのピアノ発表会なんてのは……恥ずかしいよね」

サーニャ「さすがに……でも嬉しいです。エイラは何でも聴き終わるとすごいすごいしか言わないから……」

リーネ「あはは。エイラさんらしいね」

サーニャ「ふふっ、そうなんです」

リーネ「……私ね、あんまりサーニャちゃんとお話したこと無かったでしょ?」

リーネ「また……たまにでいいから二人でお話しない?」

リーネ「私、もっともっとサーニャちゃんのこと、知りたいな」

サーニャ「わっ、私の方こそ……今日はとっても楽しかったから。また、聴いて欲しいです」

リーネ「良かったぁ。じゃあ、今度のおやすみにでもまた、お散歩に行こう?」






サーニャ「はいっ。……それじゃあその次は一緒に町に……」

リーネ「うんっ、いいよ。サーニャちゃんに似合う服とか一緒に探そうよ」

サーニャ「楽しみにしておきます……」ニコッ

リーネ「うん、私も! ……あ、もうこんな時間かぁ。もう少し聴きたかったのになぁ」

サーニャ「リーネさんが聴きたいって言ってくれるのなら、いつでも」

リーネ「ほんと? 嬉しい! 今度いっぱい演奏してねっ」

サーニャ「はい、もちろん」

リーネ「じゃあ、私行かなくちゃ。夕食が出来たら部屋に呼びに行こうか?」

サーニャ「少しくらいならお手伝いできます。私、まだお話したいから……/////」

リーネ「うんっ。じゃあ、食堂にいこっか。サーニャちゃんと今日は何作ろうかなぁ~♪」






1時間後 501基地 食堂

リーネ「おかえり、芳佳ちゃん」ニコニコ

芳佳「うん、ただいまっ。はぁ~疲れたぁ~」

リーネ「今日の夕食はオラーシャ料理だよ!」ニコニコ

芳佳「良い匂い~。おいしそう! ん? どうしたの? そんなにニコニコして」

リーネ「えっ? ううん、何でもないよ」

芳佳「何でもない? ほんとぉ?」ジトー

リーネ「うんっ♪」

芳佳「怪しいなー。何か良いことあったんでしょ。……ん? でもオラーシャ料理って、リーネちゃん……」

リーネ「ふふ、実はね……今日サーニャちゃんと……」






エイラ「アレ? 珍しくサーニャが食器並べてらぁ……オーィ、サーニャぁー」

サーニャ「ふふっ……♪」カチャカチャ

エイラ「サーニャ?」

サーニャ「えっ? あ、おかえりエイラ」

エイラ「ただいまダナ。……珍しいこともあるもんダ」

サーニャ「そうね、珍しいこともあるものよね」チラッ



リーネ「ふふっ、あははっ♪」



テテテテンッ デデデンッ!           つづく






オワリナンダナ
読んでくれた方、ありがとうございました。

前スレでも書いた通り、私は絶対に……アヘ顔書きたい衝動なんかに負けたりしません。

次回作戦開始予定:九月十九日フタフタマルマル
これが最後の投稿です。

某まとめサイト様、並びに各所でコメントくださる方、いつもありがとうございます。
それでは、また。

ストパンO.V.A.マデ5週連続デ投稿シ続ケルンダナ


オツダナ

オツナンダナ

珍しい組み合わせでよかったンダナ

(T×T)サーニャー サーニャー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月13日 (土) 13:07:16   ID: BdUc1Qin

がんばれ…がんばれ!

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