ジャギ「世紀末へのアンチテーゼ」 (443)

・ジャギをちょっとかっこ良く(個人的主観)したらどうなるか、という北斗の拳のifストーリーです。
・ジャギに限らず、大小ありますがキャラの改変やage・sageが激しいです。
・地の文があります。
・書き溜めはありません。しかもゆっくり更新して行くのでかなり長くなると思われます。
・作中の都合上、オリジナル技が多数出ます。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404043537

俺はあの日、全てを失った。




あの頃、俺は北斗神拳伝承者になるべく、来る日も来る日も修練に励んだ。


しかし、他の3兄弟との差は広がるばかりだった。


俺は他の兄弟に負けないためにも、血の滲むような努力を重ねた。他の兄弟に伝承者の座を渡したくなかったからだ。


長兄ラオウにはその強大な野望が、次兄トキには暗殺者らしくない優しさが、末弟ケンシロウには伝承者にあるまじき甘さがあるからだ。


しかし、だからと言って俺が継ぐには、あまりにも力が足りな過ぎた。

結果、伝承者はケンシロウになった。


最も恐れていた事態だ。


ラオウやトキについては、強さについては申し分ない。ラオウはその信念からも非情に徹することができるし、トキはその性格を補って余るほど腕が立つ。正直、純粋な拳の腕では最強だろう。


だがケンシロウは、もちろん強いがラオウやトキに比べればやや劣る。その上、あの「甘さ」がある。


果たしてケンシロウに、人を殺すことができるのか。俺はそれがどうしても心掛かりだった。


俺は、一つの賭けに出ることにした。

そして俺は...





「おい、そこに座れ」


「親父に謝って伝承者を辞退してこい」






ケンシロウに喧嘩を売ることにした。









結果はご承知のとおり、完膚なきまで叩きのめされた。秘孔で身動きが取れなくなっとところに拳を叩き込まれた、さらに、そこから必殺の拳が



「北斗八悶九断!!」




死ななかった。





「去れ、貴様に伝承者の資格はない」


奴は俺を見逃すというのだ。本当に甘い男だ。


俺は逃げた。逃げながら泣いた。秘孔の作用からくる激痛、ケンシロウに負けたこと、見逃されたこと、何もできなかったことが
痛くて、苦しくて、悔しくて、悲しくて



俺は、無力だ。





そして、からっぽだ


今日はここまで
寝ます


本編と違い、狂って壊れる事がなかったジャギ様か…

乙です。
ジャギィ様が好きな俺には一回一回の更新が待ち遠しく楽しみなスレ!


オリジナルも敵ならいいが・・・

徐々に冷静さを取り戻した俺は、自然と北斗修練場に足を進めていた。そこにいるであろう俺たちの師にして父・リュウケンに会うためだ。


ケンシロウを伝承者にした真意を聞くため、ケンシロウを手にかけようとして、返り討ちにあったことを言うため、そして




己の拳を封じてもらうために



次第に無意識に足取りが重くなる。これで俺の拳士としての生命が終わるのが怖い、こんなことほっぽり出して逃げ出したい、そんな負の感情が次々と渦巻く。しかし、俺は行かなくてはいけない。

俺がしでかしたことと、伝承者への夢にケリをつけなければいけない。





俺は修練場の門を叩いた













事切れかけた親父が横たわっていた

「...お.....親父っ!!」


考える間もなく親父の元に駆け寄った。腹に大きな穴が空いている。意識はあるようだが、誰の目から見ても助からないのは明白だった。




「......ジャギ....か...」

親父はすでに意識が朦朧としているらしく、俺が頭が吹っ飛んでいることには気づかないようだ。

「親父!しっかりしろ!!誰にやられたんだ?!」


冷静に考えればわかりそうなものだが、この時の俺は、その答えにたどり着かなかった。いや、辿り着きたくなかった


「....ジャギ...ラオウには.....気を...つ......け........




親父の鼓動が止まった

「お...おい!親父!目覚ませ!!寝てんじゃねぇよ!!親父.....う...うわぁああああああああ!!!」




「どうしたんだジャギ.....っ!!」


背後から声が聞こえた。黒い長髪が印象的な優男、次兄・トキが立っていた。


「ジャギ...これはどういう...」


俺は、ケンシロウとの件も含め、全てをトキに話した。

「...そうか、ラオウが...」


トキは、どこか悲しげな顔をしていた。が、一変してやや険しい顔つきになる。


「そういえば、なぜお前はケンシロウと戦った。そんなにケンシロウが伝承者になるのが気に入らなかったのか」


「それもある、確かにケンシロウは妬ましいさ。けどそれだけじゃねぇ。あいつは甘すぎる。あいつが人を殺す姿なんて想像もできねえ。けど北斗神拳伝承者がそんなんじゃあダメだ。いつかその甘さが仇となって、あいつは殺される、北斗神拳も途絶える。そんな気がしてならねぇ」


「ジャギ....」

セリフにキャラ名入れてなかった。すいません


ジャギ「もちろん言い掛かりなんかじゃなく、ちゃんと根拠もある。俺が今こうしていきていることだ」


トキ「........」


ジャギ「でも...何より悔しいのが、俺が何もできなかったことだ...弟が緩やかに破滅へと向かって行くことも.....親父が殺されることも...止められないなんて.......」



つぶやくように俺は言った。それを、トキはただ静かに聞いていた。




やっぱあんた優しいよ。こんな血に汚れた暗殺拳の使いてなんて、もったいないよ

トキ「ジャギ、これからどうするつもりだ?」

ジャギ「ここで拳を封じられてる予定だったんだが...不謹慎だがせっかくのチャンスだ。もう一度鍛え直してみるわ」

トキ「そうか...くれぐれも仇を取ろうなんて無茶な真似だけははするな」

ジャギ「本当ならついさっき死んでたはずなんだがなぁ...まあ俺も自分の命が惜しいし、あんたに任せるわ。ケリつけたいんだろ?.....実の兄弟として」

いい感じに綺麗なジャギ様

ジャギ「あと、親父の死因は病死ってことにしとこうぜ。親父が子供にぶっ殺されたなんて言い伝えられんのは、耐えらんねえや」スタスタ


俺は親父の亡骸を抱えてこの場を後にした。そして親父の埋葬が終わって程なくして、まるで天がラオウに見方するかのようにそれは起こった





世界が核の炎に包まれた

今日はここまで


どんなに長くなっても付き合うからエタらないでくれ

なんという俺得スレ
期待せざるを得ない


ジャギ様の思いが切実すぎてなぁ…





ジャギ「.....今日は何事も無し...か」




海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命が絶滅したかのような世界。俺はというと、北斗神拳の本来の使い道である暗殺、即ち殺し屋をしていた。


皮肉にも、拳の腕はなかなか上がらないのに対し、騙し打ち、武器や暗器の取り扱いの技術は自分でいうのもなんだが恐ろしい勢いで人間離れしていった。


北斗神拳を拳法としてでなく、暗殺に使うなら、俺の右に出れるやつはいない、そう自身をもって言えるところまできた。褒められたことではないが



俺が殺し屋をしているのには理由がある。


世紀末の世となって、力が支配する世界になった。それ自体は俺は多少仕方ないことだとは思っている。元々俺も弱肉強食という概念を信じてきた。


しかし、行き過ぎると人類の存命に関わる。食物連鎖の土台がないんだ、頂点で狩りあったら破滅は必至だ。それに罪ない人が死ぬのも自然の摂理といえばそれまでだが、流石の俺も指をくわえてじっとしているのも気分のいいものではなかった


そこで、行き過ぎた悪党は、影ながら俺が抹殺することで、最低限のバランスをとろうと考えた。

もう一つ、ケンシロウだ。

奴が世紀末救世主として動き始めた。それはいい。問題は俺の予想通り甘さを払拭し切れていない点にあった。


伝承者としての自覚が芽生えたのか、どうやら奴も悪党を殺しているらしい、だが、それを極力避けようとするきらいがある。


そういう甘さから狩り損ねた残党が、憎悪を増して報復しようとする連中が後を絶たない。その後始末をしているのも、俺だ。全くとんだ汚れ役だよ。

しかもあいつ、婚約者なんか連れて旅してやがる。あんなの自分の急所をおっぴろげて歩いてるようなもんだ。危ないったらありゃしない。


いつ、あいつの甘さやユリアが仇となって窮地に立たされるか分からない。その危険因子を少しでも排除しようってわけだ


ところで、何故俺がケンシロウの近況を掌握し、影で暗躍できているかというと、





「ジャギ、またここにいたのか」


修練場に女のような長い金髪を靡かせて、そいつはやってきた。


南斗孤鷲拳伝承者、殉星の男シンだ。

シン「相変わらず修練場を大事にしてるんだな。裏世界では『死神』と恐れられているお前がなぁ」


ジャギ「ほっとけ。それにまともな勝負だったら、お前には歯が立たねえよ」



シンは組織KINGを立ち上げ、世紀末になる前の秩序あった世界の再興を目指して活動している。俺がケンシロウの後を追えるのもこいつのおかげだ。


というか、俺とシンは仕事柄よく世話になる。シンとしてもこんなご時世に綺麗事にちかいことをほざいてるわけだし、世紀末の世にはびこる悪党共の勢力と度々衝突する。そこで俺がそうなる前に事前に消しておくわけだ。



平和は、いつも犠牲を元に成り立つものだ。

まあ、こいつが部下にケンシロウの行方を追わせている訳は、俺とは少し違うようだが


ジャギ「まあいくら強かろうと、たった一人の女も堕とせないのはたまったもんじゃねぇよな!」


シン「う...五月蝿い!!」


そう、こいつはあろうことか親友の恋人に惚れているのだ。よくいえば一途。悪くいえば超めんどくさい。来る日もくる日も迫り続け、あのユリアに毛嫌いされているくらいだ。


本当はケンシロウ達と旅を同行したかったらしいが、ユリアに猛反発を受け、仕方なくこうして半ばストーキングまがいの行動に...もとい二人を見守っている。

ジャギ「...ここは、俺たち4兄弟の、家だ。今は散り散りバラバラになっちまったけど、いつか、笑いあえる日がくればって思ってさ...」


最もラオウは親父を殺した張本人でもあるわけだが。それでも、俺たちの目指した偉大な長兄だ。


それがもし、トキが、ケンシロウが、はたまた俺が殺しあい、二度と4人が揃うことがなくなったとしても、



ジャギ「俺はここは、死ぬまで守って行きたい」


シン「ジャギ...」


ジャギ「...悪いな...こんな話して。で、新しい仕事が入ったんだろう?」



こいつが俺のところに直接くる要件なんて、飲みに誘う以外は仕事のことだ。まあこいつは未成年だが、こんなご時世そんなものは無意味だろう。ちなみにいつも悪酔いしてユリアの話ばっかるする



シン「...今回の相手は手強いぞ。何しろ、俺と同じレベルの男だ」


何だ?いつになく真面目だな...今までだとカーネルやらジャッカルやらデビルリバースとか...シンと同レベル?検討もつかん



ジャギ「今回の標的は誰だ?」









シン「南斗水鳥拳のレイだ」

今日はここまで

乙なのです。
レイ対ジャギか。どうなるのでしょうか。

ジャギいい人すぎだなww


レイは全体的に能力高いからな…
一体どうするジャギ様

乙です。赤くなれば勝てそう

ダイヤグラムどうだったけな・・・

>>34
魔法戦士インストールしたら今度はトキすらバスケしだすからNG

ジャギ様とQMZジャギは別キャラだからなぁ…

ジャギ「...レイって言ったら、あの義星のレイか?」


シン「そうだ」


ジャギ「けどあいつ、悪党ってタマか?どっちかってえとサウザーとかユダとかの方が問題な気がするが」


シン「理由は分からんが奴は近頃、女装をして引っかかった人間を惨殺し、食糧を強奪しているらしい」


ジャギ「けどそんなのに引っかかるのってそこらにいる悪党共だろ?別にほっといても害はないんじゃね?」


シン「それが最近、とある小さな村の用心棒を騙り、牙一族とかいう盗賊集団に売りつけたらしい」


ジャギ「...ほう」

ジャギ「で、牙一族の方はどうなんだ」


シン「後から来たケンシロウが片付けた。今回は皆殺しにしたらしいからあいつの尻拭いは大丈夫だ。だがレイはすでに街から消えたみたいだ」


ジャギ「なるほど...ところでこれは“お前からの依頼”か?」


シン「いや、“外からの依頼”だ」

こいつからの仕事は、ケンシロウ関連以外では大きく分けて2種類だ。組織KINGの障害になり得るものを潰す「KINGの依頼」、他所の人間が俺に依頼する「外の依頼」だ。最も、俺は立場上存在自体を極秘にしなきゃいけなく、以来自体はこんな感じでKINGを通して来る。


シン「依頼主はコウという少年だ。牙一族に村の住人を惨殺され、自身も深手を負った。姉のマミヤが身代わりになり、命からがらサザンクロスまで逃げてきた、と」


ジャギ「そのコウってガキには会えるか?」


シン「...死んだ。俺のところにきた時にはもう限界がきていたみたいだ」

ジャギ「そうか…って、一応生き残ったならケンシロウに助けられて……まさか」


シン「………そうだ。ケンシロウと入れ違いになったんだ。
レイがいたことはコウしか知らない。だからケンシロウが追うこともないだろう



ジャギ「そんな……」


シン「コウの遺言だ。『村の人達と姉の敵をとってください』…だそうだ」


ジャギ「………!」


シン「こんな場末な要件なんて、氷山の一角だろう、だがお前には少し捉え方が違うんじゃないか?」


ジャギ「…レイの居場所は分かるのか?」


シン「俺の尾行と情報収集網を見くびるなよ」


ジャギ「抜かせ、変態が

…バギー用意しとけ」



南斗水鳥拳のレイ、貴様は俺が殺す。

翌日、修練場の門の前にシンがバギーに乗ってやってきた。


ジャギ「...そういえば、ユダやサウザーはどうするつもりだ」


サウザーにユダ。レイに比べるまでもなく、軍を率いて悪虐の限りを尽くしている二人だ。俺に依頼がきていてもおかしくない


シンはバギーから降りながら言った


シン「ユダは時期が来たら頼むかもな…だがサウザーは、俺が直々にやる。絶対に」


そこからシンの強い意識が感じられた。おそらく、南斗の者として、何か因縁があるんだろう


ジャギ「そうか、何も言わん。あ、報酬たんまり用意しとけよ!」


シン「馬鹿が、こんどこそ酔いつぶしてやる」



だまれ未成年が。

俺はバギーを走らせ、レイのいる目的地へと向かった。


南斗水鳥拳のレイ、その実力は“あの”シンと同じ南斗六聖拳に名を連ねることからもだいたい検討がつく。


間違いなく化け物だ。まともにやったら勝ち目はない。


なら、まともにやらなければいいだけの話だ。


シンの想定地図通りのポイントに蒼い服を着た長い黒髪男が歩いていた。


間違いない、奴だ。

ジャギ「やれやれ、片道2日とは大した労働だよほんと」


そう、実はここまで来るのに2日かかった。それはまあおいといて


ジャギ「さて...始めるか」





俺はここで、己の気配を完全に消した。


まるでそこらを歩くように、当たり前のように、しかしながら迅速にレイの背後に近づく



零距離




脳天めがけて、ショットガンを放った。

えぐレイなら死ぬ

折れたな(肋骨が)


そう戦うのではない、“暗殺”だ。
全力で相手にぶつかるのではなく、“相手に力を出させることなく殺す”のだ


レイ「!!!!」


流石は六聖拳、避けるどころか反撃までしてきやがった。今までならこれで終わりなんだが


だが完全にかわしきれなかったらしく、頭部にダメージを負った。これにより、レイの拳は俺を切り裂くも、急所には届かなかった


一方俺はレイが振り向くのに合わせ、含み針を飛ばした。針は目の下に刺さり、レイの動きが一瞬鈍る。


終わりだ


俺はすかさず秘孔・戦癰を突いた
体の動かなくなったレイを蹴り倒し、踏みつけた。


レイ「貴様...まさか『死神』か...!」


ジャギ「へぇ、シン以外の六聖拳にも知られてるとは俺も有名になったもんだ」


レイ「この…卑怯者が…!」


ジャギ「知らねえよ、勝った方が正義だ」


レイ「ふざけるな…俺はまだ生きなければいけないんだ…家族を惨殺し、妹を連れ去ったあの男を殺すまで…」


ジャギ「何だそれ?命乞いのつもりか?兄弟背負い混んでる人間がお前だけだと思うなよ

せめてお前たちの拳で殺してやる」



ドシュッ



レイ「うっ...アイ…..リ………」


ジャギ「………」


シン、今度の飲みの席では美味い酒は飲めなそうだ…

程なくして、俺は家に戻った。片道2日の道のりと前日の一件から俺は軽く鬱になっていた



うっ…アイ…..リ………




ジャギ「………クソが」


シンからの飲みの誘いはまだ来ない。あれから一週間経ってるってのに、なにやってんだあいつ



そう思っていた自分を、すぐに後悔することになった



満身創痍のシンがやってきた

俺の目の前で、シンは力なく倒れた。辺りが地に染まる


ジャギ「おいシン!どうしたんだその怪我!大丈夫なのか?!」


シン「大丈夫だ………俺は…」


大丈夫って、そんな風には見えないとりあえず手当を……
俺、は?


まさか


嫌な予感が走る


シン「ケンシロウが………


やめろ


その先を喋るな


“そうならないために”今まで頑張ってきたんじゃないか


そのために、俺は汚れてきたんじゃないか、


そのために、俺に似た境遇の男を殺したんじゃないか



だが、現実は蛋白で、単純で、残酷だった






シン「死んだ……………」

今日はここまで

乙でしたってオイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?
…作中でも当初の目的達成してたら確実にラオウに惨殺されてましたよねケンシロウ


実際、シンは作中でもユリアをラオウから逃すという目的さえなければケンシロウと相討ち以上の結果を残せていたはずの拳闘家だからなぁ…



極悪の華でアンナが死ななければ
こんなジャギ様だったのかなあと想像してしまうな、

もうトキとシュウしか頼れる奴がいねぇ・・・

シュウはレイの親友だから殺したことがバレたら頼れないな

ジャギ様夢想天生してまう

ー回想ー


サザンクロス



シン(ジャギはうまくやってるだろうか…)


部下「KING!大変です!!」


シン「ん?どうした」


部活「ケンシロウ達に拳王軍が接近しています!」


シン「なっ!!!すぐにバギーを用意しろ!!」


部活「了解しました!」ダッ


シン(まさか…もう迫ってきたか、ラオウ!!)

部下「こちらですKING」


シン「いや、お前たちは来るな。俺一人で行く」


部下「しかし…」


シン「いいからついて来るな!」


部下「……わかりました」


ブロロロロロ…


部下「……どうかご無事で…」

シン(……本当は分かっていたんだ、ラオウが拳王と名乗り、覇道の道を歩み始めたことを)


シン(だが、ジャギには言えなかった。あんな兄弟想いの奴に、ただでさえ親父を殺した兄が本当にこんなことしてるなんて、言えるものか)


シン(だが、ほっといたせいでケンシロウ達はラオウと接触しかけている、とはいえ、知ったところで俺とジャギに何ができる…)


シン(奴の狙いはユリアだ、今のあいつでは絶対殺される!!)


シン(とにかく、ケンシロウ達がラオウに会うのを阻止しなければ…)




シン(頼む、間に合ってくれ……!)

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー
ーーーー




シン(この辺のはずだ、…どこだ!)



ドグォオ!!!!




シン(!!!!何だこの衝撃は!あっちか………




ケンシロウ「」プラーン


ラオウ「フン」ブンッ


ケンシロウ「」ドサッ



ユリア「…キャァアアアアアアアアア!!!!」







シン「…そ…そんな……」




ラオウ「ん?誰かと思えばシンか……うぬもユリアを奪いに来たのか?」


シン「ラオウ、貴様……!」


ラオウ「…なるほど、‘これ’の事か。確かに拳の腕は多少上がったようだが、まるで重みがなない」


シン「………」


ラオウ「兄弟のよしみだ。新血愁は突かずに直ぐに楽にしてやったわ」


シン「………貴様あああああ!!」ダッ


ラオウ「やる気か…うぬは北斗七星の横に輝く小さな星を見たことがあるか?」


シン「そんなもの…あるかぁあああああ!!!」ズァアッ

ラオウ「…ならば今は戦う時ではない」ガシッ

シン(手刀で貫かれた手で、握り返してきた…!?)


ドゴォオ!!



シン「ゲフッ!」ドシャァア


ラオウ「安心しろ、秘孔はついてない。いくぞ、ユリア」


ユリア「……ケン……ケン………」


シン「…ユリ…ア…!!」


ラオウ「フハハハ!さらばだ、南斗の鷲よ、また会おう」


シン「あぐぐ…ユリア………」

ーーーーーーーーーー

ーーーーーー
ーーー


ジャギ「………そんな………」


シン「…俺が戻る時には、サザンクロスはラオウの手に落ちていた……どこまでもうまくいかないものだな…あいつらを守るために残したのに、結果として死なせる事になるとは…」


シン「実はな…ケンシロウはここまで運んできたんだ……こんなことになったが、お前はこいつに会いたいだろうと思ってな…」


ジャギ「!どこだ!?」


シン「リュウケンの墓の隣だ」



俺たちは、“二人のもと”へ足を進めた

ーリュウケンの墓前ー

俺は手当をしたシンを担いで、親父の墓に来た。シンのいうとおり、親父の墓の隣に一つの棺があった。


この中に、ケンシロウが


シン「……正直、見るに耐えないぞ」


ジャギ「………ああ」


棺を開けた、そこには変わり果てたケンシロウが眠っていた…いや、眠っているなんて綺麗なもんじゃない


真っ二つになりかけた身体


潰された頭


死後数日経った故の腐敗臭に蛆


ジャギ「う……うぶっ……ぐっ」


シン「ジャギ!!」


ジャギ「…わかってる、わかってるよ…」


どんな姿になろうと、ケンシロウなんだ


この死体が、ケンシロウなんだ


ケンシロウが、死体なんだ………



ジャギ「…1年前か、お前が俺の頭吹っ飛ばしたの」


ジャギ「弟のくせに、俺より拳に秀でて、それでいて甘くて」


ジャギ「何が伝承者の資格がないだ、笑わせる、そんなざまになりやがって」


ジャギ「どうだ、こんな愚兄に言われて悔しくないのか、どうなんだよ!」


ジャギ「ふざけんなよ!何か言い返せよ!黙ってんじゃねえよ!!………目開けろよ………死んでんじゃ……ねぇよ…………」ポロポロ


シン「………ジャギ、ケンシロウの埋葬さ、俺にやらせてくれないか?……同じ女を、愛した男だから………」


ジャギ「……ああ、お前が連れてきてくれたんだ、好きにしろ」ゴシゴシ


シン「ああ、いくぞケンシロ……いや“ケン”」


ケンシロウがユリアと正式に婚約して以来初めて、シンはケンシロウを「ケン」と呼んだ

今日はここまで

ペースが遅くてすいません

乙でした
愛を知り、悲しみを知らずに拳王と相対してしまったか…


愛ゆえに、か…

やっぱりシンってカッコいいよなぁ

test

すいません、今日飲み会入ったんで休みます…

うい
体は大切にな~

すいません、まさか週末全部飲みが入るとは…
とりあえず6時半まで投稿していきます
帰ってきて気力があったらまた書きます

シンは、ケンシロウを埋めながら、ぽつりぽつりとつぶやいた


シン「お前にユリアを取られて、正直悔しかった。存在自体がゆるせないとさえ思った」


シン「けど、俺にはユリアを幸せにできないこともわかっていた。だからお前にはユリアと幸せになってもらいたかった」


シン「……お前が死んだとき、ユリアはただお前の名を呼んでいたぞ…救出にきた俺には目もくれずな…ほんと、ユリアに想われるだなんて、幸せなやつだな……」


シンの頬を、静かに雫がつたっていた


シン「……ユリアは必ず救い出す。俺が愛した女で、お前が愛した女だ。……だから、お前はそこで待っていてくれ」


ケンシロウの埋葬が終った。シンは少しケンシロウの墓を見つめ、こちらに振り向き歩いてきた。

その目には、哀しみと強い意思が入り混じった


シン「…ジャギ、旅に出よう」


ジャギ「……ああ」


すまないトキ、あの日の約束を破ることになりそうだ


俺は、この呪われた宿命を断つため、


シンはユリアを救うため、



ラオウを[ピーーー]。絶対に

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ーーーーー


ユダ「……何?レイが死んだ!?」


ダガール「はっ、さらにはケンシロウも死んだとの


ユダ「ケンシロウなどどうでもいい!レイは誰に殺されたのだ!?」


ダガール「北斗の死神だそうです」


ユダ「……今後、アイリは丁重に扱え」


ダガール「えっ……何故?」


ユダ「せめてもの罪滅ぼしだ」


ダガール「ユダ様……?」



ユダ(レイを殺していいのは俺だけだ…俺よりも強く、美しかった男……)


ユダ(死神……ジャギか…許さん…許さんぞ…)

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シュウ「レイが…ケンシロウが…死んだ?」


同志「はい…そのようで…」


シュウ「私の親友も、サウザーを倒す希望の光も、いっぺんに失われたか…」


シュウ「皆、それでも諦めてはならぬぞ!サウザーを必ずや倒し、この地に希望をもたらそう!」




シュウ「ラオウ……ジャギ…」ギリッ

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ーーーーー


ラオウ(……あの時、やつの手をへし折るつもりで全身の闘気を掌に込めたはずだったのだが…)


ラオウ(俺が手を“貫かれた”。ケンシロウでさえ傷一つつけられぬというのに)




ラオウ(シン…やつの才はトキに匹敵するかもしれん)


ラオウ(やつの後ろにはジャギもいる。もしかするととんでもない男を逃がしたかもしれぬ)


ラオウ(奴らだけではない、トキやサウザーも大きな障害だ)


ラオウ「フッ…面白い、ならばその全てを砕いてみせよう」

飲み会逝ってきます



シンの流派は切断と貫通、特に動きや攻撃のベクトル面での『貫く』事に特化してるらしいからな


>>1……体をいとえよ……

それでは投下していきます

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ジャギ「行くか」


シン「ああ」


シンの傷も癒え、俺たちは修練場を後にすることにした。
組織KING自体はラオウによって潰され、燃料が供給できる保証がないため、バイクやバギーは置いて徒歩での出発だ。


シン「すまない、KINGが生きていればこんな不便な旅にはならなかったんだが…」


ジャギ「それはしょうがねえよ。お前は悪くない、あんまり自分を責めるなよ」


シン「…悪い。ところで、何処に行くかは決めているのか?」


ジャギ「ああ、トキに会いにいく。場所は分かるか?」


シン「!!!!」


ジャギ「?…どうした?」

シン「…すまない、俺はラオウだけでなく、トキについても黙っていた」


ジャギ「…?どういうことだ」


シン「トキはとある村で奇跡の治療を施し、その村は奇跡の村と呼ばれるようになった。だがある時を境に、トキは変わってしまった」


ジャギ「変わった…?」


シン「村人を木人形と呼び、新しい秘孔を研究しそのの実験に使う残虐な男と化したそうだ…」


ジャギ「!!…あのトキが?!」


シン「奇跡の村の場所は分かる。KINGがあった頃につかんでいた情報はここまでだ」


ジャギ(おかしい、トキは絶対にそんなことをする男じゃない。自分の命をかなぐり捨ててケンシロウ達にシェルターを譲ったような奴だ。そんな男が他人の命を道具のように使うはずない…)

ジャギ「シン、お前の知り合いで、トキの事をよく思っていなかったやつとかいたか?」


シン「そんなのわりといるぞ。サウザーとかユダとか…いや、まさか…」


ジャギ「心当たりがあるのか!?」


シン「アミバというかつてレイと共に南斗水鳥拳を学んでいた男がいたな。奴も奇跡の村にきていて、トキと一悶着あったらしい」


ジャギ「どんなやつなんだ?」


シン「とにかく自意識過剰な男だ。自分を天才と信じて疑わない奴だ。まあ拳の技量でいえばレイが水鳥拳の伝承者になった時点でお察しだな」


レイ…か……

シン「あと、少し前に奇跡の村の住人が悪党共に殺されたらしい。トキが狂ったのもこの頃からだそうだ」


ジャギ「そうか……大体読めた」


シン「どういうことだ?」


ジャギ「今奇跡の村にいるのはアミバだ。トキは何かが原因で村を去っているんだろう」


シン「!!何だと!?」


ジャギ「俺も基本的には外道だからな、悪党の考えることなんざすぐ分かる。おそらくトキに一杯食わされたアミバが村の襲撃に紛れてトキに扮して復讐で評判を落とそうとしてるんだ」

シン「バカな…いや、しかしそれならトキはどうなったのだ!?」


ジャギ「その村が襲撃された事件に巻き込まれたんだろ。その後のアミバの悪行をほっといてるってことは実情を知らないってことだ…何処かに攫われてるかもな」


シン「トキ程の男が…攫われる……?あっ」


ジャギ「あいつは病人だ。本当ならまともに動ける状態じゃないし、あんまり無理も出来ないんだ…だから待ってるんじゃないか?」


シン「それでは…トキの居場所は分からないのか…」


ジャギ「…いや、俺にいい考えがある」

ちょっと休憩

トキ!トキ!トキ!
どいつもこいつもトキ!
何故奴を認めてこの俺を認めやがらねぇんだ!!

まーたアミバがウワラバッしてしまうのか

少し投下します

アミバなんてナギッとアグラビームと当身の無いトキでしかねーしな

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ーーーーーーー


アミバ「…むっ…誰だ!」ヒュン


ザクッ
ドカッ!


ジャギ「俺の名を言ってみろ!」


アミバ「…ふん、知らんな」


ジャギ「お前が俺を知らなくても俺はお前を知っているぞ、アミバ」


アミバ「!!…何故…」


ジャギ「当たり前だ。お前ほどの天才を知らぬはずないだろう」


アミバ「そうか、どうやら貴様は俺の才能がわかるようだな…名を聞こうか」


ジャギ「俺はジャギ。“死神”と言った方がわかりやすいか?」

アミバ「!!貴様がレイを殺した男か!」


ジャギ「…チッ……ああ、そうだ。」


ジャギ「俺がここに来たのは他でもない、お前と手を組もうとお思ったのだ」


アミバ「なるほど、理由を聞こうか」


ジャギ「天才であるお前と組めば俺の北斗神拳はさらに高まる。なに、お前にとってもいい話もある」


アミバ「それはどんな話だ」


ジャギ「お前の頬を叩いたとかいう才能にも気づかぬ愚兄トキだ。奴はまだ生きているんだろう?俺が殺してきてやる」


アミバ「!!…ジャギ!」


ジャギ「悪くない話だろう?あんな甘っちょろい奴はダメだ。今は俺やお前のような、悪魔が微笑む時代なんだ」

アミバ「…まさかお前のような賢明な男がいるとはな…よろしく頼むぞ」ガシッ


ジャギ「ああ、そこで早速仕事に取り掛かりたいんだが、トキは何処にいるんだ?」


アミバ「あいつなら拳王軍に囚われてカザンドラという牢獄に幽閉されているぞ」




ジャギ「…そうか、ご苦労。もうお前に用はない」ニヤッ



ー北斗神拳奥義 残悔積歩拳ー

アミバ「なっ…ジャギ……貴様…!!」


ジャギ「馬鹿が!誰がお前なんかと手を組むか!トキの居場所を吐いてくれてありがとな~」


アミバ「クソが!ふざけるな!ふざけるな~!!…あ、足が勝手に~」テクテク


ジャギ「止まりたかったら秘孔でも突いたらどうだ…突けるもんならな…」


アミバ「言われなくても…


ボン!


アミバ「うわぁああ!指がぁあああああ!!」テクテク


ジャギ「何が天才だ、お前なんかレイの足元にも及ばねえよ」


アミバ「五月蝿い!俺は天才なんだぁ~!天才のこの俺がなぜ~!」テクテク

アミバ「あっ」ズルッ


アミバ「うわぁああああ…」




アミバ「うわらば」ボンッ!


ジャギ「ふん、雑魚が…」


ガチャッ


シン「…お前だけは敵に回したくないものだな…」


ジャギ「大したことねぇよ…じゃあ行く
か…カザンドラに」

今日はここまで

予測は可能だったが…あまりにもあっさり過ぎて草不可避

まあ、アミバだしな…サクッと秘孔突かれてウワラバッ!するのは目に見えてはいたが…サクッとし過ぎててもうwwwwwwwwww


ケンシロウと違って一切のブラフや間違った情報に引っ掛からなかったからな

なにこれ面白い

まだ原作ジャギが使った羅漢撃と千手殺は出てきてないか
千手殺は本来北斗にはないジャギオリジナルだっけ?

それは外伝設定だな
原作では特に何も言われていないよ

それでは投下します

俺たちはカザンドラヘ向かって旅を続けた。シンの話によると、一度入ったら二度と抜け出せないという恐怖の監獄らしい


ところで俺たちは、ラオウを倒す力をつける一環として、互いの拳法を学ぶことにした。俺は南斗聖拳を、シンは北斗神拳を


そんでもって思い知った。シン、こいつマジもんの天才だ


旅を続けて数週間になるが、もうある程度北斗神拳を自分のものにしてやがる。確かこいつ、南斗の数多くの流派を複数体得してるんだっけか


俺なんか、こう本格的にやる前から殺し屋の一環で南斗聖拳をやってたのに、上達の速度がまるで違う


なんか南斗のトキと北斗のアミバが旅してるみたいだ。シャレにならん…

拳法家としての自信を軽く無くすこと数日、ついにカザンドラに到着した


ジャギ「何だこのでけえ壁と門…こっそり侵入とかできねえかな」


シン「きついだろうな…アリの這い出る隙間も無い…その門の両側に立っているのが、カザンドラの門番・ライガとフウガだ」


言われてみると、中々腕の立ちそうな大男二人が門の前で構えていた


ジャギ「…なるほどな」

シン「どうする?」


ジャギ「俺こういう構えてるやつ苦手なんだよなぁ。基本的に闇討ち専門だし」


てかこいつらいつ飯食ってるんだろうな


シン「全く…それじゃあ俺が行こう。アミバの時はお前一人でやったからな」


シンが前に出る。それに合わせてライガとフウガも同時に出た。シンの横を通り過ぎるように


シン「!!っ…」
ライガフウガ「!!!???」


ジャギ「!シン…」


シンの頬が切れた。だが、ライガとフウガはもっと驚いていた



ライガ「我々のワイヤーが…」


フウガ「切られた…?」


シン「二神風雷拳か…相手が悪かったな。南斗聖拳の前に切り裂けぬものはない」


シンがゆっくりと二人に近づく、そして


ポン


ライガフウガ「!?」


二人のアタマに手をおいた


シン「まあそう顔を青くするな、こっちには優秀な参謀がいるんだ、カザンドラについて、詳しく話を聞こうじゃないか」

ライガとフウガは話した。カザンドラにはウイグルという恐るべき獄長がいることを、二人の弟であるミツが人質になっていることを


シン「カザンドラは拳王の牢獄だ。恐らく大抵の人間は罪のない拳法家やその家族だな…どうするジャギ」


ジャギ「囚われた人間を殺さずトキを救出か…策はある。だがそのためにはお前には駒として動いてもらうぞ」


シン「面白い…俺も丁度、お前から教わった北斗神拳を試したいところだったんだ」


俺は計画の内容を話した

短いですが今日はここまで
駄文ゆえ状況の理解に苦しむことも多いと思います。疑問に思ったらぜひ申しつけください

乙です

蒙古覇極道ー!!!


ジャギ様の南斗の技も幾らか上達したのだろうか

このジャギは正しくジャギ様

シンの羅漢かジャギの千手か

クロススパイダーかムテキングか

補足コーナー


1が読み直して「ちょっとこれ原作と整合とれねなくね?」と思ったところや、読者の皆様が「は?」と思いそうなところについて言い訳もとい補足をします


・なんで本作のケンシロウは割と不殺主義なのに牙一族は皆殺しにしたの?

一応本作のケンシロウも、女子供を手にかける輩は容赦しない、ということになってます。特に、恋人であるユリアによく似た女性・マミヤが陵辱された挙句殺されたので、流石のケンシロウも非情に撤したという感じです


・ジャギってデビルリバースに勝てるの?

一応本作のジャギは原作に比べかなり強化されているので、デビルリバース程度なら正面から叩き潰せます。ただ原作のケンシロウのように圧倒的とまではいきません。本作でもケンシロウが殺し損ねて弱ったところを暗殺しています

・レイの扱い酷くね?


レイのファンには申し訳ないのですが、本作では汚れ役になってもらいました。牙一族にマミヤの村を売ったのは、ケンシロウやマミヤに直接会ってなかったため当初の予定通りに動いてしまったためです。ジャギにあっさりやられてるように見えますが、作中でも書いてあるとおり拳の腕自体はレイの方が上です。戦闘描写があっさりしてますが、そこは私の実力不足です。もっと細かく書いた方が良かったと自分でも思います。すいません


・アミバはなんでジャギ知らなかったの?

ジャギの存在自体は知ってました。ただ、殺し屋の鉄則として滅多に人前に姿を晒さなかったため、ケンシロウに頭を吹っ飛ばされた以降のジャギの姿を知る人間自体が北斗の兄弟を除けば仕事仲間のシンしかいなかったのです。あと、アミバはジャギに対し、北斗の三男としてでなく、死神として接していますが、これはその前にジャギに正体を見破られていたためです


以上、他にも自分で気がついたことがあったり皆様が疑問に思うことがあったら後付けもとい解説をしていきます

それでは投下します



そして、作戦は決行される


ジャギ「それじゃまず…悪いな、ちょっと眠ってろ」


北斗神拳奥義 北斗龍撃虎


ライガフウガ「うっ…」


二人に秘孔を付き、仮死状態にする。要はこの二人が裏切ったのではなく、殺されたように演出する。そうすれば、人質の意味は無くなる


シン「よし…いくぞ!!」


シンが飛び上がり、南斗獄屠拳のような空中姿勢をとる。だがこれは本当に飛び蹴りだ


シン「南斗飛燕斬!!」


ドガァアッ!!


人体をも吹き飛ばすことなく風穴を開けるその蹴りは、カザンドラの門はあっさりと突き破った

カザンドラ兵「!?」

ウイグル「!?」

囚人「!!」


シンが“派手に”カザンドラヘ突入する


俺はそれに紛れてしれっと侵入する


要は作戦はこうだ。シンがウイグルと戦う。そしてこれが時間稼ぎでもある。その隙に俺がカザンドラの内部勢力を皆殺しにし、トキを救出するというものだ


だがこれできついのは俺よりむしろシンだ。無論ウイグル程度、シンの相手にもならないが、シンが優勢で時間稼ぎをすると、あの手の連中は逆上してなにしでかすか分からん。そのため、劣勢を演じ続けなければならない。時間が経つにつにつれダメージも増える。


シンのためにも、俺は早急にカザンドラ勢力を片付けないといけない。

カザンドラ監獄


拳王親衛隊 ゾロゾロ


ジャギ(さて…やはりバックに拳王軍がいたか…よし)ジャキッ


俺は指ほどの長さの針に猛毒を塗ったものを拳王軍達に飛ばしていく

ザコ「うっ…」

ザコ2「がっ…」

針は便利だ。音をほとんどたてないから気づかれにくい。俺は次々と拳王軍を狩っていく


ザコ3「むっ…何故倒れてい…ぐはっ…」


ジャギ「ちっ…弾切れか…」


仕方ない、こんな連中相手に使いたくなかったが、


ザコ4「誰だ貴s…


ザシュッ


ザコ4「」


秘孔なんか気にしなくても急所切れば殺せるし音も少ない、やっぱ南斗聖拳の方が暗殺向きだなぁ

ザルガ「首長処刑刀術、受けてみるが…うれえろお!」ザシュッ


カシム「もし侵入者が来てもいいように、トキの替え玉を…なのォろ…わ!」
ドシュッ



ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー
ーーーーー


ジャギ(…これで拳王軍は片付いたな…トキは恐らく、最も厳重に閉じ込められてるはず…こっちだな!)シュタッ





ジャギ(ここだ、間違いない。懐かしい気配を感じる)


ジャギ「はっ!」


ドカッ!

トキ「なんと…ジャギだったのか…」


やはりここにトキがいた。髪はすっかり色が抜け、今にも死にそうなほど弱々しい。けど俺が近づいているのが分かるってことは、こいつの背後はまだ取れないんだろうな…化物だ


だが、俺ではなく、“本来来るべきはずだったやつ”だと思っていたようだ


ジャギ「久しぶりだな、兄者…悪かったな来たのが俺で…」


トキ「ケンシロウが、死んだんだな…?」


何で分かるんだよ、人の心でも読めんの?


トキ「この状況とお前の顔を見れば分かる…よほど哀しみを背負ってきたのだな」


哀しみ、か…


ジャギ「病に侵された体のところ悪いが、肩貸すから外に出るぞ。シンが時間稼ぎしてるんだ」


トキ「シン…?そうか、お前の友だったな」


ジャギ「ああ、急ごう」


俺はトキを連れてカザンドラの監獄を後にした

俺たちは広場に出た。そこには地に手と膝をつき、今にも倒れそうなシンとそこに偉そうに立ちふさがるウイグルがいた。シンが粘ってくれたおかげで囚人達に被害はなさそうだ


ジャギ「シン!遅れてすまない!終わったぞ!!もう片付けていいからな!!」


俺は大声で叫んだ


ウイグル「!?誰だ貴様!!」


シン「全く…待ちくたびれたぞ」


シンはふらつきながらも立ち上がった。ダメージは大きそうだが、あれなら大丈夫だな


ウイルス「何!?蒙古覇極道を3度受けた体で立ち上がるだと…まあいい、次の一撃でその体粉々にしてやるわ!」


ウイグル「蒙古覇極道~!!」グォオ!


シン「……」ニヤッ

シン「はっ!!」ヒュッ


ザシュッ!!


シンの手刀がウイグルの肩を貫く!

ウイグル「うわぁあああ、肩が~!!」


シン「光栄に思え、貴様が俺の北斗神拳の記念すべき最初の犠牲者にしてやる!!」バババババッ


ー北斗千手殺ー


ウイグル「あばばばばば…」


シン「はあっ!!」ドカッ


北斗千手殺を叩き込み、とどめに前方に蹴り飛ばした。そこには誰かを埋める予定であったであろう墓穴が


ウイグル「助げ…ぐるち…」


シン「どうした、その穴に俺をいれるんじゃなかったのか?…お前が埋まるんじゃあ本末転倒だな!」


ウイグル「ば!!!!」ボンッ!


ドカッ!


シン「お前みたいなクズに、墓標なんざもったいない」


シンは墓石を踏み潰した


シン「うっ…」フラッ


ジャギ「シン!!」


シン「すまないな、ジャギ…」


シンは力なく倒れた。どうやら限界だったようだ


カザンドラ兵「こ…このお!!」

カザンドラ兵2「獄長の敵!!」


「「待て!!」」


門のほうから声が響いた。そうか、もう起きる頃だったな


ライガ「この者達に手を出すなら」

フウガ「俺たちが相手になろう」


カザンドラ兵「くっ…」


ジャギ「ああ、あとお前たちのバックの拳王軍は俺が片付けといたから。お前らに援軍こないから。ここにいるだけの人数しかいないから」


カザンドラ兵「な…何だと!?」


トキ「これでお前たちが劣勢なのはわかっただろう、それでも納得いかないなら私が相手になろう」


カザンドラ兵「」


奴らはついに、地に手と膝をついた。降伏だ


シン「鬼の哭き声が…」


ジャギ「…消えた」

間が空きましたが今日はここまでです

乙です

おつおつ


ハイブリットシンはやっぱり格好良いな

地味にジャギに北斗神拳究極奥義修得フラグが

究極奥義……そうかマダンテか

貫通が得意なシンが千手さつは強い(確信)

それでは投下します

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ーーーーーーーーー
ーーーーーー


俺たちはカザンドラを後にした。
ライガとフウガ、それにミツは、罪の無い囚人を解放し、ウイグルに殺された者たちを弔うらしい


それより、思いの外シンが重傷だ。


シン「すまないな、どうも体を動かすのもかなわん…」


ジャギ「いや、俺がもたもたしてたせいだ。悪い…」


ウイグルの蒙古覇極道は、いわば大きく振りかぶって相手を殴るのと同じで、隙も大きく基本的には楽に対処できるが何もせずに受ければかなり食らう技だ。


それをシンは劣勢を演じるために3度もガード無しで食らったわけだ、ひとたまりもない。


トキ「自然治癒を促す秘孔を突いたから、少しはマシになると思うが…ゴホッ」


怪我人に病人か…大丈夫なんだろうか

ー夜・とある小さな村の片隅ー


シン「えっ!?トキもユリアが好きだったのか!?」


トキ「ああ、ユリアはおれたちの青春だった」


ジャギ「…俺は嫌いだな、あの女」


シン「お…お前っ!!」

トキ「……」


ジャギ「シン、そう睨むな…ってトキも…はぁ……
だってあいつのせいでケンシロウは死ぬし、ラオウは狂うし、トキは病に侵されたるし……もちろんユリアが悪くないのはわかるんだけど…多分ぶつけようのない怒りをユリアにぶつけてるんだな…俺って嫌な人間だ…」


シントキ「……」


ジャギ「でも、シンやトキ、それにケンシロウが愛した女だ。助けるってんなら俺は手は抜かない」


お前たちの恋の結果を、見届けようじゃないか

羅列すると恐ろしく酷い女に見えるなぁ
ユリア本人の人格はともかく、ヒロイン役を集めに集めたキャラという不幸なんだろうな、この男どもを巻き込む設定は
しまいにゃ最後の将でしたっけ?

翌日

ジャギ「…な…これは…」


そこは地獄と化した村の惨状だった


ジャギ「おい、誰にやられたんだ!」


爺「け…拳王軍が…」


まさか、もうこの近くにまで来ていたか


ジャギ「奴らは何処へ行った!?」


爺「…西の…町へ…」ガクッ


ジャギ「…ちっ」


シン「ここから西の町か…ラオウが狙いそうなのは…あそこか」


昨日の秘孔が効いたのか、一人で歩ける位にはなっていた


トキ「…行くか…」


ジャギ「ああ、急ごう」




ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーーー


バット「おいリン!拳王軍がもう来てるぞ!早くここから逃げ…


リン「………」


バット「…ケンシロウがあの男に殺されてからずっとこの調子だ…くそっ!」


拳王軍「おいガキ!こっちこい!」グイッ

リン「………」


バット「おいてめえ、リンをはなせ!」


拳王軍「チッ…邪魔だ!」バキッ!


バット「ぐっ…」ドサッ

バット「くそ…くそぉおおおお!!」




ジャギ「うるさいなぁ、ちょっと黙ってろ」ドスッ


拳王軍「あべしっ」ボンッ


バット「お…お前は…」ギリッ


えっ?なんで睨まれてんの?助けたのに


ジャギ「おいガキ、何だその顔は」


バット「お前、ジャギだな…!」


ジャギ「バカな…なんでこんなガキが俺のことを知って…」


俺の名前はともかく、姿を見て俺だと判断できる奴は限られている

やばい、バットがケンって言ってない。補完してください。すいません




ならば、考えられることはひとつ


ジャギ「…お前、ケンシロウの連れか?」


バット「…ああ、そうだ」


シン「…大体片付いたな…くっ」ヨロッ

トキ「ああ…ゴホッ」ヨロッ


あ、やばい。怪我人と病人に任せっきりだった


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー


トキ「そうか…その幼さで、そんな地獄を見てきたのか…」


バット「ああ…ケンが死んでから、リンは昔みたいに喋らなくなった…こいつ、ケンに惚れてたから…」


シン「………」

ジャギ「なあ、なんで俺だけものすんごい睨まれんの?俺こいつらになにした?」






バット「とぼけるな!アイリさんの兄さんを殺したのお前だろ!!」





周囲が凍りついた




アイリ、“あの時”レイが最期に漏らした妹の名だ


ジャギ「お前、アイリを知ってるのか…?」


バット「…少しの間、一緒に旅してたんだ。何処かの国に囚われていたけど、ある日を境に監視が緩くなって逃げ出したところにおれたちと会ったんだ。けど、ケンも殺されて、少ししたら“南斗水鳥拳のレイが死神のジャギに殺された”って…」

バット「そして、そのレイがアイリさんの兄さんだったんだ。お前のことはケンから聞いていた。どうだ、何か言い返せるか?!」


ジャギ「…アイリは今、何処にいる」


バット「お前がレイを殺してから、別人のようになって何処かへ行っちまったよ…『必ず兄さんの仇を取る』ってな…」


ジャギ「……そうだ。レイは俺が殺した」


バット「こ…このやろう!!」
ガシッ

シン「…………」


バット「おい、離せ!!」


シン「バット、レイは


ジャギ「シン!!」


シン「ジャギ!言わせてくれ!それもこいつらのためだ…レイは、悪に堕ちてたんだ。村を盗賊に売り、たくさんの人が死んだ…その村の生き残りの少年が、残りの命を振り絞ってジャギに敵討ちを頼んだんだ」

バット「嘘つけ!アイリはレイの事をとても優しい兄だって言ってたぞ!」


シン「元々はそうだったんだろう。おそらく両親を殺され、アイリを連れ去られたのが原因で荒んでしまったんだ…ジャギもな、レイを殺したのはかなり心を痛めてる」


バット「そんなはずあるか!ケンは言ってたぞ、闇討ちしか脳のない狡くて卑怯な伝承者にふさわしくない男だっt

バキッ!!


バット「がはっ……なにするんd


シン「何も知らないくせに偉そうなこと言いやがって!!こいつがどれだけ努力家で、それが報われず悶え苦しんできたか知ってるのか!!どれだけ兄弟想いで、その行き過ぎであえて嫌われ役まで買ってるのか知ってるのか!!ケンシロウの旅路だってな、こいつが影から支えてたんだぞ!!!!」


トキ「そこまでだ、シン」


バット「……うっ…ぐすっ…」


シン「……悪い、言いすぎた」

ドドドドド


ドズゥン ドズゥン




トキ「……どうやらもめてる場合じゃなくなったな」


シン「ああ、ついにきやがったか…」


この地震のような大地の揺れ、それは象も凌ぐ体躯をもつ魔の馬・黒王号が来たことを意味する。もちろんその背に乗る者はたったひとり





ジャギ「……………ラオウ…」

今日はここまでです

例のごとく週末につき飲み会なので、更新は期待しないで下さい。すいません


たっぷり英気を養ってくれ

まぁしょうがない、人は自分の聴きたい言葉しか入ってこないもんだ
自分たちを救った男が悪人だと言ってれば、その後他の人からいくら擁護されてても「ジャギはクズ」で固定されたままになるとも


ゆっくりまってるぜー



シンからすれば二重のショックだっただろうな
かつての親友がもう一人の親友の事を心から誤解していたと知ってしまった訳だから

ケンシロウにとっては、ほぼ原作通りのジャギしか知らないしな。

まあ北斗唯一の良心であるトキが擁護してくれれば変わるかもしれんが

よく寝た…
それでは少し投下します

この場に緊張が走る。ついに世紀末覇者ことラオウが俺たちの前に姿を現した


ラオウ「フッ…トキまでこの場に来たか…ならばお前たちと同じ地上に降り立たねばなるまい!」ズシィン


シン「ラオウ…俺は貴様に会うために地獄の底から這い上がって来た!」


ラオウ「ほう…まずはうぬから来るかシン…よかろう、この俺に唯一傷を負わせた男だ…今更死兆星など聞かぬ」


ガシッ
トキ「さがっていろ、シン。みることもまた戦いだ」


シン「トキ…まさか」

ビシィイッ

シン「かっ!!」ガクン


トキ「秘孔新?中を突いた。お前の体はわたしの声がかからぬ限り動かぬ!」


シン「やめろ!トキ!!」

トキ「ジャギ、お前なら分かるだろう。仮にお前やシンが戦ってもラオウには勝てん」


ジャギ「………」

悔しいがその通りだ。少なくとも今の俺では歯が立たない


トキ「ジャギ、シン。よく見ておくのだ、私の戦いを」


ラオウ「さすがは俺が一目置いた男だ…今や天を目指す俺の拳をとくと見せてやるわ!」


二人の距離は変わらない。ラオウの闘気トキはをまるで静水のように飲み込む。そして


ラオウ「ゆくぞ!!」ガァッ!


ラオウが先に仕掛ける。その拳、闘気を前に、トキも動く。


ラオウ「むっ!!」


トキ「…!」ドヒュ


ラオウ「!!!!」ピシャアッ

トキの手刀が突き上げられる。ラオウはとっさに両手で挟み込む。しかし防ぎきれずラオウの喉元からは血が噴き出す


ラオウ(つ…強い!!)


すかざずトキが左手で突きを繰り出す。ラオウはこれも間一髪でトキを空へ投げる。そして、黒王号から剣を取り出す


ジャギ「あ…あの野郎!!」

間違いない、拳ではラオウをも凌ぐが病に侵されたトキ相手に持久戦に持ち込む気だ!!


ラオウとトキは空中で組み合い、地上に着地するその時、ラオウはトキの足を踏み、自分の足ごと貫いた

ラオウ「勝負あったなトキ!リュウケンも貴様も俺を倒せる腕がありながら老いと病に果てる!!」


シン「くそ…トキ!俺を動かしてくれ!」


ラオウ「フフフ…心情のために命を捨てるのも良いだろう…だがそれが一体なんになる!」

ズブズブ


ブシュウ!


ラオウ「くふふ…もう俺の拳を流すことはできぬ!俺はただ待っていればいい!体が流血に耐えられなくなるのをな!!」


トキ「ふ~~…はーー…はーー…」


ドン!


ラオウ「!!?」


ジャギ「………」シュウウウ…


ラオウ「ジャギ…貴様…」


トキ「ジャギ…」


ジャギ「…」ドン! ドン!


ラオウ「ぐっ…相変わらず姑息な男よ…」ドシュッ ドシュッ


ジャギ「抜かせ、トキ相手に失血させて弱らせといて何をいう」


俺は背後からショットガンでラオウを撃った。ショットガンの無数の弾では、二指真空把は無意味だ。トキのを殺そうと気が緩み、防御も薄れたからこそダメージを与えられた


ほんと、こういうことばっかりうまくなるんだよな…


ラオウ「ぬうう!ジャギ!貴様ごとき雑魚が俺に楯突いたことを後悔させてやるわ!」ズボッ


足の剣を抜いてラオウが来た。さて、どこまでやれるか…

トキ「ジャギ…よすんだ…」


シン「くそっ!動け!動けえええ!!」


ジャギ「ごあ~!」バババババッ


ラオウ「フン…うぬの拳などかわすまでもない」


やはり余裕こいたな…だがそれが命取りだ!

ズドドドドドッ!


ラオウ「ぐふっ…これは…」


ジャギ「南斗千首龍撃…!」


俺の腕ではラオウに秘孔を突こうが効かない、そう思ったのだろう。そこであえて秘孔が関係ない南斗聖拳で貫いた。

だが、俺にできることはここまでだ


ラオウ「覚悟はよいか、ジャギ…」グァッ

ラオウの剛拳が飛んでくる…ここまでか…


ビシィイッ!!


ジャギ「………?」


シン「……すまないジャギ…遅れた」

ラオウ「ぬぅ…貴様、トキの秘孔縛を破ったのか!」


シン「ラオウ…貴様が握るのは天ではなく死兆星だ!!」


ジャギ「シン…お前のだって怪我から回復しきってないだろう!」


シン「いや、お前がラオウにダメージを与えたおかげで、今の俺と奴の状況は5分だ!」


ラオウ「5分だと…貴様ごときに打ち倒される拳王ではないわ~!」グワッ!


ラオウの剛拳が再び繰り出される


シン「ぐっ…!」ビシィッ


シンが左手で防ぎ、右の手刀を突き出す
それがラオウの左肩に刺さるが


ラオウ「効かぬわ!貴様が俺を貫いたあのキレはどこに行った!!」


さらに


シン「ぐあっ!」ボンっ!

シンの左手が爆ぜた

だが


ラオウ「フン…骨まで砕けたか!!…う!!」ボコボコ…


シン「……」ニヤリ


ラオウ「!!!!」ボゴォ!


ラオウ「貴様…北斗神拳を!!」


シン「ふああ!!」


ドガガガガッ!バキッ!ドゴッ!!


バット「………シン…」


リン「………」ポロポロ


ズシャアアッ


シン「……」グォオオ


ラオウ「……」ズォオオ




トキ(まさかシンがこれほどの力だったとは…しかし、二人には一撃分の力しか残されていまい!)


シン「くあああ~!!」カッ

ラオウ「むうああ!!」ガッ


ドッ!!!!




ラオウ「フッ…やるではないか」ガハッツ


シン「俺は…このままでは終わらんぞ」ゴハッ


グラッ……


拳王軍「あ…相討ち…終わった……」


拳王軍「うわ~~拳王の伝説は終わったんだ~~!!」ダダダダダ


ラオウ「ぬくく…あ…あやつら~~!!」


ラオウ「ぬううう!!」

シン「ううおお!!」



トキ「もういい、ここまでだ。これ以上戦えないことは自分が一番知っているはずだ…」


トキ「ラオウ…今は去れ!相討ちはお前も望まぬだろう!!」


ラオウ「…俺は天を掴む男、俺の帝国を築くまでは決して死なん!」ザッザッ

ガクッ

ラオウ「ぬう!…お…俺は拳王!拳王は決して膝など地につかぬ~!!」


黒王号「……」ペロッ


ラオウ「こ…黒王…:」


バッ


ラオウ「さらばだ!!」


トキ「部下は去り、残されたものはあの馬のみ。やつもまた孤独…」


シン「………」


ジャギ「………」






???「ラオウが深手を負った……今こそ動く時だ!!

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー

ー夜ー


リン「………」


バット「リン…怖いか、悲しいか…仕方ないんだ、あの血は俺たちの血…俺たちの代わりに流しているんだ」


バット「それにしても、ジャギはやっぱり卑怯者じゃないか!シンやトキはこんなに傷ついてるのに、あいつだけ不意打ちみたいなことしかしてないじゃないか!」


シン「…」ガタッ…


バット「何だよ…文句あるのかよ、お前だって思うところないのかよ!」


シン「…黙って外見て来い……ここから少し離れた広場だ」


バット「何だよ…何だってんだよ!!」ダッ

ジャギ「……くそっ!くそくそくそっ!ちくしょうがぁああ!!!!」ボゴォオ!!


俺は結局何をした!?不意打ち気味にラオウに傷つけただけじゃねえか!いつもそうだ。結局シンに任せっきりで、俺一人じゃ何もできねえ。ラオウの言うとおりだ。俺なんて雑魚以外の何物でもない


ジャギ「うわあああああああっ!!」ドゴッ ドゴッ ドゴッ


無我夢中で地を殴り続ける。拳から血が出るのも、俺の弱さを物語っていた。


力が欲しい。ラオウを倒せるだけの力が、シンやトキ、それに大勢の仲間を守れるだけの力が欲しい



バット「……………ジャギ…」







???「…あの男がジャギ…私の兄さんを…殺した男…」

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー


ラオウ「……着いたか…」フラッ


拳王軍「た…大変です拳王様!!ってその怪我…どうされたのですか!!」


ラオウ「どうでもよい……それよりどうしたのだ」





拳王軍「ユリア様が…5車星を名乗る連中に攫われました!!!」

いったんここまで

夜またかきます

それでは投下します

日を改め、俺たちはメディズンシティーに向かった。何でも、ラオウの霊薬を作るためだけに作られた街らしく、恐怖のたかが外れて暴徒化しているんだとか。
トキは失血がひどく町に残っている。


ジャギ「………」


シン「ジャギ…気にするな。お前がいなければ俺もラオウに殺されてたんだ」


ジャギ「……けどよぉ…」


どうも足手まといの気がしてならない。というか、トキの命が限られている以上、俺が伝承者代行としてラオウを打たなければならない。けど今のままじゃ…


フッ


ジャギ「……誰だ」


何者かの気配がした。背後から明確な殺意を感じる


???「…………」


ジャギ「出て来い。俺相手に暗殺は例えトキにもできんぞ」


???「………」ザッ


ジャギ「…!お…女!?」

???「あなたがジャギね…兄さんの仇、取らせてもらうわ…!」


そいつは俺にボウガンを向けた。薄い髪色の美しい女だった。だが問題はそこではない。俺に明確に敵意をもつ兄を殺された妹。俺の知る限りでは一人しかいない

シン「誰だ貴様、俺の友にてを出そうというなら女だろうが容赦しないぞ」


ジャギ「待てシン……そうか、お前がアイリだな…?」


シン「!!」


アイリ「そうよ…私は兄さんを殺されてから、あなたを殺すことだけ考えていきてきた!」


バットが話していたアイリとはずいぶん違う。なるほど、確かにかなり荒んでいる。俺のせいだが…


ジャギ「…その前に話がある。お前の両親を殺し、攫った野郎はどいつだ?」


アイリ「…あなたがユダを倒すというの?あなたに何のメリットがあるの?」

ジャギ「……!!」


やはり妖星のユダか…!やつのためにレイが狂ったのか…!!


ジャギ「メリットか…あいつも知略を使う男だからな…俺の職業柄邪魔なんだよ」


シン「おいジャg…」スッ


シンが言いかけるのを制する。お前の言いたいことは分かる、けどだめだ。知って幸せにならないこともある


アイリ「そう…思ったとおりの男ね…まあ私としても、両親の仇と兄の仇が共倒れするなら願ってもないことね」


ジャギ「…ユダの居場所はどこだ?」


アイリ「それは…」


「その必要はない。俺が直々に教えてやる」



俺たちの後ろから、ユダが現れた

ジャギ「…どういう風の吹き回しだ。裏切りの星の男がわざわざ出向くとは…」


ユダ「フン…そう焦るな…これも知略の一つかもしれぬぞ」


馬鹿が…俺はそのての謀略系はお前よりプロだ。その俺から見て、こいつには全くそういう気配がない


ジャギ「何のようだ、ユダ」


ユダ「俺の居城はここから少し東へ行ったところだ。明日の昼、そこを貴様の墓場にしてやる」


ジャギ「お前のような男が正々堂々啖呵を切るとはな…死兆星でも見たか?」


ユダ「何とでもいえ…要件はそれだけだ。貴様らはメディズンシティーのゴミ共を片付けるのだろう?」スタスタ


それだけいってユダは去っていった。どういうことだ。全く理解できん

とりあえず俺とシンでメディズンシティーのゴミ掃除(狗法眼とかいうやつ)をして、トキたちのいる街へ帰ることにした。あれからアイリは「今日は見逃してあげるわ、でも必ずあなたの命をいたたくから!」とかいって去ったふりして尾行している


シン「なあジャギ…何故言わなかった」


ジャギ「レイが狂ったことか?あいつが知って何になるんだ。あいつの唯一の心の支えを壊してどうするんだよ。それに、優しいレイがいたのは間違いないし、あいつにとっては俺がクソ野郎なのも間違いない」


シン「だが…それではお前は悪党のレッテルを貼られたままじゃないか!」


ジャギ「レッテルも何も悪党だよ俺は…まあ、バットの時は止めるのやめたけどさ」


シン「……?」

ジャギさまマジいい男

ー夜、昨日の広場ー


ジャギ「………」


バット「またいた、卑怯者」


ジャギ「…何だよバット、俺を嘲笑いに来たか」


バット「そうしたいけど…俺も人のこといえないからな…俺だって無力な人間だ…偉そうなこと言える立場じゃないんだ…」


ジャギ「………」


バット「お前は俺なんかよりひどい状況を苦労して生きてきたのに、それに言い訳して自分を正当化もせずに悪人の濡れ衣をせおってきたんだな…」


ジャギ「濡れ衣なんかじゃねえ、俺は悪党そのものさ……ところでバット、何故昨日シンがお前にキレたかわかるか?」

バット「それは…お前のことを誤解してたから…?」


ジャギ「それはぶっちゃけお前は悪くないだろう…ケンシロウの影響だし…けどまあ半分はそれかな?」


ジャギ「俺はこんなんだから、ケンシロウにも葉が立たなかったし、勝つためには何でもするし、そりゃ俺は愚兄だったさ…でもどうであれ、俺はあいつにあんな死に方して欲しくなくて、今まで悪態ついてきたんだ。もちろんそんなことケンシロウは知らない。俺やシンのエゴでしかないんだけどな…」


バット「………」


ジャギ「もう一つはな…これもエゴかもしれんが、お前、シンと似てるんだよ」

バット「えっ?どこが!?」


ジャギ「性格の事じゃない…境遇だ………お前、リンの事好きだろう?」


バット「ばっ…お前…!!」カアア


ジャギ「バレバレだわ…でな…シンはユリアが好きなんだ」


バット「!!…それって…!」


ジャギ「そうだ…自分でない別の男を好きな意中の相手が、その男が死んだために絶望に堕ちた女を必死で救おうとしている…それが自分とかぶったんだろう」


ジャギ「俺はまだ愛を知らないからな…羨ましいといえば羨ましいが…きついよな」

ジャギ「……実はな、今日アイリに会ったんだ」


バット「えっ!?アイリさんに!!?」


ジャギ「すごい荒んだ眼をしてた…あのときのレイと同じ眼だ…そうさせたのは、間違いなく俺だ…」


ジャギ「だから、せめてレイを狂わせた元凶のユダを殺す」


ジャギ「これも俺のエゴなんだろうな…けど、これは俺がやる。シンにもトキにもやらせない、レイの心を、俺が背負って行く」


バット「ジャギ…」


ジャギ「……戻るか」


覚悟しておけユダ。必ず貴様の息の根を止めてやる





アイリ「……………」

今日はここまでです


やっとジャギメインの話来ました!永かった…

投下乙でした
決して超人ではないジャギの人間臭さがたまらなく格好良い

おつかれさん
主の文章好きだ、毎日わくわくしながら読みにきてる
ゆっくりでいい、がんばってください

質問。
ジャギ様は仮面つけてるの?


極悪の華の時の彼女との関係は、愛と認識するにはあまりにも短く悲惨過ぎたのかな…

俺も極悪のジャギとアンナは好きだけど
このSSのジャギは原作のみの設定なんじゃないか?

本日職場の飲みが入ったため更新がきついと思われます。前日上がった質問と謝罪を主にしていきます。気力が残っていたら本編を投下します

・ジャギは仮面(ヘルメット)つけてるの?

はい、つけてます。ただ原作のジャギとは事情がやや異なります。本作のジャギはあまり素顔を見られることには抵抗はありませんが、第三者がジャギの顔を見て不快感を感じないようにするための配慮としてかぶっています。シンやトキといった気の知れた人物しかいない場面では普通に取ったりします。


謝罪

本作で「極悪の華設定」を期待していた方も多数いたようですが、本作は原作のみの設定となっています。先に書いておくべきでした。申し訳ありませんでした。


ジャギの
「そうだ…自分でない別の男を好きな意中の相手が、その男が死んだために絶望に堕ちた女を必死で救おうとしている…それが自分とかぶったんだろう」
この台詞が読み返して見たら日本語としておかしいことに投下後気づきました。ただ、言いたかった事はイントネーション的にお分かりいただけると思いますが、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

以上、それでは帰ってきて余裕があれば投下したいと思います

把握

乙∩(・ω・)∩乙

これは乙じゃなくて北斗有情破顔拳なんだからね!

ちにゃ!

地獄の底(宴会)から這い上がってきたぜ!!

それでは投下します

翌日


俺たちはユダの居城へ向かった。トキも多少回復し同行してきた。当然というかなんというか、アイリも後をつけているようだ。


広場にはユダの軍勢がいたが、襲いかかってくる様子はない。軍勢達には円を描くように間があり、その中央にユダがいた。


ユダ「よく逃げずに来たなジャギ…」


ジャギ「何だ、この軍勢で袋叩きにしようってか?」


ユダ「貴様相手にそんな事せん…これで貴様もむやみに策は使えまい」


ジャギ「まさか…あのお前が正々堂々一対一で死闘をするっていうのか!?」


ユダ「貴様なんぞ、策を弄するまでもない」


そんなはずはない。ユダは俺と同じ、いわば勝つためにはどんな手段も使う男のはずだ


ユダ「貴様なんかがレイを殺しただと…ふざけるなよ…!」

ジャギ「何故貴様がそれを憎む、レイの両親の殺し、アイリを奪ったようなお前が」フッ







ユダ「ジャギィイイイイイ!!!!」バッ


ジャギ「ユダァアアアアア!!!!」ダッ


俺とユダは同時に動いた。そして死闘が始まる。




ユダ「食らえ!伝衝烈波!!」ビシュッ!


ジャギ「ぐっ…がっ………」ザシュッ
バシュッ



シン「……俺たちの後をつけてきて何がしたい?ジャギが苦しんで死ぬ様でもみたいのか?」



アイリ「そうね…それにしても一つ疑問があるの…」

シン「何だ」


アイリ「あなたたちはジャギの仲間でしょう?何故ジャギに加担しようとしないの?」


シン「…これはジャギの問題だ…例えあいつがこれで死ぬことになろうと、手を貸す事はできない」


シン(いや、ジャギに実際にレイを[ピーーー]ように言ったのは俺だ…俺だって同罪なんだ…アイリに恨まれて当然の男なんだ…それなのに、あいつはたった一人で背負いこんでやがる…)


シン(でも…だからこそ、あいつの意気込みに水をさすことなんてできない…!)ギリッ


ジャギ「ぐっ…うぉおおおお!!」


ユダ「甘いわ!!」ピシュッ!


ジャギ「ぐはっ!!」ザシュッ!!


ユダ「策略や闇討ちの無い貴様などその程度か!!」

トキ(……やはりユダの方が優勢か…)


アイリ「何故…何故正々堂々戦ってるの…?ジャギもユダも…何故…?」





ジャギ「ぐゎあああ!!」ヒュッ


ユダ「かはっ…」ドシュ…



トキアイリ「!!」


アイリ「…ジャギが…ユダに一撃を入れた…?真っ正面から…!?」


トキ「ジャギ……お前…」




シン「………執念だ」

アイリ「……執念?」


シン「確かにジャギはユダに比べ拳では劣るかもしれない…だがジャギには、決して負けられない理由があるんだ…」


シン(だが…それはユダも同じこと…それを凌ぐとは…ジャギ、お前ってやつは……)


ジャギ「貴様のせいで、レイが狂ったんだ!何人の人が死んだと思ってるんだ!アイリだって、お前のせいで地獄に堕ちた!!」


ユダ「貴様がほざくな!実際にレイを殺したのはお前だ!!俺の憧れだった、俺より美しかった男を、貴様なんかが!!」


ジャギ「ふざけるなよ、それじゃあお前は嫉妬でレイの家庭を壊したというのか!器の小さい野郎だ!!」


レイを殺した男と、レイを地獄に堕とした男がレイをかけて戦う。なんて滑稽で、自己満で、醜い戦いだろう

シンは、狂ったレイにより人が死ぬのを止めるために俺に頼んだ
レイは、妹を救うために歪みながらも生きていた
だがその歪ませたユダさえ、レイに憧れていた裏返しだというのだ


間違っていたのは俺なのか?俺がレイを殺さなければ良かったのか?


いや、俺は殺し屋だ。暗殺者だ。どう転んでも悪党だ。今更どう転ぼうが関係ない。ましてやこんな世の中だ。


自分の信じた道を進むしかない。たとえそれが間違っていても


だがアイリはどうだ、あいつは完全に被害者だ。無力なままに両親も兄も失った。けどそんな人間は決して珍しくない。アイリなど氷山の一角だろう。それに加担するのはエゴなのか?

ジャギ「うぉおおお!!!」


ユダ「ふゎあああ!!!」




アイリ(…何故…どちらも憎くて仕方ない人間のはずなのに……)


アイリ(……何故………涙が…?)ツーッ…




ユダ、お前は歪んでいる、それでもレイはお前にとって大切な存在だったんだな…だがな、俺は俺の生き方を貫く!!シンを、トキを守れるようになるため、二度とアイリのような人間を出さないため、お前を殺す!!!!


ジャギ「北斗羅漢撃!!!!」


ユダ「血粧嘴!!!!」




カッ!!!!




アイリ「………」ポロポロ


トキ「…勝負あったな……」


シン「ああ、執念の勝利だ…!」




ユダ「ぐはぁああっ!!」ボゴッ!!


ジャギ「っ………」ぐったり




ユダの奥義を全身に受けたが、何とか俺は健在だったようだ。一方、ユダは俺の羅漢撃で致命傷を負った

ユダ「そんな…まさか俺が…ジャギに正面から敗れるとは…」


ジャギ「ユダ…」


ユダ「分かっていたさ…本当に悪かったのはこの俺…結果的にレイが死んだのも俺のせいだ…」


ユダ「レイが死ぬまで、俺はレイに惹かれていたことに気づかず、ただ嫉妬していた…俺はこうなって当然の男だ…」


ユダ「それでも…一つだけわがままを聞いてくれないか…俺を…レイの隣に葬って欲しい…こんなこという資格はないのはわかってる、だが…どうか……」


ジャギ「……分かった。せめて来世くらいはレイと仲良くな…」


ユダ「フッ…優しいな、最期に戦ったのが、お前で…よか…っ………」ガクッ


ジャギ「……いこう、ユダ。レイの眠る地へ…」ガシッ


俺はユダの亡骸を抱きかかえ、レイがかつて家族と共に過ごした家へと足を進めた

ユダの軍勢は、ただただ静まり返っていた。軍勢は道を開け、俺たちは静かにレイの家へ進んだ

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー
ーーーーー


俺たちのは丸一日歩いた。同行しただけのシン達には少し申し訳なかったが


シン「ここが、レイの家…」


ユダの軍勢に潰されたようで、影も形も無い。ただ、レイの墓があるだけの場所。


ジャギ「俺が前きた時もこんな感じだったな…レイの家がどんなだったのかもわからない」


トキ「…ということは」


ジャギ「ああ、レイを埋葬したのは俺だ」


アイリ「…!!」

俺はユダの遺言通り、レイの墓の隣にユダを埋葬した。その墓前で、レイとユダに手を合わせた。


ジャギ「……さらばだ」


振り返り、歩き出そうとすると、アイリが立ちはだかっていた


ジャギ「…俺を殺すか?今の俺なら、そのボウガンで十分殺せるぞ」


アイリ「そんなこと…できるわけないじゃない…!私より思いものを背負ってるって知ってて殺せる訳ない…私はどうすればいいの!?この思いをどこにぶつければいいの!!?」


ジャギ「…俺が言えた義理じゃないが、お前の思うように生きろよ。もう誰かにとらわれるな。どうしてもできないなら俺を殺しに来い。俺は反撃しないから、お前が俺より強くなったらおとなしく殺されてやる」


アイリ「何よ…かっこつけ…て………ひっ……ぐすっ……うぇえ…………」

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー

俺たちはバット達が待っている町へと戻って行った。しかし


アイリ「……………」テクテク


ジャギ「くそっ…相変わらずわかりやすい尾行しやがって…!」


シン「ここまで追い回されるとは…お前、案外隅に置けないなぁ」


ジャギ「やめろ、冗談にもならん…」


あいつどこまで俺を殺す気なんだ…気持ちは分かるが。だが俺にだって生きる目的はあるんだ。



ラオウをこの手にかけるまで、絶対に死なないからな

更新来てた! 毎回楽しみです。

今日はここまでです

そろそろ佳境に入ってきたこの頃と感じます

このジャギは確実に救世主ですわ


ジャギさま熱い
ジャギさま朴念仁

>>シンを、トキを守れるようになるため
う、うん、えっと、友情とか家族愛とか、だよね?

 |´д`|//∵‘ドグシャア
/|   |/∴ ;‘Ξ乙
  <   ∴’,

これは乙じゃなくて南斗獄屠拳なんだからね!

┌┤´д`├┐

二次創作のジャギ様愛されてるなwwwwwwwwwwww

投下前に少し謝罪


ジャギのホモ疑惑

「シンやトキを守れるようになるために」

この台詞ですね、紛らわしい言い回しですいません。ジャギはノンケです、ご安心ください。何故あんな書き方になったかというと、シンやトキに実力で劣っていることにコンプレックスがあり、「助けられる側でなく、助ける側になりたい」という想いが根底にあったためです。


前回原作のみの設定のみと言いましたが、少し本作オリジナルの設定が入ります。「えっ、すでに原作と全然違うじゃん」と思うかもしれませんが、根本的に原作にない設定をいれます。ご了承ください。

それでは投下していきます

村に帰ってきて、バット達と少し語り、夜が明けた。


俺とシンは次の目的地へと進むため、バット達とはお別れだ。トキも病のため長い距離は厳しいので一旦別れだ。
そして去りゆく背中にバットが


バット「シン!お互い頑張ろうぜ!!」


シン「フン…ガキのくせに一丁前にいうな」


バット「ジャギ、お前もだぞ!!」


ジャギ「………?」


え?俺なんか関係ある?

ちょっとなんのことかわからないまま、バット達と別れを告げた




俺たちの旅路は聖帝サウザーへと進んでいった


サウザー


南斗聖拳最強といわれている、冷酷で非情な男。
あえて子供を奴隷に使うことで反逆をさせない知的な面も持つ、侮れない男だ。


シンはサウザーに何か因縁があるらしい。らしいというのも、ただの推測だ。しかし、レイを殺しに行くあの日、『サウザーだけは俺がやる』と言い切ったシンの表情からは、強い決意が感じられた。


だから、今回は俺は完全にサポートに徹する。俺がユダとケリをつけたように、シン本人がやらなきゃいけないはずだ

>>210
わ、わかってますとも
ほ、ホモ扱いなんてしてないし(震え声)
ただこのジャギさま、娯楽のない世界で、女に興味ないというか恋愛感情も女欲しい系の感情もほとんどなさそうな描写ばかりでのそれだったので、家族愛と友情に思考占有されすぎぃ、とw

アイリ「………」テクテク


ジャギ「…」クルッ

アイリ「!!」ササッ

ジャギ「……」ぷいっ

アイリ「……」スタタタ


ジャギ「なぁ、あれで気づかれてないとでも思ってるのか?」


シン「思ってるんだろうな…死神と恐れられたお前がストーカーされるとは、世も末だな…おっと、世紀末だったか!」


ジャギ「面白くねーよ、全く…」


そんなくだらない話をしている矢先


アイリ「ジャギ!!」


いや、お前それ尾行の意味ないじゃん…とか思いながら後ろを振り返りると


???「………」


ジャギ「!!!」

暗殺者たる俺が、この距離まで接近されてきづかなかった…?


ジャギ「何者だ…貴様」


???「私は南斗六聖拳の一人、南斗白鷺拳のシュウ。貴様がレイの敵、ジャギだな…それにシンか…」


こいつが仁星のシュウ…そうか、目が見えないからこそ、気配も無いのか


ジャギ「……だったらどうした」


シュウ「私は、レイの親友だった男だ。それだけ言えば分かるだろう」スッ…


ジャギ「…そうか、仁星の男が親友とは…あいつも本当にいいやつだったらしいな」スッ…


俺たちは構える、だが


シン「待て!!」
アイリ「待って!!」


シンとアイリが止めに入る。えっ、アイリ…?

シュウ「むっ…そこの女性は一体…」


アイリ「私はアイリ…レイの妹です」


シュウ「なっ…!?」


ジャギ「おい、ちょっとま………

いきなりしゃしゃり出て、勝手に事情を説明しやがった

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー


シュウ「そうか…レイが……すまない、私は今まであなたを誤解していた」


ジャギ「誤解って、そんなことねぇよ、お前の想像通り、俺は悪党だ」


シュウ「そんなことはない…先程は先入観に囚われていたが、今ならわかる。あなたはそんな人間じゃない」

なんか急に持ち上げられて無ず痒いんだけど


ジャギ「おい…なんで助けた?」


アイリ「勘違いしないで…あなたを殺すのは私よ、だから邪魔されたくなかっただけよ」


こいつ本当執念深いな…シンといい勝負じゃね?


シン「シュウ、お前は今なにをしている?」


シュウ「ああ、私はサウザーの暴虐に立ち向かうために反帝部隊として活動している」


シン「………」

ジャギ「………?」


シンの顔が一瞬曇った。一体何故…?

シン「シュウ、そのアジトに連れて行ってくれるか?」


シュウ「分かった。ついて来い」


シュウに案内され、俺たちは反帝部隊のアジトへと向かった

アジト

子供達「シュウ様!!」ダッ


アイリ「…これは」


シン「たくさんの…子供が」




子供達「シュウ様…あの人相の悪そうなヘルメットは…」


ジャギ「」

シン「……」ポンポン


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー


ジャギ「…で、サウザーはいま何処にいるんだ」


シュウ「あなたたちも見ただろう、あの巨大な十字陵を…あの付近にサウザーの城がある。聖帝十字陵、それはサウザーの権威を示すがために作られている陵!そのために、今もたくさんの子供達が奴隷として使われている…」ギリッ


シン「…………」

子供達「あっ!パパ達が帰ってきた!」


同志達「おう、見ろこれを!食料だ!」


シュウ「どうしたんだ、それは」


同志達「聖帝の小隊を襲ったんですよ、そしたらなんと食料の調達隊だったんですよ!」


シュウ「そうか、よかった」ニコッ


リョウ父「ほれ食えリョウ!ハハハハ!」


リョウ「うん!!」







ジャギ「……ちょっと待て」パシッ

リョウ父「な…なにするんですか!!」


ジャギ「…………」ペロッ


ジャギ「やっぱりな…毒が入ってやがる…!!」


全員「!!!!」


ジャギ「シュウ、まずはお前が毒味をするべきだろ?もしあのまま食ってたらあのガキ死んでたぞ!?」


シュウ「す…すまぬ……だがこれで分かっただろう、これが聖帝のやり方…!!」


ジャギ「サウザー……!!」ギリッ








シン(何故だ、何故なんだサウザー)


シン(あの頃の心優しいお前は、何処にいったんだ…!!)

今日はここまでです


流石はジャギ様、惨劇を難なく回避

新設定ってサウザー含む南斗六星の過去かな?


蛇の道は蛇とはよく言ったものだ

原作もうさっぱり覚えてないがなんで毒が即わかるんだジャギさま超素敵
そしてやっぱり朴念仁



最近、いちご味のおかげでサウザーのイメージがアレなことになってるわ

せっかく忘れてたのにターバンのガキ関連のネタ思い出して笑っちまったじゃねーかww
サウザー編まともに読めなくなったらどうしてくれるんだ!

義憤に駆られるジャギ様マジ主人公

ちょっと気になったんだけど、この世界のケンシロウとジャギって胸に7つの傷ある?

補足コーナー

今回は質問も上がったので、それにも答えつつ補足(という名の言い訳)をしていきます


・ジャギとケンシロウの七つの傷は?

無いです。そりゃあ無いとイメージ狂いそうですが、設定上仕方ないことなのでご了承ください。
本作ではシンが終始ケンシロウの味方だっためつける理由が全くなく、ジャギも存在もしない傷をつける訳なく、そもそもジャギがケンシロウの名を騙ってすらいないので「胸に七つの傷を持つ男」は存在しません。


・なんかシンのユリアへの執着薄くね?

本作では届かぬ片思いと割り切っている面もあるので、原作に比べれば少しドライかもしれません。あと、ラオウに拐われてから案外何もしないのには理由がありますが、ネタバレになるのでここでは割愛します。宿命のもと待ち続けていてください。

・アイリがあまりにもキャラ違う…


これは思う人たくさんいると思いますが、これにはちゃんと裏付けがあります。
原作ではジャギに攫われ、その描写から売られた先で性的暴行を受けていたと想像できると思いますが、本作ではユダの元にいました。ユダは「本当に美しいものの前では無力になる」ため、そういう意味ではアイリは無傷です。この時点で原作アイリとはかなり精神状態が異なります。その後、レイが殺されたのを知りますが、これで復讐に走れるくらいには精神的には元気だった訳です。


・ジャギの鈍感!ニブチン!!朴念仁!!!

これは原作でもそうかもしれませんが、本作のジャギは人の善意に慣れていません。常に敵意に晒されていました。ケンシロウでさえジャギをよく思っておらず、本当に理解していたのはシンとトキくらいのものです。シュウの善意ににもジャギがむず痒く感じたのはそのためです。それなのに元々殺意を向けていたアイリの言動など、言葉通りにしか捉えられなくて当然です。まあ生暖かい目で見守ってやってください

シン「………」ザッザッ


シュウ「行くな!南斗聖拳ではサウザーは倒せぬ!」


シン「そんなことはやってみなければわからないだろう」


ジャギ「…勝手にしろ。俺も見届けてやる」


シュウ「ジャギまで…」


シン「すまないなジャギ、だが手は貸すなよ」スタスタ


ジャギ「分かってるわそんな事」スタスタ


シュウ「…くっ………」

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーー


ラオウ(……五車星め…俺が傷を負ったのをいいことにユリアのさらって行ったか…)


ラオウ(………むっ)


ラオウ「どうした、何かあったのか」


拳王軍「はっ、ジャギ達がサウザーに戦いを…」


ラオウ「無理だ!奴らではサウザーには勝てぬ!」


拳王軍「しかし…ジャギはともかくシンは拳王様にあれほどの傷を与えた男…それが何故サウザーに勝てぬのですか?」


ラオウ「流派の問題だ、サウザーの拳は南斗鳳凰拳。南斗の頂点に立ち、決して南斗聖拳では打ち倒せぬと聞く」


拳王軍「それなら、北斗神拳ならば…シンも使っていたはず」


ラオウ「それも駄目だ、奴にはある謎がある。それを解かぬ限りは勝利はない!!」

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーーー


サウザー「ほう…何の用だ、シン」


シン「変わったな、サウザー…」


サウザー「何のことか分からんな…どけ、行進の邪魔だ」


シン「通りたければ勝手にしろ、俺を倒せたらな!」


サウザー「でかい口をきくようになったなシン」


???「はいーっ!」バッ!
???「はいーっ!」ババッ!


ジャギ「くっだらな」ドン! ドン!


???「ゲッ!!」バタッ
???「あ…あら」バタッ


ジャギ「どうした、俺なんかに殺られるようなやつで小手試しとはシンも舐められたもんだな」

サウザー「…よかろう、相手をしてやる。シンの後は貴様だ!」


シン「…行くぞ、サウザー」


サウザー「フン…どこからでもかかってくるがいい」


シン(……サウザー…)


サウザー「来ぬのならこちらから行くぞ!」ドン!


シン「!!っなんという踏み込みの速さだ」


シンとサウザーの戦いが始まった。流石はサウザー、制圧前進の名にふさわしい猛攻だ


サウザー「極星十字拳!!」グワッ


シン「ぐあっ!!」ブシャッ


だが俺の目から見てもラオウ程ではない。この勝負見えたな


サウザー「お前の動きなど止まって見えるわ!」


シン「………サウザー、覚悟はいいか?」


サウザー「貴様が死ぬ覚悟か?滑稽だ!もう一度極星十字拳を受けてみるがいい」


サウザー「おりゃあ!!」ゴアッ


シン「……」ビッ!

刹那、シンが神速でサウザーの懐に入った。


サウザー「!?」ズッ


サウザーは思わずよけるが、よけきれず手刀が突き刺さる

サウザー「…何だと!?」


シン「…せめて俺の手で殺してやる……」


サウザー「見くびるなよ!衛星の分際で」ブォッ

サウザーが手刀を繰り出す。だが

シン「……」パシッ

シンはそれをはじく、そして


シン「南斗千首龍撃!!」ババババッ


サウザー「うおっあ~っ!!」ズドドドド

ジャギ「勝負あったn………ん?」


サウザー「………」ヨロッ


サウザーが立ち上がった?何故だ、シンの千首龍撃を受けて無事なわけ…


シュウ『南斗聖拳ではサウザーは倒せぬ』


そんなわけない、仮にシュウの言ってることが正しいとして、それは“これ”のことではない。現にサウザーは立ち上がってはいるがダメージは受けているということは


シン「………」


こっちが問題だな…


サウザー「…まさか南斗聖拳の使い手でここまでの男がいるとはな…これは俺も全力を尽くさなければなるまい!」


シン「…?南斗鳳凰拳に構えが…?」


サウザー「南斗鳳凰拳奥義・天翔十字鳳!!」ブワッ


サウザーが両手を広げるような構えをとった。


サウザー「天翔十字鳳、それは帝王の誇りをかけた不敗の拳!そしてこれが決して他の南斗聖拳では南斗鳳凰拳を倒せぬ所以の拳だ!」

サウザー「行くぞ!!」バッ


シン「はぁっ!」ビシュッ


サウザーがシンへ飛びかかる。シンはそれに合わせて突きを繰り出すが


サウザー「」ボッ

シンの手が、サウザーの体を…すり抜けた……?

サウザー「フハハハハ!」

シン「ぐあっ!!」ズバッ


シンの体が斬られた…どういうことだ!?


サウザー「フハハ!天空を舞う羽根を砕くことはできぬ!!」ブワッ


シン「くそっ!」ババババッ


ブオッ


シン「ぐはっ………」ドシャアッ


サウザー「とどめだ!!」

ドン! ドン! ドン!


サウザー「!?」フッ

くそっ、これもかわすのかよ、どうすればいいか分かったもんじゃない…だが


ジャギ「悪いな、この勝負お預けだ!」ガシッ


シンの身柄は確保した!


サウザー「ジャギ、貴様あ!!」

ジャギ「悪いな、逃げさせてもらうぜ。お前らが戦ってた時俺はなにをしてたと思うか?」


ドォン! ズドォオン!!
ドカァアン!!


サウザー「なっ…これは!!!」


ジャギ「そこらを爆弾だらけにしてやったよ。俺の手持ちのスイッチ一つでボンだ!じゃあな~!」


というわけで、カッコ悪いがシュウのアジトへに逃げ帰ることにした。

流石世紀末石油王

さすがジャギ様、汚い





シュウ「…!!ジャギ!!」


ジャギ「ただいま、思ってたよりめんどくさいなあれ…」


シュウ「シンは大丈夫か…?」


ジャギ「ああ、重傷だが命に別状はないはずだ。手当して寝かせといてくれ」


シュウ「ああ、分かった!」

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーーー


シン「……ここは…」


アイリ「…気がついたのね」


シン「俺は…そうか、サウザーにやられたのか…」


アイリ「まだ傷は深いから安静にしてね…シュウさんの話を耳も貸さずに勝手に行って…ほんとなに考えてるのかしらあいつ…」


シン「言い出しっぺは俺なんだが…というか怪我人の俺よりジャギの方が心配なんだな」ニヤニヤ


アイリ「べ…別にそんなわけじゃないわ!なんておぞましいことをいうの!」

ガチャッ

ジャギ「おうシン、体の調子はどうだ?」


シン「大丈夫とは言えないな…迷惑かけてすまない…」


ジャギ「迷惑か…一つ聞きたいことがある。お前、本気で戦ってないだろ?」


シン「!!!!」


ジャギ「本気だったら多分お前の千首龍撃食らった時点でサウザーは死体だっただろう…そういえばここに来てから様子がおかしかったな………お前は何故本気を出さなかった?」






ジャギ「いや…“出せなかった”?」

かっけぇな

シン「……これは俺がまだ南斗聖拳を学ぶ前のことだ…その頃のサウザーは、まだ南斗鳳凰拳を教わってた頃だろう。一度だけその頃のサウザーに会ったことがあるんだ」


南斗鳳凰拳を伝承する前のサウザー…?


シン「サウザーは、とても愛に溢れていて、真っ直ぐで優しい少年だった。」


ジャギ「!!?あのサウザーが…まさか……」


シン「俺はあの頃のサウザーを見て南斗聖拳を学びたいと思ったんだ、それなのに…やつはある日を境に変わってしまった…」


シン「南斗鳳凰拳を伝承した、あの日から……」


ジャギ「………」


シン「恐らく伝承するにあたり何かがあったんだ……俺としては、サウザーに対して捨てきれない情があったから、とどめを刺しきれなかったんだ…すまない……」


ジャギ「そうか…次戦う時は大丈夫か?」


シン「ああ、今度は全力で行く、そうでなければならないと思うんだ」

ジャギ「それなら大丈夫だ!よし、シュウと作戦会議だ」

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー


部屋にシュウを呼んだ。シュウにはサウザーの過去は伏せておいた。仁星の男だ、シンでさえこれなのに、シュウに話したら確実に士気が落ちる


ジャギ「まず今後のサウザーの動きだ。食料に毒を混ぜてくるぐらいだからな、兵隊とかぶち込んできても違和感ないな」


シュウ「まさか…そこまでするか…!!」


ジャギ「するな、俺だったらやる。そんで対策だ…食料の箱にはまず刃物を突きたてろ。これをすべての舞台に徹底するんだ」


シュウ「なるほど…」


ジャギ「そうだな…あと、今いる反帝部隊の数を最大いくつまで凝縮できる?」


シュウ「何故だ?ちなみにどんなに頑張っても3つが限界だろう」


ジャギ「万が一サウザーの軍が攻めてきても対応できるようにする。要は軍程度もろともしない俺たちみたいなのを必ず一人置いておくんだ。シンは数に入れられいし…俺とシュウと……うーん…」

アイリ「3人目は私がやるわ」


ジャギ「おいちょっと待て、無理があるだろ!?」


アイリ「あら、あなたの命を狙うような人間が何もできないと思ってるの?」ザシュッ!


そういうとアイリは目の前で素手で食料の箱を切り裂いた…えっ


ジャギ「…まさか……南斗聖拳…!?」


アイリ「これでも不満だというの?」

流石は水鳥の妹か…こいつもしかして俺より才能あるんじゃ…やばい、自信なくなってきた


ジャギ「うん、問題ないな…この件はこれでいいや…じゃあ次にシン」

シン「おう」


ジャギ「多分拳の腕は勝ってるが…あの天翔十字鳳ってのが厄介だ…物理攻撃は全て効かない…あれじゃあ確かに南斗聖拳じゃ倒せないな…」


シン「北斗神拳なら勝てるのか!?」


ジャギ「北斗神拳の極意は闘気だ、やろうと思えば触れずして秘孔もつける。だがサウザーには秘孔が効かないらしいからな…そこでだ、北斗も南斗も誰もしなかった事をしてもらう」


シン「誰もしなかった事……?」







ジャギ「天翔十字鳳を倒せる技がないなら作ればいい。北斗神拳でもない南斗聖拳でもない、新たな技をな」

さすが言うことがちがう

今日はここまでです。

「押して駄目なら引いてみればいいじゃない」
さすが足りない才能を武器や暗殺技術で補うジャギ様だ、才能に溢れた方々の思考硬直なんてカケラも無いぜ(褒め言葉)

投下乙でした
何気にアイリがヤバイ
流石南斗水鳥拳継承者の妹ww

ケンシロウ「兄ちゃんがガチ」

レイ「妹がガチ」

このジャギ様には「愛を取り戻せ!」という文句がピッタリ似合うな

例のごとく職場の宴会が入ってしましました。私の気力が残っていれば書きます。すいません

アイリすごいな

前日書き込めず申し訳ありませんでした。
本日もアルコールが入っていますが、可能な限り投下します

翌日

俺たちは反帝部隊を3つに絞り、そこに長として俺、シュウ、アイリが入った。配布される食料箱には必ず獲物で貫いた。案の定、そのうち半分は箱から断末魔が出た。もちろん本物の食料の時も毒味は欠かさずやった。てかシュウはともかくなんでアイリまで毒味できるんだ…


そして迫り来る聖帝軍を蹴散らすこと2日、ついにシンがそれなりに回復した


シンには、俺特製の爆弾を数個持たせた。もちろんサウザーに使うのではない。安全に勝つには重要なアイテムだ


作戦当日、俺の配下の部隊をシュウとアイリに任せ、俺もシンに同行した。シンは聖帝十字陵に登り、俺はそのふもとで待った。そして



ドガァアアン!!

ズガァアアン!! バゴォオン!!


シンは聖帝十字陵に爆弾を投げ始めた。つまりこうだ、奴らのシンボルにテロをしかけてるとなればサウザーも黙ってない。大半の聖帝軍と本人が来るはずだ。これでシュウたちの負担を大幅に削れる。さらにその聖帝軍を俺が足止めすることでシンとサウザーの一騎打ちに持ち込めるわけだ


案の定大量の聖帝軍と共にサウザーが来た。もちろんテロを起こしてるのはあのシンだし、サウザー自身が止めにいかなければならない。俺は聖帝軍を殺しながら二人の戦いを見届けてる事にした


シン「ようサウザー…今日は本気で殺しに来たぞ」


サウザー「ふざけた真似を…聖帝十字陵を破壊した罪、死をもって償ってもらう!」

シン「戦う前に一つ聞きたい、俺の知っているサウザーは愛に溢れた男だった…何故非情の道に走った」


サウザー「……いいだろう、冥土の土産に教えてやる」


そういうと、聖帝十字陵の中央あたりが音をたてて動いた、そこには老人のミイラが丁寧に葬られていた


シン「これは…」


サウザー「これが我が師、オウガイだ…俺はお師のもとで厳しくも優しく育てられた…15の時、俺は南斗鳳凰拳の伝承にあたりお師をこの手にかけた…その時悟った!愛は悲しみしか生まぬと!そして俺は愛を否定したのだ!!」


なるほど、純粋なものほど歪む時の反動はでかい。愛深きゆえに受け入れられなかったか…だがな

シン「………そうか、貴様の哀しみは分かった、だが貴様は殺す!!」


俺もシンも、今まで苦しみや悲しみを背負って生きてきたんだ!!

ジャギも(ケンシロウも)じゃないのかな?

サウザー「フッ…確かに拳の勝負では貴様が勝った、だが俺の天翔十字鳳がある限り、何人にも砕くことはできぬ!!」ブワッ

サウザーがまた天空に舞う

シン「はぁっ!!」ピシュッ


シンも手刀を突き出すが、やはり天翔十字鳳の前には無力のようだ


シン「………」ザシュッ……


サウザー「何時やっても同じ事…ジャギも聖帝軍の対処で加担できまい、今度こそ貴様の息の根を止めてやるわ!」


サウザーが再び羽ばたく、だが今回は打開策がある

北斗神拳には秘奥義天破活殺というものがある。闘気により触れずして秘孔をつく技だ。だがサウザーに秘孔の効力を出せない以上無意味だし、流石のシンも秘奥義まで使いこなせるまでには至っていない。だが北斗神拳を学ぶ段階で、闘気の使い方は覚えたようだ


すなわち、“闘気を使った南斗聖拳”をすればいいのだ

サウザー「死ねぇええええ!!」




シン「うぉおあああああ!!!!」ババババッ

刹那、シンはサウザーとかなり距離のある地点で千首龍撃を放つ。その先から闘気が矢のごとく飛び、サウザーの体を貫いていった


サウザー「ごはぁああっ!」ズドドドド!

ついに羽根とかした鳳凰はその地に堕ちた


シン「足の腱を断った。これで貴様の羽根はもがれた!!」


今度こそ勝負あったな…それでも立ち上がるサウザー


サウザー「まだだ…引かぬ、媚ぬ、省みぬ…帝王に逃走はないのだ~!!」ダッ


ブワッ


するとサウザーは残された両手を使い、その力を使い羽ばたいた…だが、それはもはや天翔十字鳳にはなってないだろう…それにしても見事な意地だ

シン「あくまで帝王の誇りにかけて飛ぶか…見事だ、お前のその心も、俺が背負ってやる!!」ぶわぁ~





シン「南斗極屠拳!!!!」ビシャアア!!



シン「哀しき男よ…」スタッ…


サウザー「うわぁあああ!!」スバッ!!

サウザーの両手足の関節を切り裂いた。もはやこれまでだろう


サウザー「ぐはっ…鳳凰の聖帝の夢ももはやこれまでか……むっ?」


シンはサウザーを抱きかかえ歩き出した。サウザーの師・オウガイの元へ

サウザー「シン……何を…!?」


シン「愛は悲しみや苦しみを生むだけはない、お前もぬくもりを覚えているはずだ…」スタスタ


サウザー「何故だ…南斗弧鷲拳を伝承した頃の気様は…こんな情けをかける男でなかったはず」


シン「……俺にはもう一人、心がいるんだ、優しく、甘く、それゆえ殺された俺の親友だ…確かに、前の俺なら前の戦いでとどめをさせていたかもな…だがな俺はケンシロウの心を背負ったからこそお前の天翔十字鳳を破り、お前の心を取り戻せたんだと思う…」トサッ…


そういうとシンは、サウザーの体をやさしくオウガイの遺体の横におろした


サウザー「……敗けた、拳も、器も…シン、今日から貴様が南斗聖拳最強の男だ……」


シン「…………」


シンはサウザーに背を向け歩き出した

サウザー「お……お師さん…もう一度…ぬくもりを………」


俺の目から見てもはっきりわかるほど、純粋な顔で涙を流しながらオウガイの躯に寄り添い、サウザーは静かに逝った



シン「…………さらばだ…」

短いですが今日はここまでです

乙の北斗十字斬


愛を知ったが故に愛を憎み苦しむ…
本当に皮肉だよな…

アンチテーゼになってはいけません
キフロムッ!

北斗の拳に限らずこういう殺し合いのある漫画って、
一歩間違えば普通に主人公死ぬよなあ。

流石のシンも天波活殺を急には会得出来なかったか
でも闘気を飛ばせるなら暗硫天波はすぐにも使えそう...

ジャギも(ケンシロウも)じゃないの?というレスをいただきましたが、まあケンシロウは故人なので背負われる側かと…


それでは投下します

サウザーとの戦いが終わった。シンはゆっくりと聖帝十字陵を降りていった。俺があたりを見渡すと、そこには俺の二人の兄がいた


ジャギ「えっ?トキ!?…それにラオウ!!?」


トキ「お前たちがサウザーに挑みにいくと聞いてな…実は私はサウザーの体の謎を知っていたのだ」


ジャギ「えっ?まじかよ!!」


ラオウ(シン…俺の生涯の敵がまた一人!……それにしても、あの創造性に富んだ技、けしかけたのはまさか…ジャギか…?)クルッ


ラオウは俺たちに背を向け、国王号を走らせた


ラオウ「さらばだ、また会おう!」ダッ

ラオウも去り、俺とシン、それにトキでシュウのアジトに戻った。反帝部隊としては完全勝利した訳だ、今日はいつになく飲み狂った。


そして夜が明け……


俺とシンの旅にトキとシュウも加わった。サウザーという脅威も消え、あの街も生気を取り戻した。シュウは息子のシバを街の指導者として残し、俺たちについてきた。無論そのあとをアイリが追ってきている。


ジャギ「いよいよ残すはラオウか…」


シン「いや…そろそろ“向こう”から接触があるはずだ」


ジャギ「向こう?…………!!」


俺たちの目の前に、大勢の軍が押し寄せてきた。どうやら拳王軍ではないようだが…その大群をかき分けて、一人の男がやってきた


???「お待ちしておりました、ジャギ殿、シン様。私は南斗五車星の一人、海のリハク」

ジャギ「五車星…?」


シン「そうか…やはり五車星が動いたか。ユリアは救出したか?」


リハク「もちろん、暴凶星が負傷している隙に救出いたしました」


ジャギ「…えっ?てことはシンはユリアが救出されてることが分かってたのか?どうりであんまりユリアにがっついてないと思ったわ…」


シン「五車星は南斗正統血統・慈母星のユリアのための配下だ、それにこのリハクという男は最高の軍師だ、その期を見逃すはずはない…ではユリアの元へ案内してくれ」


リハク「…かしこまりました」


…リハクの顔が曇った、どうやら良くない状況らしいな……シン、覚悟しておいた方がいいかもな…

俺たちはユリアの居城へと通された。そして久々にユリアと対面したのだった













目に光の灯っていない、まるで生気のないユリアと


シン「ユリア……ユリア!!!」


シンがユリアに駆け寄った。いくら話しかけても返事がない。それは呼吸するだけの屍だった

リハク「私たちが救出する頃にはすでにユリア様の心は壊れておられた…」


ケンシロウが目の前で殺されたからか、ラオウに穢されたからか、あるいは両方か……少なくともユリアはもう生きているとは言えない状況だろう


シン「そんな…ユリアーーー!!!!」


ジャギ「…………」グッ………


気づけば俺の手のひらに爪が食い込んで、血が滴った…

夜、シンは食事が喉を通らず、そのまま床に就いてしまった。
その後トキから衝撃の事実を聞いた。ユリアはトキと同じく病にかかっているらしい…こんなことシンが知ったら………








ジャギ「………おい」




寝室の天井にアイリがへばりついていた



アイリ「あら、ばれちゃった?」


ジャギ「ばれちゃったじゃねーよ、何やってんだ、俺を殺しに来たか?」


アイリ「…そうね、ばれた以上おとなしくするけど」スタッ


床に着地し、俺のベットに無断で座ってきた


アイリ「ねえジャギ、何で殺し屋をしているの?何でラオウを倒そうとしているの?」


ジャギ「別に、飯の為にやってるだけだ。ラオウも俺にとって邪魔なだけだし」


アイリ「その手の嘘にはもう乗らないわよ、この偽悪者」


偽悪者ってなんだよ……

海のリハクの五文字にもう不安しか浮かんでこない

ジャギ「……俺にはケンシロウという弟がいた。そいつは俺よりずっと拳に秀でていて、シンの片思いの女…ユリアと相思相愛となんとも妬ましい奴だった」


アイリ「…トキさんとかラオウにも劣ってるじゃない」


ジャギ「うるせーよ、で、俺はケンシロウが伝承者になるのだけは許せなかった…妬ましいさもあったが、何よりあいつは甘すぎた、いつかあいつは誰かに殺されるんじゃないかって…それでやつに喧嘩を売って、このザマだ」カポッ

俺はアイリの前でヘルメットをとって見せた


アイリ「!!……っ」


ジャギ「ただでさえいい顔じゃないのにめちゃくちゃだ…けどこうして俺は生きている。それが何よりのあいつの甘さの証だった。俺は必死でシンとそれを補おうとして動いた、けど、結果はご承知の通りだ」

ジャギ「この頭は、俺の無力さの証だ…ケンシロウを救えなかった哀れで無様なしるしなんだよ…」カポッ


俺はまたヘルメットと頭に被った


ジャギ「シンは俺に比べたらマシなんだろうか…まだ守るべき奴が生きてるんだからな……壊れた心も含めて多分あいつはユリアを愛するだろうな、あいつはそういう男だ……」


それに、あいつにはユリアへの2人分の愛があるしな


アイリ「…愛…ね…」スタスタ


アイリは立ち上がり、部屋の扉まで歩いていき、ドアノブに手をかけたところで振り向いて、言った




アイリ「ねえジャギ、もし私もあんな風に壊れたとしたら、シンさんみたいに私を心配してくれる…?」


ジャギ「…………!?」


アイリは言い終わると、部屋を出て行ってしまった

今日はここまでです


重い!アイリのジャギ様への愛が過剰な迄に重い!

最後にヒロインっぽい意味深発言したりしてヒロイン度数稼ごうとしてるアイリには悪いが……
『延々と後についてくる』からの『天井へばりつき』でもうお笑い担当にシフトしてるのは確実

ってか、まずその前提条件に必要な愛(ジャギ→アイリ)がないのわかれよっ!?

ところで助け出されたユなんとかさんってあれですよね、目の前でシンが傷ついててもケンケンしか言ってなかった人ですよね
ユなんとかさんに対してはなんとも思ってなさそうだけど、壊れた女に愛を捧げ続けるだろう友を思って拳を握り締めたんだろうなジャギさま

伝説の節穴軍師さんは言うことなすことどこに「不覚」するか楽しみです

五車星に突入したけどリョウガは救世主が死んだから出番なし?

堕ちなかったこのジャギは、素顔の件もあって女性関係諦めているんだろうな。

ジャギが自分の幸せ完全に捨ててるからデレさせるのは困難そう
様々な世紀末の問題をあらかた解決して、かつ十二分に好感度上げとかなければ仮にど直球告白しても「俺は止めとけ他を当たれ」で一蹴されそう

番外でサウザーがいちご味のサウザーだったらをお願いします!

何回も足を刺されるんですね

前日投下できず申し訳ありませんでした。

リュウガは出番あります!楽しみにしていてください

イチゴ味は私もかなり好きです。番外どころかこれとは別のSSでやろうとおもってました。ちなみに他には「もしラオウがポンコツだったら」とか「もしトキが死の灰で女になってしまったら」とかですかね。無論要望で上がったので本作の後ろでちょっとだけやろうと思います。ただしクオリティは保証できません


ユなんとかはぶっちゃけ私の一番嫌いなキャラです。原作読み返しまくればわかると思いますが、奴はかなりの畜生です。そのくせ作中でぐう聖扱いという大変腹立たしい女ですね。その怨念が本作にも滲んでいるかもしれません

アイリの件はここではノーコメントとします

それでは投下します

大丈夫だ、問題ない

待ってた

今日はアイリのせいで一日中眠れなかった


ねえジャギ、もし私もあんな風に壊れたとしたら、シンさんみたいに私を心配してくれる…?


これはどう考えても、そういうことだろう。まさか兄を殺した犯人にそんな感情を抱くなんて…


だが俺は恐らくアイリの想いに応えることはできない。仮に俺が許しても、地獄でレイが許さないだろう





それに、俺はもう決めたんだ


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー
ーーーーーー


朝、廊下でシンとすれ違った


ジャギ「よう…その……大丈夫か…?」


シン「大丈夫と言えるかは分からないが、俺が落ち込んでいても仕方ない…それに、どんなことになろうともユリアはユリアだし、ちゃんと生きてるんだから」


ジャギ「シン………ほんと、強いなお前は…どこまでも報われぬ想いを捧げるか…」


報われぬ想い…か………


シン「ああ、それに無駄なんかじゃない、ケンシロウは、俺の中に生きているのだから」


サウザーの言うとおり、まさにこいつは南斗聖拳最強の男だと、改めて実感した


程なくして、トキもやってきた。どうやら俺たちを探していたようだ


トキ「ジャギにシンか…ちょっと聞いてくれ」


ジャギ「どうしたんだ?」


トキ「コウリュウがラオウの手にかけられた…ラオウの傷が癒えたようだ」


シン「!……いよいよか…」



コウリュウ、かつて親父と龍虎並びて称された男。親父の拳を守るために自ら拳を封じたが、実際は親父より強かったらしい。その力持ってしてもラオウは止められなかったか…


ジャギ「トキ…行くのか?」


トキ「ああ、私の死期は近い。ならば私も一人の拳士としてこの生を全うしたい」


ジャギ「そうか…止めはしない、だが一度、お前と拳を交わらさせてくれ」ズウァァ…


トキ「よかろう、その目で確かめてみるがいい、私の病が拳をも蝕んでいるかを」クアァァッ


シン(こ…これは、北斗天帰掌…つまりこの一瞬は真剣勝負…!)

トキ(まさかお前とこうして戦うことになるとはな…他の兄弟と比べお世辞にも秀でているといえないお前がよくここまで…)


ジャギ(トキ…もしお前が死の灰をかぶっていなければ、この世はこんな殺伐としてなかったかもな…だがお前は人助けのために…皮肉なもんだ)


ジャギ「ほおう!!」

ガガッ

トキ「ふん!!」



バシィッ


ジャギ「……」ドドドドドッ

トキ「…!!」ドッ


シン「やはりトキの勝ちか…だが、ジャギの拳も一発入った…!」

ジャギ「別に…守ることを考えずただ一発だけでもいれようとしただけだ」


トキ「いや…お前を見下している訳じゃないが、驚いた…」


トキ「ジャギ、それにシン…この魂はおまえたちに残そう。そしてこの肉体はラオウとの死闘に捨てよう!!」


そこにいるのは普段の優しさと愛に溢れた次兄トキではなく、ラオウとの死闘に燃える拳士トキだった


そして、俺たちはトキとラオウの遠い誓いの場所へと進んで行く…

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ーーーーー
トキの戦いに俺とシン、それにシュウとアイリも同行した。トキの最後の戦いを見届けるために



ラオウ「やはりここに足が向いたか、トキ!」


トキ「父と母が私たち兄弟を引き合わせてくれたらしい」


この崖が、親父がラオウとトキを突き落とした崖か…幼き日のラオウは、怪我したトキを担いで片手で登ったという…


両者が構える


ラオウ「始めるか!」


トキ「ラオウ…あなたは師父リュウケンの想像を超え強くなりすぎた、その野望も!!」

この戦いの勝敗は、恐らくアイリにも分かっているだろう。


どちらが拳が優れているかといえばトキだが、どちらが“強い”かというとやはりラオウだろう。無論、その原因はトキの病だ


ラオウ「うぬは俺の剛の拳を!!」


トキ「言ったはずだ、あなたのすべてを目指したと!天を見よ、見えるはずだ…あの死兆星が!!」




だがこの戦いにおいてそんなことは野暮だ。それでもトキが、ラオウに近づかんとすることに意味があるのだから


ラオウ「ぐあ!!」ブアッ


ラオウが空へ逃げる、そこに


トキ「勝機!」キュァアアア


流れるように間合いに入り…


トキ「天翔百烈拳!!!!」ドドドドッ!


ラオウ「ぐわあ」ドズーン


ラオウが地に手をついた、そしてトキがとどめの一撃をいれる


トキ「さらばラオウ、今約束を果たそう!!」ドカッ


ブシュアッ

アイリ「…ジャギ……?」


ジャギ「………」ブンブン


俺はアイリの意図に、首を横に降ることで答えた


やはり死兆星はトキの頭上に落ちたか……トキ、病んでさえいなければ…






ラオウはトキの拳を抜き、トキに百烈拳を浴びせた。




ラオウは、涙を流していた

トキ「ま…まだ……」ズオオ


もう立ち上がれる体ではないのに……トキ……


トキ「いや~っ!」フシャッ


ラオウ「きかぬのだ!!もういい、やめろトキ!!」ガシッ





トキ「ラオウ…何故泣く……」


ラオウ「死を覚悟してこのラオウを目指そうとした哀しき心がこの俺の枯れた涙を呼び戻した!」

トキ「もはや悔いはない…宿命の幕を閉じよ」


ラオウ「トキよ、これが俺が生涯で流す最後の涙となろう!!さらば、我が生涯最強の敵!!さらば!!我が最愛の弟!!これが貴様が目指した兄ラオウの拳だ!!!!」ガオン




ドグシャッ!!



トキ「なぜ…」


ラオウ「今拳王を目指した男トキは死んだ!ここにいるのはただの病と戦う男トキ!!」

スッ…

ラオウ「残る余生安らかに暮らすがよい」


トキ「………」ブワッ…


ラオウ「泣きたくば泣くがよい…もう責めはせぬ。体を愛えよトキ……」ザッ…


ラオウ(この闘気はまさか…ジャギ!?……シン程でないにしても、一体どこでここまで……)

ラオウ「シン…それにジャギ!!」


ジャギ「!!」


ラオウ「拳王恐怖の伝説は今より始まる。この命奪いたくばいつでもくるがいい!」バサッ………










こうして、北斗の実の兄弟の戦いは幕を下ろした

その後、トキは奇跡の村に戻り、残る余生を医療のために尽くすようだ


ジャギ「なあシン…」


シン「どうした?」


ジャギ「ラオウとの最後の戦い…俺に譲ってくれ」


シン「なっ……」


ジャギ「お前も戦いたいのはわかる。だが、これは俺が決着をつけたいんだ」


シン「…いいだろう。もとよりユリアを救出できた時点で半分は目的を達したからな……あとどれくらいいれるか分からないが」


ジャギ「!!…お前…ユリアの病を知ってるのか!?」

シン「ああ、ユリアと過ごしていて、何となく分かってしまった…でもいいんだ、余生くらい幸せに過ごして、こころよくケンシロウのもとへ旅立ってくれれば………」


お前、やっぱすげぇよ…お前がいればこの世界は大丈夫だ





さて、ラオウと戦う前の最後の仕事だ
ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー
ーーーーーー


リハク「な…なんと……」


ジャギ「理解できなかったか?もう一度いうぞ…俺がラオウを消した後は、シンを南斗聖拳の長としてもらう。シュウは副長という形でバックアップをする。五車星もろとも南斗は全部シンの配下だ…何か質問は?」


リハク「しかし…南斗正統血統・慈母星は愛と自由と平等の証!それが戦乱の星の下につくとなればまた戦乱が…」



ジャギ「愛…自由……平等。反吐が出る…あまり舐めたことを抜かすなよ…!」


リハク「な…何を!!」


ジャギ「そういうものはな、無償で手にはいるものじゃねえんだよ、すべての幸せは何かの犠牲から成り立つんだ、お前たちの言っていることはすべて綺麗事だ!」


リハク「この…言わせておけば…!!」


ジャギ「いいか?正義ってのはまず強さあってこその正しさなんだよ。力なき正義はただの無力だ…愛で世を治める?核で世界が吹っ飛ぶ前から力が全てだっただろうが!!金が暴力に変わっただけだ!!お前にはどうやら本質を見る力がないようだな…もしこのままくだらない理想にとらわれてたら…


絶対に不覚をとるぞ?お前のためにお前の仲間が死ぬぞ??」ギロッ

リハク「ぐっ………!!」ゾクッ


ジャギ「シンからの最初の命令だ。『五車星の拳王への接触を禁ずる』。お前たちごとき、ラオウに何もできまい黙って今後のために動け」


ジャギ「ああ、そうだ。南斗正統血統っていわば象徴みたいなもんだろ?シンみたいな王とは別枠で必要なものではある…だがユリアはもたない…そこでだ」









ジャギ「何故か拳王軍にいるユリアの実兄リュウガを拉致ってくる。ユリア亡き後はリュウガの娘でも慈母星にでもするんだな」

今日はここまでです



天狼VS北斗3男か

こういう才能的に凡庸な主人公が
経験と努力で強くなる展開。大好物です


拳王の前に天狼戦か、そもそも天狼の強さってどれくらいなんだろ?五車位か?だとしたらこのジャギなら勝てそうだな。

それでは投下します

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リュウガの居城


リュウガ(強大な恐怖による支配の巨木ラオウ。それに対抗し得るのは伝承者のケンシロウだとおもっていたが、奴はあっけなく殺さてしまった)


リュウガ(しかし、本来南斗六星の衛星に過ぎないはずのシンが今やラオウと互角の巨木へと化した)


リュウガ(果たして時代はどちらの巨木を欲してい)


ドン!


リュウガ「ぐはっ…背後から撃たれただと…一体誰だ…!」




ジャギ「ようリュウガ、ちょっくら拉致られろ」

リハク「見せ場(不覚)を殺された」

リュウガ「貴様…死神のジャギか…!何故貴様がここに…」


ジャギ「だから拉致りに来たって言ってるだろうが」


リュウガ「何が目的か知らぬが、正面から貴様に破られる俺ではないわ!天狼の拳受けてみろ!!」


リュウガ「天狼凍牙拳!でやーっ!!」ガガガガッ!


ジャギ「うおおおお!!」バババババッ


リュウガ「ぬ!…俺の拳を全て受けただと!?」


ジャギ「…さて、そろそろ効いてくる頃だな」


リュウガ「何のこと…うっ……意識が…遠く…………」バタッ


ジャギ「…俺一人で担いでくんだよな…めんどくさっ」

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー



リュウガ「…………うっ…」


ジャギ「よう、目が覚めたようだな」


リュウガ「ジャギ、どういうことだ!」


ジャギ「まあそう熱くなるな…別にお前をどうこうしようって訳じゃない」


リュウガ「背後からショットガンを撃っておいて何をいまさ…むっ…痛まない……?」


ジャギ「あれはただの麻酔弾だからな。撃たれた時こそ痛むかもしれんが基本的に殺傷力は無い」


リュウガ「…拉致か……貴様の目的は何だ?」

ジャギ「これから六聖拳の残党と五車星を集め、シンを中心に秩序ある南斗の国を作る。お前はユリアと同じく南斗の正統血統だ…ユリアは長くもたない。お前が当分慈母星の代理だ!」


リュウガ「なんだそれは!めちゃくちゃだ!!慈母星は女しか継げないのだぞ!?それに俺はまだシンがどれほどの男か見極めていない!!ラオウはどうするのだ!!」


ジャギ「慈母星は仕方ないだろ…遥か昔、時の皇帝も女がやったことあったし、緊急事態だから大丈夫だろ…シンなら直接お前が見に行けばいいだろ。ここから3つ上の部屋だ」


リュウガ「…よかろう。見極めてやろうではないか」スタスタ



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ーーーーーーーーー
ーーーーー


リュウガ(……ここか)

コンコン

リュウガ「失礼する」ガチャッ

シン「待っていたぞ、リュウガ…」


リュウガ「シン、貴様の力がどれほどか見極めさせても『ちょっと待ってくれ』っ…」


シン「この部屋にはユリアもいるんだ、外に出よう」


ユリア「………」


リュウガ「…分かった」






ユリア(シン)の居城下・広場


リュウガ「さあ構えろシン!」ババッ


シン「その前にお前に言いたかったことがあるんだ…」




シン「…済まなかった。俺が至らなかったばっかりに、ユリアの心までは救うことができなかった」



リュウガ「なっ!?何故頭を下げる!!?」


シン「知っていると思うが俺は2度ラオウと対峙した。2度目こそ撃ち分け、その隙に五車星がユリアを救出したが、最初はそれはひどいものだった…ケンシロウは殺され、ユリアは連れ去られ、俺は掌を貫くことしかできず腹に風穴を開けられた…ラオウの性格だ、本当なら心を開かないユリアなど殺されていたかもしれない…それを救っていたのが、お前なんだろう?」


シン「本当に感謝する。そしてユリアの兄であるお前に今まで何も報えなかった俺を許してくれ」


リュウガ「…シン、そこまで我が妹ユリアを…こちらこそ感謝する。だがまだ貴様の力が見えぬ、一瞬でいい、拳を交わらせてくれ!」バッ


シン「分かった。行くぞ!」ビッ!!

リュウガ(なっ!?速い…!!)


シン「……」ビシュウッ ピタッ


リュウガ「…フッ……強い。ラオウと引き分けたのも納得だ…分かった。この天狼、貴様の力になろう!!」


シン「感謝してもしきれないな…これからよろしく頼む」









ジャギ(終わった。俺にできることは全てやった)


ジャギ(あとは、ラオウと戦うだけだ)

北斗と南斗は本来陰陽の関係にあり、北斗は陰、南斗は陽だ。
南斗は広く世界に普及し、人々に溶け込み、北斗は時代の影に生きた。これが本来あるべき姿だ


だが今はどうだ。暴凶星と化した北斗の長兄ラオウが、北斗も南斗も関係なく世を脅かしている。だがケンシロウは死に、トキももう戦える体ではなくなった


俺がラオウを止めるしかないのだ


確かにシンならラオウを倒せるかもしれない。だが相打ちでは駄目だ。あいつは後の世を正す存在にならなくてはいけない


俺とシン二人なら倒せるだろう。だがそんな倒し方をしてあいつの名を汚すことはない。北斗最凶の拳王と北斗最低の死神の相打ち、実に最高のハッピーエンドだ

北斗と南斗は本来陰陽の関係にあり、北斗は陰、南斗は陽だ。
南斗は広く世界に普及し、人々に溶け込み、北斗は時代の影に生きた。これが本来あるべき姿だ


だが今はどうだ。暴凶星と化した北斗の長兄ラオウが、北斗も南斗も関係なく世を脅かしている。だがケンシロウは死に、トキももう戦える体ではなくなった


俺がラオウを止めるしかないのだ


確かにシンならラオウを倒せるかもしれない。だが相打ちでは駄目だ。あいつは後の世を正す存在にならなくてはいけない


俺とシン二人なら倒せるだろう。だがそんな倒し方をしてあいつの名を汚すことはない


だから、俺が終わらせる。北斗の宿命も、俺たち兄弟の悲劇も、全て

それから数日、リュウガも含めた南斗の宴会を行い、その翌日俺は最後の宿命の戦いに向け準備した


シン「ジャギ、本当に行くのか…」


ジャギ「ああ。もう決めたことだ」


シン「…死ぬなよ」


ジャギ「大丈夫だ、俺を誰だと思っている?俺は勝つためには何でもする男だぞ??」スタスタ


シン「そうか…」


シン(全くお前ってやつは、いつもそう言って憎まれ口ばかり言って、率先して自己犠牲しやがって…)


シン(ジャギの奴死ぬ気だ……本当、馬鹿だよお前は……)ツーッ……

深夜。誰もが寝静まっているだろう
俺はひっそりと旅立つことにした。見送ってもらうほど俺は大層な人間じゃない


それなのに


アイリ「ジャギ、どこへ行くの?」


門の前でアイリが立ちはだかっていた


ジャギ「何で分かるかなー…さてはまだストーカーしてたか?」


アイリ「とぼけないで!!あなた、死ぬ気でしょう!?」


ジャギ「空気読めない奴だな…シンだって察してたけど触れなかったってのに」


アイリ「あなたを殺すのは私よ!こんなところで死のうだなんて許さないわ!!」


テクテク





ジャギ「…すまない」ドスッ

アイリ「…あ………」ドサッ…


ジャギ「…さらばだ」スッ


ガシッ


ジャギ「!!?」


アイリ「…やめて…ジャ…ギ……」グスッ

そんな…昏睡させる秘孔をついたのに意識があるなんて、しかも足を掴んできた!?なんという執念だ…だが、それでも俺はもう揺るがない


ジャギ「…離せっ」ぐいっ


アイリ「あっ……」パッ


ジャギ「………」スタスタ

アイリ「やめて…ジャギ……いかな…いで……」グスッ


ジャギ「……」クルッ

ジャギ「ありがとう、こんな最低な男を愛してくれて」


アイリ「!!!!」


ジャギ「……」スタスタ


アイリ「…あ…ぅ……うゎぁああぁあああああああん」









さあラオウ、天に帰ろうじゃないか

今日はここまでです

皆様長らくお付き合いありがとうございました!あと2~3回の投下で完結します
ジャギの最後の勇姿を見届けてくださればさいわいです

エラーが起こってしまい、326と327が被ってしまい申し訳ありません。





かつてこれほどまでにイケメンなジャギ様を見たことがあろうか(、いや、見たことがない。)

ぶっちゃけ正面からじゃ勝つ想像が全く付かないけど頑張れジャギ様

>>326が×で
>>327が○なのかな?
相打ちでハッピーエンドが削られたということは、ダイナマイト自爆みたいな系統の相打ち攻撃はしないということか

投下乙でした
死地に赴く間際、アイリの想いに対して
ジャギなりに応えた辺りがまた格好良い
最後まで見届けさせて貰います

微笑み忘れた顔など見たくはないさ
愛をとりもどせジャギ様


ジャギ様、遂に愛を知ったか…

これはジャギ様に無想転生のフラグが

すいません、本日の投下は厳しいです。書き溜めをして明日まとめて投下したいと思います

楽しみに舞ってる

それでは、ラオウのとの決着まで投下します

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ーーーーーーーー
ーーーーー


ラオウの居城



俺は暗殺者だ。拳の才能そのものはラオウやシンはおろか、アイリにさえ劣るかもしれない。だが、俺が誰よりも優れた点がある


暗殺者ゆえの気配の扱いだ。他人の気配の察知は誰よりも鋭く…シュウは盲目ゆえちょっとわからなかったけど……俺の気配は気づかれない…トキにはばれたが、あいつはちょっと規格外過ぎるから除外……ってだめじゃん


それでも、ラオウの居城に入り、ラオウの背後を取ることぐらいは造作ない

ラオウ「……!来たか…ジャギ…!!」


ジャギ「よう…決着をつけようぜ、ラオウ」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーー


シンの部屋

ガチャガチャ……


シン(……むっ…こんな早朝に…一体誰だ?)ムクッ テクテク

ガチャッ

シン「!!!!」


アイリ「……シンさん…ジャ…ギ……が…」


シン「!…お前…今日行くことが分かってたのか!?」


アイリ「お願い……ジャギ…の所に連れて…って……」


シン「お前…あいつは俺たちに散り際を見せたくないから一人で行ったんだぞ…それぐらい汲み取れよ……というかどうしたんだ、調子悪いじゃないか」

アイリ「ジャギに…秘孔…を突かれて……もう倒れ…そう」


シン(まさか!……そんな状態でジャギの元へ行こうとしたのか……なんという執念だ…だがアイリを連れて行ったら、せっかくのジャギの意志に水をさすんじゃ……)


シン(……いや、ジャギ…お前には悪いがアイリを連れて行く。なぜなら)


シン「……馬を用意する、俺の後ろで眠っとけ」


アイリ「!!…ありが…と……」バタッ


シン「こんな倒れる寸然まで…お互い報われぬ恋ってのは辛いものだな。せめてお前は叶えばいいな、アイリ」ガシッ


シン(俺だって、お前の最後の戦いを見届けたかったんだ)

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ーーーーーーーーー
ーーーーー


ラオウ「うぬはシンの前座か?ジャギ」


ジャギ「いや、シンの出番は無い。ここで貴様は終わりだ」スッ…


ラオウ「フッ…でかい口を叩くようになったな。だが確かにうぬは力をつけた。手加減はせぬぞ」スッ…


カッ!


ラオウ「ぬぅあああ!!」ゴァアッ


ジャギ「ごぁあああ!!」グァアッ


ラオウの剛拳が向かってくる。普通ならここでもう終わりだ。だが俺は事前に刹活孔をついている。それでもラオウと力で決定的に差があるため受けるのは難しい。


ならば肉を切らせて骨を断つ。トキに一発入れたあの時のように、一瞬一瞬全て命がけの一撃をいれて行く

ラオウ「ぐふっ…」ズシャアッ


ジャギ「がはぁ…」ドゴォオッ


ラオウのにとっては俺はシンの前座だ。だから無理な戦い方はしない。だからこそ、ラオウの攻撃がやや甘くなり、そこに俺がつけ込める


だがこれは消耗戦に過ぎない。ラオウに比べ遥かに俺の方がダメージがでかい


ラオウ「どうした、うぬの力はその程度か!」


ジャギ「ぐっ……」ヨロッ


だからさらにラオウの裏をかいた必殺の一撃を入れなければならない


ジャギ「うぉおお…南斗邪狼拳!!」ズアアッ

ラオウ「フン…下らん」パシッ


ラオウが俺の拳を弾く。拳は少しだけラオウに届き、弾いた時に体を少し切った。奴にとってはそれだけのこと。だが俺にとっては違う


ラオウ「とどめだ!ジャ…ギ……むっ!?」ボコボコ


ジャギ「………」


ラオウ「ぬゎああああっ!!」ボゴォッ!!


そう、これは南斗聖拳に見せかけた北斗神拳だ


ここでラオウが膝をつけば、とどめがさせ


ラオウ「ぬぉおおあああ!!」ズオオオ


あ…だめだ。トキのようにうまくいかないな……


ラオウ「食らえい!!!」ゴァアッ

ああ、死ぬのか、俺は。何もできないまま


ケンシロウ

レイ

ユダ

サウザー


散って行ったお前たちになんて顔をすればいいんだ


シュウ

リュウガ

トキ

シン

アイリ


すまない


俺は死を覚悟した。その時、いまだかつてない力がこみ上げた


グシァアアアッ



ラオウ(むっ!?手応えがない…う…腕が…)ボコボコ


ラオウ「うぉおおおおっ!!」ボグォオッ!!


ジャギ「………」コオオオ…


ラオウ「ジャギ…なぜ……まさか!?」


ラオウ(まさか…奴が北斗神拳究極奥義夢想転生を会得したというのか!最も劣っているあのジャギが!?)


ジャギ「………」


ラオウ(な…なんて哀しい眼だ…これが…夢想転生…)

ラオウ「ぬあああっ!認めぬ!拳で遥かに劣るうぬが北斗神拳最強の男だなど、このラオウが認めぬわ!!」ズオオオオッ


ラオウ「北斗剛掌波!!」ゴオオオオオ!!!


ジャギ「………」スッ


ラオウ「!?」


ジャギ「あたぁ!!」


ラオウ「ぐはぁ!!」ドゴォオ!!!


ラオウ「この拳は…ケンシロウ!!」


ジャギ「…ハァ……ハァ…」


ラオウ「!!…そうか、いかに夢想転生を身につけようと、うぬは所詮ジャギ!!」

ラオウ「確かにうぬはその身に哀しみを背負ってきた!だがその奥義にうぬの才なき体がついて行っていないのだ!」


もう気づいたか…流石はラオウだ。まさか俺が夢想転生を会得するとは俺自身も想定外だったがな…それにしてもラオウの言っていることは正しい


ラオウ「俺がうぬの奥義に倒されるのが先か、うぬが力果てるのが先か…天に死兆星が見えるわ、ようやく俺と同じ地に立ったか」


つまるところ、これでようやくラオウと五分なわけだ


ラオウ「どおあっ!!」ゴァッ


ジャギ「おおおお!!」シュッ


バキィイイ!!


ラオウ「うがぁは」ドシュッ


ジャギ「ぐっ…ハァ…ハァ……」ガクガク

スッ ドゴォオオ

バシュウウ


それはまさに互いにじわじわと命を削る戦いだったラオウは俺の夢想転生に削られ、おれは本来の才の無さ故に削られた


もしラオウが夢想転生を会得していたらと思うと鳥肌が立つ。俺はやはり一番伝承者に向かない男なんだとはしみじみ感じる。けどそんなことはもはや関係ない!!


ジャギ「ゼェ…ゼェ…ゴフッ……」ガクガク


ラオウ「ぐっ…ぬゎああああっ!!」ガクガク


おそらく、次の一撃が最後となる、俺もラオウも自然と察していた

ジャギ「天に帰る準備はいいか、ラオウ」


ラオウ「フッ…夢想転生ごと打ち砕いてやるわ!」


俺たちは同時に動き、最後の一撃を放った。


俺のヘルメットと、ラオウの兜が飛び散った


そして、俺の視界は白く染まっていった


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー
ーーーーーー




まるで夢を見ているかのように、俺は浮かんでいた



ああ、俺は死んだのか…


すると、真っ白な世界にラオウが見えてきた


ラオウ「…見事だ、弟よ」


何を言ってるんだラオウ…お前は勝ったんじゃないのか…?


ラオウは今までに見たことのないほど穏やかで優しい眼をしていた


ラオウ「トキに伝えてくれ。先に逝って待っていると…」


ラオウ「さらばだ……」


そう言って、ラオウは光の中に消えて行ってしまった

すると今度は何処からともなく声が聞こえてきた


ジャギ……目を覚ませ……!!


……起きて…起きてよジャギ!


よく知った声だった


共に死線を乗り越え、共に哀しみを背負ってきたかえがえのない親友


兄殺しの人間であるはずの俺を愛してくれた、哀しくも健気で、かなり不器用な女


「「ジャギ!!」」


その声に呼び戻されるように、俺の意識は現実へと戻っていった





目を覚ました俺を見て、涙を流しながら喜ぶ二人がいた

今日はここまでです

次回、本編最終回です


最近はいい雰囲気なssがおおいな


このSSの本編も遂に次回で終わりか…



最終回も楽しみにしてる


天帝編とか修羅の国編とか書いてもいいのよ(チラッチラッ


素晴らしい

もう最終回か…

おつ、最終回が楽しみなような寂しいような
ダークヒーローなジャギ様カッコええ

本日は朝までオールとなりました
すいません

>>1……体をいとえよ……



飲みたくば飲むがよい
もう責めはせぬ

それでは本編最終回を投下したいと思います

投下キタ~!
正座待機。

ジャギ「…うぅ……シンに…アイリ……何で…?」


俺はすでに南斗の城まで連れてこられたらしく、俺の部屋に寝かされていた


アイリ「あ…ジャギ……ひっく……良かった……起きて…ぐす……くれた」グスッ



ジャギ「お…おい、やめろ!落ち着いてくれ!」



シン「ハハハッ!まずお前が落ち着いたらどうだ。」


ジャギ「そんな真っ赤な目して言えたことかよ…で、お前らいつからいたんだ?俺はどうして生きてるんだ?」


シン「それは…」


アイリ「私がシンに連れて行くように頼んだの」


ジャギ「アイリ…お前なぁ…」


シン「いや、連れて行ったのは俺だし、俺も行きたかったからアイリだけを責めないでくれ。俺はお前に足止めされたアイリを連れてお前の元へ向かった。俺たちがついた時にはお前とラオウはすでに戦っていた」


シン「驚いたよ、お前が正面からラオウと互角に戦ってるんだから。そして、あの最後の一撃のあと……立っていたのはラオウだった」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー
ーーーーー

回想



ジャギ「」ドサッ


ラオウ「………」

アイリ「ジャギ…い…いやぁああああ!!ジャギーーー!!!!」ダッ


シン「待て!」ガシッ


アイリ「離して!ジャギが…ジャギがぁ……あぁああああ…」ポロポロ


シン「…………ラオウ」ギロッ


ラオウ「………シンか…案ずるな、ジャギは生きている」


シンアイリ「「!!!!」」


ラオウ「そして敗れたのは俺だ。ジャギに拳を完全に封じられた。もはや俺に天をつかむのは不可能だろう…」


シン「何だと…!?」


ラオウ「拳で遥かに劣りながら、この俺を正面から破ったのだ…見事だ」

ラオウ「シン…うぬもジャギと同じ眼をしている…お前たちは今日まで死を見切って生きてきたのだな…おそらく、うぬと戦っていても俺は負けていただろう…」


シン「ラオウ……」


ラオウ「さらばだシン。俺もまた天へ、ケンシロウの元へ帰ろう。そしてやがてやってくるトキとユリアを待とう!」


ラオウ「このラオウ、天に帰るに人の手は借りぬ!!」サアア…


ラオウ「はああ!!」パァアアア


アイリ「ラ…ラオウの体が白く!!」


シン「………!!」


ラオウ「………」ドカッ




ラオウ「わが生涯に一片の悔いなし!!!!」ドゴーン!!








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ーーーーーーーーーー
ーーーーー


ジャギ「そうか…そんなことが」


シン「ラオウも最期の別れをお前に言いたかったんだろうけどな…皮肉なものだ」


ー見事だ、弟よー


ジャギ「いや、ちゃんと伝わったよ、“あっちからの”はさ…なあ、今から“こっちからの”は届くかな?」


シン「…届くさ、きっと」




ラオウ、俺にはあんたが最大の強敵だったよ


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それからの話


しばらくしてユリアが逝った。シンとのカウンセリングのような日々を送っていたが、次第に感情が少しづつ戻って行くようだった。そして、その死の間際、確かにユリアは言った


ユリア「シン…今までありがとう」


シンは泣き崩れた


この時、シンの報われぬはずの恋が、最後の最後で一瞬だが、確かに叶ったんだ


それから、その後を追うようにトキも静かに息を引き取った。トキ本人が決着をつけられなかったものの、俺がラオウとケリをつけたし、思い残すことはないと、とても満ち足りた顔をしていた。本人の希望通り、故郷の両親と共に眠るラオウの横に埋葬した

シンは正式に南斗聖拳最高責任者となった。南斗政府なるものを立ち上げ、今は政務に忙しい毎日だ。まだこの殺伐としたこの世界は問題だらけだから、むしろ本当に大変になってくるのはこれからかもしれない。なお、容姿の関係上めちゃくちゃモテるのだが、こいつの心にユリアがいる限り妻帯者の未来は遠そうだ


シュウはシンの副官としてシンの補佐を務めている。年長者故、シンの至らない所をカバーしたり、息子のシバや元反帝部隊の人達も南斗政府に加わり、政府の中心となって活動している。また、元慈母星勢力の五車星(とくにジュウザ)とシンが仲が良くなく、そこに中立していざこざを収めたりしている


リュウガはユリアが死んだため、リュウガの娘ができるまで男なのに慈母星の宿命を背負わされた。今は南斗の象徴として各種行事に引っ張りだこである。まず重要なのが嫁探しであり、見た目が悪いわけでもないのになぜかユリアと違いあんまりモテない。哀れ

そして俺は


シン「…本当に行くのか?」


ジャギ「ああ、お前たちの政務に付き合えないのは悪いけど、やっぱり北斗は影でこっそり生きるべきだと思うんだ。各地のお前の力が届かなそうなところを転々としようと思う」


シン「そうか…でも気が向いたらに帰って来いよ。酒用意して待ってるからさ」


ジャギ「そうするよ。じゃあなシン、元気でな」フリフリ


シン「おう、そっちこそ」フリフリ


旅に出るべく、シンの元を後にした




???「………」

そして歩き出すこと数十分、すごく心当たりのあるやつの気配がずっと俺の後ろをついてきた


いやもう想像つくけどさ……


ジャギ「もはや尾行ですらねーし、
堂々と背後につきやがって…何考えてんだよアイリ」


アイリ「それはこっちの台詞よ。何勝手に一人でどっかいこうとしてるのよ」


ジャギ「別にいいだろ。俺の人生なんだから俺の好きにしたって」


アイリ「じゃあ私も勝手についていかせてもらうわ」


ジャギ「…俺はお前の兄を殺した男だぞ」

アイリ「まあ私もそんな男に惚れるような女だし、最低なもの同士お似合いじゃない?」


ジャギ「お前なぁ…いろいろ良くない方向に吹っ切れてるぞ…」スタスタ


アイリ「ちょっと、また置いてくつもり!?ねえってば……」シュン


ジャギ「……飯はお前が作れよ?」


アイリ「……!」パアア


全く、俺も甘くなっちまったもんだ、ケンシロウのこと言えないな

ケンシロウ、か……


なあ、ケンシロウ、愛って何なんだろうな


俺にはこの初めて抱いた謎の感情がよくわからない。これが愛なのか?だとしたらお前はやっぱり俺よりずっと先をいってたんだな…俺はいろいろ遠回りしすぎたんだろうな。でも、それも決して無駄じゃないと俺は思う


そして、最後の北斗の男として、哀しみを、愛を背負って行こう





とあるスラム街


モヒカン「誰だ貴様は~!」


ジャギ「お前みたいな小物には名乗る名はない…と言いたいところだが、特別に教えてやる」


今まで“死神”だなんて隠れ蓑を使っていたが今の俺なら言える、いや、言わなきゃいけない。例え俺が2千年の歴史の中で最も劣っている男であろうと、俺は…




ジャギ「第65代北斗神拳伝承者のジャギだ!!」




北斗の拳 another story

世紀末へのアンチテーゼ


というわけで完結です。皆様、今までご愛読ありがとうございました
とはいうものの、まだ番外編が少し用意されています

一つ目は要望に上がった

「もしイチゴ味のサウザーだったら」

二つ目と三つ目は番外編と言っても本編に絡む内容なのですが

秩序と自由の衝突 シンvsジュウザ

世紀末へのアンチテーゼ その後の話


ジュウザの話は本当は本編に入れたかったのですが入り切りませんでした

その後の話は蛇足になるかもしれませんが、まあ後日談ということでご覧下さい


番外編は明日以降投下します
それでは本日はこれで失礼します


面白かった。


最初から最後まで楽しく読ませて貰った
本当に面白かったぜ



どこまでも人間臭いジャギが格好良かった。続きも楽しみにしてる。




原作よりも圧倒的に男性陣が生き残っている事実


面白かった
シンジャギともに序盤でやられる敵だったが、まさかここまで輝くとはこの海のリハクの眼を持ってしても読めなかった!

乙乙
ジャギィィィィ!!

疾走感、熱さ、ワクワク、ホロリ、あとアイリというネタ枠
最初から最後まで文句のつけようが無い
実に素晴らしい物語でした

ところで、>>378ですが
???のアイリストーキング再開より
その前の「~~~」フリフリ、で笑ってしまった私は悪くないはず
しんみりしたエンディングシーンなのにフリフリってなんなんだよぉ、と崩れ落ちましたよ……


本当面白かった
番外編も楽しみにしてる


最高に面白かった

いい作品ですわぁ

おつ、北斗神拳伝承者ジャギ様カッコよかった
番外編も楽しみだわ

てかトキどうなったっけと読み返したらあまりにひっそり死んでて読み飛ばしてたことに気づいたww

番外はこのスレでやるの?

非常に乙です
ジャギ様はどこかネタ臭の強い人だけどこういうのも良いかも

今回は長いです

番外編3つまとめて投下します!

番外編1

もしイチゴ味サウザーだったら

イチゴエピソード1

サウザー「おりゃあ!」ゴアッ


シン「……」パシンッ


サウザー「!?」


シン「南斗千首龍撃!!」ババババッ

サウザー「うおっあ~っ!!」ズドドドッ


サウザー「フッ…無駄だ、貴様の拳など効かぬ」ヨロッ


サウザー「この体は…神に与えられた無敵の……帝王の体なのだ……」ヨロヨロッ……


ジャギ「効いてるじゃねえか!なんて意地っ張りで我慢強いやつなんだ…!!」

イチゴエピソード2

サウザー「ならば受けるがいい、南斗鳳凰拳奥義、天翔十字鳳を!!」ブワッ


シン「南斗鳳凰拳に構えが…?」


サウザー「フハハハ!いくぞ、シン!!」


???「……」サッ


ドスッ


サウザー「……むっ」


ターバンのガキ「……」



ジャギ「…え?誰!?」

イチゴエピソード3

サウザー「食らえい!」バッ


シン「ぐはぁっ」ザシュッ


サウザー「フハハハ!天翔十字鳳の前には流石の貴様も無力のようだな!」


サウザー「とどめだ!」バッ

ドスッ

ターバンのガキ「……」


サウザー「ぐはっ…またこいつか…!何なんだ、マシーンのように正確に同じところを!!ぐっ…なんという恐ろしいガキだ!!」



ジャギ「こいつ……できる!」

イチゴエピソード4

数日後

サウザー「フッ…あのガキは縛り付けておいた!これで貴様もここまでだ!」


サウザー「いくぞ!!」


ジャギ「……」チラッ


ターバンのガキ「……」チラッ


ドン! ドン!


ターバンのガキ「!」ピシュッ
ピシュッ

スタッ

ジャギ「……」ニヤッ


ターバンのガキ「……」ニヤッ


サウザー「今度こそとどめだ!!」


ドスッ


サウザー「ぬふっ!?」

イチゴエピソード5

ジャギ「シュウの本隊から食糧か…最近フェイクばっかりだからなぁ…今回も刺しとこう」


ジャギ「南斗邪狼拳!!」ヒュバッ


箱「ギャーッ!!」ドスッ


ジャギ「チッ…やっぱり罠だったか…どれ」カパッ


サウザー「」ピクピク


ジャギ「……燃やしとくか」


翌日

サウザー「フハハハ、よく来たなシン!」ボロッ……


ジャギ「……帰ろうぜ(自分がやったことは棚にあげて)」スタスタ


シン「……ああ」スタスタ


サウザー「おい、待て……お茶でも飲んで行ったらどうなんだー!!」

イチゴエピソード6

シン「南斗獄屠拳!!」ピシャアア


サウザー「うわぁあああ!!」ブシャアア


シン「……」ガシッ


サウザー「何故だ…南斗弧鷲拳を伝承した頃の貴様はこんな情けをかける男ではなかったはず…」


シンシン「……俺にはもう一人、心がいるんだ、優しく、甘く、それゆえ殺された俺の親友だ…確かに、前の俺なら前の戦いでとどめをさせていたかもな…だがな俺はケンシロウの心を背負ったからこそお前の天翔十字鳳を破り、お前の心を取り戻せたんだと思う…」トサッ…


サウザー「…えっ?……やっぱりお前って、そういう気質なの?」ヒキッ


シン「おいふざけるな!あとやっぱりってどういうことだ!!」

イチゴエピソード7

サウザー「もう一度…ぬくもりを……」ガクッ


シン「……さらばだ」スタスタ


ズズズズズ


ゴゴゴ……


ジャギ「十字陵がてっぺんから崩れていく……え?何で?」


シン「……」スタスタ


サウザー「……」タタタッ


スタタタッ……


シン「」


ジャギ「死なねえのかよあいつ!!!?」




終わり

シンシンww
パンダかよww

番外編2

秩序と自由の衝突 シンvsジュウザ

ユリアと血がつながっていると知ったあの日から、俺は世を捨てて自由気ままに生きていたユリアがケンシロウの元へ走り、程なくして世界が核の炎に包まれた


それからしばらくして、ケンシロウがラオウに殺され、ユリアが連れ去られた。俺は見て見ぬふりをしていたが、やはりどうしてもユリアが気がかりで仕方なかった


すると、リハクがラオウの隙をついてユリアを救出したという。俺は今までの虚心を捨て、一目散にユリアに会いに行った。そこには変わり果てたユリアがいた


俺はこの日、ラオウを倒すことを決意した、この拳をさらに磨き、来たるラオウへの戦いに備えた

だが


ジャギ「シンからの命令だ、『五車星のラオウへの接触を禁ずる』」


ぱっと出の男に阻まれた。シンといえば終始ユリアに嫌われていたような奴ではないか、何故そんな男の指図をうけなければならないのか。収まりのつかなかった俺はリハクに詰め寄った


ジュウザ「どういうことだ!?奴は何なのだ!?」

リハク「ジャギのことか…わが五車星のあり方を愚弄しおって…」ギリッ


ジュウザ「ジャギではない、シンの事だ」


リハク「しかし、シン様をそそのかしたのは他でもないジャギ!」


ジュウザ「何を言っているんだお前は?別に俺は誰が上に立とうとどうでもいいわ。それにジャギが言ってることは何も間違ってないぞ?お前が一杯食わされて愚痴っているようにしか見えん」


リハク「ジュウザ…貴様まで…!!」

ジュウザ「そんなんだからジャギにいいように言われるのだ!身の程を知れ!!」


リハク「ぐっ……」


ジュウザ「お前と話していても埒が明かんな…もういい。俺がシンに直接殴り込んでやる」


リハク「しかし、シン様はあのラオウと打ち分けた方だ!いくらお前の力を持ってしても分が悪い!」


ジュウザ「関係ない。俺は雲のジュウザ!俺は俺の意志で動く!!」


ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーーー

シン(ジャギ、リュウガの元へ向かったか…………殺気!!)


ドガッ!


シン「……穏やかじゃないな…どういう風の吹き回しだ、ジュウザ」


ジュウザ「貴様の指図で動く俺ではないわ!ユリアを壊した元凶を前に何もせず見過ごせというのか!!」


シン「はっきり言ってしまえばそうだ。お前たちはラオウ亡き未来のために動いてもらう。ここで死んでもらっては困る」


ジュウザ「断る。俺は誰の命令も聞かぬ。どうしてもというなら力ずくでやってみるのだな」


シン「…よかろう。相手をしてやる」


こうして俺とシンは外へと出て行った

シン「かかってこい」


ジュウザ「いやーっ!!」ドヒュッ

ガアッ


シン「!!」バシィン


流石にラオウと打ち分けた男。俺の蹴りを受けるとは。だがまだ終わらぬぞ!


ジュウザ「はあーっ!!」ババッ


シン「流石に五車星最強の男だ…ならばこちらもいくぞ」ビッ

ジュウザ「なっ…消えた!?」


完全に捉えたと思った矢先、真の姿が消えた。直後、背後から突きが飛んできた


シン「はあっ!!」ビシュッ!!


ジュウザ「おあ!!」ブボオォ


間一髪で後ろに飛んでかわす。しかし


ジュウザ「……」ザザッ


ジュウザ「!…っ」スパッ


ドクドク


ジュウザ(ちっ…まさか掠っただけでこれほど食らうとは…体に油を塗っているから余計に痛む…)

ジュウザ「これほどの男はな…やはり秘拳を使わなければならないか…」


シン「秘拳…?」


ジュウザ「……」ガシッ ドカッ


バリィン


シン「防具をとった…?」


ジュウザ「我が拳の真髄は背水!防具があってはそこに油断が生ずる!!」


シン「命を賭けて窮鼠と化したか…いいだろう、来い」

ジュウザ「おおお!!」バッ


ジュウザ「とったあ!……!?」


ジュウザ(こいつ…避けも受けもしないのか!?我が拳の威を侮っているのか、何か企んでいるのか…だが、撃たせてもらう!!)


ジュウザ「撃壁背水掌!!!!」


シン「ごはぁあ!!」バゴオッ!!

ドサッ


ジュウザ(どういうことだ…何もせずにわざわざ自分から死ににいくとは…)

シン「…ぐっ……おぉああああ!!」グオオオ


ジュウザ「!!まさか、俺の秘拳をもろに受けて命があるどころか立ち上がるだと!!?」


シン「お前の拳…たしかに味わった…ユリアを愛した男だ…一度そのすべてを受けてみたかったんだ」


シン「お前の気持ちもわかる。だがな…だからこそここで命を落とすような真似はしてほしくない…これから先の未来において、お前の力が…必要なんだ……」バタッ


ジュウザ「シン!!」


シン「大丈夫だ、死にはしない……悪いが俺を連れてって寝かしといてくれ……」


ジュウザ(……フッ、このジュウザ、負けたわ!)

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー
ーーーーー


シン「リハク、ジュウザはどうしている?」


リハク「また女遊びに行っているようです」


シン「全く…やっぱジュウザだな…今回はそんな重要な要件じゃないからいいけど……」






ジュウザ(俺はどこまでも雲のジュウザ。俺を動かしたくば其れ相応の何かを持ってくるんだな、シン!)フフッ




終わり

番外編3

世紀末のアンチテーゼ その後の話

リン「…バット…何処に行くの…?」


バット(あれから6年、世はシンの南斗政府のもと平和な世界が築かれて行った。リンも少しずつ心が開いてきた。そして)


バット「南斗政府の本部さ」


バット(なんだかんだいってシンと会うのもユリアやトキの墓参りでたまたま再開して以来だから…もう5年は会ってないのか)


リン「南斗政府に…?どうして?」


バット「今日は、6年振りにあいつが帰ってくるんだ」


バット(そう、世紀末のもう一人の英雄、ジャギが帰ってくるんだ)




シン「よく来たな、バット。いい男になったじゃないか」


バット「シン、久しぶりだな!」


リン「久しぶりです…シンさん」


シン「!…そこの別嬪さんはリンか!リンが喋るの初めて見たな…バット、頑張ったな」


バット「へへっ、俺がケンの代わりになれるかわからないけど、リンの幸せのためにってな!……どうだ?お前は新しい恋とかしてるか?」


シン「ユリアよりいい女がそんなほいほいいてたまるか。まあ、上がってくれよ」

バット「わあ…広いな……あれ?あそこの人達は?」


シン「そうか、お前にとっては初対面ばかりだったな。右から仁星のシュウとその息子のシバ、ユリアの兄のリュウガ、それに南五車星のリハク、ジュウザ、フドウ、シュレン、ヒューイだ」


シン「皆、この二人はケンシロウの旅の仲間で、俺とジャギの仲間のバットとリンだ!」


リン「よろしくお願いします」


バット「よろしく頼むぜ!……ってジャギとアイリさんがいないな」


シン「多分もうそろそろ来る頃のはずだぞ」


バット「しっかしアイリさんも事情があったとはいえ自分の兄さんを殺した男を好きになるなんてな、ほんと何があるかわからないな」


シン「ジャギの奴、いつもあの世でレイに顔向けできないって言ってたな……おっと、噂をすれば主役の登場だ」

ジャギ「久しぶりだなシン!元気にしてたか?」


アイリ「全く、普段はやる気ないくせに今日だけやたら張り切ってもう…あっお久しぶり、シンさん」


シン「待ってたぞ!ジャギ…ちょっと老けた?アイリは相変わらず綺麗だけど」


ジャギ「やめろ、結構気にしてんだぞ…」


???「元から気にする顔じゃないじゃん…」


シン「ん?そこの娘は…まさか……」


ジャギ「ああ、そのまさかだよ。おい、自己紹介しろ」

アイギ「はじめまして、そこの馬鹿親父の息子のアイギです。よろしくお願いします」


シン「息子…?ずいぶん可愛い子だな…なんか全然お前に似てない気がするけど……あっ、目つきはちょっと面影あるかも」


アイギ「信じられないかもしれないですが、これでも一応血はつながってますよ?」


ジャギ「いや、多分そういう意味で言ったんじゃないと思……いや、何でもない」





アイリ「しれっと私を省かないでよ、母さん悲しいわ」シュン

シン「じゃあ、全員揃ったことだし?」


ジャギ「ああ……!」


一同「カンパーイ!!!!」




シン「しかしお前に子供が出来るとはな、お前もやることやってるんだな」ニヤニヤ


ジャギ「……え?ああ、うん……」


シン「…?どうした?まさか無理矢理襲ったとか言うんじゃないだろうな……?」


ジャギ「えっと……どっちかというと……襲われたっていうか………」




シン「………え”」

回想


ジャギ『zzz……』


ゴソゴソ


トサッ


ジャギ『…ん?何か腹部に重みが…』パチクリ


アイリ『……』ゴソゴソ


ジャギ『ハッ!?アイリ!?何でここに…おいやめろ!ズボンを脱がすな!!』


アイリ『おかしいじゃない…何で全く手を出そうとしないのよ……私のプライドはズタズタよ……こうなったら実力行使してやるんだから!』カチャカチャ


ジャギ『落ち着け!って力強っ!!やめろ、やめてくれ~!!』


アイリ『大丈夫…天井のシミ数えてれば終わるから…フフフフフフ』




ジャギ『アッーーーー!!!!』

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー
ーーーーー

シン「えっと……いいじゃないか!そんなにあいされて、うらやましいなあ!」


ジャギ「なにその感情のこもってない声…お前もいい加減いい女見つけろよ…リンは振り切ったんだぞ」


バット「そうだぞシン、何ジャギに先越されてるんだよ、悔しくないのか?俺もだけど」


リン「もう…バットったら」///


ジャギ「喧嘩売ってんのかお前」


シン「そうなんだよな…俺もそろそろ前に進む頃なのかもな…リュウガの奴も彼女できたみたいだし、なあ?」

リュウガ「え?ああ。俺も慈母星の名を返納したくてな」


ジャギ「それ彼女に失礼じゃね?まあいいけど」


シュウ「そうか…ジャギも人の親になったのだな。どうだ、子供はいいものだろう?」


ジャギ「何言ってんだよ…手間かかって仕方ねえよあのクソガキ…そこがまた可愛いんだけどな」


才能的にはアイリ寄りなのか、確実にガキの頃の俺より拳法の上達が早いのが腹立たしい。まあ未来の北斗神拳伝承者が俺より才能無かったら大問題だけどな……あっ、ジュウザがシンにちょっかいかけた


ジャギ「下手すりゃアイリはもう俺より強いし、なんかそれを察して息子も調子乗るし、立場ないんだよな…はぁ……」

シュウ「それでもいいじゃないか。少なくとも今の世があるのはお前のお陰なのだ。誇っていいんだぞ?それに我々だって命は永遠ではない、いずれ世代の交代がくる。その時に自分を超えていくことは親にとっての喜びじゃないか?」


ジャギ「…そうだな」


俺の拳は磨かれるどころかここのところ衰えがきている気がする。でもそれでいいんだ。いつまでも同じではいられない。人間必ず衰えて死んでいくんだから。だから可能性に満ちた子供は宝なんだろうな……あっ、シンがジュウザに獄屠かました


ジャギ「ああ、幸せだなぁ…」


散って行った奴らには悪いけど、こんな日々がずっと続けばいいのにと思ってしまう。でも、いつかは必ずお前たちのところにいくから、気長に待っててくれ。俺はこれからも、できる限りのことはしたいからさ

アイリ「ジャギ?分 か っ て る わ よ ね」デローン///


ジャギ「あ、はい」


願わくば、こんなことで今日天に帰ることがないことを祈って










THE END


平和だなぁ…腹上死で天に帰るなら大アリじゃないですかね(真顔)

これで、本スレの投下はすべて終了します。皆様、長い間ありがとうございました!
フドウの出番がないとか、トウがナチュラルに忘れられてるとか、誤字が多いとか読みにくいとかその他不満はあるかもしれませんがご勘弁下さい。
あとシンとジュウザは仲が悪いというよりはじゃれあいというか喧嘩友達のようなものです。どっちかといえばジャギと節穴軍師の方がリアルで…
明日までは質問を受け付けようと思います。それでは失礼します


後日談まで余す所なく面白かった
マジでこのSSに巡りあえて良かったと思うぜ

おつ
まさかジャギ様がアッーっとなる日が来るとは思わなかった

乙、一気に読んだわ。ジャギ様かっこいい。


心から完璧と思えるssだった


初めて、完結まで読みきったSSだ。

>>1乙したくば>>1乙ればよい…

もう責めはせぬ

おつ、良きジャギ様だった


もう何も言う言葉が出てこないほど良いSSであった。

おつおつ
トリップは付けないのな


久しぶりに良いSSに出会えた

てか縛られてるわけでも盛られたわけでもないのに女に力ずくで抑え込まれたジャギ様ェ……
あの世でラオウがキレたりトキが苦笑いしたりケンシロウが同反応していいかわからず微妙な顔をしてるのが目に見える

ジャギさまが衰え続けてるの、毎日アイリに(性的に)限界まで絞られて体力勢力その他色々失い続けてるからじゃないっすかw
アイリ、愛してるなら加減してやれよぉ……
生命の神秘に精通した北斗伝承者が衰えるレベルとか、このジャギさまは確実に腎虚で死ぬなこれ

それはそれとして、本当に面白いSSでした。

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