ハンター「太刀…なのか?」(22)

うp主失踪シリーズ

せめて何のハンターかぐらいは教えていけよ...

四季折々の風景が訪れる簡素なココット村と

一面銀世界の雪山に囲まれたポッケ村の

丁度真ん中に位置する小さな温泉街、ユクモ村

ここに一人のハンターが要請を受けてやって来る

道中、徒歩で向かう前方の後ろ姿に気付いたアイルーのガーグァ車は久しく見た客人に嬉しくなり
「行き先がユクモ村なら荷台に乗っていくかニャ?」と訊ねると
見知らぬ客人を乗せたガーグァ車は雑談に花を咲かせてユクモ村に向かった

>>2
mhp3です
ノープランで立てたから話の冒頭で迷ってました

アイルーが荷を積んでユクモ村に出発し、客人を乗せ進んでいくと村まであと半分という所で
雲ひとつ無かった筈の青空にたちまち暗雲が立ち込めた

「こりゃ、一雨きますニャ…」
言うが早いかポツリ、ポツリと滴が落ち
あっと言う間に土砂降りとなってしまった

「にゃぁあ!!」
冷たい南風に乗った豪雨は小さな荷車を容赦なく襲う

荷台の旅人は冷雨に曝されながらも自身に向けられた殺気に勘づいていた

光差さぬ暗雲と豪雨により周囲は視認が厳しい状況だったが
『伝説の走り屋』を自称していたアイルーにとっては久々に走り屋魂に火が点いていた

「お客さん!飛ばしますから振り落とされないようにしっかりしがみついててくれニャ!」

プッツンいってしまったアイルーに促されるも旅人は自身に向けられた殺気が気になり話半分に聞いていた

その瞬間、暗雲から雷光が迸り前方の小高い丘を焼いた

その焔に照された一頭の獣の鋭い眼光が旅人の視線と合致した時
辺りは無音に包まれた

『眼を反らしたりしたら殺られる…!』
そう覚悟して微動だにできなかったが旅人の意思とは無関係に荷台が宙を舞った

勢いが付いた荷車が大岩に乗り上げたのだ

荷台に積んだ荷物の大半とを溢しつつもそのまま走り続けるガーグァ車

しかし旅人は荷と共に放り出されてしまう

丘の獣はその隙を見逃さず旅人に食らい付こうとする

丘から荷車までかなりの距離があった筈だが獣にとっては一歩でしかなかったようだ

ピカチュー「ビガーーー!」

ハンター「ぬわーーー!」

アイルー「にょわーーー!」





『得物で攻撃を防げば…』と手を背中に伸ばす

しかし、それは空を掴む

…無い!?

旅人の得物は荷台に引っ掛かっている
完全に丸腰だ

『逃げなければ!』
しかし、豪雨で足場が滑り上手く立てない

獣の牙が近付く

万事休すか…

だが獣は旅人から視線を反らしアイルーを睨んでいた

アイルーが護身用のブーメランを獣に当て、注意を反らしたのだ

「お客さん!今ニャ!」

立てない旅人は前転して足場を滑り、斜面を転がり荷台に戻ってきた



どれくらい走ったのか

空は何事も無かったかのように晴れている

恐ろしい悪夢を見ているような感覚さえおぼえたが

『この狩りは、次に会った時に晴らす』と心に決めた頃にはガーグァ車はユクモ村の入り口に到着していた

「なんとか無事に辿り着いたニャ、お客さんとはここまでニャ。ボクは農場に向かうニャ」

旅人はアイルーと別れを告げて村に入って行った

豪雨はあの獣が起こしたのか、と思案しつつ冷えた体を温める為にユクモ温泉に浸かる事とした

季節は秋だろうか、見渡す景色は紅葉で染まっている

ユクモ温泉名物の温泉卵に手を伸ばそうとすると背後から声を掛けられた

「旦那!湯加減はどうですかニャ?あっしはここの温泉でドリンク屋を始めた者ですニャ」

ドリンク屋は続けて

「温泉から上がったら階段下にいる村長さんから話を聞いて欲しいニャ」

…はて?階段の近くに村長らしい人は見なかった筈だが

>>8
ピカチューwwww

集会所を出て階段を降りると旅人に声を掛ける人物がいた

「貴方がハンターですね、始めまして。私がこのユクモ村の村長です」

旅人は驚いた
今まで様々な村に派遣されたが一様にして村長と判る風貌をした人しか知らなかったからだ

このユクモ村長は一言で表すなら
『ゲイシャ』だった

その驚きようはユクモ村長にも伝わったらしく、静かに笑った後で本題を話された

「貴方が道中で会ったという獣、ジンオウガを討伐して頂きたいのです。しかし、直ぐにではありません。他にも頭を抱える問題があるのでそちらを片付けながら勘を取り戻して下さい」

旅人は見抜かれていた
自身が過去にとある村の英雄と称えられていた事
そのすぐ後に遭遇した古龍に深傷を負わされ今まで静養していた事
その古龍に自身の魂とも言える名刀を破壊された事…

「まずは、その階段を降りた所にある鍛冶屋さんの所に行ってみなさい。丸腰では戦えませんものね」

旅人は言われるままに鍛冶屋に向かった

「おぉい!おめさんが噂のハンターかぃ?」
独特な言い回しをする小柄な老人が旅人に話かける

「話は村長から聞いてるでよ、ほら」
老人に一振りの剣を手渡された

「おめさんの太刀は修理に時間がかかるでな、代わりにそれ使ってくれろ」

鞘から引き抜いてみると少々古めかしいが太刀であると判る

「へっへっへ、太刀だと判った途端にいい顔しやがる。おめ、太刀厨か?…まぁいい、腕慣らしに使いを頼まれろや」

鍛冶屋の老人に無理矢理、素材収集の依頼を押し付けられる

「取ってくるもんは、依頼状に書いておく。まぁ素人にもできる簡単な使いだなや」

- 渓流 -

腕慣らしにと言われ、やって来たのは温泉集会所から直ぐの場所だった

改めて依頼状を確認する
『アオアシラ一頭の討伐』

アオアシラと書いてあるが旅人はその存在を事前に知らなかった

鍛冶屋が言うには
「馬鹿みてぇにでっけぇ熊」との事
支給品から地図、応急薬、携帯碁石をポーチに入れ散策を開始した

>>16
訂正
×携帯碁石
○携帯砥石

出発点から少し進んだ所は小さな滝がある小川だった

村に来る前にも見たガーグァが3羽いるが薬草を10束採取しただけで襲わなかった

小川に沿って進むと朽ちた民家と思われる建造物が並ぶ広い場所に出た

ギャァア!

小柄な肉食竜のジャギィが群れで現れる

鍛冶屋から受け取った太刀をこいつらで試してみる事にした

背負った太刀の柄に手をかけ掴む

敵と間合いを離し、鞘から刀身を抜いた瞬間にジャギィに斬りかかった

ジャギィは旅人の一刀の元に両断される

抜いた刀身を初めて見た旅人は思わず

『なんじゃぁこりゃぁああ』
と叫んでいた

鞘から抜き放たれた刃は
今まで鞘に収まっていたのを疑問に思うほどに厚く大きかった

この太刀に使われているであろう素材は旅人が愛用していた鉄などの鉱石を含んだ物ではなく、純粋に骨や皮で作ってあると感じるほど無骨なものだった

厚く大きい刀身は鈍重なイメージを持っていた、それは太刀より大剣が近いだろう

旅人は暫しの間白く鈍色の太刀を眺めていた

どれくらい経っただろう
旅人を現実に引き戻したのはジャギィの遠吠えだった

残りのジャギィ2頭も太刀を見つめていたようだ
しかし、旅人のように魅せられていた訳ではなく、圧倒的捕食者を前に畏怖していたような様子だった

ジャギィの遠吠えでハッとした旅人は時間を気にし出した

時間は出発してから30分も過ぎていた、あと20分しかない

周囲のジャギィは何かに怯えているようなので旅人は無視してアオアシラがいそうな林に走った

>>1です
旅人(ハンター)が受け取った太刀についてですが
鉄砕牙です

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