咲SS
立ったら書く
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キーンコーンカーンコーン…
ザワザワ…
善野一美・姫松高校麻雀部 監督「……」
ザワザワ…
ザワザワ…
ガチャッ
赤阪郁乃・ヘッドコーチ「ふー、今日のお仕事終わり~」
赤阪「って、あら」
善野「……」
赤阪「一美ちゃん、どしたん?」
赤阪「ずいぶん、暗い顔をしとるようやけど~」
善野「……」
赤阪「一美ちゃん?」
善野「…郁乃…」
赤阪「な、なんかしたか? うち」
善野「……」
赤阪「な、なあ~」
善野「ちゃうねん…」
善野「ちょっと、いろいろあって、今は機嫌がよくない」
赤阪「仕事のこと~?」
善野「うん…」
赤阪「……」
赤阪「そうか~」
善野「……」
赤阪「ほな、飲みにいこか~。金曜日やし」
赤阪「久しぶりに、あの店で」
赤阪「そこで、いっぱい話そ」
…
……
………
赤阪「ただいま~」ガチャ
赤阪「って、誰もおらんけど」
赤阪「もう真夜中やな~」
善野「ごめんな、郁乃」
善野「飲みにさそってもろて、家にまで泊めてもろて…」
赤阪「ええねん~」ケラケラ
赤阪「しかしあんた、飲みすぎはあかんで~」
赤阪「せっかく、体ようなったんやからな~」
善野「うん…」
善野「おふろ、あがったで。ありがと」
赤阪「ほな、寝よか~」
善野「うん」
赤阪「電気消すで~」
カチッカチッ
赤阪「ちょっとせまいけど、2人なら入れるやろ~」
ゴソゴソ
赤阪「ちゃんと、お布団かかっとる~?」
善野「うん」
善野「なんか、緊張するわ…」
赤阪「うちに泊まるの、初めてやもんな~」
…
……
………
赤阪「眠れる?」
善野「まだ、わからへん…酔いもさめたし」
赤阪「ふふ」
赤阪「なあ、一美ちゃん」
善野「ん?」
赤阪「また、今なに考えてるか、当てたろか~」
善野「えっ、ええよ、別に」
赤阪「またまた~」クスクス
善野「ほんまやって///」
赤阪「手ぇ出して」
善野「…?」
赤阪「うちの手と」
赤阪「ぎゅー」
赤阪「一美ちゃん、さびしい時とか、不安な時とか」
赤阪「指で髪の毛いじるくせあるやろ~」クスクス
善野「…」
赤阪「ほら、今それしてた」
善野「…そやろか…」
赤阪「ほら、だから」
赤阪「一美ちゃんのさびしさを解くおまじない」
善野「…」
赤阪「頭、なでてあげるよ~」
善野「え、ええよ… 子どもやあるまいし…///」
赤阪「なに言うてんの~」クスクス
赤阪「一美ちゃんの心が、頭なでてほしいな、って言うとる」
善野「…」
赤阪「昔から、好きやったやろ。そうされんの~」
善野「…///」
赤阪「一美ちゃん」
善野「…」
赤阪「ほら、こっちおいで」
善野「…」
赤阪「来ないと、寝てまうで~」
善野「…」
善野「…うん」ギュッ
赤阪「これすんの、久々やな~」ナデナデ
善野「ふわぁ…」
赤阪「一美ちゃん、気持ちええ?」ナデナデ
善野「気持ちええ…」
赤阪「そか~」ナデナデ
善野「うん…」
善野「とろけそう、郁乃」
赤阪「とろけてええよ」ナデナデ
善野「うん、とろけるわ」ギュッ
赤阪「ふふ」
善野「うち、大人やのに」
善野「なにしとんのやろな…」
赤阪「かわええな~」ナデナデ
赤阪(普段は、キリッとしてて、うちをひっぱってくれんのにな~)
善野「いつも思うねんけど…」
善野「郁乃は、うちのこと、なんでもわかるんやな」
赤阪「なんでもはわからへんよ~」ナデナデ
赤阪「わかることだけ」
善野「…いつも、うちの気持ちが見えとんの?」
赤阪「いやいや、そんな便利な機能はないけどな~」ナデナデ
赤阪「見えんのは、ごくたまにやで~」
赤阪「さっきみたいに、くせを見つけたときとか」ナデナデ
善野「くせがばれるの、恥ずかしいな…」
赤阪「でも、なんでかな、ふっと人の気持ちが見えることは、たまにある」
善野「くせ関係なく?」
赤阪「そやな~」ナデナデ
善野「ええな…うらやましい」
赤阪「ろくなことないで~、麻雀にちょっと役立つぐらいで」ナデナデ
善野「そうかあ」クスクス
赤阪「さびしくなくなった?」ナデナデ
善野「うんって言うたら、もうなでてくれへんのやろ」
赤阪「どうやろな~」クスクス
善野「まだ、もうちょっと…」ギュッ
赤阪「ふふふ、ほんまかわええ」ナデナデ
善野「んん…」
赤阪「つやつやで、きれいな髪やなあ」
赤阪「ええにおいやし」ナデナデ
善野「においは、あんたと同じやで」
善野「今日は、同じシャンプーなんやから」クスクス
赤阪「せやったな~」ナデナデ
赤阪「一美ちゃん」
赤阪「一美ちゃんは、お姫さまやねん~」ナデナデ
善野「なんやそれ」クスクス
赤阪「美しいお姫さまは、いろんな目に遭う運命やねん~」
赤阪「時には、つらい目にも」
善野「…」
善野「せやったら、郁乃は王子さまやで」
善野「うちを包んでくれる王子さま」
赤阪「それはちゃうで~」
赤阪「うちは悪魔やで~」ナデナデ
赤阪「お姫さまをだまして、さらっていく悪魔や~」
善野「その割には、やさしい悪魔さんやな」クスクス
赤阪「意外と怖い悪魔さんやで~」ナデナデ
赤阪「知らぬ間に、キッチンの塩と砂糖を入れ替えたり~」
善野「それは重罪やで」クスクス
めげるわ…
…
……
………
善野「郁乃」
善野「眠くなってきた、かもしれへん」
赤阪「ふふ」
善野「うちが眠るまで、うちの髪の毛、さわっとって…」
赤阪「その発言、かわいすぎやで~」クスクス
赤阪「でも、どうしよかな~」クスクス
善野「なあ、ええやろ」
赤阪「うち悪魔やしな~」クスクス
赤阪「もっとかわいい発言してくれへんと、心に響かへんな~」クスクス
善野「いじわるや…」
善野「…」
善野「…お姫さまの、命令やで」
赤阪「ふふ」
赤阪「いじわるしてごめんな~」ナデナデ
赤阪「おやすみ~」
善野「もう、はずいわ、あほ…」
善野「おやすみ…」ギュッ
赤阪「おやすみ」ナデナデ
…
……
………
チュンチュン…
チュンチュン…
善野「…」ポケー
赤阪「一美ちゃん、おはよう~」
善野「んん、おはよ…」ポケー
赤阪「眠そうやな~、二日酔いか~?」
善野「ううん、ちゃうけど…」
善野「なんか、力が入らへん」
赤阪「疲れとるんやろ~」
赤阪「今日はお休みやし、うちでゆっくりしていきな~」
善野「そか、ごめんな…」
赤阪「一美ちゃん」
赤阪「すぐあやまったらあかんで~」
赤阪「一美ちゃんはお姫さま」
善野「…」
赤阪「お姫さまは、もっとわがままで、まわりに甘えてええねん~」
善野「…」
赤阪「具体的には、うちを見習ったらええと思うで~」ケラケラ
赤阪「まあ、うちは悪魔やけど~」
善野「なんで、そんなやさしいの…」
赤阪「一美ちゃん」
赤阪「一美ちゃんは、正義感が強くて、自分で抱え込むタイプやねん~」
赤阪「でも本当は、ひとりで抱え込んだらあかんで~」
善野「…」
赤阪「困ったら、他人に頼って、甘えまくるべしや~」
赤阪「うちでもええし、部員でもええ」
赤阪「いや、うちは筋金入りの適当人間やから、部員のほうがええな~」ケラケラ
赤阪「部員に無理難題おしつけて困らせんの、楽しいで~」ケラケラ
末原「!?」
善野「…」
善野「うちは、人に頼んの、苦手やねん…」
赤阪「知っとるよ~、見たらわかる」
善野「んん…」
赤阪「でもそれが、お姫さまの仕事やねん~」ケラケラ
善野「まあ、考えてみるわ…」
赤阪(でも、そこが一美ちゃんのええところやけどな)
…
……
………
キーンコーンカーンコーン…
ザワザワ…
善野「郁乃、おはよ」
赤阪「おはよ~」
善野「今日、あっついなあ」パタパタ
赤阪「ほんまや~」
善野「なあ、郁乃」
赤阪「ん~?」
善野「暑いから、ポニテにしたい。髪、結って?」
赤阪「めずらしいな~、ええよ、かわいく結ったげる~」
善野「見かけが変わると、気分も変わって」
善野「ちゃう自分が出せるようになるかもしれへんしな」クスクス
赤阪「そやな~」クスクス
カン!
乙
乙
やっぱりアンタか
今回も良かった
ポニテ善野さん見たいわ
おつー
乙
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