南条光「願いのチカラ」 (38)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSになります。
今回、しんみりとはいきませんが、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399805794

午後 13:30 シンデレラガールズ事務所某支部

ガチャ

南条光「こんにちはー!」

P「お、来たか。」

千川ちひろ「いらっしゃい光ちゃん。」

光「P!今日の仕事は!?」

P「確認しなくたってしってるだろー?」

P「変身シリーズのCM撮影だぞ!!」

光「楽しみにしてたんだ!早く行こう!」

P「ちょっと待ってな、すぐ仕事終わらせるから。」

P「そしたら打ち合わせして出発だ。」

光「よし!それまでイメージトレーニングだ!!」

ちひろ「光ちゃん、嬉しそうですねぇ。」

P「待ちに待った絶好の機会ですからね。喜ぶのも無理ないですよ。」

ちひろ「ふふ、なんだかプロデューサーさんも楽しそうですね。」

P「そうですか?アハハハ!」

午後 13:48

光「まだか~P~日が暮れちゃうよ~。」

P「フフフフ、終わったぞ!光!」

光「やった!早く行こう!!」

P「だからその前に打合せな、こっちだ。」

光「はーい。」



午後 14:15

P「さて、行くかな。」

ちひろ「予定の時間はまだ先だと思いますが…?」

P「ちょうど今日はCM撮影が本編の撮影と同じ撮影場なので…。」

光「見学!してきます!」

P「俺も後学のために、行ってきます。」

ちひろ「なんか趣味も混じっている気もしますが、いってらっしゃい。」

ちひろ「何かあったら、連絡をくださいね。」

P「はい、それじゃあ、行ってきます。」

光「行ってきます!!」

バタン

ちひろ「なにも無ければいいんですけどね…。」

午後 14:30 都内路上

光「楽しみだなー!」

P「光、はしゃぎすぎて、撮影の時に元気が出ないとか、そういうのはやめてくれよ?」

光「わかってるって!」

一般人「キャーッ!」

P「!?」

光「なんだ!?」

光「向こうの方からだ、行ってみよう。」

P「あっちょっ、勝手に一人で行くな!」

都内某広場

?「アーッハッハッハ!…ゲホゲホ、アンタたちの労働意欲、すべて吸い取ってくれるわ!!」

光「これは…!」

一般人「うう…働きたくない…。」

P「ひでえことしやがる…。」

?「ひれ伏すがいいわ愚かな人間ども!我らはマンデリアン!」

レイナサマー「アタシは幹部の一人レイナサマー!アンタらの労働意欲を吸い取って、この世を腑抜けだらけにして、滅ぼしてやるわ!」

光「そんなことはさせない!」

レイナ「ん?ヒーローかぶれがノコノコと…。」

レイナ「そういう無謀な勇気が!身を滅ぼすのよ!吸い取られてダラダラになりな!!」

P「光!危ない!!」

光「うわっ!!」

レイナ「ちっ、邪魔が入ったわ。」

光「ありがとう、P。」

P「なんてことないさ。」

光「こんな、人の希望を奪うことは許せない…。」

光「でも、アタシには力がない…。」

光「どうしようもないのか…。」

P「そんなことはないさ。」

光「え?」

P「力なら、ここにある。」

P「ちひろさん。」

ちひろ『あーやっぱり出ちゃいましたか。仕方ありませんね、変身を許可します。』

P「あの!」

ちひろ『なんですか?』

P「この戦いでの出費は経費から出…。」

ちひろ『出ません。』

P「チクショー!!」

ベルト『『入金 確認 変身システム 起動』』

レイナ「なんかうるさいわね、最大出力で消し飛ばしてやるわ!!」

P「変身!」

レイナ「何!」

ベルト『『モバコインカード、セット。』』

P「唸れ!エクスチェンジャー!!」

カキンッ

レイナ「いまさら遅い!ウルトラレイナサマ砲、くらえええええ!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドド

レイナ「ゥアーハッハッッハ!…ゲホゲホ。跡形もなく吹き飛ばしてやったわ!!…何!?」

光「P!!…?これは…クローゼット…?」

レイナ「しかも鍵付き…なんだっていうのよ…。」

カキンッ

光「鍵が…。」

レイナ「開く…?」

?「待たせたな。」

光(Pの声だ…。でも姿が…。)

レイナ「アンタまさか…最近アタシたちの邪魔をしてくるっていう…。」

グレンキャッシャー「そう!俺こそが!労働の戦士、課働戦士グレンキャッシャーッ!」

グレン「これからクライアントとアポがあるんでな!早めに終わらせてもらうぜ!!」

レイナ「課金だか、労働だか知らないけど、一人でなにができるってのよ。」

レイナ「ブラッキィ!やっちゃいな!!」

ワラワラワラ

グレン「何人こようと目じゃないぜ!」

グレン「ソッコーで片付ける!」

ベルト『『スタミナ フォーム』』ガシャン プシッ

グレン「そおらっ!」

レイナ「速い!」

光「相手を空に打ち上げた!?」

ブラッキィ「ギギーッ!」

グレン「もういっちょ!」

ベルト『『エナジー フォーム』』ガシャン プシッ

グレン「はぁぁぁ、でぇりゃあ!!!」

ドゴン

レイナ「十数体のブラッキィを一瞬で…。」

光「つ、強い…。」

グレン「次はお前の番だぜ?」

レイナ「なーんてね、アンタは既にレイナサマ自家製のトラップにはまってるのよ!」

光「地面が…!?」

グレン「くっ、脚が取られて這い上がれない…!」

レイナ「蟻地獄よ!どんどんスピードも早くなるから、自慢のスタミナフォームでも追いつかないでしょう!!」

レイナ「そのまま動けなくなったところをレイナサマ砲でデロデロにしてやるわ!」

光「くっ、流れがどんどん速くなってる…!」

ベルト『『スタミナ フォーム』』ガシャン プシッ

レイナ「ただ脚が速いだけじゃ這い上がれないわ!諦めなさい!!スピードアーップ!!」

レイナ「アーッハッハッハ!!」(久しぶりにむせなかったわ…。)

ベルト『『スタミナ チャーーーージッ!』』コォォォォ

レイナ「何ッ!?」

ボシュウッ

グレン「ただ脚が速いだけじゃあ、たしかに無理だったな。」

光「でも、もっともっと脚が速いなら、抜けられないこともない!!」

レイナ「そんな無茶苦茶なことがあるかー!!」

グレン「無茶苦茶ついでにくらいな!!ハッ!」

ベルト『『エナジー フォーム チャーーーージッ!』』ガシャ プシッ コォォォォ

ベルト『『エナンザムバースト!!』』

グレン「でぇりゃぁぁぁぁあ!!」

レイナ「キャーッ!!」

ドゴーム

レイナ「コレで勝ったと思わないことね…。憶えてなさい!!」

シュウウウウ

光「待てっ!」

グレン「追わなくていい、光。また来ても追い返してやるさ。」

カキンッ  サァァァ

P「そして今日は、予算いっぱいだ…。」

光「え?」

P「この変身ベルト、エクスチェンジャーは俺の財布に連動して動く。」

P「体力については補給が続くから問題はないが、こっちが切れると変身できない。」

光「だから予算いっぱい…。」

P「無駄遣いはできないだろ?」

光「しっかりとした計画を持って使うことが大切ってことだね。」

P「さっきのあいつらが周期だって来てくれるのがせめてもの救だ…。」

P「さて、見学する時間が少し短くなっちまったが、十分な時間がある。行こうか。」

光「いこう!」




謎の空間

謎の女1「レイナサマーがやられたようっすね…。」

謎の女2「幹部になったからって張り切ってたのまではよかったけど、あれだけ一方的じゃあな。また格下げかな…。」

謎の女3「そう言ってやるな。邪魔が入るまでの手並みは見事だったじゃないか。」

謎の女3「ごちそうでも作って、帰ってきたら労ってやろう。」

謎の女1「そうっすね…。」

謎の女3「レイナサマーは何が好物だったかな…?」

謎の女2「とりあえずハンバーグとか喜びそう。」

謎の女1「ああ、何かわかる。」

謎の女3「よし、じゃあハンバーグにしよう。」




午後 16:00 撮影スタジオ

光「よろしくお願いします!」

P「今日はよろしくお願いします。」

監督「ああ、こちらこそ。南条ちゃんはいつも元気で、こっちとしても出てくれて嬉しい限りだよ。」

P「これからもなにとぞ。」

監督「ああ、考えておくよ。」

(撮影中)

光「皆の笑顔のために、私は戦う!君も一緒に変身だ!!」b<サムズアップ

(撮影終了)

P「今日はありがとうございました。」

光「ありがとうございました!」

監督「南条ちゃんまたオファーするから、必ず受けてくれよ?」

光「ハイ!望むところです!!」

P「もっと言いかたあるだろ?」

監督「ハハハ、いいっていいって。元気な印さ。んじゃ、お疲れ様。」

P「失礼します。」




午後 17:30 撮影所前

光「今日は楽しかったな!」

光「マンデリアンも現れたけど、Pがかっこ良く撃退してくれたし。」

P「あんまり褒めるなよ、照れるぜ…。」

P「じゃあ、まっすぐ帰るかな。」

光「そうだな!」


シュウウウウ

P「…!?」

光「P!」

P「ああ、この感じ、奴らだ。」

P「空間が…。」

光「開いていく…。」

レイナ「アーッハッハッハ!…ゲホゲホ…。さっきぶりね!!」

P「性懲りもなく、またやられに来たのかレイナサマー、返り討ちにしてやるぜ。」

P(しかし、一日二回とは…。さっき念の為におろしておいてよかった…。)

レイナ「今回はアタシ一人じゃないわ!」

シュウウウウ

光「なんだ、何人かでてくるぞ?」


キバーナ「昼間はレイナサマーが世話になったな。私はマンデリアン幹部の一人、キバーナ」

サキーナ「同じく、幹部の一人、サキーナっす。」

ナツキーナ「同じく、幹部の一人、ナツキーナ、よろしく!」

P「ご丁寧にどうも、だが、何人いようと、同じことだ!」バッ

P「ちひろさん!幹部いっぱいいますけど!」

ちひろ『でません。』

P「チクショー! 変身!!」

ベルト『『モバコインカード セット』』

P「唸れ!エクスチェンジャー!!!」

カキンッ

ドン バッ

グレン「課働戦士グレンキャッシャー、もう定時なんでな、これでさっさと終わらせて、直帰させてもらうぜ!」

グレン(とはいえ、数が多い、スタミナでさっさと逃げさせてもらう。)

キバーナ「今、超速形態で逃げようと考えていただろう?」

グレン「!!?」

キバーナ「図星だな。悪いがそうはいかない。」

グレン「そうだとしても追いつけるか!」

ベルト『『スタミナ フォーム チャーーーージ!』』ガシャン プシッ コォォォォ

グレン「光!捕まってろ!」

光「わかった!」

ドシュウ

キバーナ「なかなかの速さだ、張り合いがいがある。」

キバーナ「しかし、鬼ごっこはここまでだ。」

グレン「何!?ぐわぁッ!」

光「うわぁ!!」

ドゴッ

光「いててて、Pは!」

ナツキ「息つく暇なんてないぜ!掻き鳴らしてやるよぉ!!!ロッキングソウル!!」

ギュィィィィィィン

グレン「ぐぅ…なんて腹に来るビート!」

サキーナ「ナツキーナのはいつも派手っすね。でも派手さならアタシも負けない、視覚的に来るのはどうっすか?」

サキーナ「カラフルスター!!」

ザァァァァァ

グレン「星形のペンキ!?範囲が広い、避けきれない!!のわっ!」

ガン ガンガン

光「P!!大丈夫か!?」

グレン「ぜひっ…大丈夫だ…。物陰に隠れてろ、すぐに迎えにいく、今日のところは逃げるぞ…。」

光「ああ…。」

グレン(一発ぶちかまして、めくらまし、今度こそ逃げる…!)

キバーナ「もう終わりかな、グレンキャッシャー?」

グレン「あんまり、舐めるなよ!!」

ベルト『『スタミナ エナジー チャーーーージングッ!!!』』ガシャンガシャン プシッ ギンッ

グレン「グレンキャッシャー、チャージングフォームだ…。行くぜッ!」

ナツキ「姿が変わったね、でも関係ないぜ!アタシの歌を聴けェ!!」

ギュィィィィィィン

サキーナ「こっちも!!星の軌道を描くっす!!」

ザァァァァァァァ

グレン「ふんッ!!」

ナツキ「避けた!?」

サキーナ「うそ!」

キバーナ「ほう、遊びとはいえ、あの二人の同時攻撃を避けるか…。」

キバーナ「超速形態と超力形態のいいとこどりと言ったところか…。」

キバーナ「そして、めくらましで逃げるにしても、大将首を取りに来る、その意気やよし!!」

ベルト『『チャージング バースト』』

グレン「でぇりゃりゃりゃりゃ!」

ドガガガガガ

グレン「でりゃあッ!」

ドゴーン


グレン「よし、逃げるぞ!」

キバーナ「…良いラッシュだ。魂も力ものっている。」

グレン「なんだと…。」

キバーナ「メタリックレディウルフ…。キミの攻撃はすべて受けさせてもらった。」

キバーナ「はっ!」

グレン「ぐっ…。」

キバーナ「ふっ!」

グレン「がっ…。」

キバーナ「それっ!」

グレン「ごぅふ…。」

バタッ  カキンッ

レイナ「あぁあ、変身解けちゃった。流石、キバーナの鍛えあげられた一撃は違うね。」

キバーナ「しなやかな一撃といっていただこうかな、レイナサマー。」

レイナ「こいつにはカリがあるわ、トドメは私に刺させて。」

キバーナ「キミは昼間の傷がまだ癒えていないだろう?休んでいたらどうだい?」

レイナ「いいから!このレイナサマがトドメを刺すの!」

ザッ


レイナ「何アンタ。」

P「…光…。」

光「Pには指一本ふれさせない。」

P「逃…げろ。…光。」

レイナ「おとなしく言うとおりにしておいたほうがいいんじゃない?」

レイナ「非力なヒーローかぶれに何ができるっての?」

光「そんなの、やって見ないとわからないだろう…。」

レイナ「足が震えてるのに何いってんの?そおれ。」

光「ぐあっ!離せ!」

レイナ「ちびすけのくせに、いきがってんじゃないよ。」

光「なっ!8cmしか違わないだろ!!」

レイナ「うるさいわね!」

P「光…! ぐぅ…。逃げ…。」

光「P…。」

P「…?」

光「アタシはヒーローにあこがれてきた。」

P「…。」

光「ヒーローの力は戦う力じゃないんだ。」

光「さっきPがしようとしてくれたように、逃げてでも大切なモノを守る力。」

光「だから、今度はアタシがPを守りたい。」
P「…光。」

光「?」

P「この前、護身術講座を受けたな…。」

光「!」

P「羽交い締めにされた時の相手の急所、狙うべきところは…。」

レイナ「遺言は済んだ?先にヒーローかぶれからやっちゃうわ!!」

光「足の爪先!!」

ミシッ

レイナ「あ…。」

レイナ「いったーー!!!痛い!!つま先!!いったい!!」ピョンピョン



サキーナ「あ…あちゃー。」

ナツキ「また、あとちょっとってところでツメが甘いんだからなー。」


レイナ「こ、この!!舐めたマネを、もう許さない…!!」

レイナ「え?ベルト…。」


光(守られるだけじゃなく、誰かを守りたい、それがアタシの)

光(願いのチカラ…!)


ベルト『『アイドル信号 確認 入金 担当プロデューサー接続 確認』』

P(もうどうにでもなれ…。)

ベルト『『リボルヴィングシステム起動』』

ベルト『『リトルヒーロー 南条光 始動』』

光「輝け!エクスチェンジャー!!」

光「うおおおおおッ!変身!!」

カキンッ

レイナ「うわッ!」

イデアキャッシャー「イデアキャッシャー!リボルヴィングフォーム!!」

キバーナ(ほう…。)

レイナ「…ヒーローかぶれがヒーローに…!?」

レイナ「なんだかわかんないけど、くらえ!!」

ナツキ「レイナサマー!逃げろ!!」

レイナ「え?」

イデア「とおっ!」

レイナ「のわっ!!」

イデア「せいやッ!」

レイナ「うわっ!」

レイナ「なんなのよ、もう!」

レイナ「!!?」

イデア「はあああああ。」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド

ベルト『『ノン リミット チャーーーージ!』』キンキンキンキン

ベルト『『ノンリミットスマッシュ』』

イデア「でぇぇぇりゃあああああああ!!!」

レイナ「ひぃ!」

ドゴーン

イデア「はぁ、はぁ、やったか…?」

イデア「!?」

レイナ「そこのヒーローかぶれ!!」

光「…?」

レイナ「今日のところは引き上げてあげる。今度あったらおぼえときなさい!!」

イデア「何度でも倒してやるぞ、レイナサマー!望むところだ!」



キバーナ「さてと、レイナサマーは私がおぶって帰る。サキーナ、ナツキーナは後ろの守りを固めてくれ、念のためな。」

ナツキ&サキーナ「了解(っす)!」

キバーナ「そこのプロデューサー!」

P「…なんだ。」

キバーナ「そのアイドル…大事にしろよ。キミの盾にして、守るべきモノをな。」

P「当たり…前だ…。」

キバーナ「フフッ、行くぞ!」

シュウウウウウウ

イデア「P!」

カキンッ

P「あ、りがとう、光。」

光「しゃべるな!今、救急車とちひろさんを呼んでる!」

P「そう…か…。うぐっ。」

光「P!」




数日後 病院

P「いやあ、あの時、光が変身してくれなかったら今頃どうなっていたことか。」

ちひろ「そうですねー、心配したんですよ?」

光「全治二週間って結構大きな怪我なんじゃないか?大丈夫か?」

P「何、もうこんなに動けるぞ!…いってててて。」

ちひろ「言わんこっちゃない。あんまり無理して、入院期間増やしでもしたら、会社からお金出しませんよ?」

P「それは…ホント…やめてください…。」

ちひろ「冗談ですよ。」

P(冗談に聞こえないんだよ…。)

光「P、聴きたいことがあるんだけど、いいか?」

P「ああ、なんだ?」

光「なんでアタシが変身できたんだ?財布とつながってないとできないんじゃないのか?」

P「ああ、そのことか。一応な、アイドルもエクスチェンジャーで変身できるんだよ。」

ちひろ「アイドルがエクスチェンジャーで変身する場合、財布連結は担当プロデューサーに直結します。」

P「場合によってはアイドルほうが強い力を発揮できるが、やはり財布の紐は自分で握っておいたほうが安心するからな。プロデューサーが変身するんだ。」

ちひろ「それで、この前光ちゃんが発現させたリボルヴィングフォーム。」

ちひろ「あれは財布連結の上限を解き放ち、ほぼ無尽蔵でエネルギーを使える、いわば裏ワザ。」

P「でもその分利息を伴って財布に帰ってくるんで、あんまり使いたくない、いや使いたくない。」

ちひろ「経費から変身費用がおちないのは、被害を抑えて、効率的な業務遂行を促すためですので、使ったぶんは払っていただきます。」

光「…なんかごめんね、P。」

P「何言ってやがる、あの時はホントに危なかった。感謝してるよ。」

P「これからも、担当アイドルとして、よろしくな、光!」

光「ああ!こっちこそよろしくな!P!」

―――――
――――
―――


午後 15:36 シンデレラガールズプロダクション本社ビル プレゼンルーム

南条P「以上がPVで、最終的にボス格に歴代のシンデレラガールを起用、弊社に所属するアイドル総出演で、ドラマを作成いたします。」

千川ちひろ「南条Pさん、ありがとうございます。この、『千川ちひろ』というのは私がモデルでしょうか?」

南条P「はい、そうなります。」

ちひろ「私はそんなに守銭奴でしょうか?」

南条P「い、いえ、コンセプトとして、お金の大切さを訴えようかと思いまして…。」

南条P「より緊迫した財政状況を表現するために、『ちひろ』さんにはそういったキャラ付けをさせていただきました…。」

ちひろ「そうですか、意図があってのことなら結構なのですが、まるで何かを訴えているような気がしてならなかったもので…。」

南条P「いえいえ、滅相もございません。そんなことは、ありません、完全に、完璧に。」

ちひろ「…まあいいでしょう、企画は上に挙げさせていただきます。」

ちひろ「全アイドル総出演というあたりは、時節柄なかなか難しいとは思いますが、面白い企画です。」

ちひろ「脚本、演出等はこれを骨子案として本職に依頼なされますか?」

南条P「はい、そのつもりです。」

ちひろ「了解しました。では本日の第一次プレゼンテーションを終わりといたします。お疲れ様でした。」

南条P「ありがとございました!」

南条P「では失礼致します!」

バタン


南条P「ふぅ…。よっし!やったぞ!」

木場P「よう、どうだった?」

南条P「上に挙げてくれるってさ!やったな!」

木場P「良かったよ、こっちの担当アイドルもPVに出てるんだから、通してもらわないとやり損だ。」

南条P「ホントありがとうな。ヒーローバーサスだけじゃあ、ちょっと人数がたりなくてさ。」

南条P「ハードメテオライツに手伝ってもらって良かったよ…。」

木場P「夏樹については担当に許可がとれて助かった。この前の舞台の影響もでてるようで、本人もそれなりにノリ気だったからな。」

南条P「ホント、助かったよ。」

木場P「で、『P』役はお前が出るのか?」

南条P「何言ってんだ、あたりまえじゃないか。」

南条P「俺と光が、麗奈が、懸命に作ったんだ、できるなら3人で出たいさ。」

南条P「出来る限り、そうしたいんだ…。」

木場P「…やれやれ、まあ、帰るか。」

同時刻 シンデレラガールズプロダクション某支部

南条光「南条P、大丈夫かな…。企画通るかな…。」

小関麗奈「何心配してんの、このレイナサマがPVに出てるんだから、通って当然の企画よ!」

吉岡沙紀「いやいや、まさかヒーローものに出演することになるなんてね、想像もしなかったっすよ…。」

木村夏樹「結構キマってたぜ?サキーナ。メイクもバッチリでさ。」

沙紀「気分がノッてくると楽しかったね。」

夏樹「だろ?」

木場真奈美「…脚本上、なぜ、私が幹部最高位ポジションなんだ…。」

真奈美「ハードメテオライツのセンターは沙紀だったはずだが…?」

夏樹「そういうのは雰囲気じゃないですかね?」

沙紀「木場さんのオーラハンパなかったっすよ?」

真奈美「…。いいのやら、悪いのやら…。」

真奈美「殺陣の体験ができたのは非常に大きな収穫だったとおもうが…。」

真奈美「それにしても光、念願だな。」

光「はい!やっとですね。」

真奈美「麗奈も良かったよ。」

麗奈「なんか小物臭かったのがいただけないけどね。」

夏樹「通ってるかな…企画。」

光「南条Pが、なんとしても通してくる!って気合入れて行ったから大丈夫だよ。」

麗奈「突き返されてきたら、イタズラフルコースで迎えてやるわ。」

光「またレイナはそうやって!南条Pも疲れてるかもしれないだろ!」

沙紀「まあまあ…。喧嘩しないの。」

光「でも、きっと大丈夫だと思う。」

一同「…?」

光「あの企画には溢れているんだ。」

光「アタシと南条P、そして皆の、」

光「願いのチカラがさ。」



Fin

以上になります。

特撮の企画でもなんでも、プロデューサーが企画を通す時は、何かしら、
担当アイドルの力を借りたりしているんじゃないでしょうか。

意外と彼女たちもまんざらじゃなかったり。

勢いだけでお送りしました、読んでいただき、ありがとうございました。

乙であろう

乙なのである

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