不安の種 の えすえす (162)
どこまでも続く暗いトンネルのような
じめじめとした旧校舎のような
得体の知れない影がずっとついてくるような
そんな感覚は好きですか?
オムニバス形式で綴るホラー漫画の傑作を真似て書くSS
毎日最低一話は投稿したいです
>>1以外も参加して書いてくださっても構いません。むしろどんどん参加してください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398814434
「引っ越した先で」
知らないところでは気を付けた方がいい
ましてや古くから続く歴史が積もった場所では尚更だ
どんなものが積もっているか推し量るには積もりすぎている
#1
今日、この町に引っ越してきた
家は少し年期が入っているが不思議なことにあまり人がつけたような傷などは見当たらなかった
運がいい。そう思うことにする
#2
ご近所に挨拶回りに行った
「あら、また引っ越してきたのね」
そう言われた。また?
どうやらあの家はもう何人も住んでは手放しを繰り返されてるらしい
幽霊でもいるのか、少し楽しみが増えた
#3
最近、いやはっきり言おう。この家に越してから妙な夢を見る
顔がない子供が遊んでとせがんでくる夢だ
…結婚願望、いや子持ち願望でもあるのか
それとも幽霊?
1が書くなら楽しみにしてる
#4
不動産屋に確認した
あの家では
事故も殺人も行方不明も、病気からただの老衰に至るまでそういうものは一つも無かったそうだ
あまりにも出ていく人が多いから警察や探偵まで頼って調べ尽くしたらしい
私も夢を気にしないようにしよう
ついにあの声が現実に漏れだしてきた
あそぼう…
あそぼう…
あそんで…
あそんで…
私は子供を好きな方だ、だがこの子の声は
不安にさせる
あそんで…
あそんで…
あそんで…
声はするけど姿が見えない
#6
夜に決まってするあの声の主を探そう。
死体があるなら供養してあげるんだ。少なくとも、死んでいることは教えてあげよう
あそんで…
あそんで…
あそんで…
来た!こっちのほうから声がする
声を追いかける
#7
屋根裏部屋か…覚悟を固める
…入ってみる
「遊んで!遊んで!」
屋根裏部屋の暗闇の中に
目玉と口だけ浮かんで、回っていた
#8
再び警察や探偵、果ては霊能者まで雇ったが死体どころか事件の影すら見つからない
あの何かは、今日も遊び相手を求めている
「地図」
そこにあるものを分かるように示している物
しかしそれを持っているからといってすべてを知った気でいるのは
少し、早計かもしれない
#1
この町の地図は変なものが書かれている
「フランス語」だの「きんぐたむ」だの「ラピュタ」だの
その中でも一際おかしな物は
「闇」
と書いてある。他のは店の名前かと思っていたがこれは何だろうか
「闇」という名前の店?それはそれでどんな店なのか、何の店なのか、すごく気になる
行ってみよう
#2
その場所には、暗闇があった
店じゃない、他には何と言っていいのか分からないぐらい完璧な暗闇がある
丁度明るい廊下から暗い部屋を覗き込むような、そんな暗闇
それが屋根も何も無い昼日中の道のど真ん中に存在しているのだ
#3
手を出してみる。何にも当たらない、こういうオブジェではなくきちんとした空間のようだ
「…」ごくり
好奇心が動いた
暗闇に顔をいれてみよう。中を見てみよう
最初の話があそぼうおじさんならぬあそぼう子供とは出来る>>1やで
ただやはりあの神経と精神を減らして来る絵が無いとパンチが弱い感は否めないな
どうでもいいが後遺症ラジオの新刊はまだか
#4
その日から俺は極度に暗闇を恐れるようになり、寝るときでさえ小さな明かりをつけるようになった
周りの人は私の気が触れているとでも思っているだろうがおかしいのは彼らだ
彼らは、暗闇の恐ろしさを知らない。暗闇の中に何が潜んでいるのか、知らない
知らない方がいい…とは言えない者なのに…
>>16
帰ったら絵を描いてみるわ。でもあれに勝てる気はしない
いつか…いつか帰ってくると信じて続きを待つよ
一旦ここまで
「SS速報VIP」
俺はよくSS速にスレを建てている名もない小物SS作者だ。
書くものは二次もあればオリジもあるが、基本一日かそこらで終える短編のみ。
ぱっと書いてはhtml化要請をして、また思いついたらスレを建てる。
15から多くても100レス程度の短い物で、すぐ完結してしまうから恐らく人目にはそんなに触れていないだろう。
けれど立てる度、どこのスレでもそうだが必ず建った直後には誰かからの書き込みがある。
それがなかなかの励みになるのだ。
今回もスレを建て、1と呼ばれ応援する書き込み、傍観するような書き込み、感想の書き込みを受け無自覚に頬が緩む。
何度も同じような短編スレをやっていると、流石に『1って○○を書いてた人?』」などと言い当てられる事もある。
そうすると、匿名でやってはいるものの時々ならいいだろう、と今まで書いた物をついひけらかしてしまうのだった。
あれ以来時々『○○の人?』と訊かれたり、匿名のはずがいつの間にやらちょっとしたファンのようなものができたりした。
今ではすっかりスレを建てる度その数分以内に『もしかして○○の人?』と訊かれるようになってしまった。
これ程自己顕示をするぐらいならば、非匿名な小説投稿サイトにでも行けばいいだろうと言われそうだが、リアルタイムに貰えるレスが嬉しく、俺はどうにもSS速からは離れられないのだった。
ひと通り書き込みが済んだ後、『>>○さん、いや~バレちゃいましたか』とレスをつける。
『ファンです!』『またあなたのSSが読めるとは』『今回も面白かった』
顔も見えない他人に褒められるのはどうにも嬉しい。
こんな風に手放しで褒めるレスが多くなれば、同時に必ずアンチや荒らしも…いやそこまで行かずとも反対意見や否定意見の一つくらいはあって当然なはずだろうに、どうしてか俺には特にそういったものは無く、肯定的なレスだけがついた。
それに対しては不思議には思ったが、まあ流石に「誰もが褒めてくれる程の腕前なのだ」などとうぬぼれる訳はなく、俺はここにいる皆が優しい人ばかりなのだな、と結論付けた。
今日もスレを建てると同時に『○○の人だ!』とレスが付く。
「また随分速いな、1分も立ってないじゃないかww」
恐らく更新と同時にスレを見つけたのだろう。
建ったばかりのスレに一番乗りを告げるというチャンスを得た時の興奮は。確かに恥ずかしながら自分にも見に覚えはある。
とにかく早く書き込もうと中身はちら見レベルで2ゲット書き込みをしちゃったりな、と苦笑。
「全く、違う人だったらどうするんだよ」
と言ってからふと気づいた。そういえば他人のスレをROMる事もあるのだが、他人が俺のスレだと間違われた場面は一度も見た事がない。
あんまり大量にスレを建てるものだから当てずっぽうで命中しているのだとばかり思っていたが、もしかすると俺が気づいていないだけで実はバレるような余程の特徴でもあるのかもしれない。
「うひゃあ、そうだったらヤバい、恥ずかしいな…文法とか文章が特徴的とかだと壺なんかでもバレてんのか?」
今度他人の文章と見比べてみよう、などと考えつつも今回のスレもつつがなく終了した。
――結局何故俺の書き込みだけがすぐにバレてしまうのかは判らなかった。
こういうのは他人から見ると変でも自分では決して気づかなかったり判らないから怖い。
悩んでも仕方がないし、SS速でバレる分には特に問題はない(もし本当に特徴があるのなら、匿名の癖に擬似コテハンでアピールしているようで相当恥ずかしいが)のでまた今日も新しく思いついたネタを投下しようとSS速を開いた。
と、そこには
「うわ…スレタイ被っちまった」
新着スレに、投下しようとしていたスレタイと全く同じ題名のスレッドが既に有った。
まあスレタイだけならそう問題はない。今回はそこまで内容と密接なスレタイじゃなかったし、付け直せばいいだけだ。
それより問題は内容の方のネタ被りだ。
細部が違っても同じような方向性のものなら、このタイミングでアップするわけにはいかない。
「どうか中身は全然違いますようにっ!」
確認の為、目を閉じ片手を眼前でチョップの形にして祈りのポーズ(笑)を取りつつそのスレを開く。
まだ1レスしかないのでもしかしたら中身の無い立て逃げかもしれない。
ああ、一行だけで放置されている、やはり立て逃
1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
○○スレの1さん、先に建てときましたよ!
こえええええええええええええ
>>22
才能あるわマジで
誰か学校もの頼む
>>25
1が参加していいって言ったからつい…
「学校」
教室の机には何故か時々穴がある。
分厚い木の板を貫通し、教科書を入れるスペースにまで繋がっている穴。
指が入りそうで入らないくらいの大きさ。
切り傷の方は、時々ハサミや彫刻刀やものさしで傷をつけては先生に怒られている奴がいるんで判る。
でもこの穴の方はどうやって開いてるんだろう?
「不思議だ…」
「なに机の前で唸ってるんだよ」
「あ、鈴木。なあ、この穴ってどうやって開いてんだろ?」
自分の机の穴を指さす。
右上の辺りに一つ、鉛筆なら差し込めそうな穴が空いている。
授業中には下敷きとかで蓋をしているが、プリントに書き込む時書きづらくて仕方ない。
誰がやったのか非常に迷惑である。
「さあ?彫刻刀とかで掘ってんじゃねえの?ぐりぐり~って」
「えー?こんな風にできるかよ?だってこんな綺麗にまん丸く開いてんだぜ?」
「そもそも誰がやってんだろうな?時々先生が備品と入れ替えてくれてるらしいのに、席替えするとまた開いてるのが回ってくるし」
「それって席替えする前の奴が開けてんじゃねえの?」
鈴木とやいのやいのと言い合う。
こんな派手な穴掘ってたら絶対先生に叱られるだろうに、はた迷惑な奴だ。
でも実際にそんな目立つことをしている奴は見た事ないから、わざわざ隠れてこっそりしているのだろうか。
なんて奴だ…イタズラはいいが席替えした後の奴の事を考えろってんだ。
「あれ…吉田」
鈴木がふと何かに気づいたように声をかけてくる。
「ん?もしかして何か思い当たった?」
「お前の机、こんな所に穴あったっけ?」
鈴木が指を指した机には、まん丸い穴が三つ開いていた。
面白いです。
この原作好きでよく、チャンピオン立ち読みしてた。
そういや少し前に知り合いが、この本の単行本の表紙見て、それだけで精神削られてたわ。
この>>1の話の出来見せられたら、書く気になれないな。
別の人だと思うよ
>>22
こええええええええ!
ヤバい。ゾクッと来た。もっと書いてくれ
机に穴を開けているのではなく、机の中から出て来ようとしているのかね
参加してくれる人がいて嬉しい。昼の休憩がてら少し書く
>>22
ここまで完璧ではないがいくつかのスレでもしかして○○の人?って言われるからすごい怖い。こういう自分の身に覚えがあるのが一番怖いわ
「お絵かき」
子供の発想力は素晴らしいものだ
ただ、その発送の源がどこから来ているのか…
純粋な想像の産物なのか…はたまた…
#1
子供が絵を描いてる。何を書いているの?と聞いてみた
「おちょなんさん!」
笑顔でそう言う。何かのアニメキャラクターだろうか、見覚えが無いがこんな不気味な人間?が最近の子供に人気があるのか
「おちょなんさんにはね。良いおちょなんさんと悪いおちょなんさんがいるんだよ」
「これは良いおちょなんさん」
#2
「そしてああいうのが悪いおちょなんさん」
その子はそう言うとある家の窓を指差した
俺の家だった
「かわいそうにね」
俺には何も見えなかった
何も見ていない…何も………
おちょなんさん普及しすぎィ!
「恐怖」
恐怖とは生き物の最も古い感情と言われている
だが、それを感じたといって危機を回避できねば意味はない
#1
怖い…怖い……来ないでくれ…やめてくれ…
怖い…嫌だ…助けて…
怖い…怖いよ…何で…何で私が…
やめてくれ…もう許してくれ…
#2
怖い…怖い…こわい…
こわい…
こわい…こわい…こわいよ…
#3
こわい…こわい…
でも…なんだが…きぶんは…いい
こわい…たのしい…
たのしい…こわい…
やだ…たのしい…
にげ…なくていいや
#4
あはははははははははははははははは
たのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしい
たのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしい
たのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしい
のしいたのしいいたのしい
#5
ほかの、ひとも…誘おう
>>34
不安の種を語る上でおちょなんさんは外せないと思った
これからもパクリにならない程度のオマージュは入れるつもり
一旦ここまで
原作だと二話くらいしかでてないのに、おちょなんさんの人気に嫉妬
おちょなんさん、遊ぼうおじさん、「かじらないから抱かせて」の奴、天井から降ってきた虫なのか人間なのかよく分からない奴
辺りが好きなクリーチャーだわ。この人の絵は何でああもゾッとさせるんだろう
「騒音」
朝、目が覚める。
目玉焼きにトーストという簡単な食事を取り、なにやらわめいているテレビを消して家を出た。
小糠雨が降っている。
だんだん湿っていくスーツに顔をしかめつつ、会社へと急ぐ。
この世の中で生き抜くコツは空気になることだ。誰かが呻く満員電車の中、ただ騒がしいだけの上司のお説教、嫌な気分が増すだけの営業。
それらの騒音は空気になれば乗りきれるのだ。
どうして他の人間はあの騒音を聞き取れるのだろう。
おそらくは俺とあいつらは脳味噌が違うのだろう。あいつらは意味のなさない言葉の羅列で毎日を満足している。それだけだ。
同僚が話しかけてきた。何を言っているかなど全く理解できないが奴の表情とボディランゲージから適当に話を合わせる。
同僚は満足したようだ。俺はまた空気に戻る。誰にも話しかけられないように。
同僚が振り向く。
俺には騒音にしか聞こえない。
なぜならば
「suさ]燗wみ▽koれs无〒du∵ゐπk杙о?ぽ?ぬ」
俺以外はまともに喋れないのだから。
「子供部屋」
毎晩、ヨシキの部屋から話し声がすると妻から相談された。
何でも、二人分の声がするそうなのだ。ヨシキに訪ねても知らないの一点張り。
仕方ないのでその夜、早速子供部屋を覗いてみた。
何か、いる。
薄ぼんやりとした不定の影が二つ、ベッドですやすやと眠るヨシキの上に。
…二つ?
片方からヨシキの、もう片方から知らない子供の声がする。
意を決して尋ねてみた。
「お前たちは誰だ」
ヨシキの声を出す方が答える。
「お父さん、ボクはヨシキでこの子はミッチャンだよ」
そういうとその影は、ふっと窓から飛び出ていった。
ならば
「寝ているお前は一体」
誰だ
『かえりみち』
ほんの数年前までは新入社員だったように思う。
この会社に迎えられたことも、昨日のように思い出せるし、
結婚したことも、子供を授かったのだって、言うなれば数時間前の出来事のようだった。
しかし、現実を見てみれば、私に新入社員なんて言葉は程遠く、
この会社にも、もう幾度となく新しく社員を迎え入れる立場になっていたし、
それこそ息子だって高校を卒業しようとしている。
この歳まで不変がなかったとも言える人生は、程々に、幸せだった。
すまん、リロードし忘れた
まあ、私もそれなりに歳を取ったということだ。
肩も重く、最近は飲み会の席も多く、
しかし特別にスポーツをしているわけでもないので、お腹周りがあまり頂けない様になった。
俗に言う幸せ太りというものだったが、それでも太ったことは周知の事実だ、
家族に何かを言われたわけでもなく、近頃自主的に徒歩通勤というものをしてみることにした。
幸い、私の住居と会社にはそれ程の距離はなく、いつもより、幾ばかりか早く起きれば、
何ともなく、健康的になれたと言っても過言ではない。
程なくして、すっかり徒歩通勤が板に付いた時だった。
夏の蒸し暑さを物ともしない激しい雷雨、
「……どうしたものか」
一度ここで駅に入ってしまえば楽なものだが、
私自身、楽をしてしまえば今まで築いてきたものが壊れてしまうのではないのかと、
そんな事を心配していた、別段家族はなんとも言わないであろうが、
なんというか、私にだって意地はあるのだ。
……仕方がない、家から一番近い駅に着いたとしても、
そこからの距離はある、どうせずぶ濡れになる運命なのだ。
少しばかり憂鬱になりつつも走り始めようとした時だった。
「――父さん、忘れ物」
と、肩を叩かれた。
肩を叩かれた方向を見ると、そこには私の息子の姿があった。
青の傘を差していて、更に黒のレインコート、そして私の黒い傘をこちらに差し出している。
「ほら、今日土砂降りだって、母さん言ってたでしょ」
ニッコリと笑いながら雨雲を見上げる息子に、
そういえば、と思い出す。
それよりも、こんなに夜遅くになるまで待っていた息子に、少し感動を覚えた。
それからは、他愛もない会話が続いた。
学校のことだったり、最近あったドラマ、好きな音楽、
それらの話をしていたら、何時の間にか家に着いていた。
久々に話したような気がして、いつもよりも浮かれていたのだろう、
傘に付いた水滴を払いながら、家に入ろうとすると、
「父さん、実はさ、母さんに内緒で来ちゃってるんだ、部活で遅れるってことになってるから」
そう言って人差し指を口に当てて他言無用と言ったようにそのまま学校の方に走っていく、
その後ろ姿を見届けて、小さく笑う。
やはり、子供というのは成長するのだな、と。
それから何日か、似たような日があった。
たまにコンビニに寄ってみたり、ある日には軽く夕食を食べてから帰ったり、
ある日にはショッピングモール、ある日には映画館にも行ってみた事もある。
息子は笑ったし、私もそんな息子を見て笑った。
その日は珍しくもなく早くに目が覚めた。
朝刊を取りに玄関に向かう、
その場で開いて軽く流し読みしている最中に、ふと、
傘立てが目に入った。
黒い私の傘、赤紫の華がプリントアウトされた妻の傘、
黄色とピンクの交互になっている娘の傘、
真緑一面の息子の傘。
何か疑問に感じ、気のせいだと振り払って、新聞に目を通す。
今日は降水確率100%らしい。
被ってしまってすんませんでした(´・ω・`)
「天気」
天気が良いとか悪いとか、誰が決めたのだろうか
雨は悪くて晴れは良い
ある人にとっては逆かもしれない
#1
雨は嫌いだ
じめじめしとしととした中に何がいるか分からないから
何かが蠢いているから
#2
曇りは嫌いだ
雲がさえぎった影の中に何かがいるから
何かが犇めき合っているから
雪は嫌いだ
雪が積もったその下に何かが埋まっているから
解けた時に埋まっていたものが現れてしまうから
#4
晴れは嫌いだ
晴れていると外に出られないから
出ると死んでしまうから
#5
ああ、今日は雨だ
外に出よう
最近晴れが続いていたけどようやく這いまわれる
がさがさ
ぎちぎち
ごとごと
#6
ああ、やっぱり雨は嫌いだ
ここにもそこにも
わけのわからないものが蠢いている
がさがさ
ぎちぎち
ごとごと
がさがさがさがさがさがさがさがさがさがさがさがさ
帰ったら絵を書くといったがやっぱ無理だったわ
今日はここまで
いい感じ 乙
「チャイム」
告げる者
ただ、正確かというとそうでもない
あなたは、不気味な音だと思ったことはない?
#1
昼休み、自分の机で寝ていた。
チャイムに起こされた
誰もいなくなっていた
#2
ギーンゴーン
再びチャイムが鳴る
今気づいた
チャイムは録音された音のはずだ
なのに、今聞こえたものは
鐘の音、除夜の鐘のような、本物の鐘の音
それに気づいたとき、周りの壁が木製に変わる
床も、天井も
古い、木製に
ここは、いつの時代の学校だ?
「影」
ずっと着いてくる
ずっと真似をする
たまに消える
たまに
勝手に動く
#1
影と遊ぶ
影は僕の唯一の友達だ
彼は僕の言うことを何でも聞く
僕の真似を何でもする
絶対に裏切らない、いつも一緒にいてくれる親友
#2
遊ぼう、たのしいね、あはははは
ほら、競争しよう
そうだ、ブロックで遊ぼう
ねえ、本読んでよ
楽しいな、君もそう思うでしょ?
「うん」
そうだよね、あはあはあはははは
#3
「いいかげんにしなさい!いつもいつも一人で笑って、気持ち悪いのよ!」
敵が何か言う。僕は気にしないで影と遊ぶ
「何とか言ってみなさいよ!悔しかったら友達の一人でも作ってみなさいよ!」
何を言っているのだろう。僕には親友がいるのに
何でも僕の言うことを聞いてくれる親友が
「うるさいママを殺しちゃえ」
だから僕は見せてあげた。友達を
#4
ぐさっ、ぐしゃっ!
「ありがとう、影」
影は友達だ。僕の代わりに何でもしてくれる
だから僕は何もしなくていい。ただ着いていくだけ
ただ真似をするだけ
一旦ここまで
ところで誰か不安の種に映画があったことを覚えているだろうか
俺はかなり好きだったんだけどあまり話題に出ないんだよなあ
>>79
あのおちょなんさんが実写化されたってやつ?
自分も噂で聞いた程度だけど
「停電の夜」が好きなのでアレが実写でどう扱われるか気になってた
原作の怖さを求めてた身としてはあれは無いな、としか思わんかったよ
見せ方、演出は基本通りの水準は行ってたけどさ
原作の染みだすような不安がうまく表せていなかったのは残念だけどストーリーが面白かったしおちょなんさんや藁女、骨マネキンの造形が結構好きだった
あの童謡?みたいな歌も聞いてて不安にさせる何かがあって結構良かったと思うんだが
原作読む前に映画見たからなのかな。原作見てた人の中で面白かったっていっている人見たことないし
映画知らんかった。
なんか書きたくなったけど、怪談系のストックないんだよなぁ。
「白昼夢」
夢か幻覚かどちらにしろ奇妙なもの
その奇妙が不気味に変わり恐怖にかわる
ところでその白昼夢、始まりはいつだった?
終わりは来るの?
#1
私は不思議な白昼夢をよく見る
白昼夢とは起きながら見る夢のことだが私のは少し違う
夢が、現実に染み出てくるのだ
#2
また始まった
私の夢から怪物たちが這い出て周りに蔓延る
現実の景色はそのままに怪物たちが楽しそうに飛び回る
反応はしない。当然ながら周りの奴には見えていないので反応しても私が狂人扱いされるだけだ
…何だか今日はいつも異常に興奮してるな
#3
逆に夜見る夢では私が来訪者だ
奇妙な世界を渡り歩く
だが、私は自由には歩けない。誰かのマリオネットとして操られている
#4
朝、目が覚める
…あれ?体が動かない。白昼夢の怪物が笑っている
夢なのか?それとも金縛り?
「現実だよ!現実だよ!」
「上をみろ!見ろ!」
天井から不気味な傀儡師が私の手足に糸を垂らしていた
嗚呼、ついに現実を白昼夢に乗っ取られた
今日はここまで
また思い付いたらくるかもだけど
ぼくは人の名前を覚えることが苦手な人間だった。
上司の名前を間違えそうになった時だってあるし、
自慢じゃないが彼女の名前を間違えたことだってある。
その点でぼくはネットサーフィンでは気が楽だった、
匿名で誰だって気軽に、そして何時だって入り込むことが出来るし、抜け出すことができる。
皆おんなじ名前、違っていても表示される安堵感。
特に役職だけで呼ばれる世界はなんとも心地がいいのだろう。
………………………………………………………………………………………………、
……………………………………………………、………………。
…………?……………………。
ああ、気分が良い、心地が良い、
ここでならもう大丈夫だ、『僕』はなにも間違えることがなくなるだろう。
ダレもマチガえる心配がない、とても気分がいい、
いつもなら憂鬱な会社にも速くニツイテシマッタ。
「おはようございます、『課長』」
『僕』はそう言って、『課長』に挨拶した。
以上三人目でした
不安の種の映画はめちゃくちゃ微妙だったなあ…
後遺症ラジオって二巻以降出なさそうだけど一巻だけ買って楽しめる?
次巻に続く。みたいなものがなければ買いたいのだが
「よごれ」
モニターに何か黒い汚れがついているのに気がついた
「汚いな、拭いてとろう」
なかなか落ちない、指に力をこめる
それでも落ちない、もっと力をこめる
まだ落ちない、爪を立ててこすってみる
ガリッ!
汚れというか何かがこびりついていたのか、汚れはぽろりと剥がれ落ちた
…汚れを擦るのにあまりに熱中しすぎていたようだ、注視していた目が乾燥して痛い
「目薬でも挿すか…」
モニターの至近距離から顔を離す、ついでに目が疲れたのでパソコンをスリープ状態にする
「…あれ?」
黒くなったモニターに映る自分の顔からは、黒目がなくなっていた
来てたか
なんか星バーーーローーみたい
+ +
〇
「不安の種」
種は芽吹き、花を咲かせ、実を結ぶ
綺麗な花ならば愛で、美味なる実ならば食す
だが、咲かせるものが不安だったら?結ぶものが恐ろしい結末だったら?
#1
ある日、ふと立ち寄った花屋で店員が不思議な種を進めてきた
「お客さん、すごく珍しい植物の種が偶然手に入ったんだけと買わない?安いし話の種にもなるよ、種だけに」
「何て言う植物?」
「@%#§£¢」
「え?」
「@%#§£¢、だよ」
異国の言葉だろうか、聞きなれない発音だ
結局、安くて買った
#2
芽が出た。はじめて見る色、こんな色をした植物が存在するなんて驚きだ
例えるなら…腕にできる青痣の色
#3
成長すると花ではなく木のようだ。幹は人間の腕に見える
枝は指だ
全体に所々青痣ができた腕と腕から直接生えた指
勝手に揺れるな。奇形の腕がしなっているようで気持ち悪い
しかしそこまで大きくないのでこの鉢植えのままでいいか
#4
花が咲いた。まんま、右手だ
大きさは、俺の手と同じ
#5
両手両足が生えた。空中を掴もうともがいたり地を踏みしめようと動いている
不気味なことに、俺と同じ位置に傷がある
#6
握り拳のような実が成った
#7
ある日、家に帰ると動き回っていた
足が左右揃って歩き、体があればそこにあろう位置に手が浮いていた
包丁を握ってこっちに来る
切り落とされる。何故かそう直感した
歩き方が、まんま俺だった
#8
逃げ、あの花屋に走っていった
しかし、人だかりが出来ていた
パトカーもいた
「何かあったんですか?」
「ここの店主が麻薬を栽培販売してたんだってさ」
そうか、あれは麻薬の植物だったんだ
空気中にその成分が溶け出していたんだ。俺が見たのは幻覚だったんだ
今すぐ病院に行こう。これであいつに殺される恐れは消える!
#9
俺の体には何の問題も無く、薬物を服用した形跡は欠片も見当たらなかった
精神鑑定も問題無く健常そのもの
じゃあ、あれは…
#10
次の日
ニュース「…問題の"バラバラ死体"は未だ手足しか見つかっておらず、胴体と頭部の行方を全力で探すと共に身元の判明を…」
「インターホン」
これは事実を元にした話、ではなく事実です
この現象、誰か説明してくださいますかね?
#1
受験シーズンだったから3年ちょっと前かな?あるとき深夜二時ごろにインターホンが鳴ったんだ
良くあることだが見ても誰もいなかった
#2
同じ時間、ではなかったが深夜0時、1時、4時辺りにインターホンが鳴って誰もいないということが一週間ぐらい続いた
#3
同じ時期、無言電話が来るようになった
ウチにはいたずら電話なんて長らく来なかったのでインターホンの件と相まってかなり怖かった
かけなおしてやろうとも思ったがウチの電話は相手の番号が表示されないので出来なかった
#4
そして一週間後、インターホンは押されなくなった
同じ時期に無言電話も途切れた
が、最後の無言電話で
電話を取って数秒後、女の人の叫ぶような笑い声が聞こえた
電話口から離れたところで笑っているような小さな声だった
ぞっとした
#5
電話とインターホンにつながりがあるかは分からない。全部同じところから来た電話かも分からない
また、その出来事から半年以上も経ったころインターホンがぶっ壊れたが時期も離れていたしこれは流石に無関係だろう
ストーカーされる覚えも無いしストーカーにしては期間が短すぎる
イタズラにしては電話&インターホン&笑い声とか手が込みすぎてるし深夜という時間帯はおかしい
結局なんだったんだろうあれは
誓って事実です。親もいたので夢ではありませんでした
いよいよ不安の種ではなく洒落こわになって来たな
>>118
すまん、そんなのはこれ限りにする
でも不安の種にもただの幽霊話が合ったし一つぐらいあったって…(言い訳)
実話ってので思い出したので過去の焼き回しでよければ
『車の窓』
私が小さい頃の、まだ中学校に通っていた頃の話です。
その日は学校の帰りに二人の友人とある遊びをしながら帰っていたのですが、
そのとある遊びとは実にシンプルで、ジャンケンで負けた人が一定の距離中他の二人の荷物を持つ、という物でした。
幾度かやって行く内に慣れて行ったのか、余り周りの目を気にしなくなっていったのです。
私自身もそれなりに勝率は良く、その短時間の帰り道はとても盛り上がりました。
そんな楽しい中、いよいよにも別れの時間が迫ってきました、
友人達が『これで最後だな』と軽口を叩いている間にも、どんどんその距離は迫ってきます。
最後のジャンケンで、私はチョキを出して負けてしまいました、
最後のポイントまで唐突に走り出した友人達に遅れないようにと、四,五kgはあろう荷物を持って友人達に追いついたその時です。
不意に、一つ奥の車道の多くの車に、違和感を覚えたのです、
友人に荷物を渡したとき、私はその違和感に気付きました。
誰かの視線。
その多くの車の中に、一つだけ、こちらを見ている人、
それはとても綺麗な女性でした、ジィっと見つめる視線に気付いた時、私の背中に悪寒が走りました。
対向車線に出るかと思う程身を乗り出し、目をこれ以上ないほど見開いたその姿は、とても異常だったからです。
結局友人はそれに気付かなかったようですが、私はそれに気付いてしまいました。
前の車が消えてもその車は進まずに、後ろの車からクラクションが鳴らされるまで進みませんでした。
私は今でもその光景が忘れられません、あの悪いモノにでも憑りつかれた様な目を。
結局、あれは一体誰だったのか、私の運が悪かったのか、それは今でもわかりません。
これは私が体験した実話です。
まあ怖くはないと思うけど、俺が中二の頃体験した実話でした、
小学の頃に知らないおばちゃんが近くの川で頭ぶつけて自殺図ったりとかもあったんだけど、
如何せん生々しすぎるし、ただの怖い話だからやめておく
いいねおもしろい
「PCラック」
ずるっ、ゴトン
「あー、まぁたマウス落ちた…」
本体やキーボード棚が収納できるこのでかいPCラック、外の見栄えはいいんだがこういう時が面倒だ
特にマウスが、使ってる内にコードがどっかに引っかかったりUSBハブが棚の向こう側に落ちちまったりする
んで、引っかかったせいだったりハブの重さだったりでマウスまで向こう側に持って行かれる事が多々あるわけだ
手を突っ込めばまあマウスは見つかるが、裏に引っかかったコードやハブが中々取れないんだ
「んー…どこだ」
モニターを置いている天板の下、キーボードやマウスを置いている棚との間に手を突っ込み探す
じれったくつい覗きこんでもみるが、当然天板に覆われた部分から先は真っ暗で何も見えない
更に奥に突っ込みまさぐってみる
何か触れた。暖かかったし俺の手で温まったマウスかUSBハブと見て間違いない
まさかそこまで排熱が凄い事はなかろう
更に腕を突っ込み、さっき触れた物を今度こそ掴む
さわっ
「うわ!?」
掴んだ『物』に、ぐっと『握り返された』
たまにゴキブリが潜んでたりするかっら恐怖
「つめきり」
ざらざら~、と切った爪の破片をゴミ箱に落とす。
「うーむ、この謎の達成感とスッキリ感っ!」
単に爪を切っただけなのだが、垢すりでゴッソリ取れた時だとか、
もしくは鼻くそがモリッと取れた時だとか、こう、老廃物の釣果というものは汚いのに何となく確認したくなる。
いっぱい出たね☆という奴だ。このセリフ血の繋がらない妹とかに言われてみたい。
一人っ子アンド一人暮らしで彼女もナシのロンリー生活だけどね!!
中身を取り出した爪切りは、いつも通り定位置の薬箱にしまう。
今日もありがとう我が愛刀(?)爪切り丸(名前)よ。
今日も元気にぱちん、ぱちんといい音を慣らす爪切り丸。
綺麗に切りそろえ満足し、ストック部分を開けてゴミ箱に向けて逆さにどーん。
ザラララララ…
「む、この間切ったばかりだからあんまり入ってないと思ったんだが…」
思っていたより多かったようだ。
指にくっついてる状態だと短いように見えても切ってみると案外量があったりするもんだ。
これは嬉しい誤算という奴か。いや切った爪の量が意外と多かったからなんだという話だが。
中身が全部出たのを確認してから薬箱にしまう。
ちょっと爪が伸びてきた。
これはいい量が取れそうだ。などと謎の期待感を抱きつつ薬箱から爪切りを探す。
ぱら、
「?」
中から切った小さな爪が出てきた。
はて、どこか内部に引っかかって捨てきれて無かった物が残っていたんだろうか。
まだ使っていない爪切りをゴミ箱の上で逆さにする。
ザララララララララ!!
………大量の爪が出てきた。
「……覚えてないけど前に使って、中身も捨てずに忘れたのかな」
何となくゴミ箱に落ちた大量の爪の破片を確認する。
「…………………何だこれ」
沢山の爪の破片はどれも赤くて、何か小さなピンク色の柔らかいものがこびりついていた。
つい自分の手足を確認する。
何の異常もない。爪は伸びている。長らく切った覚えはない。深爪はしない質だ。
『沢山取れて嬉しいでしょう?』
そう誰かに言われている気がした。
やったじゃん彼女だぜ(白目)
しび?しびび!しび!しびび!しびびび♪
不安の種+二巻に出てくるしびがかわいく見えてきてしまった俺は末期かもしれない、今日辺り何かに連れて行かれそう
それはそうと一日一話は投稿したいといったのに全然出来無くてごめんなさい
「光」
人は闇を恐れ光を求める
しかし光がいつでも我々の味方でいると安心するには早計かもしれない
#1
俺はとある事故で光を失った
しかし松葉杖の生活にも慣れ、そこまで苦労もしなくなった
音と杖で周りを判断し、進む
闇も慣れれば居心地がいい
#2
俺の目は完全に見えなくなっていて、光を感知することもできない
目にライトを当てられても全然分からない
#3
ある日、光が現れた
目の前にちらちらと浮かんではゆらゆらと揺れる
周りの人に聞いても俺に光は向けていないという
何だ、この光は
#4
気がつくと俺はいつもその光を見えるはずの無い目で追っていた
医者に行ってみた
俺の目に回復の兆しは少しも無く、光を求める俺の心が見せた幻覚ではないかと言われた
そうなのか?
その光は俺に何かを訴えるように明滅している
#5
手を伸ばして光に触れてみた
何ヶ月ぶりかに外の世界が見えた
しかしすぐに消えた
…この光は
#6
それは俺の希望の光だった
それを追いかける
それを取り込めば、それに追いつけば
俺の目は光を取り戻すかもしれない
待って!待ってくれ!
#7
待ってくれ!光を、俺の目に光を!
一生懸命に光を追いかけた
光!
光!!
キキィー!
ドガシャァアン!
その光の先にあったものは…
死
乙
いいねえ
>>140
面白いんだけど笑ってしまった
言われたらなんかAAで脳内再生されてしまった
「壁の中から」
壁とは自分の領地を確保しプライバシーを守るもの
だからそこに異形な何かが入り込むとき人は強い嫌悪感と共に拒否反応を起こす
ほら、耳を済まして息を殺すと感じるでしょう?
がさがさ…かさかさ…ことこと…ペチャ,ペチャ
#1
トトトトトトト
今日も何かが壁のなかを走り回っている
ネズミだ。まだしぶとく生き残ってる
明日こそあんたらの最後だ。業者を呼んでやる
#2
業者が帰っていく。ネズミはいなかっただって?そんな馬鹿な
丁度引っ越していったんだろうって言い分で
引っ越しただって?昨日の今日で?
…でも確かに壁の中や床下、天井まで調べてたしな…
#3
トトトトトトトトトトトトト
その夜、あの忌まわしい足音がする
ほら見たことか!今度こそ業者を呼びつけて現実とクレームを叩きつけてやる
#4
業者「どこにもいませんよ?だいたい昨日の今日で帰ってきたり他の群れが住み着いたりするわけ無いじゃないですか」
「でも!確かに足音を聞いたんですよ!私が嘘をついているというんですか!」
業者「…失礼ですが、幻聴の可能性は?」
「」
「な…何を」
業者「たまにいるんですよ。恐怖や強迫観念から幻覚や幻聴を視る人が」
「な…な…」
業者「あなたは覚えがありませんか?視界の端に映る黒いものが虫に見えたこと」
業者「大抵は見直すとただのシミやゴミであった。なんてこと。それと似たようなものです」
業者「とにかく、次聞こえたらカウンセリングを受けてみることをお勧めしますよ」
#5
信じらんない信じらんない信じらんない!
人を指差してイカれてるなんて!
訴えてやる!訴えてやる!
金をむしり取れなくたってぜえったい謝罪の一つはさせてやる
もちろんむしりとれたらむしりとるけど
#6
そのためにはまず事実を明かさなきゃ。どっちにしろ、ね
このネズミ穴から攻めよう
一度毒入りの餌を置いたけど意味は無かったし、初っぱなから当たりとは思わないけど念のためね
皿に盛った米を置いておく
ネズミがチーズより米の方が好きだと知ったのはつい最近だ
友人に教えたら常識だとバカにされた。今度すごい豆知識を持って仕返ししてやる
#7
米が食われていた
しかし私を怯えさせたのはネズミがいることでは無い
皿のすぐそばに
小さく
引っ掻き傷が文字を象っていたのだ
ありがとう。と
おぞましさを感じる不気味な文字だった
#8
あの小さな文字は…ネズミ穴から察するに小人というレベルじゃない
それこそ、親指姫のような
でもこのおどろおどろしい字はそんなファンシーな者じゃないと思わせる
あれから私は何故かよく餌をあげている
感謝の言葉は紙に鉛筆で書いたものに変わってきた
#10
今日から一週間彼氏が泊まりに来る
楽しみだな
#11
帰り際、彼氏がこう言った
「ネズミがいたから餌に混ぜるタイプの毒やっといたよ」
#12
何も無いに決まっている。前あげたときは毒と気づいて無視したんだから
…何もありませんように
#13
血の跡があった。ネズミ穴の前に
そしてあのおどろおどろしい文字が血で綴られている
「よくもやってくれたな」
と
#14
今夜、私は"あれ"の正体を知るのだろうか
そして、その時私はどうなっていまうのだろうか
うーん何度見ても>>93の意味が分からない、誰か解説してくれ
ネットの世界に入ったんじゃない?
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